JP3747862B2 - フィルムまたはシート - Google Patents

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムまたはシートに関し、さらに詳しくは、環状オレフィン系熱可塑性樹脂と、グリセリン系化合物と飽和脂肪酸とのエステル化合物とを含有する、成形時の離型性および成形品の表面コート性に優れるとともに、高温での安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物を用いたフィルムまたはシートに関する。また、本発明は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂と、グリセリン系化合物と飽和脂肪酸とのエステル化合物およびポリスチレン換算重量平均分子量が20,000以下でありかつ常温で固体の炭化水素系樹脂を含有する、成形時の離型性および成形品の表面コート性に優れるとともに、高温での安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物を用いたフィルムまたはシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、透明性に優れる上、高温条件下での使用にも耐え得るため、種々の光学部品として広く使用されている。
このような環状オレフィン系熱可塑性樹脂を光学部品として使用する際は、射出成形あるいは押出成形といった成形法で加工される。この光学部品は、通常、精細な鏡面であったり、微細なパターンを転写させる必要がある。この場合、樹脂と金型などの面が高度に密着するため、金型表面に樹脂が付着するなどの問題が生じやすい。このため、金属石鹸類など脂肪酸を主成分に含む化合物を離型剤として樹脂にブレンドした組成物として、通常、使用する。
ところが、環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、加工温度が高いため、離型剤に起因して組成物中にゲル成分の発生があったり、高温で安定な離型剤は離型効果が少なかったりする問題がある。また、これら離型剤は、材料表面に析出し、離型効果を発揮することから、光学部品の表面に種々の化学物質をコーティングする際に、コート皮膜の密着性が低下するなどの種々の問題を生じる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題を背景に成されたもので、その目的は、従来公知の環状オレフィン系熱可塑性樹脂の有する諸特性を保持し、成形時の離型性および成型品の表面コート性に優れるとともに、高温での安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物を用いたフィルムまたはシートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂と、(B)グリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化合物とを含む熱可塑性樹脂組成物が、成形時などの高温環境下においてもゲル成分の発生などが抑制され安定であり、さらに離型性および成型品の表面コート性にも優れていることを見出し、本発明の完成に至った。また、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂と、(B)グリセリン系化合物と飽和脂肪酸とのエステル化合物および(C)上記(A)成分以外の、ポリスチレン換算重量平均分子量が20,000以下であり、かつ常温で固体の炭化水素系樹脂、を含有する熱可塑性樹脂組成物が、成形時などの高温環境下においてもゲル成分の発生などが抑制され安定であり、さらに離型性および成型品の表面コート性にも優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂>
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物を構成する環状オレフィン系熱可塑性樹脂(以下、「(A)成分」と記す。)としては、下記(1)〜(5)に示す重合体を挙げることができる。
(1) 下記一般式(I)で表される単量体(以下、「特定単量体」という。)の開環重合体
(2) 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体
(3) 上記開環(共)重合体の水素添加重合体
(4) 上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
(5) 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
【0006】
【化1】
Figure 0003747862
【0007】
[式中、R〜Rは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。RとRまたはRとRは、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、RまたはRとRまたはRとは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。ただし、mが0のときは、nも0である。]
【0008】
<特定単量体>
上記一般式(i)で表わされる特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.0 , ]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.1 , .0 , .0 , 13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.1 , .1 , 12.0 , 13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.1 , ]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
ペンタシクロ[8.4.0.1 , .1 , 12.0 , 13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.1 , .110 , 17.112 , 15.0 , .011 , 16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.1 , .111 , 18.113 , 16.0 , .012 , 17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.1 , .1 , 10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
これらの特定単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】
これらのうち、好ましい特定単量体としては、上記一般式(i)中、RおよびRが水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およびR4が水素原子または一価の有機基であって、RおよびRの少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、mが0〜3の整数でありかつnが0〜3の整数であり、m+nが0〜4、好ましくはm+nが0〜2、特に好ましくはmが1でありnが0であるものを挙げることができる。また、水素原子および炭化水素基以外の極性基としては、アミノ基、アミド基、イミド基、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシ基、アリロキシ基、ヒドロキシル基、シリル基、アルコキシシリル基、アリロキシシリル基、あるいはこれらの極性を有する基がメチレン基などの連結基を介して複数組み合わされた基などが挙げられる。
【0010】
特に、特定単量体のうち、式−(CHCOORで表される極性基を有する特定単量体は、得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で好ましい。極性基にかかる上記の式において、Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、pは通常0〜5であるが、pの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにpが0である特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。さらに、上記一般式(i)においてRまたはRがアルキル基であることが好ましく、当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。特に、このアルキル基が上記の式−(CHCOORで表される極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが好ましい。
【0011】
また、特定単量体のうち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1 , .1 , 10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ〔4.4.0.1 , .1 , 10〕−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.1 , .1 , 10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.1 , .1 , 12.0 , 13〕−3−ペンタデセンは、最終的に得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂が耐熱性に優れたものとなる点で好ましく、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1 , .1 , 10〕−3−ドデセンは、上記好ましい極性基を有している点で特に好ましい。
【0012】
<共重合性単量体>
本発明に用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂を得るための開環重合工程においては、上記の特定単量体を単独で開環重合させてもよいが、当該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよい。
この場合に使用される共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。
この場合の共重合性単量体の使用割合は、全単量体中に、通常、1〜80モル%、好ましくは3〜50モル%程度である。
さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体(および共重合性単量体)を開環重合させてもよい。そして、この場合に得られる開環重合体あるいはその水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
この場合の単量体〔特定単量体(および共重合性単量体)〕の使用量は、不飽和炭化水素系ポリマー100重量部に対し、通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部程度である。
【0013】
<開環重合触媒>
本発明において、開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
【0014】
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6、MoCl5、ReOCl3など特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−CLi、(CAl、(CAlCl、(C1.5AlCl1.5、(C)AlCl、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。
【0015】
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0016】
<分子量調節剤>
開環重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
【0017】
<開環重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒および分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。
これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0018】
<水素添加触媒>
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのまま(A)成分として使用することもできるが、その分子内にオレフィン性不飽和結合を有する場合は、係るオレフィン性不飽和結合が水素添加された水素添加(共)重合体を(A)成分として使用することが好ましい。ただし、分子内の不飽和結合が芳香環形成している場合は、必ずしも係る芳香環を水素添加する必要はなく、以下の水素添加反応、水素添加率の記載は、オレフィン性不飽和結合の水素添加に関するものである。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。
【0019】
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、「開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
【0020】
このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によってはその特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常、50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0021】
<飽和共重合体を構成する不飽和二重結合含有化合物>
飽和共重合体よりなる(A)成分を得るために、特定単量体との共重合反応に供される不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど炭素数2〜12、好ましくは2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
【0022】
<飽和共重合体を得る際に使用する触媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。
バナジウム化合物としては、一般式VO(OR)またはV(OR)(ただし、Rは炭化水素基、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。有機アルミニウム化合物触媒成分としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種が用いられる。
触媒成分の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)で2以上、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
【0023】
<飽和共重合体を得る際に使用する溶媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応に使用される溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素およびそのハロゲン誘導体を挙げることができ、これらのうち、シクロヘキサンが好ましい。
【0024】
本発明の(A)成分として用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂の30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は、0.2〜5dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜4dl/gである。
また、(A)成分の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000の範囲のものが好適である。
【0025】
本発明の(A)成分として用いる環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、光学材料とした場合に、視覚欠陥や異常輝点の原因となる異物が少なく、可能な限り存在しないことが好ましい。
かかる異物の含有量は、少なくとも50μm以上の異物が0個/10g、好ましくは30μm以上の異物が0個/10g、特に好ましくは20μm以上の異物が0個/10gであることが好ましい。
異物の量の測定は、樹脂をトルエン、シクロヘキサンなど溶解性がある溶媒に溶解し、フィルターでろ過後、顕微鏡で観察することにより、大きさと個数とを計数することにより行われる。また、光散乱を原理とする市販の微粒子カウンターを使用して樹脂溶液を測定し、異物の量を計数することも可能である。
また、本発明の(A)成分として用いる環状オレフィン系熱可塑性樹脂の微粉体の含量も可能な限り抑えることが好ましい。この微粉体が多い場合、光学上のゆらぎとなって現れ、輝点や焦点のぼやけなど性能上の欠陥となるので好ましくない。
【0026】
<(B)成分>
本発明の(B)成分として用いられるグリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化合物としては、例えば、下記一般式(ii)〜(v)で表されるものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化2】
Figure 0003747862
【化3】
Figure 0003747862
【化4】
Figure 0003747862
【化5】
Figure 0003747862
【0028】
式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数が10〜30の飽和脂肪酸残基であり、特に炭素数が16〜26のものが好ましく、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘネン酸、オレイン酸、ラウリル酸などの残基があげられる。R〜Rは同一でも良いしそれぞれ異なっていても良い。
ここで、式(ii)はモノエステル、式(iii)および(iv)はジエステル、式(v)はトリエステルを表している。本発明においては、これらのグリセリンと飽和脂肪酸のエステル化合物をそれぞれの単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0029】
これらの中でも、耐熱性の点から、グリセリンの水酸基が100%エステル化されている式(v)で表される飽和脂肪酸のトリエステル化合物が好ましい。工業的には、グリセリンの水酸基に対してエステル化率が好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であるエステル化合物の混合物を使用することが好ましい。係るエステル化合物の混合物を使用することにより、高温・高湿度の環境下での使用あるいは高温の成形条件下においても、(B)成分に起因する著しい変色やゲルの発生を抑えられる。
【0030】
本発明に用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物は、また、(A)成分および(B)成分に加えて、例えば特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報に記載されている、特定の炭化水素樹脂を(C)成分として含んでなる熱可塑性樹脂組成物であってもよい。
このような熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性と成形加工性のバランスが良く、色相および面転写性が良好な導光板を提供することができる。
【0031】
<(C)成分>
本発明の(C)成分として用いられる特定の炭化水素樹脂としては、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算重量平均分子量が2×10以下、好ましくは2×10〜100のものであり、かつ常温で個体のものである。ただし、(C)成分は、上記(A)成分を除く。
(C)成分の具体例としては、例えば、C樹脂、C樹脂、C系/C系混合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹脂、ビニル置換芳香族化合物の重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族化合物の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは上記樹脂の水素添加物などを挙げることができる。
これらの炭化水素系樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が高すぎると、極性基を有する環状オレフィン系熱可塑性樹脂との相溶性が悪くなり透明性が低減するので好ましくない。また、常温で液状の炭化水素化合物を用いると、樹脂の強度を低下させやすく、しかも樹脂の表面にブリードするので好ましくない。
(C)成分の配合割合は、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは10〜45重量部である。
【0032】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物の配合方法は、熱可塑性樹脂の加工に用いる公知の装置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを用いて溶融混練する方法や、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂および(B)グリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化合物、必要に応じて(C)特定の炭化水素系樹脂を溶液状態で配合してペレット化する方法などが、挙げられる。
ここで(B)および/または(C)成分は、粉末あるいはフレーク状など固体の状態、あるいは公知の溶媒と溶液状態あるいはスラリー状態など公知の形態で添加することが可能であり特に限定はされない。
【0033】
さらに、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂の製造工程中に、(B)および/または(C)成分を配合する方法を採用することもできる。
(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂の製造工程中で配合する方法としては、特に限定されるものではないが、単量体へ配合して重合系に供する方法、重合後の反応溶液に配合する方法、水素添加体製造後の反応溶液に配合する方法、触媒分離後の溶液に配合する方法、濃縮など溶媒分離工程時に配合する方法、ペレット造粒時に配合する方法、などを挙げることができる。
この場合、(B)および/または(C)成分は、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂の製造に支障をもたらさずかつ(B)および/または(C)成分が可溶な溶媒に溶解した溶液状態で添加することも可能であるし、粉末の状態で製造工程中へ添加することも可能である。本発明に用いられる組成物中での(B)および/または(C)成分の均一性の観点から、工程では触媒分離工程、溶媒分離工程あるいはペレット造粒工程で添加することが好ましく、(B)および/または(C)成分を溶液の状態で添加することが好ましい。
【0034】
加えて、(B)成分は、成形するプロセス中でブレンドすることもできる。成形プロセス中でブレンドする方法としては、粉体の状態で(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂のペレットと配合して成形する方法、公知の樹脂あるいは溶媒とマスターバッチを作成し、該環状オレフィン系熱可塑性樹脂と配合して成形する方法が挙げられるが、成形時における(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂中での(B)成分の均一分散性の観点から、マスターバッチとして添加することが好ましい。
ここで、マスターバッチの母材となる樹脂としては、好ましくは成形に供する(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂あるいは該環状オレフィン系熱可塑性樹脂の組成物であるが、成形体とした場合の性能を損なわない範囲で公知の他の熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーを使用することも可能である。マスターバッチの製造に用いる装置としては、上述した公知の熱可塑性樹脂の加工に用いられる装置を使用することが可能である。マスターバッチを作成する場合における、マスターバッチ中での好ましい(B)成分の濃度は、通常、0.01重量%〜90重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%である。
一方、溶液のマスターバッチとする場合、本発明に用いられる(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂あるいは該環状オレフィン系熱可塑性樹脂の組成物の製造に使用される溶剤を使用することが好ましい。また、溶液中に(B)成分が溶解し均一層となることが好ましいが、成形後の製品内における(B)成分の均一分散性を損なわないかぎり、スラリー状であっても良い。マスターバッチ中での好ましい(B)成分の濃度は、通常、0.01重量%〜90重量%、好ましくは0.1〜50重量%である。
【0035】
本発明に用いられる組成物中における(B)成分の好ましい添加量は、10〜50,000ppm、さらに好ましくは100〜10,000ppm、特に好ましくは500〜5000ppmである。(B)成分の添加量が10ppm未満の場合には成形品であるフィ ルムまたはシートの離型性に劣り、一方、50,000ppmを超える場合には組成物に濁りを生じ、透明性が悪化するので好ましくない。
【0036】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物には、透明性、耐熱性、あるいは易コート性など当該組成物の基本性能を損なわない限り、公知の有機化合物、無機化合物、有機無機複合体、有機系重合体、無機系重合体などを添加することも可能である。
かかる添加物としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの酸化防止剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、あるいはベンジルマロネート系化合物などの紫外線防止剤、繊維、粒子、フレークなどの形状をもつ、ガラス、シリコン化合物、ジルコニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、架橋ポリマー粒子などの有機・無機化合物、有機染料、有機顔料、無機顔料などの着色剤、スチレン系、オレフィン系、ジエン系、アクリル系あるいはこれらを水素添加した熱硬化性あるいは熱可塑性重合体、エステル系、鉱物油系、シリコン系の可塑剤などがあげられる。
【0037】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物は、溶融流延法、溶液流延法で成形し、フィルムまたはシートとする。以下において詳細に説明する。
【0038】
すなわち、本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物は、溶融流延法あるいは溶液流延法によりフィルムおよびシート状の成形品を得ることができ、光学部品として使用することが可能である。フィルムおよびシートとは、通常、厚みが2mm以下である長尺の成形品である。このようなフィルムおよびシートを公知の方法で目的の形状に切断することにより、光学部品が得られる。
【0039】
ここで、溶融流延法とは、押出機の先端に取り付けたフィルムまたはシート用のダイスより薄肉の溶融体を押しだし、各種ロールやベルトなどにより冷却・固化させることによりフィルムまたはシートを得る方法である。溶液流延法に用いる押出機は特に限定されず公知のものが使用可能であり、通常、単軸あるいは二軸の押出機が使用され、好ましくは単軸の押出機が使用される。押出機のシリンダー径は、通常、10〜100mmであり、シリンダー長さとシリンダー径の比L/Dは10〜150である。スクリューは公知のものが用いられ、例えば単軸の場合、フルフライト、サブフライトを組み合わせたもの、ダルメージを組み込んだもの、スクリューピッチあるいは溝深さがが同一スクリュー中で変わるものが挙げられる。二軸の場合、2条あるいは3条のスクリュー、異方向あるいは同方向回転、スクリューパーツが自由に組み合わされる方式の場合、スクリューパーツの形状を、スクリュー式、逆送りスクリュー、パドル式スクリュー、ヘリカルパドル式スクリューなどより自由に選択し組み込むことが可能である。押出機は1台で運転することも可能であるが、押出機を2台以上連結させたもの、連続式およびバッチ式のニーダーと組み合わせたものを使用しても構わない。
【0040】
溶液流延法とは、本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物を、当該組成物を可溶な溶媒に溶解し、その溶液をフィルムまたはシート状に伸展させ、公知の方法で溶媒を分離せしめる方法であり、例えば特開平5−148413号公報などで開示されている方法で製造することができる。溶液流延法に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、クロロホルム、二塩化メチレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンなど一般に溶媒として用いられるものが挙げられる。溶液流延を行う方法としては、上記溶液を一定幅のダイスより金属ドラム、スチールベルト、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン)ベルトなどの上に押しだし、温度、時間をかけて乾燥する。また、スプレー、ハケ、ロール、スピンコート、ディッピングなどで溶液を塗布し、温度、時間を任意にかけることにより均一厚みのフィルムを製造することができる。
【0041】
溶融流延法で用いる成形材の形状としては、ペレット形状で供給することが好ましいが、粉末状、フレーク状、押出機へ溶液の状態で供給することも可能である。
ペレット形状で供給する場合、成形を行う前処理として、ペレットを乾燥することが好ましい。方式としては、熱風循環式、除湿式、窒素循環式、真空式、および供給方法としてバッチ式、連続式がそれぞれ挙げられるが、特に限定されるものではない。また、ペレットのタンクあるいはホッパーを窒素などの不活性気体でシールすることも好ましい方法である。
【0042】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシートは、種々の公知の方法で加工を施すことが可能である。特に、その表面へコーティング加工を施した場合、コーティング膜とフィルムまたはシートとの密着性およびその耐久性に優れている。
ここで、コーティングの種類は特に限定されないが、反射防止コート、ハードコート、導電膜、特定波長光線吸収膜など成形品表面に光学的、力学的あるいは電磁気学的機能を付与するものである。
【0043】
ハードコートとして、活性エネルギー線や熱などにより硬化する有機化合物を塗布・硬化し、導光板表面を被覆することにより、耐傷性などの機能を付与することが可能である。
ここで、被膜に用いる硬化性の有機化合物としては、本発明に用いられる組成物からなるフィルムまたはシートの表面を硬化させるものであれば特に限定されないが、例えば、特開平11−289489号公報あるいは特開2001-110826号公報で開示されているように設備および工業的生産性の面から紫外線硬化性有機化合物が優れ、好ましいものであり、具体的には下記の性状のものである。
例えば、紫外線硬化性有機化合物としては、重合性官能基を有するオリゴマーおよび/またはモノマーと紫外線重合開始剤を必須成分とする重合性組成物が好ましい。重合性官能基としては、ラジカル重合性基、あるいはカチオン重合性基を挙げることができる。より具体的には、例えばビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、シリルオキシ基、チイラニル基などを挙げることができる。重合性官能基を有するオリゴマーとしては、上述の官能基を分子中に1つ以上有する化合物が用いられるが、分子量500〜50,000の化合物が特に好ましい。
これらの重合性官能基を有するオリゴマーおよび/またはモノマーとして、作業性、感度の面で特に(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。光重合開始剤としては、紫外線の照射によりラジカル種、カチオン種など重合開始能を有する化学種を生じる化合物が挙げられる。さらに、必要に応じて光増感剤を添加することができる。
紫外線有機化合物の性状は、その作業性の点から硬化前は常温で液状もしくは流動性を有するものであることが好ましく、刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹き付けなどの方法で、フィルムまたはシート表面に塗布することにより表面硬化処理が可能である。
【0044】
紫外線硬化性有機化合物からなる表面硬化層の厚さは、5μmから200μmが好ましく、さらに好ましくは10μmから100μm、特に好ましくは10μmから50μmである。膜厚が200μmを超えると、活性エネルギー線照射の際に均一な硬化が困難となったり、内部に大きな残留応力を生じるためコート層にクラックが生じたり、耐冷熱サイクル性や光学特性が劣るといった問題があり、一方、膜厚が5μm未満であると、被膜層による耐熱性の改善が不十分である。
また、紫外線硬化性有機化合物からなる被膜層の透明性は、全光線透過率が厚さ3mmで90%以上、好ましくは92%以上の熱可塑性樹脂板に被覆することによって生じる全光線透過率の減少が10%以内であることが好ましく、さらに好ましくは5%以内、特に好ましくは3%以内の減少である。被覆したことによる全光線透過率の減少が10%より大きくなると、フィルムまたはシートの光学部品としての性能が劣るので好ましくない。
【0045】
コーティング処理としては、反射防止処理も好ましく使用される。本発明で採用可能な反射防止加工は、公知の乾式あるいは湿式の各方法を挙げることができる。
乾式の反射防止加工は、特に限定される物ではないが、例えば特開平4‐89821号公報、特開平9‐120001号公報に開示されているノルボルネン系樹脂表面に無機化合物をコーティングする方法を採用することが好ましい。反射防止加工に用いる無機化合物としては、公知のシリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、タンタル、ジルコニウムなどの酸化物、窒化物、フッ化物などが用いられる。真空蒸着法は特に規定されないが、公知のPVD,CVDの手法が用いられる。また、コーティング層は、1層でも2層以上の多層構造でもよい。
1層あたりの厚みも特に限定されないが、通常、1nm〜500nmの範囲で積層される。
湿式の反射防止加工は、例えば特開平9‐120002号公報、特開平10−147739号公報、特開平11−189621号公報、特開2000−17028号公報、特開2000−313709号公報などで開示されているように公知の有機化合物を、刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹き付けなどの方法で、フロントライト表面に塗布することにより行われる。
本発明において、効率良く反射防止を行うには、使用する有機化合物の屈折率が1.45以下であることが好ましく、例えば、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン重合体、官能基変性ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、パーフルオロアルキルエーテル系共重合体、含フッ素メタクリレート重合体、フッ素含有ポリシロキサン重合体/多官能(メタ)アクリレート化合物などを用いることができる。これら有機物は、熱硬化、あるいはUV硬化、電子線硬化など活性エネルギー線を照射する方法で硬化させることができる。
これら反射防止処理は、無機コート層の単独あるいは多層体、有機コート層の単独あるいは多層体、さらに無機コートと有機コートが組み合わされたものであってもよい。
【0046】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシートは、高度の光透過性と耐熱性を活かして種々の光学部品の用途として使用可能である。このような光学部品の例として、画像表示装置、情報記録再生装置、情報記録媒体、画像撮影装置、画像再生装置の光学部品が挙げられる。
画像表示装置の光学部品としては、液晶セル、偏光板、位相差板、導光板、ライトガイド、表面保護板などが挙げられる。情報記録再生装置の光学部品としては、ピックアップレンズ、回折格子、コリメートレンズなどが挙げられる。情報記録媒体の光学部品としては、CD,MD,MO,DVDなどの記録メディアおよびそれらに用いる保護膜が挙げられる。画像撮影装置の光学部品としては、撮像系レンズ、ファインダープリズム、CCD素子の保護キャップおよび保護フィルム、感光素子の封止材などが挙げられる。画像再生装置の部品としては、fθレンズ、ピックアップレンズなどが挙げられる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。なお、以下において、「部」は「重量部」を示す。
【0048】
(A)成分
本発明に用いるA成分の一覧を表1に示した。また、表中の各A成分の合成方法を以下に例示した。
【0049】
合成例1
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)41部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm 、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素添加反応させた。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。
このようにして得られた水素添加重合体〔以下、(A−1)という。〕の水素添加率を400MHzのH−NMRで測定したところ実質上100%であった。
【0051】
合成例2
1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を27部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体〔(以下、(A−2)という。)の水素添加率は実質上100%であった。
【0052】
合成例3
特定単量体として8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(特定単量体)250部、開環重合反応用溶媒としてシクロヘキサン750部を使用したこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体〔以下、(A−3)という。〕の水素添加率は実質上100%であった。
【0053】
合成例4
特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225部とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25部とを使用し、1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を43部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体〔以下、(A−4)という。〕の水素添加率は実質上100%であった。
【0054】
合成例5
1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を33部としたこと以外は、合成例4と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体〔以下、(A−5)という。〕の水素添加率は実質上100%であった。
【0055】
合成例6
特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225部と5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25部とを使用し、1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を25部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。
得られた水素添加重合体〔以下、(A−6)という。〕の水素添加率は実質上100%であった。
【0056】
合成例7
1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を18部としたこと以外は、合成例6と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体〔以下、(A−7)という。〕の水素添加率は実質上100%であった。
【0057】
(B)成分
B−1:グリセリンモノステアレート(リケマール:理研ビタミン株式会社製)
B−2:グリセリンモノ・ジパルミレート(リケマール:理研ビタミン株式会社製)
B−3:グリセリントリステアレート(リケマール:理研ビタミン株式会社製、エステル化率:100%)
【0058】
(C)成分
C−1:水添C系石油樹脂(エスコレッツ:トーネックス株式会社製)、分子量1,590、軟化点100℃
C−2:水添C系石油樹脂(アルコン:荒川化学工業株式会社製)、分子量750、軟化点125℃
【0059】
(D)その他の成分
D−1:ステアリン酸亜鉛(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業株式会社製)
D−2:オレイン酸アマイド(脂肪酸アマイド:花王株式会社製)
【0060】
<組成物の調製法>
表2〜3に示した組成になるように、(A)成分の溶液に(B)成分、(C)成分、(D)成分を添加・溶解し、その後、大量のメタノールで組成物を凝固・単離した後、二軸押出機にて造粒し、ペレットを得た。
【0061】
<試験片の成形方法>
成形品(2)
形状:厚み0.8mm、幅600mmのシート
成形方法:直径50mmの単軸押出機の先に幅600mmのTダイをとりつけ、組成物を溶融押出し、ロールおよびベルト上にて冷却することによりシート状成形品を得た。
成形品(3)
形状:厚み0.1mm、幅600mmのフィルム
成形方法:組成物をトルエン中に、組成物の濃度が30重量%となるように溶解し、クリアランスが0.254mmのアプリケーターバーを用いて膜を作成した。さらに、この膜を60℃に保持した真空乾燥機中で24時間乾燥しフィルムを得た。
【0062】
<反射防止膜の形成方法>
以下に示す方法で反射防止膜を形成した。
コート(1)
150mm×10mm、厚さ1mmの試験片の片面に、SiOを140nm、次いでTiOを120nm、最後にSiOを170nm蒸着法で製膜した。
蒸着時の圧力は10−4Torrであった。
コート(2)
フッ化ビニリデン70部、ヘキサフルオロプロピレン30部を共重合し、ポリスチレン換算数平均分子量4.5×10の重合体を得た。この重合体70部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部を溶剤であるメチルイソブチルケトン2,500部に加えて1時間攪拌混合し濃度4重量%の塗料を得た。この塗料をコート(1)と同一の試験片上にディッピングにて塗布したのち、60℃に加温して溶剤を充分に蒸発させ、これに電子線照射装置を用いて3Mradの線量となるように電子線を照射することにより硬化処理した
【0063】
実施例および比較例での各評価法を以下に示す。
※色相
分光光度計(スガ試験機製)にて黄色度:YIを測定した。
※耐久性(色相)
ギアオーブン100℃の条件で試験を行い、500時間後につき上記の方法でのYIの測定を行った。
※膜の密着性
(1)膜形成状態を観察した。
(2)100℃×1時間加熱後の膜密着状態を観察した。
評価法は膜表面をベンコットン(旭化成製)で10回ふき取り、その表面状態を観察した。
○:膜の剥離が認められない。
△:小さなキズが目立つ。
×:膜が面状に剥がれる。
※フィルムの表面性
フィルム・シート状成形品の表面状態を観察した。
○:ダイス由来のダイライン、キズが認められない。
△:ダイス由来のダイライン、キズが認められる。
×:フィルム・シートに曇が認められる。
【0064】
実施例13〜20、比較例7〜12
表2〜3に示す組成の熱可塑性樹脂組成物の評価を行った。表2の実施例13〜20と表3の比較例7〜12の比較により、本発明の熱可塑性樹脂組成物は離型性あるいはフィルム表面性を損ねることなく、コート性が良好であり、また、熱着色が少なく耐熱性に優れていることが分かる。
【0065】
【表1】
Figure 0003747862
【0066】
【表2】
Figure 0003747862
【0067】
【表3】
Figure 0003747862
【0068】
【発明の効果】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物は、離型性、耐熱性、二次加工性に優れ、かかる組成物からなるフィルムまたはシートは、広範な光学部品用途に使用可能である。このような光学部品の例としては、画像表示装置、情報記録再生装置、情報記録媒体、画像撮影装置、画像再生装置の光学部品が挙げられる。

Claims (7)

  1. (A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂と、(B)グリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化合物とを含む熱可塑性樹脂組成物を、溶融流延法または溶液流延法により成形して得られることを特徴とするフィルムまたはシート。
  2. 熱可塑性樹脂組成物中に、さらに、(C)上記(A)成分以外の、ポリスチレン換算重量平均分子量が20,000以下でありかつ常温で固体の炭化水素系樹脂を含む請求項1記載のフィルムまたはシート。
  3. (A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂がその分子内に1種類以上の極性基を含む請求項1または2に記載のフィルムまたはシート。
  4. (B)グリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化合物のエステル化率が90%以上である請求項1〜3いずれか1項に記載のフィルムまたはシート。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載のフィルムまたはシートの成形時に、(B)グリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化合物をマスターバッチで供給することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のフィルムまたはシートの製造方法
  6. 請求項1〜4いずれか1項に記載のフィルムまたはシートを用いた光学部品。
  7. 画像表示機器、情報記録再生装置、情報記録媒体、画像撮影装置および画像再生装置なかから選ばれた少なくとも一つの用途に使用される請求項に記載の光学部品
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