JP2008069358A - 光学フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノルボルネン酸無水物類と芳香族アミン類とを反応させることによって得られるイミド環を有するノルボルネン類(単量体I)の開環重合体乃至前記単量体Iとイミド環不含ノルボルネン類(単量体II)との開環共重合体よりなる光学フィルム。前記開環重合体乃至前記開環共重合体からなる光学フィルムを延伸処理して得られる延伸フィルム。単量体Iと単量体IIとのモル比は、100:0〜2:98である。
【選択図】なし
Description
しかしながら、アクリル系樹脂は透明性に優れているが、耐熱性や耐水性(低吸水性)などの点で問題がある。一方、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性や耐水性においてはアクリル系樹脂より優れているが、複屈折が大きいなどの問題がある。このため、最近においては、透明性、耐水性、低複屈折性、耐熱性などを兼ね備えた環状オレフィン系樹脂が光学材料用の透明樹脂として注目され、実際に利用されている。
しかしながら、光学機器の機能や用途の高度化に伴い、これらの環状オレフィン系樹脂では、光学材料に求められる特性を十分に満足することができない場合が生じてきている。特に、高度化した機能を有する光学機器に用いられる光学材料においては、複屈折性が十分に低いものであることが極めて重要な特性であり、従来の透明樹脂に比して一層優れた低複屈折性を有する透明樹脂の開発が望まれている。
具体的には、特許文献7乃至特許文献10には、環状オレフィン系樹脂のフィルムからなる位相差板が記載されている。
また、特許文献11乃至特許文献13には、環状オレフィン系樹脂のフィルムを偏光板の保護フィルムに使用することが記載されている。
さらに、特許文献14には、環状オレフィン系樹脂のフィルムからなる液晶表示素子用基板が記載されている。
しかしながら、これらの環状オレフィン系樹脂からなる光学用フィルムにおいては、透過光の波長が長波長になるに従って透過光の位相差(複屈折)の絶対値が小さくなるという特性を有するため、可視光領域(400〜800nm)における全ての光について、例えば透過光にその1/4波長等の特定の位相差を与えることが極めて困難である。このような事情は、従来の環状オレフィン系樹脂のみならず、他の樹脂からなる光学用フィルムでも同様である。
以上のように、高度な光学特性が要求される用途に用いられる樹脂においては、一般的な光学特性を有するものであることの他に、例えばフィルムを形成したときに透過光の波長が長波長になるに従って透過光の複屈折が大きくなるという複屈折に係る特異な波長依存性および複屈折の大きさを制御することが大きな課題となっている。
このような光学フィルムにおいては、ノルボルネン系開環重合体における構造単位(II)の割合が全構造単位中の98モル%以下であることが好ましい。
また、ノルボルネン系開環重合体が、上記一般式(I)において、m=0で、n=1である構造単位(I)を有することが好ましい。
また、ノルボルネン系開環重合体が、一般式(I−1)において、p=0で、q=0であり、かつR11およびR18の少なくとも一方が水素以外の置換基である構造単位(I)を有することが好ましい。
また、ノルボルネン系開環重合体が、一般式(I−1)において、p=0で、q=0であり、かつR11およびR18の少なくとも一方が水素以外の置換基を有し、かつR12、R15およびR19の少なくとも1つが水素以外の置換基である構造単位(I)を有することが好ましい。
また、一般式(I−1)において、p=0で、q=0であり、かつR11およびR18がそれぞれ水素以外の置換基である構造単位(I)を有することが好ましい。
本発明の光学フィルムは特定のノルボルネン系開環重合体よりなり、このノルボルネン系開環重合体は、上記一般式(I)で表される構造単位(I)を有するものである。
上記一般式(I)において、mおよびnは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、X1 はエチレン基またはビニレン基である。
R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、または置換若しくは非置換の炭素数が1〜30、好ましくは1〜10の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基等の芳香族基;またはこれらの基の水素原子の一部若しくは全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基などによって置換されたもの等が挙げられる。
一般式(I−1)および一般式(I−2)において、R11〜R27は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む若しくは含まない連結基を有してもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜30、好ましくは1〜20の炭化水素基;または極性基である。
ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。 置換若しくは非置換の炭素数が1〜30の炭化水素基の具体例としては、一般式(I)におけるR1 およびR2 として例示したものと同様のものが挙げられ、これらの炭化水素基は、芳香環の炭素原子に直接結合していてもよく、あるいは連結基(linkage)を介して結合していてもよい。ここで、連結基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含むものまたは含まない基であり、その具体例としては、炭素数が1〜10の2価の炭化水素基[例えば、−(CH2 )m −(但し、mは1〜10の整数)で表されるアルキレン基]、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホン基(−SO2 −)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)、シロキサン結合(−Si(R2 )O−:但しRはメチル基、エチル基等のアルキル基)、あるいはこれらの2種以上が組合さって連なったものが挙げられる。
また、一般式(I−1)において、p=q=0のとき、R12とR15またはR19とR15は相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよく、これらの炭素環または複素環は単環構造であっても、多環構造であってもよい。このような環構造の具体例としては、下記式(i)〜式(iii)に示すものが挙げられる。
(1)4−フェニル−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(2)6−フェニル−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(3)4−(2−メチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(4)6−(2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(5)4−(2,6−ジメチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(6)6−(2,6−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(7)4−(2,6−ジエチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(8)6−(2,6−ジエチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(9)4−(2,4−ジメチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(10)6−(2,4−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(11)4−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(12)6−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(13)4−(4−クロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(15)4−(2−クロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(16)6−(2−クロロフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(17)4−(3−クロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(18)6−(3−クロロフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(19)4−(2,5−ジクロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(20)6−(2,5−ジクロロフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(21)4−(2,4−ジクロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(22)6−(2,4−ジクロロフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(23)4−(2,6−ジクロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(24)6−(2,6−ジクロロフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(25)4−(2,4,5−トリクロロフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(26)6−(2,4,5−トリクロロフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(28)6−(4−ブロモフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(29)4−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(30)6−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(31)4−(4−エトキシカルボニルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(32)6−(4−エトキシカルボニルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(33)4−(4−エトキシカルボニル−2−メチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(34)6−(4−エトキシカルボニル−2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、(35)4−(5−エトキシカルボニル−2−メチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(36)6−(5−エトキシカルボニル−2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、(37)4−(2−メトキシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(38)6−(2−メトキシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(39)4−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(41)4−(2−エトキシカルボニルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(42)6−(2−エトキシカルボニルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(43)4−(2−エトキシカルボニル−4,5−ジメトキシフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(44)6−(2−エトキシカルボニル−4,5−ジメトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(45)4−(2−メトキシフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(46)6−(2−メトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
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(70)6−(2−ビフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
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(74)6−(2−メトキシジベンゾフラニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(75)4−(9−フルオレニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(76)6−(9−フルオレニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン、
(77)2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4−アザ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−8−エン−3,5−ジオン、
(78)4−メチル−6−(2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン
などが挙げられる。これらの化合物は、1種単独または2種以上を組み合わせて特定単量体(I)として用いることができる。
上記(1)〜(78)の化合物の構造式を以下に示す。
上記一般式(II)において、tおよびuはそれぞれ独立に0または正の整数、好ましくはtが0または1、uが0〜3の整数であり、X2 はエチレン基またはビニレン基である。
R4 〜R7 は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子若しくはケイ素原子を含む若しくは含まない連結基を有してもよい置換または非置換の炭素数が1〜30の炭化水素基;または極性基であり、R4 とR5 またはR6 とR7 は一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、また、R4 またはR5 とR6 またはR7 とは相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよく、これらの炭素環または複素環は単環構造であっても、多環構造であってもよい。これらの原子または基の具体例としては、一般式(I)におけるR1 およびR2 並びに一般式(I−1)および一般式(I−2)におけるR11〜R27として例示したものと同様のものが挙げられる。
ここで、上記のR29で示される炭素原子数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられ、これらの中では、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、より好ましくは、メチル基である。
(79)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(80)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、
(81)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(82)ペンタシクロ[9.2.1.14,7 .02,10.03,8 ]ペンタデカ−5−エン、(83)ヘプタシクロ[13.2.1.13,13.16,9 .02,14.04,12.05,10]イコサン−7−エン、
(84)5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(85)5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(86)5−ノルマルヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(87)5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(88)5−ノルマルオクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(89)5−ノルマルデシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(91)5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(92)5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(93)8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(94)8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(95)5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(96)5−シアノ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(97)5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(99)5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(100)8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、(101)8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(102)8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(103)8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(104)8−ノルマルプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(105)8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(106)8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(108)8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(109)8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(110)8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(111)8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(112)8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(113)8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(114)8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(115)8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(116)8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(117)8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(118)8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(119)8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(120)5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(121)5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(122)5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(123)5−(4−ビフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(124)5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(125)5−(4−ビフェニル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(126)8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(127)5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
(128)5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(129)5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(130)5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(131)5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(132)5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(133)5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(134)5−トリ−n−プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(135)5−トリ−n−ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(136)5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(137)5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(138)5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(139)5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(141)5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(142)5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(143)5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(144)5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(145)5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(146)5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(147)5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(148)5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(149)5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(150)5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(151)5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(152)5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(154)8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(155)8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(156)8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(157)8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(158)8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(159)8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(160)8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(162)8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(163)8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(164)8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(165)8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(166)8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(167)8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(168)8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
などを挙げることができる。
これらの化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて特定単量体(II)として用いることができる。
上記(79)〜(168)の化合物の構造式を以下に示す。
また、構造単位(I)と構造単位(II)との比は、モル比で、通常100:0〜2:98、好ましくは100:0〜5:95、さらに好ましくは、100:0〜10:90である。
構造単位(II)の割合が過大である場合には、透過光の波長が長波長になるに従って複屈折が大きくなるという複屈折に係る特異な波長依存性や低複屈折性が得られないことがある。
このような他の構造単位を得るための単量体としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン、1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンを用いることもできる。
さらに、特定単量体(I)、特定単量体(II)およびその他の単量体の開環重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン、エチレン−非共役ジエン重合体、ノルボルネン系単量体の開環(共)重合の未水添物などの存在下で行ってもよい。
構造単位(I)の割合が過小である場合には、透過光の波長が長波長になるに従って複屈折が大きくなるという複屈折に係る特異な波長依存性や低複屈折性が得られないことがある。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:テトラヒドロフラン溶媒)によって測定されるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が、通常1000〜50万、好ましくは2000〜30万、さらに好ましくは5000〜30万であり、同重量平均分子量(Mw)が、通常5000〜200万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは1.5万〜50万である。
上記対数粘度(ηinh )が0.2未満である場合、上記数平均分子量(Mn)が1000未満である場合あるいは上記重量平均分子量(Mw)が5000未満である場合には、当該ノルボルネン系開環重合体は、その強度が著しく低いものとなることがある。一方、対数粘度(ηinh )が5.0を超える場合、上記数平均分子量(Mn)が50万を超える場合あるいは上記重量平均分子量(Mw)が200万を超える場合には、当該ノルボルネン系開環重合体の溶融粘度あるいは溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になることがある。
具体的には、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’―ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−4−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系またはヒドロキノン系酸化防止剤、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系酸化防止剤を用いることができ、これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、ノルボルネン系開環重合体の酸化安定性を向上することができる。
また、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2,−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[ (2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール] ]やヒンダードアミン系、ベンゾエート系などの紫外線吸収剤を用いることができ、これらの紫外線吸収剤1種または2種以上を添加することにより、耐光性を向上することができる。
また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
開環重合用の触媒としては、Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization(K.J.IVIN,J.C.MOL,Academic Press 1997)に記載されている触媒であり、例えば、下記のメタセシス重合触媒が用いられる。すなわち、(a)W、Mo、ReおよびV、Tiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Cd、Hg、B、Al、Si、Sn、Pbなどの化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。この場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。また、その他の触媒として(d)助触媒を用いない周期表第4族〜8族遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブテン錯体などからなるメタセシス触媒が挙げられる。
(b)成分として用いられる化合物の具体例としては、n−C4 H9 Li、(C2 H5 )3 Al、(C2 H5 )2 AlCl、(C2 H5 )1.5 AlCl1.5 、(C2 H5 )AlCl2 、メチルアルモキサン、LiHなどの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(c)成分である添加剤の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができるが、更に特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。
(d)成分の代表例としては、W(=N−2,6−C6 H3 i Pr2 )(=CHt Bu)(Ot Bu)2 、Mo(=N−2,6−C6 H3 i Pr2 )(=CHt Bu)(Ot Bu)2 、Ru(=CHCH=CPh2 )(PPh3 )2 Cl2 、Ru(=CHPh)(PC6 H11)2 Cl2 などが挙げられる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a)成分:(b)成分」が1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:50の範囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c)成分:(a)成分」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜10:1の範囲とされる。また、触媒(d)の使用量は、(d)成分と、特定単量体(I)および特定単量体(II)の合計との割合が、モル比で1:30〜1:100000となる範囲、好ましくは1:50〜1:50000となる範囲とされる。
開環重合体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環(共)重合反応に供される特定単量体(I)および特定単量体(II)の合計1モルに対して0.005〜1.0モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
開環重合反応において用いられる溶媒(単量体、メタセシス触媒および分子量調節剤を溶解する溶媒)の具体例としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることができる。これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらの中では、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、重量比で「溶媒:単量体」が通常1:1〜30:1となる量とされ、好ましくは1:1〜20:1となる量とされる。
また、ビニレン基に対する水素添加率は、90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上であり、水素添加率が高いほど、熱による着色や劣化が抑制されて好ましい。
これらの水素添加触媒は、特定単量体(I)および特定単量体(II)に基づく側鎖の芳香環が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調整することが必要であるが、通常、重量比で「開環重合体:水素添加触媒」が1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
また、以下の実施例および比較例において、ガラス転移温度(Tg)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)については、下記の方法により測定した。
セイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
数平均分子量、重量平均分子量および分子量分布:
東ソー株式会社製「HLC−8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー」により、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
還流管を取り付けた1Lの3口フラスコ内に、下記構造式(B)で表される6−オキサ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン30g(0.1303モル)、および2,4−ジメトキシアニリン19.96g(0.1303モル)を仕込み、更に溶媒として酢酸300mLを添加した。この反応系を昇温すると当該反応系は均一な状態となり、この状態で、3時間還流を行った。次いで、反応系を放冷した後、エバポレーターによって酢酸の除去処理を行い、メタノールで再結晶して赤褐色固体44.96g(粗収率:94%)を得た。得られた結晶をメタノールで再結晶することにより、白色固体19.74g(収率:41%)を得た。この白色固体は、下記構造式(A)で表される6−(2,4−ジメトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンであった。
特定単量体(I)として上記構造式(A)で表される6−(2,4−ジメトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン7.90g(21.6ミリモル)、特定単量体(II)として下記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ- 3- エン5.01g(21.6ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.27g、および溶媒としてトルエン51.5gを、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.13mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.34mLを加え、80℃で4時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られたノルボルネン系開環重合体の重量平均分子量(Mw)は14.2×104 、数平均分子量(Mn)は3.38×104 、分子量分布(Mw/Mn)は4.20であった。
重合体(P1)の重量平均分子量(Mw)は14.9×104 、数平均分子量(Mn)は3.59×104 、分子量分布(Mw/Mn)は4.15、固有粘度(ηinh )は0.74、ガラス転移温度(Tg)は221.4℃であった。
また、重合体(P1)における6−(2,4−ジメトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンに由来する構造単位(I)の割合が44モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンに由来する構造単位(II)の割合が56モル%であった。
また、重合体(P1)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であり、また、芳香環の残存率は実質的に100%であった。重合体(P1)の 1H−NMRスペクトル図およびIRスペクトル図をそれぞれ図1および図2に示す。
特定単量体(I)として下記構造式(D)で表される6−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン5.00g(15.0ミリモル)、特定単量体(II)として上記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン3.48g(15.0ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.19g、および溶剤としてトルエン66gを窒素置換した反応容器に仕込み、100℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.16mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.44mLを加え、80℃で4時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られたノルボルネン系開環重合体の重量平均分子量(Mw)は10.7×104 、数平均分子量(Mn)は3.49×104 、分子量分布(Mw/Mn)は3.07であった。
重合体(P2)の重量平均分子量(Mw)は10.3×104 、数平均分子量(Mn)は3.50×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.94、固有粘度(ηinh )は0.58、ガラス転移温度(Tg)は215.0℃であった。
また、重合体(P2)における6−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンに由来する構造単位(I)の割合が37.2モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンに由来する構造単位(II)の割合が62.8モル%であった。
また、重合体(P2)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であり、また、芳香環の残存率は実質的に100%であった。重合体(P2)の 1H−NMRスペクトル図およびIRスペクトル図をそれぞれ図3および図4に示す。
特定単量体(I)として下記構造式(E)で表される6−(2,6−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン5.00g(14.1ミリモル)、特定単量体(II)として上記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン3.28g(14.1ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.20g、および溶媒としてトルエン34gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.07mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.24mL を加え、80℃で0.5時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られたノルボルネン開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、26.3×104 、数平均分子量(Mn)は、3.35×104 、分子量分布(Mw/Mn)は、7.86であった。
重合体(P3)の重量平均分子量(Mw)は26.0×104 、数平均分子量(Mn)は4.50×104 、分子量分布(Mw/Mn)は5.78、固有粘度(ηinh )は1.12、ガラス転移温度(Tg)は205.1℃であった。
また、重合体(P3)における6−(2,6−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンに由来する構造単位(I)の割合が34.7モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンに由来する構造単位(II)の割合が65.3モル%であった。
また、重合体(P3)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であり、また、芳香環の残存率は実質的に100%であった。重合体(P3)の 1H−NMRスペクトル図およびIRスペクトル図をそれぞれ図5および図6に示す。
特定単量体(I)として下記構造式(F)で表される6−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン5.00g(12.1ミリモル)、特定単量体(II)として上記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン2.80g(12.1ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.15g、および溶媒としてトルエン31.2gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.12mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.39mL を加え、80℃で3時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。 得られたノルボルネン開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、11.2×104 、数平均分子量(Mn)は、5.77×104 、分子量分布(Mw/Mn)は、1.94であった。
重合体(P4)の重量平均分子量(Mw)は10.1×104 、数平均分子量(Mn)は4.41×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.29、固有粘度(ηinh )は0.56、ガラス転移温度(Tg)は225.3℃であった。
また、重合体(P4)における6−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンに由来する構造単位(I)の割合が36.6モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンに由来する構造単位(II)の割合が63.4モル%であった。
また、重合体(P4)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であり、また、芳香環の残存率は実質的に100%であった。重合体(P4)の 1H−NMRスペクトル図およびIRスペクトル図をそれぞれ図7および図8に示す。
特定単量体(I)として下記構造式(G)で表される6−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン8.62g(21.6ミリモル)、特定単量体(II)として上記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エン5.00g(21.6ミリモル)、分子量調節剤として1−ヘキセン0.27g、および溶媒としてトルエン31.3gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.11mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.35mLを加え、80℃で4時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られたノルボルネン開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、15.8×104 、数平均分子量(Mn)は、3.35×104 、分子量分布(Mw/Mn)は、4.73であった。
重合体(P5)の重量平均分子量(Mw)は11.8×104 、数平均分子量(Mn)は3.69×104 、分子量分布(Mw/Mn)は3.18、固有粘度(ηinh )は0.50、ガラス転移温度(Tg)は215.0℃であった。
また、重合体(P5)における6−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンに由来する構造単位(I)の割合が41.6モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンに由来する構造単位(II)の割合が58.4モル%であった。
また、重合体(P5)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であり、また、芳香環の残存率は実質的に100%であった。重合体(P5)の 1H−NMRスペクトル図およびIRスペクトル図をそれぞれ図9および図10に示す。
特定単量体(I)として下記構造式(H)で表される6−(2−メチル−5−メトキシカルボニルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオン5.00g(12.1ミリモル)、特定単量体(II)として上記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン8.13g(12.1ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.27g、および溶媒としてトルエン120.8gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.11mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.34mL を加え、80℃で4時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られたノルボルネン開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、20.0×104 、数平均分子量(Mn)は、2.31×104 、分子量分布(Mw/Mn)は、8.66であった。
重合体(P6)の重量平均分子量(Mw)は26.5×104 、数平均分子量(Mn)は4.21×104 、分子量分布(Mw/Mn)は6.30、固有粘度(ηinh )は0.97、ガラス転移温度(Tg)は211.6℃であった。
また、重合体(P6)における6−(2−メチル−5−メトキシカルボニルフェニル)−6−アザ−ペンタシクロ〔9.2.1.13,9 .02,10.04,8 〕ペンタデカ−12−エン−5,7−ジオンに由来する構造単位(I)の割合が44.1モル%、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕ドデカ−3−エンに由来する構造単位(II)の割合が55.9モル%であった。
また、重合体(P6)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であり、また、芳香環の残存率は実質的に100%であった。重合体(P6)の 1H−NMRスペクトル図およびIRスペクトル図をそれぞれ図11および図12に示す。
単量体として上記構造式(C)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン50g、分子量調節剤として1−へキセン3.6g、および溶媒としてトルエン100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.09mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.29mLを加え、80℃で3時間反応させることにより、ノルボルネン系開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られたノルボルネン系開環重合体について、実施例1と同様にして水素添加反応を行うことにより、水素添加されたノルボルネン系開環重合体を得た。このノルボルネン系開環重合体を「重合体(P7)」とする。
重合体(P7)の重量平均分子量(Mw)は5.6×104 、数平均分子量(Mn)は1.75×104 、分子量分布(Mw/Mn)は3.2、ガラス転移温度(Tg)は167℃であった。
また、重合体(P7)を 1H−NMRにより分析した結果、オレフィン性二重結合に対する水素添加率は99%以上であった。
実施例1−6及び比較例1で得られた重合体(P1)〜重合体(P7)の各々をトルエンあるいは塩化メチレンに溶解することにより溶剤キャスト用の溶液を調製した。これらの溶液をガラス板上に注ぎ、これを乾燥処理することにより、厚みが200μm、残留溶媒が0.5〜0.8%の無色透明なフィルムを作製した。
得られたフィルムの各々を、下記表1に示す倍率で一軸延伸することにより延伸フィルムを作製した。延伸処理温度は、フィルムを形成する重合体のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg+10℃となる温度である。
そして、得られた延伸フィルムの各々について、王子計測社製の自動複屈折計「KOBRA21DH」を用い、複屈折△n(△n=nx −ny ,nx :延伸方向の屈折率,ny :延伸方向に対して垂直方向の屈折率)を測定した。測定波長550nmにおける複屈折値を表1に示す。
図13の結果から明らかなように、実施例1に係る重合体(P1)よりなる延伸フィルムは、透過光の波長が長波長になるに従って比Re/Re550の値が大きくなり、複屈折の波長依存性が高く、特異なものであることが確認された。
これに対して比較例1に係る重合体(P7)よりなる延伸フィルムは、比Re/Re550の値が透過光の波長に関わらずほぼ一定の値であった。
Claims (9)
- 下記一般式(I)で表される構造単位(I)を有するノルボルネン系開環重合体よりなることを特徴とする光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体が、下記一般式(II)で表される構造単位(II)を有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体における構造単位(II)の割合が全構造単位中の98モル%以下であることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体において、一般式(I)におけるX1 および一般式(II)におけるX2 の90モル%以上がエチレン基であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体が、一般式(I)において、m=0で、n=1である構造単位(I)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体が、一般式(I−1)において、p=0で、q=0であり、かつR11およびR18の少なくとも一方が水素以外の置換基である構造単位(I)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体が、一般式(I−1)において、p=0で、q=0であり、かつR11およびR18の少なくとも一方が水素以外の置換基を有し、かつR12、R15およびR19の少なくとも1つが水素以外の置換基である構造単位(I)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学フィルム。
- ノルボルネン系開環重合体が、一般式(I−1)において、p=0で、q=0であり、かつR11およびR18がそれぞれ水素以外の置換基である構造単位(I)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光学フィルムを延伸処理して得られることを特徴とする延伸フィルム。
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