JP3977064B2 - 偏光子保護フィルムおよび偏光フィルム、ならびに偏光子保護フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光子保護フィルムおよび偏光フィルム、ならびに偏光子保護フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光子保護フィルムおよびこれを用いた偏光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光フィルムは、透過する光のうちで特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過させ、その他の直線偏光を遮蔽する機能を有する材料であり、例えば液晶表示装置を構成する部品の一つとして広く使用されている。このような偏光フィルムとしては、偏光子フィルムと保護フィルムとが積層された構成をもつものが一般的に使用されている。
【0003】
前記偏光子フィルムとは、特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過する機能を有するフィルムであり、例えばポリビニルアルコール(以下PVAという)フィルム等を延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色したフィルムが一般に使用されている。
【0004】
前記保護フィルムとは、偏光子フィルムを保持して偏光板全体に実用的な強度を付与するなどの機能を担うものであり、例えばトリアセチルセルロース(以下TACという)フィルムなどが一般に使用されている。なお、この保護フィルムのことを業界では支持体あるいは支持体フィルムと称することもある。
【0005】
偏光子フィルムは、吸湿によって偏光性能が低下しやすいきらいがあるため、従来のTACフィルムよりも水分透過率の小さいフィルム素材を保護フィルムとして用いることにより、貼合後の外部からの吸湿を抑制して偏光子フィルムの性能低下を少なくしようとする試みがなされている。
【0006】
また、偏光フィルムは、偏光フィルム通過後の光が高精度の直線偏光であることが要求されるため、保護フィルムが不要な位相差を生じることは好ましくない。TACフィルムも基本的には位相差が小さいものが使われているものの、外部応力の作用によって位相差の変化を生じるきらいがあるため、従来のTACフィルムよりも光弾性係数の小さいフィルム素材を保護フィルムとして用いることにより、貼合後の応力負荷による位相差変化を抑制して偏光フィルムの性能低下を少なくしようとする提案がなされている。
【0007】
一例を挙げると、特開平7−77608号公報では、80℃、90%RHの透湿度が200g/m2・24hr・100μ以下で、かつ光弾性係数が1×10-11cm2/dyne以下である保護フィルムを用いて、偏光フィルムの耐湿熱性を向上させることが開示されている。
【0008】
一方、これらの偏光子フィルムと保護フィルムとは接着剤層を介して貼合され、保護フィルムは偏光子フィルムの片面または両面に積層された形態で使用される。接着剤層を構成する接着剤としては、水溶性のPVA系接着剤等が使用されるのが一般的である。工業的な積層方法としては、偏光子フィルムおよび保護フィルムをロール搬送し、貼合工程において両フィルム間に接着剤を塗布して加圧密着により貼合した後、所定の乾燥工程を経て一体化した偏光フィルムを得る方法が一般に用いられている。
【0009】
前記態様においては、偏光子フィルムと保護フィルムとの接着強度が充分に高いことが必要であり、保護フィルムに対しては接着剤の濡れ性が良好であること、接着剤との接着強度が高いこと等が要求される。例えば、前記TACフィルムにおいても、そのまま使用すると接着剤の濡れ性が充分でない、貼合後の接着強度が充分に得られない等の理由から、予め接着しようとする面をアルカリ液に浸漬してケン化処理をしてから用いられているのが実状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
保護フィルム素材として種々提案される水分透過率の小さいフィルム素材や光弾性係数の小さい素材においても、未処理のフィルムのままでは偏光子フィルムとの接着力が充分にえられず、保護フィルムとしての機能発現が不充分となりやすかった。また、充分な接着力を得るために、高温、高濃度のアルカリに浸漬してケン化処理を行うことも可能であるが、生産工程に適用することは環境面、安全面からも非現実的であった。偏光子フィルムとの接着力を向上させるために、保護フィルム表面に易接着層を設ける方法が種々提案されているが、コーティングにより易接着層を設ける場合、溶剤が偏光子保護フィルム表面を一部溶解することにより、クラックやカールが発生し、偏光子保護フィルムにダメージを与えることがあった。また、溶剤の種類によってはフィルムが破断してコーティング加工ができない場合があった。さらに、有機溶剤を用いることから環境への影響についても考慮する必要があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討した結果、予め保護フィルム上に水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層を設けることにより、保護フィルムとしての要求性能を損なわずに偏光子フィルムとの接着性を改善でき、耐久性に優れた偏光フィルムが得られることを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち本発明は、透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層を有する透明積層フィルムを内容とする。
【0013】
ここで、水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層は、水に不溶であることが好ましい。
【0014】
また、水分散性ポリエステル樹脂が解離性有機酸基またはその金属塩基を含有するポリエステル樹脂であることが好ましく、さらには、解離性有機酸基またはその金属塩基が、スルホン酸基またはスルホン酸金属塩基であることが好ましい。
【0015】
また、透明フィルムとしては、位相差値が0nm以上20nm以下、光線透過率が85%以上100%以下、ヘーズが0%以上2%以下であることが好ましい。
【0016】
また、透明樹脂フィルムは、好ましくは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂、を含有する。
【0017】
ここで、熱可塑性樹脂(A)は、好ましくは、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分からなる。
【0018】
また、本発明は他の側面において、本発明の透明積層フィルムからなることを特徴とする偏光子保護フィルムを提供する。また、該偏光子保護フィルムを用いたことを特徴とする偏光フィルムを提供する。
【0019】
一つの実施態様において、本発明の偏光フィルムは、偏光子保護フィルムにおいて、水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層が形成された面と偏光子フィルムとを対向させて用いられる。
【0020】
また、さらに、本発明は、透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、水分散性ポリエステル樹脂の水分散液を塗布、乾燥して層を形成することを特徴とする透明積層フィルムの製造方法を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる透明樹脂フィルムは、偏光子保護フィルムとしての透明性、複屈折性などの光学的な特性を満足できる高分子材料を用いることができる。すなわち、偏光子保護フィルムを用いて得られる偏光フィルムの偏光性能を十分に確保できるという観点から、前記透明樹脂フィルムの位相差値は20nm以下が好ましく、10nm以下であることがより好ましい。また、本発明の偏光子保護フィルムを用いて得られる偏光フィルムの透過光量を十分に確保できるという観点から、前記透明樹脂フィルムの光線透過率は85%以上であることが好ましく、ヘーズは2%以下であることが好ましい。
【0022】
本発明に用いられる透明樹脂フィルムの厚さは、通常、20〜300μmであり、好ましくは30〜200μm、さらに好ましくは40〜100μmである。
【0023】
上記の特性を満足する透明樹脂フィルムは熱可塑性樹脂からなるフィルムが好ましく、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィンマレイミド系樹脂やグルタルイミド系樹脂などのイミド系樹脂を挙げることができ、これらを単独または混合して用いることができる。上記樹脂のなかでも、分子の配向による複屈折、及び、光弾性係数の比較的小さい、シクロオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、イミド系樹脂を好ましく用いることができる。これら樹脂の好ましいガラス転移温度は100℃以上であり、より好ましくは120℃、更に好ましくは140℃以上である。
【0024】
本発明の透明樹脂フィルムを構成する特に好ましい樹脂は、少なくとも、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂A、及び、(B)側鎖に少なくとも置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂B、を含有する樹脂組成物である。
【0025】
該樹脂組成物における好ましい熱可塑性樹脂(A)は、少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位とを含有する共重合体(二元もしくはそれ以上の多元共重合体)である。該オレフィン・マレイミド共重合体は公知の方法例えば特開平5−59193号公報、特開平5−196801号公報、特開平6−136058号公報及び特開平9−328523号公報に記載されているように、二種類の単量体を直接共重合したり、一方の重合体にグラフト共重合したり、後述する前駆重合体に対して高分子反応によりイミド結合を導入し、得ることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(A)は、下記式(1)で表される少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と下記式(2)で表される少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位を含有する。
【0026】
【化1】
Figure 0003977064
【0027】
(ここで、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0028】
【化2】
Figure 0003977064
【0029】
(ここで、R4は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。)
好ましいオレフィンとしては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン等のオレフィン系単量体である。また、好ましい置換マレイミドとしては、N置換基が、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ラウリル、ステアリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル等のN−置換マレイミドである。
【0030】
これら共重合体には、その他のビニル系単量体を含有していてもかまわない。ビニル系単量体としては、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチル等のアクリル酸系単量体や、メタクリル酸メチルやメタクリル酸シクロヘキシル等の、メタクリル酸系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体、無水マレイン酸の様な不飽和二重結合を有する酸無水物、スチレンやα−メチルスチレン等のスチレン系単量体等、第三の成分を含有していてもかまわない。これらオレフィン系単量体や置換あるいは非置換マレイミド系単量体、第三の成分は、必要によりそれぞれ複数の単量体を併用してもかまわない。第3成分を光学的特性を損なわない程度に含有させることにより、熱可塑性樹脂(A)の耐熱性を向上させたり、機械的強度を増大させたりすることができる。
【0031】
また、該オレフィン・マレイミド共重合体は、マレイン酸、上記オレフィン系単量体、及び、必要により上記第三の成分や該非置換又は置換マレイミドを含む前駆重合体に、アミン化合物を反応させて得ることもできる。好ましいアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミンn−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の、アルキルアミンやアンモニア、ジメチル尿素、ジエチル尿素等を用いることができる。
【0032】
該オレフィン・マレイミド共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよいが、交互共重合体であることが好ましい。該オレフィン・マレイミド共重合体は、より好ましくは、マレイミド単位として、式(2)におけるR4がメチル基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル基から選ばれたアルキル基である少なくとも1種のマレイミド単位を含有し、オレフィン単位として、式(1)におけるR1 が水素であり、R2 およびR3 がそれぞれメチル基である少なくとも1種のオレフィン単位を含有する共重合体である。さらに好ましくは、該オレフィン・マレイミド共重合体は、マレイミド単位としてN−メチルマレイミド単位を含有し、オレフィン単位としてイソブチレン単位を含有する。本発明の熱可塑性樹脂(A)は、N−置換マレイミドとイソブテンとの交互共重合体であることが特に好ましい。
【0033】
該オレフィン・マレイミド共重合体中の、マレイミド成分の含有量は、共重合体中の総繰り返し単位を基準として、30モル%以上80モル%未満が好ましく、より好ましくは、40モル%以上60モル%以下である。この範囲を超えると、得られるフィルムの耐熱性や機械的強度が損なわれる。第3成分は、これを添加する場合には、その含有率が5モル%以上30モル%以下であることが好ましい。該オレフィン・マレイミド共重合体の残りは、オレフィン単位である。該オレフィン・マレイミド共重合体は、マレイミド単位とオレフィン単位とを主成分(好ましくは、マレイミド単位とオレフィン単位との合計が、熱可塑性樹脂(A)の70モル%以上)として含むことが特に好ましい。
【0034】
必要とされる耐熱性については、ガラス転移温度で80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは130℃以上である。
【0035】
また、好ましい重量平均分子量の範囲は、1×104以上5×105以下の共重合体が用いられる。
【0036】
該樹脂組成物における、別の好ましい熱可塑性樹脂(A)としては、グルタルイミド系熱可塑性樹脂を用いることができる。該グルタルイミド系樹脂は、特開平2−153904号公報、特開平5−202253号公報、特表平6−500807号公報等に記載されているように、グルタルイミド構造単位とアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチル構造単位を有する。
【0037】
好ましいグルタルイミドとしては、下記式(3):
【0038】
【化3】
Figure 0003977064
【0039】
で表されるグルタルイミド単位(但し、式中、R5 、R6 、R7は独立に水素または炭素数1〜12個の非置換のまたは置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。)を含有するグルタルイミド系樹脂である。
【0040】
本発明に用いられる該グルタルイミド樹脂を構成する好ましいグルタルイミド単位としては、R5 、R6が水素またはメチル基であり、R7がメチル基またはシクロヘキシル基である。該グルタルイミド単位は、単独でもよく、複数含んでいてもかまわない。
【0041】
該グルタルイミド樹脂を構成する好ましい第二の構成単位としては、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルからなる単位である。好ましいアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル構造単位としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等である。また、別の好ましいイミド化可能な単位として、N−メチルメタクリルアミドや、N−エチルメタクリルアミドのような、N−アルキルメタクリルアミドである。これら第二の構成単位は単独でもよく、複数含んでいてもかまわない。
【0042】
該グルタルイミド樹脂中の該グルタルイミド単位の含有量は、該グルタルイミド樹脂中の総繰り返し単位を基準として、20重量%以上である。該グルタルイミド単位の、好ましい含有量は、20重量%から95重量%であり、より好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは、60〜80重量%である。該グルタルイミド単位がこの範囲より小さい場合、得られるフィルムの耐熱性が不足しまた透明性が損なわれることがある。また、この範囲を超えると不必要に耐熱性が上がりフィルム化しにくくなる他、得られるフィルムの機械的強度は極端に脆くなり、また、透明性が損なわれることがある。
【0043】
該グルタルイミド樹脂は、必要に応じ、更に、第三の構成単位が共重合されていてもかまわない。好ましい第三の構成単位の例としては、スチレン、置換スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、ブチルアクリレートなどのアクリル系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を用いることができる。これらは該グルタルイミド樹脂中に、該グルタルイミド単位とイミド化可能な単位と直接共重合してあっても良く、また、該グルタルイミド単位とイミド化可能な単位を有する樹脂に対してグラフト共重合してあってもかまわない。第3成分は、これを添加する場合は、該グルタルイミド樹脂中の含有率は5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。
【0044】
該グルタルイミド樹脂は、米国特許3284425号、米国特許4246374号、特開平2−153904号公報等に記載されているように、イミド化可能な単位を有する樹脂としてメタクリル酸メチルエステルなどを主原料として得られる樹脂を用い、該イミド化可能な単位を有する樹脂をアンモニアまたは置換アミンを用いてイミド化することにより得ることができる。また、特開平02−153904号公報にみられるように、主としてN−メチルアクリルアミドとメタクリル酸メチルエステルから成る樹脂を用いてイミド化することにより、該グルタルイミド樹脂を得ることも可能である。
【0045】
該グルタルイミド樹脂を得る際に、反応副生成物としてアクリル酸やメタクリル酸、あるいはその無水物から構成される単位が該グルタルイミド樹脂中に導入される場合がある。このような構成単位、特に酸無水物の存在は、該透明フィルムの全光線透過率やヘーズを低下させるため、好ましくない。アクリル酸やメタクリル酸含量として、樹脂1g当たり0.5ミリ当量以下、好ましくは0.3ミリ当量以下、より好ましくは0.1ミリ当量以下とすることが望ましい。また、該グルタルイミド樹脂は、1×104 ないし5×105 の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0046】
該樹脂組成物における好ましい熱可塑性樹脂(B)としては、アクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用いることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(B)は、下記式(4)で示される不飽和ニトリル単位と下記式(5)で示されるスチレン系単位を含む。
【0047】
【化4】
Figure 0003977064
【0048】
(ここで、R8およびR9は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0049】
【化5】
Figure 0003977064
【0050】
(ここで、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R12は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基またはニトロ基を示す。)。
【0051】
該熱可塑性樹脂(B)を構成する不飽和ニトリル化合物の好ましい例を挙げると、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのようなα−置換不飽和ニトリル、フマロニトリルのようなα,β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物である。
【0052】
該熱可塑性樹脂(B)を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロスチレン等の非置換または置換スチレン系化合物や、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物を用いることができる。
【0053】
これらアクリロニトリル・スチレン系の共重合体中には必要に応じ第三成分を含有していてもかまわない。好ましい第三成分の一例としては、ブチルアクリレートなどのアクリル系単量体であり、また、エチレンやプロピレン等のオレフィン系単量体であり、これら単量体を一種または二種以上を共重合させることにより得られたフィルムの可撓性を増すことができる。また、その他の第三成分としては、N−置換マレイミドであり、特に、フェニルマレイミドを共重合成分として用いることにより、該共重合体の耐熱性を向上することができる。
【0054】
該熱可塑性樹脂(B)は、これら単量体を直接共重合することにより得られるが、スチレン系または不飽和ニトリル系重合体に、該当する単量体をグラフト共重合させてもかまわない。また、ゴム弾性を有するアクリル系重合体にスチレン系単量体や不飽和ニトリル系単量体をグラフト重合させる事により好ましい共重合体を得ることができる。特に好ましい単量体は、不飽和ニトリル成分がアクリロニトリルであり、スチレン系単量体がスチレンである。また、該熱可塑性樹脂(B)は、1×104 ないし5×105 の重量平均分子量を有することが好ましい。これら共重合体はAS樹脂やAAS樹脂として知られている。
【0055】
該熱可塑性樹脂(B)において、好ましい共重合体中の不飽和ニトリル系成分の含有量としては20〜60重量%が望ましく、より好ましくは20〜50重量%である。また、スチレン系成分の含有量としては、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。特に、前者が20〜30重量%で、後者が70〜80重量%の場合は更に好ましい結果を与える。スチレン系やニトリル系の成分がこの範囲を超えると、該熱可塑性樹脂(A)との相溶性が乏しくなり、得られた透明フィルムのヘーズが大きくなることがあるため好ましくない。
【0056】
第3成分は、これを添加する場合は、該熱可塑性樹脂(B)中の含有率は5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。ニトリル系やスチレン系の特に好ましい成分は用いる熱可塑性樹脂(A)及び(B)により異なる。
【0057】
位相差の小さなフィルムを得る場合、該熱可塑性樹脂(A)が主として該オレフィン・マレイミド共重合体であり、熱可塑性樹脂Bが主としてアクリロニトリル及びスチレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリル及びスチレンの含有量を、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチレンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜75重量%、とする事により、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムとした場合、全光線透過率85%以上かつヘイズが2%以下のフィルムを得ることができる。特に、アクリロニトリルの含有量を26〜29重量%とし、また、スチレンの含有量を71〜74重量%とする事により、熱可塑性樹脂(B)は該熱可塑性樹脂(A)と0〜80重量%の組成範囲で良好な相溶性を示し、全光線透過率90%以上かつヘイズ1%以下と極めて透明で、かつ、位相差が5nm以下、好ましくは3nm以下と、極めて位相差の小さなフィルムを得ることができる。また、該組成物から成るフィルムは、延伸しても位相差が極めて発現しにくいという特徴を有しているため、一軸または二軸に延伸を行い、機械的強度のすぐれ、しかもフィルム面内及び厚み方向ともに位相差の小さいフィルムを得ることができるという特徴を有する。延伸は、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸や、自由端一軸延伸、及びこれらを逐次組み合わせた、逐次二軸延伸や、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸等、公知の延伸法を用いることができる。
【0058】
該熱可塑性樹脂(A)が主として該グルタルイミド樹脂であり、該熱可塑性樹脂(B)が主としてアクリロニトリル及びスチレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリルの含有量を、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチレンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜75重量%、とする事により、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムとした場合、全光線透過率85%以上かつヘイズが2%以下のフィルムを得ることができる。
【0059】
特に、該グルタルイミド樹脂を用いて位相差の小さなフィルムを得る場合、グルタルイミド単位を60〜80重量%、メタクリル酸メチルエステルからなる単位を20〜40重量%、酸含有量を0.5ミリ当量/g樹脂以下とし、該熱可塑性樹脂(B)中の、アクリロニトリルの含有量を26〜29重量%、スチレンの含有量を71〜74重量%とする事により、該熱可塑性樹脂(B)と該グルタルイミド樹脂とは幅広い組成範囲で良好な相溶性を示し、全光線透過率90%以上かつヘイズ1%以下と極めて透明で、かつ、位相差が5nm以下、好ましくは3nm以下と、極めて位相差の小さなフィルムを得ることができる。また、該組成物から成るフィルムは、延伸しても位相差が極めて発現しにくいという特徴を有しているため、一軸または二軸に延伸を行い、機械的強度のすぐれ、しかもフィルム面内及び厚み方向ともに位相差の小さいフィルムを得ることができるという特徴を有する。延伸は、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸や、自由端一軸延伸、及びこれらを逐次組み合わせた、逐次二軸延伸や、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸等、公知の延伸法を用いることができる。
【0060】
該透明樹脂フィルムは、以上のように単一樹脂あるいは樹脂組成物から構成されるが、該透明樹脂フィルムはこれら樹脂あるいは組成物から構成される複数の層からなる複合フィルムであってもかまわない。
【0061】
該透明樹脂フィルムは、公知のフィルム化方法により得ることができ、フィルム化方法は特に限定されない。フィルム化に先立ち、用いる樹脂やペレットを予備乾燥しておくことはフィルムの発泡など、欠陥を防ぐ上で有用である。特にイミド系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を用いる場合、加工時の分子配向による位相差が出にくいという特徴を有しているため、溶融成形法によるフィルム化も好ましい方法である。溶融成形法でフィルムを成形する場合、Tダイ法やインフレーション法などの溶融押し出し法や、カレンダー法、熱プレス法、射出成型法など、公知の方法を採用できるが、良好な厚み精度を有する幅広のフィルムを得やすいと言う点で、Tダイを用いた溶融成形法が好ましい。また、極めて均一な厚み精度を有するフィルムを得ることができるという点で溶液流延法も好ましい方法である。これらのフィルム化方法により、ダイライン等の欠陥が無く、また、フィルム厚みバラツキが5%以下と小さく、位相差の小さい、光学的に等方な透明フィルムを得ることができる。
【0062】
該透明樹脂フィルムの少なくとも偏光子フィルムと対向する側の面上に水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層を設ける。水分散性ポリエステル樹脂としては、部分的にイオン性基を含有するポリエステル樹脂等が挙げられる。イオン性基としては解離性有機酸基またはその金属塩基が好ましく、スルホン酸基またはその金属塩基が特に好ましい。このような樹脂の例として特公昭61−58092に示されているような水分散性ポリエステル樹脂が挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、ポリカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸、脂肪族または脂環族ジカルボン酸、スルホン酸金属塩基含有芳香族ジカルボン酸などを単独、あるいは2種以上の成分を、ポリオール成分として脂肪族グリコールまたは/及び脂環族グリコールからなる共重合ポリエステル樹脂で構成される。
【0063】
上記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族または脂環族ジカルボン酸としては例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、ヘキサハイドロイソフタル酸、ヘキサハイドロテレフタル酸等を挙げることができる。必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能以上のポリカルボン酸成分も使用できる。
【0064】
脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等を挙げることができる。また、脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。必要に応じてトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のポリオール成分も使用できる。
【0065】
スルホン酸金属塩含有芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等の金属塩が挙げられる。金属塩としては、Li、Na、K、Mg、Caなどが挙げられる。
【0066】
水分散性ポリエステル樹脂は、これらのモノマー成分の配合比率、スルホン酸金属塩基の含有量、ポリエステル樹脂の分子量等を調整し、水分散安定性がよく、かつ、得られた皮膜の耐熱性、耐水性を考慮して樹脂を合成する。スルホン酸金属塩基の含有量が多いと水分散安定性は良好になる傾向となるが、得られた水分散ポリエステル樹脂層の耐水性が劣り、水に溶解または膨潤などの現象が発生する。
【0067】
本発明に用いられる水分散性ポリエステル樹脂は、好ましくは分子量2500から30000、より好ましくは10000から20000である。また、ガラス転移温度(Tg)は50℃以上であることが好ましい。 Tgが50℃未満では、水分散性ポリエステル樹脂層の粘着性が現れ、フィルムのブロッキングを引き起こす。また、偏光子と接着剤で貼合わされて偏光フィルムとして加工された後の耐熱、耐湿熱特性に影響を与える。
【0068】
水分散性ポリエステル樹脂の水分散液は、樹脂単独で水に分散させるだけでなく、ポリエステル樹脂の水に対する親和性を高め、分散性を補助する目的で水溶性有機溶剤を少量添加してもよい。このような水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso-ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、tert−ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上を併用することができる。
【0069】
水分散性ポリエステル樹脂は、単独あるいは2種以上を併用することもできる。さらに、皮膜の耐水性、耐熱性を上げる目的で架橋剤としてアミノ樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを配合してもよい。アミノ樹脂としては、例えば尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等のホルムアルデヒド付加物やアルキル化物を挙げることができる。エポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル類、ジグリシジルエステル類、ジグリシジルアミン類、線状脂肪族エポキサイド、脂環族エポキサイドなどを挙げることができる。イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、芳香脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであっても良い。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の方法により付加反応させて得られる。これらの架橋剤には、必要に応じて硬化剤あるいは促進剤を併用することもできる。
【0070】
水分散性ポリエステル樹脂層を透明樹脂フィルムに積層複合化する方法としては特に限定されない。水分散液を透明樹脂フィルムにコーティングする方法や、該樹脂層からなるフィルムを透明樹脂フィルムに熱などによりラミネートする方法、透明樹脂フィルムをフィルム化する際に、共押出によりラミネートする方法など、公知のラミネート法を使用することが可能である。その中でも、ポリエステル樹脂の水分散液を透明樹脂フィルムにコーティング、乾燥、硬化させて層を形成する方法は、工業的に作り易いという点から最も好ましい。
【0071】
ポリエステル樹脂の水分散液をコーティングする場合、公知のコーティング方法を用いることができる。好ましいコーティング方法を例示すると、バーコーター、ドクターナイフ、Tダイ、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーターなどである。また、ディップコート法、スプレーコート法も用いることができる。水分散性ポリエステル樹脂層の膜厚は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは0.2〜2μmである。前記範囲未満の場合、貼り合わせ後の接着強度が安定して得にくい傾向となり、前記範囲を超える場合、コーティング加工時の溶剤の乾燥に時間がかかり生産性を落とすばかりでなく、貼り合わせ後の偏光板の厚さが厚くなるなど実用上の不利を招きやすい傾向となる。
【0072】
該樹脂層は、該透明樹脂フィルムと積層するにあたり、必要により、該透明樹脂フィルムおよび/または該樹脂層の積層する側の表面を、コロナ放電処理や火花処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、シラン系やチタン系などのプライマー処理などの公知の表面活性化処理を行うことにより、より強固な密着性を得ることができる。コロナ放電処理等を行う場合、フィルムが帯電しコーティング液のはじきなどが発生する場合があり、このようなコーティング欠陥を防ぐためにコロナ放電処理後に除電器を使用することが好ましい。除電器としては、除電バーや送風型除電器などが挙げられる。
【0073】
該透明樹脂フィルムは、必要に応じて少量の可塑剤や熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等の加工性改良剤、あるいは、フィラーなどの公知の添加剤やその他の重合体を含有していてもかまわない。これら添加剤は、該透明樹脂フィルムおよび/または該樹脂層のいずれにも添加することが可能である。
【0074】
可塑剤としては、フタル酸系可塑剤、脂肪族二塩基酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、高分子系添加剤などが挙げられる。これら添加剤の中でも、芳香族基を含まない、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはエステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸などの2塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどの重縮合物)などの可塑剤が、得られたフィルムの位相差を悪化させないため好ましい。これらの可塑剤は、これら可塑剤は上記のフィルム100重量部に対して20重量部以下の範囲で添加される。20重量部を超えると、不必要にフィルムの機械的特性や耐熱性が低下するため好ましくない。
【0075】
また、フィルムの滑り性を改善する目的でフィラーを含有させても良い。フィラーとして、無機または有機の微粒子を用いることができる。無機微粒子の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物微粒子、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩微粒子、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、およびリン酸カルシウムなどを用いることが出来る。有機微粒子としては、ポリメタクリル酸エステル系やポリアクリル酸エステル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ジビニルベンゼン系、ベンゾグアナミン系、有機シリコーン系などの樹脂微粒子を用いることができる。
【0076】
該透明積層フィルムに紫外線吸収剤を含有させることにより本発明フィルムの耐候性を向上する他、本発明フィルムを用いる偏光フィルムや液晶表示装置の耐久性も改善することができ実用上好ましい。紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−t−ブチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤等が挙げられ、また、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤やビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤も使用できる。特に、高温での揮発分が少ないベンゾトリアゾール系を主体とした紫外線吸収剤がフィルム化時の加熱による揮発逸散でフィルム表面や装置の汚染を防止することができ好ましい。
【0077】
本発明透明積層フィルムは、特に、該透明樹脂フィルムとしてシクロオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、イミド系樹脂を用いた場合、接着剤との接着性が改善されており、水分散性ポリエステル樹脂層側と偏光子とを接着剤にて接着し信頼性の高い偏光フィルムを得ることができる。用いることのできる接着剤としては、公知の接着剤を用いることができ、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレートなどのポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系接着剤などを用いることができる。これら接着剤は溶剤あるいは水に溶解・分散されて用いられる。また、該透明積層フィルムの水分散性ポリエステル樹脂層表面を、コロナ放電処理や火花処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、シラン系やチタン系などのプライマー処理などの公知の表面活性化処理を行うことにより、より強固な密着性を得ることができる。
【0078】
また、本発明透明積層フィルムの、偏光子と接着させない表面には、必要に応じハードコート層などのコーティング層を形成することができる。また、本発明フィルムは、該コーティング層を介して、または、介さずに、スパッタリング法等によりインジウムスズ酸化物系等の透明導電層を形成しプラスチック液晶表示装置の電極基板やタッチパネルの電極基板として用いたり、反射防止層を形成することもできる。
【0079】
【実施例】
実施例および比較例に示される各物性値の測定方法を以下に示す。
【0080】
<ガラス転移温度> JIS K7121に準拠し、セイコー電子製の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、この試料を室温より10℃/分で昇温し、ガラス転移温度を測定した。
【0081】
<光線透過率> JIS K7105−1981の5.5記載の方法により550nmの光を用いて測定した。
【0082】
<ヘイズ> JIS K7105−1981の6.4記載の方法により測定した。
【0083】
<位相差> 顕微偏光分光光度計(オーク製作所:TFM−120AFT)を用い、測定波長514.5nmで測定した。
【0084】
<透湿度> JIS Z0208記載の方法に準じて測定した。
【0085】
以下実施例に従って本発明を具体的に説明する。
【0086】
(実施例1)
トリアセチルセルロース(酢化度61%)を塩化メチレン/メタノール(重量比90/10)溶液に固形分濃度15重量%になるように溶解し、ガラス板上に敷いた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し室温で60分放置した。その後フィルムを剥がし、4辺固定治具に挟んで、80℃で10分間、更に100℃で10分間乾燥を行って透明樹脂フィルムを得た。フィルムの厚みは50μmであり、このフィルムの位相差は1nm、光線透過率は93%、ヘーズは0.3%であった。
【0087】
この透明樹脂フィルム上に、モノマー成分としてフタル酸及びエチレングリコール成分を含有する水分散性ポリエステル樹脂(ガラス転移温度 67℃)の水分散溶液(固形分濃度 25重量%、n−ブチルセロソルブ 15重量%添加)を塗布した後、100℃で10分加熱処理して、水分散性ポリエステル樹脂層が透明樹脂フィルム上に積層された透明積層フィルムを得た。水分散性ポリエステル樹脂層の厚さは1μmであった。セロハンテープ剥離試験(碁盤目剥離試験)を実施したところ、塗膜の剥がれは発生しなかった。また、塗布によるクラックやカールの発生はなかった。さらに、得られた積層樹脂フィルムを60℃の水へ2時間浸漬したところ、塗膜の溶解や膨潤は発生しなかった。
【0088】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記透明積層フィルムを水分散ポリエステル樹脂層が偏光子フィルム側になるようにして水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0089】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明積層フィルムとは強固に接着していた。
【0090】
(実施例2)
イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移温度157℃)65重量部と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ24重量%、76重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体35重量部とを溶融混練して得た樹脂組成物を、Tダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反フィルムを得た。この原反フィルムの位相差値は0nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.3%であった。
【0091】
この原反フィルムを、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10cm/分、延伸倍率1.8倍、延伸温度140℃の条件で自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ50μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルム(透明樹脂フィルム−1)の位相差値は2nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.4%であり、40℃−90%RHの透湿度は85g/(m2・24hr)、70℃−90%RHの透湿度は365g/(m2・24hr)であった。
【0092】
この透明樹脂フィルム上に、モノマー成分としてフタル酸及びエチレングリコール成分を含有する水分散性ポリエステル樹脂(ガラス転移温度 67℃)の水分散溶液(固形分濃度 25重量%、n−ブチルセロソルブ 15重量%添加)を塗布した後、100℃で10分加熱処理して、水分散性ポリエステル樹脂層が透明樹脂フィルム上に積層された透明積層フィルムを得た。水分散性ポリエステル樹脂層の厚さは1μmであった。セロハンテープ剥離試験(碁盤目剥離試験)を実施したところ、塗膜の剥がれは発生しなかった。また、塗布によるクラックやカールの発生はなかった。さらに、得られた積層樹脂フィルムを60℃の水へ2時間浸漬したところ、塗膜の溶解や膨潤は発生しなかった。
【0093】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記透明積層フィルムを水分散ポリエステル樹脂層が偏光子フィルム側になるようにして水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0094】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明積層フィルムとは強固に接着しており、フィルムを引き剥がそうとすると透明積層フィルムが裂けた。
【0095】
(実施例3)
N−メチルグルタルイミドとメチルメタアクリレートから成るグルタルイミド共重合体(N−メチルグルタルイミド含量75重量%、酸含量0.01ミリ等量/g以下、ガラス転移温度147℃)65重量%と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ28重量%、72重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体35重量%とを溶融混練して得た樹脂組成物を、Tダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反フィルムを得た。
【0096】
この原反フィルムを、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10cm/分、延伸倍率1.6倍、延伸温度140℃の条件で自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ55μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルム(透明樹脂フィルム−2)の位相差値は1nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.4%であり、40℃−90%RHの透湿度は43g/(m2・24hr)、70℃−90%RHの透湿度は182g/(m2・24hr)であった。
【0097】
この透明樹脂フィルム上に、モノマー成分としてフタル酸及びエチレングリコール成分を含有する水分散性ポリエステル樹脂(ガラス転移温度 67℃)の水分散溶液(固形分濃度 25重量%、n−ブチルセロソルブ 15重量%添加)を塗布した後、100℃で10分加熱処理して、水分散性ポリエステル樹脂層が透明樹脂フィルム上に積層された透明積層フィルムを得た。水分散性ポリエステル樹脂層の厚さは1μmであった。セロハンテープ剥離試験(碁盤目剥離試験)を実施したところ、塗膜の剥がれは発生しなかった。また、塗布によるクラックやカールの発生はなかった。さらに、得られた積層樹脂フィルムを60℃の水へ2時間浸漬したところ、塗膜の溶解や膨潤は発生しなかった。
【0098】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記透明積層フィルムを水分散ポリエステル樹脂層が偏光子フィルム側になるようにして水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0099】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明積層フィルムとは強固に接着しており、フィルムを引き剥がそうとすると透明積層フィルムが裂けた。
【0100】
(比較例1)
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、実施例2で用いた透明樹脂フィルム−1を水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0101】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明樹脂フィルムの剥離を試みたところ手で容易に剥離し、接着が不充分であった。
【0102】
(比較例2)
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、実施例3で用いた透明樹脂フィルム−2を水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0103】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明樹脂フィルムの剥離を試みたところ手で容易に剥離し、接着が不充分であった。
【0104】
(比較例3)
実施例2で用いた透明樹脂フィルム−1上にポリビニルアルコール樹脂(けん化度 89%)水溶液(固形分濃度 6重量%)を塗布した後、80℃で30分加熱処理して透明積層フィルムを得た。ポリビニルアルコール樹脂層は4μmであった。
【0105】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記透明積層フィルムをポリビニルアルコール樹脂層が偏光子フィルム側になるようにして水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0106】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明樹脂フィルムの剥離を試みたところ手で容易に剥離し、接着が不充分であった。
【0107】
(比較例4)
実施例2で用いた透明樹脂フィルム−1上にジアセチルセルロース樹脂(酢化度 55%)を溶解したメチルエチルケトン溶液(固形分濃度 6重量%)を塗布した後、80℃で10分加熱処理して透明積層フィルムを得た。ジアセチルセルロース樹脂層は4μmであった。
【0108】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記透明積層フィルムをジアセチルセルロース樹脂層が偏光子フィルム側になるようにして水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0109】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明樹脂フィルムの剥離を試みたところ手で容易に剥離し、接着が不充分であった。
【0110】
(比較例5)
実施例2で用いた透明樹脂フィルム−1上にエチルセルロース樹脂(エトキシル基含有率 49%)を溶解したトルエン溶液(固形分濃度 6重量%)を塗布した後、100℃で10分加熱処理して透明積層フィルムを得た。エチルセルロース樹脂層は2μmであった。
【0111】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記透明積層フィルムをエチルセルロース樹脂層が偏光子フィルム側になるようにして水系ウレタン系接着剤(コニシ ボンドCVC22、2液型、不揮発分25重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で30分間乾燥、その後1週間室温下で養生を行い偏光板を得た。
【0112】
得られた偏光板において、偏光子フィルムと透明樹脂フィルムの剥離を試みたところ手で容易に剥離し、接着が不充分であった。
【0113】
【発明の効果】
本発明の透明積層フィルムは、偏光子フィルムとの優れた接着強度を発現することができる。さらに、水分散性ポリエステル樹脂の水分散液を用いて該樹脂層を形成することにより、フィルムにクラックやカール等のダメージを与えることなく生産することができる。

Claims (12)

  1. シクロオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびイミド系樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂からなる透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層を有する透明積層フィルムからなる偏光子保護フィルム。
  2. 位相差値が20nm以下である透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層を有する透明積層フィルムからなる偏光子保護フィルム。
  3. 前記水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層が水に不溶であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記水分散性ポリエステル樹脂が解離性有機酸基またはその金属塩基を含有するポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記解離性有機酸基またはその金属塩基が、スルホン酸基またはスルホン酸金属塩基である請求項4に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 前記透明樹脂フィルムが、光線透過率が85%以上100%以下、ヘーズが0%以上2%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  7. 前記透明樹脂フィルムが、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂、を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  8. 前記熱可塑性樹脂(A)が、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分とからなる請求項7に記載の偏光子保護フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムを用いたことを特徴とする偏光フィルム。
  10. 偏光子保護フィルムにおける水分散性ポリエステル樹脂を主たる構成成分とする層が形成された面と偏光子フィルムとが対向していることを特徴とする請求項9に記載の偏光フィルム。
  11. シクロオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびイミド系樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂からなる透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、水分散性ポリエステル樹脂の水分散液を塗布、乾燥して層を形成する工程(I)を含み、該工程(I)の後に延伸処理を施さないことを特徴とする透明積層フィルムからなる偏光子保護フィルムの製造方法。
  12. 位相差値が20nm以下である透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、水分散性ポリエステル樹脂の水分散液を塗布、乾燥して層を形成する工程(I)を含み、該工程(I)の後に延伸処理を施さないことを特徴とする透明積層フィルムからなる偏光子保護フィルムの製造方法。
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