JP5498654B2 - 開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 - Google Patents

開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法に関する。
LSIの高集積化と高速度化を実現するため、パターンルールの一層の微細化が求められている。これに伴い、遠紫外線リソグラフィーおよび真空紫外線リソグラフィーを用いた微細加工技術の開発が精力的に進められている。特にArFエキシマレーザーはKrFエキシマレーザーの次世代の光源として、90nm〜45nmノードの先端半導体用フォトリソグラフィーに不可欠と広く認知されている。
ポリヒドロキシスチレン誘導体はKrFエキシマレーザー光源世代のレジスト材料用樹脂の主役であった。しかしながら、ArFエキシマレーザーを光源としたフォトリソグラフィーにおいては、ポリヒドロキシスチレン誘導体は波長193nmに不透明であるとの理由から適用困難である。したがって、ベース樹脂の透明性の確保が不可欠となっている。
193nmに高透明であり、現像特性の比較的良好な樹脂としてポリ(メタ)アクリル酸及びその誘導体が注目された。しかしながら、耐ドライエッチング性が課題であった。耐ドライエッチング性向上のため、側鎖エステル部にアダマンタン骨格、ノルボルナン骨格等の脂環構造を導入したポリ(メタ)アクリル酸エステル誘導体が提案され(特許文献1および2参照)、開発の主流となっている。
しかしながら、耐エッチング性は未だ充分ではない。また、今後のパターン微細化に伴って、解像性確保のためにレジストの薄膜化が必至であることから、耐エッチング性の重要性が一層高まることが予想される。
一方、主鎖に脂環骨格をもつ樹脂、例えば、ポリノルボルネン誘導体、ポリノルボルネン誘導体と無水マレイン酸の交互共重合体等が提案されている。これらは充分な耐ドライエッチング性をもつものもあるが、劣等な現像特性、即ち現像中の膨潤や溶解コントラスト不足等の理由による、解像性不良が課題となっている。
また、マスク設計にかかる負荷を軽減させるためには、限界解像性を向上させるだけでは不十分であり、併せて、疎密寸法差を低減させる必要がある。
特開平4−39665号公報 特開平5−257281号公報
本発明は上記課題の克服のため、主鎖に脂環骨格をもち、耐エッチング性に優れながら、かつ現像特性の優れた樹脂の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、レジスト材料用のベースポリマーとして用いられるのに必要な上記の諸性能、具体的には、紫外線や遠紫外線(エキシマレーザー等を含む)に対する光透過性、アルカリ現像液に対する溶解特性、及び耐エッチング性等の諸性能を全て満足する樹脂について鋭意検討を行った。その結果、脂肪族環状化合物を主鎖とし、更にその環状構造の一部に酸素原子を含有する構造単位を有する開環メタセシス重合体の水素添加物が相応しいことを知見した。さらに、アルカリ溶解性基であるカルボン酸が特定のアルコキシメチル基で保護された構造からなるアルコキシメチルエステル基を構成単位とすることで、上記諸性能を維持しながら、より優れた解像性の獲得、具体的には、限界解像性の向上と疎密寸法差の低減を両立させることが可能となった。
即ち、本発明は、
(1)
少なくとも下記一般式[1]
Figure 0005498654
(式中、R1〜R4のうち少なくとも一つが、下記一般式[2]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W1は単結合である。R 6は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X1は−O−又は−CR7 −(R7は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X1は同一でも異なってもよい。jは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体と、下記一般式[3]
Figure 0005498654
(式中、R8〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X2は−O−又は−CR12 −(R12は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X2は同一でも異なってもよい。mは0又は1〜3の整数を表す。)
で表される環状オレフィン単量体、及び/又は下記一般式[4]
Figure 0005498654
(式中、R13〜R16は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X3は−O−又は−CR17 −(R17は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X3は同一でも異なってもよい。Y1及びY2は、一方が−(C=O)−であり、他方は、−CR18 −(R18は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)である。nは0又は1〜3の整数を表す。)
で表される環状オレフィン単量体を開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加することにより、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[5]
Figure 0005498654
(式中、R1〜R4、X1、およびjは前記記載の一般式[1]と同じであり、R1〜R4のうち少なくとも一つが、下記一般式[6]
Figure 0005498654
(式中、W1 、及びR6は前記記載の一般式[2]と同じ))で表される構造単位[A]と、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[7]
Figure 0005498654
(式中、R8〜R11、X2、及びmは前記記載の一般式[3]と同じ)で表される構造単位[B]及び/又は、一般式[4]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[8]
Figure 0005498654
(式中、R13〜R16、X3、Y1、Y2、及びnは前記記載の一般式[4]と同じ)で表される構造単位[C]から成り、その構成モル比が[A]/([B]+[C])=10/9090/10である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(2)
一般式[1]及び[5]のX1、一般式[3]及び[7]のX2、及び一般式[4]及び[8]のX3のうち少なくとも1つが−O−である(1)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(3)
一般式[1]及び[5]のR1〜R4のうち少なくとも一つとして選ばれる一般式[2]及び[6]中のR6がメチル基、ネオペンチル基、1−アダマンチル基または2−アダマンチル基である(1)または(2)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(4)
(1)乃至(3)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法において、下記一般式[9]
Figure 0005498654
(式中、R19〜R22のうち少なくとも一つが、下記一般式[10]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W2は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR23で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R23は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。R24は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基を示す。)で表されるエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X4は−O−又は−CR25 −(R25は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X4は同一でも異なってもよい。rは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体を、一般式[1]と、一般式[3]および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体と共に開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加して、構造単位[A]と、構造単位[B]及び/又は構造単位[C]、と一般式[9]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[11]
Figure 0005498654
(式中、R19〜R22、X4、およびrは前記記載の一般式[9]と同じであり、R19〜R22、のうち少なくとも一つが、下記一般式[12]
Figure 0005498654
(式中、W2、R23、及びR24は前記記載の一般式[10]と同じ))で表される構造単位[D]から成り、その構成モル比が([A]+[B]+[C])/[D]=99/1〜20/80である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(5)
一般式[5]で表される構造単位[A]中の一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基のエステル部を一部、選択的に分解して得られる下記一般式[13]、
Figure 0005498654
(式中、R26〜R29のうち少なくとも一つが、下記一般式[14]
Figure 0005498654

(式中、鎖線は結合手を示す。W3は単結合である。)で表されるカルボキシル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、Xは−O−又は−CR31 −(R31は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各Xは同一でも異なってもよい。pは0又は1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[E]を更に含む(1)乃至(4)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(6)
一般式[5]で表される構造単位[A]、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]の合計と、一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比が([A]+[B]+[C])/[E]=99/1〜20/80である(5)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(7)
一般式[5]で表される構造単位[A]、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]、及び一般式[11]で表される構造単位[D]の合計と、一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比が([A]+[B]+[C]+[D])/[E]=99/1〜20/80である(5)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(8)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000〜200,000である(1)乃至(7)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(9)
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0以上かつ5.0より小さい(1)乃至(8)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(10)
開環メタセシス重合触媒がリビング開環メタセシス触媒である(1)乃至(9)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(11)
オレフィンまたはジエンの存在下に開環メタセシス重合触媒で重合する(1)乃至(10)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明によれば、主鎖に脂環骨格を持ち、アルカリ溶解性基であるカルボン酸が特定のアルコキシメチル基で保護された構造からなるアルコキシメチルエステル基を構成単位とすることで限界解像性に優れ、疎密寸法差が低減された樹脂の製造方法が提供される。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法は、下記一般式[1]で表される環状オレフィン単量体[A]と、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体[B]および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体[C]を用いる。
Figure 0005498654
ここで、本発明の一般式[1]で表される環状オレフィン単量体において、R1〜R4のうち少なくとも一つが、下記一般式[2]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基、即ち酸不安定基である。酸不安定基とは既にレジスト関連技術において一般的な技術用語となっている。酸不安定基とは、アルカリ可溶性基の保護基であり、露光により光酸発生剤から発生した強酸などの酸を触媒として、保護基が分解され脱保護されることによりカルボン酸等のアルカリ可溶性基を生じるもののことである。
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W1は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR5で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R5は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。R6は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。)
また、本発明の一般式[1]で表される環状オレフィン単量体において、その他のR1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X1は−O−又は−CR7 −(R7は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X1は同一でも異なってもよい。jは0又は1〜3の整数を表す。
5において、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−エチルシクロペンチル、及び1−エチルシクロヘキシル等が挙げられ、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル、1−エトキシエチル、1−tert−ブトキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル、1−エトキシプロピル、1−エトキシ−1−メチルエチル、テトラヒドロフラン−2−イル、及びテトラヒドロピラン−2−イル等が挙げられ、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基としては、例えばフォルミル、アセチル、ピバロイル、及びシクロヘキシルカルボニル等が挙げられる。これらR5のうち、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜7の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、及び炭素数2〜7の直鎖状又は分岐状のアシル基が好ましく、特に水素原子、メチル、エチル、メトキシメチル、1−エトキシエチル、テトラヒドロフラン−2−イル及びアセチルが好ましい。
6において、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−エチルシクロペンチル、1−エチルシクロヘキシル、2−ノルボルニル、2−エチル−2−ノルボルニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル等が挙げられ、中でも、メチル、ネオペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチルが好ましい。
1において、単結合はW1を介さずアルコキシメチルエステル基が直接結合することをいう。W1は炭素数1〜10の2価の炭化水素基でもよく、例えばメチレン、ジメチルメチレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、1,1−シクロペンチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、及び1,4−シクロヘキシレン等が挙げられる。これらのうち、メチレン、エチリデン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、トリメチレン、及び2−メチルトリメチレンが好ましい。また、W1は1個の水素原子が−ORで置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基でもよく、例えば上記炭化水素基上の任意の位置に一つの置換基ORが存在し炭化水素基上の2箇所に結合手を有するもの、水素原子1個を除いて結合手としたものが挙げられる。最も好ましいW1は単結合である。
1〜R4のうちその他は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20であるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル又はメンチル等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子等のハロゲン、炭素数1〜20のフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル又はトリブロモメチル等の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ又はメントキシ等の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20のメトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル又はメトキシメントール等の、又はメチルグルコース等のアルコキシ糖類を含む直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアセトキシ等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のナフトイルオキシ等のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のメシルオキシ等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のトシルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20のメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、又はシクロヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のメトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、1−(メトキシカルボニル)エチル、エトキシカルボニルメチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、n−プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、n−ブトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、又はシクロヘキシルオキシカルボニルメチル等の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基が具体例として挙げられる。これらのうち、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、及び炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニル基、及び炭素数3〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニルアルキル基である。
1は−O−又は−CR7 −(R7は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、jが1〜3の場合、各X1は同一でも異なってもよい。R7としては水素原子、又は炭素数1〜10のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基が具体例として挙げられる。X1として、好ましくは−O−又は−CH−である。jとして好ましくは、0又は1である。
一般式[1]の環状オレフィン単量体の具体例としては、5−メトキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−プロピルオキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブトキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−メチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルシクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルシクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−エチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−メチル−2−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−メチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[(3−エチル−3−トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[(3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[(2−アダマンタン−6−オン)−オキシメチルオキシカルボニル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニルエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシメチルオキシカルボニル−6−メトキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(メトキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−6−メトキシメチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシメチルオキシカルボニル−6−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−プロピルオキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブチルオキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−メチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルシクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルシクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−エチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−メチル−2−ノルボルナンメトキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−メチル−2−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[(2−アダマンタン−6−オン)−オキシメチルオキシカルボニル]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[(3−エチル−3−トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[(3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニルエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−6−メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−5−メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシメチルオキシカルボニル−6−メトキシメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(メトキシメチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−6−メトキシメチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシメチルオキシカルボニル−6−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピルオキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−nーブチルオキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−メチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルシクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルシクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−エチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1,3,3−トリエチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−メチル−2−ノルボルナンメトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−メチル−2−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[(2−アダマンタン−6−オン)−オキシメチルオキシカルボニル]−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[(3−エチル−3−トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[(3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニルエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−9−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシメチルオキシカルボニル−9−メトキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−9−メトキシメチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシメチルオキシカルボニル−9−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メトキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピルオキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−ブチルオキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−メチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルシクロペンチルオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルシクロヘキシルオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−エチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1,3,3−トリエチル−2−ノルボルナンオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−メチル−2−ノルボルナンメトキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−メチル−2−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−アダマンチルメトキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[(2−アダマンタン−6−オン)−オキシメチルオキシカルボニル]−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[(3−エチル−3−トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[(3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカン)−オキシメチルオキシカルボニル]−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニルエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシメチルオキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−9−メチル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−8−メチル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(メトキシメチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシメチルオキシカルボニル−9−メトキシメチル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−9−メトキシメチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシメチルオキシカルボニル−9−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
が挙げられる。
Figure 0005498654
また、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体において、R8〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル又はメンチル等が具体例として挙げられる。X2は−O−又は−CR12 −(R12は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキルを表す)であり、mは0又は1〜3の整数である。mが1〜3の場合、各X2は同一でも異なってもよい。R12としては水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチル等が具体例として挙げられる。X2として、好ましくは−O−又は−CH−である。mとして好ましくは、0又は1である。
一般式[3]の環状オレフィン単量体の具体例としては、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4−オキサ−5,5−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4−オキサ−2,6−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4−オキサ−2,5,5,6−テトラメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4,10−ジオキサ−5,5−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4,10−ジオキサ−2,6−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、4,10−ジオキサ−2,5,5,6−テトラメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン、5−オキサペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5−オキサ−6,6−ジメチルペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5,15−ジオキサペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5,15−ジオキサ−6,6−ジメチルペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5,14−ジオキサペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5,14−ジオキサ−6,6−ジメチルペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5,14,15−トリオキサペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、5,14,15−トリオキサ−6,6−ジメチルペンタシクロ[7.4.0.03,7.12,8.110,13]ペンタ−11−エン−4−オン、
が挙げられる。
Figure 0005498654
また、一般式[4]で表される環状オレフィン単量体において、R13〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル又はメンチル等が具体例として挙げられる。X3は−O−又は−CR17 −(R17は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキルを表す)である。nは0又は1〜3の整数である。nが1〜3の場合、各X3は同一でも異なってもよい。R17における炭素数1〜10直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチル等が具体例として挙げられる。X3として、好ましくは−O−又は−CH−であり、より好ましくはすべてのX3が−O−又は−CH−の何れかである。Y1及びY2は、一方が−(C=O)−であり、他方は、−CR18 −(R18は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)である。R18における炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチル等が具体例として挙げられる。Y1及びY2として、好ましくは一方が−(C=O)−であり、他方が−CH−である。nとして好ましくは、0又は1である。
一般式[4]の環状オレフィン単量体の具体例としては、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,5'−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,5'−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、スピロ[5,5−ジメチルジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,5'−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、スピロ[5,5−ジメチルジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,5'−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、
スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,5'−7'−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,5'−7'−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、スピロ[5,5−ジメチルジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,5'−7'−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、スピロ[5,5−ジメチルジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,5'−7'−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン]、
スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,8'−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,8'−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,8'−11'−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,8'−11'−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、
スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,8'−12'−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,8'−12'−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−4,8'−11',12'−ジオキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,8'−11',12'−ジオキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3'−ドデセン]が挙げられる。
本発明は、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体と、一般式[3]及び/又は一般式[4]で表される環状オレフィン単量体を開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加することにより、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[5]
Figure 0005498654
(式中、R1〜R4、X1、およびjは前記記載の一般式[1]と同じであり、R1〜R4のうち少なくとも一つが、下記一般式[6]
Figure 0005498654
(式中、W1、R5、及びR6は前記記載の一般式[2]と同じ))で表される構造単位[A]と、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[7]
Figure 0005498654
(式中、R8〜R11、X2、及びmは前記記載の一般式[3]と同じ)で表される構造単位[B]及び/又は、一般式[4]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[8]
Figure 0005498654
(式中、R13〜R16、X3、Y1、Y2、及びnは前記記載の一般式[4]と同じ)で表される構造単位[C]から成り、その構成モル比が[A]/([B]+[C])=1/99〜100/0である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法である。
また、一般式[1]及び[5]のX1、一般式[3]及び[7]のX2、及び/又は一般式[4]及び[8]のX3のうち少なくとも1つが−O−であるものが好ましい。このように酸素原子が主鎖である脂肪族環状化合物中に存在することにより、シリコン基板のような被処理基板への密着性、アルカリ水溶液による現像時に濡れ張力の改善、レジスト剤のシリコンウエハに塗布する工程で使用されるケトン類、アルコール類等の極性有機溶媒に対する溶解性を更に向上させる効果がある。また、水に対する親和性も向上し、露光後のアルカリ水溶液等の剥離剤(又は現像剤)に対する現像性も向上する。更に好ましくは、一般式[1]及び[5]のX1、一般式[3]及び[7]のX2、及び/又は一般式[4]及び[8]のX3のうち少なくとも1つが−O−であり、その他が−CH−である開環メタセシス重合体水素添加物である。
本発明において、一般式[5]で表される構造単位[A]と、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]の構成モル比が[A]/([B]+[C])=1/99〜100/0である。したがって、構造単位[A]がある一定量存在することが必須である。ここで、構造単位[A]は、一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基、即ち露光時に感光剤から発生する酸により分解してカルボン酸を生成する基を含んでいる。そのため、構造単位[A]は露光後、アルカリ水溶液で現像してレジストパターンを作るために必要である。カルボン酸が特定のアルコキシメチル基で保護された一般式[6]で表される官能基を有する構造単位[A]は、感光剤から発生する酸に反応してカルボン酸を生成することが可能である。また、構造単位[A]を有する樹脂は、限界解像性に優れると共に、疎密寸法差が小さい。
ここで、限界解像性とはレジストを用いてパターン形成を行った場合、解像可能な最小パターン寸法を表す。疎密寸法差とは、同じサイズのパターンをパターン間隔が広い孤立パターンと、パターン間隔が狭い密集パターンで解像した際の実際に形成された孤立パターンと密集パターンサイズの寸法差を表す。限界解像性及び疎密寸法差が共に小さいものは、マスクパターンによらず高解像度のパターン形成が可能である。
構造単位[A]はレジストパターンを形成するために必要である。一方、構造単位[B]及び/又は[C]は、シリコン基板のような被処理基板との密着性を発現するのに必要である。構成モル比[A]/([B]+[C])が1/99〜100/0の範囲で、限界解像性に優れ、疎密寸法差を低減し、さらに基板との密着性に優れた開環メタセシス重合体水素添加物を製造することができる。好ましくは、構成モル比が[A]/([B]+[C])=10/90〜90/10を満たす組成であり、より好ましくは20/80〜80/20を満たす組成である。
本発明の方法で製造される開環メタセシス重合体水素添加物は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、即ち分子量分布(Mw/Mn)が1.0以上5.0より小さいことが好ましい。分子量分布はレジスト材料として用いた時の解像度およびシリコンウェハ基板上にレジスト膜をスピンコート法によって塗布する時のレジストコーティング膜の厚みむらに対するポリマー溶液濃度依存性の低減に大きく影響する。分子量分布が広すぎるとアルカリ現像時の現像液への溶解速度に差異が生じることがある。そのため、現像むらが発生し、解像性能を低下させることがある。分子量分布を本発明の範囲とすることで、限界解像性の向上と疎密寸法差の低減を両立することができる。その結果、溶液濃度によらず均一で平滑なレジストのコーティング膜を形成することが可能となり、解像性能を維持しながら、広い製膜運転条件で良好なコーティング膜を形成することができる。
なお、本明細書において記載する数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、本発明の開環メタセシス重合体水素添加物を溶解できる溶媒及び分離することができるカラムを適宜選択して使用して、ポリスチレン換算でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
また、これらの開環メタセシス重合体水素添加物は、一般式[1]、[3]及び/又は[4]で表されるそれぞれ1種類の環状オレフィン単量体を用いてもよいが、それぞれの環状オレフィン単量体のいずれかが又は全てが2種以上の環状オレフィン単量体を用いてもよい。例えば、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体が、下記一般式[1−1]及び[1−2]で表される環状オレフィン単量体と、
Figure 0005498654
(式中、R32〜R35のうち少なくとも一つが、一般式[2]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、jは0又は1〜3の整数を表す。)
Figure 0005498654
(式中、R36〜R39のうち少なくとも一つが、一般式[2]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、j2は0又は1〜3の整数を表す。)
一般式[3]で表される環状オレフィン単量体が下記一般式[3−1]及び[3−2]で表される環状オレフィン単量体、及び/又は、
Figure 0005498654
(式中、R40〜R43は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、m1は0又は1〜3の整数を表す。)
Figure 0005498654
(式中、R44〜R47は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、m2は0又は1〜3の整数を表す。)
一般式[4]で表される環状オレフィン単量体が、下記一般式[4−1]及び[4−2]で表される環状オレフィン単量体を用いることができる。
Figure 0005498654
(式中、R48〜R51は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Y3及びY4は一方が−(C=O)−であり他方は−CH−であり、n1は0又は1〜3の整数を表す。)
Figure 0005498654
(式中、R52〜R55は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Y5及びY6は一方が−(C=O)−であり他方は−CH−であり、n2は0又は1〜3の整数を表す。)
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法において、一般式[1]と、一般式[3]および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体に加えて、下記一般式[9]
Figure 0005498654
(式中、R19〜R22のうち少なくとも一つが、下記一般式[10]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W2は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR23で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R23は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。R24は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基を示す。)で表されるエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X4は−O−又は−CR25 −(R25は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X4は同一でも異なってもよい。rは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体を、開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加して、構造単位[A]と、構造単位[B]及び/又は構造単位[C]に加えて、一般式[9]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[11]
Figure 0005498654
(式中、R19〜R22、X4、およびrは前記記載の一般式[9]と同じであり、R19〜R22、のうち少なくとも一つが、下記一般式[12]
Figure 0005498654
(式中、W2、R23、及びR24は前記記載の一般式[10]と同じ))で表される構造単位[D]を更に有してもよい。
23において、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−エチルシクロペンチル、及び1−エチルシクロヘキシル等が挙げられ、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル、1−エトキシエチル、1−tert−ブトキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル、1−エトキシプロピル、1−エトキシ−1−メチルエチル、テトラヒドロフラン−2−イル、及びテトラヒドロピラン−2−イル等が挙げられ、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基としては、例えばフォルミル、アセチル、ピバロイル、及びシクロヘキシルカルボニル等が挙げられる。これらR23のうち、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜7の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、及び炭素数2〜7の直鎖状又は分岐状のアシル基が好ましく、特に水素原子、メチル、エチル、メトキシメチル、1−エトキシエチル、テトラヒドロフラン−2−イル及びアセチルが好ましい。
24において、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル等が挙げられ、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基としては、例えばフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル及びトリブロモメチル等が挙げられる。なお、R24は酸不安定基、即ち露光時に感光剤から発生する酸により分解してカルボン酸を生成する基でもよく、例えば、上記具体例のうち、tert−ブチル、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル等の三級エステル基が酸不安定基の例として挙げられる。これらR24のうち、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基が好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチルが好ましい。
2において、単結合はW2を介さずエステル基が直接結合することをいう。W2は炭素数1〜10の2価の炭化水素基でもよく、例えばメチレン、ジメチルメチレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、1,1−シクロペンチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、及び1,4−シクロヘキシレン等が挙げられる。これらのうち、メチレン、エチリデン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、トリメチレン、及び2−メチルトリメチレンが好ましい。また、W2は1個の水素原子が−OR23で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基でもよく、例えば上記炭化水素基上の任意の位置に一つの置換基OR23が存在し炭化水素基上の2箇所に結合手を有するものが挙げられる。最も好ましいW2は単結合である。
19〜R22のうちその他は、それぞれ独立に、水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル又はメンチル等の炭素数1〜20である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子等のハロゲン、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル又はトリブロモメチル等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ又はメントキシ等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、メトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル又はメトキシメントール等、又はメチルグルコース等のアルコキシ糖類を含む基等の炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、アセトキシ等の炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、ナフトイルオキシ等の炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、メシルオキシ等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、トシルオキシ等の炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、又はシクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、メトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、1−(メトキシカルボニル)エチル、エトキシカルボニルメチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、n−プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、n−ブトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、又はシクロヘキシルオキシカルボニルメチル等の炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基が具体例として挙げられる。これらのうち、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、及び炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニル基、及び炭素数3〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニルアルキル基である。
4は−O−又は−CR25 −(R25は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、rが1〜3の場合、各X4は同一でも異なってもよい。R25としては水素原子、又はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチル等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基が具体例として挙げられる。X4として、好ましくは−O−又は−CH−である。rとして好ましくは、0又は1である。
一般式[9]の環状オレフィン単量体の具体例としては、5−tert−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(3,3−ジメチルプロピルオキシカルボニルメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−(3−メチル−3−エチルプロピルオキシカルボニル)エチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシカルボニルエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−イソプロピルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルオキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[1−メトキシカルボニル−2−(テトラヒドロピラン−2−イル−オキシ)エチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−6−tert−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(メトキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−6−メトキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリクロロメチルオキシカルボニル−6−tert−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−tert−ブトキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(3,3−ジメチルプロピルオキシカルボニルメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−(3−メチル−3−エチルプロピルオキシカルボニル)エチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシカルボニルエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−イソプロピルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エチルオキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシプロピル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−メトキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−[1−メトキシカルボニル−2−(テトラヒドロピラン−2−イル−オキシ)エチル]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−6−tert−ブトキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(メトキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−6−メトキシメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリクロロメチルオキシカルボニル−6−tert−ブトキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−tert−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロペンチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(3,3−ジメチルプロピルオキシカルボニルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−(3−メチル−3−エチルプロピルオキシカルボニル)エチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシカルボニルエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−イソプロピルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルオキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシプロピル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[1−メトキシカルボニル−2−(テトラヒドロピラン−2−イル−オキシ)エチル]−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニル−9−tert−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(メトキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニル−9−メトキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリクロロメチルオキシカルボニル−9−tert−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−tert−ブトキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロペンチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(3,3−ジメチルプロピルオキシカルボニルメチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−(3−メチル−3−エチルプロピルオキシカルボニル)エチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシカルボニルエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−イソプロピルオキシカルボニル−2−ヒドロキシエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−エチルオキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシカルボニル−2−ヒドロキシプロピル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−tert−ブトキシカルボニル−2−メチル−2−ヒドロキシプロピル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−メトキシカルボニル−2−アセトキシエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−[1−メトキシカルボニル−2−(テトラヒドロピラン−2−イル−オキシ)エチル]−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニル−9−tert−ブトキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(メトキシカルボニル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニル−9−(1−メトキシエチル)−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリクロロメチルオキシカルボニル−9−tert−ブトキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等が挙げられる。
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法は、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体と、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体、および必要に応じて一般式[9]で表される環状オレフィン単量体とを用い、開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加する。本発明の開環メタセシス重合体水素添加物は、構造単位[A]と、構造単位[B]及び/又は構造単位[C]、と任意で構造単位[D]とからなる。
また、一般式[1]及び[5]のX1、一般式[3]及び[7]のX2、および/または一般式[4]及び[8]のX3は−O−又は−CR−(Rは水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基を表す)であり、好ましくは−O−又は−CH−、より好ましくは少なくとも1つが−O−である。
一般式[9]で表される環状オレフィン単量体を用いる場合、一般式[9]の環状オレフィン単量体から得られる一般式[11]で表される構造単位[D]を含む構成モル比は、([A]+[B]+[C])/[D]=99/1〜20/80である。構造単位[A]、[B]、および[C]に加えて[D]がある一定量存在してもよい。ここで構造単位[D]は、露光時の分解性や、現像特性制御、及び熱特性制御や溶剤溶解性等の設計自由度を増すために有用である。好ましくは、構成モル比、([A]+[B]+[C])/[D]は98/2〜30/70であり、更に好ましくは97/3〜40/60、最も好ましくは95/5〜50/50である。
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法において、構造単位[A]と[B]及び/又は[C]、[D]に加えて、一般式[5]で表される構造単位[A]のR1〜R4のうち少なくとも一つが一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基の一部をエステル部で選択的に分解して、下記一般式[13]で表される構造単位[E]を更に構造単位として有していることが、基板密着性及び現像液への親和性が更に向上するために好ましい。
Figure 0005498654
(式中、R26〜R29のうち少なくとも一つが、下記一般式[14]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W3は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR30で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R30は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。)で表されるカルボキシル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、Xは−O−又は−CR31 −(R31は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各Xは同一でも異なってもよい。pは0又は1〜3の整数を表す。)
30において、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−エチルシクロペンチル、及び1−エチルシクロヘキシル等が挙げられ、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル、1−エトキシエチル、1−tert−ブトキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル、1−エトキシプロピル、1−エトキシ−1−メチルエチル、テトラヒドロフラン−2−イル、及びテトラヒドロピラン−2−イル等が挙げられ、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基としては、例えばフォルミル、アセチル、ピバロイル、及びシクロヘキシルカルボニル等が挙げられる。これらR30のうち、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜7の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、及び炭素数2〜7の直鎖状又は分岐状のアシル基が好ましく、特に水素原子、メチル、エチル、メトキシメチル、1−エトキシエチル、テトラヒドロフラン−2−イル及びアセチルが好ましい。
3において、単結合はW3を介さずカルボキシル基が直接結合することをいう。W3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基でもよく、例えばメチレン、ジメチルメチレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、1,1−シクロペンチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、及び1,4−シクロヘキシレン等が挙げられる。これらのうち、メチレン、エチリデン、エチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、トリメチレン、及び2−メチルトリメチレンが好ましい。また、W3は1個の水素原子が−OR30で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基でもよく、例えば上記炭化水素基上の任意の位置に一つの置換基OR30が存在し炭化水素基上の2箇所に結合手を有するものが挙げられる。最も好ましいW3は単結合である。
26〜R29のうちその他は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20であるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル又はメンチル等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子等のハロゲン、炭素数1〜20のフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル又はトリブロモメチル等の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ又はメントキシ等の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20のメトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル又はメトキシメントール等の、又はメチルグルコース等のアルコキシ糖類を含む直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアセトキシ等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のナフトイルオキシ等のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のメシルオキシ等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のトシルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20のメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、又はシクロヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のメトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、1−(メトキシカルボニル)エチル、エトキシカルボニルメチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、n−プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、n−ブトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、又はシクロヘキシルオキシカルボニルメチル等の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基が具体例として挙げられる。これらのうち、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、及び炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニル基、及び炭素数3〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニルアルキル基である。
5は−O−又は−CR31 −(R31は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、pが1〜3の場合、各Xは同一でも異なってもよい。R31としては水素原子、又は炭素数1〜10のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert−ブチル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基が具体例として挙げられる。X5として、好ましくは−O−又は−CH−である。pとして好ましくは、0又は1である。
本発明における好ましい実施態様において、一般式[5]で表される構造単位[A]、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]の合計と、一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比([A]+[B]+[C])/[E]は99/1〜20/80である。構造単位[A]、[B]、および[C]に加えて構造単位[E]がある一定量存在することが好ましい。好ましくは構成モル比([A]+[B]+[C])/[E]は98/2〜30/70であり、更に好ましくは97/3〜40/60、最も好ましくは95/5〜50/50である。
または、一般式[5]で表される構造単位[A]、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]、及び一般式[11]で表される構造単位[D]の合計と、一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比([A]+[B]+[C]+[D])/[E]は99/1〜20/80である。構造単位[A]、[B]、[C]、および[D]に加えて構造単位[E]がある一定量存在することが好ましい。好ましくは構成モル比([A]+[B]+[C]+[D])/[E]は98/2〜30/70であり、更に好ましくは97/3〜40/60、最も好ましくは95/5〜50/50である。ここで、構造単位[E]は、シリコン基板のような被処理基板との密着性を極めて高め、更に現像液との親和性を向上させる。
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法において、構造単位[A]と[B]及び/又は[C]、または構造単位[A]と[B]及び/又は[C]及び[D]、または構造単位[A]と[B]及び/又は[C]及び[E]、または構造単位[A]と[B]及び/又は[C]、[D]及び[E]に加えて、下記一般式[15]で表される構造単位[F]を更に構造単位として有してもよい。
Figure 0005498654
(式中、R56〜R59は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、水酸基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のヒドロキシアルキル基、シアノ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のシアノアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシアルキル基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシアルキル基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基から選ばれ、Xは−O−又は−CR54 −(R54は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各Xは同一でも異なってもよい。vは0又は1〜3の整数を表す。)
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物において、上述の通り、構造単位[A]、[B]及び/又は[C]の構成モル比が[A]/([B]+[C])=1/99〜100/0を満たし、構造単位[A]がある一定量存在することが必須である。アルコキシメチル基の種類によっては酸触媒脱離反応が進行しない構造もあるが、レジスト膜中に微量に存在する水分等の求核剤の作用により分解(水の場合には加水分解反応)し、カルボン酸を生成し得る。カルボン酸の保護基としては、一般に三級アルキル基が広く使用されている。しかしながら、本発明の特定のアルコキシメチル基を保護基に使用した場合、三級アルキル基の場合に比べて、限界解像性が向上し、疎密寸法差が低減することが判った。アルコキシメチル基の酸素官能基が酸の拡散を抑制する効果を発揮するものと考えられる。
一方、2つの酸素原子間のアルキレン基がメチレン基でない場合、例えば、下記式[16]で表されるエトキシエチルエステル基または下記式[17]で表されるテトラヒドロピラニルエステル基等のアルコキシアルキルエステル基については、限界解像性の向上や疎密寸法差の低減が認められなかった。これは、2つの酸素原子に結合する炭素に隣接する炭素原子上に水素原子(β水素)が存在するため、酸触媒脱離反応が非常に容易に進行し、酸の拡散を充分に抑制することができないためと考えられる。
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を表す)
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を表す)
本願の製造方法により得られる開環メタセシス重合体水素添加物は、構造単位[A]を含むことにより露光後の溶解速度が向上して現像が良好となり、限界解像性が向上し疎密寸法差が低減される。また、構造単位[B]及び/又は[C]は、シリコン基板のような被処理基板との密着性を発現するのに必要である。構造単位[B]及び/又は[C]を含むことにより被処理基板との密着性が高まり、解像性も良好となる。
また、構造単位[A]と[B]及び/又は[C]に加えてさらに構造単位[D]を含むと、構造単位[A]に含まれるアルコキシメチルエステル基とは反応性の異なるエステル基を含むことより、露光時の分解性や現像特性制御、及び熱特性制御や溶剤溶解性の観点で設計の自由度が増すため有用である。この場合の好ましい構造単位の構成モル比([A]+[B]+[C])/[D]は99/1〜20/80の範囲である。
また、一般式[13]で表される構造単位[E]はカルボキシル基を含んでおり、シリコン基板のような被処理基板との密着性を改善すること、及び溶剤への溶解性を改善することができる。更に、構造単位[A]、[B]及び/又は[C]に加えて構造単位[E]の構成モル比([A]+[B]+[C])/[E]、または、構造単位[A]、[B]及び/又は[C]に加えて構造単位[D]と構造単位[E]の構成モル比([A]+[B]+[C]+[D])/[E]が99/1〜20/80の範囲にあると、露光後のアルカリ水溶液による現像時に濡れ張力を改善し、現像むらを解決するために好ましい。これらの構造単位がこの範囲にあることは、レジスト組成を調製するのに好適であり、極性の高い感光剤と共に、例えば、2−ヘプタノンなどの極性溶媒に溶解し、シリコン基板のような被処理基板に塗布するレジスト材として極めて重要である。すなわち、開環メタセシス重合体の水素添加物が、レジスト組成物を調製する時に、極性溶媒に対する溶解度、又は溶解速度を高めることで均一な平滑コーティング膜を形成することができる。
また特に、構造単位[A]の一般式[5]のX1、構造単位[B]の一般式[7]のX2、及び/又は構造単位[C]の一般式[8]のX3のうち少なくとも1つが−O−であり、その他が−CH−である開環メタセシス重合体水素添加物は、シリコン基板のような被処理基板への密着性、アルカリ水溶液による現像時に濡れ張力の改善、レジスト剤のシリコンウェハに塗布する工程で使用されるケトン類、アルコール類等の極性有機溶媒に対する溶解性を更に向上させる効果がある。また、水に対する親和性も向上し、露光後のアルカリ水溶液等の剥離剤(又は現像剤)に対する現像性も向上する。
本発明の開環メタセシス重合体水素添加物は、一般式[5]で表される構造単位[A]、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]、一般式[11]で表される構造単位[D]、及び必要に応じて一般式[13]で表される構造単位[E]、更に必要に応じて一般式[15]で表される構造単位[F]のそれぞれに対応する環状オレフィン単量体を開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加することにより得られる。
また、本発明の方法で使用される触媒は、重合反応においては上記環状オレフィン単量体を開環メタセシス重合できる触媒であれば特に限定されない。また、水添反応においては、開環メタセシス重合反応により得られる重合体を水素添加できる触媒であれば特に限定されない。本発明の開環メタセシス重合体水素添加物は、前記環状オレフィン単量体を開環メタセシス重合触媒により得られた開環メタセシス重合体を、水素圧下、水素添加触媒を用いて溶媒中水素添加することにより得られる。
本発明に使用される開環メタセシス重合触媒としては、開環メタセシス重合を行うことができる触媒であれば限定されず公知の開環メタセシス重合触媒を使用することができる。公知の開環メタセシス重合触媒として、例えば、有機遷移金属錯体によるリビング開環メタセシス触媒系、有機遷移金属錯体と助触媒としてのルイス酸との組合せによる開環メタセシス触媒系、遷移金属ハロゲン化物と助触媒としての同様なルイス酸との組合せによる開環メタセシス触媒系等が挙げられる。
有機遷移金属錯体によるリビング開環メタセシス触媒の具体例としては、W(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OBut2、W(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe2CF32、W(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322、W(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OBut2、W(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32、W(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF322、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OBut2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OBut2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OBut2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe(CF322( PMe3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe(CF322(PMe3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OPh)2(PMe3)、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert −ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。以下同様。)等のタングステン系アルキリデン触媒、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OBut2、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OBut2、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF322、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OC(CF332、Mo(N−2,6−Me263)(CHBut)(OBut2、Mo(N−2,6−Me263)(CHBut)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Me263)(CHBut)(OCMe(CF322、Mo(N−2,6−Me263)(CHCMe2Ph)(OBut2、Mo(N−2,6−Me263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Me263)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF322、Mo(N−2,6−Me263)(CHCMe2Ph)(OC(CF332等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Pri 2632、Re(CBut)(CHBut)(O−2−But642、Re(CBut)(CHBut)(OCMe2CF32、Re(CBut)(CHBut)(OCMe(CF322、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Me2632等のレニウム系アルキリデン触媒、Ta[C(Me)C(Me)CHCMe3](O−2,6−Pri 2633Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CHCMe3](O−2,6−Pri 2633Py、(式中のPyはピリジン基を表す。以下同様。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(P(CH11)(CHPh)Cl、Ru(CHCHCPh2)(PPh32Cl2、Ru(CHCHCPh2)(P(C61132Cl2(式中のPhはフェニル基を表す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒が挙げられる。
また、上記の他に、有機遷移金属錯体と助触媒としてのルイス酸との組合せによるリビング開環メタセシス触媒系、例えば、モリブデン、タングステン等の遷移金属ハロゲン錯体と助触媒として有機アルミニウム化合物、有機錫化合物またはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の有機金属化合物とから成る開環メタセシス触媒を用いることもできる。また、公知の遷移金属ハロゲン化物と助触媒としての同様なルイス酸との組合せによる開環メタセシス触媒を用いることもできる。
有機遷移金属ハロゲン錯体の具体例としては、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、W(N−2,6− Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、W(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe(CF322Cl2、W(N−2,6−Me263)(thf)(OBut2Cl2、W(N−2,6−Me263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、W(N−2,6−Me263)(thf)(OCMe(CF322Cl2、(式中のthfはテトラヒドロフランを表す。以下同様。)等のタングステン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒、またはMo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe(CF322Cl2、Mo(N−2,6−Me263)(thf)(OBut2Cl2、Mo(N−2,6−Me263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、Mo(N−2,6−Me263)(thf)(OCMe(CF322Cl2等のモリブデン系ハロゲン錯体、または、WCl6、WOCl4、ReCl5、TiCl4、RuCl3、IrCl3等と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられる。
また、助触媒としての有機金属化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物、テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物、n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物、メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t―ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
本発明のリビング開環メタセシス重合において環状オレフィン系単量体と開環メタセシス触媒のモル比は、タングステン、モリブデン、レニウム、タンタル、またはルテニウム等の遷移金属アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒の場合は、環状オレフィン系単量体が遷移金属アルキリデン錯体に対してモル比で2〜50000であり、好ましくは10〜10000である。また、有機遷移金属ハロゲン錯体と有機金属化合物から成る開環メタセシス触媒の場合、環状オレフィン系単量体が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモル比で2〜50000、好ましくは10〜10000であり、助触媒としての有機金属化合物が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモル比で0.1〜100、好ましくは1〜50となる範囲である。
また、本発明において開環メタセシス触媒を用いて重合する際、触媒活性を高めるためにオレフィンまたはジエン等の連鎖移動剤の存在下に重合することが好ましい。また、これらの連鎖移動剤は、所望の分子量の重合体を得るために分子量を制御するために用いられる。連鎖移動剤として用いられるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンが挙げられ、さらに、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン等のケイ素含有オレフィンが挙げられ、また、ジエンとしては、1、4−ペンタジエン、1、5−ヘキサジエン、1、6−ヘプタジエン等の非共役系ジエンが挙げられる。さらに、これらオレフィンまたはジエンはそれぞれ単独または2種類以上を併用しても良い。
本発明において共存させるオレフィンまたはジエンの使用量は、オレフィンまたはジエンが環状オレフィン系単量体に対して0.001〜1000倍モル、好ましくは0.01〜100倍モルの範囲である。また、オレフィンまたはジエンが遷移金属アルキリデン錯体のアルキリデンの1当量に対して0.1〜1000当量、好ましくは1〜500当量の範囲である。これら量比を任意に設定することによって所望の分子量の大きさを設定することができる。
本発明における重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0以上で5.0より小さい分子量分布の範囲の開環メタセシス重合体水素添加物を製造する方法においては、重合の段階で分子量分布を制御する必要がある。分子量分布がおよそ1.0〜3.0の狭い分子量分布の場合、開環メタセシス重合体水素添加物は、リビング重合触媒系の錯体触媒を用いる方法、または上記の連鎖移動剤を共存させる方法により製造することができる。一方、分子量分布が3.0〜5.0と広い分子量分布の開環メタセシス重合体水素添加物を製造するには、1種類のリビング重合触媒で上記の連鎖移動剤を共存させて回分重合しても連鎖移動反応の確率分布の範囲内での分子量分布の重合体であり、比較的狭い分布の重合体のみが得られるに過ぎなかった。
本発明において分子量分布が3.0〜5.0と広い分子量分布の開環メタセシス重合体水素添加物を製造する方法は、(1)環状オレフィン単量体を少なくとも2段階以上で、分子量が高い重合体成分と分子量が低い重合体成分を開環メタセシス重合触媒で重合し、次いで水素添加触媒のもとに水素添加することで分子量分布が広い開環メタセシス重合体水素添加物を製造する。または、(2)環状オレフィン単量体を少なくとも2種類以上の重合触媒を共存させて分子量が高い重合体成分と分子量が低い重合体成分を重合し、次いで水素添加触媒のもとに水素添加することで分子量分布が広い開環メタセシス重合体水素添加物を製造することができる。
本発明においては、分子量が高い重合体成分の重量平均分子量(HMw)と分子量が低い重合体成分の重量平均分子量(LMw)の比は、HMw/LMw≧2である。また、重量平均分子量で高い分子量の重合体成分と分子量が低い重合体成分の割合は、一方が少なくとも10質量%〜90質量%、好ましくは、20質量%〜80質量%である。
(1)の環状オレフィン単量体を少なくとも2段階以上に分けて重合する方法は、連鎖移動剤を少なくとも2段階以上に分けて重合反応の系内に順次投入する方法、リビング重合触媒を少なくとも2段階以上に分けて重合反応系内に投入する方法、環状オレフィン単量体を少なくとも2段階以上に分けて投入する方法、または、重合温度を少なくとも2段階以上に分けて変更する方法、または、これらを組合せた方法で行う。これらの方法で生成する分子量の大きさは、リビング重合触媒、環状オレフィン単量体、連鎖移動剤の3つの反応性に依存し、重合触媒に対して環状オレフィン単量体の量比または連鎖移動剤との量比、環状オレフィン単量体と連鎖移動剤の量比によって重合体の分子量の大きさが決まり、それらを任意の時間差で少なくとも2段階以上に分けて実施することによって、各段階において重合で得られる重合体の重量平均分子量の大きさとそれぞれの重合体の割合を決めることができる。2段階以上に分けて環状オレフィン単量体を重合する場合の各段階での重合割合は、少なくとも1段が10〜90質量%、好ましくは、20〜80質量%である。
(2)の環状オレフィン単量体を少なくとも2種類以上の重合触媒を共存させて重合する方法は、重合触媒の環状オレフィン単量体に対する重合反応性または連鎖移動剤に対する連鎖移動性によって生成する分子量の大きさが決まり、分子量が高い重合体成分が得られる触媒と分子量が低い重合体が得られる触媒を組合わせて用いる方法である。それら重合触媒の組合せは、高い分子量の重合体を重合できる触媒によって得られる重合体成分の重量平均分子量(HMw)と低い分子量の重合体を重合できる触媒から得られる重合体成分の重量平均分子量(LMw)の比が、HMw/LMw≧2となる重合触媒から選ばれる。これらの重合反応性や連鎖移動性、すなわち重合反応速度や分子量の制御性は、重合触媒への環状オレフィン単量体の挿入性や挿入後の安定性に依存する。したがって、重合触媒の遷移金属の種類や金属原子へ電子を与えている、または引張っている各種リガンドの種類に依存する。例えば、同じリガンド種を有する触媒であっても金属の種類が異なると触媒自身の最外郭の電子密度が異なるために結果として重合反応性や連鎖移動性が異なることが認められる。これらの性質を利用することでリビング重合触媒において少なくとも2種類以上の触媒の組合せを選択することで、分子量の高い重合体と低い重合体を同一の重合条件において生成することができる。選択されるそれぞれの重合触媒に対して、環状オレフィン単量体の量比または連鎖移動剤との量比、環状オレフィン単量体と連鎖移動剤の量比によって重合体の分子量の大きさが決まり、また重合体成分の割合は、それぞれの重合触媒量を変えることによって任意に生成することができる。選択される各触媒での重合割合は、それらのうち少なくとも1種類が10〜90質量%、好ましくは、20〜80質量%になるように適宜決める。
また、本発明の開環メタセシス重合は無溶媒でも溶媒を使用しても良いが、特に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンまたはジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンまたはデカリン等の脂肪族環状炭化水素、またはメチレンジクロライド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼンまたはトリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらの2種類以上を混合使用しても良い。
本発明における開環メタセシス重合の濃度は、環状オレフィン系単量体の反応性および重合溶媒ヘの溶解性等によっても異なり一様ではないが、通常、溶媒に対する環状オレフィン系単量体の濃度は0.001〜500mol/Lであり、好ましくは0.01〜100mol/L、更に好ましくは0.05〜50mol/Lの範囲である。反応温度も使用する環状オレフィン系単量体および開環メタセシス触媒の種類や量等によって異なるが、通常−30〜150℃の反応温度であり、好ましくは0〜120℃、更に好ましくは15〜100℃の温度である。反応時間は、通常、1分〜10時間であり、好ましくは5分〜8時間、更に好ましくは10分〜6時間である。
重合反応後、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類等の失活剤で反応を停止し、開環メタセシス重合体溶液を得ることができる。
本発明の方法で製造される開環メタセシス重合体水素添加物の分子量は、通常、ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)が2,000〜200,000である。好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。
本発明において、リビング開環メタセシス重合によって得られる重合体は、開環メタセシス重合がリビング重合反応であるため、単量体と触媒のモル比を制御することによって、所望の分子量の重合体を得ることができる。また、連鎖移動剤としてオレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス重合を行うことでリビング重合反応を保ちながら、単量体と連鎖移動剤と触媒のモル比を制御することによっても、所望の分子量の重合体を得ることができる。
以上のように、本発明の環状オレフィン単量体を開環メタセシス触媒により重合することにより、主鎖部分にオレフィン性不飽和結合を有する開環メタセシス重合体が得られる。本発明では、紫外線(UV)最大吸収波長の領域を下げるために、特に波長193nmのArFエキシマレーザー領域に対してこの領域でのUV透過率を最大限高めるために、開環メタセシス重合体の主鎖部分のオレフィンを水素添加することが必要である。そして、この水素添加反応には、公知の水素添加触媒を使用することができる。
水素添加触媒の具体例として不均一系触媒ではパラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ケイソウ土、合成ゼオライト等の担体に担持させた担持型金属触媒、または均一系触媒では、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムクロリド、酢酸ロジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられ、さらに、均一系触媒として水素の存在下に下記一般式[18]で表わされる有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を用いて水素添加することもできる。
Figure 0005498654
(式中、Mはルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、パラジウム、白金またはニッケルを表し、Hは水素原子を表し、Qはハロゲン原子を表し、TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、UはPR'1R'2R'3(Pはリンを示し、R'1、R'2、R'3はそれぞれ同一または異なる直鎖、分岐または環状のアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシまたはアリロキシを示す。)で表せる有機リン化合物を表し、wは0または1の整数、xは1〜3の整数、yは0または1の整数、zは2〜4の整数を表す。)
一般式[18]におけるQは、ハロゲン原子を表し具体例として、塩素、フッ素、臭素または沃素原子を例示できる。更に、TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、Uは有機リン化合物を表し具体例として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリo−トリルホスフィン、トリm−トリルホスフィン、トリp−トリルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジクロロ(エチル)ホスフィン、ジクロロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィト、トリイソプロピルホスフィト、トリフェニルホスフィトを例示できる。
一般式[18]で表せる有機金属錯体の具体例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)オスミウム、ジクロロヒドリドビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリクロロニトロシルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(テトラヒドロフラン)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリド(トルエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドニトロシルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリo−トリルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィト)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィト)ルテニウム等が挙げられる。
また、アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロブタン等の一級アミン化合物、ジメチルアミン、メチルイソプロピルアミン、N−メチルアニリン等の二級アミン化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、γ−ピコリン等の三級アミン化合物等を挙げることができ、好ましくは三級アミン化合物が用いられ、特にトリエチルアミンを用いた場合が水素添加率の向上が著しい。
これらの有機金属錯体またはアミン化合物は、それぞれ2種以上任意の割合で併用することもできる。
本発明における開環メタセシス重合体を水素添加する公知の水素添加触媒を使用する場合、開環メタセシス重合体と水素添加触媒の使用量は、公知の水素添加触媒が開環メタセシス重合体に対して5〜50,000ppmであり、好ましくは100〜1,000ppmである。また、有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を使用する場合は、有機金属錯体が開環メタセシス重合体に対して5〜50,000ppmであり、好ましくは10〜10,000ppm、特に好ましくは50〜1,000ppmである。また、アミン化合物は使用する有機金属錯体に対して、0.1当量〜1,000当量、好ましくは0.5当量〜500当量、特に好ましくは1〜100当量である。
有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒は、予め有機金属錯体とアミン化合物を接触処理したものを用いても可能であるが、有機金属錯体とアミン化合物を予め接触処理することなく、それぞれ直接反応系に添加してもよい。
開環メタセシス重合体の水素添加反応に於いて用いられる溶媒としては、水素添加反応に通常用いられる溶媒であればどのような溶媒でもよく、開環メタセシス重合体およびその水素添加物を溶解し、かつ溶媒自体が水素添加されない溶媒が好ましい。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルまたはジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンまたはデカリンなどの脂肪族環状炭化水素、またはメチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼンまたはトリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用してもよい。
本発明における開環メタセシス重合体の水素添加反応の濃度は、開環メタセシス重合体、水素添加触媒および溶媒の種類等により異なり一様ではないが、通常溶媒に対する開環メタセシス重合体の濃度は、0.01g〜10kg/Lであり、好ましくは0.1g〜5kg/L、更に好ましくは0.5g〜1kg/Lの範囲である。
開環メタセシス重合体の水素添加反応は、水素圧力が通常、常圧〜30MPa、好ましくは0.5〜20MPa、特に好ましくは2〜15MPaの範囲で行われ、その反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃、特に好ましくは50〜200℃の温度範囲である。反応時間は、通常、1分〜50時間であり、好ましくは10分〜20時間、更に好ましくは30分〜10時間である。
本発明における開環メタセシス重合体水素添加物の製造は、開環メタセシス重合体溶液から開環メタセシス重合体を単離した後再度溶媒に溶解しても可能であるが、単離することなく、上記有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を加えることにより水素添加反応を行う方法を採用することもできる。
開環メタセシス重合または水素添加反応の終了後、公知の方法により重合体に残存する開環メタセシス触媒または水素添加触媒を除去することができる。例えば、濾過、吸着剤による吸着法、良溶媒による溶液に乳酸等の有機酸と貧溶媒と水とを添加し、この系を常温下或いは加温下に於いて抽出除去する方法、更には良溶媒による溶液または重合体スラリーを塩基性化合物と酸性化合物で接触処理した後、洗浄除去する方法等が挙げられる。
開環メタセシス重合体水素添加物溶液から重合体水素化物の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を凝固させ濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液中にスチームを吹き込んで重合体水素化物を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられる。
本発明における水素添加方法を用いると水素添加率は90%以上が容易に達成でき、95%以上、特に99%以上とすることが可能であり、そうして得られる環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物は容易に酸化されることがなく、優れた開環メタセシス重合体水素添加物となる。
本発明において、一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基の一部をエステル部で選択的に分解するとは、エステル酸素原子とメチレンの結合部で分解し、アルコキシの酸素原子とメチレンの結合部では分解しないことを表す。一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基をエステル部で選択的に分解する反応において、アルコキシメチルエステル基は反応性が高く一般的なエステルの酸または塩基による脱離分解反応に比べて温和な条件で行うことできる。使用する酸や塩基の量を下げ、低い反応温度での温和な条件下で、アルコキシメチルエステル基を所望割合のカルボン酸に変換することができる。
基盤密着性及び現像液への親和性を更に向上する目的で、一般式[1]中の一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基の一部をエステル部で選択的に分解してカルボン酸に変換させる方法としては、通常の酸または塩基による脱離分解反応を適用することができる。
反応時のポリマー濃度は5〜50wt%であり、酸または塩基の使用量は、アルコキシメチルエステル1モルに対して0.00001〜3モルの範囲であり、好ましくは0.00001〜2モルの範囲である。酸または塩基物質の使用量は、この範囲を超えると脱離分解反応後の開環メタセシス重合体水素添加物から残留する酸または塩基物質を除去することが難しくなり、レジスト性能に影響を及ぼす。本発明の一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基のみを一部をエステル部で選択的に、少ない量の酸や塩基で、かつ、温度等の温和な反応条件下で、所望割合のカルボン酸に変換することができることを見出した。
カルボン酸へ変換するために使用する酸または塩基物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触媒存在下で行う酸性脱離分解反応、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の塩基存在下で行う塩基性脱離分解反応、または酸や塩基に代えて酢酸ナトリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性脱離分解反応のいずれかを用いることができる。また、反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜150℃であり、より好ましくは室温〜100℃の温度範囲である。さらに、反応時間は、通常1分〜100時間であり、好ましくは5分〜30時間、より好ましくは10分〜20時間の範囲である。
また、本発明においては、一般式[6]で表される構造単位[A]の一部をエステル部で選択的に分解してカルボン酸を有する構造単位[E]に変換することができるが、これと併用して、一般式[11]で表される構造単位[D]を分解してカルボン酸を有する構造単位[E]に変換してもよい。
本発明の方法における脱離分解反応は、水溶媒でも有機溶媒を使用して良いが、特に使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸等のカルボン酸、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピリジン類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類などが挙げられ、水またはアルコール類と混合しても良く、また有機溶媒のみで使用しても良い。更に、これらの2種類以上を混合使用しても良い。
本発明の方法における脱離分解反応の実施形態は特に制限されるものではなく、脱離分解反応および酸分解反応が効果的に実施できる方法であれば如何なる形態であっても良く、窒素等の不活性ガス下でも、空気下でも、または減圧、常圧、加圧、または回分、半回分、連続の何れの実施形態であっても良い。
また、脱離分解反応の後に、塩基または酸で適宜、中和処理しても良い。脱離分解反応の後、開環メタセシス重合体水素添加物溶液またはスラリーからの重合体の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、溶液の場合、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を析出させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液にスチームを吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等が挙げられる。
以上の方法により、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体と、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体、および必要に応じて一般式[9]で表される環状オレフィン単量体を用いて開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加することにより、一般式[5]で表される構造単位[A]と、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]、更に一般式[11]で表される構造単位[D]とすることができる。
更に、一般式[5]で表される構造単位中のR1〜R4のうち少なくとも一つが一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基の一部をエステル部分で選択的に分解して、一般式[13]で表される構造単位[E]とすることができる。その構成モル比は([A]+[B]+[C])/[E]=99/1〜20/80、好ましくは98/2〜30/70であり、更に好ましくは97/3〜40/60、または([A]+[B]+[C]+[D])/[E]=99/1〜20/80、好ましくは98/2〜30/70であり、更に好ましくは97/3〜40/60である。
また、一般式[1]及び[5]のX1、一般式[3]及び[7]のX2、および/または一般式[4]及び[8]のX3は、−O−又は−CR−(Rは水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基を表す)であり、好ましくは−O−又は−CH−、より好ましくは少なくとも1つが−O−である。
本発明において製造された開環メタセシス重合体水素添加物は、酸不安定基であるカルボン酸が特定のアルコキシメチル基で保護された構造からなるアルコキシメチルエステル基を含むことで、優れた解像性の獲得、具体的には、限界解像性が向上し、疎密寸法差の低減を両立させることが可能となり、フォトレジスト用ベースポリマーとして有用である。具体的には、酸発生剤および溶剤とともにポジ型レジスト組成物として用いられる。ここで酸発生剤とは、エキシマレーザー等の活性化放射線に露光されるとブレンステッド酸またはルイス酸を発生する物質である。また更に、レジスト組成物中には、溶解速度調節剤、界面活性剤、保存安定剤、増感剤、またはストリエーション防止剤等を添加することができる。このレジスト組成物は、例えば、該組成物をシリコンウエハ等の基板表面にスピンコーティング等の常法により塗布した後、溶剤を乾燥除去することによりレジスト膜を形成することができ、また、パターン形成のための露光は、遠紫外線やKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線をレジスト膜へ照射することにより行われ、更に熱処理(露光後ベーク)を行うと、より高感度化することができる。次いで、露光部分をアルカリ水溶液等の現像液で洗い出す事によりレリーフパターンを得る。本発明の開環メタセシス重合体水素添加物を用いて形成されたレリーフパターンは解像性、コントラストともに極めて良好である。更には、上記の如くに形成したパターンをマスクとして基板をエッチングすることも出来る。
本発明において製造される開環メタセシス重合体水素添加物は、一般式[1]で表される環状オレフィン単量体と、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体及び/又は一般式[4]で表される環状オレフィン単量体を用いて開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加することにより、一般式[5]で表される構造単位[A]と、一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は一般式[8]で表される構造単位[C]とすることができる。その構造単位の構成モル比が、[A]/([B]+[C])=1/99〜100/0である。ここで、構造単位[A]は露光時に感光剤から発生する酸により分解される基、即ち、カルボン酸をアルコキシメチル基で保護された酸不安定基である。構造単位[A]は、露光後、このアルコキシメチル基を脱離し変換したカルボン酸をアルカリ水溶液で現像してレジストパターンを作るために必要であり、環状オレフィン単量体[B]および[C]は、シリコン基板のような被処理基板との密着性を発現するのに好ましい。
構造単位の構成モル比[A]/([B]+[C])が1/99〜100/0の範囲で、レジストパターンが形成され、シリコン基板との密着性が良好で、限界解像性、疎密寸法差が向上することができる開環メタセシス重合体水素添加物を製造することができる。また、構造単位[A]と[B]および/または[C]に加えて構造単位[D]を含むことによって、構造単位[A]に含まれるアルコキシメチルエステル基とは反応性の異なるエステル基を導入することで露光時の脱離分解性を任意に制御することができるため有用である。この場合の好ましい構造単位の構成モル比([A]+[B]+[C])/[D]は99/1〜20/80の範囲である。
さらに、一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基の一部をエステル部で選択的にカルボン酸に分解することにより、露光後のアルカリ水溶液による現像時に濡れ張力を改善し、現像むらを解決するために好ましく、レジスト組成を調製するのに好適であり、極性の高い感光剤と共に、例えば、ケトン類、アルコール類等の極性溶媒に溶解し、シリコン基板のような被処理基板に塗布するレジスト材として極めて重要である。すなわち、開環メタセシス重合体水素添加物が、レジスト組成物を調製する時に、極性溶媒に対する溶解度、または溶解速度を高めることで均一な平滑コーティング膜を形成することができる。
また、一般式[1]及び[5]のX1、一般式[3]及び[7]のX2、及び一般式[4]及び[8]のX3は、−O−又は−CR−(Rは水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基を表す)であり、好ましくは−O−又は−CH−、より好ましくは少なくとも1つが−O−ある本発明の開環メタセシス重合体水素添加物は、シリコン基板のような被処理基板への密着性、アルカリ水溶液による現像時に濡れ張力の改善、レジスト材のシリコンウエハに塗布する工程で使用されるケトン類、アルコール類等の極性有機溶媒に対する溶解性をさらに向上させる効果がある。また、水に対する親和性も向上し、露光後のアルカリ水溶液等の剥離剤(または現像剤)に対する現像性も向上する。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記例でMeはメチル基、Priはiso−プロピル基、Phはフェニル基を表す。
開環メタセシス重合体の水素添加物を、下記の手順で合成した。なお、ここで得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
平均分子量:GPCを使用した。得られた環状オレフィン系開環メタセシス重合体、該重合体水素添加物をテトラヒドロフランに溶解し、検出器として日本分光製830−RI及び875−UV、カラムとしてShodexk−805、804、803、802.5を使用し、室温において流量1.0ml/minでポリスチレンスタンダードによって分子量を較正した。
水素添加率:開環メタセシス重合体水素添加物の粉末を重水素化クロロホルムに溶解し、270MHz、1H−NMRを用いてδ=4.0〜6.5ppmの主鎖の炭素−炭素間二重結合に帰属するピークが、水素添加反応によって減少する大きさを算出した。
重合体中に含まれるカルボン酸の割合:ブロモチモ−ルブル−を指示薬とする、中和滴定により測定した。
構造単位のモル組成比:開環メタセシス重合体水素添加物の粉末を重水素化テトラヒドロフランに溶解し、400MHz、13C−NMRを用いてδ=170〜190ppmの各カルボニルに帰属するピークの積分値から算出し、モル%比で表した。
ポリマー中の残留酸定量:塩酸は、試料をTHFに溶解し、電位差滴定により定量した。また、硫酸は、試料をTHFに溶解した後、水に排出、濾過した溶液をキャピラリー電気泳動装置により定量した。
熱重量減少温度:島津製作所社製DTG−60Aを用い、測定試料を窒素下で10℃/分の昇温速度で測定を行ない、試料重量が減少する温度を測定した。
[実施例1]Polymer1の合成
1000mlのオートクレーブに環状オレフィン単量体として8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(55.62g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(34.08g)をテトラヒドロフラン(以後THFと言う)500mlに溶解した。これに1,5−ヘキサジエン(3.44g)、重合触媒としてMo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(CF(686mg)を加えて50℃で2時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(200mg)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。
この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して88.2gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、1000mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末80.0gをTHF(400ml)に溶解して、水素添加触媒として予め調製したクロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(80mg)とトリエチルアミン(26mg)のTHF(80ml)溶液を加え、水素圧8.0MPa、140℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて析出させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を79.0g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは10100、Mw/Mnは2.20であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=50/50であった。H−NMRチャート(270MHz/CDCl)を図1に示す。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物の熱重量減少を測定すると308℃で1%の重量減少が観察された。
[実施例2]Polymer2の合成
実施例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20.0gを、500mlオートクレーブに0.1N−HClを9ml添加したTHF200ml溶液に加え、60℃で6時間攪拌した後、水に加え、析出、濾過し、減圧乾燥して白色粉末状のエステル分解した開環メタセシス重合体水素添加物18.2gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=30/50/20であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは10500、Mw/Mnは2.25、残留塩酸は1ppmであった。
[実施例3]Polymer3の合成
実施例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20.0g、0.1N−HClを1ml使用し、反応条件を60℃/7時間とした以外は実施例2と同様にして白色粉末状のエステル分解した開環メタセシス重合体水素添加物18.8gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=45/50/5であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは10300、Mw/Mnは2.23、残留塩酸は0ppmであった。実施例2よりも更に塩酸量を少なくして反応を行ったが、エステルの分解反応は進行した。
[実施例4]Polymer4の合成
実施例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物10.0gを、500mlオートクレーブにテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド15wt%水溶液3.01gを添加したTHF300ml溶液に加え、60℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、1N−HCl、6.5mlを添加して酸性とした。反応液を水に加え、析出、濾過後、減圧乾燥して白色粉末状のエステル分解した開環メタセシス重合体水素添加物8.4gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=38/50/12であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは10900、Mw/Mnは2.32であった。
[比較例1]
実施例1において、環状オレフィン単量体を8−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(67.28g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(34.08g)、に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体粉末99.6gを得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末を実施例1と同様に水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を78.2g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9800、Mw/Mnは2.19であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[D]/[B]=50/50であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物の熱重量減少を測定すると194℃で1%の重量減少が観察され、さらに、230℃でエステル基アルキル部分がβ脱離で生成するエチルシクロペンテンの重量に相当する21%の重量減少する部分を観察した。
この開環メタセシス重合体水素添加物20.0gを500mlオートクレーブ中に、0.1N−HClを9ml添加したTHF200ml溶液に加え、60℃で24時間攪拌した。冷却後、反応液をオートクレーブから抜き出し、水に加え、析出、濾過し、減圧乾燥して19.5gの白色粉末を得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[D]/[B]=50/50、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9900、Mw/Mnは2.20、残留塩酸は3ppmであり、実施例2と同様の塩酸量で24時間反応を行ったが構造単位[D]のエステルは全く分解していなかった。
[比較例2]
比較例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20gを500mlオートクレーブ中に、2N−HClを4ml添加したTHF200ml溶液に加え、60℃で6時間攪拌した。冷却後、反応液10mlをオートクレーブから抜き出し、水に加え、析出、濾過し、減圧乾燥して0.8gの白色粉末を得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[D]/[B]/[E]=42/50/8、GPCで測定した重量平均分子量Mwは10100、Mw/Mnは2.23、残留塩酸は50ppmであった。構造単位[D]のエステルの分解は8%であり、実施例2より塩酸濃度を高め、同じ時間反応させても、実施例2で生成するカルボン酸よりも少なかった。また、使用する塩酸量が多いため、析出した開環メタセシス重合体水素添加物に残存する塩酸も多かった。
[比較例3]
比較例2の反応液を、更に60℃で18時間攪拌した。冷却後、反応液20mlをオートクレーブから抜き出し、水に加え、析出、濾過した。
粉末のモル組成比は[D]/[B]/[E]=30/50/20、重量平均分子量Mwは10800、Mw/Mn=2.32、残留塩酸は52ppmであった。
[実施例5]Polymer5の合成
500mlのオートクレーブに環状オレフィン単量体として8−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(34.10g)、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,5'−7'−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン](18.61g)をTHF250mlに溶解した。これに重合触媒として、Mo(N−2,6−Me)(CHCMePh)(OCMe(CF))(4.65g)を加え室温で3時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(0.67g)を加え30分攪拌し、反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、乾燥して50.1gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末40.0gを実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を39.2g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは16200、Mw/Mnは1.21であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[C]=50/50であった。
[実施例6]Polymer6の合成
実施例5で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20.0gを、使用する酸を1N−HCl 3ml、反応条件を60℃/3時間とした以外は実施例2と同様にして白色粉末状のエステルの一部をカルボン酸に分解した開環メタセシス重合体水素添加物18.2gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=29/50/21であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは16800、Mw/Mnは1.25、残留塩酸は2ppmであった。
[実施例7]Polymer7の合成
実施例1において環状オレフィン単量体を8−(1−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(41.27g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(10.22g)、8−(1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(13.46g)、1,6−ヘプタジエン(2.40g)および重合触媒をMo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OC(CF(391mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、63.8gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、500mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末40.0gをTHF(250ml)に溶解して、水素添加触媒として5%パラジウムカーボン4.0gを加え、水素圧8.0MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を39.2g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは8900、Mw/Mnは1.63であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[D]=50/30/20であった。
[実施例8]Polymer8の合成
環状オレフィン単量体として5−(メトキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(16.33g)、4,10−ジオキサ−5,5−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(24.22g)を用い、重合触媒をW(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(CF(7.65g)に代えた以外は実施例5と同様にして、38.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末30.0gをTHF(250ml)に溶解し、水添触媒としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(30mg)とトリエチルアミン(10mg)のTHF(40ml)溶液を加え、実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を29.6g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは13200、Mw/Mnは1.18であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=40/60であった。
[実施例9]Polymer9の合成
実施例8で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20gを、0.1N−HClの代わりに酢酸1mlと水10gを添加し、反応条件を80℃で6時間とした以外は実施例2と同様に反応を行い、白色粉末状のエステルの一部をカルボン酸に分解した開環メタセシス重合体水素添加物18.5gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=29/60/11であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは13800、Mw/Mnは1.24であった。
[実施例10]Polymer10の合成
実施例1において環状オレフィン単量体を8−(2−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(41.27g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(10.22g)、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(6.73g)、1,5−ヘキサジエン(1.42g)および重合触媒をMo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(246mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、56.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、500mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末40.0gをTHF(250ml)に溶解して、水素添加触媒として5%パラジウムカーボン4.0gを加え、水素圧8.0MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を39.0g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは11400、Mw/Mnは1.95であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=50/50であった。
[実施例11]Polymer11の合成
実施例10で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20.0gを、使用する酸を1N−HCl 3ml、反応温度条件を60℃/2時間とした以外は実施例2と同様にして白色粉末状のエステル分解した開環メタセシス重合体水素添加物16.6を得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=29/50/21であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは12000、Mw/Mnは2.02、残留塩酸は2ppmであった。
[実施例12]Polymer12の合成
実施例1において環状オレフィン単量体を5−(1−アダマンチルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(33.87g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(13.63g)、5−tert−ブトキシオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(4.35g)、1−オクテン(2.51g)および重合触媒をW(N−2,6−Me)(CHCMePh)(OCMe(260mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、51.4gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末40.0gをTHF(250ml)に溶解し、水添触媒としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(40mg)とトリエチルアミン(13mg)のTHF(40ml)溶液を加え、実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を39.6g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは14800、Mw/Mnは2.60であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[D]=50/40/10であった。
[実施例13]Polymer13の合成
実施例5において環状オレフィン単量体を5−(2,2−ジメチルプロピルオキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(21.35g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(13.63g)、スピロ[ジヒドロフラン−2(3H)−オン−3,5'−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−エン](7.36g)および重合触媒をRu(P(C11(CHPh)Cl(5.49g)に代えた以外は実施例5と同様に開環メタセシス重合を行い、40.2gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、500mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末30.0gをTHF(250ml)に溶解して、水素添加触媒として5%パラジウムカーボン3.0gを加え、水素圧8.0MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を29.2g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは11200、Mw/Mnは1.55であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[C]=40/40/20であった。
[実施例14]Polymer14の合成
実施例1において環状オレフィン単量体を8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(38.94g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(10.22g)、1,6−ヘプタジエン(2.15g)および重合触媒をMo(N−2,6−Me)(CHCMePh)(OCMe(CF))(269mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、48.5gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末40.0gを実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を38.5g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9600、Mw/Mnは1.96であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=70/30であった。
[実施例15]Polymer15の合成
実施例14で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20.0gを、使用する酸を1N−HSO 3ml、反応条件を60℃/1時間30分とした以外は実施例2と同様にして白色粉末状のエステル分解した開環メタセシス重合体水素添加物17.9gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=55/30/15であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9900、Mw/Mnは1.99、残留硫酸は2ppmであった。
[実施例16]Polymer16の合成
実施例1において環状オレフィン単量体を8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(50.06g)、4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(3.41g)、1,5−ヘキサジエン(1.19g)および重合触媒をW(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OC(CF(431mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、51.8gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、500mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末50.0gをTHF(300ml)に溶解して、水素添加触媒として5%パラジウムカーボン5.0gを加え、水素圧8.0MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を49.0g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは13500、Mw/Mnは2.18であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=90/10であった。
[実施例17]Polymer17の合成
実施例16で得られた開環メタセシス重合体水素添加物20.0gを、使用する酸を1N−HCl 5ml、反応温度条件を80℃/1時間攪拌した以外は実施例2と同様にして白色粉末状のエステル分解した開環メタセシス重合体水素添加物18.0gを得た。得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]/[E]=58/10/32であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは14100、Mw/Mnは2.31、残留塩酸は3ppmであった。
[実施例18]Polymer18の合成
窒素下で500mlのシュレンクフラスコに環状オレフィンモノマーとして4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(8.52g)と8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(13.91g)をTHF150mlに溶解した。これに連鎖移動剤として1,5−ヘキサジエン(0.52g)を加え、攪拌し、次いで開環メタセシス重合触媒としてMo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(CF(78mg)を加え室温で1時間攪拌した。その後、THF150mlに溶解した4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(8.52g)、8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(13.91g)と1,5−ヘキサジエン(1.03g)を開環メタセシス重合触媒Mo(N−2,6−Pr )(CHCMe2Ph)(OCMe(CF(78mg)のTHF溶液と同時に重合液に加え室温で更に1時間攪拌した。その後、ブチルアルデヒド(80mg)を加え30分間攪拌し反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、乾燥して43.9gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末40.0gを実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を39.0g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定したポリスチレンスタンダード換算の重量平均分子量Mwは25000、Mw/Mnは3.68であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=50/50であった。
[実施例19]Polymer19の合成
窒素下で500mlのシュレンクフラスコに環状オレフィンモノマーとして4,10−ジオキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(17.04g)と5−(メトキシメチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(20.41g)と1,5−ヘキサジエン(1.48g)をTHF300mlに溶解した。これに開環メタセシス重合触媒としてW(N−2,6−Me)(thf)(OCMe(CF))Cl(96mg)、トリエチルアルミニウムの0.06mmol、およびW(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OCMe(CF(120mg)のトルエン溶液を加え室温で1時間攪拌した。その後、ブチルアルデヒド(25mg)を加え30分間攪拌し反応を停止させた。この開環メタセシス重合体溶液をメタノール中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、乾燥して36.8gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末30.0gを実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を29.6g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定したポリスチレンスタンダード換算の重量平均分子量Mwは23200、Mw/Mnは4.72であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=50/50であった。
[実施例20]Polymer20の合成
実施例1において、環状オレフィン単量体を8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(55.62g)、1,5−ヘキサジエン(2.30g)および重合触媒をW(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OC(CF(431mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、54.8gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末40.0gを実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を38.5g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは8100、Mw/Mnは1.88であった。
[実施例21]Polymer21の合成
実施例1において、環状オレフィン単量体を8−(メトキシメチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(27.81g)、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3−オン(16.82g)、1,6−ヘプタジエン(1.35g)および重合触媒をMo(N−2,6−Me)(CHCMePh)(OCMe(CF(318mg)に代えた以外は実施例1と同様に開環メタセシス重合を行い、43.6gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、この開環メタセシス重合体粉末40.0gをTHF(250ml)に溶解し、水添触媒としてジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)(40mg)とトリエチルアミン(13mg)のTHF(40ml)溶液を加え、実施例1と同様に水素添加反応を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を39.2g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは14000、Mw/Mnは2.27であった。また、得られた重合体の構造単位のモル組成比は13C−NMR分析により[A]/[B]=50/50であった。
Figure 0005498654
Figure 0005498654
Figure 0005498654
Figure 0005498654
本発明の高分子化合物について、ベース樹脂としてレジスト材料に配合した際の解像性の評価、及び耐エッチング性の評価を行った。
[実施例I−1および2]
上記式で示されるポリマー(Polymer1および2)をベース樹脂とし、酸発生剤、塩基性化合物、及び溶剤を、表1に示す組成で混合した。次にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、レジスト材料とした。
レジスト液を反射防止膜(日産化学社製ARC29A、78nm)を塗布したシリコンウェハー上へ回転塗布し、100℃〜130℃、60秒間の熱処理を施して、厚さ250nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー(ニコン社製、NA=0.68)を用いて露光した。100℃〜130℃、60秒間の熱処理を施した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて60秒間パドル現像を行い、1:1及び1:10のラインアンドスペースパターンを形成した。現像済ウエハーを割断したものを断面SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、0.13μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量(最適露光量=Eop、mJ/cm2)における分離しているラインアンドスペースの最小線幅(μm)を評価レジストの解像度とした(値が小さいほど良好)。また、その際の0.13μm1:1ラインアンドスペースパターンの線幅から0.13μm1:10ラインアンドスペースパターンの線幅を差し引いた値を疎密寸法差とした(値が小さいほど良好)。
また、レジスト液をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)気相中で表面処理(90℃、60秒間)したシリコンウェハー上へ回転塗布し、100℃、60秒間の熱処理を施して、厚さ300nmのレジスト膜を形成、これをドライエッチャー(東京エレクトロン社製、CF/CHFガス)を用いて耐エッチング性評価を行った。1分間当たりの膜厚変化量を測定し、SEPR−430S(信越化学工業社製)を基準としたエッチングレートを求めた。
実施例の各レジストの組成及び最適なSB(塗布後熱処理)/PEB(露光後熱処理)温度における解像性評価、及び耐エッチング性評価の結果を表1に示す。なお、表1において、酸発生剤、塩基性化合物及び溶剤は下記の通りである。また、溶剤はすべてKH−20(旭硝子(株)製)を0.01重量%含むものを用いた。
TPSNf:ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム
TMMEA:トリスメトキシメトキシエチルアミン
CyHO:シクロヘキサノン
Figure 0005498654
表1の結果より、本発明のレジスト材料は、ArFエキシマレーザー露光において、高解像性であるとともに粗密寸法差が小さく、かつ高エッチング耐性であった。
本発明はさらに以下の態様をとり得る。
(1)少なくとも下記一般式[1]
Figure 0005498654
(式中、R 1 〜R 4 のうち少なくとも一つが、下記一般式[2]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W 1 は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR 5 で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R 5 は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。R 6 は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X 1 は−O−又は−CR 7 −(R 7 は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X 1 は同一でも異なってもよい。jは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体と、
下記一般式[3]
Figure 0005498654
式中、R 8 〜R 11 は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X 2 は−O−又は−CR 12 −(R 12 は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X 2 は同一でも異なってもよい。mは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体、及び/又は下記一般式[4]
Figure 0005498654
(式中、R 13 〜R 16 は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X 3 は−O−又は−CR 17 −(R 17 は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X 3 は同一でも異なってもよい。Y 1 及びY 2 は、一方が−(C=O)−であり、他方は、−CR 18 −(R 18 は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)である。nは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体を開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加することにより、
前記一般式[1]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[5]
Figure 0005498654
(式中、R 1 〜R 4 、X 1 、およびjは前記記載の一般式[1]と同じであり、R 1 〜R 4 のうち少なくとも一つが、下記一般式[6]
Figure 0005498654
(式中、W 1 、R 5 、及びR 6 は前記記載の一般式[2]と同じ))で表される構造単位[A]と、
前記一般式[3]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[7]
Figure 0005498654
(式中、R 8 〜R 11 、X 2 、及びmは前記記載の一般式[3]と同じ)で表される構造単位[B]及び/又は、前記一般式[4]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[8]
Figure 0005498654
(式中、R 13 〜R 16 、X 3 、Y 1 、Y 2 、及びnは前記記載の一般式[4]と同じ)で表される構造単位[C]から成り、その構成モル比が[A]/([B]+[C])=1/99〜100/0である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(2)前記一般式[1]及び[5]のX 1 、前記一般式[3]及び[7]のX 2 、及び前記一般式[4]及び[8]のX 3 のうち少なくとも1つが−O−である(1)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(3)前記一般式[1]及び[5]のR 1 〜R 4 のうち少なくとも一つとして選ばれる前記一般式[2]及び[6]中のR 6 がメチル基、ネオペンチル基、1−アダマンチル基または2−アダマンチル基である(1)または(2)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法において、下記一般式[9]
Figure 0005498654
(式中、R 19 〜R 22 のうち少なくとも一つが、下記一般式[10]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W 2 は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR 23 で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R 23 は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。R 24 は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基を示す。)で表されるエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X 4 は−O−又は−CR 25 −(R 25 は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X 4 は同一でも異なってもよい。rは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体を、
一般式[1]と、一般式[3]および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体と共に開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加して、
構造単位[A]と、構造単位[B]及び/又は構造単位[C]と、
一般式[9]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[11]
Figure 0005498654
(式中、R 19 〜R 22 、X 4 、およびrは前記記載の一般式[9]と同じであり、R 19 〜R 22 、のうち少なくとも一つが、下記一般式[12]
Figure 0005498654
(式中、W 2 、R 23 、及びR 24 は前記記載の一般式[10]と同じ))で表される構造単位[D]とから成り、その構成モル比が([A]+[B]+[C])/[D]=99/1〜20/80である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(5)前記一般式[5]で表される構造単位[A]中の前記一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基のエステル部を一部、選択的に分解して得られる下記一般式[13]、
Figure 0005498654
(式中、R 26 〜R 29 のうち少なくとも一つが、下記一般式[14]
Figure 0005498654
(式中、鎖線は結合手を示す。W 3 は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR 30 で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R 30 は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。)で表されるカルボキシル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X は−O−又は−CR 31 −(R 31 は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X は同一でも異なってもよい。pは0又は1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[E]を更に含む(1)から(4)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(6)前記一般式[5]で表される構造単位[A]、前記一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は前記一般式[8]で表される構造単位[C]の合計と、前記一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比が([A]+[B]+[C])/[E]=99/1〜20/80である(5)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(7)前記一般式[5]で表される構造単位[A]、前記一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は前記一般式[8]で表される構造単位[C]、及び前記一般式[11]で表される構造単位[D]の合計と、前記一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比が([A]+[B]+[C]+[D])/[E]=99/1〜20/80である(5)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(8)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000〜200,000である(1)から(7)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(9)重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0以上かつ5.0より小さい(1)から(8)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(10)前記開環メタセシス重合触媒がリビング開環メタセシス触媒である(1)から(9)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(11)オレフィンまたはジエンの存在下に前記開環メタセシス重合触媒で重合する(1)から(10)のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
実施例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物のH−NMRスペクトル(270MHz、溶媒はCDCl)を示す。

Claims (11)

  1. 少なくとも下記一般式[1]
    Figure 0005498654

    (式中、R1〜R4のうち少なくとも一つが、下記一般式[2]
    Figure 0005498654

    (式中、鎖線は結合手を示す。W1は単結合である。R6は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X1は−O−又は−CR7 −(R7は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X1は同一でも異なってもよい。jは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体と、
    下記一般式[3]
    Figure 0005498654

    (式中、R8〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X2は−O−又は−CR12 −(R12は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X2は同一でも異なってもよい。mは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体、及び/又は下記一般式[4]
    Figure 0005498654

    (式中、R13〜R16は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X3は−O−又は−CR17 −(R17は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X3は同一でも異なってもよい。Y1及びY2は、一方が−(C=O)−であり、他方は、−CR18 −(R18は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)である。nは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体を開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加することにより、
    前記一般式[1]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[5]
    Figure 0005498654

    (式中、R1〜R4、X1、およびjは前記記載の一般式[1]と同じであり、R1〜R4のうち少なくとも一つが、下記一般式[6]
    Figure 0005498654

    (式中、W1、及びR6は前記記載の一般式[2]と同じ))で表される構造単位[A]と、
    前記一般式[3]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[7]
    Figure 0005498654

    (式中、R8〜R11、X2、及びmは前記記載の一般式[3]と同じ)で表される構造単位[B]及び/又は、前記一般式[4]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[8]
    Figure 0005498654

    (式中、R13〜R16、X3、Y1、Y2、及びnは前記記載の一般式[4]と同じ)で表される構造単位[C]から成り、その構成モル比が[A]/([B]+[C])=10/90〜90/10である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  2. 前記一般式[1]及び[5]のX1、前記一般式[3]及び[7]のX2、及び前記一般式[4]及び[8]のX3のうち少なくとも1つが−O−である請求項1に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  3. 前記一般式[1]及び[5]のR1〜R4のうち少なくとも一つとして選ばれる前記一般式[2]及び[6]中のR6がメチル基、ネオペンチル基、1−アダマンチル基または2−アダマンチル基である請求項1または2に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法において、下記一般式[9]
    Figure 0005498654

    (式中、R19〜R22のうち少なくとも一つが、下記一般式[10]
    Figure 0005498654

    (式中、鎖線は結合手を示す。W2は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、又は1個の水素原子が−OR23で置換された炭素数1〜10の3価の炭化水素基を示す。R23は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基を示す。R24は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基を示す。)で表されるエステル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、X4は−O−又は−CR25 −(R25は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各X4は同一でも異なってもよい。rは0又は1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体を、
    一般式[1]と、一般式[3]および/または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体と共に開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加して、
    構造単位[A]と、構造単位[B]及び/又は構造単位[C]と、
    一般式[9]で表される環状オレフィン単量体から得られる下記一般式[11]
    Figure 0005498654

    (式中、R19〜R22、X4、およびrは前記記載の一般式[9]と同じであり、R19〜R22、のうち少なくとも一つが、下記一般式[12]
    Figure 0005498654

    (式中、W2、R23、及びR24は前記記載の一般式[10]と同じ))で表される構造単位[D]とから成り、その構成モル比が([A]+[B]+[C])/[D]=99/1〜20/80である開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  5. 前記一般式[5]で表される構造単位[A]中の前記一般式[6]で表されるアルコキシメチルエステル基を有する官能基のエステル部を一部、選択的に分解して得られる下記一般式[13]、
    Figure 0005498654

    (式中、R26〜R29のうち少なくとも一つが、下記一般式[14]
    Figure 0005498654

    (式中、鎖線は結合手を示す。W3は単結合である。)で表されるカルボキシル基を有する官能基であり、その他はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールスルホニルオキシ基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニル基、又は炭素数3〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシカルボニルアルキル基から選ばれ、Xは−O−又は−CR31 −(R31は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す)であり、各Xは同一でも異なってもよい。pは0又は1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[E]を更に含む請求項1乃至4のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  6. 前記一般式[5]で表される構造単位[A]、前記一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は前記一般式[8]で表される構造単位[C]の合計と、前記一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比が([A]+[B]+[C])/[E]=99/1〜20/80である請求項5に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  7. 前記一般式[5]で表される構造単位[A]、前記一般式[7]で表される構造単位[B]及び/又は前記一般式[8]で表される構造単位[C]、及び前記一般式[11]で表される構造単位[D]の合計と、前記一般式[13]で表される構造単位[E]との構成モル比が([A]+[B]+[C]+[D])/[E]=99/1〜20/80である請求項5に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  8. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000〜200,000である請求項1乃至7のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  9. 重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0以上かつ5.0より小さい請求項1乃至8のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  10. 前記開環メタセシス重合触媒がリビング開環メタセシス触媒である請求項1乃至9のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
  11. オレフィンまたはジエンの存在下に前記開環メタセシス重合触媒で重合する請求項1乃至10のいずれかに記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
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