JP4356532B2 - ノルボルネン系開環重合体の製造方法、およびその成形品の位相差の波長分散性の調整方法 - Google Patents

ノルボルネン系開環重合体の製造方法、およびその成形品の位相差の波長分散性の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた透明性、耐水性(低吸水性)および耐熱性を有するノルボルネン系開環重合体であって、特に多様な位相差の波長分散性を有する光学フィルム等の成形品を与えるノルボルネン系開環重合体、およびその成形品に関する。
なお、本明細書において、複屈折との用語は通常の意味で用いられる。また、複屈折の値(これを、Δnとする)とは、重合体から成形されたフィルムを一軸延伸し、重合体分子鎖を一方向に配向させた延伸フィルムにおいて、延伸方向をx軸、これに対して面内垂直方向をy軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をnyとして、下記式:
Δn=nx−ny
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、正(または、負)の複屈折性とは、前記Δnが正(または、負)である場合の上記成形品の性質を意味する。
次に、位相差(Retardation、これをReとする)とは、下記式:
Re=Δn×d
(式中、dは、透過光の光路長であり、通常、上記延伸フィルムの厚さである)
で定義される正〜負の値であり、その絶対値は入射光の波長によって異なる。
そして、位相差の波長分散性とは、前記Reの値と入射光の波長との相関性を意味する。また、位相差の絶対値が入射光の波長が長波長になるほど大きくなる場合に、その特性を正の波長分散性という。更に、「位相差の波長分散性が大きい」とは、短波長の入射光に対するReの絶対値と、長波長の入射光に対するReの絶対値との差異が大きいことを意味する。
従来、透明樹脂は、自動車部品、照明機器、電気部品等の分野において、通常要求される透明性の材料として用いられており、特に最近では、高度な光学的性質が要求される光学材料としての応用も検討されつつある。このような用途に用いられる一般的な透明樹脂としては、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂が知られている。しかし、これらの樹脂は、透明性、耐熱性および耐水性の全ての特性を十分に満たすものではなかった。これに対して、透明性、耐水性および耐熱性に優れ、かつ複屈折の値が小さい環状オレフィン系樹脂が、各種光学材料用の透明樹脂として数多く提案され、偏光板保護フィルム、透明導電性基板、位相差フィルム等として実際に利用されている(特許文献1〜9参照)。
また、環に結合した、芳香族カルボニルオキシ基を有するノルボルネン系単量体を開環重合し、必要に応じてオレフィン性不飽和結合に水素添加することにより得られる、優れた透明性と低複屈折性を兼ね備えたノルボルネン系開環重合体(特許文献10参照)が提案されている。
更に、正の複屈折性を示す構造単位と負の複屈折性を示す構造単位とを含むノルボルネン系開環共重合体であって、それから成形された延伸フィルムの位相差が正の波長分散性を示すものも提案されている(特許文献11参照)。しかし、前記開環共重合体以外には、位相差が正の波長分散性を示す延伸フィルムを与えるノルボルネン系開環重合体は知られていなかった。
そして、光学機器の機能の高度化や用途の広範化に伴い、従来の環状オレフィン系樹脂では種々の要求への対応が困難となっている。
特開平1−132625号公報 特開平1−132626号公報 特開平2−133413号公報 特開平4−245202号公報 特開平5−2108号公報 特開平5−64865号公報 特開平5−212828号公報 特開平6−51117号公報 特開平7−77608号公報 特開2003−321535号公報 特開2003−255102号公報
本発明は、優れた透明性、耐水性(低吸水性)および耐熱性を有するノルボルネン系開環重合体であって、多様な位相差の波長分散性を有する光学フィルム等の成形品を与えることから有用なノルボルネン系開環重合体、およびその成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を進めた結果、芳香族スルホニル基が2価芳香族炭化水素基を介して主鎖の環に結合している構造を有するノルボルネン系開環重合体から成形された延伸フィルムが、その位相差について正の波長分散性を示すことを見出し、該知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1):
Figure 0004356532

[式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体を提供する。
Figure 0004356532

[式中、Arは、独立に、下記構造式:
Figure 0004356532

で表される基から選ばれる2価芳香族炭化水素基であり、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、bおよびcは独立に0〜3の整数であり、但し、b=c=0の場合、R8とR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
Figure 0004356532

[式中、Arは上記一般式(1−1)に関して定義のとおりであり、R16〜R24は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、dは0〜3の整数である。]
更に、本発明は、上記ノルボルネン系開環重合体を成形してなる成形品を提供する。
本発明のノルボルネン系開環重合体は、透明性、低吸水性等に優れるとともに、位相差の波長分散性に関し、正の波長分散性を示し、置換基の構造・種類、芳香族スルホニル基の導入割合等を適切に設定することにより、その波長分散性の程度を調整することができることから多様な光学特性を有する光学フィルム等の成形品を与えることができる。
更に、本発明の開環重合体を他種の透明樹脂と組み合わせ、その組成比を設定することにより、所望の位相差の波長依存性を有する組成物を得ることが可能である。
従って、本発明のノルボルネン系開環重合体は、所望の光学特性を有する光学フィルム等の成形体を得るために有用であり、例えば、光ディスク・光磁気ディスク(CD、MD、CD-R、DVD等)、光学レンズ(Fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ、眼鏡用レンズ等)、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フィルム/シート、位相差フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、波長板、反射防止フィルム、液晶基板、タッチパネル基板、EL基板、電子ペーパー基板、光ピックアップフィルム等)、導光板、光拡散板、光ファイバー、光カード、光ミラー等の材料や、IC、LSIもしくはLED用封止材等として好適に使用できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
[ノルボルネン系開環重合体]
本発明のノルボルネン系開環重合体は、前記構造単位(1)を必須の構造単位として含むが、必要に応じて、下記一般式(2):
Figure 0004356532
[式中、eおよびfは独立に0または1であり、但し、これらの少なくとも一方は1であり、gおよびhは独立に0〜2の整数であり、Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R25〜R34は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、R31とR32、および/またはR33とR34は一体化して2価炭化水素基を形成してもよく、R31またはR32と、R33またはR34とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
で表される構造単位(2)を有していてもよいし、前記構造単位(2)以外の構造単位を更に有していてもよい。
一般式(1)、一般式(1−1)、一般式(1−2)および一般式(2)において、R1〜R34で表される、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい、置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;および極性基について説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントラセニル基等のアリール基;式:−(CH2)m−R'(式中、R'は前記シクロアルキル基または前記アリール基であり、mは1〜10の整数である)で表される基、例えば、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基等;等が挙げられる。これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えば、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;フェニルスルホニル基;シアノ基等で置換されていてもよい。(但し、上記R25〜R34は、前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の基である。)
上記の置換または非置換の炭化水素基は直接環構造に結合していてもよいし、あるいは酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基を介して環構造に結合していてもよい。
非置換の炭化水素基としては、代表的には炭素原子数1〜30の炭化水素基が例示され、例えば、メチル基、エチル基礎、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基などが挙げられる。置換炭化水素基として、これら炭化水素基が、例えば、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基、アリロキシメチル基、アリロキシエチル基、アルコキシカルボニルメチル基、アルコキシカルボニルエチル基、アルコキシカルボニルオキシメチル基、オキシカルボニルアルキルエチル基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ヒドロキシエチル基等の原子又は基で置換されたものが挙げられ、具体例としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、メトキシカルボニルエチル基、アセトキシメチル基、アセトキシエチル基、クロロメチル基、クロロエチル基である。
前記連結基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子およびケイ素原子のうち、1種を含むものであってもよいし、2種以上を含むものであってもよい。この連結基としては、例えば、カルボニル基(−CO−);カルボニルオキシ基(−COO−)、オキシカルボニル基(−OCO−);スルホニル基(−SO2−);スルホニルオキシ基(−SO2O−);オキシスルホニル基(−OSO2−);エーテル結合(−O−);チオエーテル結合(−S−);イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−);式:−Si(R)2−、式:−Si(OR)2O−、式:−OSi(R)2−、または式:−OSi(OR)2−(前記各式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは、メチル基、エチル基等のアルキル基である)で表されるケイ素原子を含む結合;あるいは、これらの2種以上が組み合わさって連なったものが挙げられる。
上記の置換または非置換の炭化水素基が上記連結基を介して環構造に結合している場合の構造としては、例えば、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、トリオルガノシリル基、トリオルガノシロキシ基等が挙げられる。
更に具体的には、上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;アシル基としては、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられ;アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられ;アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等のトリアルキルシロキシ基や、トリメトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基等のトリアルコキシシロキシ基が挙げられ;トリオルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基やトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基等が挙げられる。
次に、極性基としては、例えば、水酸基;シアノ基;アミド基;イミノ基(=NH);第1級アミノ基(−NH2)等のアミノ基;スルホン酸基(−SO3H);スルフィノ基(−SO2H);カルボキシル基(−COOH)等が挙げられる。
[製法(1)]
本発明のノルボルネン系開環重合体は、下記一般式(3):
Figure 0004356532
(3)
[式中、aおよびR1〜R6は、前記一般式(1)に関して定義のとおりである。]
で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(1)」という。)を、必要に応じて、下記一般式(4):
Figure 0004356532

[式中、e、f、g、hおよびR25〜R34は、前記一般式(2)に関して定義のとおりである。]
で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(2)」という。)とともに、更に必要に応じて前記単量体(2)と他の共重合可能な単量体とともに、開環重合もしくは共重合し、次いで必要に応じて上記構造単位(1)中の、或いは、場合により、上記構造単位(1)および/または上記構造単位(2)中の式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。
なお、以下、特に改めて説明がない限り、単量体(1)の開環重合体、単量体(1)と単量体(2)等との共重合体、およびこれらの水素添加物を区別することなく「ノルボルネン系開環重合体(I)」と総称する。
<単量体(1)>
上記単量体(1)としては、その製造が容易であることから、上記一般式(3)中のR3〜R6のうちのいずれか一つだけが、上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基、または上記一般式(1−2)で表される芳香環を有する基であるものが好ましい。
以下に、単量体(1)の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。なお、以下、「Me」はメチル基を意味する。
Figure 0004356532

5−(フェニルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(4−メトキシフェニルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(4−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−[(フェニルスルホニル)−1−ナフチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−[(4−メチルフェニルスルホニル)−1−ナフチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−[(フェニルスルホニル)−2−ナフチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−[(フェニルスルホニル)−ビフェニル−4−イル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−[(フェニルスルホニル)−ビフェニル−3−イル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−[(フェニルスルホニル)−ビフェニル−2−イル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(1−ナフチルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(2−ナフチルスルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−4−イル−スルホニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
上記単量体(1)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<単量体(2)>
上記一般式(4)で表される単量体(2)としては、先ず、工業的に比較的容易に入手可能なノルボルネン誘導体であり、R31〜R34 がアルキル基、アルコキシカルボニル基を有することが望ましく、上記一般式(4)で表され、かつ上記一般式(4)中のR31〜R34の少なくとも一つが、下記構造式:
Figure 0004356532

で表される基から選ばれる1価芳香族炭化水素基であるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(3)」ということがある)が好ましい。
以下に、上記単量体(3)の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 0004356532

5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(1−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−4−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−4−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−3−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−3−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−2−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

5−(ビフェニル−2−イル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
Figure 0004356532

8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
Figure 0004356532

8−フェニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
次に、得られる重合体の溶解性および他種の基材との密着性、接着性等のバランスを良好とすることができることから、上記単量体(3)以外の単量体であって、上記一般式(4)中のR31〜R34の少なくとも一つが、式:−(CH2)nCOOR35(ここで、R35は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは0〜10の整数である。)で表される基である単量体が好ましい。
上記R35で表される炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。
また、式:−(CH2)nCOOR35で表される基を有する単量体を含め、(上記単量体(3)以外の)単量体(2)の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン
・トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン
・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・2,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]−3−ペンタデセン
・トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
・7−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
・5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン
・ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン
・ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン
・5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−n−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリn-プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリn-ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
・8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
これらの中でも、単量体(3)としては、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが安価かつ容易に入手できることから好ましい。更に、上記式:−(CH2)nCOOR35で表される基を有する単量体としては、その製造が容易であることから、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
更に、得られるノルボルネン系開環重合体(I)の耐熱性を向上させることができることから、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが特に好ましい。
上記単量体(2)(単量体(3)を含む)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、単量体(1)および単量体(2)とともに、必要に応じて他の共重合可能な単量体を使用することができる。前記共重合可能な単量体としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン;1,4−シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエン等が挙げられる。前記共重合可能な単量体は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、上記開環重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重合体、単量体(1)および単量体(2)以外のノルボルネン系単量体の開環重合体の未水素添加物(即ち、水素添加されていないもの)等の存在下で行ってもよい。
<単量体の使用割合等>
本発明において、上記のとおり、ノルボルネン系開環重合体(I)は、上記単量体(1)の1種の単独重合体、上記単量体(1)の2種以上の共重合体、上記単量体(1)と上記単量体(2)等との共重合体、または前記単独重合体もしくは共重合体の水素添加物の何れであっても差し支えない。上記単量体(1)の2種以上の組み合わせを開環重合させる場合には、その量比は特に制限されない。
本発明のノルボルネン系開環重合体が、単量体(1)と単量体(2)等との共重合体である場合に、これらの単量体の使用割合、即ち、共重合比は、得られる共重合体が、所望の位相差の波長分散性を示すように、必要に応じて適切に調整されるべきものであるが、本発明のノルボルネン系開環重合体を構成する全構造単位中に占める上記構造単位(1)の割合が、通常、2モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上となるように、全単量体に対して単量体(1)の占める割合が、通常、2モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上とするのがよい。前記単量体(1)の占める割合が2モル%以上であれば、本発明のノルボルネン系開環重合体の複屈折の位相差の波長分散性を所望のとおりに容易に調整することが可能となる。
なお、単量体(1)および単量体(2)以外の共重合可能な単量体を使用する場合には、全単量体に対して前記共重合可能な単量体の占める割合が、通常、50モル%以下とすることが好ましく、30モル%以下とすることがより好ましく、20モル%以下とすることが特に好ましい。
<重合>
以下、本発明のノルボルネン系開環重合体(I)の製造方法における重合条件を更に説明する。
・開環重合触媒
本発明に用いられる開環重合用の触媒としては、例えば、
(I)"Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization"(K.J.IVIN, J.C.MOL, Academic Press 1997)に記載されている触媒が好ましく用いられる。このような触媒としては、例えば、(a)W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)アルカリ金属元素(例えば、Li、Na、K)、アルカリ土類金属元素(例えば、Mg、Ca)、第12族元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、第13族元素(例えば、B、Al)、第14族元素(例えば、Si、Sn、Pb)等の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組み合わせからなるメタセシス触媒が挙げられる。この触媒は、触媒活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
上記(a)成分の具体例としては、例えば、WCl6、MoCl5、ReOCl3、VOCl3、TiCl4等の特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(b)成分の具体例としては、例えば、n−C49Li、(C25)3Al、(C25)2AlCl、(C25)1.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン(MAO)、LiH等の特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(c)成分の添加剤としては、例えば、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類等を好適に用いることができ、更に特開平1−240517号公報に示される化合物を使用することができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(a)成分等を組み合わせてなるメタセシス触媒の使用量は、上記(a)成分と、全単量体(単量体(1)、単量体(2)および他の共重合可能な単量体。以下、同じ)との、「(a)成分:全単量体」のモル比が、通常、1:500〜1:500,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:100,000となる範囲である。更に、上記(a)成分と(b)成分との割合は、「(a):(b)」の金属原子(モル)比が、通常、1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。このメタセシス触媒に上記(c)添加剤を添加する場合、(a)成分と(c)成分との割合は、「(c):(a)」のモル比が、通常、0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
また、その他の触媒として、
(II)周期表第4族〜第8族の遷移金属−カルベン錯体やメタラシクロブタン錯体等からなるメタセシス触媒を用いることができる。上記触媒(II)の具体例としては、W(=N−2,6−C63 Pr2)(=CHBu)(OBu)2、Mo(=N−2,6−C63 Pr2)(=CHBu)(OBu)2、Ru(=CHCH=CPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(=CHPh)(PC611)2Cl2等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記触媒(II)の使用量は、「触媒(II):全単量体」のモル比が、通常、1:50〜1:500,000となる範囲、好ましくは1:100〜1:100,000となる範囲である。なお、上記触媒(I)と(II)とを組み合わせて用いても差し支えない。
・分子量調整剤
開環重合体の分子量の調整は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類等を調整することによっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調整することが好ましい。分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン類、およびスチレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物が好ましく、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。分子量調節剤の使用量は、全単量体1モル当たり、通常、0.001〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
・開環重合反応用溶媒
開環重合反応において用いられる溶媒(即ち、単量体、メタセシス触媒、分子量調節剤等を溶解する溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン化アルカン;ハロゲン化アリール等の化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられ、これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。この開環重合反応用溶媒の使用量は、「溶媒:全単量体」の重量比が、通常、1:1〜10:1となる量であり、好ましくは1:1〜5:1となる量である。
<水素添加反応>
上記開環重合により得られるノルボルネン系開環重合体(I)は、構造単位(1)中のXと、場合により有する構造単位(2)中のYとが、式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和基の構造を有するものである。この開環重合体は、そのまま使用することができる。
前記開環重合体の耐熱安定性をより向上させ、更に該重合体を成形体に加工する際に発生する焼け(着色)・ゲルを低減し、得られる成形体の耐候性を高めるために、上記オレフィン性不飽和基を水素添加して式:−CH2CH2−で表される基に変換させ、開環重合体の水素添加物として得ることが好ましい。但し、本発明でいう水素添加物とは、上記オレフィン性不飽和基が水素添加されたものに限られ、前記開環重合体に含まれている、単量体(1)、単量体(2)等の構造に由来するベンゼン環等の芳香環骨格中の環内共役二重結合が、実質的に水素添加されていないものであることが特に好ましい。
なお、水素添加率(即ち、開環重合体が構造単位(1)を有し構造単位(2)を有しない場合にはXが、また開環重合体が構造単位(1)と構造単位(2)とを有する場合にはXとYとが、式:−CH2CH2−で表される基に変換される割合)は、複数存在する上記Xの、もしくはXおよびYの合計の40モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。この水素添加率が高いほど、高温条件下における着色や劣化の発生が抑制されるので好ましい。
水素添加反応は、上記芳香環骨格中の環内共役二重結合が実質的に水素添加されない条件で実施される必要がある。例えば、開環重合体の溶液に水素添加反応触媒を添加し、これに、通常、大気圧〜30MPa、好ましくは3〜20MPaの水素ガスを加えて、通常、0〜220℃、好ましくは20〜200℃で反応させることによって行われる。
水素添加反応触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができ、不均一系触媒および均一系触媒が公知である。不均一触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア等の担体に担持させた固体触媒が挙げられる。均一系触媒としては、例えば、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n-ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。これらの触媒の形態は粉末状でも粒状でもよい。また、この水素添加反応触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
これらの水素添加反応触媒は、上記芳香環骨格中の環内共役二重結合が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調整する必要があり、「開環重合体:水素添加反応触媒」の重量比が、通常、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
[製法(2)]
本発明のノルボルネン系開環重合体は、上記製法(1)以外に、下記製法(2)によっても調製することができる。
つまり、この製法(2)は、
(I)下記一般式(5)
Figure 0004356532

[式中、a、X、R1およびR2は、上記一般式(1)に関して定義のとおりであり、R36〜R39は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、但し、R36〜R39の少なくとも1つは下記構造式:
Figure 0004356532

で表される基から選ばれる1価芳香族炭化水素基である。]
で表される構造単位(3)を有し、更に必要に応じて、上記一般式(2)で表される構造単位(2)(但し、前記構造単位(3)と同一である場合を除く)を有していてもよいし、前記構造単位(2)以外の構造単位を更に有していてもよく、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体を調製する工程、並びに、
(II)該ノルボルネン系開環重合体と、下記一般式(6):
Figure 0004356532

[式中、R7〜R15、bおよびcは上記一般式(1−1)に関して定義のとおりであり、Zはハロゲン原子である。]
で表される芳香族スルホニルハライド化合物、および下記一般式(7):
Figure 0004356532

[式中、R16〜R24およびdは、上記一般式(1−2)に関して定義のとおりであり、Zはハロゲン原子である。]
で表される芳香族スルホニルハライド化合物よりなる群から選ばれる芳香族スルホニルハライド化合物とを反応させて、上記構造単位(5)中に含まれる上記1価芳香族炭化水素基中の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一つを、下記一般式(8):
Figure 0004356532

[式中、R7〜R15、bおよびcは、上記のとおりである。]
で表される芳香族スルホニル基、および下記一般式(9):
Figure 0004356532

[式中、R16〜R24およびdは、上記のとおりである。]
で表される芳香族スルホニル基よりなる群から選ばれる芳香族スルホニル基で置換する工程を含む方法である。
上記一般式(5)中の、上記構造式で表される基から選ばれる1価芳香族炭化水素基ではない場合のR36〜R39については、上記一般式(1)のR1〜R6について例示したものと同じ基(但し、上記一般式(1−1)および一般式(1−2)で表される基を除く)が挙げられる。
上記工程(I)で得られた重合体中に含まれる複数の上記一般式(5)で表される構造単位(3)は、その全部または一部が、上記工程(II)を経て、上記一般式(1)で表される構造単位(1)に転化されて、本発明のノルボルネン系開環重合体が得られる。
<工程(I)>
上記一般式(5)で表される構造単位(3)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体は、下記一般式(10):
Figure 0004356532

[式中、a、X、R1、R2およびR35〜R38は、上記一般式(5)に関して定義のとおりである。]
で表されるノルボルネン系単量体(以下、「単量体(4)」という)を、また、必要に応じて上記製法(1)に記載の単量体(2)(但し、単量体(4)と同一である場合を除く)とともに、更に必要に応じて、上記製法(1)に記載の単量体(2)以外の他の共重合可能な単量体とともに、開環重合もしくは共重合し、次いで必要に応じて上記構造単位(5)中の、或いは、場合により、上記構造単位(5)および/または上記構造単位(2)中の式:−CH=CH−で表されるオレフィン性不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。
なお、以下、特に改めて説明がない限り、単量体(4)の開環重合体、単量体(4)と単量体(2)等との共重合体、およびこれらの水素添加物を区別することなく「ノルボルネン系開環重合体(II)」と総称する。
単量体(4)としては、例えば、上記製法(1)に記載の単量体(3)について例示したものと同じ単量体が挙げられる。この単量体(4)は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。単量体(4)の2種以上の組み合わせを開環重合させる場合には、その量比は特に制限されない。
ノルボルネン系開環重合体(II)が、単量体(4)と(単量体(4)以外の)単量体(2)等との共重合体である場合には、後記工程(II)を経て形成される上記一般式(1)で表される構造単位(1)の、本発明のノルボルネン系開環重合体を構成する全構造単位中に占める割合が、後記のとおり、通常、2モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上となるようにすることを前提条件として、これらの単量体の使用割合、即ち、共重合比は、全単量体に対して単量体(4)の占める割合が、通常、2モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは 10モル%以上とするのがよい。前記単量体(4)の占める割合が 2モル%以上であれば、本発明のノルボルネン系開環重合体の位相差の波長分散性を所望のとおりに容易に調整することが容易となる。
なお、単量体(4)および単量体(2)以外の共重合可能な単量体を使用する場合には、全単量体に対して前記共重合可能な単量体の占める割合が、通常、50モル%以下とすることが好ましく、30モル%以下とすることがより好ましく、20モル%以下とすることが特に好ましい。
ノルボルネン系開環重合体(II)の製造条件については、重合、水素添加等を含め、上記製法(1)と同じにすればよい。
<工程(II)>
アリールスルホニル化剤としてアリールスルホニルクロライド、アリールスルホニルブロマイド、アリールスルホニルフロライド、アリールスルホン酸、アリールスルホン酸トリフロロメタンスルホン酸無水物(ArSOOSOCF)等が用いられる。このときに使用するアリールスルホニル化剤により触媒の有無、反応条件が異なる。
スルホニル化で用いる溶媒として、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、二硫化炭素などを用いることが出来るが、反応により溶媒を使用しない場合もある。
スルホニル化反応化試薬として一般的なフリーデル・クラフツ反応試薬を用いることが出来る。例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、三塩化鉄、三臭化鉄、三塩化ホウ素、三塩化ガドリニウム、五塩化アンチモン、四塩化ジルコニウム、三塩化アンチモン、三弗化ホウ素、二塩化亜鉛、二塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、アリールスルホン酸をスルホニル化試薬として用いる場合は、五酸化二リン‐ポリリン酸等の組み合わせが良好である。アリールスルホン酸トリフロロメタンスルホン酸無水物(ArSOOSOCF)を用いた場合では、スルホニル化反応化試薬は、必要なく,フェニルスルホニル化が可能である。
反応温度については、−78℃から80℃の範囲内であるが、使用する反応試薬によりこれらの範囲以外もありうる。
工程(II)においては、ノルボルネン系開環重合体(II)中に含まれる上記一般式(5)で表される構造単位(3)の全てに対して上記のとおりにして芳香族スルホニル基を置換により導入してもよいし、または、その一部に対して芳香族スルホニル基を置換により導入してもよい。
工程(II)において導入される上記芳香族スルホニル基の量は、形成される上記一般式(1)で表される構造単位(1)の、本発明のノルボルネン系開環重合体を構成する全構造単位中に占める割合が、通常、2モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上とするのがよい。前記構造単位(1)の占める割合が2モル%以上であれば、本発明のノルボルネン系開環重合体の複屈折の位相差の波長分散性を所望のとおりに容易に調整することが可能となる。
[その他]
本発明の上記製法(1)または製法(2)で得られるノルボルネン系開環重合体(またはその水素添加物、以下、同じ)のウッベローデ型粘度計、クロロホルム中で測定される固有粘度[η]は、通常、0.2〜5.0、好ましくは0.3〜4.0、更に好ましくは0.35〜2.0である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定では、前記開環重合体の数平均分子量(Mn)は、通常、1,000〜500,000、好ましくは2,000〜300,000、更に好ましくは5,000〜250,000であり、重量平均分子量(Mw)が、通常、5,000〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000、更に好ましくは20,000〜500,000である。
上記固有粘度[η]が0.2未満であるか、数平均分子量(Mn)が1,000未満であるか、あるいは重量平均分子量(Mw)が5,000未満であると、本発明のノルボルネン系開環重合体から得られる成形物の強度が著しく低下する場合がある。一方、固有粘度[η]が5.0以上であるか、数平均分子量(Mn)が500,000以上であるか、あるいは重量平均分子量(Mw)が2,000,000以上であると、前記開環重合体の溶融粘度または溶液粘度が高くなりすぎて、所望の成形品を得ることが困難になる場合がある。
本発明のノルボルネン系開環重合体には、公知の各種添加剤を添加することができる。この添加剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデシル・3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−t−ブチル−a,a',a"−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等のフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤;トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、開環重合体の耐酸化劣化性を向上することができる。
また、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]等の紫外線吸収剤を添加することによって耐光性を向上することもできる。更に、加工性を向上させる滑剤の他、必要に応じて、難燃剤、抗菌剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、離型剤、発泡剤等の公知の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明のノルボルネン系開環重合体は、例えば、単量体(1)(および単量体(2))が有する置換基の構造・種類、共重合比等や、単量体(4)(および単量体(2))が有する置換基の構造・種類、共重合比、芳香族スルホニル化率等を設定することにより、得られる重合体フィルム等の位相差の波長分散性を調整することができる。また、本発明のノルボルネン系開環重合体と公知の環状オレフィン系樹脂等とを適宜配合することによっても、得られる樹脂組成物から成形された重合体フィルム等の位相差の波長分散性を調整することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下、特に改めて説明がない限り、「部」は重量部を、「%」は重量%を、また「室温」は25℃を意味する。
なお、実施例および比較例中に記載の各種測定、評価等は、以下のようにして行った。
<測定・評価方法>
1.ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC6200)を用いて、窒素気流下,昇温速度:20℃/分の条件下で測定した。
2.重量平均分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム4本:東ソー株式会社製、商品名:TSK gel G7000HxL, TSK gel GMHxL, TSK gel GMHxL, TSK gel G2000xL)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記Mnは数平均分子量である。
3.重合体分子構造
超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、Bruker社製、商品名:AVANCE500)を用い、重水素化クロロホルム中で1H−NMRを測定した。更に、赤外分光光度計(IR、日本分光社製、商品名:FT/IR−420)を用いて赤外線吸収(IR)スペクトルを測定した。得られたデータから、水素添加率の算出および分子構造の同定を行った。
4.位相差の波長分散性
重合体を塩化メチレンに溶解させ(濃度:25重量%)、平坦なガラス板上にキャストして乾燥膜厚100μmのフィルムを得て、更に、60℃で真空下に12時間放置して乾燥させた。
得られたフィルムを、恒温槽付き引張試験機(インストロン社製、MODEL5567型)を使用して、ガラス転移温度+10℃の温度に5分間保持した後、同温度条件下で一軸延伸を行った。延伸倍率は2.0倍とした。
この延伸フィルムを試料として、レターデーション測定器(王子計測社製、商品名:KOBRA21DH)を用いて、400〜800nmの波長範囲における位相差(Re)を連続的に測定した。
測定波長:400nm,550nm,800nmにおける位相差の値(それぞれ、順に、Re400,Re550,Re800とする)を求め、Re400/Re550の比の値、およびRe800/Re550の比の値を求めた。
[参考例]
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 80g(0.471モル)、分子量調節剤として1−へキセン 8.85g、および溶媒としてトルエン 160gを、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これに重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度:0.6モル/L)0.63mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度:0.025モル/L)1.88mLを加え、80℃で4時間反応させることにより開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液をオートクレーブに入れ、更にトルエンを300g加えた。次いで、これに水素添加触媒としてRuHCl(CO)[P(C65)3]3を、モノマー(5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)仕込み量に対して500 ppmとなる量添加し、水素ガス圧:9〜10MPa、反応温度:160〜165℃、反応時間:4時間の条件で水素添加反応を行った。反応が終了した後、得られた反応溶液を多量のメタノールに注ぎ、沈殿させることにより、水素添加された開環重合体を得た。この水素添加された開環重合体を「重合体P1」とする。
該重合体P1は、重量平均分子量(Mw):8.46×104、数平均分子量(Mn):2.01×104、分子量分布(Mw/Mn):4.21、固有粘度[η]:0.59、ガラス転移温度(Tg):69℃であった。また、重合体P1を1H−NMRにより分析した結果、前記水素添加反応前の開環重合体に含まれていた式:−CH=CH−で表される基が、式:−CH2CH2−で表される基に転化されている割合は99モル%以上であり、一方、前記水素添加反応前の開環重合体に含まれていたベンゼン環内の共役二重結合が、反応後に水素添加されずに残存している割合は、実質上100モル%であることが確認された。重合体P1の1H−NMRスペクトルを図1に、赤外線吸収(IR)スペクトルを図2に示す。
[実施例1]
上記重合体P1 5.0g(フェニル基含量:0.029モル)をニトロベンゼン20mLに溶解した後、フェニルスルホニルクロライド 7.5g(0.043モル)を加えて攪拌した。この溶液に塩化アルミニウム 3.8g(0.029モル)を加え、50℃で3時間反応を行った。反応混合物をイソプロパノール中で沈殿させた後、塩化メチレンに再溶解し、セライトろ過した。次いで、メタノール中で再沈殿させることにより、薄黄色固体状の重合体 2.0gを得た。この重合体を「重合体P2」とする。
該重合体P2は、重量平均分子量(Mw):7.47×104、数平均分子量(Mn):1.97×104、分子量分布(Mw/Mn):3.80、ガラス転移温度(Tg):119℃であった。また、この重合体P2を1H−NMRにより分析し、ベンゼン環に由来する6.8 ppm〜8.2 ppmにおけるシグナルの積分比から、重合体P1側鎖のフェニル基のうち、上記フェニルスルホニルクロライドとの反応によって、フェニルスルホニル基が置換している割合(フェニルスルホニル化率)を算出したところ、31モル%であった。
なお、7.81 ppmにシグナルが観測されることから、重合体P1側鎖のフェニル基に対するフェニルスルホニル基の置換位置は、パラ位またはオルト位であることが確認された。(7.7 ppm付近にシグナルが観測されないことから、メタ位への置換は殆ど生じていないことを確認した。)この重合体P2(フェニルスルホニル化重合体)の1H−NMRスペクトルを図3に、赤外線吸収(IR)スペクトルを図4に示す。
得られた重合体P2から、上記のとおりにして、位相差測定用試料を調製し、Re400/Re550の比の値、およびRe800/Re550の比の値を求めた。他の特性とともに測定結果を表1に示す。
[実施例2]
上記重合体P1 5.0g(フェニル基含量:0.029モル)をクロロベンゼン20mLに溶解した後、フェニルスルホニルクロライド 5.1g(0.029モル)を加えて攪拌した。この溶液に塩化アルミニウム 1.9g(0.015モル)を加え、50℃で3時間反応を行った。反応混合物をイソプロパノール中で沈殿させた後、塩化メチレンに再溶解し、セライトろ過した。次いで、メタノール中で再沈殿させることにより、薄黄色固体状の重合体 2.5gを得た。この重合体を「重合体P3」とする。
該重合体P3は、重量平均分子量(Mw):3.50×104、数平均分子量(Mn):1.28×104、分子量分布(Mw/Mn):2.74、ガラス転移温度(Tg):98℃であった。また、この重合体P2を1H−NMRにより分析し、ベンゼン環に由来する6.8 ppm〜8.2 ppmにおけるシグナルの積分比から、重合体P1側鎖のフェニル基のうち、上記フェニルスルホニルクロライドとの反応によって、フェニルスルホニル基が置換している割合(フェニルスルホニル化率)を算出したところ、21モル%であった。
なお、重合体P2と同様に、7.81 ppmにシグナルが観測されることから、重合体P1側鎖のフェニル基に対するフェニルスルホニル基の置換位置は、パラ位またはオルト位であることが確認された。
得られた重合体P3から、上記のとおりにして、位相差測定用試料を調製し、Re400/Re550の比の値、およびRe800/Re550の比の値を求めた。他の特性とともに測定結果を表1に示す。
Figure 0004356532
[評価]
表1の波長分散性の測定結果から明らかなように、本発明の重合体よりなる延伸フィルムは、入射光の波長が短波長から長波長へとなるにつれて、位相差の絶対値が大きくなるという正の波長依存性を示す。また、その程度は、フェニルスルホニル基の含有量が多いほど大きく、位相差の波長分散性が大きいことが分かる。従って、フェニルスルホニル基の含有量を設定することによって、位相差の波長分散性を調整することができることが明らかである。
参考例で得られた開環重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 参考例で得られた開環重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。 実施例1で得られたフェニルスルホニル化重合体の水素添加物の1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られたフェニルスルホニル化重合体の水素添加物の赤外線吸収(IR)スペクトルである。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0004356532

    [式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R6は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、但し、R3〜R6の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
    で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体:
    Figure 0004356532

    [式中、Arは、独立に、下記構造式:
    Figure 0004356532

    で表される基から選ばれる2価芳香族炭化水素基であり、R7〜R15は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、bおよびcは独立に0〜3の整数であり、但し、b=c=0の場合、R8とR11、および/またはR15とR11は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
    Figure 0004356532

    [式中、Arは上記一般式(1−1)に関して定義のとおりであり、R16〜R24は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、dは0〜3の整数である。]
    の製造方法において、
    (I)下記一般式(5)
    Figure 0004356532

    [式中、a、X、R 1 およびR 2 は、上記一般式(1)に関して定義のとおりであり、R 36 〜R 39 は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;上記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、但し、R 36 〜R 39 の少なくとも1つは下記構造式:
    Figure 0004356532

    で表される基から選ばれる1価芳香族炭化水素基である。]
    で表される構造単位(3)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体を調製する工程、及び
    (II)工程(I)で得た該ノルボルネン系開環重合体を、下記一般式(6):
    Figure 0004356532

    [式中、R 7 〜R 15 、bおよびcは上記一般式(1−1)に関して定義のとおりであり、Zはハロゲン原子である。]
    で表される芳香族スルホニルハライド化合物、および下記一般式(7):
    Figure 0004356532

    [式中、R 16 〜R 24 およびdは、上記一般式(1−2)に関して定義のとおりであり、Zはハロゲン原子である。]
    で表される芳香族スルホニルハライド化合物よりなる群から選ばれる芳香族スルホニルハライド化合物と反応させて、上記構造単位(5)中のR 36 〜R 39 の少なくとも一つに含まれる上記1価芳香族炭化水素基中の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一つを、下記一般式(8):
    Figure 0004356532

    [式中、R 7 〜R 15 、bおよびcは、上記のとおりである。]
    で表される芳香族スルホニル基、および下記一般式(9):
    Figure 0004356532

    [式中、R 16 〜R 24 およびdは、上記のとおりである。]
    で表される芳香族スルホニル基よりなる群から選ばれる芳香族スルホニル基で置換する工程を含む、上記の方法。
  2. 上記工程(I)のノルボルネン系開環重合体が、下記一般式(10):
    Figure 0004356532
    [式中、a、R 1 、R 2 およびR 35 〜R 38 は、上記一般式(5)に関して定義のとおりである。]
    で表されるノルボルネン系単量体(単量体4)を開環重合することにより得たものである、請求項1に記載の方法。
  3. 上記工程(I)のノルボルネン系開環重合体が、さらに下記一般式(2):
    Figure 0004356532

    [式中、eおよびfは独立に0または1であり、但し、これらの少なくとも一方は1であり、gおよびhは独立に0〜2の整数であり、Yは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R25〜R34は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;前記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基以外の、酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、R31とR32、および/またはR33とR34は一体化して2価炭化水素基を形成してもよく、R31またはR32と、R33またはR34とは相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
    で表される構造単位(2)を有し、複数存在するYは同一または異なる、請求項1または2に記載の方法
  4. 上記工程(I)が、上記一般式(10)のノルボルネン系単量体(単量体4)を、下記一般式(4):
    Figure 0004356532

    [式中、e、f、g、hおよびR 25 〜R 34 は、前記一般式(2)に関して定義のとおりである。]
    で表されるノルボルネン系単量体(単量体(2))とともに、開環共重合することにより前記ノルボルネン系開環重合体を調製する工程である、請求項3に記載の方法。
  5. 複数存在する前記Xの40モル%以上が式:−CH2CH2−で表される基である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記一般式(2)中のR 31 〜R 34 の少なくとも1つが、下記構造式:
    Figure 0004356532

    で表される基から選ばれる1価芳香族炭化水素基である請求項3に記載の方法
  7. 複数存在する前記Xおよび前記Yの合計の40モル%以上が式:−CH 2 CH 2 −で表される基である請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法
  8. 請求項3〜7のいずれか一項に記載のノルボルネン系開環重合体の製造方法であって、該重合体を構成する全構造単位中に占める前記構造単位(1)の割合が10モル%以上である、請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法
  9. 上記工程(II)で使用する芳香族スルホニルハライド化合物が、フェニルスルホニルハライドである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 下記一般式(1):
    Figure 0004356532

    [式中、aは0〜2の整数であり、Xは式:−CH=CH−で表される基または式:−CH 2 CH 2 −で表される基であり、R 1 〜R 6 は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、但し、R 3 〜R 6 の少なくとも1つは下記一般式(1−1)で表される芳香環を有する基および一般式(1−2)で表される芳香環を有する基からなる群から選ばれる基である。]
    で表される構造単位(1)を有し、複数存在するXは同一または異なるノルボルネン系開環重合体:
    Figure 0004356532

    [式中、Arは、独立に、下記構造式:
    Figure 0004356532

    で表される基から選ばれる2価芳香族炭化水素基であり、R 7 〜R 15 は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、bおよびcは独立に0〜3の整数であり、但し、b=c=0の場合、R 8 とR 11 、および/またはR 15 とR 11 は相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。]
    Figure 0004356532

    [式中、Arは上記一般式(1−1)に関して定義のとおりであり、R 16 〜R 24 は、独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基であり、dは0〜3の整数である。]
    において、該ノルボルネン系開環重合体中の上記一般式(1−1)及び/又は上記一般式(1−2)中の芳香族スルホニル基の含有量を設定することにより、該ノルボルネン系開環重合体の成形品の位相差の波長分散性を調整することを特徴とする方法。
  11. 上記一般式(1−1)及び/又は上記一般式(1−2)中の芳香族スルホニル基がフェニルスルホニル基である、請求項10に記載の方法。
  12. 上記芳香族スルホニル基の含有量を、上記ノルボルネン系開環重合体を構成する全構造単位の10モル%以上で設定する、請求項10又は11に記載の方法。
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