JP4655330B2 - 微細なパターンが高転写された射出成形体 - Google Patents

微細なパターンが高転写された射出成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に光学材料等に用いられる、表面に微細なパターンが高精度で転写(高転写)された射出成形体に関し、詳しくは環状オレフィン系熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物を使用することにより、耐熱性、耐湿熱性に優れ、パターンが高精度に転写された射出成形体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学材料の表面に微細なパターンを形成するには、表面を機械的に切削する、レジストを塗布しパターンを印刷する、熱、紫外線あるいは電子線硬化型樹脂を用い印刷を行うなどの方法が採用されている。
これらの方法は、機械的切削では非常に高度で煩雑な加工技術を必要としたり、パターン印刷法では、工程が複雑な上に、印刷されたパターンのはがれといった耐久性の問題もあった。
これらを、解決する方法として、金型に微細なパターンを形成し射出成形により転写させるものがある。これらには、メタクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂などが用いられているが、流動性と材料固化速度のバランスマッチングが悪く、高転写することが難しかった。また、これらの樹脂は耐熱性や吸水による寸法変化の問題があり、光学材料への採用には問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題を背景に成されたもので、その目的は、環状ポリオレフィン系熱可塑性樹脂あるいは環状ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の有する諸特性(耐熱性、耐湿熱性)を保持し、光学材料として使用可能な、表面に微細なパターンが高転写された射出成形体を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂、または(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂および(B)ポリスチレン換算重量平均分子量が20000以下で常温で固体の炭化水素樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる微細なパターンが高精度で転写された射出成形体を提供するものである。
また本発明は、上記(A)環状オレフィン系熱可塑性樹脂が1種類以上の極性基を含有することを特徴とする上記の射出成形体を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物について詳細に説明する。
<(A)成分:環状オレフィン系熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物を構成する(A)成分:環状オレフィン系熱可塑性樹脂(以下(A)成分と記す)としては、下記▲1▼〜▲5▼に示す重合体を挙げることができる。
▲1▼ 下記一般式(I)で表される単量体(以下、「特定単量体」という。)の開環重合体
▲2▼ 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体
▲3▼ 前記開環(共)重合体の水素添加重合体
▲4▼ 前記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
▲5▼ 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
【0006】
【化1】
Figure 0004655330
【0007】
〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1 とR2 またはR3 とR4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、 R1 またはR2 とR3 またはR4 とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
上記の特定単量体から得られる環状ポリオレフィン系樹脂〔(A)成分〕は、射出成形の加工性を向上させる観点から、分子構造中に1種類以上の極性基を含有していることが好ましい。
【0008】
<特定単量体>
好ましい特定単量体としては、上記一般式(I)中、R1 およびR3 が水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4 の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であり、m+pが0〜4(更に好ましくは0〜2、特に好ましくは1)であるものを挙げることができる。
また、特定単量体のうち、式−(CH2 )n COOR5 で表される極性基を有する特定単量体は、得られる熱可塑性樹脂組成物が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で好ましい。極性基にかかる上記の式において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは通常0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。さらに、上記一般式(I)においてR1 またはR3 がアルキル基であることが好ましく、当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。特に、このアルキル基が上記の式−(CH2 )n COOR5 で表される極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが好ましい。また、一般式(I)においてmが1である特定単量体は、ガラス転移温度の高い熱可塑性樹脂組成物が得られる点で好ましい。
【0009】
上記一般式(I)で表わされる特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ジメタノオクタヒドロナフタレン、 エチルテトラシクロドデセン、
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6 .110,17 .112,15 .02,7 .011,16 ]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
【0010】
これらの特定単量体のうち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.12,5 .19,12.08,13〕−3−ペンタデセンは、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物が耐熱性に優れたものとなる点で好ましく、特に、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセンは、(B)成分との相溶性に優れた環状ポリオレフィン系樹脂が得られることから好ましい。
【0011】
<共重合性単量体>
(A)成分を得るための開環重合工程においては、上記の特定単量体を単独で開環重合させてもよいが、当該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよい。
この場合に使用される共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。
更にポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場合に得られる開環重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
【0012】
<開環重合触媒>
本発明において、開環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、III B族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。
【0013】
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 など特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−C49 Li、(C253 Al 、(C252 AlCl、(C251.5 AlCl1.5 、(C25 )AlCl2 、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、更に特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。
【0014】
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる範囲、好ましくは1:1000〜1:10000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0015】
<分子量調節剤>
開環重合体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
【0016】
<開環重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒および分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0017】
<水素添加触媒>
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのまま(A)成分として使用することもできるが、水素添加された水素添加(共)重合体を(A)成分として使用することが好ましい。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち、開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、「開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によってはその特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%以上、更に好ましくは90%以上である。
【0018】
<飽和共重合体を構成する不飽和二重結合含有化合物>
飽和共重合体よりなる(A)成分を得るために、特定単量体との共重合反応に供される不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど炭素数2〜12、好ましくは2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
【0019】
<飽和共重合体を得る際に使用する触媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。バナジウム化合物としては、一般式VO(OR)ab またはV(OR)cd (ただし、Rは炭化水素基、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。電子供与体としてはアルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシラン等の含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナート等の含窒素電子供与体などが挙げられる。有機アルミニウム化合物触媒成分としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種が用いられる。
触媒成分の比率はバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)で2以上、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
【0020】
<飽和共重合体を得る際に使用する溶媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応に使用される溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素およびそのハロゲン誘導体を挙げることができ、これらのうち、シクロヘキサンが好ましい。
【0021】
本発明で用いられる(A)成分の30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は、0.2〜5.0dl/gであることが好ましい。また(A)成分の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000の範囲のものが好適である。
【0022】
<特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物>
本発明に用いる特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物とは、例えば特開平9-221577、特開平10-287732公報に記載されている、特定の炭化水素樹脂を含んでなる熱可塑性樹脂組成物であり、<(A成分)>に加えて、下記に記載の<<(B成分):炭化水素樹脂>を含むものであ。
この様な熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性と成形加工性のバランスが良好である。
【0023】
<(B)成分>
本発明の炭化水素樹脂としては、ポリスチレン換算重量平均分子量が20000以下、好ましくは100〜20000のものであり、さらに好ましくは200〜10000,特に好ましくは300〜5000のものである。また、常温で固体のものである。具体例としてはC5樹脂、C9樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族化合物の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前記樹脂の水素添加物などを挙げることができる。
これらの中では、 C5樹脂、C9樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。また、 C5樹脂としては脂肪族系が好ましく、C9樹脂としては脂環族系が好ましい。
これらの中で特に好ましいのは、C9樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
これらの炭化水素系樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が高すぎると、極性基を有する熱可塑性熱可塑性ノルボルネン系樹脂との相溶性が悪くなり透明性が低減するので好ましくない。また、常温で液状の炭化水素化合物を用いると、樹脂の強度を低下させやすく、しかも樹脂の表面にブリードするので好ましくない。炭化水素樹脂の配合割合は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは2〜50重量部,特に好ましくは5〜45重量部である。本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物の配合方法は、熱可塑性樹脂の加工に用いる公知の装置、たとえば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーや、ノルボルネン系樹脂の溶液に炭化水素系樹脂をブレンドしてペレット化するなどが、挙げられる。
【0025】
本発明の射出成形体に用いる環状オレフィン系熱可塑性樹脂または特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物には、さらに組成物の透明性・耐熱性を損なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良い。
【0026】
本発明の樹脂組成物には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
【0027】
本発明に用いる環状オレフィン系熱可塑性樹脂および特定の環状オレフィン系熱可塑性樹脂組成物としては、ガラス転移温度(Tg)が好ましくは110〜200℃、さらに好ましくは115〜180℃のものが耐熱性、成形加工性の点で好適である。また、溶融粘度は、260℃において、せん断速度10(rad/s)の時の溶融粘度η1と、せん断速度10000(rad/s)の時の溶融粘度η2との比(η1/η2)が、50〜500であることが好ましく、さらに好ましくは100〜450,特に好ましくは150〜400である。この範囲内であると、パターンの転写性が優れる。
【0028】
本発明の射出成形体は公知の方法で表面に二次加工処理を施すことができる。
例えば、表面を電子線、紫外線などで硬化処理を行う、表面に無機物をPVD,CVDなどの方法で蒸着し反射防止、耐食性、耐傷性などの機能を付与する、表面に有機化合物を塗布し、反射防止、耐食性、耐傷性などの機能を付与する、金属薄膜を積層する、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む樹脂シートあるいはフィルムを積層する、顔料あるいは染料を含む塗料を塗布するなどが挙げられる。なお、フィルムシートを積層する場合にはその表面に公知の表面処理が施されていても良い。
【0029】
本発明の成形体の形状は特に限定されない。形状の例としては、円形あるいは多角形状の平板、楔、棒状、中空円、プリズム、レンズ、桶状などが挙げられる。
また微細なパターンの形状も特に限定されない。例えば、成形体表面に平行あるいは格子状の溝(凹型、凸型、V型、半円型、台形型、プリズム型)が1本あるいは複数本ある形状。半球、三角錐、四角錐などの多角錐、円錐、直方体、円柱、三角柱、四角柱などの多角柱などが、格子状あるいは千鳥状に複数配列された形状。成形体表面に、円、十字、多角形、角丸多角形などのマーキングが施された形状などが挙げられる。微細なパターンの例を図1〜10に示した。
【0030】
微細なパターンの大きさは特に限定されないが、好ましくは深さ、幅が0.01〜1000μmのものを転写させることが可能であり、好適には0.01〜500μm、さらに0.01〜100μm、特に0.01〜50μmのものを転写させることが可能である。
微細なパターンとしては、複数個のパターンを形成する場合、パターン間距離は特に限定されないが、たとえば1000〜0.02μm、好ましくは500〜0.02μm、さらに好ましくは200〜0.02μm、特に好ましくは100〜0.05μmのものが適用できる。
【0031】
本発明の成形体は射出成形により成形される。射出成形機の形式は特に限定されない。例えば、シリンダー方式として、インライン式、プリプラ式、型締め方式として直圧式、トグル式、駆動方式として、油圧式、電動サーボ方式、これらが組み合わさった方式などが挙げられる。
また、微細なパターンは、金型で付与されるが、金型は通常公知の鋼材により製造される。また公知の方法でキャビティー面に表面処理されていても良い。また金型の微細なパターンは、公知の切削、エッチング、電鋳などの方法により形成される。微細なパターンは、金型の可動側、固定側、あるいは双方側に形成されていても良く、スライドコアなど可動部を伴う構造でも良い。
【0032】
ゲート形状は、ストレート形状、ピンゲート、ファンゲート、フィルムゲート、トンネルゲート、ゲート途中に絞りを入れたものなど公知の方法が使用できる。
成形品の突き出しは、ピン突き出し、面付きだしなど公知の方法が使用できる。
金型の温調用媒体としては通常の水あるいは鉱物油などが使用できる。
成形以前の樹脂の乾燥は公知の熱風式、除湿式あるいは真空式で通常80℃〜120℃で4〜6時間行われる。また、成形品の色相改良あるいは焼けなど防止の観点から、ホッパー部より窒素、アルゴンなど不活性ガスの封入や、例えば住友重機械工業(株)から上市されている「ALFIN」などの様に可塑化部を真空にする装置を使用しても良い。
成形条件は特に規定されないが、通常シリンダー温度が260℃〜300℃、金型温度は、環状オレフィン系樹脂または特定の環状オレフィン系樹脂組成物のガラス転移温度Tg―1℃〜Tg―20℃の範囲で成形することが好ましい。
【0033】
本発明の射出成形体を用い、プリズム、レンズ、平面レンズ、回折格子、液晶ディスプレイ装置の導光板、拡散板、各種ライトガイドなど、表面に微細なパターン加工が必要な各種光学材料に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
【0035】
A成分
本発明のフロントライト導光板に用いるA成分の一覧を表−1に示した。A成分の調整法として(A−1)成分の合成方法を例示する。なお、(A−2)以下は(A−1)に準じて製造した。
【0036】
【表1】
Figure 0004655330
【0037】
(A−1)成分の調整方法
下記式(1)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)41部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であった。
【0038】
【化2】
Figure 0004655330
【0039】
このようにして得られた開環重合体溶液4000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素添加反応させた。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。このようにして得られた水素添加重合体(以下、(A−1)成分という。)の水素化率は実質上100%である。
【0040】
【B成分】
(B−1)成分
シクロペンタジエン−ビニル芳香族系石油樹脂 分子量1130、軟化点125℃
(B−2)成分
ビニル芳香族系石油樹脂 分子量2440、軟化点140℃
(B−3)成分
C9/ジシクロペンタジエン系石油樹脂 分子量818、軟化点125℃
(B−4)成分
水添C9系石油樹脂 分子量1590、軟化点100℃
その他樹脂
メタクリル樹脂:比重1.19,Tg108℃、MFR(260℃、10Kg)154
ポリカーボネート樹脂:比重1.20,Tg146℃、MFR(260℃,10Kg)34
【0041】
熱可塑性樹脂組成物の調整法
A成分の重合溶液に所定量のB成分を添加・溶解後、大量のポリマー溶液で凝固・ポリマーを単離した後造粒し、ペレットを得た。
ポリマーの粘度比は。コーンプレート型レオメーターにて、260℃における、せん断速度−溶融粘度の関係を、公知のレオロジーモデル(crossモデル)に基づき解析し、せん断速度10(rad/s)の溶融粘度η1とせん断速度10000(rad/s)の溶融粘度η2を求め、粘度比η1/η2を算出した。実施例および比較例に使用したポリマーあるいは組成物の粘度比η1/η2を表−2 に示した。
【0042】
【表2】
Figure 0004655330
【0043】
成形品の形状;
・形状−1
100mm×100mm、厚み1mmの平板であり、凹状で平行な幅、深さ0.5μm、間隔5μm×100本のパターンを形成した。
・形状−2
100mm×100mm、厚み1mmの平板であり、幅250μm、深さ10μmのプリズムを100本形成した。
・形状−3
100mm×100mm、厚み1mmの平板であり、半径15μmの半球状のドットが間隔100μmで格子状に100×100個形成した。
・形状−4
3mm×3mm、長さ60mmの棒状であり、その1面に幅10μm高さ15μm長さ3mmのV溝が凸状に500μm間隔で100本形成した。
・形状−5
1片の長さが15mm、高さ15mmの直角二等片三角柱状のプリズムの正方形となる面に、幅1μm、深さ1μm、直径15μmのマークを形成した。
【0044】
試験片の成形方法
下記の試験で使用するサンプルを射出成形にて行った。成形機は住友重機製SG75M-2。成形条件は、樹脂温度260〜300℃、金型温度80〜140℃。
【0045】
本発明の趣旨に従い下記の項目について試験を行った。
※転写性
微細な転写性を微細形状測定器で測定し、下記の如く形状別に評価を行った。
・形状−1
◎−深さ方向の直線部転写性が95%以上
○−深さ方向の直線部転写性が85%〜95%
△−深さ方向の直線部転写性が70%〜85%
×−深さ方向の直線部転写性が70%未満
・形状−2
◎−直線部短辺側の転写性が90%以上
○−直線部短辺側の転写性が80〜90%
△−直線部短辺側の転写性が70〜80%
×−直線部短辺側の転写性が70%未満
・形状−3
◎−半球状ドットの最長径部における真円度が98%以上
○−半球状ドットの最長径部における真円度が95〜98%
△−半球状ドットの最長径部における真円度が85〜95%
×−半球状ドットの最長径部における真円度が85%未満
・形状−4
◎−V溝両辺の平均の転写性が90%以上
○−V溝両辺の平均の転写性が80〜90%
△−V溝両辺の平均の転写性が70〜80%
×−V溝両辺の平均の転写性が70%未満
・形状−5
○−マークのずれがなく充分に転写されている。
△−マークの一部にずれが見られる。
×−マークの多重転写が見られる。
【0046】
※耐久性
次の2種類の試験を行い、試験後のパターン形状を評価した。
・耐熱性
ギアオーブン、100℃×500時間放置
・耐湿熱
高温恒湿槽、85℃×85RH%中に500時間放置
試験後のサンプルの形状を上記のそれぞれの評価基準に準じて評価した。
【0047】
実施例1〜5、7〜13、15〜24、比較例1〜12
表−3〜表―5に示す組成により射出成形体の性能評価を行った。これらの比較より、本発明の射出成形体は、成形体表面の微細なパターンの転写性に優れるとともに、耐熱性、耐湿熱性に優れるので、実使用の環境下でパターン形状が変化することもないことがわかる。
【0048】
【表3】
Figure 0004655330
【0049】
【表4】
Figure 0004655330
【0050】
【表5】
Figure 0004655330
【0051】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂の有する良好な諸特性(耐熱性、耐湿熱性)を保持しながら、表面に微細なパターンを転写した射出成形体を提供することができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図2】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図3】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図4】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図5】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図6】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図7】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図8】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図9】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【図10】 本発明の微細なパターンを転写した射出成形体の例を示す模式図
それぞれ平面図と断面図を示す
【符号の説明】
点線は、突起部の稜線もしくは溝の底辺を示す

Claims (4)

  1. (A)1種類以上の式−(CH 2 n COOR 5 (R 5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5である。)で表される極性基を含有する環状オレフィン系熱可塑性樹脂、または(A)1種類以上の前記極性基を含有する環状オレフィン系熱可塑性樹脂および(B)ポリスチレン換算重量平均分子量が20000以下で常温で固体の炭化水素樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなり、深さおよび幅が0.5〜1000μmのパターンが転写された射出成形体。
  2. 前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂組成物の、260℃における、せん断速度10(rad/s)の時の溶融粘度η1と、せん断速度10000(rad/s)の時の溶融粘度η2との比(η1/η2)が、50〜500である、請求項1に記載の射出成形体。
  3. (A)1種類以上の式−(CH 2 n COOR 5 (R 5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5である。)で表される極性基を含有する環状オレフィン系熱可塑性樹脂、または(A)1種類以上の前記極性基を含有する環状オレフィン系熱可塑性樹脂および(B)ポリスチレン換算重量平均分子量が20000以下で常温で固体の炭化水素樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を、深さおよび幅が0.5〜1000μmのパターンが形成された金型を用いて射出成形することにより、前記パターンを転写させる工程を含む、射出成形体の製造方法。
  4. 前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂組成物の、260℃における、せん断速度10(rad/s)の時の溶融粘度η1と、せん断速度10000(rad/s)の時の溶融粘度η2との比(η1/η2)が、50〜500である、請求項に記載の射出成形体の製造方法。
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