JP2003128766A - 開環重合体および開環重合体水素化物の製造方法 - Google Patents
開環重合体および開環重合体水素化物の製造方法Info
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Abstract
するノルボルネン系開環重合体およびその水素化物を効
率よく製造する。 【解決手段】 ルテニウム触媒の存在下、ヒドロキシル
基またはカルボキシル基含有ノルボルネン系モノマーを
開環重合させるに際し、(1)ノルボルネン環の5位ま
たは6位の炭素原子に、1個の炭素原子を介してヒドロ
キシル基が結合し、またはカルボキシル基が直接結合
し、かつエンド体とエキソ体の総量に対するエキソ体含
有量が90重量%以上であるモノマー;(2)ノルボル
ネン環の5位または6位の炭素原子に、直接または2〜
10個の炭素原子を含む置換基を介してヒドロキシル基
が結合したモノマー;および(3)ノルボルネン環の5
位または6位の炭素原子に、1〜10個の炭素原子を含
む置換基を介してカルボキシル基が結合したモノマー;
からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを
用いる。
Description
環重合体および該重合体水素化物の新規な製造方法に関
する。
含むノルボルネン系モノマーの開環重合体およびその水
素化物は、耐熱性、電気特性、低吸水性などに優れた極
性官能基含有ポリマーとして注目されている。また、該
ポリマーは、金属やガラスなどの無機材料に対する密着
性に優れ、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色
剤、硬化剤、難燃剤などの有機材料との相溶性にも優れ
るため、広範な複合材料用途への利用が期待されてい
る。
方法としては、例えば、エステル基を含有するノルボル
ネン系モノマーを開環重合した後、場合によってはさら
に水素化した後、ポリマー中に導入されたエステル基を
加水分解する方法(特開平5−97978、特開200
1−139776);カルボン酸無水物基を含有するノ
ルボルネン系モノマーを開環重合した後、場合によって
はさらに水素化した後、ポリマー中に導入されたカルボ
ン酸無水物基を加水分解または加アルコール分解する方
法(特開平11−130843);などが知られてい
る。
ドロキシル基またはカルボキシル基に変換可能な前駆置
換基を有するノルボルネン系モノマーを重合した後、場
合によってはさらに水素化した後に、該前駆置換基をヒ
ドロキシル基またはカルボキシル基に変換する方法であ
る。従って、製造工程数が多くなり、製造装置も複雑に
なるという問題を有していた。そこで、前駆置換基を有
するモノマーを経由することなく、ヒドロキシル基また
はカルボキシル基を含むノルボルネン系モノマーを、直
接的に開環重合する方法の開発が望まれていた。
て、近年報告された官能基に対して安定性の高いルテニ
ウム化合物を用いるノルボルネン系モノマーの開環重合
法(WO93/20111号公報など)があり、例え
ば、WO99/51344号公報には、5−カルボキシ
−2−ノルボルネンの重合例が記載されている。
に入手可能な5−ヒドロキシメチル−2−ノルボルネ
ン、5,6−ジヒドロキシメチル−2−ノルボルネン、
5−カルボキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジカルボ
キシ−2−ノルボルネンなどの、ノルボルネン環の5位
または6位にヒドロキシルメチル基またはカルボキシル
基を有するモノマーを、ルテニウム化合物(触媒)を用
いて重合しようとしても、それらのモノマーの重合活性
は低く、多量の触媒を使用する必要があった。
問題点と実情に鑑み、本発明の目的は、ヒドロキシル基
またはカルボキシル基に変換可能な前駆置換基を有する
モノマーを用いることなく、ヒドロキシル基またはカル
ボキシル基含有ノルボルネン系モノマーを開環重合させ
て、ノルボルネン系開環重合体およびその水素化物を効
率よく、工業的有利に製造する方法を提供することにあ
る。
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、5−ヒドロ
キシメチル−2−ノルボルネン、5,6−ジヒドロキシ
メチル−2−ノルボルネン、5−カルボキシ−2−ノル
ボルネン、5,6−ジカルボキシ−2−ノルボルネンの
ような、ノルボルネン環の5位または6位にヒドロキシ
メチル基またはカルボキシル基が結合したモノマーには
エンド体およびエキソ体の立体異性体が存在するが、エ
ンド体のみが特異的にルテニウム触媒の重合活性を阻害
することを見出し、本発明を完成するに至った。
合体の製造方法は、ルテニウム系メタセシス触媒の存在
下、ルテニウム化合物の存在下、ヒドロキシル基または
カルボキシル基含有ノルボルネン系モノマーを開環重合
させるに際し、(1)ノルボルネン環の5位または6位
の炭素原子に、1個の炭素原子を介してヒドロキシル基
が結合し、またはカルボキシル基が直接結合し、かつエ
ンド体とエキソ体の総量に対するエキソ体含有量が90
重量%以上であるモノマー;(2)ノルボルネン環の5
位または6位の炭素原子に、直接または2〜10個の炭
素原子を含む置換基を介してヒドロキシル基が結合した
モノマー;および(3)ノルボルネン環の5位または6
位の炭素原子に、1〜10個の炭素原子を含む置換基を
介してカルボキシル基が結合したモノマー;からなる群
より選択される少なくとも1種のモノマーを用いること
を特徴とする。
ボキシル基含有ノルボルネン系開環重合体水素化物の製
造方法は、上記の方法によりノルボルネン系開環重合体
の製造する工程(A)と、該重合体の炭素−炭素二重結
合を水素化する工程(B)とを含むものである。
ネン系モノマー、ルテニウム系メタセシス触媒、ノルボ
ルネン系開環重合体の製法、ノルボルネン系開環重合体
水素化物の製法の項目に分けて詳細に説明する。
モノマーを「モノマー」と、ルテニウム系メタセシス触
媒を「ルテニウム触媒」または「触媒」と略記すること
がある。また、ノルボルネン系開環重合体を「重合体」
と、ノルボルネン系開環重合体水素化物を「水素化物」
と略記することもある。
ボルネン系開環重合体の製造方法、および該重合体水素
化物の製造方法においては、ヒドロキシル基またはカル
ボキシル基含有ノルボルネン系モノマーが用いられる。
ここでノルボルネン系モノマーとは、分子内にノルボル
ネン環構造を有するモノマーをいう。該ノルボルネン環
構造においては、橋頭部炭素原子のいずれか一方の位置
番号を1位として、2位および3位の炭素原子が炭素−
炭素二重結合により互いに結合し、その5位または6位
炭素原子にヒドロキシル基またはカルボキシル含有置換
基が結合している。
(1)ノルボルネン環の5位または6位の炭素原子に、
1個の炭素原子を介してヒドロキシル基が結合し、また
はカルボキシル基が直接結合し、かつエンド体とエキソ
体の総量に対するエキソ体含有量が90重量%以上であ
るモノマー;(2)ノルボルネン環の5位または6位の
炭素原子に、直接または2〜10個の炭素原子を含む置
換基を介してヒドロキシル基が結合したモノマー;およ
び(3)ノルボルネン環の5位または6位の炭素原子
に、1〜10個の炭素原子を含む置換基を介してカルボ
キシル基が結合したモノマー;からなる群より選択され
る。
とエキソ体の総量に対するエキソ体含有量が90重量%
以上であることが必須である。エキソ体含有量が90重
量%未満の場合、本発明の目的を達成することは困難で
ある。前記(2)および前記(3)に属するモノマーに
ついては、エンド体とエキソ体の総量に対するエキソ体
含有量は特に限定されない。
ボルネン環の5位または6位の炭素原子に1個の炭素原
子を介してヒドロキシル基が結合し、かつエンド体とエ
キソ体の総量に対するエキソ体含有量が90重量%以上
であるモノマー;および(1−b)ノルボルネン環の5
位または6位の炭素原子にカルボキシル基が直接結合
し、かつエンド体とエキソ体の総量に対するエキソ体含
有量が90重量%以上であるモノマー;の2つのモノマ
ー群からなる。
の5位または6位の炭素原子とヒドロキシル基の間に介
在する1個の炭素原子は、メチレン基(−CH2−)の
みならず、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子またはケ
イ素原子を含む炭素数1〜10の炭化水素基が該メチレ
ン基に置換していてもよい。
ドロキシメチル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−
ヒドロキシメチル−2−ノルボルネン、5,6−ジヒド
ロキシメチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。前
記(1−b)としては、例えば、5−カルボキシ−2−
ノルボルネン、5,6−ジカルボキシ−2−ノルボルネ
ン、5−メチル−5−カルボキシ−2−ノルボルネンな
どが挙げられる。
ソ体含有量をエキソおよびエンド体の全量に対して90
重量%以上にする方法は特に限定されない。例えば、分
別結晶法や精密蒸留法によるエンド体の除去、エンド体
のエキソ体への異性化反応など工業的に通常用いられる
方法に従って、エキソ体含有量を90重量%以上にすれ
ばよい。
ドロキシル基がノルボルネン環に直接結合したものとし
ては、5−ヒドロキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジ
ヒドロキシ−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
子を含む置換基を介してヒドロキシル基が結合したモノ
マーにおいて、ノルボルネン環とヒドロキシル基との間
に介在する2〜10個の炭素原子を含む置換基は、単に
アルキレン基を示すのみならず、アルキレンカルボニル
基、アルキレンカルボニルアルキレン基、アルキレンオ
キシカルボニル基、アルキレンオキシカルボニルアルキ
レン基、アルキレンアミノ基、アルキレンアミド基、ア
ルキレンイミド基なども含むものである。また、かかる
介在基には、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子または
ケイ素原子を含む炭素数1〜10の炭化水素基が置換し
ていてもよい。
ン系モノマーとしては、例えば、5−ヒドロキシエチル
−2−ノルボルネン、5,6−ジヒドロキシエチル−2
−ノルボルネン、5−(3−ヒドロキシプロピル)−2
−ノルボルネン、5−(p−ヒドロキシフェニル)−2
−ノルボルネン、5−(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)−2−ノルボルネン、5−ヒドロキシエトキシカル
ボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−ヒドロキ
シエトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−ヒドロ
キシプロポキシカルボニル−2−ノルボルネン、5―メ
チル−5−ヒドロキシプロポキシカルボニル−2−ノル
ボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)−2−ノルボルネン、N−ヒドロキシ−2−ノルボ
ルネン−5,6−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ
エチル−2−ノルボルネン−5,6−ジカルボキシイミ
ド、N−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ノルボルネ
ン−5,6−ジカルボキシイミドなどが挙げられる。
ン誘導体にシクロペンタジエンがディールズ・アルダー
付加したテトラシクロドデセン誘導体、8−ヒドロキシ
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
9−ジヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,8−ジヒド
ロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセンなども挙げることができる。
−カルボキシメチル−2−ノルボルネン、5,6−ジカ
ルボキシメチル−2−ノルボルネン、5−カルボキシエ
チル−2−ノルボルネン、5−(p−カルボキシフェニ
ル)−2−ノルボルネン、5−(4−カルボキシシクロ
ヘキシル)−2−ノルボルネン、N−カルボキシ−2−
ノルボルネン−5,6−ジカルボキシイミド、N−カル
ボキシメチル−2−ノルボルネン−5,6−ジカルボキ
シイミドなどのカルボキシル基含有ノルボルネン誘導体
が挙げられる。
ン誘導体にシクロペンタジエンがディールズ・アルダー
付加したテトラシクロドデセン誘導体、8−カルボキシ
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジカルボキシテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセンなども挙げること
ができる。
(3)の群から選択されるモノマーの単独重合のみなら
ず、2種以上の共重合を含むものである。また、前記
(1)〜(3)の群から選択されるモノマーと共重合可
能な他の任意のモノマーとの共重合をも含むものであ
る。
えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、
5−シクロへキシル−2−ノルボルネン、5−シクロへ
キセニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフ
ルオレン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などの置換基を有しないあるいは置換基として炭化水素
基を有するノルボルネン系モノマー;
ン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボ
ルネン、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水
物、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミド、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセンなどの官能基を有
するモノマー;シクロペンテン、シクロオクテンなどの
単環の環状オレフィン類;シクロヘキサジエン、シクロ
ヘプタジエン、シクロオクタジエンなどのジオレフィン
類;などが挙げられる。
ネン系開環重合体の製造方法においては、公知のルテニ
ウム系メタセシス触媒が用いられる。該触媒は、中心金
属としてルテニウムが存在し、開環メタセシス重合活性
を示すものであれば特に限定されない。通常、ルテニウ
ムに中性の電子供与性配位子が配位し、好ましくは更に
アニオン性配位子が配位し、より好ましくは更にルテニ
ウム−カルベン結合を有するものである。また、前記ア
ニオン性配位子とは別に、対アニオンが存在していても
よい。
中心金属であるルテニウムから引き離されたときに中性
の電荷を持つ配位子をいう。また、「アニオン性配位
子」とは、ルテニウムから引き離されたときに負の電荷
を持つ配位子である。「対アニオン」とは、ルテニウム
陽イオンとイオン対を形成する陰イオンをいい、こうし
た対を形成できる陰イオンであれば特に限定されない。
水、カルボニル類、アミン類、ピリジン類、エ−テル
類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、ホスフィ
ナイト類、ホスファイト類、スチビン類、スルホキシド
類、チオエーテル類、アミド類、芳香族炭化水素類、ジ
オレフィン類(環状であってもよい)、オレフィン類
(環状であってもよい)、イソシアニド類、チオシアネ
−ト類、複素環式カルベン化合物などが挙げられる。
ン類、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スフィンなどのホスフィン類、p−シメンなどの芳香族
炭化水素類、シクロペンタジエンなどの環状ジオレフィ
ン類、1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデ
ン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン
などの複素環式カルベン化合物が好ましい。
l、Iなどのハロゲン、ヒドリド、アセチルアセトナー
ト基などのジケトナート基、シクロペンタジエニル基、
アリル基、アルケニル基、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールカルボキシル基、カルボキシル基、アルキ
ルまたはアリールスルフォネート基、アルキルチオ基、
アルケニルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニ
ル基、アルキルスルフィニル基などが挙げられる。これ
らの中でも、ハロゲン、シクロペンタジエニル基、アリ
ル基、アルキル基、アリール基が好ましい。
H6)4 −、PF6 −、SbF6 −、ClO4 −、IO
4 −、p−トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロ
メタンスルホン酸アニオンなどが挙げられる。これらの
中でも、BF4 −、B(C6H6)4 −、PF6 −、S
bF6 −が好ましい。
下記式(1)〜(3)で表されるものが挙げられる。
中性電子供与性配位子を表わし、Y1は互いに独立に任
意のアニオン性配位子を示す。L1および/またはY1
の2個、3個または4個は互いに結合して多座キレート
配位子を形成してもよい。a、bは1〜4の整数で、x
は1〜6の整数である。)
電子供与性配位子が配位した触媒、または更にアニオン
性配位子が配位した触媒としては、例えば、ビス(シク
ロペンタジエニル)ルテニウム、クロロ(シクロペンタ
ジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウ
ム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム、シス−ジクロロビス(2,2’−ビピリジル)ル
テニウム・二水和物、ジクロロビス〔(p−シメン)ク
ロロルテニウム〕〕、ジクロロ(2,7−ジメチルオク
タ−2,6−ジエン−1,8−ジイル)ルテニウムなど
が挙げられる。
電子供与性配位子を表し、Y2は互いに独立にアニオン
性の配位子を表す。Qは互いに独立して水素または炭素
数1〜20個の炭化水素基(ハロゲン原子、窒素原子、
酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子を含んでいて
もよい)を表す。c、d、yはそれぞれ1〜4の整数を
表し、eは0または1を表す。)
ば、水素、アルケニル基、アルキニル基、アルキル基、
アルキリデン基、アリール基、カルボキシル基、アルコ
キシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、ア
リールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチ
オ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アルキルス
ルホニル基、アルキルスルフィニル基などが挙げられ
る。これらの中でも、アルキル基、アルキリデン基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基が好ましい。
ン結合を有する触媒としては、例えば、ビス(トリシク
ロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロ
リド、ビス(トリフェニルホスフィン)−3,3−ジフ
ェニルプロペニリデンルテニウムジクロリド、ビス(ト
リシクロヘキシルホスフィン)フェニルビニリデンルテ
ニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス
(1,3−ジイソプロピルイミダゾリン−2−イリデ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3
−ジシクロヘキシルイミダゾリン−2−イリデン)ベン
ジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル
イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホ
スフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,
3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリ
シクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジ
クロリドなどが挙げられる。
子供与性配位子を表し、Y3は互いに独立にアニオン性
配位子を表す。Xは対アニオンを表す。f、gは1〜4
の整数を表し、zは1または2である。)
するで触媒としては、例えば、[(p−シメン)(CH
3CN)3Ru](BF4)2、[(C6H6)(CH
3CN)2(Cl)Ru](BF4)、[(C6H6)
(CH3CN)3Ru](PF6)2、[(CH3C
N)2(Cl)(2,7−ジメチルオクタ−2,6−ジ
エン−1,8−ジイル)Ru](BF4)、[(CH3
CN)3(2,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−
1,8−ジイル)Ru](BF4)2などが挙げられ
る。
中でも、式(2)が高い重合活性を示すので、好ましく
用いられる。また、式(1)〜(3)で表わされる触媒
の重合活性を高める方法として、ピリジン類、ホスフィ
ン類、中性の電子供与性化合物(例えば、1,3−ジイ
ソプロピルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメ
シチルイミダゾリジン−2−イリデンなどの複素環式カ
ルベン化合物)などをルテニウム金属に対して、重量比
で1〜100倍の割合で添加して併用することができ
る。
の重合活性を高める別の方法として、例えば、N2CH
COOEtなどのジアゾ化合物、フェニルアセチレンな
どのアセチレン化合物またはEt2SiH、Ph2Me
SiHなどのシリル化合物を、ルテニウム金属に対し
て、重量比で1〜100倍の割合で添加することもでき
る。Etはエチル基、Phはフェニル基、Meはメチル
基である。
明の開環メタセシス重合は、溶媒の存在下または不存在
下で行うことができる。重合反応終了後、生成した重合
体を単離せずに、そのまま水素化反応を行う場合は、溶
媒中で重合する方が好ましい。溶媒は生成する重合体を
溶解し、かつ重合反応を阻害しない溶媒であれば特に限
定されない。
ン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシク
ロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタ
レン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒ
ドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂
環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ
レンなどの芳香族炭化水素;
トリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどの含窒
素系炭化水素;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエ−テル類;アセトン、エチルメ
チルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなど
のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エ
チル、安息香酸メチルなどのエステル類;クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなど
のハロゲン系炭化水素;などが挙げられる。
環族炭化水素、エーテル類、ケトン類、エステル類を使
用するのが好ましい。溶媒中のノルボルネン系モノマー
の濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは
2〜45重量%、さらに好ましくは5〜40重量%であ
る。モノマー濃度が1重量%未満では重合体の生産性が
悪くなることがあり、50重量%を超えると重合後の粘
度が高すぎて、その後の水素化などが困難となることが
ある。
ウムに対するモノマーのモル比で、金属ルテニウム:単
量体=1:100〜1:2,000,000、好ましく
は1:500〜1:1,000,000、より好ましく
は1:1,000〜1:500,000である。触媒量
が前記モル比よりも多すぎると触媒除去が困難となるこ
とがあり、少なすぎると十分な重合活性が得られないこ
とがある。
てもよいし、溶解せずにそのまま添加してもよい。触媒
溶液を調製する溶媒としては、前記重合反応溶媒と同様
の溶媒が挙げられる。
00℃〜200℃、好ましくは−50℃〜180℃、よ
り好ましくは−30℃〜160℃、さらに好ましくは0
℃〜140℃である。重合時間は、通常1分〜100時
間であり、反応の進行状況に応じて適宜調節することが
できる。
量を調整するために、分子量調整剤を用いることができ
る。そのような分子量調整剤としては、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフ
ィン;スチレン、ビニルトルエンなどのスチレン類;エ
チルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテルなどのエーテル類;アリルクロラ
イドなどのハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、ア
リルアルコール、グリシジルメタクリレートなど酸素含
有ビニル化合物;アクリロ二トリル、アクリルアミドな
どの窒素含有ビニル化合物などが挙げられる。モノマー
に対して、分子量調整剤を0.1〜100モル%使用す
ることにより、所望の分子量を有する重合体を得ること
ができる。
法)本発明のヒドロキシル基またはカルボキシル基含有
ノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法は、前述
の方法によりノルボルネン系開環重合体の製造する工程
(A)と、該重合体の炭素−炭素二重結合を水素化する
工程(B)とを含むものである。
媒の存在下に水素を導入し、ノルボルネン系開環重合体
の主鎖中の炭素−炭素二重結合を飽和単結合に変換する
反応である。水素化触媒は特に限定されず、オレフィン
化合物の水素化に際して一般的に使用されているものを
適宜採用すればよい。
酢酸コバルトとトリエチルアルミニウム、ニッケルアセ
チルアセトナートとトリイソブチルアルミニウム、チタ
ノセンジクロリドとn−ブチルリチウム、ジルコノセン
ジクロリドとsec−ブチルリチウム、テトラブトキシ
チタネートとジメチルマグネシウムのような遷移金属化
合物とアルカリ金属化合物の組み合わせからなるチーグ
ラー系触媒;
ム触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジ
ウム、特開平7−2929、特開平7−149823、
特開平11−209460、特開平11−15825
6、特開平11−193323、特開平11−2094
60などに記載されるルテニウム化合物からなる貴金属
錯体触媒;などの均一系触媒が挙げられる。
ウム、ルテニウムなどの金属を、カーボン、シリカ、ケ
イソウ土、アルミナ、酸化チタンなどの担体に担持させ
た不均一触媒、例えば、ニッケル/シリカ、ニッケル/
ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボ
ン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パ
ラジウム/アルミナなどを用いることもできる。
ン系開環重合体に含有される極性官能基が変性するなど
の副反応が起きず、該重合体中の炭素−炭素二重結合を
選択的に水素化できる点から、ロジウム、ルテニウムな
どの貴金属錯体触媒およびパラジウム/カーボンなどの
パラジウム担持触媒が好ましく、前記式(1)〜(3)
で示されるルテニウム触媒、パラジウム担持触媒がより
好ましい。
ム触媒は、前記工程(A)の重合反応に用いられるの
で、重合反応終了後、該触媒をそのまま水素化触媒とし
て使用することが好ましい。このように重合反応と水素
化反応を連続的に行う場合、エチルビニルエーテルなど
のビニル化合物やα−オレフィンなどの触媒改質剤を添
加して該触媒を活性化させてから、水素化反応を開始す
ることも好まく採用される。また、別種の水素化触媒を
併用することもできる。
る。有機溶媒は生成する水素化物の溶解性により適宜選
択することができ、前記重合溶媒と同様の有機溶媒を使
用することができる。したがって、重合反応後、溶媒を
入れ替えることなく、そのまま水素化触媒を添加して反
応させることもできる。
種類に応じて適宜選択すればよい。反応温度は、通常−
20〜250℃、好ましくは−10〜220℃、より好
ましくは0〜200℃である。−20℃未満では反応速
度が遅くなり、逆に250℃を超えると副反応が起こり
やすくなる。水素の圧力は、通常0.01〜10.0M
Pa、好ましくは0.05〜8.0MPa、より好まし
くは0.1〜5.0MPaである。水素圧力が0.01
MPa未満では水素化速度が遅くなり、10.0MPa
を超えると高耐圧反応装置が必要となる。
ールするために適宜選択される。反応時間は、通常0.
1〜50時間の範囲であり、重合体中の主鎖の炭素−炭
素二重結合のうち50%以上、好ましくは70%以上、
より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上
を水素化することができる。
たはカルボキシル基を含むノルボルネン系モノマーの開
環重合体水素化物は、耐熱性や電気特性などに優れる。
従って、プラスチックレンズ、球形レンズ、非球形レン
ズ、複写機レンズ、ビデオカメラコンバータレンズ、光
ディスク用ピックアップレンズ、車両部品用レンズなど
の耐熱性光学部品材料;半導体封止用材料、半導体アン
ダーフィルム用材料、半導体保護膜用材料、液晶封止用
材料、回路基材材料、回路保護用材料、平坦化膜材料電
気絶縁膜材料などの電子部品用材料;などの用途に好適
に使用することができる。
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
何ら限定されるものではない。 (1)分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル
・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)に
よるポリスチレン換算値として測定した。 (2)重合体中の単量体組成比は、プロトンNMRスペ
クトルにより測定した。 (3)水素化率は、プロトンNMRスペクトルにより測
定した。
テトラヒドロフラン360部、5,6−ジヒドロキシメ
チル−2−ノルボルネン(5位および6位置換基ともに
エキソ体>98重量%)46.3部、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン4
8.0部、および1−ヘキセン0.29部を仕込んだ。
テトラヒドロフラン40部に溶解した(1,3−ジメシ
チルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキ
シルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド
0.05部を添加して、70℃で重合を行った。2時間
後、重合反応液を多量のイソプロパノールに注いで固形
分を析出させ、濾別洗浄後、40℃で18時間減圧乾燥
して開環メタセシス重合体を得た。
8%)であった。分子量(ポリスチレン換算)は、数平
均分子量(Mn)=32,100、重量平均分子量(M
w)=59,500であった。重合体中の単量体組成比
は5,6−ジヒドロキシメチル−2−ノルボルネン(5
位および6位置換基ともにエキソ体>98%)/テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン=52/48(モル/モル)であった。
ドロキシメチル−2−ノルボルネン(5位置および6位
置換基ともにエキソ体>98重量%)を、5,6−ジヒ
ドロキシメチル−2−ノルボルネン(5位および6位置
換基ともにエンド体>98重量%)に代えたこと以外
は、実施例1と同様に重合した。得られた重合体の収量
は1部(収率=1%)であった。分子量(ポリスチレン
換算)は、数平均分子量(Mn)=8,100、重量平
均分子量(Mw)=19,200であった。重合体中の
単量体組成比は5,6−ジヒドロキシメチル−2−ノル
ボルネン(5位および6位置換基ともにエンド体>98
%)/テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1
0]−3−ドデセン=24/76(モル/モル)であっ
た。
ドロキシメチル−2−ノルボルネン(5位および6位置
換基ともにエキソ体>98%)46.3部を5−ヒドロ
キシ−2−ノルボルネン(5位置換基のエンド体/エキ
ソ体比=77/23)33.0部に代え、1−ヘキセン
の仕込み量を0.51部に代えたこと以外は、実施例1
と同様に重合した。得られた重合体の収量は79部(収
率=98%)であった。分子量(ポリスチレン換算)
は、数平均分子量(Mn)=16,300、重量平均分
子量(Mw)=33,000であった。重合体中の単量
体組成比は5−ヒドロキシ−2−ノルボルネン/テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン=50/50(モル/モル)であった。
ドロキシメチル−2−ノルボルネン(5位および6位置
換基ともにエキソ体>98%)46.3部を5−ヒドロ
キシエチル−2−ノルボルネン(5位置換基のエンド体
/エキソ体比=74/26)46.8部に代え、テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン48.0部をジシクロペンタジエン39.7部に代
えたこと以外は、実施例1と同様に重合した。得られた
重合体の収量は68部(収率=79%)であった。分子
量(ポリスチレン換算)は、数平均分子量(Mn)=2
6,200、重量平均分子量(Mw)=75,500で
あった。重合体中の単量体組成比は5−ヒドロキシエチ
ル−2−ノルボルネン/ジシクロペンタジエン=51/
49(モル/モル)であった。
シエチル−2−ノルボルネン(エンド/エキソ比=74
/26)46.8部を、5−ヒドロキシメチル−2−ノ
ルボルネン(5位置換基のエンド体/エキソ体比=72
/28)37.2部に代えたこと以外は、実施例3と同
様に重合した。得られた重合体の収量は6部(収率=8
%)であった。分子量(ポリスチレン換算)は、数平均
分子量(Mn)=21,100、重量平均分子量(M
w)=57,300であった。重合体中の単量体組成比
は5−ヒドロキシメチル−2−ノルボルネン/ジシクロ
ペンタジエン=50/50(モル/モル)であった。
ドロキシメチル−2−ノルボルネン(5位および6位置
換基ともにエキソ体>98重量%)46.3部を、5−
ヒドロキシエトキシカルボニル−2−ノルボルネン(5
位置換基のエンド体/エキソ体比=77/23)61.
8部に代えたこと以外は、実施例1と同様に重合した。
得られた重合体の収量は77部(収率=70%)であっ
た。分子量(ポリスチレン換算)は、数平均分子量(M
n)=26,500、重量平均分子量(Mw)=60,
000であった。重合体中の単量体組成比は5−ヒドロ
キシエトキシカルボニル−2−ノルボルネン/テトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン=54/46(モル/モル)であった。
400部に溶解した後、攪拌機付きオートクレーブに仕
込み、次いでビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベ
ンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド0.05部及
びエチルビニルエーテル0.39部をテトラヒドロフラ
ン20部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧
4.5MPa、120℃で6時間水素化反応を行った。
反応終了後、反応液を多量のイソプロパノールに注いで
ポリマ−を完全に析出させ、濾別洗浄後、90℃で18
時間減圧乾燥した。得られた水素化物の分子量(ポリス
チレン換算)は、数平均分子量(Mn)=27,80
0、重量平均分子量(Mw)=61,800であった。
ヒドロキシ基およびエステル基が完全に保存され、主鎖
中の炭素−炭素二重結合の99%以上が水素化されてい
ることをプロトンNMRにより確認した。
テトラヒドロフラン360部、8−カルボキシ−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン74.8部、テトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン25.2部、お
よび1−ヘキセン4.4部を仕込んだ。テトラヒドロフ
ラン40部に溶解した(1,3−ジメシチルイミダゾリ
ジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.04部を添
加して、70℃で重合を行った。2時間後、重合反応液
を多量のn−ヘキサンに注いで固形分を析出させ、濾別
洗浄後、40℃で18時間減圧乾燥し開環メタセシス重
合体を得た。該重合体の収量は91部(収率=91%)
であった。分子量(ポリスチレン換算)は、数平均分子
量(Mn)=3,210、重量平均分子量(Mw)=
4,990であった。重合体中の単量体組成比は8−カ
ルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン/テトラシクロ[4.4.0.
1 2,5.17,10]−3−ドデセン=71/29
(モル/モル)であった。
400部に溶解した後、攪拌機付きオートクレーブに仕
込み、次いで10%パラジウム/カーボン5部を添加
し、水素圧4.5MPa、60℃で6時間水素化反応を
行った。反応終了後、反応液を多量のn−ヘキサンに注
いでポリマ−を完全に析出させ、濾別洗浄後、90℃で
18時間減圧乾燥した。水素化物の分子量(ポリスチレ
ン換算)は、数平均分子量(Mn)=4,070、重量
平均分子量(Mw)=6,160であった。カルボキシ
ル基が完全に保存され、主鎖中の炭素−炭素二重結合の
99%以上が水素化されていることをプロトンNMRに
より確認した。
シ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]
−3−ドデセン74.8部を、5−カルボキシ−2−ノ
ルボルネン(エンド/エキソ比=82/18)38.7
部に代えたこと以外は実施例5と同様にして重合した。
しかし、重合体は得られなかった。
に、テトラヒドロフラン360部、8−ヒドロキシメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン61.2部、テトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン48.0部、お
よび1−ヘキセン0.29部を仕込んだ。テトラヒドロ
フラン40部に溶解した(1,3−ジメシチルイミダゾ
リジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05部を添
加して、70℃で2時間重合を行った。重合反応溶液の
一部を採取して実施例1と同様にして分析したところ、
収率は95%で、分子量(ポリスチレン換算)は、数平
均分子量(Mn)=29,200、重量平均分子量(M
w)=57,700であった。重合体中の単量体組成比
は、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン/テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン5
0/50(モル/モル)であった。
ラン20部に溶解したビニルエチルエーテル0.39部
を添加し、水素圧4.5MPa、120℃で6時間水素
化反応を行った。水素化反応液を多量のイソプロパノー
ルに注いでポリマ−を完全に析出させ、濾別洗浄後、9
0℃で18時間減圧乾燥した。分子量(ポリスチレン換
算)は、数平均分子量(Mn)=31,200、重量平
均分子量(Mw)=60,100であった。ヒドロキシ
基が完全に保存され、主鎖中の炭素−炭素二重結合の9
9%以上が水素化されていることをプロトンNMRによ
り確認した。
素化物の製造方法は、ヒドロキシル基またはカルボキシ
ル基に変換可能な前駆置換基を有するノルボルネン系モ
ノマーを用いることなく、ヒドロキシル基またはカルボ
キシル基含有ノルボルネン系開環重合体およびその水素
化物を極めて効率よく、工業的有利に製造することがで
きるという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】 ルテニウム系メタセシス触媒の存在下、
ヒドロキシル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン
系モノマーを開環重合させるに際し、(1)ノルボルネ
ン環の5位または6位の炭素原子に、1個の炭素原子を
介してヒドロキシル基が結合し、またはカルボキシル基
が直接結合し、かつエンド体とエキソ体の総量に対する
エキソ体含有量が90重量%以上であるモノマー;
(2)ノルボルネン環の5位または6位の炭素原子に、
直接または2〜10個の炭素原子を含む置換基を介して
ヒドロキシル基が結合したモノマー;および(3)ノル
ボルネン環の5位または6位の炭素原子に、1〜10個
の炭素原子を含む置換基を介してカルボキシル基が結合
したモノマー;からなる群より選択される少なくとも1
種のモノマーを用いることを特徴とするノルボルネン系
開環重合体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法によりノルボルネン
系開環重合体を製造する工程(A)と、該重合体の炭素
−炭素二重結合を水素化する工程(B)とを含む、ヒド
ロキシル基またはカルボキシル基含有ノルボルネン系開
環重合体水素化物の製造方法。
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JP2001330346A JP3928407B2 (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | 開環重合体および開環重合体水素化物の製造方法 |
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JP2007077279A (ja) * | 2005-09-14 | 2007-03-29 | Okayama Univ | ノルボルネン誘導体の開環重合体およびその製造方法 |
WO2012141313A1 (ja) * | 2011-04-14 | 2012-10-18 | 日立化成工業株式会社 | ノルボルナンジカルボン酸エステルの製造方法 |
-
2001
- 2001-10-29 JP JP2001330346A patent/JP3928407B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2012141313A1 (ja) * | 2011-04-14 | 2012-10-18 | 日立化成工業株式会社 | ノルボルナンジカルボン酸エステルの製造方法 |
CN103459365A (zh) * | 2011-04-14 | 2013-12-18 | 日立化成株式会社 | 降冰片烷二羧酸酯的制造方法 |
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