JP4395732B2 - ノルボルネン系開環重合体 - Google Patents
ノルボルネン系開環重合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4395732B2 JP4395732B2 JP2004135538A JP2004135538A JP4395732B2 JP 4395732 B2 JP4395732 B2 JP 4395732B2 JP 2004135538 A JP2004135538 A JP 2004135538A JP 2004135538 A JP2004135538 A JP 2004135538A JP 4395732 B2 JP4395732 B2 JP 4395732B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- atom
- ring
- represented
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- OCGXYYGGDKRHPD-UHFFFAOYSA-N C(NC1C(C2)C=CC2C1)NOc(cc1)ccc1-c1ccccc1 Chemical compound C(NC1C(C2)C=CC2C1)NOc(cc1)ccc1-c1ccccc1 OCGXYYGGDKRHPD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- PCBPVYHMZBWMAZ-UHFFFAOYSA-N CC(C1)C2C=CC1C2 Chemical compound CC(C1)C2C=CC1C2 PCBPVYHMZBWMAZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 0 CC*Oc1cccc2ccccc12 Chemical compound CC*Oc1cccc2ccccc12 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
Δn=nx−ny
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、正(または、負)の複屈折性とは、前記Δnが正(または、負)である場合の上記成形品の性質を意味する。
Re=Δn×d
(式中、dは、透過光の光路長であり、通常、上記延伸フィルムの厚さである)
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、位相差の波長分散性とは、前記Reの値と入射光の波長との相関性を意味する。また、「位相差の波長分散性が大きい」とは、短波長の入射光に対するReの絶対値と、長波長の入射光に対するReの絶対値との差異が大きいことを意味する。
更に、環状オレフィン類の重合体分子の側鎖構造を設計・調整することにより、1枚の光学フィルムで前記光学特性を調整しようという試みは、ほとんど例がない。そこで、透明性、耐熱性、低吸水性等に優れるとのノルボルネン系重合体の特徴を保持しながら、複屈折の絶対値、位相差の波長分散性等の光学特性を自在に調整できる高分子材料の開発が切望されていた。
即ち、本発明は、下記一般式(1):
[式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体、を提供する。
[式中、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、bは0〜5の整数であり、cおよびdは独立に0〜3の整数であり、但し、c=d=0の場合は、R8とR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
[式中、R16〜R24は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、eは0〜5の整数であり、fは0〜3の整数である。]
<ノルボルネン系開環重合体>
本発明のノルボルネン系開環重合体は、前記構造単位(1)を必須の構造単位として含むが、必要に応じて、下記一般式(2):
[式中、gおよびhは独立に0または1であり、但し、これらの少なくとも一方は1であり、iおよびjは独立に0〜2の整数であり、Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R25〜R34は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R31とR32、および/またはR33とR34は一体化して2価炭化水素基を形成してもよく、R31またはR32と、R33またはR34とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
で表される構造単位(2)を有していてもよいし、前記構造単位(2)以外の構造単位を更に有していてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
(4)
[式中、g、h、i、jおよびR25〜R34は、前記一般式(2)に関して定義のとおりである。]
で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(2)という。」)とともに、更に必要に応じて前記単量体(2)と他の共重合可能な単量体とともに、開環重合もしくは共重合し、次いで必要に応じて上記構造単位中の式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。
上記単量体(1)としては、その製造が容易であることから、
(A)上記一般式(3)中のR3〜R6のうちのいずれか一つだけが、上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基、または上記一般式(1−2)で表される芳香環を有する基であること、並びに
(B)上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基中のb、上記一般式(1−2)で表される芳香環を有する基中のe、もしくは前記bおよびe、が1であること、
のうち少なくとも一つの要件を満たすものが好ましく、これらの両方の要件を満たすものが更に好ましい。
上記一般式(4)で表される単量体(2)のう ち、得られる重合体の溶解性および他種の基材との密着性、接着性等のバランスを良好とすることができることから、上記一般式(4)中のR31〜R34のうち少なくとも一つが、式:−(CH2)nCOOR35(ここで、R35は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは0〜10の整数である。)で表される基である単量体が好ましい。
・トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン
・トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン
・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・2,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]−3−ペンタデセン
・トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
・7−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
・5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン
・ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フェニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(1−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(ビフェニル−4−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(ビフェニル−4−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリn-プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリn-ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
上記単量体(2)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明において、上記のとおり、ノルボルネン系開環重合体は、上記単量体(1)の1種の単独重合体、上記単量体(1)の2種以上の共重合体、上記単量体(1)と上記単量体(2)等との共重合体、または前記単独重合体もしくは共重合体の水素添加物の何れであっても差し支えない。上記単量体(1)の2種以上の組み合わせを開環重合させる場合には、その量比は特に制限されない。
以下、本発明のノルボルネン系開環重合体の製造方法における重合条件を更に説明する。
・開環重合触媒:
本発明に用いられる開環重合用の触媒としては、例えば、
(I)"Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization"(K.J.IVIN, J.C.MOL, Academic Press 1997)に記載されている触媒が好ましく用いられる。このような触媒としては、例えば、(a)W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)アルカリ金属元素(例えば、Li、Na、K)、アルカリ土類金属元素(例えば、Mg、Ca)、第12族元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、第13族元素(例えば、B、Al)、第14族元素(例えば、Si、Sn、Pb)等の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組み合わせからなるメタセシス触媒が挙げられる。この触媒は、触媒活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(II)周期表第4族〜第8族の遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体等からなるメタセシス触媒を用いることができる。上記触媒(II)の具体例としては、W(=N−2,6−C6H3 iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、Mo(=N−2,6−C6H3 iPr2)(=CHtBu)(OtBu)2、Ru(=CHCH=CPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(=CHPh)(PC6H11)2Cl2等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
開環重合体の分子量の調整は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類等を調整することによっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調整することが好ましい。分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン類、およびスチレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物が好ましく、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。分子量調節剤の使用量は、全単量体1モル当たり、通常、0.001〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
開環重合反応において用いられる溶媒(即ち、単量体、メタセシス触媒、分子量調節剤等を溶解する溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン化アルカン;ハロゲン化アリール等の化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられ、これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。この開環重合反応用溶媒の使用量は、「溶媒:全単量体」の重量比が、通常、1:1〜10:1となる量であり、好ましくは1:1〜5:1となる量である。
上記開環重合により得られるノルボルネン系開環重合体は、構造単位(1)中のXと、場合により有する構造単位(2)中のYとが、式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和基の構造を有するものである。この開環重合体は、そのまま使用することができる。
実施例および比較例中に記載の各種測定、評価等は、以下のようにして行った。
1.ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC6200)を用いて、窒素気流下,昇温速度:20℃/分の条件下で測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel G7000HxL,TSK gel GMHxL,TSK gel GMHxL,TSK gel G2000xL)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記Mnは数平均分子量である。
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中で1H−NMRを測定した。更に、赤外分光光度計(IR、日本分光社製、商品名:FT/IR−420)を用いて、赤外線(IR)吸収スペクトルを測定した。得られたデータから、水素添加率の算出および分子構造の同定を行った。
下記各実施例および比較例で得られた開環重合体の水素添加物の塩化メチレン溶液(濃度:25%)を、表面が平滑なガラス板上にキャストし、乾燥させて残留溶媒0.5%以下のフィルムを作成した。得られたフィルムを恒温槽付き引張試験機(インストロン社製、MODEL5567型)を使用して、下記各実施例および比較例に記載の温度(約[Tg+10℃])で2.0倍に一軸延伸した。この延伸フィルムを試料として、レターデーション測定器(王子計測社製、商品名:KOBRA21DH)を用いて、400〜800nmの波長範囲における位相差(Re)を連続的に測定した。
また、Re400/Re550の比の値、およびRe800/Re550の比の値を求めた。更に、(Re400/Re550)の値と(Re800/Re550)の値との差を算出し、その絶対値の値(|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|)を求めた。
上記Δn550(×10-4)、Re400/Re550、Re800/Re550、および、|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|の値を表1に示した。
<4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルの合成>
(1) シクロペンタジエン 449g(6.79mol)とアリルクロライド 520g(6.79mol)を5Lオートクレーブに仕込み、系内温度が180℃となるように昇温させ、180〜185℃に保持した状態で8時間反応させた。次いで、蒸留精製(蒸留条件;圧力:30mmHg、沸点:78.5℃)で減圧蒸留してガスクロマトグラフィー(GC)純度:96%の5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 308g(2.16mol、収率:32%、endo体/exo体(モル比)=79/21)を得た。
<2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレンの合成>
滴下ロートを取り付けた500mLナスフラスコに灰色粉末状の水素化ナトリウム 8.4gを加え、氷冷しながらこれにDMF 100mLに溶解させた2−ナフトール 55.51g(0.385mol)を徐々に滴下した。全量滴下後、室温で1時間攪拌し、更に40℃で1時間攪拌した。この溶液に5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)を滴下し、全量滴下後、反応系の温度を140〜150℃に保持して10時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、分液ロートを使用して蒸留水約300mLで2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、蒸留精製(蒸留条件;バス温度:160℃、圧力:1mmHg未満(真空ポンプ直引き)、沸点:132〜134℃)することにより白色固体を得た。この白色固体を、メタノールを用いて2回再結晶することにより、液体クロマトグラフィーによる純度が99.3%の2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 16.54g(0.067mol、収率:19%)を得た。
<1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレンの合成>
攪拌棒、冷却管、三方コックおよび温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、1−ナフトール 50.45g(0.35mol)、5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)、炭酸カリウム 96.75g(0.7mol)、および溶媒としてDMF 200mLを加え、攪拌しながら130℃に昇温させ、フラスコの内温を約130℃に保持して6時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、1L分液ロートを使用して蒸留水で2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、硫酸マグネシウムを加えて攪拌した状態で一晩放置して乾燥させた後、蒸留精製(バス温度:160℃、圧力:1mmHg未満(真空ポンプ直引き)、沸点:135〜138℃)し、カラム精製(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(容量比)=1/3、充填剤:ワコーゲルC300(商品名、和光純薬工業社製))した。カラム精製後、メタノールを用いて再結晶を行うことにより、液体クロマトグラフィー純度:99.8%の白色固体状の1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 11.74g(0.046mol、収率:13%)を得た。
<5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成>
攪拌棒、冷却管、三方コックおよび温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、4−α−クミルフェノール 74.30g(0.35mol)、5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)、炭酸カリウム 96.75g(0.7mol)、ヨウ化ナトリウム 10.49g(0.07mol)、層間移動触媒として塩化テトラエチルアンモニウム 5.80g(0.035mol)および溶媒としてDMF 200mLを加え、攪拌しながら130℃に昇温させ、フラスコの内温を約130℃に保持して22時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、1L分液ロートを使用して蒸留水で2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、硫酸マグネシウムを加えて攪拌した状態で一晩放置して乾燥させた後、カラム精製(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(容量比)=1/3、充填剤:ワコーゲルC300(商品名、和光純薬工業社製))した。カラム精製後、メタノールを用いて再結晶を行うことにより、液体クロマトグラフィー純度:99.8%の白色固体状の5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 24.91g(0.078mol、収率:22.4%)を得た。
<2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレンの合成>
(1) アリルクロライド 520g(6.79mol)に代えて、メタリルクロライド 615g(6.79mol)を使用したこと、および蒸留条件;圧力:30mmHgを17.5mmHgに変更したこと以外は上記合成例1(1)と同じにして(但し、蒸留条件;圧力:17.5mmHg、沸点:81.5〜82.0℃)、GC純度が95.4%の5−メチル−5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを得た。
合成例1で得た4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル 9.0g(0.0326mol)、分子量調節剤として1−ヘキセン 0.41mL、およびトルエン 20.4mLを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この混合物に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度:0.6mol/L)0.04mL、およびメタノール変性WCl6のトルエン溶液(濃度:0.025mol/L)0.13mLを加え、80℃で1時間反応させることにより開環重合させ、開環重合体のトルエン溶液を得た。
得られた開環重合体の重量平均分子量(Mw)は19.8×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.90であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:56μmのキャストフィルムを調製し、85℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例2で得た2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン8.16g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=16.8×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.17)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=15.8×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.67、固有粘度[η]=0.77、ガラス転移温度(Tg)=64.5℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図3に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図4にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.9%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:85μmのキャストフィルムを調製し、75℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例3で得た1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 8.16g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=10.1×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.05)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=10.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.78、固有粘度 [η]=0.55、ガラス転移温度(Tg)=68.8℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図5に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図6にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.6%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:75μmのキャストフィルムを調製し、79℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例4で得た5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 10.38g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=18.1×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.48)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=18.8×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.56、固有粘度[η]=0.87、ガラス転移温度(Tg)=52.5℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図7に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図8にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.8%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:67μmのキャストフィルムを調製し、63℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例5で得た2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 8.62g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=12.3×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.47)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=12.5×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.19、固有粘度[η]=0.68、ガラス転移温度(Tg)=75.9℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図9に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図10にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は89.9%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:74μmのキャストフィルムを調製し、86℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 50g、分子量調節剤として1−ヘキセン 3.6g、およびトルエン100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度:0.6mol/L)0.09mL、メタノール変性WCl6のトルエン溶液(濃度:0.025mol/L)0.29mLを加え、80℃で3時間反応させることにより開環重合させた。得られた開環重合体を、参考例1と同じにして水素添加し、該開環重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=5.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.20、ガラス転移温度(Tg)=167℃)を得た。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.6%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:80μmのキャストフィルムを調製し、177℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
側鎖に芳香族基を有しないノルボルネン系開環重合体である比較例1のものに比べて、参考例1および参考例2の開環重合体から得られた延伸フィルムは、大きな複屈折の値(Δn550×10-4)を示し、一方、実施例1、実施例2および実施例3、特に実施例2および実施例3の開環重合体から得られた延伸フィルムは、小さな複屈折の値を示す。
このように、本発明の開環重合体において、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより、複屈折の値を調整することができる。
更に、公知の透明樹脂から得られた延伸フィルムは、一般に、入射光の波長が長くなるほど複屈折の絶対値が小さくなる傾向を有し、参考例1〜2および実施例1の開環重合体の延伸フィルムも同様であるのに対して、実施例2および実施例3の開環重合体の延伸フィルムは、(Re800/Re550)の値が、(Re400/Re550)の値よりも大きく、長波長側になるほど複屈折の絶対値が大きくなるという逆波長分散性を示す。
従って、本発明の開環重合体において、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより、上記波長分散性を調整することができる。
Claims (8)
- 下記一般式(I):
[式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体:
[式中、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;式:−(CH2)m−R'(式中、R'はシクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基であり、mは1〜10の整数である)で表される基;または極性基を表し、bは0〜5の整数であり、cおよびdは0であり、R8とR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環(該炭素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
[式中、R16〜R24は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、eは0〜5の整数であり、fは0〜3の整数である。] - 複数存在する前記Xの40モル%以上が式:−CH2CH2−で表される基である請求項1に記載のノルボルネン系開環重合体。
- 前記bおよび/または前記eが1である請求項1または2に記載のノルボルネン系開環重合体。
- さらに、下記一般式(2):
[式中、gおよびhは独立に0または1であり、但し、これらの少なくとも一方は1であり、iおよびjは独立に0〜2の整数であり、Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R25〜R34は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R31とR32、および/またはR33とR34は一体化して2価炭化水素基を形成してもよく、R31またはR32と、R33またはR34とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
で表される構造単位(2)を有し、複数存在するYは同一または異なる請求項1〜3のいずれか一項に記載のノルボルネン系開環重合体。 - 複数存在する前記Xおよび前記Yの合計の40モル%以上が式:−CH2CH2−で表される基である請求項4に記載のノルボルネン系開環重合体。
- 請求項4または5に記載のノルボルネン系開環重合体であって、該重合体を構成する全構造単位中に占める前記構造単位(2)の割合が98モル%以下である、前記ノルボルネン系開環重合体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のノルボルネン系開環重合体を成形してなる成形品。
- 下記一般式(I):
[式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体において、
[式中、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、bは0〜5の整数であり、cおよびdは独立に0〜3の整数であり、但し、c=d=0の場合は、R8とR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]、
上記一般式(1−1)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより、位相差の波長分散性および複屈折値を調整する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004135538A JP4395732B2 (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | ノルボルネン系開環重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004135538A JP4395732B2 (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | ノルボルネン系開環重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005314597A JP2005314597A (ja) | 2005-11-10 |
JP4395732B2 true JP4395732B2 (ja) | 2010-01-13 |
Family
ID=35442355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004135538A Expired - Fee Related JP4395732B2 (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | ノルボルネン系開環重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4395732B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204731A (ja) * | 2006-01-06 | 2007-08-16 | Jsr Corp | 環状オレフィン系開環共重合体、環状オレフィン系開環共重合体からなる光学部品、フィルムおよびその用途 |
JP7122257B2 (ja) * | 2016-05-18 | 2022-08-19 | メルク パテント ゲーエムベーハー | 有機誘電体層及び有機電子デバイス |
EP4299646A1 (en) * | 2021-02-26 | 2024-01-03 | Zeon Corporation | Cyclic olefin copolymer and hydrogenated product thereof, and optical element |
-
2004
- 2004-04-30 JP JP2004135538A patent/JP4395732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005314597A (ja) | 2005-11-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6846890B2 (en) | Norbornene derivative and norbornene polymer obtained therefrom through ring opening polymerization | |
US7759437B2 (en) | Norbornene derivative, norbornene polymer produced by ring-opening (co)polymerization, and process for producing the polymer by ring-opening (co)polymerization | |
JP4356528B2 (ja) | ノルボルネン系開環(共)重合体およびその製造方法 | |
JP5391514B2 (ja) | 環状オレフィン系共重合体およびその製造方法ならびに用途 | |
WO2011081101A1 (ja) | 位相差フィルム、並びに、それを用いた有機el表示装置及び液晶表示装置 | |
JP4395732B2 (ja) | ノルボルネン系開環重合体 | |
TWI322161B (ja) | ||
JP5304244B2 (ja) | 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途 | |
JP4356516B2 (ja) | ノルボルネン系開環重合体 | |
JP4356532B2 (ja) | ノルボルネン系開環重合体の製造方法、およびその成形品の位相差の波長分散性の調整方法 | |
JP2008231318A (ja) | 樹脂組成物、光学フィルム、位相差フィルムおよび液晶表示装置 | |
JP4148107B2 (ja) | ノルボルネン系開環重合体 | |
JP4356527B2 (ja) | ノルボルネン系開環(共)重合体、その製造方法および成形品 | |
JP5494718B2 (ja) | 環状オレフィン系共重合体およびその用途 | |
JP4193672B2 (ja) | ノルボルネン系樹脂及びその製造方法 | |
JP4039194B2 (ja) | ノルボルネン系開環重合体 | |
JP2007204731A (ja) | 環状オレフィン系開環共重合体、環状オレフィン系開環共重合体からなる光学部品、フィルムおよびその用途 | |
JP2005263995A (ja) | ノルボルネン系開環重合体 | |
JP2008069358A (ja) | 光学フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090203 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090210 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090623 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090807 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090924 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091007 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4395732 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |