JP4395732B2 - ノルボルネン系開環重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、多様な光学特性を有する光学フィルム等の成形品を与えるノルボルネン系開環重合体、およびその成形品に関する。
なお、本明細書において、複屈折との用語は通常の意味で用いられる。また、複屈折の値(これを、Δnとする)とは、重合体から成形されたフィルムを一軸延伸し、重合体分子鎖を一方向に配向させた延伸フィルムにおいて、延伸方向をx軸、これに対して面内垂直方向をy軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をnyとして、下記式:
Δn=nx−ny
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、正(または、負)の複屈折性とは、前記Δnが正(または、負)である場合の上記成形品の性質を意味する。
次に、位相差(Retardation、これをReとする)とは、下記式:
Re=Δn×d
(式中、dは、透過光の光路長であり、通常、上記延伸フィルムの厚さである)
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、位相差の波長分散性とは、前記Reの値と入射光の波長との相関性を意味する。また、「位相差の波長分散性が大きい」とは、短波長の入射光に対するReの絶対値と、長波長の入射光に対するReの絶対値との差異が大きいことを意味する。
ノルボルネン系化合物等の環状オレフィン類の重合体は、一般に、その主鎖構造中に嵩高い脂環式構造を有することに起因して非晶性となり、また、透明性、耐熱性、低吸水性、耐酸および耐アルカリ性、電気絶縁性等の性質に優れ、かつ光学歪みが小さい(光弾性係数が小さい、即ち、成形フィルムに応力が加えられても位相差の変化が生じにくい)等の特徴を有する。これらの特徴を活かして、この重合体は、液晶ディスプレイ(位相差フィルム、拡散フィルム、波長板、液晶基板、タッチパネル用フィルム、導光板等)、光学レンズ、光ディスク・光磁気ディスク(CD、MD、CD-R、DVD等)、光ファイバー、光学フィルム/シート、光半導体封止剤、プリント基板(硬質プリント基板、多層プリント基板等)、透明導電性フィルム基板等の用途へ適用することが検討されてきた。
これらの用途の中でも、カラー液晶ディスプレイ用の位相差フィルムとして用いる場合には、鮮明な色彩と精細な画像を得るため、位相差の面内均一性をより高めたフィルムが要求される。この要求を満たすために、光弾性係数が比較的小さいノルボルネン系化合物の開環重合体を透明樹脂として選択し、該重合体からフィルムを成形するとともに、特に精密に延伸加工することによって位相差の面内均一性に優れた位相差フィルムを得ることが提案されている(特許文献1〜4)。
近年、カラー液晶ディスプレイ画像の高精細化および高品質化が進むにつれ、位相差フィルム用の高分子材料としては、更なる多様な光学特性を付与することできるものが望まれている。例えば、可視光の波長領域全体にわたって所望の位相差を発現させることが求められ、このために複屈折の絶対値および位相差の波長分散性が自在に調整できることが望まれている。
従来、所望の光学特性を有する位相差フィルムを得るため、例えば、2枚のフィルムを互いの延伸方向が一定の角度となるようにずらして重ねて積層体を得て、これを位相差フィルムとして用いること等が行なわれているが、貼り合わせ工程の歩留まりが悪く、また積層体フィルムの薄膜化が困難であるという問題があった。また、従来公知のノルボルネン系重合体は、可視光の波長領域(400〜800nm)において、位相差の波長分散性がほとんどないため、上記の光学特性についての要求を満たすことができなかった。
更に、環状オレフィン類の重合体分子の側鎖構造を設計・調整することにより、1枚の光学フィルムで前記光学特性を調整しようという試みは、ほとんど例がない。そこで、透明性、耐熱性、低吸水性等に優れるとのノルボルネン系重合体の特徴を保持しながら、複屈折の絶対値、位相差の波長分散性等の光学特性を自在に調整できる高分子材料の開発が切望されていた。
特開平8−95016号公報 特許第3019741号公報 特許第3220478号公報 特開2001−350017号公報
本発明は、上記のような事情を背景になされたものであり、透明性、耐熱性、低吸水性等に優れたノルボルネン系開環重合体であって、正の複屈折性を示し、特に複屈折の絶対値および位相差の波長分散性に関し多様な光学特性を有する光学フィルム等の成形品を与えることから有用なノルボルネン系開環重合体、およびその成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1):
Figure 0004395732
(1)
[式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体、を提供する。
Figure 0004395732
(1−1)
[式中、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、bは0〜5の整数であり、cおよびdは独立に0〜3の整数であり、但し、c=d=0の場合は、R8とR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
Figure 0004395732
(1−2)
[式中、R16〜R24は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、eは0〜5の整数であり、fは0〜3の整数である。]
更に、本発明は、上記ノルボルネン系開環重合体を成形してなる成形品を提供する。
本発明のノルボルネン系開環重合体は、透明性、低吸水性等に優れるとともに、側鎖の芳香族基の構造・種類の設定や、共重合体の場合には単量体の種類・組み合わせ、共重合比等を適切に設定することにより、特に複屈折の絶対値および位相差の波長分散性に関し多様な光学特性を有する光学フィルム等の成形品を与えることができる。
更に、本発明の開環重合体を他種の透明樹脂、例えば、負の複屈折性を示す樹脂(ポリスチレン系ポリマー、ポリメタクリル酸エステル系ポリマー、環状オレフィン系重合体であって負の複屈折性を示すもの等)、および/または正の複屈折性を示す樹脂(ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、セルローストリアセテート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、環状オレフィン系重合体であって正の複屈折性を示すもの等)と組み合わせ、その組成比を設定することにより、所望の複屈折性(正負、複屈折の絶対値の大小)および位相差の波長依存性を有する組成物を得ることが可能である。
従って、本発明のノルボルネン系開環重合体は、所望の光学特性を有する光学フィルム等の成形体を得るために有用であり、例えば、光ディスク・光磁気ディスク(CD、MD、CD-R、DVD等)、光学レンズ(Fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ、眼鏡用レンズ等)、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フィルム/シート、位相差フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、波長板、反射防止フィルム、液晶基板、タッチパネル基板、EL基板、電子ペーパー基板、光ピックアップフィルム等)、導光板、光拡散板、光ファイバー、光カード、光ミラー等の材料や、IC、LSIもしくはLED用封止材等として好適に使用できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<ノルボルネン系開環重合体>
本発明のノルボルネン系開環重合体は、前記構造単位(1)を必須の構造単位として含むが、必要に応じて、下記一般式(2):
Figure 0004395732
(2)
[式中、gおよびhは独立に0または1であり、但し、これらの少なくとも一方は1であり、iおよびjは独立に0〜2の整数であり、Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R25〜R34は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R31とR32、および/またはR33とR34は一体化して2価炭化水素基を形成してもよく、R31またはR32と、R33またはR34とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
で表される構造単位(2)を有していてもよいし、前記構造単位(2)以外の構造単位を更に有していてもよい。
一般式(1)、一般式(1−1)、一般式(1−2)および一般式(2)において、R1〜R34で表される、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基について説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基;式:−(CH2)m−R'(式中、R'は前記シクロアルキル基または前記アリール基であり、mは1〜10の整数である)で表される基、例えば、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基等;等が挙げられる。これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えば、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;フェニルスルホニル基;シアノ基等で置換されていてもよい。
上記の置換または非置換の炭化水素基は直接環構造に結合していてもよいし、あるいは酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基を介して環構造に結合していてもよい。前記連結基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子およびケイ素原子の内、1種を含むものであってもよいし、2種以上を含むものであってもよい。この連結基としては、例えば、カルボニル基(−CO−);カルボニルオキシ基(−COO−)、オキシカルボニル基(−OCO−);スルホニル基(−SO2−);スルホニルオキシ基(−SO2O−);オキシスルホニル基(−OSO2−);エーテル結合(−O−);チオエーテル結合(−S−);イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−);式:−Si(R)2−,式:−Si(OR)2O−,式:−OSi(R)2−,または,式:−OSi(OR)2−(前記各式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは、メチル基、エチル基等のアルキル基である)で表されるケイ素原子を含む結合;あるいは、これらの2種以上が組み合わさって連なったものが挙げられる。
上記の置換または非置換の炭化水素基が上記連結基を介して環構造に結合している場合の構造としては、例えば、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、トリオルガノシリル基、トリオルガノシロキシ基等が挙げられる。
更に具体的には、上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;アシル基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられ;アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられ;アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等のトリアルキルシロキシ基や、トリメトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基等のトリアルコキシシロキシ基が挙げられ;トリオルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基やトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基等が挙げられる。
次に、極性基としては、例えば、水酸基;シアノ基;アミド基;イミノ基(=NH);第1級アミノ基(−NH2)等のアミノ基;スルホン酸基(−SO3H);スルフィノ基(−SO2H);カルボキシル基(−COOH)等が挙げられる。
本発明のノルボルネン系開環重合体は、下記一般式(3)
Figure 0004395732
(3)
[式中、aおよびR1〜R6は、前記一般式(1)に関して定義のとおりである。]
で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(1)という。」)を、必要に応じて、下記一般式(4):
Figure 0004395732

(4)
[式中、g、h、i、jおよびR25〜R34は、前記一般式(2)に関して定義のとおりである。]
で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(2)という。」)とともに、更に必要に応じて前記単量体(2)と他の共重合可能な単量体とともに、開環重合もしくは共重合し、次いで必要に応じて上記構造単位中の式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。
なお、以下、特に改めて説明がない限り、単量体(1)の開環重合体、単量体(1)と単量体(2)等との共重合体、およびこれらの水素添加物を区別することなく「ノルボルネン系開環重合体」と総称する。
<単量体(1)>
上記単量体(1)としては、その製造が容易であることから、
(A)上記一般式(3)中のR3〜R6のうちのいずれか一つだけが、上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基、または上記一般式(1−2)で表される芳香環を有する基であること、並びに
(B)上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基中のb、上記一般式(1−2)で表される芳香環を有する基中のe、もしくは前記bおよびe、が1であること、
のうち少なくとも一つの要件を満たすものが好ましく、これらの両方の要件を満たすものが更に好ましい。
以下に、単量体(1)の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 0004395732

4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)−ビフェニル
Figure 0004395732

2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)−ナフタレン
Figure 0004395732

1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルオキシ)−ナフタレン
Figure 0004395732

1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン
Figure 0004395732

1−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン
Figure 0004395732

2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン
Figure 0004395732

2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン
Figure 0004395732

4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル
Figure 0004395732

4−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル
Figure 0004395732

2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル
Figure 0004395732

2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル
Figure 0004395732

5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004395732

5−メチル−5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004395732

9−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−9H−フルオレン
Figure 0004395732

9−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−9H−フルオレン
Figure 0004395732

9−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−アントラセン
Figure 0004395732

9−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−アントラセン
Figure 0004395732

8−(1−ナフトキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−メチル−8−(1−ナフトキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−(2−ナフトキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−メチル−8−(2−ナフトキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−(4−フェニルフェノキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−(2−フェニルフェノキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

8−メチル−8−(2−フェニルフェノキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004395732

9−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8−イルメチルオキシ)−9H−フルオレン
Figure 0004395732

9−(8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8−イルメチルオキシ)−9H−フルオレン
Figure 0004395732

9−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8−イルメチルオキシ)−アントラセン
Figure 0004395732

9−(8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン−8−イルメチルオキシ)−アントラセン
Figure 0004395732

4−{2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルオキシ}−ビフェニル
Figure 0004395732

2−{2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルオキシ}−ナフタレン
Figure 0004395732

1−{2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルオキシ}−ナフタレン
Figure 0004395732

4−{3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピルオキシ}−ビフェニル
Figure 0004395732

2−{3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピルオキシ}−ナフタレン
Figure 0004395732

1−{3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピルオキシ}−ナフタレン
上記単量体(1)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<単量体(2)>
上記一般式(4)で表される単量体(2)のう ち、得られる重合体の溶解性および他種の基材との密着性、接着性等のバランスを良好とすることができることから、上記一般式(4)中のR31〜R34のうち少なくとも一つが、式:−(CH2)nCOOR35(ここで、R35は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは0〜10の整数である。)で表される基である単量体が好ましい。
上記R35で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。
以下に、上記式:−(CH2)nCOOR35で表される基を有する単量体を含め、単量体(2)の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン
・トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン
・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・2,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]−3−ペンタデセン
・トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
・7−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
・5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン
・ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン
・ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フェニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(1−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(ビフェニル−4−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(ビフェニル−4−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリn-プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリn-ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
これらの中でも、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが安価かつ容易に入手できることから好ましい。更に、上記式:−(CH2)nCOOR35で表される基を有する単量体としては、その製造が容易であることから、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
更に、得られるノルボルネン系開環重合体の耐熱性を向上させることができることから、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが特に好ましい。
上記単量体(2)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、単量体(1)および単量体(2)とともに、必要に応じて使用することのできる他の共重合可能な単量体としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン;1,4−シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンが挙げられる。前記共重合可能な単量体は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、上記開環重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重合体、単量体(1)および単量体(2)以外のノルボルネン系単量体の開環重合体の未水素添加物(即ち、水素添加されていないもの)の存在下で行ってもよい。
<単量体の使用割合等>
本発明において、上記のとおり、ノルボルネン系開環重合体は、上記単量体(1)の1種の単独重合体、上記単量体(1)の2種以上の共重合体、上記単量体(1)と上記単量体(2)等との共重合体、または前記単独重合体もしくは共重合体の水素添加物の何れであっても差し支えない。上記単量体(1)の2種以上の組み合わせを開環重合させる場合には、その量比は特に制限されない。
本発明のノルボルネン系開環重合体が、単量体(1)、単量体(2)等との共重合体である場合に、これらの単量体の使用割合、即ち、共重合比は、得られる共重合体が、所望の複屈折の絶対値の大きさおよび/または位相差の波長分散性を示すように、必要に応じて適切に調整されるべきものであるが、全単量体に対して単量体(1)の占める割合が、通常、2モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上とするのがよい。前記単量体(1)の占める割合が2モル%以上であれば、本発明のノルボルネン系開環重合体の複屈折の絶対値の大きさおよび位相差の波長分散性を所望のとおりに容易に調整することが可能となる。
なお、単量体(1)および単量体(2)以外の共重合可能な単量体も使用する場合には、全単量体に対して前記共重合可能な単量体の占める割合が、通常、50モル%以下とすることが好ましく、30モル%以下とすることがより好ましく、20モル%以下とすることが特に好ましい。
<重合>
以下、本発明のノルボルネン系開環重合体の製造方法における重合条件を更に説明する。
・開環重合触媒:
本発明に用いられる開環重合用の触媒としては、例えば、
(I)"Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization"(K.J.IVIN, J.C.MOL, Academic Press 1997)に記載されている触媒が好ましく用いられる。このような触媒としては、例えば、(a)W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)アルカリ金属元素(例えば、Li、Na、K)、アルカリ土類金属元素(例えば、Mg、Ca)、第12族元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、第13族元素(例えば、B、Al)、第14族元素(例えば、Si、Sn、Pb)等の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組み合わせからなるメタセシス触媒が挙げられる。この触媒は、触媒活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
上記(a)成分の具体例としては、例えば、WCl6、MoCl5、ReOCl3、VOCl3、TiCl4等の特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(b)成分の具体例としては、例えば、n−C49Li、(C25)3Al、(C25)2AlCl、(C25)1.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン(MAO)、LiH等の特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(c)成分の添加剤としては、例えば、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類等を好適に用いることができ、更に特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(a)成分等を組み合わせてなるメタセシス触媒の使用量は、上記(a)成分と、全単量体(単量体(1)、単量体(2)および他の共重合可能な単量体。以下、同じ)との、「(a)成分:全単量体」のモル比が、通常、1:500〜1:500,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:100,000となる範囲である。更に、上記(a)成分と(b)成分との割合は、「(a):(b)」の金属原子(モル)比が、通常、1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。このメタセシス触媒に上記(c)添加剤を添加する場合、(a)成分と(c)成分との割合は、「(c):(a)」のモル比が、通常、0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
また、その他の触媒として、
(II)周期表第4族〜第8族の遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体等からなるメタセシス触媒を用いることができる。上記触媒(II)の具体例としては、W(=N−2,6−C63 Pr2)(=CHBu)(OBu)2、Mo(=N−2,6−C63 Pr2)(=CHBu)(OBu)2、Ru(=CHCH=CPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(=CHPh)(PC611)2Cl2等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記触媒(II)の使用量は、「触媒(II):全単量体」のモル比が、通常、1:50〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:100〜1:10,000となる範囲である。なお、上記触媒(I)と(II)とを組み合わせて用いても差し支えない。
・分子量調整剤
開環重合体の分子量の調整は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類等を調整することによっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調整することが好ましい。分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン類、およびスチレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物が好ましく、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。分子量調節剤の使用量は、全単量体1モル当たり、通常、0.001〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
・開環重合反応用溶媒
開環重合反応において用いられる溶媒(即ち、単量体、メタセシス触媒、分子量調節剤等を溶解する溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン化アルカン;ハロゲン化アリール等の化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられ、これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。この開環重合反応用溶媒の使用量は、「溶媒:全単量体」の重量比が、通常、1:1〜10:1となる量であり、好ましくは1:1〜5:1となる量である。
<水素添加反応>
上記開環重合により得られるノルボルネン系開環重合体は、構造単位(1)中のXと、場合により有する構造単位(2)中のYとが、式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和基の構造を有するものである。この開環重合体は、そのまま使用することができる。
前記開環重合体の耐熱安定性をより向上させ、更に該重合体を成形体に加工する際に発生する焼け(着色)・ゲルを低減し、得られる成形体の耐候性を高めるために、上記オレフィン性不飽和基を水素添加して式:−CH2CH2−で表される基に変換させ、開環重合体の水素添加物として得ることが好ましい。但し、本発明でいう水素添加物とは、上記オレフィン性不飽和基が水素添加されたものに限られ、前記開環重合体に含まれている、単量体(1)、単量体(2)等の構造に由来するベンゼン環等の芳香環骨格中の環内共役二重結合が、実質的に水素添加されていないものであることが特に好ましい。
なお、水素添加率(即ち、開環重合体が構造単位(1)を有し構造単位(2)を有しない場合にはXが、また開環重合体が構造単位(1)と構造単位(2)とを有する場合にはXとYとが、式:−CH2CH2−で表される基に変換される割合)は、複数存在する上記Xの、もしくはXおよびYの合計の40モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。この水素添加率が高いほど、高温条件下における着色や劣化の発生が抑制されるので好ましい。
水素添加反応は、上記芳香環骨格中の環内共役二重結合が実質的に水素添加されない条件で実施される必要がある。例えば、開環重合体の溶液に水素添加反応触媒を添加し、これに、通常、大気圧〜30MPa、好ましくは3〜20MPaの水素ガスを加えて、通常、0〜220℃、好ましくは20〜200℃で反応させることによって行われる。
水素添加反応触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができ、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。不均一触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア等の担体に担持させた固体触媒が挙げられる。均一系触媒としては、例えば、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n-ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。これらの触媒の形態は粉末状でも粒状でもよい。また、この水素添加反応触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
これらの水素添加反応触媒は、上記芳香環骨格中の環内共役二重結合が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調整する必要があり、「開環重合体:水素添加反応触媒」の重量比が、通常、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
本発明のノルボルネン系開環重合体またはその水素添加物のウッベローデ型粘度計、クロロホルム中で測定される固有粘度[η]は、通常、0.2〜5.0、好ましくは0.3〜4.0、更に好ましくは0.35〜2.0である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定では、前記開環重合体の数平均分子量(Mn)は、通常、1,000〜500,000、好ましくは2,000〜300,000、更に好ましくは5,000〜250,000であり、重量平均分子量(Mw)が、通常、5,000〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000、更に好ましくは20,000〜500,000である。
上記固有粘度[η]が0.2未満であるか、数平均分子量(Mn)が1,000未満であるか、あるいは重量平均分子量(Mw)が5,000未満であると、本発明のノルボルネン系開環重合体から得られる成形物の強度が著しく低下する場合がある。一方、固有粘度[η]が5.0以上であるか、数平均分子量(Mn)が500,000以上であるか、あるいは重量平均分子量(Mw)が2,000,000以上であると、前記開環重合体の溶融粘度または溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になる場合がある。
本発明のノルボルネン系開環重合体には、公知の各種添加剤を添加することができる。この添加剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル・3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−t−ブチル−a,a',a"−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等のフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤;トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、開環重合体の耐酸化劣化性を向上することができる。
また、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]等の紫外線吸収剤を添加することによって耐光性を向上することもできる。更に、加工性を向上させる滑剤の他、必要に応じて、難燃剤、抗菌剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、離型剤、発泡剤等の公知の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明のノルボルネン系開環重合体は、例えば、単量体(1)(および単量体(2))が有する置換基の構造・種類、共重合比等を適切に設定することにより、得られる重合体から得られる成形品の複屈折の絶対値および位相差の波長分散性を所望のとおりに調整することができる。また、本発明のノルボルネン系開環重合体と公知の環状オレフィン樹脂等とを適宜配合することによっても、得られる樹脂組成物から成形された重合体成形品の複屈折の値の正負、複屈折の絶対値や位相差の波長分散性を調整することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下、特に改めて説明がない限り、「部」は重量部を、「%」は重量%を、また「室温」は25℃を意味する。
実施例および比較例中に記載の各種測定、評価等は、以下のようにして行った。
<測定・評価方法>
1.ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC6200)を用いて、窒素気流下,昇温速度:20℃/分の条件下で測定した。
2.重量平均分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel G7000HxL,TSK gel GMHxL,TSK gel GMHxL,TSK gel G2000xL)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記Mnは数平均分子量である。
3.重合体分子構造
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中で1H−NMRを測定した。更に、赤外分光光度計(IR、日本分光社製、商品名:FT/IR−420)を用いて、赤外線(IR)吸収スペクトルを測定した。得られたデータから、水素添加率の算出および分子構造の同定を行った。
4.位相差、複屈折評価
下記各実施例および比較例で得られた開環重合体の水素添加物の塩化メチレン溶液(濃度:25%)を、表面が平滑なガラス板上にキャストし、乾燥させて残留溶媒0.5%以下のフィルムを作成した。得られたフィルムを恒温槽付き引張試験機(インストロン社製、MODEL5567型)を使用して、下記各実施例および比較例に記載の温度(約[Tg+10℃])で2.0倍に一軸延伸した。この延伸フィルムを試料として、レターデーション測定器(王子計測社製、商品名:KOBRA21DH)を用いて、400〜800nmの波長範囲における位相差(Re)を連続的に測定した。
測定波長:400nm,550nm,800nmにおける位相差の値(それぞれ、順に、Re400,Re550,Re800とする)を求めた。次に、Re550をフィルム厚さ(d)で除して、測定波長:550nmにおける複屈折の値(Δn550)を求めた。
また、Re400/Re550の比の値、およびRe800/Re550の比の値を求めた。更に、(Re400/Re550)の値と(Re800/Re550)の値との差を算出し、その絶対値の値(|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|)を求めた。
上記Δn550(×10-4)、Re400/Re550、Re800/Re550、および、|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|の値を表1に示した。
[合成例1]
<4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルの合成>
Figure 0004395732

(1) シクロペンタジエン 449g(6.79mol)とアリルクロライド 520g(6.79mol)を5Lオートクレーブに仕込み、系内温度が180℃となるように昇温させ、180〜185℃に保持した状態で8時間反応させた。次いで、蒸留精製(蒸留条件;圧力:30mmHg、沸点:78.5℃)で減圧蒸留してガスクロマトグラフィー(GC)純度:96%の5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 308g(2.16mol、収率:32%、endo体/exo体(モル比)=79/21)を得た。
(2) 攪拌棒、冷却管、三方コックおよび温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、ビフェニル−4−オール 59.57g(0.35mol)、5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)、炭酸カリウム 96.75g(0.7mol)、および溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)200mLを加え、攪拌しながら120℃に昇温させ、フラスコの内温を120〜130℃に保持して6.5時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、1L分液ロートを使用して蒸留水で2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、硫酸マグネシウムを加えて攪拌した状態で一晩放置して乾燥させた後、真空下で溶媒を留去し、カラム精製(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(容量比)=1/1、充填剤:ワコーゲルC300(商品名、和光純薬工業社製))した。カラム精製後、メタノールを用いて再結晶を行うことにより、液体クロマトグラフィー純度:99.8%の白色固体状の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル 18.28g(0.067mol、収率:19%)を得た。
[合成例2]
<2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレンの合成>
Figure 0004395732

滴下ロートを取り付けた500mLナスフラスコに灰色粉末状の水素化ナトリウム 8.4gを加え、氷冷しながらこれにDMF 100mLに溶解させた2−ナフトール 55.51g(0.385mol)を徐々に滴下した。全量滴下後、室温で1時間攪拌し、更に40℃で1時間攪拌した。この溶液に5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)を滴下し、全量滴下後、反応系の温度を140〜150℃に保持して10時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、分液ロートを使用して蒸留水約300mLで2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、蒸留精製(蒸留条件;バス温度:160℃、圧力:1mmHg未満(真空ポンプ直引き)、沸点:132〜134℃)することにより白色固体を得た。この白色固体を、メタノールを用いて2回再結晶することにより、液体クロマトグラフィーによる純度が99.3%の2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 16.54g(0.067mol、収率:19%)を得た。
[合成例3]
<1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレンの合成>
Figure 0004395732

攪拌棒、冷却管、三方コックおよび温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、1−ナフトール 50.45g(0.35mol)、5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)、炭酸カリウム 96.75g(0.7mol)、および溶媒としてDMF 200mLを加え、攪拌しながら130℃に昇温させ、フラスコの内温を約130℃に保持して6時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、1L分液ロートを使用して蒸留水で2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、硫酸マグネシウムを加えて攪拌した状態で一晩放置して乾燥させた後、蒸留精製(バス温度:160℃、圧力:1mmHg未満(真空ポンプ直引き)、沸点:135〜138℃)し、カラム精製(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(容量比)=1/3、充填剤:ワコーゲルC300(商品名、和光純薬工業社製))した。カラム精製後、メタノールを用いて再結晶を行うことにより、液体クロマトグラフィー純度:99.8%の白色固体状の1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 11.74g(0.046mol、収率:13%)を得た。
[合成例4]
<5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成>
Figure 0004395732

攪拌棒、冷却管、三方コックおよび温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、4−α−クミルフェノール 74.30g(0.35mol)、5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 51.74g(0.35mol)、炭酸カリウム 96.75g(0.7mol)、ヨウ化ナトリウム 10.49g(0.07mol)、層間移動触媒として塩化テトラエチルアンモニウム 5.80g(0.035mol)および溶媒としてDMF 200mLを加え、攪拌しながら130℃に昇温させ、フラスコの内温を約130℃に保持して22時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、1L分液ロートを使用して蒸留水で2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、硫酸マグネシウムを加えて攪拌した状態で一晩放置して乾燥させた後、カラム精製(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(容量比)=1/3、充填剤:ワコーゲルC300(商品名、和光純薬工業社製))した。カラム精製後、メタノールを用いて再結晶を行うことにより、液体クロマトグラフィー純度:99.8%の白色固体状の5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 24.91g(0.078mol、収率:22.4%)を得た。
[合成例5]
<2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレンの合成>
Figure 0004395732

(1) アリルクロライド 520g(6.79mol)に代えて、メタリルクロライド 615g(6.79mol)を使用したこと、および蒸留条件;圧力:30mmHgを17.5mmHgに変更したこと以外は上記合成例1(1)と同じにして(但し、蒸留条件;圧力:17.5mmHg、沸点:81.5〜82.0℃)、GC純度が95.4%の5−メチル−5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを得た。
(2) 攪拌棒、冷却管、三方コックおよび温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、2−ナフトール 32.87g(0.228mol)、5−メチル−5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 37.70g(0.24mol)、炭酸カリウム 63.02g(0.456mol)、ヨウ化ナトリウム 6.83g(0.0456mol)、層間移動触媒としてヨウ化テトラメチルアンモニウム 4.5839g(0.0228mol)、および溶媒としてDMF 200mLを加え、攪拌しながら130℃に昇温させ、フラスコの内温を130〜140℃に保持して19時間反応させた。その後、濾過して塩を除去した後、1L分液ロートを使用して蒸留水で2回洗浄した。次いで、有機層を分離・回収し、硫酸マグネシウムを加えて攪拌した状態で一晩放置して乾燥させた後、カラム精製(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン(容量比)=1/3、充填剤:ワコーゲルC300(商品名、和光純薬工業社製))した。カラム精製後、メタノールを用いて再結晶を行うことにより、液体クロマトグラフィー純度:99.7%の白色固体状の2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 14.28g(0.055mol、収率:24%)を得た。
参考例1]
合成例1で得た4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニル 9.0g(0.0326mol)、分子量調節剤として1−ヘキセン 0.41mL、およびトルエン 20.4mLを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この混合物に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度:0.6mol/L)0.04mL、およびメタノール変性WCl6のトルエン溶液(濃度:0.025mol/L)0.13mLを加え、80℃で1時間反応させることにより開環重合させ、開環重合体のトルエン溶液を得た。
得られた開環重合体の重量平均分子量(Mw)は19.8×104であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.90であった。
次いで、得られた開環重合体のトルエン溶液をオートクレーブに入れ、該溶液にトルエン 480mLを更に加えた。これに水素添加反応触媒として、RuHCl(CO)(PPh3)3 50mgを添加した後、水素ガス圧を9〜10MPaとし、160〜165℃で3時間反応させた。反応終了後、得られた生成物を多量のメタノール溶液に再沈殿させることにより、開環重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=20.0×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.59、固有粘度[η]=0.86、ガラス転移温度(Tg)=75.0℃)を得た。この開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図1に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図2にそれぞれ示す。
NMR測定の結果、前記水素添加反応前の開環重合体に含まれていた式:−CH=CH−で表される基が、式:−CH2CH2−で表される基に転化されている割合(以下、「水素添加率」という)は99.8%であり、一方、前記水素添加反応前の開環重合体に含まれていたベンゼン環等の芳香環骨格中の環内共役二重結合が、反応後に水素添加されずに残存している割合(以下、「芳香環残存率」という)は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:56μmのキャストフィルムを調製し、85℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
[実施例
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例2で得た2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン8.16g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=16.8×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.17)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=15.8×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.67、固有粘度[η]=0.77、ガラス転移温度(Tg)=64.5℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図3に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図4にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.9%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:85μmのキャストフィルムを調製し、75℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
参考例2]
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例3で得た1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 8.16g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=10.1×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.05)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=10.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.78、固有粘度 [η]=0.55、ガラス転移温度(Tg)=68.8℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図5に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図6にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.6%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:75μmのキャストフィルムを調製し、79℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
[実施例
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例4で得た5−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェノキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 10.38g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=18.1×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.48)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=18.8×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.56、固有粘度[η]=0.87、ガラス転移温度(Tg)=52.5℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図7に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図8にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.8%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:67μmのキャストフィルムを調製し、63℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
[実施例
上記参考例1に記載の4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ビフェニルに代えて、合成例5で得た2−(5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イルメチルオキシ)−ナフタレン 8.62g(0.0326mol)を使用したこと以外は参考例1と同じにして、開環重合体(重量平均分子量(Mw)=12.3×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.47)を得た。
この開環重合体を参考例1と同じにして水素添加し、該重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=12.5×104、分子量分布(Mw/Mn)=4.19、固有粘度[η]=0.68、ガラス転移温度(Tg)=75.9℃)を得た。得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルを図9に、赤外線(IR)吸収スペクトルを図10にそれぞれ示す。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は89.9%であり、芳香環残存率は100%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:74μmのキャストフィルムを調製し、86℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
[比較例1]
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 50g、分子量調節剤として1−ヘキセン 3.6g、およびトルエン100gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度:0.6mol/L)0.09mL、メタノール変性WCl6のトルエン溶液(濃度:0.025mol/L)0.29mLを加え、80℃で3時間反応させることにより開環重合させた。得られた開環重合体を、参考例1と同じにして水素添加し、該開環重合体の水素添加物(重量平均分子量(Mw)=5.6×104、分子量分布(Mw/Mn)=3.20、ガラス転移温度(Tg)=167℃)を得た。NMR測定の結果、この水素添加物の水素添加率は99.6%であった。
上記開環重合体の水素添加物から、厚さ:80μmのキャストフィルムを調製し、177℃で一軸延伸して、位相差測定用試料を得た。
Figure 0004395732
<評価>
側鎖に芳香族基を有しないノルボルネン系開環重合体である比較例1のものに比べて、参考例1および参考例2の開環重合体から得られた延伸フィルムは、大きな複屈折の値(Δn550×10-4)を示し、一方、実施例、実施例および実施例、特に実施例および実施例の開環重合体から得られた延伸フィルムは、小さな複屈折の値を示す。
このように、本発明の開環重合体において、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより、複屈折の値を調整することができる。
次に、参考例1〜2および実施例1〜3の開環重合体の延伸フィルムは、比較例の開環重合体のものに比べて、位相差の波長分散性(即ち、「|(Re800/Re550)-(Re400/Re550)|」の値))が大きく、また、その大きさの程度は、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより調整することができる。
更に、公知の透明樹脂から得られた延伸フィルムは、一般に、入射光の波長が長くなるほど複屈折の絶対値が小さくなる傾向を有し、参考例1〜2および実施例1の開環重合体の延伸フィルムも同様であるのに対して、実施例および実施例の開環重合体の延伸フィルムは、(Re800/Re550)の値が、(Re400/Re550)の値よりも大きく、長波長側になるほど複屈折の絶対値が大きくなるという逆波長分散性を示す。
従って、本発明の開環重合体において、上記式(1−1)および式(1−2)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより、上記波長分散性を調整することができる。
参考例1で得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 参考例1で得られた開環重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。 実施例で得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 実施例で得られた開環重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。 参考例2で得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 参考例2で得られた開環重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。 実施例で得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた開環重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。 実施例3で得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた開環重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 0004395732
    (1)
    [式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
    で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体:
    Figure 0004395732
    (1−1)
    [式中、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;式:−(CH2)m−R'(式中、R'はシクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基であり、mは1〜10の整数である)で表される基;または極性基を表し、bは0〜5の整数であり、cおよびdは0であり、RとR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環(該炭素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
    Figure 0004395732
    (1−2)
    [式中、R16〜R24は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、eは0〜5の整数であり、fは0〜3の整数である。]
  2. 複数存在する前記Xの40モル%以上が式:−CH2CH2−で表される基である請求項1に記載のノルボルネン系開環重合体。
  3. 前記bおよび/または前記eが1である請求項1または2に記載のノルボルネン系開環重合体。
  4. さらに、下記一般式(2):
    Figure 0004395732
    (2)
    [式中、gおよびhは独立に0または1であり、但し、これらの少なくとも一方は1であり、iおよびjは独立に0〜2の整数であり、Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R25〜R34は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R31とR32、および/またはR33とR34は一体化して2価炭化水素基を形成してもよく、R31またはR32と、R33またはR34とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
    で表される構造単位(2)を有し、複数存在するYは同一または異なる請求項1〜3のいずれか一項に記載のノルボルネン系開環重合体。
  5. 複数存在する前記Xおよび前記Yの合計の40モル%以上が式:−CH2CH2−で表される基である請求項4に記載のノルボルネン系開環重合体。
  6. 請求項4または5に記載のノルボルネン系開環重合体であって、該重合体を構成する全構造単位中に占める前記構造単位(2)の割合が98モル%以下である、前記ノルボルネン系開環重合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のノルボルネン系開環重合体を成形してなる成形品。
  8. 下記一般式(I):
    Figure 0004395732
    (1)
    [式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
    で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体において、
    Figure 0004395732
    (1−1)
    [式中、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、bは0〜5の整数であり、cおよびdは独立に0〜3の整数であり、但し、c=d=0の場合は、RとR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]、
    上記一般式(1−1)で表される芳香族オキシ基の構造を選択することにより、位相差の波長分散性および複屈折値を調整する方法。
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