JP2016105175A - 偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光子の両面に(メタ)アクリル系樹脂フィルムが貼合された偏光板であって、十分な耐久性(耐光性)を有しつつも、紫外線吸収剤由来の異物混入のおそれのない偏光板、及びこれを用いた液晶パネルを提供する。
【解決手段】偏光子10と、その一方面に積層される第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21と、他方面に積層される第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22とを含み、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21は、紫外線吸収剤を含有し、かつ190〜380nmの波長全域での透過率が20%以下であり、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22は、紫外線吸収剤の含有量が1重量%以下である偏光板1、及びこれを用いた液晶パネルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子の両面に(メタ)アクリル系樹脂フィルムが貼合された偏光板、及びこれを用いた液晶パネルに関する。
偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として広く用いられている。偏光板としては、偏光子の片面又は両面に、接着剤を用いて保護フィルムを貼合した構成のものが一般的である。
特許文献1には、中でも加湿条件下での耐久性、表示の均一性(ムラ)を満足することができる偏光板として、偏光子の両面に貼合する保護フィルムに(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いた偏光板が記載されている。
特開2009−122663号公報
通常、保護フィルムには、偏光板の耐久性(耐光性)を高めるために紫外線吸収剤が配合される。偏光子の両面に保護フィルムを貼合する場合には、その両面の保護フィルムに紫外線吸収剤を配合するのが一般的である。
しかし、紫外線吸収剤を含有する保護フィルムを溶融押出法により作製すると、僅かながらも、樹脂の加熱溶融時に蒸散し、再度固化したものと思われる紫外線吸収剤の粒子が得られる保護フィルム表面に付着したり、溶融押出装置の長時間稼働によりTダイ等に紫外線吸収剤を含む液状付着物が生じ、それが垂れ落ちることで保護フィルム表面に付着あるいは保護フィルム内に樹脂とは異なる相として混入したりすることが本発明者の検討により明らかとなった。かかる問題は、保護フィルムに(メタ)アクリル系樹脂を用いる場合にとりわけ顕著となる。(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、可視域から紫外領域にわたって透過率が高いため、紫外線吸収剤の含有量を比較的多くする必要があるためである。
上記の紫外線吸収剤由来の異物は、それ自体問題となり得ることは勿論であるが、異物を有する保護フィルムを液晶セル側に配置される保護フィルムとして用いると、液晶パネルに形成されるクロスニコルの中に異物が含有されることになるため、黒表示において光漏れが生ずるなど、視認性を低下させるおそれもある。特に40inchサイズを超えるような大型の液晶モニタや液晶TVで、画素数(横×縦)が2000×1000を超えるような高解像度液晶パネルに用いる場合においては、わずかな異物であっても認識されやすく、この問題が顕著となる。また、10inchを下回るような小型のタブレット端末や携帯端末では、画面サイズが小さく使用者が一点を集中して画面を見るため、大型の表示装置に比べて異物が認識されやすい傾向にあり、さらに、これら小型の液晶パネルの高解像度化により、異物による視認性の低下はより顕著となる。
本発明の目的は、偏光子の両面に(メタ)アクリル系樹脂フィルムが貼合された偏光板であって、十分な耐久性(耐光性)を有しつつも、紫外線吸収剤由来の異物混入のおそれのない偏光板、及びこれを用いた液晶パネルを提供することにある。
本発明は、以下の偏光板及び液晶パネルを提供する。
[1]偏光子と、偏光子の一方面に積層される第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムと、偏光子の他方面に積層される第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムとを含み、
前記第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、紫外線吸収剤を含有し、かつ190〜380nmの波長全域での透過率が20%以下であり、
前記第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、紫外線吸収剤の含有量が1重量%以下である、偏光板。
[2]前記第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、260〜320nmの波長域での透過率が20%以上である、[1]に記載の偏光板。
[3]前記第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、紫外線硬化性接着剤から形成される接着剤層を介して前記偏光子に積層される、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4]260〜380nmの波長域での透過率の最大値が3%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5]前記第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの外面に積層される粘着剤層をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光板。
[6]前記第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの外面に積層されるコーティング層をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板。
[7]液晶セルと、その少なくとも一方面に配置される[1]〜[6]のいずれかに記載の偏光板とを含む、液晶パネル。
[8]前記偏光板は、その第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムが前記液晶セル側となるように配置される、[7]に記載の液晶パネル。
[9]前記液晶セルは、IPSモードの液晶セルである、[7]又は[8]に記載の液晶パネル。
本発明によれば、偏光子の両面に(メタ)アクリル系樹脂フィルムが貼合された偏光板であって、十分な耐久性(耐光性)を有し、かつ紫外線吸収剤由来の異物が低減された偏光板を提供することができる。この偏光板は、液晶パネルに好適に適用することができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶パネルの層構成の一例を示す概略断面図である。 実施例1で作製した第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を示す図である。 実施例1で作製した第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を示す図である。 比較例2で作製した(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を示す図である。 実施例4で作製した第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を示す図である。 実施例4で作製した第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を示す図である。
以下、実施の形態を示して本発明に係る偏光板について詳細に説明する。
<偏光板>
図1は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示される偏光板1のように本発明の偏光板は、偏光子10;偏光子10の一方面に積層される第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21;偏光子10の他方面に積層される第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22を含む。通常、第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム21,22はそれぞれ、第1接着剤層15、第2接着剤層25を介して偏光子10に貼合、積層される。図1に示されるように本発明の偏光板は、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22の外面に積層される粘着剤層30をさらに含むことができる。本明細書において「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリロイル」などについても同様である。
(1)偏光子
偏光子(偏光フィルムともいう。)10は、光学軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、光学軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する光学フィルムであり、例えば、一軸延伸され、二色性色素が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムであることができる。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。偏光子10を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルのケン化物であるポリビニルアルコールのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他のモノマー(例えばエチレンや不飽和カルボン酸等)との共重合体のケン化物であるビニルアルコール系共重合体であってもよい。偏光子10の厚みは通常、5〜40μm程度である。
偏光子10は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。二色性色素の染色は二色性色素を含有する水溶液にフィルムを浸漬することにより、ホウ酸水溶液による処理はホウ酸水溶液にフィルムを浸漬することにより行うことができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
(2)第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21は、偏光板に耐久性(耐光性)を付与するために紫外線吸収剤が含有された保護フィルムであり、偏光板を液晶パネルに適用する際、視認側の偏光板にあってはその視認側(液晶セルとは反対側)、バックライト側の偏光板にあってはそのバックライト側(液晶セルとは反対側)に配置される保護フィルムである。
〔(メタ)アクリル系樹脂〕
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21を構成する(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位を含む重合体である。該重合体は、典型的にはメタクリル酸エステルを含む重合体であり、好ましくはメタクリル酸エステルを主体とする、すなわち、全モノマー量を基準に、メタクリル酸エステル由来の構成単位を50重量%以上含む重合体である。(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、全モノマー量を基準に、メタクリル酸エステル由来の構成単位を50重量%以上と、他の重合性モノマー由来の構成単位を50重量%以下含む共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得るメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルを用いることができ、その具体例は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1〜8であるメタクリル酸アルキルエステルを含む。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。(メタ)アクリル系樹脂において、メタクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、耐久性の観点から、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸メチル由来の構成単位を含むことが好ましく、この構成単位を全モノマー量を基準に50重量%以上含むことがより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得る上記他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステルや、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーを挙げることができる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、その具体例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステルを含む。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。(メタ)アクリル系樹脂において、アクリル酸酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーとしては、例えば、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する単官能モノマーや、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する多官能モノマーを挙げることができるが、単官能モノマーが好ましく用いられる。単官能モノマーの具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロゲン化スチレン、ヒドロキシスチレンのようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのようなシアン化ビニル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような不飽和酸;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドのようなマレイミド;メタリルアルコール、アリルアルコール等のアリルアルコール;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、メチルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾールのような他のモノマーを含む。
また、多官能モノマーの具体例は、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのような多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートのような多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンのような芳香族ポリアルケニル化合物を含む。メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル以外の重合性モノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂の好ましいモノマー組成は、全モノマー量を基準に、メタクリル酸アルキルエステルが50〜100重量%、アクリル酸アルキルエステルが0〜50重量%、これら以外の重合性モノマーが0〜50重量%であり、より好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、アクリル酸アルキルエステルが0.1〜50重量%、これら以外の重合性モノマーが0〜49.9重量%である。
また(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムの耐久性を高め得ることから、高分子主鎖に環構造を有していてもよい。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造、ラクトン環構造等の複素環構造であることが好ましい。具体的には、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造等の環状酸無水物構造、グルタルイミド構造、コハクイミド構造等の環状イミド構造、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン環構造が挙げられる。主鎖中の環構造の含有量を大きくするほど(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることができる。環状酸無水物構造や環状イミド構造は、無水マレイン酸やマレイミド等の環状構造を有するモノマーを共重合することによって導入する方法、重合後脱水・脱メタノール縮合反応により環状酸無水物構造を導入する方法、アミノ化合物を反応させて環状イミド構造を導入する方法等によって導入することができる。ラクトン環構造を有する樹脂(重合体)は、高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を調製した後、得られた重合体におけるヒドロキシル基とエステル基とを、加熱により、必要に応じて有機リン化合物のような触媒の存在下に環化縮合させてラクトン環構造を形成する方法によって得ることができる。
高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体は、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチルのようなヒドロキシル基とエステル基とを有する(メタ)アクリル酸エステルをモノマーの一部として用いることにより得ることができる。ラクトン環構造を有する重合体のより具体的な調製方法は、例えば特開2007−254726号公報に記載されている。
上記のようなモノマーを含むモノマー組成物をラジカル重合させることにより、(メタ)アクリル系樹脂を調製することができる。モノマー組成物は、必要に応じて溶剤や重合開始剤を含むことができる。
〔他の樹脂〕
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21は、上述した(メタ)アクリル系樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。当該他の樹脂の含有率は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜25重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。当該樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)のようなオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂のような含ハロゲン系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体のようなスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル;芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸からなるポリアリレート;ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートのような生分解性ポリエステル;ポリカーボネート;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610のようなポリアミド;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルニトリル;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシペンジレン;ポリアミドイミド等であることができる。
〔紫外線吸収剤〕
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21に含有される紫外線吸収剤は、波長約200〜400nmに吸収極大を持つ紫外線吸収剤であることができ、その種類としては特に制限されず、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
(トリアジン系紫外線吸収剤)
トリアジン系紫外線吸収剤は、下記一般式(i):
1−Q2−OH (i)
で表わされる。式中、Q1は1,3,5−トリアジン環を表し、Q2は芳香族環を表す。
上記一般式(i)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、下記一般式(i−A):
Figure 2016105175
で表される化合物がある。
式中、R2、R2'、R2''、R11、R11'及びR11''は、後述する一般式(i−B)中のR2、R2'、R2''、R11、R11'及びR11''と同様の官能基を表し、R18'及びR18''は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基又はアルコキシ基(−OR1)を表す。
一般式(i−A)で示されるトリアジン系紫外線吸収剤の中でも好ましく用いられるトリアジン系紫外線吸収剤は、下記一般式(i−B):
Figure 2016105175
で表される化合物である。
式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;フェニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3〜18のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−O−CO−O−R6、−CO−NH2、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5、フェノキシ基、炭素原子数1〜18のアルキル基で置換されたフェノキシ基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルコキシ基、又は炭素原子数6〜15のトリシクロアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜18のアルキル基;ヒドロキシ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基又は−O−CO−R5で置換された炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;グリシジル基;−CO−R9又は−SO2−R10を表すか;あるいはR1は1以上の酸素原子で中断された及び/又はヒドロキシ基、フェノキシ基若しくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換された炭素原子数3〜50のアルキル基を表すか;あるいはR1は−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR1313'−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2−XA;
Figure 2016105175
−CR1515'−C(=CH2)−R15'';−CR1313'−(CH2m−CO−X−A;−CR1313'−(CH2m−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15''又は−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15''(式中、Aは−CO−CR16=CH−R17を表す。)で表される定義の一つを表す。
2、R2'及びR2''は、互いに独立して、炭素原子数6〜18のアルキル基;炭素原子数2〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;COOR4;CN;−NH−CO−R5;ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;−O−R3を表す。
3は、R1に対して与えられた定義を表し;R4は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表すか;あるいはR4は1以上の−O−、−NH−、−NR7−、−S−で中断された及びOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表し;R5はH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表し;R6はH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;R7及びR8は互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;炭素原子数4〜16のジアルキルアミノアルキル基を表すか;又は炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;あるいはR7及びR8は一緒になって炭素原子数3〜9のアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基又は炭素原子数3〜9のアザアルキレン基を表し;R9は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;又は炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表し;R10は炭素原子数1〜12のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;又は炭素原子数7〜14のアルキルフェニル基を表し;R11、R11'及びR11''は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;ハロゲン原子;炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表し;R12は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜8のアルケノキシ基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基で1〜3回置換されたフェニル基を表すか;又は炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルキル基;−CO−R5を表し;又はR12は1以上の−O−、−NH−、−NR7−、−S−で中断された及びOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表し;R13及びR13'は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;フェニル基を表し;R14は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;フェニル基;フェニル−炭素原子数1〜4のアルキル基を表し;R15、R15'及びR15''は互いに独立してH又はCH3を表し;R16はH;−CH2−COO−R4;炭素原子数1〜4のアルキル基;又はCNを表し;R17はH;−COOR4;炭素原子数1〜17のアルキル基;又はフェニル基を表し;Xは−NH−;−NR7−;−O−;−NH−(CH2p−NH−;又は−O−(CH2q−NH−を表し;及びmは数0〜19を表し;nは数1〜8を表し;pは数0〜4を表し;qは数2〜4を表す;ただし一般式(i−B)中、R1、R2、R2'、R2''、R11、R11'及びR11''の少なくとも1つが2個以上の炭素原子を含む、である。
トリアジン系紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤)
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、下記一般式(ii):
Figure 2016105175
で表わされる。式中、Q3及びQ4はそれぞれ独立に芳香族環を表す。Yは置換基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を表す。YZは水素原子であってもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
(ベンズトリアゾール系紫外線吸収剤)
ベンズトリアゾール系紫外線吸収剤は、下記一般式(iii):
Figure 2016105175
で表わされる。式中、R20、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ独立に一価の有機基を表し、R20、R21及びR22の少なくとも1つは、総炭素数10〜20の無置換の分岐又は直鎖のアルキル基を表す。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
(ベンゾエート系紫外線吸収剤)
ベンゾエート系紫外線吸収剤は、下記一般式(iv):
Figure 2016105175
で表される。式中のR25、R26は各々独立に炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート及びn−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
(シアノアクリレート系紫外線吸収剤)
シアノアクリレート系紫外線吸収剤は、下記一般式(v):
Figure 2016105175
で表される。式中のR27はアルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、等の有機基である。
紫外線吸収剤としては、それぞれ、上述した紫外線吸収剤を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、2種以上を併用する場合、互いに同系の紫外線吸収剤であってもよいし、異系の紫外線吸収剤であってもよい。
紫外線吸収剤としては、市販品を使用してもよく、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤として、ケミプロ化成株式会社製の「Kemisorb102」、株式会社ADEKA製の「アデカスタブLA46」、「アデカスタブLAF70」、BASF社製の「TINUVIN 460」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 400」、「TINUVIN 477」、サンケミカル社製の「CYASORB UV−1164」、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、株式会社ADEKA製の「アデカスタブLA31」、「アデカスタブLA36」、住化ケムテックス社製の「スミソーブ200」、「スミソーブ250」、「スミソーブ300」、「スミソーブ340」、「スミソーブ350」、ケミプロ化成株式会社製の「Kemisorb74」、「Kemisorb79」、「Kemisorb279」、BASF社製の「TINUVIN 99−2」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、それぞれ重量平均分子量が、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21成形中の蒸散を抑制する観点から、500〜1000であることが好ましく、550〜800であることがより好ましい。重量平均分子量があまり小さいと、成形中に蒸散しやすく、重量平均分子量があまり大きいと、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21を構成する樹脂との相溶性が低下しやすくなる。
紫外線吸収剤は、吸収極大の波長におけるモル吸光係数が10L/mol・cm以上であることが好ましく、15L/mol・cm以上であることがより好ましい。紫外線吸収剤のモル吸光係数が上記範囲であると、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21の紫外線吸収能を高めることができ、あるいは優れた紫外線吸収能を維持しつつ、紫外線吸収剤の含有量を少なくすることができる。
紫外線吸収剤の260〜380nmにおけるモル吸光係数は、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の「アデカスタブLA31」では、約350nmに極大吸収波長をもち、該極大吸収波長におけるモル吸光係数は34821L/mol・cmである。モル吸光係数は化学構造によって異なり、紫外線吸収剤を単独使用、または併用することにより、所望の波長の紫外線を吸収または透過することが可能である。
紫外線吸収剤の含有量は、十分な耐光性を付与するために、190〜380nmの波長全域(近紫外領域の全域)での透過率が20%以下となるように調整され、好ましくは18%以下となるように調整される。透過率は第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21の厚みにも依存するので、採用される厚みをも考慮して紫外線吸収剤の含有量が決定される。透過率は、下記式:
透過率(%)=100×(透過した光の強度I/入射光強度I0
で定義され、各波長における透過率は、紫外可視吸光光度計などにより測定することができる。
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21の厚みにもよるが、当該フィルム中の紫外線吸収剤の含有量は通常、0.1重量%以上であり、好ましくは0.5重量%以上である。また通常、紫外線吸収剤の含有量は5重量%以下である。なお、ここでいう含有量は、フィルム全体量を100重量%としたときの紫外線吸収剤含有量である。
また、偏光板全体としての紫外線の透過率に関していえば、十分な耐光性を付与するために当該透過率を十分に低くすることが好ましい。具体的には、260〜380nmの波長域での透過率の最大値は、3%以下とすることが好ましく、2%以下とすることがより好ましい。
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21の厚みは、例えば5〜200μm程度であり、偏光板薄膜化、並びにフィルムの強度及び取扱い性の観点から、好ましくは10〜150μm、より好ましくは15〜100μmである。
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21は、紫外線吸収剤以外の他の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。他の添加剤の例を挙げれば、ゴム粒子、滑剤、分散剤、熱安定剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等である。
ゴム粒子を配合することは、(メタ)アクリル系樹脂の製膜性、フィルムの耐衝撃性、フィルム表面の滑り性を改善し得る点で有利である。ゴム粒子とは、ゴム弾性を示す層を含むゴム弾性体粒子をいう。
ゴム粒子は、ゴム弾性を示す層のみからなる粒子であってもよいし、ゴム弾性を示す層とともに他の層を有する多層構造の粒子であってもよい。ゴム弾性体としては、例えば、オレフィン系弾性重合体、ジエン系弾性重合体、スチレン−ジエン系弾性共重合体、アクリル系弾性重合体などが挙げられる。中でも、耐光性及び透明性の観点から、アクリル系弾性重合体が好ましく用いられる。
アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルを主体とする、すなわち、全モノマー量を基準にアクリル酸アルキル由来の構成単位を50重量%以上含む重合体であることができる。アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルの単独重合体であってもよいし、アクリル酸アルキル由来の構成単位を50重量%以上と、他の重合性モノマー由来の構成単位を50重量%以下含む共重合体であってもよい。
アクリル系弾性重合体を構成するアクリル酸アルキルとしては通常、そのアルキル基の炭素数が4〜8のものが用いられる。上記他の重合性モノマーの例を挙げれば、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルのようなメタクリル酸アルキル;スチレン、アルキルスチレンのようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのような不飽和ニトリル等の単官能モノマー、さらには、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;マレイン酸ジアリルのような二塩基酸のジアルケニルエステル;アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル等の多官能モノマーである。
アクリル系弾性重合体を含むゴム粒子は、アクリル系弾性重合体の層を有する多層構造の粒子であることが好ましい。具体的には、アクリル系弾性重合体の層の外側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する2層構造のものや、さらにアクリル系弾性重合体の層の内側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する3層構造のものが挙げられる。
アクリル系弾性重合体の層の外側又は内側に形成される硬質の重合体層を構成するメタクリル酸アルキルを主体とする重合体におけるモノマー組成の例は、(メタ)アクリル系樹脂の例として挙げたメタクリル酸アルキルを主体とする重合体のモノマー組成の例と同様であり、特にメタクリル酸メチルを主体とするモノマー組成が好ましく用いられる。このような多層構造のアクリル系ゴム弾性体粒子は、例えば特公昭55−27576号公報に記載の方法によって製造することができる。
ゴム粒子は、(メタ)アクリル系樹脂の製膜性、フィルムの耐衝撃性、フィルム表面の滑り性の観点から、その中に含まれるゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)までの平均粒径が10〜350nmの範囲にあることが好ましい。当該平均粒径は、より好ましくは30nm以上、さらには50nm以上であり、またより好ましくは300nm以下、さらには280nm以下である。
ゴム粒子におけるゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)までの平均粒径は、次のようにして測定される。すなわち、このようなゴム粒子を(メタ)アクリル系樹脂に混合してフィルム化し、その断面を酸化ルテニウムの水溶液で染色すると、ゴム弾性体層だけが着色してほぼ円形状に観察され、母層の(メタ)アクリル系樹脂は染色されない。そこで、このようにして染色されたフィルム断面から、ミクロトーム等を用いて薄片を調製し、これを電子顕微鏡で観察する。そして、無作為に100個の染色されたゴム粒子を抽出し、各々の粒子径(ゴム弾性体層までの径)を算出した後、その数平均値を上記平均粒径とする。このような方法で測定するため、得られる上記平均粒径は数平均粒径である。
最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、その中にゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)が包み込まれているゴム粒子である場合、それを母体の(メタ)アクリル系樹脂に混合すると、ゴム粒子の最外層が母体の(メタ)アクリル系樹脂と混和する。そのため、その断面を酸化ルテニウムで染色し、電子顕微鏡で観察すると、ゴム粒子は、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がアクリル系弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である2層構造のゴム粒子である場合には、内層のアクリル系弾性重合体部分が染色されて単層構造の粒子として観察される。また、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、中間層がアクリル系弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である3層構造のゴム粒子の場合には、最内層の粒子中心部分が染色されず、中間層のアクリル系弾性重合体部分のみが染色された2層構造の粒子として観察されることになる。
(メタ)アクリル系樹脂の製膜性、フィルムの耐衝撃性、フィルム表面の滑り性の観点から、ゴム粒子は、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21を構成する(メタ)アクリル系樹脂との合計量を基準に、3重量%以上、60重量%以下の割合で配合されることが好ましく、より好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。ゴム弾性体粒子が60重量%より多くなると、フィルムの寸法変化が大きくなり、耐熱性が低下する。一方、ゴム弾性体粒子が3重量%より少ないと、フィルムの耐熱性は良好であるものの、フィルム製膜時の巻き取り性が悪く、生産性が低下してしまうことがある。なお、本発明においては、ゴム弾性体粒子として、ゴム弾性を示す層とともに他の層を有する多層構造の粒子を用いた場合は、ゴム弾性を示す層とその内側の層からなる部分の重量を、ゴム弾性体粒子の重量とする。例えば、上述の3層構造のアクリル系ゴム弾性体粒子を用いた場合は、中間層のアクリル系ゴム弾性重合体部分と最内層のメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体部分との合計重量を、ゴム弾性体粒子の重量とする。上述の3層構造のアクリル系ゴム弾性体粒子をアセトンに溶解させると、中間層のアクリル系ゴム弾性重合体部分と最内層のメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体部分とは、不溶分として残るので、3層構造のアクリル系ゴム弾性体粒子に占める中間層と最内層の合計の重量割合は、容易に求めることができる。
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21がゴム粒子を含む場合において、当該フィルムの作製に用いられるゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物は、(メタ)アクリル系樹脂とゴム粒子とを溶融混練等により混合することによって得ることができるほか、まずゴム粒子を作製し、その存在下に(メタ)アクリル系樹脂の原料となるモノマー組成物を重合させる方法によっても得ることができる。
(3)第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム
第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22は、偏光子10の他方の面に積層される保護フィルムであり、偏光板を液晶パネルに適用する際、視認側の偏光板、バックライト側の偏光板のいずれにおいても液晶セル側に配置される保護フィルムである。
このように本発明の偏光板は、両面の保護フィルムに同種の樹脂からなるフィルムを用いるものであるが、これにより寸法変化の動きが上下対称となるので、偏光板に反りが生じ、ひいては液晶パネルに反りが生じるのを防ぐことができる。従って、パネルの反りが原因で起こる表示上の不具合、例えばパネルが周縁部(ベゼル)に接触するなどして起こる光漏れなどを防ぐことができ有用である。これはとりわけIPSモードで有効である。ここで、同種の樹脂からなるフィルムとは、同種の樹脂から構成されていれば同一のフィルムでなくてもよく、例えば、樹脂の組成が異なっていてもよいし、フィルムに配合される添加剤の量や種類が異なっていてもよい。
第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22は、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21とは異なり、紫外線の透過率を高くした保護フィルムであり、具体的には、当該フィルム中の紫外線吸収剤の含有量は1重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以下であり、より好ましくは0.2重量%以下であり、特に好ましくは紫外線吸収剤を含有しない。
第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22の紫外線吸収剤の含有量を第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21と比較して相対的に低くした、又は第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22を紫外線吸収剤不含有とした本発明の偏光板は、例えば次の点において有利となり得る。
〔a〕上述したような紫外線吸収剤由来の異物の付着・混入を抑制又は防止することができる。すなわち、当該異物の付着・混入は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムを溶融押出法によって作製する際における(メタ)アクリル系樹脂の加熱溶融時にTダイ内で蒸散し、これが再度粒子状に固化して生じた粒子がフィルム表面に付着したり、紫外線吸収剤を含む液状物が垂れてフィルム表面に付着あるいはフィルム内に混入したりすることで起こると推測されるが、紫外線吸収剤の含有量を極力抑えることにより、このような異物の付着・混入を抑制、防止することができる。
また、(メタ)アクリル系樹脂の未延伸フィルムを溶融押出法で作製し、これに延伸処理を施す場合においても、上述のような異物の付着・混入を抑制、防止することができる。(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、上述のように溶融押出法によって作製した後、所望の光学特性や機械特性を付与するために延伸処理を施してもよい。延伸処理は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、一軸延伸や二軸延伸などが挙げられる。延伸方向としては、未延伸フィルムの機械流れ方向(MD)、これに直交する方向(TD)、機械流れ方向(MD)に斜交する方向などが挙げられる。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、一方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。
特に、偏光板が有する2つの(メタ)アクリル系樹脂フィルムのうち、液晶パネルとするときに液晶セル側に配置される方の第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22の紫外線吸収剤含有量を抑えることにより、液晶パネルに形成されるクロスニコルの中に異物が含有されることを抑制することができる。このことは、液晶表示装置の黒表示において光漏れが生ずるなどの視認性低下の防止に有効となり得る。
〔b〕第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22の紫外線吸収剤含有量が低い(好ましくは紫外線吸収剤を含有しない)ため、第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム21,22を紫外線硬化性接着剤を用いて偏光子10に貼合する場合において、接着剤の光重合開始剤の種類を選ばずに接着剤を容易に硬化させることができるとともに硬化度を高くすることができる。これにより、得られる偏光板における偏光子10と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの密着性、及び偏光板の機械的強度を向上させることができる。その一方で第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21には十分な量の紫外線吸収剤が配合されているため、偏光板には十分な耐光性が付与されている。
第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22は、紫外線の中でもとりわけ260〜320nmの波長域での透過率が高いことが好ましく、具体的には、260〜320nmの波長域での透過率が20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。260〜320nmの波長域は、偏光子と保護フィルムとを貼合するための紫外線硬化性接着剤が一般的に感応する波長域であり、この波長域での透過率を高めることにより、紫外線硬化性接着剤の硬化速度及び硬化度を高めることができ、接着剤中の光重合開始剤の添加量も抑えることができる。なお本発明において260〜320nmの波長域での透過率が20%以上であるとは、260〜320nmの波長域における少なくとも1箇所で、透過率が20%以上であることを表す。
IPSモードの液晶セルを用いた液晶表示装置に偏光板を適用する場合、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22は、光学異方性を実質的に有しないことが好ましい。具体的には、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22は、波長590nmにおける面内位相差値R0が10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。また、波長590nmにおける厚み方向位相差値Rthの絶対値は、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。
面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rthは、それぞれ下記式:
0=(nx−ny)×d
th=[(nx+ny)/2−nz]×d
で定義される。nxはフィルムの面内遅相軸方向の屈折率、nyは面内進相軸方向(面内遅相軸方向と面内で直交する方向)の屈折率、nzは厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚みである。
第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22を構成する(メタ)アクリル系樹脂、紫外線吸収剤を含有する場合におけるその種類、フィルムの厚み、並びにフィルムに配合され得る他の添加剤(例えばゴム粒子)については、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21についての上の記述が引用される。特に(メタ)アクリル系樹脂は帯電しやすく、環境異物等を付着しやすいことから、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム中、あるいは第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム上に帯電防止剤(層)を0.01〜10重量部添加することが好ましい。付着異物についても紫外線吸収剤由来の異物と同様に、液晶パネルに形成されるクロスニコルの中に異物が含有されることを抑制することができ、液晶表示装置の黒表示において光漏れが生じるなどの視認性低下の防止に有効となり得る。
第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21と第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22とは、他の添加剤の使用の有無、種類及び配合量、紫外線吸収剤の種類、(メタ)アクリル系樹脂の種類、並びにフィルムの厚みにおいて同一であってもよく、いずれか1以上において異なっていてもよい。
(4)第1及び2接着剤層
第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム21,22と偏光子10と貼合は通常、接着剤を用いて行われる(図1の第1及び第2接着剤層15,25)。第1及び第2接着剤層15,25を形成する接着剤は、好ましくは紫外線硬化性接着剤であり、より好ましくは260〜320nmの波長域の紫外線に感応して硬化する接着剤である。従って、第1及び第2接着剤層15,25は、好ましくは当該接着剤の硬化物層である。
紫外線硬化性接着剤を構成する、紫外線の照射により硬化する成分(以下、単に「硬化性成分」ともいう。)は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、(メタ)アクリル系化合物等であり得る。中でも上記接着剤としては、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分とする紫外線硬化性接着剤を好ましく用いることができる。ここでいうエポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
好適に使用できるエポキシ系化合物の例は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルのような脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物を含む。
エポキシ化合物は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、ジャパンエポキシレジン株式会社から販売されている「エピコート」シリーズ、DIC株式会社から販売されている「エピクロン」シリーズ、東都化成株式会社から販売されている「エポトート」シリーズ、株式会社ADEKAから販売されている「アデカレジン」シリーズ、ナガセケムテックス株式会社から販売されている「デナコール」シリーズ、ダウケミカル社から販売されている「ダウエポキシ」シリーズ、日産化学工業株式会社から販売されている「テピック」等がある。
上記脂環式エポキシ化合物も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、ダイセル化学工業株式会社から販売されている「セロキサイド」シリーズ及び「サイクロマー」シリーズ、ダウケミカル社から販売されている「サイラキュア」シリーズ等がある。
紫外線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物の代わりに、又はこれとともに、硬化性成分としてラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有することもできる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー等の分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルモノマー;分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とアミド結合とを有する(メタ)アクリルアミドモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルオリゴマー等の(メタ)アクリロイル基含有化合物を挙げることができる。(メタ)アクリルオリゴマーは好ましくは、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーである。(メタ)アクリル系化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。(メタ)アクリル系化合物は、好ましくは(メタ)アクリルアミドモノマーを含む。
分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とアミド結合とを有する(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、下記一般式(vi):
CH2=C(R28)−CONH(2-i)−(L−O−R29i 一般式(vi)
で表されるN−置換アミド系モノマーがより好ましい。式中、R28は水素原子又はメチル基を表し、Lはメチレン基又はエチレン基を表し、R29は水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、iは1又は2を表す。
上記一般式(vi)で表されるN−置換アミド系モノマーの具体例としては、例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらN−置換アミド系モノマーは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(vi)で表されるN−置換アミド系モノマーは、低水分率の偏光子や、透湿度の低い材料を用いた保護フィルムに対しても、良好な接着性を示すため好ましい。例示のモノマーの中でも、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドは、特に良好な接着性を示すことからより好ましい。
ラジカル重合性化合物は、上記一般式(vi)で表されるN−置換アミド系モノマー以外の(メタ)アクリル系化合物、すなわち、上記一般式(vi)で表されるN−置換アミド系モノマー以外のN−置換アミド系モノマー、芳香環及びヒドロキシ基を有する各種の単官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、各種の(メタ)アクリロイル基を有する化合物等を含有してもよい。ただし、接着剤層の接着性及び耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物の合計量に対する上記一般式(vi)で表されるN−置換アミド系モノマーの割合は、50〜99重量%であることが好ましく、60〜90重量%であることがより好ましい。
上記一般式(vi)で表されるN−置換アミド系モノマー以外のN−置換アミド系モノマーとしては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカアプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等が挙げられる。
芳香環及びヒドロキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、芳香環及びヒドロキシ基を有する、各種の単官能(メタ)アクリレートを用いることができる。ヒドロキシ基は、芳香環の置換基として存在してもよいが、芳香環と(メタ)アクリレートとを結合する有機基(炭化水素基、特に、アルキレン基)の置換基として存在することが好ましい。
上記芳香環及びヒドロキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、芳香環を有する単官能のエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物が挙げられる。芳香環を有する単官能のエポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェニルポリエチレングリコールグリシジルエーテル等が挙げられる。芳香環及びヒドロキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートの具体例を挙げれば、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルポリエチレングリコールプロピル(メタ)アクリレート等である。
また上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ジオール化合物の片末端のヒドロキシル基との反応物等が挙げられる。ジオール化合物としては、ポリウレタンジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールやポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート及びラウリル(メタ)アクリレート等の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸メトキシエチル及び(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル及び(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;無水マレイン酸及び無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー等が挙げられる。また、マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド及びN−フェニルマレイミド等のマレイミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル及び3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド及びN−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマーを含む窒素含有モノマーが挙げられる。
官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、すなわちジ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、接着剤層の耐水性が向上するため、多官能であるものが好ましい。接着剤層の耐水性を考慮した場合、ジ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は疎水性であることがより好ましい。疎水性のジ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、特に疎水性の多官能ジ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えばトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸付加物、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス((メタ)アクロキシエチル)イソシアヌレート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと1,6−ジイソシアネートヘキサンとの重合物、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物の合計量に対するジ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の割合は、5〜50重量%であることが好ましく、9〜40重量%であることがより好ましい。この割合が5重量%未満である場合、十分な耐水性向上効果が得られない場合があり、一方、50重量%を超える場合には、十分な接着性向上効果が得られない場合がある。
また、紫外線硬化性接着剤は、上記のほか、ラジカル重合性化合物としてその他の官能基含有化合物を含有していてもよい。その他の官能基含有化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
紫外線硬化性接着剤は、エポキシ系化合物及び/又は(メタ)アクリル系化合物とともに、あるいはその代わりに、オキセタン化合物を含有することもできる。オキセタン化合物も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、東亞合成株式会社から販売されている「アロンオキセタン」シリーズ、宇部興産株式会社から販売されている「ETERNACOLL」シリーズ等がある。
紫外線硬化性接着剤は、エポキシ系化合物のようなカチオン重合によって硬化する硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレン錯体等を挙げることができる。また、紫外線硬化性接着剤が(メタ)アクリル系化合物のようなラジカル重合性硬化性成分を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、水素引き抜き型又は開裂型を挙げることができ、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン等を挙げることができる。これらの開始剤は必要に応じて光カチオン重合開始剤同士や光ラジカル開始剤同士で異なる2種類以上を含んでもよいし、光カチオン重合開始剤と光ラジカル開始剤とを併用してもよい。光重合開始剤が感応する波長域は260〜380nmであるものが多く、とりわけ320nm付近にピークをもつものが多い。
カチオン重合開始剤も、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、日本化薬株式会社から販売されている「カヤラッド」シリーズ、ユニオンカーバイド社から販売されている「サイラキュア」シリーズ、サンアプロ株式会社から販売されている光酸発生剤「CPI」シリーズ、ミドリ化学株式会社から販売されている光酸発生剤「TAZ」、「BBI」及び「DTS」、株式会社ADEKAから販売されている「アデカオプトマー」シリーズ、ローディア社から販売されている「RHODORSIL」シリーズ等がある。
紫外線硬化性接着剤は、必要に応じて、ポリオール類等のカチオン重合促進剤、光増感剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
第1及び第2接着剤層15,25の厚みはそれぞれ独立して、例えば0.01〜10μm程度であり、好ましくは0.01〜5μm程度であり、より好ましくは4μm以下(例えば3μm以下)である。
紫外線硬化性接着剤を偏光子10の貼合面又は第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム21,22の貼合面に塗工し、その塗工された紫外線硬化性接着剤層を介してフィルムを重ねた後、紫外線を照射して接着剤層を硬化させることによって偏光板を得ることができる。この貼合操作は、偏光子10と第1(メタ)アクリル樹脂フィルム21を先に貼合した後に、第2(メタ)アクリル樹脂フィルム22を貼合してもよいし、3枚同時に重ねあわせ、紫外線照射し貼合しても構わない。紫外線は、1回以上、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22側から照射されることが接着剤硬化の観点から好ましい。紫外線光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
貼合に先立って、第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム21,22における偏光子10との貼合面及び偏光子10における第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム21,22との貼合面のうち少なくとも一方に、コロナ放電処理、プラズマ照射処理、電子線照射処理、その他の表面活性化処理を施しておいてもよい。
(5)粘着剤層
本発明の偏光板は、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22の外面(偏光子10とは反対側の表面)に、当該偏光板を液晶セル等の他の部材に貼合するための粘着剤層30を備えることができる。粘着剤層30に用いられる粘着剤は、例えば(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤、ゴム系粘着剤等であることができるが、中でも、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
粘着剤層30は、粘着剤を、例えば有機溶剤溶液の形態で用い、それを第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22上に塗工し、乾燥させる方法によって設けることができるほか、離型処理が施されたプラスチックフィルム(セパレートフィルムと呼ばれる。)上に形成されたシート状粘着剤を第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22に転写する方法によっても設けることができる。いずれの方法においても、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22に積層後の粘着剤層30の外面には、表面保護のためセパレートフィルムを貼着しておくことが好ましい。粘着剤層30の厚みは通常、2〜40μmである。
セパレートフィルムは、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
(6)コーティング層
本発明の偏光板は、偏光板に所望の光学特性又はその他の特徴を付与するために、第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21の外面(偏光子10とは反対側の表面)にコーティング層を有することができる。コーティング層の具体例は、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層を含む。第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム21の表面に表面処理層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
<液晶パネル>
本発明に係る液晶パネルは、液晶セルと、その少なくとも一方面に配置される上述の本発明に係る偏光板とを含むものである。本発明に係る液晶パネルの層構成の一例を図2に示す。図2に示される液晶パネル2は、液晶セル40の両面に配置される偏光板に図1に示される偏光板1を用いたものであるが、上述のとおりいずれか一方の偏光板のみに本発明に係る偏光板を用いてもよい。好ましくは、少なくとも視認側の偏光板に本発明に係る偏光板を用いる。
液晶パネル2において偏光板1は、その第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22が液晶セル40側となるように配置される。これにより、液晶パネル2の耐光性を維持しながら、クロスニコルの中に異物が含有されることを抑制することができる。
液晶セル40の駆動モードは、IPSモード、VA(垂直配向)モード、TN(ねじれネマチック)モードのような従来公知のいかなるモードであってもよいが、上述のように、好ましくはIPSモードである。IPSモードは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させたネマチック液晶を、横電界によって駆動させて画像表示を行うものであり、その利点は、他の駆動モードに比べて視野角が広い点にある。画面を見る角度による画像の色目変化(斜め方向のカラーシフトともいう)が比較的大きいが、この点は、光学異方性を実質的に有しない第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム22を含む偏光板を用いることによって改善できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、(メタ)アクリル系樹脂フィルム及び偏光板の透過率は、次の方法に従って測定した。
[(メタ)アクリル系樹脂フィルムの透過率測定]
(メタ)アクリル系樹脂フィルムの紫外領域(190〜380nm)における透過率は、株式会社島津製作所製の分光光度計「UV−2450」を用いて測定した。
[偏光板の透過率測定]
偏光板の紫外領域(260〜380nm)における透過率は、日本分光(株)製の紫外可視分光光度計「V7100」を用いて測定した。測定はグラントムソン偏光子を外した状態でのスペクトル測定モードで行い、ある任意のサンプル角度で透過率を測定した後、さらにサンプルを90°回転させて透過率を測定し、それらの平均値として偏光板の透過率を算出した。
<実施例1>
(1)第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
(メタ)アクリル系樹脂として、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%(重量比)の共重合体を用意した。またゴム粒子として、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された硬質の重合体からなり、中間層がアクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の弾性体からなり、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質の重合体からなる三層構造の弾性体粒子であって、中間層である弾性体までの平均粒径が240nmのものを用意した。なお、このゴム粒子において、最内層と中間層との合計重量は、粒子全体の70%であった。
上記(メタ)アクリル系樹脂68.5重量%、上記ゴム粒子29.6重量%、及び株式会社ADEKA社製の紫外線吸収剤「アデカスタブLA31」1.9重量%をスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練してペレットとした。このペレットを、65mmφ一軸押出機に投入し、設定温度275℃のT型ダイを介して押し出し、鏡面を有する二本のポリシングロールフィルムの両面を挟み込んで冷却し、厚さ40μmの第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得た。
上記の溶融押出成形において、樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積が多く見られたため、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れがあった。また、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域での最大透過率(%)は15.9%であった。得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を図3に示す。
(2)第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
紫外線吸収剤を混合しなかったこと以外は上記(1)と同様にして、厚さ40μmの第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。
樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積は見られなかったことから、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れはないと判断できた。また、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの260〜320nmの波長域での最大透過率(%)は、316nmにおいて78.7%であった。得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を図4に示す。
(3)偏光フィルムの作製
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.3倍、得られた偏光フィルムの厚みは27μmであった。
(4)偏光板の作製
上記(1)で得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの貼合面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に260〜320nmの波長域で重合開始する紫外線硬化接着剤(東亞合成(株)製の「アロニックス」)を塗工した。同様に、上記(2)で得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの貼合面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に同じ紫外線硬化接着剤を塗工した。次いで、上記(3)で得られた偏光フィルムの一方の面に紫外線硬化接着剤を塗工した第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムを、他方の面に紫外線硬化接着剤を塗工した第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを、それらの紫外線硬化接着剤層側で貼合ロールを用いて貼合した。その後、第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム側から紫外線を照射することで両面の紫外線硬化接着剤層を硬化させて、偏光板を得た。紫外線照射は、260〜320nmの波長域での積算光量が200mJ/cm2となるように行った。得られた偏光板の260〜380nmの波長域での最大透過率(%)は2.3%であった。また、得られた偏光板をはさみで裁断してみても、(メタ)アクリル系樹脂フィルムが偏光フィルムから剥離する不具合は生じず、両面の接着剤層が十分に硬化していることが確認された。
<実施例2>
(1)第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
厚みを80μmとしたこと以外は実施例1の(1)と同様にして第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。上記の溶融押出成形において、樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積が多く見られたため、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れがあった。また、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域での最大透過率(%)は3.5%であった。
(2)第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
厚みを80μmとしたこと以外は実施例1の(2)と同様にして第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積は見られなかったことから、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れはないと判断できた。また、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの260〜320nmの波長域での最大透過率(%)は、316nmにおいて75.1%であった。
(3)偏光板の作製
上記(1)及び(2)で作製した第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いたこと以外は実施例1の(4)と同様にして、偏光板を作製した。得られた偏光板の260〜380nmの波長域での最大透過率(%)は0.3%であった。また、得られた偏光板をはさみで裁断してみても、(メタ)アクリル系樹脂フィルムが偏光フィルムから剥離する不具合は生じず、両面の接着剤層が十分に硬化していることが確認された。
<実施例3>
(1)第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
厚みを80μmとしたこと以外は実施例1の(1)と同様にして第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。上記の溶融押出成形において、樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積が多く見られたため、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れがあった。また、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域での最大透過率(%)は3.5%であった。
(2)第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
厚みを80μmとしたこと、及びフィルム形成材料として(メタ)アクリル系樹脂69.9重量%、上記ゴム粒子29.6重量%、及び株式会社ADEKA社製の紫外線吸収剤「アデカスタブLA31」0.5重量%を用いたこと以外は実施例1の(2)と同様にして第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積はわずかであったことから、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れは極めて低いと判断できた。また、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの260〜320nmの波長域での最大透過率(%)は、266nmにおいて21.3%であった。
(3)偏光板の作製
上記(1)及び(2)で作製した第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いたこと以外は実施例1の(4)と同様にして、偏光板を作製した。得られた偏光板の260〜380nmの波長域での最大透過率(%)は0.14%であった。また、得られた偏光板をはさみで裁断してみても、(メタ)アクリル系樹脂フィルムが偏光フィルムから剥離する不具合は生じず、両面の接着剤層が十分に硬化していることが確認された。
<実施例4>
(1)第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
厚みを60μmとしたこと以外は実施例1の(1)と同様にして第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムを作製した。上記の溶融押出成形において、樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積が多く見られたため、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れがあった。また、得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域での最大透過率(%)は7.5%であった。得られた第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を図6に示す。
(2)第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
まず、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂を以下の方法で製造した。メチルメタクリレート(和光純薬特級)を減圧度0.01MPa、40℃で蒸留し、禁止剤を除いた。次いで、50Lタンク内で、蒸留メチルメタクリレート/N−フェニルマレイミド(和光純薬特級)/シクロヘキシルマレイミド(和光純薬特級)/メタキシレン(和光純薬特級、以下mXy)=48.6%/4.8%/6.6%/40%(重量比)を含む混合モノマー溶液を調製し、これに100mL/分の速度で窒素によるバブリングを12時間実施して、溶存酸素を除去した。混合モノマー溶液を、窒素置換した60L反応器に移し、温度を130℃に上昇させた。次いで、同温度で、重合開始剤〔日本油脂(株)の「パーブチルO」〕0.12重量%をmXy12重量%に溶解させた開始剤溶液を、1kg/時間の速度で追添することで重合を実施し、8時間後に反応器を50℃まで冷却した。
次いで、1m3の反応器に500Lのメタノールを加え、上記の重合溶液を5時間かけて注ぎ、ポリマーを析出させた。その後、更に2時間攪拌を実施し、減圧濾過を行った。減圧濾過後のメタノール含有重合粉体に300Lのメタノールを更に注ぎ、再攪拌した。その後、減圧濾過を実施し、メタノール含有粉体を採取、0.3m3のコニカル真空乾燥器にて減圧度0.03MPa、温度80℃の条件で乾燥を実施した。乾燥後の粉体を、250℃条件の二軸押出機にてペレタイジングを実施し、ペレット状の(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂を得た。
次に、上記ペレット状の(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂を二軸押出機に投入し、260℃にて溶融混練し、設定温度255℃のT型ダイを介して押出し、鏡面冷却ロールで表面転写させて未延伸フィルムとした。さらに溶融延伸装置を用いて、この未延伸フィルムを逐次延伸(MD延伸倍率:1.8倍、TD延伸倍率:2.5倍)して、厚み40μmの第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得た。
上記の溶融押出成形において、樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積は見られなかったことから、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れはないと判断できた。また、得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの260〜320nmの波長域での最大透過率(%)は320nmにおいて84.2%であった。得られた第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を図7に示す。
(3)偏光板の作製
上記(1)及び(2)で作製した第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いたこと以外は実施例1の(4)と同様にして、偏光板を作製した。得られた偏光板の260〜380nmの波長域での最大透過率(%)は1.0%であった。また、得られた偏光板をはさみで裁断してみても、(メタ)アクリル系樹脂フィルムが偏光フィルムから剥離する不具合は生じず、両面の接着剤層が十分に硬化していることが確認された。
<比較例1>
第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムとして、いずれも実施例2の(1)で作製した(メタ)アクリル系樹脂フィルムを用いたこと以外は実施例1の(4)と同様にして、偏光板を作製した。得られた偏光板の260〜380nmの波長域での最大透過率(%)は0.1%であった。得られた偏光板は、接着剤層の硬化が不十分であり、はさみで偏光板を裁断したとき、(メタ)アクリル系樹脂フィルムが偏光フィルムから剥離する不具合が生じた。
<比較例2>
(1)(メタ)アクリル系樹脂フィルムの作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた30L反応釜に、8000gのメタクリル酸メチル(MMA)、2000gの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、10000gのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ105℃まで昇温し、還流したところで、開始剤として10.0gのターシャリーアミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製「ルパゾール570」)を添加すると同時に、20.0gの開始剤と100gのトルエンからなる溶液を4時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜110℃)で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、10gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学製「Phoslex A−18」)を加え、還流下(約90〜110℃)で5時間、環化縮合反応を行った後、上記環化縮合反応で得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時間の処理速度で導入し、該押出機内で環化縮合反応と脱揮を行い、押出すことにより、透明なラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットを得た。
得られたラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットのラクトン環化率は97.0%、質量平均分子量は147700、メルトフローレートは11.0g/10分、Tg(ガラス転移温度)は130℃であった。
押出機に、上で得られたラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットを供給し、ラクトン環含有アクリル系樹脂ペレット100重量%に対し、チバスペシャルティーケミカルズ社製紫外線吸収剤(TINUVIN1577)1重量%と株式会社ADEKA社製の紫外線吸収剤「アデカスタブLA31」1重量%とを混合し、単軸押出機にてダイス温度250℃でTダイから押出し、冷却ロールで水冷して引取り、厚み120μmのフィルムを得た。この後、逐次二軸押出機で、1.8倍の縦延伸(加熱温度140℃)、次いで2.4倍の横延伸(加熱温度140℃)を施し、厚み40μmの二軸延伸フィルムであるラクトン環含有(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得た。
上記の溶融押出成形において、樹脂の押出開始から100時間経過したときのT型ダイ付近の蒸散物を目視で確認したところ、蒸散物の蓄積が多く見られたため、得られた(メタ)アクリル系樹脂フィルムに蒸散物が付着・混入している恐れがあった。また、得られた(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域での最大透過率(%)は、274nmにおいて24.3%であった。得られた(メタ)アクリル系樹脂フィルムの190〜380nmの波長域における透過率を図5に示す。
(2)偏光板の作製
上記(1)で得られた(メタ)アクリル系樹脂フィルムの貼合面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に厚み100nmの易接着層を形成した。易接着層は、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のシランカップリング剤「APZ−6601」100重量部に対しイソプロピルアルコールを66.7重量部加えることにより調製した溶液を、コロナ処理面にワイヤーバー#5で塗布し揮発分を蒸発させることで形成した。
次いで、易接着層を有する上記(メタ)アクリル系樹脂フィルムを第1及び第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムとして用いたこと以外は実施例1の(4)と同様にして、偏光板を作製した。得られた偏光板の260〜380nmの波長域での最大透過率(%)は1.5%であった。
1 偏光板、2 液晶パネル、10 偏光子、21 第1(メタ)アクリル系樹脂フィルム、22 第2(メタ)アクリル系樹脂フィルム、15 第1接着剤層、25 第2接着剤層、30 粘着剤層、40 液晶セル。

Claims (1)

  1. 偏光子と、偏光子の一方面に積層される第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムと、偏光子の他方面に積層される第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムとを含み、
    前記第1(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、紫外線吸収剤を含有し、かつ190〜380nmの波長全域での透過率が20%以下であり、
    前記第2(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、紫外線吸収剤の含有量が1重量%以下である、偏光板。
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