JP3703277B2 - 酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法 - Google Patents

酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸解離性基を有する新規な狭分散性重合体に関し、詳しくは、耐熱性、耐熱分解性、光透過性等に優れた紫外線や遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)を用いた半導体微細加工用フォトレジストに適した酸解離性基を有する新規な狭分散性重合体を提供し、かつそのような重合体の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路は集積化が進んで大規模集積回路(LSI)や超大規模集積回路(VLSI)が実用化されており、また、これとともに、 集積回路の最少パターンはサブミクロン領域に及び、今後更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成には、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、選択露光を行って所望パターンの潜像を形成した後に、現像してレジストパターンを作り、これをマスクとしてドライエッチングを行い、その後にレジストを除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使用が必須である。
【0003】
このリソグラフィ技術において使用される露光光源としてg線(波長436nm)、i線(波長365nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外線光、電子線(EB)、X線等が光源として使用されるようになってきている。特に最近では、エキシマレーザー(波長248nmのKrFレーザー、波長193nmのArFレーザー)が露光光源として注目されており、微細パターンの形成に有効であると期待されている。
【0004】
より短波長である真空紫外領域の露光光を用いてサブミクロンパターンを形成するレジスト材料に用いられる重合体又は共重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格及び酸により脱離する保護基を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの重合体又は共重合体(特開平4−39665号公報参照)、エステル部にノルボルナン骨格及び酸により脱離する保護基を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの重合体又は共重合体(特開平5−257281号公報参照)、シクロヘキシルマレイミドの重合体又は共重合体(特開平5−257285号公報参照)、セルロース骨格を主鎖に含み該主鎖が酸により開裂を起こす高分子化合物(特開平6−342212号公報参照)、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールの誘導体(特開平7−333850号公報参照)等数多くの重合体及び共重合体が提案されている。
【0005】
しかしながら、耐ドライエッチング性、遠紫外線に対する透明性、レジスト溶剤に対する溶解性、及び剥離剤に対する溶解性等レジスト材として用いられるのに必要な諸性質全てを満足し、しかも合成容易な重合体及び共重合体は未だなく、更なる開発が求められている。
【0006】
最近、ノルボルネン系化合物を開環重合した後、水素化を行った(共)重合体をレジスト材として使用することが提案されている(特開平9−230595、特開平9−244247)。しかしながら、これらの(共)重合体においても、透明性および解像度ともに充分ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レジスト材として用いられるのに必要な上記の諸性能全てを満足し、しかも狭い分子量分布を有する(共)重合体物を提供し、かつそのような重合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決するため種々検討していたところ、環状オレフィン系単量体の開環メタセシス重合体及び開環メタセシス共重合体の水素添加物が優れた光学特性、電気特性、高剛性、耐熱性及び耐候性を有する樹脂として注目を集め、各種の開環メタセシス重合体及び該重合体水素添加物の製造方法が提案されていることに着目した(例えば、特開平1−132625、特開平1−240517、特開平5−155988、及び特開平7−196779等)。そして、開環メタセシス(共)重合体の水素添加物についてレジスト材としての可能性を鋭意検討したところ、ある新規な開環メタセシス(共)重合体の水素添加物に酸解離性基を導入し、分子量を調整し、かつ分子量分布を狭分散性に制御すると、これらレジスト材としての諸性能を満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、[1] 一般式(2)
【化3】
Figure 0003703277
(式中、R 2 〜R 3 はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキルまたはニトリルから選ばれ、mは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加した後、酸無水物基の少なくとも一部を加水分解し、更にビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類と反応させることを特徴とする、一般式(1)
【0010】
【化4】
Figure 0003703277
(式中、R1は酸により解離する基であり、R2〜R3はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキルまたはニトリルから選ばれ、mは0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位を有し、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であり、かつGPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜100,000であることを特徴とする酸解離性基を有する狭分散性重合体の製造方法
【0011】
[2] 1が、アルコキシアルキル基または3−オキソアルキル基である請求項1記載の狭分散性重合体の製造方法
[3] 1が、2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチルまたは1−tert−ブトキシエチルである請求項1記載の狭分散性重合体の製造方法
【0014】
[4] 一般式(2)で表される環状オレフィン系単量体をオレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス触媒で重合することを特徴とする請求項1から3記載の狭分散性重合体の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明における酸解離性基を有する狭分散性重合体とは、一般式(1)の如く構造単位として酸解離性基を有し、Mw/Mnが1.0〜2.0であり、かつMnが500〜100,000の重合体であって、単独重合体でも、または他の構造単位との共重合体であっても構わない。酸解離性基とは、酸により分解し、カルボン酸を遊離する基であり、例えば、2−テトラヒドロピラニル、4−メトキシ−2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−メチル−2−テトラヒドロフラニル等の環状エーテル化合物、1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−n−プロポキシエチル、1−iso−プロポキシエチル、メトキシメチル、1−n−ブトキシエチル、1−sec−ブトキシエチル、1−tert−ブトキシエチル、1−iso−ブトキシエチル、1−iso−オクチルオキシエチル、1−n−デシルオキシエチル、1−n−ドデシルオキシエチル、1−シクロヘキシルオキシエチル、1−tert−ペンチルオキシエチル、1−(2−メトキシエトキシ)エチル、1−(2−n−ブトキシエトキシ)エチル、または1−tert−アミルオキシエチル等のアルコキシ置換または無置換のアルコキシアルキル基、1−フェノキシエチル、1−(2−ニトロフェニル)オキシエチル、または1−p−トルイルオキシエチル等のアリールオキシアルキル基、tert−ブチル、tert−アミル、2,3−ジメチル−2−ブチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、3−エチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−3−ペンチル、2−メチル−2−ヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、2−メチル−2−アダマンチル等の3級アルキル基、または、3−オキソシクロヘキシル、3−オキソブチル、3−オキソ−1−メチルブチル等の3−オキソアルキル基等が挙げられる。これらのうち、環状エーテル化合物、アルコキシ置換または無置換のアルコキシアルキル基、または、3級アルキル基が好ましく、より好ましくは、2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−tert−ブトキシエチル、tert−ブチルが挙げられる。
【0016】
本発明における酸解離性基を有する狭分散性重合体の分子量は、Mnが500〜100,000である。好ましくは、1,000〜50,000であり、特に、好ましくは3,000〜20,000である。また、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)は1.0〜2.0の狭い分子量分布の範囲に制限される。好ましくは1.0〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.6の範囲である。この範囲の分子量と狭い分子量分布は、レジスト材として要求される高解像度及び高現像性を実現するために極めて重要である。更には、レジスト材を2−ヘプタノン、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の極性溶媒に溶解させ、シリコンウェハーに回転塗布機で塗布する工程において、均一な平滑コーティング膜を形成する上でも重要なことである。
【0017】
本発明の方法では、まず、一般式(2)で表される環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合する。
本発明の方法においてリビング開環メタセシス触媒で重合する一般式(2)で表される環状オレフィン系単量体としては、mが0であるビシクロヘプトエンの誘導体、mが1であるテトラシクロドデセンの誘導体、mが2であるヘキサシクロヘプタデセンの誘導体、mが3であるオクタシクロドコセンの誘導体等が挙げられる。また、R2〜R3は、それぞれ水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、tert−ブチル、イソブチル、n−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルまたはベンジル等の炭素数1〜20のアルキル、塩素またはフッ素等のハロゲン、トリフルオロメチルまたはトリクロロメチル等のハロゲン化アルキル、またはニトリルから選ばれ、好ましくは、水素またはアルキルである。
【0018】
一般式(2)の具体例としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、または5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等のビシクロヘプトエン類、テトラシクロ[4.4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物、または8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物等のテトラシクロドデセン類、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−11−ヘプタテ゜セン−4,5−ジカルボン酸無水物、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−11−ヘプタテ゜セン−4,5−ジカルボン酸無水物、または11,12−ジメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−11−ヘプタテ゜セン−4,5−ジカルボン酸無水物等のヘキサシクロヘプタデセン類、またはオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−14−ドコセン−5,6−ジカルボン酸無水物、14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−14−ドコセン−5,6−ジカルボン酸無水物、または14,15−ジメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−14−ドコセン−5,6−ジカルボン酸無水物等のオクタシクロドコセン類等を挙げることができる。これらのうち、テトラシクロ[4.4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物、または8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物等のテトラシクロドデセン類が好ましい。
これらの環状オレフィン系単量体は、単独でもまたは2種以上を同時に用いてランダムな共重合体としても、または、続けて用いてブロック共重合体としてもよい。
【0019】
また、本発明の方法においては、一般式(2)で表される環状オレフィン系単量体と共に、リビング開環メタセシス触媒で重合する他の環状オレフィン単量体を用いて共重合しても良い。そのような他の環状オレフィン単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシク[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブチルカルボキシルカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジtert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、または5,6−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブチルカルボキシルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジtert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、または8−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブチルカルボキシルカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジtert−ブトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニル−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシ−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、または11−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14,15−ジtert−ブトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14,15−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニル−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシ−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、または14−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン誘導体、またはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のシクロオレフィン類等を挙げることができる。
【0020】
また、本発明の方法において使用される重合触媒としては、リビング開環メタセシス重合する触媒であればどのようなものでもよいが、開環メタセシス触媒の具体例としては、W(N−2,6−C63Pri 2)(CHBut)(OBut2、W(N−2,6−C63Pri 2)(CHBut)(OCMe2CF32、W(N−2,6−C63Pri 2)(CHBut)(OCMe2(CF322、W(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut2、W(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32、W(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe2(CF322、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(O−But2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(O−But2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(O−But2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCMe2)(OCMe(CF322(PMe3)、W(N−2,6−Me263)(CHCHCPh2)(OCMe(CF322(PMe3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OCMe(CF322(PMe3)、W(N−2,6−Pri 263)(CHCHCMePh)(OPh)2(PMe3)、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OBut2、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHBut)(OCMe(CF322、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OBut2、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6−Pri 263)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF322、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Pri 2632、Re(CBut)(CHBut)(O−2−But642、Re(CBut)(CHBut)(OCMe2CF32、Re(CBut)(CHBut)(OCMe(CF322、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−MeC632、(式中のButはtert−ブチル基を表す。)等のレニウム系アルキリデン触媒、Ta[C(Me)C(Me)CHMe3](O−2,6−Pri 2633Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CHMe3](O−2,6−Pri 2633Py、(式中のMeはメチル基、Phはフェニル基、Pyはピリジン基を表す。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(CHCHCPh2)(PPh32Cl2、Ru(CHCHCPh2)(P(C61132Cl2(式中のPhはフェニル基を表す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒が挙げられる。上記開環メタセシス触媒は、単独にまたは2種以上混合してもよい。
【0021】
また、上記の他に、有機遷移金属錯体と助触媒としてのルイス酸との組合せによるリビング開環メタセシス触媒系、例えぱ、モリブデン、タングステン等の遷移金属ハロゲン錯体と助触媒として有機アルミニウム化合物、有機錫化合物またはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の有機金属化合物とから成る開環メタセシス触媒を用いることもできる。
【0022】
有機遷移金属ハロゲン錯体の具体例としては、W(N−2,6−C63Pri 2)(thf)(OBut2Cl2、W(N−2,6−C63Pri 2)(thf)(OCMe2CF32Cl2、W(N−2,6−C63Pri 2)(thf)(OCMe2(CF322Cl2、W(N−2,6−C63Pri 2)(thf)(OBut2Cl2、W(N−2,6−C63Pri 2)(thf)(OCMe2CF32Cl2、W(N−2,6−C63Pri 2)(thf)(OCMe2(CF322Cl2、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフランを表す。)等のタングステン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒、またはMo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe(CF322Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OBut2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe2CF32Cl2、Mo(N−2,6−Pri 263)(thf)(OCMe(CF322Cl2、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフランを表す。)等のモリブデン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられる。
【0023】
また、助触媒としての有機金属化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物、テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物、n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物、メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t―ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
【0024】
本発明の方法におけるリビング開環メタセシス重合において環状オレフィン系単量体と開環メタセシス触媒のモル比は、タングステン、モリブデン、レニウム、タンタル、またはルテニウム等の遷移金属アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒の場合は、環状オレフィン系単量体が遷移金属アルキリデン錯体に対してモル比で2〜10000であり、好ましくは10〜5000である。また、有機遷移金属ハロゲン錯体と有機金属化合物から成る開環メタセシス触媒の場合、環状オレフィン系単量体が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモル比で2〜10000、好ましくは10〜5000であり、助触媒としての有機金属化合物が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモル比で0.1〜10、好ましくは1〜5となる範囲である。
【0025】
また、本発明の方法におけるリビング開環メタセシス重合は無溶媒でも溶媒を使用して良いが、特に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロライド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらの2種類以上を混合使用しても良い。
【0026】
また、本発明の方法において触媒効率を高めるために連鎖移動剤として用いられるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンが挙げられ、さらに、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン等のケイ素含有オレフィンが挙げられ、また、ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン等の非共役系ジエンが挙げられる。さらに、これらオレフィンまたはジエンはそれぞれ単独または2種類以上を併用しても良い。
【0027】
本発明の方法において共存させるオレフィンまたはジエンの使用量は、オレフィンまたはジエンが環状オレフィン系単量体に対して0.001〜1000、好ましくは0.01〜100の範囲である。また、オレフィンまたはジエンが遷移金属アルキリデン錯体のアルキリデンの1当量に対して0.1〜1000、好ましくは1〜500の範囲である。
【0028】
開環メタセシス重合では、単量体の反応性および重合溶媒ヘの溶解性によっても異なるが、単量体/開環メタセシス触媒と溶媒の濃度は0.1〜100mol/Lの範囲が好ましく、通常零下30〜150℃の反応温度で1分〜10時間反応させ、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類等の失活剤で反応を停止し、開環メタセシス重合体溶液を得ることができる。
【0029】
本発明の方法において、リビング開環メタセシス重合によって得られる重合体は、開環メタセシス重合がリビング重合反応であるため、単量体と触媒のモル比を制御することによって、所望の分子量の重合体を得ることができる。また、連鎖移動剤としてオレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス重合を行うことでリビング重合反応を保ちながら、単量体と連鎖移動剤と触媒のモル比を制御することによっても、所望の分子量の重合体を得ることができる。このリビング重合により、Mnが500〜100,000の分子量の重合体を得ることができる。好ましくは、1,000〜50,000であり、特に、好ましくは3,000〜20,000である。また、単量体及び連鎖移動剤の性質によって多少の差異はあるものの、Mw/Mnも1.0〜2.0の狭い分子量分布の範囲に制御することができる。好ましくは1.0〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.6の範囲である。
【0030】
本発明の方法では、環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合した後、水素添加触媒のもとに水素添加する。このような水素添加触媒としては、公知の水素添加触媒を使用することができる。具体例として不均一系触媒ではパラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ケイソウ土、合成ゼオライト等の担体に担持させた担持型金属触媒、または均一系触媒では、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムクロリド、酢酸ロジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられ、さらに、均一系触媒として水素の存在下に下記一般式(3)
【0031】
【化5】
MHkhpq (3)
(式中、Mはルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、パラジウム、白金またはニッケルを表し、Hは水素を表し、Qはハロゲンを表し、TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、ZはPR´1R´2R´3(Pはリンを示し、R´1、R´2、R´3はそれぞれ同一もしくは異なる直鎖、分岐または環状のアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシまたはアリロキシを示す。)で表せる有機リン化合物を表し、kは0または1の整数、hは1〜3の整数、pは0または1の整数、qは2〜4の整数を表す。)で表わされる有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を用いて水素添加することもできる。
【0032】
一般式(3)おけるQは、ハロゲン原子を表し具体例として、塩素、フッ素、臭素または沃素原子を例示できる。更に、TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、Zは有機リン化合物を表し具体例として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリo−トリルホスフィン、トリm−トリルホスフィン、トリp−トリルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジクロロ(エチル)ホスフィン、ジクロロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィト、トリイソプロピルホスフィト、トリフェニルホスフィトを例示できる。
【0033】
一般式(3)で表せる有機金属錯体の具体例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)オスミウム、ジクロロヒドリドビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリクロロニトロシルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(テトラヒドロフラン)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリド(トルエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドニトロシルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリo−トリルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィト)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィト)ルテニウム等が挙げられる。
【0034】
また、アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロブタン等の一級アミン化合物、ジメチルアミン、メチルイソプロピルアミン、N−メチルアニリン等の二級アミン化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、γ−ピコリン等の三級アミン化合物等を挙げることができ、特にトリエチルアミンを用いた場合が水素添加率の向上が著しい。
これらの有機金属錯体またはアミン化合物は、それぞれ2種以上任意の割合で併用することもできる。
【0035】
本発明の方法における開環メタセシス重合体を水素添加する公知の水素添加触媒を使用する場合、開環メタセシス重合体と水素添加触媒の使用量は、公知の水素添加触媒が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは100〜1000ppmである。また、有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を使用する場合は、有機金属錯体が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは10〜10000ppm、特に好ましくは50〜1000ppmである。また、アミン化合物は使用する有機金属錯体に対して、0.1〜1000当量、好ましくは0.5〜500当量、特に好ましくは1〜100当量である。
【0036】
有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒は、予め有機金属錯体とアミン化合物を接触処理したものを用いても可能であるが、有機金属錯体とアミン化合物を予め接触処理することなく、それぞれ直接反応系に添加してもよい。
【0037】
開環メタセシス重合体の水素添加反応に於いて用いられる溶媒としては開環メタセシス重合体を溶解し溶媒自体が水素添加されないものであればどのようなものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用してもよい。
【0038】
開環メタセシス重合体の水素添加反応は、水素圧力が通常、常圧〜30MPa、好ましくは0.5〜20MPa、特に好ましくは2〜15MPaの範囲で行われ、その反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃、特に好ましくは50〜200℃の温度範囲である。
【0039】
本発明の方法における開環メタセシス重合体水素添加物の製造は、開環メタセシス重合体溶液から開環メタセシス重合体を単離した後再度溶媒に溶解しても可能であるが、単離することなく、上記有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を加えることにより水素添加反応を行う方法を採用することもできる。
開環メタセシス重合または水素添加反応の終了後、公知の方法により重合体に残存する開環メタセシス触媒または水素添加触媒を除去することができる。例えば、濾過、吸着剤による吸着法、良溶媒による溶液に乳酸等の有機酸と貧溶媒と水とを添加し、この系を常温下或いは加温下に於いて抽出除去する方法、更には良溶媒による溶液または重合体スラリーを塩基性化合物と酸性化合物で接触処理した後、洗浄除去する方法等が挙げられる。
【0040】
開環メタセシス重合体水素添加物溶液から重合体水素化物の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、攪拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を凝固させ濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液中にスチームを吹き込んで重合体水素化物を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられる。
【0041】
本発明の方法における水素添加方法を用いると水素添加率は90%以上が容易に達成でき、95%以上、特に99%以上とすることが可能であり、そうして得られる環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物は容易に酸化されることがなく、優れた開環メタセシス重合体の水素添加物となる。
【0042】
本発明の方法において開環メタセシス重合体を水素添加し、開環メタセシス重合体の水素添加物とした後に、酸無水物基の少なくとも一部を加水分解し、重合体の構造単位の全部または一部をカルボン酸に変換する。この加水分解反応は、硫酸、塩酸、硝酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触媒存在下で行う酸性分解、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ性触媒存在下で行うアルカリ性分解、または酸、アルカリに代えて酢酸ナトリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性分解のいずれで行っても良い。
【0043】
本発明の方法における加水分解反応は、水溶媒でも有機溶媒でも使用することができるが、特に使用する有機溶媒としては、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸等のカルボン酸、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピリジン類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類等が挙げられ、水と混合しても良い。更に、これらの2種類以上を混合使用しても良い。反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃の温度範囲である。
【0044】
また、酸性またはアルカリ性加水分解の後にアルカリまたは酸で適宜、中和処理しても良い。加水分解の後、開環メタセシス重合体の水素添加物溶液またはスラリーからの重合体の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、溶液の場合、攪拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を沈殿させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液にスチームを吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等が挙げられる。
【0045】
本発明の方法では、このように加水分解して得られた重合体をビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類と反応させて、一般式(1)で表される酸解離性基を有する狭分散性重合体が得られる。ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、iso−オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチル−1−プロペニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、tert−ペンチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、セシルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、ビニル−2−(2−エトキシエトキシ)エチルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、またはtert−アミルビニルエーテル等のアルコキシ置換または無置換のアルキルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、o−ニトロフェニルビニルエーテル、またはp−トルイルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、または、2,3−ジヒドロフラン、4,5−ジヒドロ−2−メチルフラン、5,6−ジヒドロ−4−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、または3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等の不飽和環状エーテル化合物等が挙げられる。これらのうち、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、または3,4−ジヒドロ−2H−ピランが好ましく、更に好ましくは、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、または、3,4−ジヒドロ−2H−ピランであり、最も好ましくは、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、または3,4−ジヒドロ−2H−ピランである。また、α,β−不飽和ケトン類としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、3−ペンテン−2−オン、メシチルオキサイド、4−ヘキセン−3−オン、5−メチル−3−ヘキセン−2−オン、3−ノネン−2−オン等の脂肪族−α,β−不飽和ケトン類、または2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン、4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、イソホロン、3−エトキシ−2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロペンテン−1−オン等の脂環族−α,β−不飽和ケトン類等が挙げられる。これらのうち、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、3−ペンテン−2−オン、2−シクロヘキセン−1−オン、またはイソホロンが好ましく、更に好ましくは、メチルビニルケトンまたはイソホロンである。これらのビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類の使用量は、重合体中に含まれるカルボン酸成分1モルに対して通常50モル以下であり、好ましくは0.1ないし10モルの範囲であり、更に好ましくは0.5ないし5モルの範囲である。
【0046】
ビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類と反応させる際、触媒として酸を用いるのが好ましい。これに用いる酸としては、例えば、塩化水素ガス等のハロゲン化水素、硫酸、リン酸、塩酸または臭化水素酸等の鉱酸、ヘテロポリ酸もしくはナフィオン等の固体酸、または、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、シュウ酸、クロルスルホン酸・ピリジン塩、硫酸・ピリジン塩もしくはp−トルエンスルホン酸・ピリジン塩等の有機酸が挙げられ、これらのうち、塩化水素ガス、塩酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸・ピリジン塩、または硫酸・ピリジン塩が好ましい。これらの酸は、単独でも、または2種以上を同時または順次に使用することもできる。これらの使用量は、使用するビニルエーテル類1モルに対して通常2モル以下であり、好ましくは、0.00001ないし0.5モルの範囲であり、更に好ましくは0.0001ないし0.1モルの範囲である。
【0047】
ビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類との反応において、溶媒を用いずに反応を行いうる場合もあるが、通常は溶媒の存在下で実施される。用いる場合の溶媒としては、反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、具体的には、例えば、水;n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環族の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族または芳香族ハロゲン化合物;ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;および酢酸エチルやプロピオン酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらは単独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
【0048】
反応の実施方式は、特に限定されるものではなく、加水分解された重合体、ビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類、酸、および使用する場合の溶媒等が効果的に混合され接触される方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、半回分式または連続流通式の何れでも構わない。
【0049】
反応の際の温度および時間は、使用する重合体や酸、及び使用する場合の溶媒等の種類や量により異なり一様ではない。しかしながら、通常反応温度は零下10ないし100℃の範囲であり、好ましくは、0ないし60℃の範囲である。反応時間は、通常20時間以内であり、好ましくは0.01ないし10時間の範囲である。反応は場合によって減圧、常圧または加圧の何れでも実施できる。
また、本反応は、不活性ガス雰囲気下でも、空気等の分子状酸素の存在下でも行うことができる。
【0050】
また、本発明の方法では、開環メタセシス重合体を水素添加し、開環メタセシス重合体の水素添加物とした後に、アルコール類と反応させて、直接本発明における酸解離性基を有する狭分散性重合体を得ることもできる。アルコール類としては、例えば、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、1−メチル−1−シクロヘキシルアルコール、1−アダマンチルアルコール、または、2−メチル−2−アダマンチルアルコール等の3級アルコール等が挙げられ、これらのうち、tert−ブチルアルコールが好ましい。これらのアルコール類の使用量は、酸無水物成分1モルに対して通常100モル以下であり、好ましくは0.01ないし10モルの範囲であり、更に好ましくは0.1ないし5モルの範囲である。
【0051】
アルコール類との反応においては、使用するアルコール自身を溶媒としても用いるのが好ましいが、反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができる。そのような溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環族の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族または芳香族ハロゲン化合物;ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;および酢酸エチルやプロピオン酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらは単独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
【0052】
アルコール類との反応の際の温度および時間は、使用する重合体やアルコール類、及び使用する場合の溶媒等の種類や量により異なり一様ではない。しかしながら、通常反応温度は零下10ないし250℃の範囲であり、好ましくは、0ないし200℃の範囲である。反応時間は、通常30時間以内であり、好ましくは0.01ないし10時間の範囲である。反応は場合によって減圧、常圧または加圧の何れでも実施できる。
【0053】
反応の実施方式は、特に限定されるものではなく、開環メタセシス重合体水素添加物、アルコール類、および使用する場合の溶媒等が効果的に混合され接触される方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、半回分式または連続流通式の何れでも構わない。
また、本反応は、アルコールとの反応速度や効率を更に高めるため、触媒や添加剤等を用いることもできる。
【0054】
以上の方法により、一般式(1)で表される構造単位を有し、Mw/Mnが1.0〜2.0であり、かつMnが500〜100,000である酸解離性基を有する狭分散性重合体が得られる。この重合体は、メタノールやヘキサン等適当な溶剤を用いて沈殿させ、洗浄、乾燥する等通常の方法により単離精製することができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例において得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
Mn,Mwの算出は、GPCを使用し、得られた環状オレフィン系開環メタセシス重合体、該重合体水素添加物、加水分解した該重合体水素添加物または該酸解離性基を有する重合体をテトラヒドロフランに溶解し、検出器として日本分光製830−RIおよびUVIDEC−100−VI、カラムとしてShodexk−805,804,803,802.5を使用し、室温において流量1.0ミリリットル/分でポリスチレンスタンダードによって分子量を較正し行った。水素添加率は、環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の粉末を重水素化クロロホルムに溶解し、90MHz−NMRを用いてδ=4.5〜6.0ppmの主鎖の炭素−炭素間二重結合に帰属するピークが、水素添加反応によって減少する大きさを算出し、求めた。
加水分解反応、ビニルエーテル類との反応、及びアルコール類との反応の定量は、400MHz−NMRを用いて、カルボン酸のヒドロキシプロトンに帰属するピークとの比により算出し、求めた。また同時に、島津FTIR−8100Mで赤外吸収スペクトル測定し、エステルのカルボニル伸縮振動1760〜1700cm-1とカルボン酸のカルボニル伸縮振動1740〜1780cm-1とからも確認した。
【0056】
実施例1
窒素下で磁気攪件装置を備えた500ミリリットルのオートクレーブに環状オレフィン系単量体としてテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物10.0グラム(43.4ミリモル)をテトラヒドロフラン350ミリリットル(以後THFと言う)に溶解し攪件を行った。これにリビング開環メタセシス触蝶としてMo(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe3)(0But2375ミリグラム(0.77ミリモル)を加え室温で3時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド278ミリグラム(3.85ミリモル)を加え30分間攪件し、反応を停止させた。
この開環メタセシス重合体溶液にトリメチレンジアミン570ミリグラム(7.70ミリモル)を加え、水素分圧0.49MPa、80℃で1時間攪拌した後、メタノール2000ミリリットル中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して10.0グラムの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0057】
その後、5000ミリリットルのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末10.0グラムをTHF800ミリリットルに溶解して、水素添加触媒として予め調製したジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム5.0ミリグラム(0.004ミリモル)とトリエチルアミン2.1ミリグラム(0.020ミリモル)のTHF80ミリリットル溶液を加え、水素圧8.1MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは12,500、Mw/Mnは1.02であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10.0グラムを1000ミリリットルのフラスコに挿入し、そこにベンゼン500ミリリットル、水100ミリリットル、パラトルエンスルホン酸5.0ミリリットルを加え、50℃で3時間攪拌した後、メタノールに加え、沈殿、濾過し、乾燥した。さらに、THFに溶解させ、メタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは13,500、Mw/Mnは1.03であった。
得られた加水分解された開環メタセシス重合体水素添加物5.0グラムを、撹拌機及び内容積100ミリリットルの滴下ロートを装着した500ミリリットルのフラスコに装入し、そこに塩化メチレン150ミリリットル、及び触媒としてパラトルエンスルホン酸ピリジン塩2.5ミリグラムを加え、温度を15℃に保ちながら滴下ロートよりエチルビニルエーテル1.44グラム(20.0ミリモル)を塩化メチレン50ミリリットルに溶解させた溶液を10分かけて滴下した。そのまま空気雰囲気下で3時間反応させた。この液をメタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重合体を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは17,000、Mw/Mnは1.05であった。1HNMRから算出すると重合体中のカルボン酸基と1−エトキシエトキシ基との比はほぼ50/50であった。
【0058】
参考例2
実施例1において開環メタセシス重合触蝶として用いたMo(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe3)(0But2に代えてW(N−2,6−C63Me2)(CHCHCMe2)(PMe3)(0But2を464ミリグラム(0.77ミリモル)使用したこと以外は実施例1と同様にして開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは13,200、Mw/Mnは1.04であった。得られた開環メタセシス重合体水素添加物10.0グラムを、撹拌機及び冷却還流基を装着した1000ミリリットルのフラスコに装入し、そこにtert−ブチルアルコール300ミリリットル、ベンゼン200ミリリットル、及びパラトルエンスルホン酸75ミリグラムを加え、撹拌しながら5時間還流させながら反応させた。その後、減圧濃縮して全量を50グラムとし、メタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重合体を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは17,400、Mw/Mnは1.07であった。1HNMRから算出すると、重合体中のカルボン酸基とtert−ブチルエステル基との比はほぼ50/50であった。
【0059】
実施例3
実施例1において開環メタセシス重合触蝶として用いたMo(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe3)(0But2に代えてW(N−2,6−C63Me2)(CHCHCMe2)(PMe3)(0But2を90ミリグラム(0.15ミリモル)を使用し、1,5−ヘキサジエン493ミリグラム(6.0ミリモル)を共存させ、重合温度を50℃で行った以外は実施例1と同様にして開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは10,300、Mw/Mnは1.37であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10.0グラムを実施例1と同様に加水分解反応を行い、同様に後処理して、白色粉末状の加水分解された開環メタセシス重合体水素添加物を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは11,100、Mw/Mnは1.42であった。
得られた加水分解された開環メタセシス重合体水素添加物5.0グラムを、撹拌機及び内容積100ミリリットルの滴下ロートを装着した500ミリリットルのフラスコに装入し、そこに塩化メチレン150ミリリットル、及び触媒としてパラトルエンスルホン酸ピリジン塩2.5ミリグラムを加え、温度を25℃に保ちながら滴下ロートより3,4−ジヒドロ−2H−ピラン1.68グラム(20.0ミリモル)を塩化メチレン50ミリリットルに溶解させた溶液を20分かけて滴下した。そのまま空気雰囲気下で5時間反応させた。この液をメタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重合体を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは14,800、Mw/Mnは1.49であった。1HNMRから算出すると重合体中のカルボン酸基と2−テトラヒドロピラニル基との比はほぼ50/50であった。
【0060】
参考例4
実施例1において環状オレフィン系単量体として用いたテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物の量を3.5グラム(15.4ミリモル)に代え、更に8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン6.0グラム(23.0ミリモル)を使用し、反応時間を1時間に変えた以外は実施例3と同様にして開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは9,800、Mw/Mnは1.27であった。得られた開環メタセシス重合体水素添加物9.0グラムを、撹拌機及び冷却還流基を装着した1000ミリリットルのフラスコに装入し、そこにtert−ブチルアルコール300ミリリットル、ベンゼン200ミリリットル、及びパラトルエンスルホン酸50ミリグラムを加え、撹拌しながら5時間還流させながら反応させた。その後、減圧濃縮して全量を50グラムとし、メタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重合体を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは12,900、Mw/Mnは1.07であった。
【0061】
比較例1
窒素下で磁気攪件装置を備えた500ミリリットルのオートクレーブに環状オレフィン系単量体としてテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物10.0グラム(43.4ミリモル)を1,2ジクロロエタン300ミリリットルに溶解し攪件を行った。これに開環メタセシス重合触蝶として六塩化タングステンのクロロベンゼン溶液(0.23ミリモル)とパラアルデヒドの1,2−ジクロロエタン溶液(0.13ミリモル)と分子量調節剤として1−ヘキセン(0.38グラム)と助触媒としてイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.50ミリモル)を加え、60℃で2時間反応させた。この重合液を多量のメタノール中に加え、反応を停止させ、開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して3.5グラムの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、1000ミリリットルのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末3.0グラムをTHF300ミリリットルに溶解して、水素添加触媒として予め調製したジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム1.6ミリグラム(0.0013ミリモル)とトリエチルアミン0.7ミリグラム(0.0065ミリモル)のTHF26ミリリットル溶液を加え、水素圧8.1MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは25,300、数平均分子量Mnは7,300、Mw/Mnは3.47であった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の酸解離性基を有する重合体及びその製造方法は、耐熱性、耐熱分解性、光透過性等に優れた紫外線や遠紫外線を用いた半導体微細加工用フォトレジストに適した重合体及びその製造方法であり、工業的に極めて価値がある。

Claims (4)

  1. 一般式(2)
    Figure 0003703277
    (式中、R 2 〜R 3 はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキルまたはニトリルから選ばれ、mは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加した後、酸無水物基の少なくとも一部を加水分解し、更にビニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類と反応させることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 0003703277
    (式中、R1は酸により解離する基であり、R2〜R3はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキルまたはニトリルから選ばれ、mは0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位を有し、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であり、かつGPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜100,000である、酸解離性基を有する狭分散性重合体の製造方法
  2. 1が、アルコキシアルキル基または3−オキソアルキル基である請求項1記載の狭分散性重合体の製造方法
  3. 1が、2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチルまたは1−tert−ブトキシエチルである請求項1記載の狭分散性重合体の製造方法
  4. 一般式(2)で表される環状オレフィン系単量体をオレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス触媒で重合することを特徴とする請求項1から3記載の狭分散性重合体の製造方法。
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