JP2005171234A - 新規な(共)重合体およびその製造方法並びにカルボキシル基含有(共)重合体の製造方法 - Google Patents

新規な(共)重合体およびその製造方法並びにカルボキシル基含有(共)重合体の製造方法 Download PDF

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Toshiyuki Hayakawa
俊之 早川
Iwakazu Hattori
岩和 服部
Akihiko Okubo
明彦 大久保
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Abstract

【課題】 カルボン酸シリルエステル残基を有する新規な(共)重合体およびその製造方法、並びにカルボキシル基含有(共)重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の(共)重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有することを特徴とする。また、本発明の(共)重合体は、下記一般式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする。
【化1】
Figure 2005171234

【化2】
Figure 2005171234

〔式中、nは0または1、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基、Xはエチレン基またはビニレン基である。〕
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のカルボン酸シリルエステル残基を有する新規な(共)重合体およびその製造方法並びにカルボキシル基含有(共)重合体の製造方法に関する。
従来、透明樹脂は、自動車部品、照明機器、電気部品などの通常の透明性が要求される材料として用いられており、このような透明樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂が知られている。
而して、近年、電子機器の小型・軽量化、高密度化の要求に伴い、光学材料、電子材料などの樹脂化が進められており、このような樹脂においては、光学透明性に加えて、熱安定性、機械的強度、耐吸湿性、寸法安定性、耐溶剤性などの特性に優れたものであることが求められている。例えば、従来、ガラス製の基板が使用されていた液晶表示素子においては、軽量化や落下の際における破損の軽減を図るために、最近では、樹脂製の基板が使用されるようになってきているが、使用される樹脂には、液晶表示素子の製造工程上、非常に高い熱安定性が求められる。
然るに、アクリル系樹脂は透明性に優れたものであるが、耐熱性や耐水性(低吸水性)などの点で問題がある。一方、ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性や耐水性においてはアクリル系樹脂より優れたものであるが、複屈折が大きいなどの問題がある。
そして、最近においては、透明性、耐水性、低複屈折性、耐熱性などの種々の特性に優れた樹脂として、環状オレフィン系重合体樹脂が注目されている。このような環状オレフィン系重合体樹脂としては、従来、環状オレフィン化合物の付加(共)重合体、開環(共)重合体およびその水素添加物などの種々の構造のものが提案されている(例えば特許文献1乃至特許文献6参照。)。
一方、エチレン/α−オレフィン共重合体エラストマーおよびエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン共重合体エラストマーなどのオレフィン系共重合体エラストマーは、耐熱性および耐候性に優れたエラストマー材料であるため、自動車部品、機械部品、土木建材などの材料として広く用いられている。また、オレフィン系共重合体エラストマーは、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂の改質剤としても広く用いられている。
然るに、このようなオレフィン系共重合体エラストマーは、分子構造中に、極性基または官能基を有しないため、金属に対する接着性、ポリオレフィン系以外のエラストマーまたは樹脂に対する接着性および相溶性が低く、得られる成形体における塗装性および印刷適性が低い、という問題がある。
このような理由から、カルボキシル基およびアミノ基などの官能基を有する環状オレフィン化合物をモノマー成分として用いることにより、官能基が導入されたオレフィン系共重合体が提案されている(例えば特許文献7乃至特許文献10等参照)。
しかしながら、カルボン酸シリルエステル残基を置換基として有する環状オレフィン化合物を用いた(共)重合体は知られていない。
また、カルボン酸シリルエステル残基は、そのエステル部位を加水分解処理することにより、容易にカルボキシル基となるため、カルボン酸シリルエステル残基を有する環状オレフィン化合物を(共)重合し、得られた(共)重合体を加水分解することにより、副反応を回避してカルボキシル基を有する(共)重合体を製造することが可能となるため、有利である。
特開平1−132625号公報 特開平1−132626号公報 特開平2−133413号公報 特開昭61−120816号公報 特開昭61−115912号公報 特開昭63−218726号公報 特公昭49−43275号公報 特開平1−259012号公報 特開昭64−54009号公報 特表平4−503963号公報
本発明の第1の目的は、カルボン酸シリルエステル残基を有する新規な(共)重合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記の(共)重合体からカルボキシル基含有(共)重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明の(共)重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有することを特徴とする。
Figure 2005171234
〔一般式(1)において、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
また、本発明の共重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位と、エチレンに由来する構造単位と、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位と、必要に応じて用いられる非共役ポリエンに由来する構造単位とを有することを特徴とする。
このような共重合体においては、上記一般式(1)で表される構造単位の含有割合が0.01〜30モル%、エチレンに由来する構造単位の含有割合が40〜90モル%、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位の含有割合が5〜60モル%、非共役ポリエンに由来する構造単位の含有割合が0〜12モル%であることが好ましい。
また、本発明の(共)重合体は、下記一般式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする。
Figure 2005171234
〔一般式(2)において、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示し、Xはエチレン基またはビニレン基を示す。〕
また、本発明の共重合体は、上記一般式(2)で表される構造単位と、その他の環状オレフィン化合物に由来する構造単位とを有することを特徴とする。
本発明の(共)重合体においては、上記一般式(1)または上記一般式(2)において、R1 、R2 およびR3 がそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
また、上記一般式(1)または上記一般式(2)において、R4 がメチル基であることが好ましい。
また、一般式(1)または一般式(2)において、nが1であることが好ましい。
本発明の(共)重合体の製造方法は、少なくとも下記一般式(3)で表される化合物を含む単量体を付加重合する工程を有することを特徴とする。
Figure 2005171234
〔一般式(3)において、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
また、本発明の共重合体の製造方法は、上記一般式(3)で表される化合物と、エチレンと、炭素数が3〜12のα−オレフィンと、必要に応じて用いられる非共役ポリエンとを付加重合する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の(共)共重合体の製造方法は、少なくとも上記一般式(3)で表される化合物を含む単量体を開環重合する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の共重合体の製造方法は、上記一般式(3)で表される化合物およびこれと共重合可能な他の環状オレフィン化合物を含む単量体を開環重合する工程を有することを特徴とする。
本発明のカルボキシル基含有(共)重合体の製造方法は、上記の(共)重合体におけるエステル部位を加水分解処理する工程を有することを特徴とする。
本発明の(共)重合体によれば、カルボン酸シリルエステル残基を有することによる特有の効果が得られる。例えば、カルボン酸シリルエステル残基は、そのエステル部位を加水分解することにより、容易にカルボキシル基に変換することができる。
そして、本発明の(共)重合体によれば、カルボキシル基含有(共)重合体を有利に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の(共)重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位(以下、「特定の構造単位(1)」という。)または上記一般式(2)で表される構造単位((以下、「特定の構造単位(2)」という。)を有するものである。このような(共)重合体は、少なくとも上記一般式(3)で表される化合物(以下、「特定の環状オレフィン化合物」ともいう。)を含む単量体から得られるものである。
上記一般式(1)〜上記一般式(3)において、R1 〜R3 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基であり、好ましくは水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基である。ここで、炭素数が1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基などの脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基、ベンジル基などの芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、R4 は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基であり、好ましくは炭素数が1〜20の炭化水素基、より好ましくはメチル基である。
また、繰り返し数nの値は0または1であり、好ましくは1である。
また、上記一般式(2)において、Xはエチレン基またはビニレン基である。
特定の環状オレフィン化合物の具体例としては、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリエチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリ−n−ブチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリベンジルシリル、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリメチルシリル、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリエチルシリル、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリ−n−ブチルシリル、 ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
ビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリベンジルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリメチルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリエチルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリ−n−ブチルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
2−エチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリベンジルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸アリルジクロロシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸ジアリルクロロシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸ビニルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸クロロメチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルフェニルクロロシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリベンジルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸ジメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸アリルジクロロシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸ジアリルクロロシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸ビニルジメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸クロロメチルジメチルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルフェニルクロロシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリベンジルシリル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸ジメチルシリル、
4−エチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
4−エチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
4−クロロテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
4−クロロテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
4−メトキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
4−メトキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル
などを挙げることができる。
これらの化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、当該化合物の重合性および得られる(共)重合体の安定性などの観点から、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリエチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリ−n−ブチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
2−メチルビシクロ[ 2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリベンジルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリベンジルシリル
が好ましく、特に好ましいものとしては、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸t−ブチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−ブチルジメチルシリル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸シクロヘキシルジメチルシリル
を挙げることができる。
このような特定の環状オレフィン化合物は、例えば、下記一般式(4)で表される環状オレフィン化合物と、下記一般式(5)で表されるクロロシラン類または下記一般式(6)で表されるシリルアミン類とを反応させることにより、得られる。
Figure 2005171234
〔一般式(4)において、nは0または1であり、R4 は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示し、R5 は、水素原子またはアルカリ金属を示す。〕
Figure 2005171234
〔一般式(5)において、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
Figure 2005171234
〔一般式(6)において、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基または下記一般式(7)で表される基を示し、R6 〜R8 のうち少なくとも1つは下記一般式(7)で表される基である。〕
Figure 2005171234
〔一般式(7)において、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
一般式(5)で表されるクロロシラン類の具体例としては、トリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジアリルジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、トリベンジルクロロシラン、ヘキシルジメチルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシランなどを挙げることができる。
また、一般式(6)で表されるシリルアミン類の具体例としては、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシラザン、N,N−ジメチルアミノトリメチルシラン、N,N−ジエチルアミノトリメチルシラン、ノナメチルトリシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザンなどを挙げることができる。
本発明の(共)重合体は、上記特定の環状オレフィン化合物を含む単量体の付加(共)重合体または開環(共)重合体若しくはその水素添加物であり、具体的には、以下の形態を挙げることができる。
(1)特定の環状オレフィン化合物のみの付加重合体(以下、「特定の付加重合体」という。)。
(2)特定の環状オレフィン化合物およびこれと付加共重合可能な化合物(以下、「付加共重合性化合物」という。)の付加共重合体(以下、「特定の付加共重合体」という。)。
(3)特定の環状オレフィン化合物のみの開環重合体(以下、「特定の開環重合体」という。)。
(4)特定の環状オレフィン化合物およびこれと開環共重合可能な化合物(以下、「開環共重合性化合物」という。)の開環共重合体(以下、「特定の開環共重合体」という。)。
(5)上記(3)の開環重合体または上記(4)の開環共重合体の水素添加物(以下、「特定の水素添加開環(共)重合体」という。)。
これらのうち、特定の付加重合体、特定の開環重合体、特定の開環共重合体および特定の水素添加開環(共)重合体は、一般に樹脂として利用され、特定の付加共重合体は、用いられる付加共重合性化合物の種類および割合によって、樹脂またはエラストマーとして利用される。
特定の付加重合体および特定の付加共重合体(以下、これらを総称して「特定の付加(共)重合体」という。)は、特定の構造単位(1)を有するものであって、少なくとも特定の環状オレフィン化合物を含む単量体、具体的には、特定の環状オレフィン化合物のみからなる単量体または特定の環状オレフィン化合物と付加共重合性化合物とからなる単量体を、付加重合処理することによって得られる。
上記特定の付加共重合体を樹脂として利用する場合において、当該特定の付加共重合体を得るための付加共重合性化合物としては、特定の環状オレフィン化合物以外の環状オレフィン化合物(以下、「他の環状オレフィン化合物」という。)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン−1、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、スチレン、p−メチルスチレンなどの環状オレフィン化合物以外の付加共重合性化合物(以下、「他の付加共重合性化合物」という。)を用いることができる。
他の環状オレフィン化合物としては、ハロゲン原子または極性基を有する極性の環状オレフィン化合物を用いることができ、また、ハロゲン原子および極性基を有しない非極性の環状オレフィン化合物を用いることもでき、更に、両者を組み合わせて用いることもできる。
他の環状オレフィン化合物のうち極性の環状オレフィン化合物の具体例としては、
5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロジメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジクロロメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロメトキシメチルシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシメチルヒドロシリル−2−ノルボルネン、5−ジメトキシヒドロシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロジエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジクロロエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロエトキシメチルシリル−2−ノルボルネン、5−ジエトキシヒドロシリル−2−ノルボルネン、5−エトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、5−エトキシジエチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリプロポキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリイソプロポキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリフェノキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジフェノキシメチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリフルオロシリル−2−ノルボルネン、5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、5−トリブロモシリル−2−ノルボルネン、5−(2’,6’,7’−トリオキサ−1’−シラビシクロ[2.2.2]オクチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−(4’−メチル−2’,6’,7’−トリオキサ−1’−シラビシクロ[2.2.2]オクチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−(1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリメトキシシリルメチル−2−ノルボルネン、5−(1−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(1−クロロジメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−クロロジメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリルメチル−2−ノルボルネン、5−(1−トリエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(1−クロロジエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−クロロジエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(3−トリエトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル等の置換または非置換のシリル基を有するノルボルネン誘導体、
2−アセチル−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリフロロメチル、酢酸5−ノルボルネン−2−イル、酢酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、アクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、メタクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル等の、それぞれ置換または非置換のアルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基若しくはアルケニルカルボニルオキシ基を有するノルボルネン誘導体、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物等のカルボン酸無水物残基を有するノルボルネン誘導体、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル等の極性基を有するテトラシクロドデセン誘導体、および
下記の式(i)または式(ii)で表されるスピロ環化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。

Figure 2005171234
他の環状オレフィン化合物のうち非極性のオレフィン化合物の具体例としては、
2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−イソプロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−t−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]ウンデカ−3−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン)等の非置換あるいはアルキル基置換環状オレフィン化合物、
5−フェニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−ビフェニル−2−ノルボルネン、1,4−メタノ−1,4−ジヒドロナフタレン(ベンゾノルボルネン)、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン等のアリール基あるいはアラルキル基置換環状オレフィン化合物、
5−エチリデン−2−ノルボルネン等のアルキリデン基置換環状オレフィン化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂系の特定の付加共重合体における特定の構造単位(1)の含有割合は、0.1モル%以上であることが好ましく、より好ましくは1モル%以上である。特定の構造単位(1)の含有割合が過小である場合には、カルボン酸シリルエステル残基を有することによる効果が十分に得られないことがある。
樹脂系の特定の付加(共)重合体を得るための付加重合処理は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で、反応容器内に、特定の環状オレフィン化合物を含む単量体と、重合触媒とを供給し、適宜の溶媒または希釈剤の存在下に、反応系の温度が−20℃〜100℃となる条件で行うことが好ましい。
また、重合触媒として多成分系のものを用いる場合には、当該重合触媒における各成分をそれぞれ独立に反応容器に供給してもよく、或いは各成分を予め混合して反応容器に供給してもよく、各成分の供給順序についても特に限定されるものではない。
付加重合処理を行うための溶媒または希釈剤としては、炭化水素類を用いることができ、その具体例としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、溶媒と単量体との比率は、溶媒/単量体が重量比で1〜20であることが好ましい。
単量体として環状オレフィン化合物(特定の環状オレフィン化合物および他の環状オレフィン化合物)のみよりなるものを用いる場合において、付加重合処理を行うための付加重合触媒としては、下記[1]〜[3]に示すパラジウム、ニッケル、コバルト、チタンおよびジルコニウムなどの金属による単一錯体触媒や多成分系触媒を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
[1]PdおよびNiなどの単一錯体触媒:
この種の触媒としては、
〔Pd(CH3 CN)4 〕〔BF4 2 、〔Pd(PhCN)4 〕〔SbF6 〕、
〔(η3 −クロチル)Pd(シクロオクタ−1,5−ジエン)〕〔PF6 〕、
〔(η3 −クロチル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)〕〔B(3,5−(CF3 2 6 3 4 〕、
〔(η3 −クロチル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)〕〔PF6 〕、
〔(η3 −アリル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)〕〔B(C6 5 4 〕、 〔(η3 −クロチル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)〕〔SbF6 〕、
トルエン・Ni(C6 5 2 、ベンゼン・Ni(C6 5 2
メシチレン・Ni(C6 5 2 、エチルエーテル・Ni(C6 5 2
などが挙げられる。
[2]σまたはσ,π結合を有するパラジウム錯体と有機アルミニウムまたは超強酸塩との組み合わせによる多成分系触媒:
この種の触媒としては、
ジ−μ−クロロ- ビス(6−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2 −エン−endo−5σ,2π)Pdと、メチルアルモキサン(MAOと略す)、AgSbF6 、AgBF4 から選ばれた化合物との組み合わせ、
〔(η3 −アリル)PdCl〕2 と、AgSbF6 またはAgBF4 との組み合わせ、 〔(1 ,5−COD)Pd(CH3 )Cl〕と、PPh3 と、NaB〔3 ,5 −(CF3 2 6 3 4 との組み合わせ
などの組み合わせが挙げられる。
[3]1)ニッケル化合物、パラジウム化合物、コバルト化合物、チタン化合物またはジルコニウム化合物から選ばれた遷移金属化合物、2)超強酸、ルイス酸およびイオン性ホウ素化合物から選ばれた化合物、または3)有機アルミニウム化合物を含む多成分系触媒。
また、単量体として環状オレフィン化合物と他の付加共重合性化合物とよりなるものを用いる場合において、付加重合処理を行うための付加重合触媒としては、後述するエラストマー系の特定の付加(共)重合体を得るためのオレフィン系共重合触媒を用いることができる。
樹脂系の付加重合処理において、得られる特定の付加(共)重合体の分子量の調節は、分子量調節剤の添加、重合触媒の量の調整、重合温度の制御、重合体への転化率の調整などの方法によって行うことができる。分子量調節剤としては、α−オレフィン、水素、環状非共役ジエン、芳香族ビニル化合物などを用いることができる。
また、付加重合処理において、重合反応の停止は、水、アルコール、有機酸、炭酸ガスなどから選ばれた化合物を添加することによって行うことができる。
また、付加重合処理を行うための反応器は、バッチ式および連続式のいずれであってもよい。連続式の反応器としては、チューブ型反応器、塔型反応器、槽型反応器などを用いることができる。
樹脂系の特定の付加(共)重合体は、付加重合処理後の重合溶液を、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などの貧溶媒中に加えることにより、生成物を析出させて減圧乾燥することによって得られる。この工程においては、重合溶液中に残存する未反応の単量体も除去される。
また、必要に応じて、重合溶液に対して重合触媒残さの分離・除去処理を行うことができる。このような分離・除去処理としては、公知の方法を利用することができ、具体的な方法としては、重合溶液に塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸またはマレイン酸、フマル酸などの有機酸を添加し、水またはアルコールで洗浄する方法を利用することができ、また、適宜の吸着剤を用いた吸着法などを利用することもできる。
このようにして得られる樹脂系の特定の付加(共)重合体は、例えばo−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲル・パーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜1,500,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜1,000,000である。
この重量平均分子量が5,000未満である場合には、当該特定の付加(共)重合体は、フィルム、薄膜およびシートなどに成形したときの破壊強度が不十分なものとなったり、耐溶剤性、耐液晶性が低いものとなったりすることがある。一方、この重量平均分子量が1,500,000を超える場合には、当該特定の付加(共)重合体は、シートまたはフィルムの成形加工性が低いものとなったり、溶剤キャスト法によってフィルムを製造する際に、樹脂溶液の溶液粘度が高くなって、取扱いが不便なものとなったりすることがある。
上記の樹脂系の特定の付加(共)重合体は、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形などの方法により成形体とすることができ、また、炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、ケトン、エーテル、エステル、アミン、アミド、尿素など極性溶媒から選ばれた溶媒に特定の付加(共)重合体を溶解させ、キャスティング工程および蒸発工程を経て、薄膜、フィルムまたはシートとすることができる。また、これらの溶媒により特定の付加(共)重合体を膨潤させた後、押出し機によって溶媒を蒸発させながら、フィルム、シートに成形・加工することもできる。
特定の付加共重合体をエラストマーとして利用する場合には、当該特定の付加共重合体は、エチレンと、炭素数が3〜12のα−オレフィンと、特定の環状オレフィン化合物と、必要に応じて用いられる共役ポリエンとの共重合体であることが好ましい。
炭素数が3〜12のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン−1、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、スチレン、p−メチルスチレンなどが挙げられる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。このような炭素数が12以下のα−オレフィンを用いることにより、当該α−オレフィンと他の化合物との共重合性が良好となりやすい。
非共役ポリエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン等の直鎖の非環状ジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、ジヒドロミルセン等の分岐連鎖の非環状ジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1 ]ヘプタ−2,5−ジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の脂環式ジエンなどが挙げられる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記の非共役ポリエンのうち好ましいものとしては、1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどを挙げることができる。
このようなエラストマー系の特定の付加共重合体においては、特定の構造単位(1)の含有割合が0.01〜30モル%、エチレンに由来する構造単位の含有割合が40〜90モル%、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位の含有割合が5〜60モル%、非共役ポリエンに由来する構造単位の含有割合が0〜12モル%であることが好ましい。
特定の構造単位(1)の含有割合が過小である場合には、カルボン酸エステル残基を有することによる効果が十分に得られないことがある。一方、特定の構造単位(1)の含有割合が過大である場合には、他の化合物と共重合することが困難となることがあり、しかも、エラストマーとして十分なゴム弾性を有する共重合体を得ることが困難となることがあり、また、重合触媒の使用量が多くなる結果、高分子量の共重合体を得ることが困難となることがある。
エチレンに由来する構造単位の含有割合が過小である場合には、単量体の共重合が困難となることがあり、しかも、優れた耐久性を有するエラストマーを得ることが困難となることがある。一方、エチレンに由来する構造単位の割合が過大である場合には、エラストマーとしての挙動を示す共重合体を得ることが困難となることがある。
α−オレフィンに由来する構造単位の含有割合が過小である場合には、十分な弾性を有するエラストマーを得ることが困難となることがある。一方、α−オレフィンに由来する構造単位の含有割合が過大である場合には、良好な耐久性を有するエラストマーを得ることが困難となることがある。
非共役ポリエンに由来する構造単位の含有割合が過大である場合には、良好な耐久性を有するエラストマーを得ることが困難となることがある。
エラストマー系の特定の付加共重合体を得るための付加重合処理は、窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気下で、反応容器内にエチレン、炭素数が3〜12のα−オレフィンと、特定の環状オレフィン化合物および必要に応じて用いられる共役ジエンを供給し、適宜の溶媒または希釈剤の存在下で、反応系の温度が0〜150℃、特に10〜100℃となる条件下で行うことが好ましい。
付加重合処理を行うための触媒としては、特定の環状オレフィン化合物と、エチレンと、α−オレフィンと、必要に応じて用いられる非共役ポリエンとの共重合反応において、各構造単位が比較的ランダムに配列された共重合体が得られるオレフィン系共重合触媒を用いることが好ましい。このようなオレフィン系共重合触媒としては、遷移金属化合物、好ましくは周期表第4族および第5族から選ばれた金属の化合物と、有機アルミニウム化合物とからなるものを用いることが好ましく、具体的な触媒系としては、以下のものが挙げられる。
(1)炭化水素化合物に可溶なバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系であって、バナジウム化合物および有機アルミニウム化合物のいずれか一方または両方に塩素原子を少なくとも1つ含むもの。
ここで、バナジウム化合物としては、下記一般式(8−1)で表される化合物、VCl4 、VO(acac)2 ,V(acac)3 (ここで、「acac」は、アセチルアセトナト基を示す。)、下記一般式(8−2)で表される化合物などを用いることができる。
一般式(8−1):O=VClk (OR113-k
(式中、R11はエチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などの炭化水素基を示す。kは0〜3の整数を示す。)
一般式(8−2):VCl3 ・mZ
(式中、Zは、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2−メトキシメチルテトラヒドロフラン、ジメチルピリジンなどの炭化水素化合物に可溶な錯体を形成し得るルイス塩基を示す。mは2〜3の整数である。)
有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(8−3)で表されるトリアルキルアルミニウム化合物、下記一般式(8−4)または下記一般式(8−5)で表される水素化アルキルアルミニウム、下記一般式(8−6)、下記一般式(8−7)または一般式(8−8)で表される塩素化アルキルアルミニウム、下記一般式(8−9)または下記一般式(8−10)で表されるアルコキシまたはフェノキシ置換有機アルミニウム、水と上記トリアルキルアルミニウム化合物との反応によって得られるメチルアルモキサン(MAO)、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサンなどを用いることができる。
一般式(8−3):AlR12 3
一般式(8−4):HAlR12 2
一般式(8−5):H2 AlR12
一般式(8−6):R12AlCl2
一般式(8−7):R12 3 Al2 Cl3
一般式(8−8):R12 2 AlCl,
一般式(8−9):R12 2 Al(OR13),
一般式(8−10):R12Al(OR132
(一般式(8−3)〜一般式(8−10)において、R12は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などの炭化水素基を示す。R13は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、フェニル基、トリルキシリル基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基または4−メチル−2,6−ジメチルフェニル基を示す。)
また、この触媒系においては、上記のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物に、さらに有機酸若しくは無機酸のエステル、エーテル、アミン、ケトン、アルコキシシランなどの含酸素若しくは含窒素電子供与体を添加することができる。
(2)シリカまたは塩化マグネシウムよりなる担体上に担持されたハロゲン化チタニウムまたはハロゲン化ジルコニウムと、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系。
ここで、ハロゲン化チタニウムまたはハロゲン化ジルコニウムとしては、四塩化チタニウム、四臭化チタニウム、四塩化ジルコニウムなどを用いることができる。
有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルモキサンなどを用いることができる。
また、この触媒系においては、上記の化合物に、さらにジオクチルフタレート、テトラアルコキシシラン,ジフェニルジメトキシシランなどを添加することができる。
(3)配位子として、水素、アルキル基およびアリル基から選ばれた置換基を有するシクロペンタジエニル基またはインデニル基を1つまたは2つ有する、チタニウム、ジルコニウム、ハーフニウムから選ばれた金属の遷移金属化合物と、メチルアルモキサンを少なくとも50モル%含有する有機アルミニウム化合物とからなる触媒系。
上記遷移金属化合物の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジウコニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチル(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチル(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルチタニウムモノクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、η1:η5−{[(tert−ブチル−アミド)ジメチルシリル](2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)}チタニウムジクロライドなどを挙げることができる。
(4)ビスアルキル置換またはN−アルキル置換サリチルアルドイミンを配位子とする周期表第4族遷移金属錯体とメチルアルモキサン(MAO)とからなる触媒系。
付加重合処理を行うための溶媒または希釈剤としては、例えば脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類およびこれらのハロゲン化物を用いることができる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−ブテン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが挙げられる。これら溶媒または希釈剤は、蒸留処理または吸着処理によって水分濃度が20ppm以下となった状態で用いることが好ましい。
このような付加重合処理において、得られる特定の付加共重合体の分子量の調節は、分子量調節剤の添加、重合触媒の量の調整、重合温度の制御、重合体への添加率の調整などの方法によって行うことができる。分子量調節剤としては、水素、ジエチル亜鉛、水素化ジイソブチルアルミニウムなどを用いることができる。
また、付加重合処理を行うための反応器は、バッチ式および連続式のいずれであってもよい。連続式の反応器としては、チューブ型反応器、塔型反応器、槽型反応器などを用いることができる。
エラストマー系の特定の付加共重合体は、重合溶液に水蒸気を吹き込むことにより、溶媒の除去処理を行った後、得られるスラリーから固形物を分離し、さらにスクリュータイプの絞り機、押し出し機、加熱ロールなどを用いて脱水・乾燥することによって得られる。或いは、重合溶液を加熱することによって濃縮し、その後、ベント付き押し出し機を用いて乾燥処理することによって得られる。
また、必要に応じて、重合溶液に対して重合触媒残さの分離・除去処理を行うことができる。このような分離・除去処理の具体的な方法としては、シリカ、アルミナ、ケイソウ土などが充填された吸着カラムに通過させる方法、重合溶液に、水、アルコールなどを多量に添加して洗浄する方法を利用することができる。
このようにして得られるエラストマー系の特定の付加共重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜3,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000、特に好ましくは5,000〜700,000である。
また、エラストマー系の特定の付加共重合体のガラス転移温度は、−90〜50℃、特に−70〜10℃であることが好ましく、これにより、十分な弾性を有するエラストマーが得られる。
ここで、ガラス転移温度は、走査型示差熱分析計(DSC)により測定することができる。
特定の開環重合体および特定の開環共重合体(以下、これらを総称して「特定の開環(共)重合体」という。)は、特定の構造単位(2)のうち、一般式(2)におけるXがビニレン基である構造単位を有するものであって、少なくとも特定の環状オレフィン化合物を含む単量体、具体的には、特定の環状オレフィン化合物のみからなる単量体または特定の環状オレフィン化合物と開環共重合性化合物とからなる単量体を、開環重合処理することによって得られる。
開環共重合性化合物としては、他の環状オレフィン化合物を用いることができる。
かかる他の環状オレフィン化合物の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
ペンタシクロ[9.2.1.14,7 .02,10.03,8 ]ペンタデカ−5−エン、
ヘプタシクロ[13.2.1.13,13.16,9 .02,14.04,12.05,10]イコサン−7−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ノルマルヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ノルマルオクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ノルマルデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(3−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シアノ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸イソプロピル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−プロピル、
テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−ブチル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸−n−プロピル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸イソプロピル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸n−ブチル、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸フェニル、
8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−〈4−フェニルフェノキシ〉カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(4−ビフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(4−ビフェニル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリn−プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリn−ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、 5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、 8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3ーエン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、 8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、 8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エンなどを挙げることができる。
これらの化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定の開環共重合体における特定の構造単位(2)の含有割合は、0.01モル%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以上である。特定の構造単位(2)の含有割合が過小である場合には、カルボン酸シリルエステル残基を有することによる効果が十分に得られないことがある。
特定の開環(共)重合体を得るための開環重合処理は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で、反応容器内に、特定の環状オレフィン化合物を含む単量体と、重合触媒とを供給し、適宜の溶媒または希釈剤の存在下に、反応系の温度が−20℃〜100℃となる条件で行うことが好ましい。
また、重合触媒として多成分系のものを用いる場合には、当該重合触媒における各成分をそれぞれ独立に反応容器に供給してもよく、或いは各成分を予め混合して反応容器に供給してもよく、各成分の供給順序についても特に限定されるものではない。
開環重合処理を行うための開環重合触媒としては、Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization(K.J.IVIN,J.C.MOL, Academic Press 1997)に記載されている触媒を用いることができ、例えば、下記のメタセシス重合触媒を挙げることができる。
すなわち、(a)成分:W、Mo、Re、VおよびTiの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)成分:Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Cd、Hg、B、Al、Si、Sn、Pbなどの化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種の化合物との組合せからなる触媒である。また、この触媒には、触媒活性を高めるために、後述の(c)成分:添加剤が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、Mo、ReおよびV、Tiの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 、VOCl3 、TiCl4 などの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分として用いられる化合物の具体例としては、n−C4 9 Li、(C2 5 3 Al 、(C2 5 2 AlCl、(C2 5 1.5 AlCl1.5 、(C2 5 )AlCl2 、メチルアルモキサン、LiHなどの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(c)成分である添加剤としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができるが、更に特開平1−240517号公報に記載の化合物を使用することができる。
このメタセシス触媒の使用量は、(a)成分と、開環重合処理に供される単量体との割合が、モル比で通常1:500〜1:500000となる範囲、好ましくは1:1000〜1:100000となる範囲である。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a)成分:(b)成分」が1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:50である。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c)成分:(a)成分」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜10〜1である。
また、その他の触媒としては、助触媒を用いない周期表第4族〜8族遷移金属のカルベン錯体やメタラシクロブテン錯体などからなるメタセシス触媒が挙げられる。
このような触媒の代表例としては、
W〔=N−2,6−C6 3 −(i−C3 7 2 〕〔=CH−t−C4 9 〕〔O−t−C4 9 2
Mo〔=N−2,6−C6 3 −(i−C3 7 2 〕〔=CH−t−C4 9 〕〔O−t−C4 9 2
Ru(=CHCH=CPh2 )(PPh3 2 Cl2
Ru(=CHPh)(PC6 112 Cl2
などが挙げられる。
この触媒の使用量は、当該触媒と、開環重合処理に供される単量体との割合が、モル比で通常1:30〜1:50000となる範囲、好ましくは1:50〜1:10000となる範囲である。
開環重合処理を行うための溶媒または希釈剤としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、飽和カルボン酸エステル類、エーテル類などを用いることができる。
脂肪族炭化水素類の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどが挙げられる。脂環式炭化水素類の具体例としては、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどが挙げられる。芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどが挙げられる。飽和カルボン酸エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどが挙げられる。エーテル類としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、芳香族炭化水素類が好ましい。
溶媒の使用量は、重量比で「溶媒:単量体」が通常1:1〜30:1となる量とされ、好ましくは1:1〜20:1となる量とされる。
開環重合処理において、得られる特定の付加(共)重合体の分子量の調節は、分子量調節剤の添加、重合触媒の量の調整、重合温度の制御、重合体への転化率の調整などの方法によって行うことができる。分子量調節剤としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィンを挙げることができる。
開環重合反応は、反応系にアルコール類、有機酸、水、アルカリ金属塩などを添加することにより停止することができる。
また、開環重合処理を行うための反応器は、バッチ式および連続式のいずれであってもよい。連続式の反応器としては、チューブ型反応器、塔型反応器、槽型反応器などを用いることができる。
開環重合反応が終了した後、水、アルコールを用いて、得られた開環重合体溶液中の触媒の除去処理を行うことができるが、例えば高活性のメタセシス重合触媒を選択した場合には、当該触媒の除去処理を行わなくてもよい。
特定の水素添加開環(共)重合体は、特定の構造単位(2)を有するものであって、全てのまたは一部の特定の構造単位(2)における一般式(2)の基Xがエチレン基であるものであり、上記の特定の開環(共)重合体を水素添加することによって得られる。
水素添加を行うための触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加化反応に用いられる不均一系触媒および均一系触媒を用いることができる。
不均一系触媒の具体例としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒の具体例としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。これらの触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、特定の開環(共)重合体における側鎖の芳香環が実質的に水素添加されないようにするために、その添加量を調整することが必要であるが、通常、重量比で「特定の開環(共)重合体:水素添加触媒」が1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
水素添加反応は、特定の開環(共)重合体における側鎖の芳香環が実質的に水素添加されない条件で行われる必要がある。一般的には、特定の開環(共)重合体の溶液に上記の水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを、0〜200℃、好ましくは20〜180℃の温度で作用させることによって行われる。
また、全不飽和結合含有構造単位中の不飽和結合に対する水素添加率は、90%以上であることが好ましく、更に好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98%以上であり水素添加率が高いほど、得られる特定の水素添加(共)重合体における熱による着色や劣化が抑制されて好ましい。
特定の開環(共)重合体および特定の水素添加開環(共)重合体は、例えばテトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算重量平均分子量が5,000〜1,500,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜1,000,000である。
この重量平均分子量が5,000未満である場合には、当該特定の開環(共)重合体および特定の水素添加開環(共)重合体は、フィルム、薄膜およびシートなどに成形したときの破壊強度が不十分なものとなったり、耐溶剤性、耐液晶性が低いものとなったりすることがある。一方、この重量平均分子量が1,500,000を超える場合には、当該特定の開環(共)重合体および特定の水素添加開環(共)重合体は、シートまたはフィルムの成形加工性が低いものとなったり、溶剤キャスト法によってフィルムを製造する際に、樹脂溶液の溶液粘度が高くなって、取扱いが不便となったりすることがある。
特定の開環(共)重合体および特定の水素添加開環(共)重合体は、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形などの方法により成形体とすることができ、また、炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、ケトン、エーテル、エステル、アミン、アミド、尿素など極性溶媒から選ばれた溶媒に特定の開環(共)重合体または特定の水素添加開環(共)重合体を溶解させ、キャスティング工程および蒸発工程を経て、薄膜、フィルムまたはシートとすることができる。また、これらの溶媒により特定の開環(共)重合体または特定の水素添加開環(共)重合体を膨潤させた後、押出し機で溶媒を蒸発させながら、フィルム、シートに成形・加工することもできる。
本発明の(共)重合体には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を含有させることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−4−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系またはヒドロキノン系酸化防止剤、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t −ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系酸化防止剤を用いることができる。これらの酸化防止剤を1種単独でまたは2種以上を組み合わせて添加することにより、(共)重合体の酸化安定性を向上することができる。
また、紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2,−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[ (2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール] ]、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤を用いることができる。これらの紫外線吸収剤を1種単独でまたは2種以上組み合わせて添加することにより、(共)重合体の耐光性を向上することができる。
また、その他の添加剤としては、滑剤を用いることができ、この滑剤を添加することにより、(共)重合体の加工性を向上させることができる。
また、樹脂系の特定の付加(共)重合体、特定の開環(共)重合体および特定の水素添加開環(共)重合体は、他の熱可塑性樹脂、例えば、本発明の(共)重合体以外の環状オレフィン系付加(共)重合体、環状オレフィン系開環(共)重合体およびその水素添加物、他の環状オレフィン化合物とエチレンおよび/またはα−オレフィンとの付加共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、石油樹脂などから選ばれた熱可塑性樹脂と組み合わせて熱可塑性重合体組成物として使用することもできる。
また、エラストマー系の特定の付加共重合体は、加硫剤および/または架橋剤と、必要に応じて用いられる官能基を有しないオレフィン系共重合体と組み合わせてエラストマー組成物として使用することができる。
加硫剤は特に限定されるものではないが、その具体例としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化硫黄、セレン、テルル等の無機系加硫剤;モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド類、チウラムジスルフィイド類、ジチオカルバミン酸塩類等の含硫黄有機化合物などを挙げることができる。これらの加硫剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
加硫剤の使用割合は、特定の付加共重合体に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
また、エラストマー組成物には、前記加硫剤と共に加硫促進剤を併用することができる。
このような加硫促進剤の具体例としては、ヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒドアンモニア類;ジフェニルグアニジン、ジ(o−トリル)グアニジン、o−トリルピグアニド等のグアニジン類;チオカルバニリド、ジ(o−トリル)チオウレア、N,N’−ジエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジラウリルチオウレア等のチオウレア類;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド、2−(4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)−メルカプトベンゾチアゾール、(N,N’−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール類;N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラ−n−ブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類;ジメチルチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルチオカルバミン酸テルル、ジメチルチオカルバミン酸鉄等のカルバミン酸塩類;ブチルチオキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸塩類などを挙げることができる。これらの加硫促進剤は、1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
加硫促進剤の使用割合は、特定の付加共重合体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。
また、エラストマー組成物には、前記加硫剤および加硫促進剤に加え、必要に応じて加硫促進助剤を添加することもできる。
このような加硫促進助剤の具体例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華、リサージ、鉛丹、鉛白等の金属酸化物;ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛等の有機酸類または有機酸塩類等を挙げることができ、これらの中では、特に亜鉛華、ステアリン酸が好ましい。これらの加硫促進助剤は、1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
加硫促進助剤の使用割合は、特定の付加共重合体100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
架橋剤は、特に限定されるものではないが、その具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2−5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物類などを挙げることができる。これらの架橋剤は、1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
架橋剤の使用割合は、特定の付加共重合体100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
また、エラストマー組成物においては、前記架橋剤と共に、架橋助剤を併用することもできる。
このような架橋助剤の具体例としては、硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の硫黄あるいは硫黄化合物;エチレンジアクリレート、エチレンジメタクリレート、ポリエチレンジアクリレート、ポリエチレンジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、メタフェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド等の多官能性モノマー類;p−キノンオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物などを挙げることができる。これらの架橋助剤は、1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
架橋助剤の使用割合は、特定の付加共重合体100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
官能基を有しないオレフィン系共重合体としては、一般にエラストマー組成物に用いられるものであれば特に限定されないが、エチレンに由来する構造単位と、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位とからなる共重合体、またはエチレンに由来する構造単位と、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位と、非共役ジエンに由来する構造単位とからなる共重合体を用いることが好ましい。
ここで、炭素数が3〜12のα−オレフィンの具体例としては、前述の特定の付加共重合体を得るためのα−オレフィンとして例示したものを挙げることができる。
また、非共役ジエンの具体例としては、前述の特定の付加共重合体を得るための非共役ジエンとして例示したものを挙げることができる。
また、官能基を有しないオレフィン系共重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜3,000,000であることか好ましく、より好ましくは3,000〜2,500,000、特に好ましくは5,000〜2,000,000である。
官能基を有しないオレフィン系共重合体を用いる場合において、その使用割合は、特定の付加共重合体:官能基を有しないオレフィン系共重合体が重量比で1:99〜99:1であることが好ましく、より好ましくは1:99〜50:50、さらに好ましくは3:97〜30:70である。
さらに、エラストマー組成物には、充填剤または軟化剤を含有させることができる。
前記充填剤の具体例としては、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)、FEF(Fast Extrusion Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等のカーボンブラック、ホワイトカーボン、微粒子ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の無機充填剤などを挙げることができる。これらの充填剤は、1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
充填剤の使用割合は、特定の付加共重合体100重量部に対して、通常、10〜200重量部、好ましくは10〜100重量部である。
また、前記軟化剤の具体例としては、ゴムの配合剤として通常用いられるアロマティック油、ナフテニック油、パラフィン油等のプロセスオイル、やし油等の植物油、アルキルベンゼンオイル等の合成油などを挙げることができ、これらの中では、プロセスオイルが好ましく、特にパラフィン油が好ましい。これらの軟化剤は、1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
軟化剤の使用割合は、特定の付加共重合体100重量部に対して、通常、10〜130重量部、好ましくは20〜100重量部である。
本発明の(共)重合体によれば、カルボン酸シリルエステル残基を有することによる特有の効果が得られる。
本発明に係る(共)重合体中のカルボン酸シリルエステル残基は、その一部が製造工程において加水分解されてカルボキシル基になっていてもよい。
また、本発明の(共)重合体によれば、カルボン酸シリルエステル残基におけるエステル部位を加水分解処理することにより、下記一般式(9)で表される構造単位または下記一般式(10)で表される構造単位を有するカルボキシル基含有(共)重合体を得ることができる。
Figure 2005171234
〔一般式(9)において、nは0または1であり、R4 は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
Figure 2005171234
〔一般式(10)において、nは0または1であり、R4 は、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示し、Xはエチレン基またはビニレン基を示す。〕
加水分解処理は、水との接触により行われるが、水の代わりに、アルコール、酸、フッ素イオン(R4 NFなど)を用いてもよい。また、水によって加水分解処理する際には、その反応を促進するため、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸などの酸を用いてもよい。
このような方法によれば、カルボキシル基を有する(共)重合体の製造において、重合中におけるカルボキシル基に対する副反応を回避することができ、従って、カルボキシル基を有する(共)重合体を有利に製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈特定の環状オレフィン化合物の合成例1〉
十分に窒素置換した300mL三口フラスコ内に:4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸15.0g(68.7mmol)、乾燥テトラヒドロフラン100mLおよび乾燥ピリジン5.98g(75.6mmol)を入れ、この反応系に、温度0℃にてトリメチルクロロシラン8.21g(75.6mmol)をゆっくり滴下し、滴下終了後、室温にて5時間撹拌した。次いで、反応液をろ過し、ろ液を濃縮した後、n−ヘキサン50mlを加えて1時間撹拌し、その後、この溶液をろ過した。次いで、ろ液を濃縮し、129〜132℃、3mmHgの条件で減圧蒸留することにより、下記の構造式(a)で表される4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルを得た。
Figure 2005171234
〈特定の環状オレフィン化合物の合成例2〉
トリメチルクロロシランの代わりにトリエチルクロロシランを用い、減圧蒸留の条件を143〜147℃、1.5mmHgに変更したこと以外は特定の環状オレフィン化合物の合成例1と同様の操作を行うことにより、下記の構造式(b)で表される4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 6.00,7 ]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリルを得た。
Figure 2005171234
〈特定の環状オレフィン化合物の合成例3〉
トリメチルクロロシランの代わりにtert−ブチルジメチルクロロシランを用い、減圧蒸留の条件を145〜149℃、2.5mmHgに変更したこと以外は特定の環状オレフィン化合物の合成例1と同様の操作を行うことにより、下記の構造式(c)で表される4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .03,7 ]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸tert−ブチルジメチルシリルを得た。
Figure 2005171234
〈実施例1〉
窒素置換した2Lセパラブルフラスコ内に、溶媒としてヘキサン1000mLと、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルの1.0mol/Lヘキサン溶液3.5mLと、5−エチリデン−2−ノルボルネン2mlとを入れ、20℃にてエチレン(供給量:5.0L/min.)/プロピレン(供給量:4.5L/min.)/水素(供給量:0.6L/min.)混合ガスを連続的に供給し、5分後に2Lセパラブルフラスコ内にVOCl3 の0.32mol/Lヘキサン溶液3.66mLを加え、更に5分後に2Lセパラブルフラスコ内にAl2 (C2 5 3 Cl3 の0.41mol/Lヘキサン溶液20.7mLを添加し、単量体の付加重合処理を開始した。25℃で10分間の条件で付加重合処理を行った後、反応系に酢酸4.8mLを加えて重合反応を停止した。
得られた重合溶液を水500mLで洗浄した後、多量のメタノール中に注ぐことにより、共重合体を析出させ、これを真空乾燥することにより、白色の共重合体24.1gを得た。
この共重合体を分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合が72.45モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が26.16モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有割合が1.02モル%、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルに由来する構造単位の含有割合が0.37モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は29.0×104 であった。
得られた共重合体の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
〈実施例2〉
5−エチリデン−2−ノルボルネンを加えなかったこと以外は実施例1と同様にして白色の共重合体30.8gを得た。
この共重合体を分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合が67.5モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が32.14モル%、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルに由来する構造単位の含有割合が0.33モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は31.6×104 であった。
〈実施例3〉
実施例1で得られた共重合体20gをトルエン1000mLに溶解し、この溶液に塩酸40mLを加えて3時間撹拌することにより、共重合体の加水分解処理を行った。次いで、得られた反応溶液を水500mLで洗浄した後、多量のメタノール中に注ぐことにより、共重合体を析出させ、これを真空乾燥することにより、白色の共重合体19gを得た。 この共重合体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、850cm-1のSi−O由来のピークが消失し、1700cm-1にカルボキシル基由来の吸収を確認した。
この共重合体におけるエチレンに由来する構造単位の含有割合が72.45モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が26.16モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有割合が1.02モル%、カルボキシル基を含有する構造単位の含有割合が0.37モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は29.0×104 であった。
〈実施例4〉
特定の単量体として4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル12.5g(43.2ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.27g、および溶媒としてトルエン51.5gを、窒素置換した反応容器に仕込み、反応系を80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.13mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.34mLを加え、80℃で4時間の条件で単量体の開環重合処理を行うことにより、開環重合体を含む重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液をオートクレーブに入れ、さらにこの重合体溶液にトルエン300gを加えた。次いで、この反応系に、水素添加触媒として、モノマー仕込み量に対して2500ppmとなる量のRuHCl(CO)〔P(C6 5 3 3 を添加し、水素ガス圧が9〜10MPa、反応温度が160〜165℃、反応条件が4時間の条件で水素添加反応を行った。反応が終了した後、得られた反応溶液を多量のメタノールに注ぐことにより、開環重合体水素添加物を得た。
得られた開環重合体水素添加物を分析したところ、その水素添加率が99%であり、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量は(Mw)13.5×104 であった。
〈実施例5〉
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリル6.27g(21.6ミリモル)、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル5.01g(21.6ミリモル)、分子量調節剤として1−へキセン0.27g、および溶媒としてトルエン51.5gを、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。この反応系に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/L)0.13mL、およびメタノール変性六塩化タングステンのトルエン溶液(0.025モル/L)0.34mLを加え、80℃で4時間反応させることにより、開環共重合体を含む共重合体溶液を得た。
得られた共重合体溶液を実施例4と同様に水素添加反応を行い、水素添加開環共重合体を得た。
得られた水素添加開環共重合体を分析したところ、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルに由来する構造単位の含有割合が43モル%、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチルに由来する構造単位の含有割合が57%であり、水素添加率が99%であり、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は14.3×104 であった。
〈実施例6〉
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルの代わりに4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリルを用いたこと以外は実施例1と同様にして、白色の共重合体21.1gを得た。
この共重合体を分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合が73.18モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が25.50モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有割合が0.94モル%、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリルに由来する構造単位の含有割合が0.38モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は25.5×104 であった。
〈実施例7〉
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリメチルシリルの代わりに4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ] ドデカ−9−エン−4−カルボン酸tert−ブチルジメチルシリルを用いたこと以外は実施例1と同様にして、白色の共重合体17.7gを得た。
この共重合体を分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合が74.36モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が22.95モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有割合が2.30モル%、4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸tert−ブチルジメチルシリルに由来する構造単位の含有割合が0.39モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は22.2×104 であった。
〈実施例8〉
実施例1で得られた共重合体20gの代わりに実施例6で得られた共重合体10gを用いたこと以外は実施例3と同様にして、白色の共重合体9gを得た
この共重合体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、850cm-1のSi−O由来のピークが消失し、1700cm-1にカルボキシル基由来の吸収を確認した。
この共重合体を分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合が73.20モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が25.49モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有割合が0.93モル%、カルボキシル基を含有する構造単位の含有割合が0.38モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は25.0×104 であった。
〈実施例9〉
実施例1で得られた共重合体20gの代わりに実施例7で得られた共重合体10gを用いたこと、および、加水分解処理において、塩酸40mLを加えて3時間攪拌することに代えて、塩酸40mLを加えて2時間攪拌する操作を合計で4回(合計で8時間攪拌)行ったこと以外は実施例3と同様にして、白色の共重合体9gを得た
この共重合体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、930cm-1のSi−O由来のピークが消失し、1700cm-1にカルボキシル基由来の吸収を確認した。
この共重合体を分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合が74.37モル%、プロピレンに由来する構造単位の含有割合が22.95モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有割合が2.29モル%、カルボキシル基を含有する構造単位の含有割合が0.39モル%であった。
また、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は22.0×104 であった。
実施例1で得られた共重合体の赤外吸収スペクトルを示す図である。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を有することを特徴とする(共)重合体。
    Figure 2005171234
    〔一般式(1)において、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
  2. 請求項1に記載の一般式(1)で表される構造単位と、エチレンに由来する構造単位と、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位と、必要に応じて用いられる非共役ポリエンに由来する構造単位とを有することを特徴とする共重合体。
  3. 一般式(1)で表される構造単位の含有割合が0.01〜30モル%、エチレンに由来する構造単位の含有割合が40〜90モル%、炭素数が3〜12のα−オレフィンに由来する構造単位の含有割合が5〜60モル%、非共役ポリエンに由来する構造単位の含有割合が0〜12モル%であることを特徴とする請求項2に記載の共重合体。
  4. 下記一般式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする(共)重合体。
    Figure 2005171234
    〔一般式(2)において、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示し、Xはエチレン基またはビニレン基を示す。〕
  5. 請求項4に記載の一般式(2)で表される構造単位と、その他の環状オレフィン化合物に由来する構造単位とを有することを特徴とする共重合体。
  6. 一般式(1)または一般式(2)において、R1 、R2 およびR3 がそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の(共)重合体。
  7. 一般式(1)または一般式(2)において、R4 がメチル基であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の(共)重合体。
  8. 一般式(1)または一般式(2)において、nが1であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の(共)重合体。
  9. 少なくとも下記一般式(3)で表される化合物を含む単量体を付加重合する工程を有することを特徴とする(共)重合体の製造方法。
    Figure 2005171234
    〔一般式(3)において、nは0または1であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基を示す。〕
  10. 請求項9に記載の一般式(3)で表される化合物と、エチレンと、炭素数が3〜12のα−オレフィンと、必要に応じて用いられる非共役ポリエンとを付加重合する工程を有することを特徴とする共重合体の製造方法。
  11. 少なくとも請求項9に記載の一般式(3)で表される化合物を含む単量体を開環重合する工程を有することを特徴とする(共)重合体の製造方法。
  12. 請求項9に記載の一般式(3)で表される化合物およびこれと共重合可能な他の環状オレフィン化合物を含む単量体を開環重合する工程を有することを特徴とする共重合体の製造方法。
  13. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の(共)重合体におけるエステル部位を加水分解処理する工程を有することを特徴とするカルボキシル基含有(共)重合体の製造方法。
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