JPH11171982A - 酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法 - Google Patents
酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法Info
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- JPH11171982A JPH11171982A JP9343155A JP34315597A JPH11171982A JP H11171982 A JPH11171982 A JP H11171982A JP 9343155 A JP9343155 A JP 9343155A JP 34315597 A JP34315597 A JP 34315597A JP H11171982 A JPH11171982 A JP H11171982A
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Abstract
性を満足し、しかも狭い分子量分布を有する新規な酸解
離性基を有する重合体を提供し、かつその製造方法を提
供する。 【解決手段】 構造単位として酸解離性基を有し、重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/M
n)が1.0〜2.0であり、かつGPCで測定したポ
リスチレン換算の数平均分子量が500〜100,00
0であることを特徴とする重合体であり、環状オレフィ
ン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水
素添加触媒の下に水素添加した後、酸無水物基の少なく
とも一部を加水分解し、更にビニルエーテル類または
α,β−不飽和ケトン類と反応させることによって製造
する。
Description
る新規な狭分散性重合体に関し、詳しくは、耐熱性、耐
熱分解性、光透過性等に優れた紫外線や遠紫外線(エキ
シマーレーザー等を含む)を用いた半導体微細加工用フ
ォトレジストに適した酸解離性基を有する新規な狭分散
性重合体を提供し、かつそのような重合体の製造方法を
提供するものである。
大規模集積回路(LSI)や超大規模集積回路(VLS
I)が実用化されており、また、これとともに、 集積
回路の最少パターンはサブミクロン領域に及び、今後更
に微細化する傾向にある。微細パターンの形成には、薄
膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、選択露
光を行って所望パターンの潜像を形成した後に、現像し
てレジストパターンを作り、これをマスクとしてドライ
エッチングを行い、その後にレジストを除去することに
より所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使用が必
須である。
露光光源としてg線(波長436nm)、i線(波長3
65nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの
微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外線
光、電子線(EB)、X線等が光源として使用されるよ
うになってきている。特に最近では、エキシマレーザー
(波長248nmのKrFレーザー、波長193nmの
ArFレーザー)が露光光源として注目されており、微
細パターンの形成に有効であると期待されている。
用いてサブミクロンパターンを形成するレジスト材料に
用いられる重合体又は共重合体としては、例えば、エス
テル部にアダマンタン骨格及び酸により脱離する保護基
を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エス
テルの重合体又は共重合体(特開平4−39665号公
報参照)、エステル部にノルボルナン骨格及び酸により
脱離する保護基を有するアクリル酸エステル又はα置換
アクリル酸エステルの重合体又は共重合体(特開平5−
257281号公報参照)、シクロヘキシルマレイミド
の重合体又は共重合体(特開平5−257285号公報
参照)、セルロース骨格を主鎖に含み該主鎖が酸により
開裂を起こす高分子化合物(特開平6−342212号
公報参照)、ポリビニルアルコールまたはポリビニルア
ルコールの誘導体(特開平7−333850号公報参
照)等数多くの重合体及び共重合体が提案されている。
紫外線に対する透明性、レジスト溶剤に対する溶解性、
及び剥離剤に対する溶解性等レジスト材として用いられ
るのに必要な諸性質全てを満足し、しかも合成容易な重
合体及び共重合体は未だなく、更なる開発が求められて
いる。
た後、水素化を行った(共)重合体をレジスト材として
使用することが提案されている(特開平9−23059
5、特開平9−244247)。しかしながら、これら
の(共)重合体においても、透明性および解像度ともに
充分ではない。
として用いられるのに必要な上記の諸性能全てを満足
し、しかも狭い分子量分布を有する(共)重合体物を提
供し、かつそのような重合体の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
を解決するため種々検討していたところ、環状オレフィ
ン系単量体の開環メタセシス重合体及び開環メタセシス
共重合体の水素添加物が優れた光学特性、電気特性、高
剛性、耐熱性及び耐候性を有する樹脂として注目を集
め、各種の開環メタセシス重合体及び該重合体水素添加
物の製造方法が提案されていることに着目した(例え
ば、特開平1−132625、特開平1−24051
7、特開平5−155988、及び特開平7−1967
79等)。そして、開環メタセシス(共)重合体の水素
添加物についてレジスト材としての可能性を鋭意検討し
たところ、ある新規な開環メタセシス(共)重合体の水
素添加物に酸解離性基を導入し、分子量を調整し、かつ
分子量分布を狭分散性に制御すると、これらレジスト材
としての諸性能を満足することを見出し、本発明を完成
するに至った。
それぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、
ハロゲン化アルキルまたはニトリルから選ばれ、mは0
または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位を有
し、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(M
w/Mn)が1.0〜2.0であり、かつGPCで測定
したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500
〜100,000であることを特徴とする酸解離性基を
有する狭分散性重合体。
ル基または3−オキソアルキル基である請求項1記載の
狭分散性重合体。 〔請求項3〕 R1が、2−テトラヒドロピラニル、2
−テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチルまたは1
−tert−ブトキシエチルである請求項1記載の狭分
散性重合体。
ルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキルまたはニトリル
から選ばれ、mは0または1〜3の整数を表す。)で表
される環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシ
ス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加した
後、酸無水物基の少なくとも一部を加水分解し、更にビ
ニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類と反応さ
せることを特徴とする請求項1〜3記載の狭分散性重合
体の製造方法。
請求項1記載の狭分散性重合体。 〔請求項6〕 R1が、tert−ブチルである請求項
1記載の狭分散性重合体。 〔請求項7〕 一般式(2)で表される環状オレフィン
系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素
添加触媒のもとに水素添加した後、アルコール類と反応
させることを特徴とする請求項1、5または6記載の狭
分散性重合体の製造方法。 〔請求項8〕 一般式(2)で表される環状オレフィン
系単量体をオレフィンまたはジエンの存在下でリビング
開環メタセシス触媒で重合することを特徴とする請求項
4または7記載の狭分散性重合体の製造方法。 である。
る狭分散性重合体とは、一般式(1)の如く構造単位と
して酸解離性基を有し、Mw/Mnが1.0〜2.0で
あり、かつMnが500〜100,000の重合体であ
って、単独重合体でも、または他の構造単位との共重合
体であっても構わない。酸解離性基とは、酸により分解
し、カルボン酸を遊離する基であり、例えば、2−テト
ラヒドロピラニル、4−メトキシ−2−テトラヒドロピ
ラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−メチル−2−
テトラヒドロフラニル等の環状エーテル化合物、1−メ
トキシエチル、1−エトキシエチル、1−n−プロポキ
シエチル、1−iso−プロポキシエチル、メトキシメ
チル、1−n−ブトキシエチル、1−sec−ブトキシ
エチル、1−tert−ブトキシエチル、1−iso−
ブトキシエチル、1−iso−オクチルオキシエチル、
1−n−デシルオキシエチル、1−n−ドデシルオキシ
エチル、1−シクロヘキシルオキシエチル、1−ter
t−ペンチルオキシエチル、1−(2−メトキシエトキ
シ)エチル、1−(2−n−ブトキシエトキシ)エチ
ル、または1−tert−アミルオキシエチル等のアル
コキシ置換または無置換のアルコキシアルキル基、1−
フェノキシエチル、1−(2−ニトロフェニル)オキシ
エチル、または1−p−トルイルオキシエチル等のアリ
ールオキシアルキル基、tert−ブチル、tert−
アミル、2,3−ジメチル−2−ブチル、2−メチル−
2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、3−エチル
−3−ペンチル、2,3−ジメチル−3−ペンチル、2
−メチル−2−ヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキ
シル、2−メチル−2−アダマンチル等の3級アルキル
基、または、3−オキソシクロヘキシル、3−オキソブ
チル、3−オキソ−1−メチルブチル等の3−オキソア
ルキル基等が挙げられる。これらのうち、環状エーテル
化合物、アルコキシ置換または無置換のアルコキシアル
キル基、または、3級アルキル基が好ましく、より好ま
しくは、2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロ
フラニル、1−エトキシエチル、1−tert−ブトキ
シエチル、tert−ブチルが挙げられる。
性重合体の分子量は、Mnが500〜100,000で
ある。好ましくは、1,000〜50,000であり、
特に、好ましくは3,000〜20,000である。ま
た、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(M
w/Mn)は1.0〜2.0の狭い分子量分布の範囲に
制限される。好ましくは1.0〜1.8、更に好ましく
は1.0〜1.6の範囲である。この範囲の分子量と狭
い分子量分布は、レジスト材として要求される高解像度
及び高現像性を実現するために極めて重要である。更に
は、レジスト材を2−ヘプタノン、乳酸エチル及びプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の極
性溶媒に溶解させ、シリコンウェハーに回転塗布機で塗
布する工程において、均一な平滑コーティング膜を形成
する上でも重要なことである。
表される環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセ
シス触媒で重合する。本発明の方法においてリビング開
環メタセシス触媒で重合する一般式(2)で表される環
状オレフィン系単量体としては、mが0であるビシクロ
ヘプトエンの誘導体、mが1であるテトラシクロドデセ
ンの誘導体、mが2であるヘキサシクロヘプタデセンの
誘導体、mが3であるオクタシクロドコセンの誘導体等
が挙げられる。また、R2〜R3は、それぞれ水素、メチ
ル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、tert−
ブチル、イソブチル、n−ブチル、シクロヘキシル、シ
クロペンチルまたはベンジル等の炭素数1〜20のアル
キル、塩素またはフッ素等のハロゲン、トリフルオロメ
チルまたはトリクロロメチル等のハロゲン化アルキル、
またはニトリルから選ばれ、好ましくは、水素またはア
ルキルである。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸無水物、5−メチルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、また
は5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等のビシクロヘプ
トエン類、テトラシクロ[4.4.0.12、5.
17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水
物、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17
,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸無水物、
または8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸
無水物等のテトラシクロドデセン類、ヘキサシクロ
[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−1
1−ヘプタテ゜セン−4,5−ジカルボン酸無水物、1
1−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.
110,13.02,7.09,1 4]−11−ヘプタテ゜セン−
4,5−ジカルボン酸無水物、または11,12−ジメ
チルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.0
2,7.09,14]−11−ヘプタテ゜セン−4,5−ジカ
ルボン酸無水物等のヘキサシクロヘプタデセン類、また
はオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.
111,18.113,16.0 3,8.012,17]−14−ドコセン
−5,6−ジカルボン酸無水物、14−メチルオクタシ
クロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.
03,8.012,17]−14−ドコセン−5,6−ジカルボ
ン酸無水物、または14,15−ジメチルオクタシクロ
[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.0
3,8.012, 17]−14−ドコセン−5,6−ジカルボン
酸無水物等のオクタシクロドコセン類等を挙げることが
できる。これらのうち、テトラシクロ[4.4.0.1
2、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸
無水物、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.
12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン
酸無水物、または8,9−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12、5.17,10]−8−ドデセン−3,4−ジ
カルボン酸無水物等のテトラシクロドデセン類が好まし
い。これらの環状オレフィン系単量体は、単独でもまた
は2種以上を同時に用いてランダムな共重合体として
も、または、続けて用いてブロック共重合体としてもよ
い。
(2)で表される環状オレフィン系単量体と共に、リビ
ング開環メタセシス触媒で重合する他の環状オレフィン
単量体を用いて共重合しても良い。そのような他の環状
オレフィン単量体としては、例えば、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシク[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−ブロモビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−メチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカ
ルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−tert−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2
−イル)オキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブチルカルボキシル
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジtert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、または5,6−ジ(テトラ
ヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエ
ン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イ
ル)オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカ
ルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2
−イル)オキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−
ブチルカルボキシルカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.1 2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジtert
−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒ
ドロピラン−2−イル)オキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルメチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、または8−tert−ブトキシカルボニルオキシメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン等のテトラシクロドデセン誘導体、ヘキサシクロ
[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘプタデ
セン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.
13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセ
ン、11−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.
110,13.0 2,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−
tert−ブトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.
13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセ
ン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカ
ルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.
02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブ
トキシカルボニルオキシヘキサシクロ[6.6.1.1
3,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、
11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボ
ニルオキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6.
110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−
tert−ブチルカルボキシルカルボニルヘキサシクロ
[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4
−ヘプタデセン、11,12−ジtert−ブトキシカルボ
ニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110, 13.0
2,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジ
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルヘ
キサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.0
9,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカル
ボニル−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサ
シクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.
09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカ
ルボニルオキシ−12−tert−ブトキシカルボニルメチ
ルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.
02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラ
ヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−12−te
rt−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.
1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデ
セン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ
カルボニルオキシ−12−tert−ブトキシカルボニルメ
チルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,
7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒド
ロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルヘキサシ
クロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09 ,14]
−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2
−イル)オキシカルボニルオキシメチルヘキサシクロ
[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09 ,14]−4
−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルメチ
ルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.
02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、または11−ter
t−ブトキシカルボニルオキシメチルヘキサシクロ
[6.6.1.1 3,6.110,13.02,7.09,14]−4
−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン誘導体、
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.
113,16.0 3,8.012,17]−5−ドコセン、14−メ
チルオクタシクロ[8.8.0.12, 9.14,7.1
11,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、1
4−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.
111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、
14−tert−ブトキシカルボニルオクタシクロ[8.
8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.0
12,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン
−2−イル)オキシカルボニルオクタシクロ[8.8.
0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカル
ボニルオキシオクタシクロ[8.8.0.12,9.
14,7.1 11,18.113,16.03,8.012,17]−5−ド
コセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキ
シカルボニルオキシオクタシクロ[8.8.0.
12,9.14 ,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−
5−ドコセン、14,15−ジtert−ブトキシカルボニ
ルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.
111,18.11 3,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、
14,15−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキ
シカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9.
14,7.111 ,18.113,16.03,8.012,17]−5−ド
コセン、14−tert−ブトキシカルボニル−15−tert
−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.
0.12, 9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカル
ボニルオキシ−15−tert−ブトキシカルボニルメチル
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.
113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−
(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−
15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ
[8.8.0.12,9.14,7.111 ,18.113,16.0
3,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロ
ピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−15−te
rt−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.
0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラ
ン−2−イル)オキシカルボニルメチルオクタシクロ
[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.0
3,8.012,17]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロ
ピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルオク
タシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.11
3,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−tert−
ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.
12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012, 17]−
5−ドコセン、または14−tert−ブトキシカルボニル
オキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.
14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ド
コセン等のオクタシクロドコセン誘導体、またはシクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオク
テン等のシクロオレフィン類等を挙げることができる。
合触媒としては、リビング開環メタセシス重合する触媒
であればどのようなものでもよいが、開環メタセシス触
媒の具体例としては、W(N−2,6−C6H3Pri 2)
(CHBut)(OBut)2、W(N−2,6−C6H3
Pri 2)(CHBut)(OCMe2CF3)2、W(N−
2,6−C6H3Pri 2)(CHBut)(OCMe2(C
F3)2)2、W(N−2,6−C6H3Pri 2)(CHC
Me2Ph)(OBut)2、W(N−2,6−C6H3P
ri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、W
(N−2,6−C 6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)
(OCMe2(CF3)2)2、(式中のPriはiso−
プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチ
ル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系
アルキリデン触媒、W(N−2,6−Me2C6H3)
(CHCHCMePh)(O−But)2(PMe3)、
W(N−2,6−Me2C6H3)(CHCHCMe2)
(O−But)2(PMe3)、W(N−2,6−Me2C
6H3)(CHCHCPh2)(O−But)2(PM
e3)、W(N−2,6−Me2C6H3)(CHCHCM
ePh)(OCMe2(CF3))2(PMe3)、W(N
−2,6−Me2C6H3)(CHCHCMe2)(OCM
e2(CF3))2(PMe3)、W(N−2,6−Me2
C6H3)(CHCHCPh2)(OCMe2(CF3))2
(PMe3)、W(N−2,6−Me2C6H3)(CHC
HCMe2)(OCMe(CF3)2)2(PMe3)、W
(N−2,6−Me2C 6H3)(CHCHCMe2)(O
CMe(CF3)2)2(PMe3)、W(N−2,6−M
e2C6H3)(CHCHCPh2)(OCMe(C
F3)2)2(PMe3)、W(N−2,6−Pri 2C
6H3)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))
2(PMe3)、W(N−2,6−Pri 2C6H3)(CH
CHCMePh)(OCMe(CF3)2)2(PM
e3)、W(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHCHC
MePh)(OPh)2(PMe3)、(式中のPriは
iso−プロピル基、Butはtert−ブチル基、M
eはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタング
ステン系アルキリデン触媒、Mo(N−2,6−Pri 2
C6H3)(CHBut)(OBut)2、Mo(N−2,
6−Pri 2C6H3)(CHBut)(OCMe2C
F3)2、Mo(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHBu
t)(OCMe(CF3)2)2、Mo(N−2,6−Pr
i 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OBut)2、Mo
(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)
(OCMe2CF3)2、Mo(N−2,6−Pri 2C6H
3)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2、
(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert
−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表
す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CB
ut)(CHBut)(O−2,6−Pri 2C6H3)2、
Re(CBut)(CHBut)(O−2−ButC
6H4)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe2C
F3)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe(C
F 3)2)2、Re(CBut)(CHBut)(O−2,
6−MeC6H3)2、(式中のButはtert−ブチル
基を表す。)等のレニウム系アルキリデン触媒、Ta
[C(Me)C(Me)CHMe3](O−2,6−P
ri 2C6H3)3Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CH
Me3](O−2,6−Pri 2C6H3)3Py、(式中の
Meはメチル基、Phはフェニル基、Pyはピリジン基
を表す。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(C
HCHCPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(CHCHC
Ph2)(P(C6H11)3)2Cl2(式中のPhはフェ
ニル基を表す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒や
チタナシクロブタン触媒が挙げられる。上記開環メタセ
シス触媒は、単独にまたは2種以上混合してもよい。
触媒としてのルイス酸との組合せによるリビング開環メ
タセシス触媒系、例えぱ、モリブデン、タングステン等
の遷移金属ハロゲン錯体と助触媒として有機アルミニウ
ム化合物、有機錫化合物またはリチウム、ナトリウム、
マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の有機金属
化合物とから成る開環メタセシス触媒を用いることもで
きる。
は、W(N−2,6−C6H3Pri 2)(thf)(OB
ut)2Cl2、W(N−2,6−C6H3Pri 2)(th
f)(OCMe2CF3)2Cl2、W(N−2,6−C6
H3Pri 2)(thf)(OCMe2(CF3)2)2C
l2、W(N−2,6−C6H3Pri 2)(thf)(O
But)2Cl2、W(N−2,6−C6H3Pri 2)(t
hf)(OCMe2CF3)2Cl2、W(N−2,6−C
6H3Pri 2)(thf)(OCMe2(CF3)2)2Cl
2、(式中のPriはiso−プロピル基、Butはte
rt−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、
thfはテトラヒドロフランを表す。)等のタングステ
ン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせか
らなる触媒、またはMo(N−2,6−Pri 2C6H3)
(thf)(OBut)2Cl2、Mo(N−2,6−P
ri 2C6H3)(thf)(OCMe2CF3)2Cl2、M
o(N−2,6−Pri 2C6H3)(thf)(OCMe
(CF3)2)2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 2C
6H3)(thf)(OBut)2Cl2、Mo(N−2,
6−Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2CF3)2C
l2、Mo(N−2,6−Pr i 2C6H3)(thf)
(OCMe(CF3)2)2Cl2、(式中のPriはis
o−プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meは
メチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフ
ランを表す。)等のモリブデン系ハロゲン錯体と下記有
機金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられる。
体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェ
ニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルア
ルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒ
ドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物、テ
トラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、
ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル
錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリ
ド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジ
ド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、
ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル
錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫ト
リブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物、
n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、n−ペン
チルナトリウム等の有機ナトリウム化合物、メチルマグ
ネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチ
ルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブ
ロミド、t―ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグ
ネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物、ジエチ
ル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジエチルカドミウム等の有
機カドミウム化合物、トリメチルホウ素、トリエチルホ
ウ素、トリ−n−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等
が挙げられる。
シス重合において環状オレフィン系単量体と開環メタセ
シス触媒のモル比は、タングステン、モリブデン、レニ
ウム、タンタル、またはルテニウム等の遷移金属アルキ
リデン触媒やチタナシクロブタン触媒の場合は、環状オ
レフィン系単量体が遷移金属アルキリデン錯体に対して
モル比で2〜10000であり、好ましくは10〜50
00である。また、有機遷移金属ハロゲン錯体と有機金
属化合物から成る開環メタセシス触媒の場合、環状オレ
フィン系単量体が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモ
ル比で2〜10000、好ましくは10〜5000であ
り、助触媒としての有機金属化合物が有機遷移金属ハロ
ゲン錯体に対してモル比で0.1〜10、好ましくは1
〜5となる範囲である。
メタセシス重合は無溶媒でも溶媒を使用して良いが、特
に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジ
オキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチル
シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メ
チレンジクロライド、ジクロロエタン、ジクロロエチレ
ン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、トリクロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これら
の2種類以上を混合使用しても良い。
めるために連鎖移動剤として用いられるオレフィンとし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンが挙げら
れ、さらに、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチ
ルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプ
ロピルシラン等のケイ素含有オレフィンが挙げられ、ま
た、ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,5−
ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン等の非共役系ジエ
ンが挙げられる。さらに、これらオレフィンまたはジエ
ンはそれぞれ単独または2種類以上を併用しても良い。
ンまたはジエンの使用量は、オレフィンまたはジエンが
環状オレフィン系単量体に対して0.001〜100
0、好ましくは0.01〜100の範囲である。また、
オレフィンまたはジエンが遷移金属アルキリデン錯体の
アルキリデンの1当量に対して0.1〜1000、好ま
しくは1〜500の範囲である。
および重合溶媒ヘの溶解性によっても異なるが、単量体
/開環メタセシス触媒と溶媒の濃度は0.1〜100m
ol/Lの範囲が好ましく、通常零下30〜150℃の
反応温度で1分〜10時間反応させ、ブチルアルデヒド
等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、メタノール
等のアルコール類等の失活剤で反応を停止し、開環メタ
セシス重合体溶液を得ることができる。
セシス重合によって得られる重合体は、開環メタセシス
重合がリビング重合反応であるため、単量体と触媒のモ
ル比を制御することによって、所望の分子量の重合体を
得ることができる。また、連鎖移動剤としてオレフィン
またはジエンの存在下でリビング開環メタセシス重合を
行うことでリビング重合反応を保ちながら、単量体と連
鎖移動剤と触媒のモル比を制御することによっても、所
望の分子量の重合体を得ることができる。このリビング
重合により、Mnが500〜100,000の分子量の
重合体を得ることができる。好ましくは、1,000〜
50,000であり、特に、好ましくは3,000〜2
0,000である。また、単量体及び連鎖移動剤の性質
によって多少の差異はあるものの、Mw/Mnも1.0
〜2.0の狭い分子量分布の範囲に制御することができ
る。好ましくは1.0〜1.8、更に好ましくは1.0
〜1.6の範囲である。
体をリビング開環メタセシス触媒で重合した後、水素添
加触媒のもとに水素添加する。このような水素添加触媒
としては、公知の水素添加触媒を使用することができ
る。具体例として不均一系触媒ではパラジウム、白金、
ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の金属をカーボン、
シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ケイソウ
土、合成ゼオライト等の担体に担持させた担持型金属触
媒、または均一系触媒では、ナフテン酸ニッケル/トリ
エチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/
トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n
−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルア
ルミニウムクロリド、酢酸ロジウム、ジクロロビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(ト
リフェニルホスフィン)ロジウム、ジヒドリドテトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げら
れ、さらに、均一系触媒として水素の存在下に下記一般
式(3)
ジウム、パラジウム、白金またはニッケルを表し、Hは
水素を表し、Qはハロゲンを表し、TはCO、NO、ト
ルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表
し、ZはPR´1R´2R´3(Pはリンを示し、R´1、
R´2、R´3はそれぞれ同一もしくは異なる直鎖、分岐
または環状のアルキル、アルケニル、アリール、アルコ
キシまたはアリロキシを示す。)で表せる有機リン化合
物を表し、kは0または1の整数、hは1〜3の整数、
pは0または1の整数、qは2〜4の整数を表す。)で
表わされる有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添
加触媒を用いて水素添加することもできる。
表し具体例として、塩素、フッ素、臭素または沃素原子
を例示できる。更に、TはCO、NO、トルエン、アセ
トニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、Zは有機
リン化合物を表し具体例として、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィ
ン、トリn−プロピルホスフィン、トリt−ブチルホス
フィン、トリイソブチルホスフィン、トリn−ブチルホ
スフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチル
フェニルホスフィン、トリo−トリルホスフィン、トリ
m−トリルホスフィン、トリp−トリルホスフィン、ジ
エチルフェニルホスフィン、ジクロロ(エチル)ホスフ
ィン、ジクロロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェ
ニルホスフィン、トリメチルホスフィト、トリイソプロ
ピルホスフィト、トリフェニルホスフィトを例示でき
る。
例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)
ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白
金、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)オスミ
ウム、ジクロロヒドリドビス(トリフェニルホスフィ
ン)イリジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム、トリクロロニトロシルビス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス
(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウム、ジクロロビス(テトラヒドロフラン)ビス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリ
ド(トルエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテ
ニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニル
トリス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ク
ロロヒドリドニトロシルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリエチルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリシクロヘキシル
ホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチ
ルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス
(トリジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジク
ロロトリス(トリo−トリルホスフィン)ルテニウム、
ジクロロトリス(ジクロロエチルホスフィン)ルテニウ
ム、ジクロロトリス(ジクロロフェニルホスフィン)ル
テニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィト)ル
テニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィト)
ルテニウム等が挙げられる。
チルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミ
ン、1,3−ジアミノシクロブタン等の一級アミン化合
物、ジメチルアミン、メチルイソプロピルアミン、N−
メチルアニリン等の二級アミン化合物、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、N,N−
ジメチルアニリン、ピリジン、γ−ピコリン等の三級ア
ミン化合物等を挙げることができ、特にトリエチルアミ
ンを用いた場合が水素添加率の向上が著しい。これらの
有機金属錯体またはアミン化合物は、それぞれ2種以上
任意の割合で併用することもできる。
体を水素添加する公知の水素添加触媒を使用する場合、
開環メタセシス重合体と水素添加触媒の使用量は、公知
の水素添加触媒が開環メタセシス重合体に対して5〜5
0000ppmであり、好ましくは100〜1000p
pmである。また、有機金属錯体とアミン化合物からな
る水素添加触媒を使用する場合は、有機金属錯体が開環
メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであ
り、好ましくは10〜10000ppm、特に好ましく
は50〜1000ppmである。また、アミン化合物は
使用する有機金属錯体に対して、0.1〜1000当
量、好ましくは0.5〜500当量、特に好ましくは1
〜100当量である。
添加触媒は、予め有機金属錯体とアミン化合物を接触処
理したものを用いても可能であるが、有機金属錯体とア
ミン化合物を予め接触処理することなく、それぞれ直接
反応系に添加してもよい。
いて用いられる溶媒としては開環メタセシス重合体を溶
解し溶媒自体が水素添加されないものであればどのよう
なものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン等の
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサ
ン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロ
リド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロ
ロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは2種以上混合
して使用してもよい。
水素圧力が通常、常圧〜30MPa、好ましくは0.5
〜20MPa、特に好ましくは2〜15MPaの範囲で
行われ、その反応温度は、通常0〜300℃の温度であ
り、好ましくは室温〜250℃、特に好ましくは50〜
200℃の温度範囲である。
体水素添加物の製造は、開環メタセシス重合体溶液から
開環メタセシス重合体を単離した後再度溶媒に溶解して
も可能であるが、単離することなく、上記有機金属錯体
とアミン化合物からなる水素添加触媒を加えることによ
り水素添加反応を行う方法を採用することもできる。開
環メタセシス重合または水素添加反応の終了後、公知の
方法により重合体に残存する開環メタセシス触媒または
水素添加触媒を除去することができる。例えば、濾過、
吸着剤による吸着法、良溶媒による溶液に乳酸等の有機
酸と貧溶媒と水とを添加し、この系を常温下或いは加温
下に於いて抽出除去する方法、更には良溶媒による溶液
または重合体スラリーを塩基性化合物と酸性化合物で接
触処理した後、洗浄除去する方法等が挙げられる。
重合体水素化物の回収法は特に限定されず、公知の方法
を用いることができる。例えば、攪拌下の貧溶媒中に反
応溶液を排出し重合体水素化物を凝固させ濾過法、遠心
分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反
応溶液中にスチームを吹き込んで重合体水素化物を析出
させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を
加熱等により直接除去する方法等が挙げられる。
ると水素添加率は90%以上が容易に達成でき、95%
以上、特に99%以上とすることが可能であり、そうし
て得られる環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素
添加物は容易に酸化されることがなく、優れた開環メタ
セシス重合体の水素添加物となる。
体を水素添加し、開環メタセシス重合体の水素添加物と
した後に、酸無水物基の少なくとも一部を加水分解し、
重合体の構造単位の全部または一部をカルボン酸に変換
する。この加水分解反応は、硫酸、塩酸、硝酸、トルエ
ンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触
媒存在下で行う酸性分解、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化バリウム等のアルカリ性触媒存在下で行
うアルカリ性分解、または酸、アルカリに代えて酢酸ナ
トリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性分解のいずれ
で行っても良い。
溶媒でも有機溶媒でも使用することができるが、特に使
用する有機溶媒としては、アセトン等のケトン類、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香
族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン等の脂肪族炭化水素、酢酸等のカルボン酸、ニト
ロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピ
リジン類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類等
が挙げられ、水と混合しても良い。更に、これらの2種
類以上を混合使用しても良い。反応温度は、通常0〜3
00℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃の温度
範囲である。
にアルカリまたは酸で適宜、中和処理しても良い。加水
分解の後、開環メタセシス重合体の水素添加物溶液また
はスラリーからの重合体の回収法は特に限定されず、公
知の方法を用いることができる。例えば、溶液の場合、
攪拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を
沈殿させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテ
ーション法等により回収する方法、反応溶液にスチーム
を吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピン
グ法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方
法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠
心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等
が挙げられる。
て得られた重合体をビニルエーテル類またはα,β−不
飽和ケトン類と反応させて、一般式(1)で表される酸
解離性基を有する狭分散性重合体が得られる。ビニルエ
ーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i
so−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエー
テル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチ
ルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、i
so−オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエ
ーテル、エチル−1−プロペニルエーテル、2−エチル
ヘキシルビニルエーテル、tert−ペンチルビニルエ
ーテル、オクタデシルビニルエーテル、セシルビニルエ
ーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、ビニル−
2−(2−エトキシエトキシ)エチルエーテル、エチレ
ングリコールブチルビニルエーテル、またはtert−
アミルビニルエーテル等のアルコキシ置換または無置換
のアルキルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテ
ル、o−ニトロフェニルビニルエーテル、またはp−ト
ルイルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、
または、2,3−ジヒドロフラン、4,5−ジヒドロ−
2−メチルフラン、5,6−ジヒドロ−4−メトキシ−
2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H
−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピ
ラン、または3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等の不飽
和環状エーテル化合物等が挙げられる。これらのうち、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プ
ロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニル
エーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2,3−
ジヒドロフラン、または3,4−ジヒドロ−2H−ピラ
ンが好ましく、更に好ましくは、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブ
チルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテ
ル、2,3−ジヒドロフラン、または、3,4−ジヒド
ロ−2H−ピランであり、最も好ましくは、エチルビニ
ルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2,3
−ジヒドロフラン、または3,4−ジヒドロ−2H−ピ
ランである。また、α,β−不飽和ケトン類としては、
メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、3−ペンテ
ン−2−オン、メシチルオキサイド、4−ヘキセン−3
−オン、5−メチル−3−ヘキセン−2−オン、3−ノ
ネン−2−オン等の脂肪族−α,β−不飽和ケトン類、
または2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−2
−シクロヘキセン−1−オン、4,4−ジメチル−2−
シクロヘキセン−1−オン、3,5−ジメチル−2−シ
クロヘキセン−1−オン、2,4,4−トリメチル−2
−シクロヘキセン−1−オン、イソホロン、3−エトキ
シ−2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロペンテ
ン−1−オン等の脂環族−α,β−不飽和ケトン類等が
挙げられる。これらのうち、メチルビニルケトン、エチ
ルビニルケトン、3−ペンテン−2−オン、2−シクロ
ヘキセン−1−オン、またはイソホロンが好ましく、更
に好ましくは、メチルビニルケトンまたはイソホロンで
ある。これらのビニルエーテル類またはα,β−不飽和
ケトン類の使用量は、重合体中に含まれるカルボン酸成
分1モルに対して通常50モル以下であり、好ましくは
0.1ないし10モルの範囲であり、更に好ましくは
0.5ないし5モルの範囲である。
トン類と反応させる際、触媒として酸を用いるのが好ま
しい。これに用いる酸としては、例えば、塩化水素ガス
等のハロゲン化水素、硫酸、リン酸、塩酸または臭化水
素酸等の鉱酸、ヘテロポリ酸もしくはナフィオン等の固
体酸、または、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、シュウ酸、クロ
ルスルホン酸・ピリジン塩、硫酸・ピリジン塩もしくは
p−トルエンスルホン酸・ピリジン塩等の有機酸が挙げ
られ、これらのうち、塩化水素ガス、塩酸、トリフルオ
ロ酢酸、p−トルエンスルホン酸・ピリジン塩、または
硫酸・ピリジン塩が好ましい。これらの酸は、単独で
も、または2種以上を同時または順次に使用することも
できる。これらの使用量は、使用するビニルエーテル類
1モルに対して通常2モル以下であり、好ましくは、
0.00001ないし0.5モルの範囲であり、更に好
ましくは0.0001ないし0.1モルの範囲である。
トン類との反応において、溶媒を用いずに反応を行いう
る場合もあるが、通常は溶媒の存在下で実施される。用
いる場合の溶媒としては、反応を阻害しないものであれ
ば何れでも使用することができるが、具体的には、例え
ば、水;n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、
シクロヘキサン等の脂肪族または脂環族の炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン等の芳香
族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族または芳香族ハ
ロゲン化合物;ジエチルエーテル、ジフェニルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチ
ルケトン、アセトフェノン等のケトン類;アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル類;および酢酸エチ
ルやプロピオン酸エチル等のエステル類等が挙げられ
る。これらは単独でもまたは2種以上を混合して使用し
てもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液
が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相と
なっても構わない。
はなく、加水分解された重合体、ビニルエーテル類また
はα,β−不飽和ケトン類、酸、および使用する場合の
溶媒等が効果的に混合され接触される方法であれば如何
なる方法でもよく、回分式、半回分式または連続流通式
の何れでも構わない。
合体や酸、及び使用する場合の溶媒等の種類や量により
異なり一様ではない。しかしながら、通常反応温度は零
下10ないし100℃の範囲であり、好ましくは、0な
いし60℃の範囲である。反応時間は、通常20時間以
内であり、好ましくは0.01ないし10時間の範囲で
ある。反応は場合によって減圧、常圧または加圧の何れ
でも実施できる。また、本反応は、不活性ガス雰囲気下
でも、空気等の分子状酸素の存在下でも行うことができ
る。
重合体を水素添加し、開環メタセシス重合体の水素添加
物とした後に、アルコール類と反応させて、直接本発明
における酸解離性基を有する狭分散性重合体を得ること
もできる。アルコール類としては、例えば、tert−
ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、2,
3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペン
タノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル
−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノ
ール、2−メチル−2−ヘキサノール、1−メチル−1
−シクロヘキシルアルコール、1−アダマンチルアルコ
ール、または、2−メチル−2−アダマンチルアルコー
ル等の3級アルコール等が挙げられ、これらのうち、t
ert−ブチルアルコールが好ましい。これらのアルコ
ール類の使用量は、酸無水物成分1モルに対して通常1
00モル以下であり、好ましくは0.01ないし10モ
ルの範囲であり、更に好ましくは0.1ないし5モルの
範囲である。
るアルコール自身を溶媒としても用いるのが好ましい
が、反応を阻害しないものであれば何れでも使用するこ
とができる。そのような溶媒としては、例えば、n−ヘ
キサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、シクロヘキサン
等の脂肪族または脂環族の炭化水素類;ベンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン等の脂肪族または芳香族ハロゲン化合物;
ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等
のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、アセト
フェノン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニト
リル等のニトリル類;および酢酸エチルやプロピオン酸
エチル等のエステル類等が挙げられる。これらは単独で
もまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、こ
れらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となること
が好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
間は、使用する重合体やアルコール類、及び使用する場
合の溶媒等の種類や量により異なり一様ではない。しか
しながら、通常反応温度は零下10ないし250℃の範
囲であり、好ましくは、0ないし200℃の範囲であ
る。反応時間は、通常30時間以内であり、好ましくは
0.01ないし10時間の範囲である。反応は場合によ
って減圧、常圧または加圧の何れでも実施できる。
はなく、開環メタセシス重合体水素添加物、アルコール
類、および使用する場合の溶媒等が効果的に混合され接
触される方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、
半回分式または連続流通式の何れでも構わない。また、
本反応は、アルコールとの反応速度や効率を更に高める
ため、触媒や添加剤等を用いることもできる。
る構造単位を有し、Mw/Mnが1.0〜2.0であ
り、かつMnが500〜100,000である酸解離性
基を有する狭分散性重合体が得られる。この重合体は、
メタノールやヘキサン等適当な溶剤を用いて沈殿させ、
洗浄、乾燥する等通常の方法により単離精製することが
できる。
が、本発明がこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例において得られた重合体の物性値は、以下
の方法により測定した。Mn,Mwの算出は、GPCを
使用し、得られた環状オレフィン系開環メタセシス重合
体、該重合体水素添加物、加水分解した該重合体水素添
加物または該酸解離性基を有する重合体をテトラヒドロ
フランに溶解し、検出器として日本分光製830−RI
およびUVIDEC−100−VI、カラムとしてSh
odexk−805,804,803,802.5を使
用し、室温において流量1.0ミリリットル/分でポリ
スチレンスタンダードによって分子量を較正し行った。
水素添加率は、環状オレフィン系開環メタセシス重合体
水素添加物の粉末を重水素化クロロホルムに溶解し、9
0MHz−NMRを用いてδ=4.5〜6.0ppmの
主鎖の炭素−炭素間二重結合に帰属するピークが、水素
添加反応によって減少する大きさを算出し、求めた。加
水分解反応、ビニルエーテル類との反応、及びアルコー
ル類との反応の定量は、400MHz−NMRを用い
て、カルボン酸のヒドロキシプロトンに帰属するピーク
との比により算出し、求めた。また同時に、島津FTI
R−8100Mで赤外吸収スペクトル測定し、エステル
のカルボニル伸縮振動1760〜1700cm-1とカル
ボン酸のカルボニル伸縮振動1740〜1780cm-1
とからも確認した。
ートクレーブに環状オレフィン系単量体としてテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−
3,4−ジカルボン酸無水物10.0グラム(43.4
ミリモル)をテトラヒドロフラン350ミリリットル
(以後THFと言う)に溶解し攪件を行った。これにリ
ビング開環メタセシス触蝶としてMo(N−2,6−C
6H3Pri 2)(CHCMe3)(0But)2375ミリ
グラム(0.77ミリモル)を加え室温で3時間反応さ
せた。その後、ブチルアルデヒド278ミリグラム
(3.85ミリモル)を加え30分間攪件し、反応を停
止させた。この開環メタセシス重合体溶液にトリメチレ
ンジアミン570ミリグラム(7.70ミリモル)を加
え、水素分圧0.49MPa、80℃で1時間攪拌した
後、メタノール2000ミリリットル中に加えて開環メ
タセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、
真空乾燥して10.0グラムの開環メタセシス重合体粉
末を得た。
レーブにこの開環メタセシス重合体粉末10.0グラム
をTHF800ミリリットルに溶解して、水素添加触媒
として予め調製したジクロロテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム5.0ミリグラム(0.004
ミリモル)とトリエチルアミン2.1ミリグラム(0.
020ミリモル)のTHF80ミリリットル溶液を加
え、水素圧8.1MPa、165℃で5時間水素添加反
応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出し
た。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノ
ールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿
させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状
の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開
環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出
した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属す
るピークが認められず、その水素添加率は100%であ
り、GPCで測定した数平均分子量Mnは12,50
0、Mw/Mnは1.02であった。得られた開環メタ
セシス重合体水素添加物10.0グラムを1000ミリ
リットルのフラスコに挿入し、そこにベンゼン500ミ
リリットル、水100ミリリットル、パラトルエンスル
ホン酸5.0ミリリットルを加え、50℃で3時間攪拌
した後、メタノールに加え、沈殿、濾過し、乾燥した。
さらに、THFに溶解させ、メタノールに加え、沈殿、
濾過し、真空乾燥して白色粉末状の加水分解した開環メ
タセシス重合体の水素添加物を得た。GPCで測定した
数平均分子量Mnは13,500、Mw/Mnは1.0
3であった。得られた加水分解された開環メタセシス重
合体水素添加物5.0グラムを、撹拌機及び内容積10
0ミリリットルの滴下ロートを装着した500ミリリッ
トルのフラスコに装入し、そこに塩化メチレン150ミ
リリットル、及び触媒としてパラトルエンスルホン酸ピ
リジン塩2.5ミリグラムを加え、温度を15℃に保ち
ながら滴下ロートよりエチルビニルエーテル1.44グ
ラム(20.0ミリモル)を塩化メチレン50ミリリッ
トルに溶解させた溶液を10分かけて滴下した。そのま
ま空気雰囲気下で3時間反応させた。この液をメタノー
ルに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重
合体を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは1
7,000、Mw/Mnは1.05であった。1HNM
Rから算出すると重合体中のカルボン酸基と1−エトキ
シエトキシ基との比はほぼ50/50であった。
Mo(N−2,6−C 6H3Pri 2)(CHCMe3)
(0But)2に代えてW(N−2,6−C6H3Me2)
(CHCHCMe2)(PMe3)(0But)2を464
ミリグラム(0.77ミリモル)使用したこと以外は実
施例1と同様にして開環メタセシス重合及び水素添加反
応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加
物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の
1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィ
ンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素
添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子
量Mnは13,200、Mw/Mnは1.04であっ
た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物10.0
グラムを、撹拌機及び冷却還流基を装着した1000ミ
リリットルのフラスコに装入し、そこにtert−ブチ
ルアルコール300ミリリットル、ベンゼン200ミリ
リットル、及びパラトルエンスルホン酸75ミリグラム
を加え、撹拌しながら5時間還流させながら反応させ
た。その後、減圧濃縮して全量を50グラムとし、メタ
ノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状
の重合体を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは
17,400、Mw/Mnは1.07であった。1HN
MRから算出すると、重合体中のカルボン酸基とter
t−ブチルエステル基との比はほぼ50/50であっ
た。
Mo(N−2,6−C 6H3Pri 2)(CHCMe3)
(0But)2に代えてW(N−2,6−C6H3Me2)
(CHCHCMe2)(PMe3)(0But)2を90ミ
リグラム(0.15ミリモル)を使用し、1,5−ヘキ
サジエン493ミリグラム(6.0ミリモル)を共存さ
せ、重合温度を50℃で行った以外は実施例1と同様に
して開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色
粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得ら
れた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRか
ら算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに
帰属するピークが認められず、その水素添加率は100
%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは10,
300、Mw/Mnは1.37であった。得られた開環
メタセシス重合体水素添加物10.0グラムを実施例1
と同様に加水分解反応を行い、同様に後処理して、白色
粉末状の加水分解された開環メタセシス重合体水素添加
物を得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは11,
100、Mw/Mnは1.42であった。得られた加水
分解された開環メタセシス重合体水素添加物5.0グラ
ムを、撹拌機及び内容積100ミリリットルの滴下ロー
トを装着した500ミリリットルのフラスコに装入し、
そこに塩化メチレン150ミリリットル、及び触媒とし
てパラトルエンスルホン酸ピリジン塩2.5ミリグラム
を加え、温度を25℃に保ちながら滴下ロートより3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン1.68グラム(20.0
ミリモル)を塩化メチレン50ミリリットルに溶解させ
た溶液を20分かけて滴下した。そのまま空気雰囲気下
で5時間反応させた。この液をメタノールに加え、沈
殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重合体を得た。
GPCで測定した数平均分子量Mnは14,800、M
w/Mnは1.49であった。1HNMRから算出する
と重合体中のカルボン酸基と2−テトラヒドロピラニル
基との比はほぼ50/50であった。
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ド
デセン−3,4−ジカルボン酸無水物の量を3.5グラ
ム(15.4ミリモル)に代え、更に8−tert−ブトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン6.0グラム(23.0ミリモ
ル)を使用し、反応時間を1時間に変えた以外は実施例
3と同様にして開環メタセシス重合及び水素添加反応を
行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を
得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H
−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンの
プロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加
率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量M
nは9,800、Mw/Mnは1.27であった。得ら
れた開環メタセシス重合体水素添加物9.0グラムを、
撹拌機及び冷却還流基を装着した1000ミリリットル
のフラスコに装入し、そこにtert−ブチルアルコー
ル300ミリリットル、ベンゼン200ミリリットル、
及びパラトルエンスルホン酸50ミリグラムを加え、撹
拌しながら5時間還流させながら反応させた。その後、
減圧濃縮して全量を50グラムとし、メタノールに加
え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の重合体を
得た。GPCで測定した数平均分子量Mnは12,90
0、Mw/Mnは1.07であった。
ートクレーブに環状オレフィン系単量体としてテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−
3,4−ジカルボン酸無水物10.0グラム(43.4
ミリモル)を1,2ジクロロエタン300ミリリットル
に溶解し攪件を行った。これに開環メタセシス重合触蝶
として六塩化タングステンのクロロベンゼン溶液(0.
23ミリモル)とパラアルデヒドの1,2−ジクロロエ
タン溶液(0.13ミリモル)と分子量調節剤として1
−ヘキセン(0.38グラム)と助触媒としてイソブチ
ルアルミニウムのトルエン溶液(1.50ミリモル)を
加え、60℃で2時間反応させた。この重合液を多量の
メタノール中に加え、反応を停止させ、開環メタセシス
重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥
して3.5グラムの開環メタセシス重合体粉末を得た。
その後、1000ミリリットルのオートクレーブにこの
開環メタセシス重合体粉末3.0グラムをTHF300
ミリリットルに溶解して、水素添加触媒として予め調製
したジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ル
テニウム1.6ミリグラム(0.0013ミリモル)と
トリエチルアミン0.7ミリグラム(0.0065ミリ
モル)のTHF26ミリリットル溶液を加え、水素圧
8.1MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った
後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環
メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて
開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分
離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセ
シス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス
重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加
率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認
められず、その水素添加率は100%であり、GPCで
測定した重量平均分子量Mwは25,300、数平均分
子量Mnは7,300、Mw/Mnは3.47であっ
た。
その製造方法は、耐熱性、耐熱分解性、光透過性等に優
れた紫外線や遠紫外線を用いた半導体微細加工用フォト
レジストに適した重合体及びその製造方法であり、工業
的に極めて価値がある。
Claims (8)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は酸により解離する基であり、R2〜R3は
それぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、
ハロゲン化アルキルまたはニトリルから選ばれ、mは0
または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位を有
し、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(M
w/Mn)が1.0〜2.0であり、かつGPCで測定
したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500
〜100,000であることを特徴とする酸解離性基を
有する狭分散性重合体。 - 【請求項2】 R1が、アルコキシアルキル基または3
−オキソアルキル基である請求項1記載の狭分散性重合
体。 - 【請求項3】 R1が、2−テトラヒドロピラニル、2
−テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチルまたは1
−tert−ブトキシエチルである請求項1記載の狭分
散性重合体。 - 【請求項4】 一般式(2) 【化2】 (式中、R2〜R3はそれぞれ水素、炭素数1〜20のア
ルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキルまたはニトリル
から選ばれ、mは0または1〜3の整数を表す。)で表
される環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシ
ス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加した
後、酸無水物基の少なくとも一部を加水分解し、更にビ
ニルエーテル類またはα,β−不飽和ケトン類と反応さ
せることを特徴とする請求項1〜3記載の狭分散性重合
体の製造方法。 - 【請求項5】 R1が、3級炭素基である請求項1記載
の狭分散性重合体。 - 【請求項6】 R1が、tert−ブチルである請求項
1記載の狭分散性重合体。 - 【請求項7】 一般式(2)で表される環状オレフィン
系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素
添加触媒のもとに水素添加した後、アルコール類と反応
させることを特徴とする請求項1、5または6記載の狭
分散性重合体の製造方法。 - 【請求項8】 一般式(2)で表される環状オレフィン
系単量体をオレフィンまたはジエンの存在下でリビング
開環メタセシス触媒で重合することを特徴とする請求項
4または7記載の狭分散性重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34315597A JP3703277B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34315597A JP3703277B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法 |
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JPH11171982A true JPH11171982A (ja) | 1999-06-29 |
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Family Applications (1)
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JP34315597A Expired - Lifetime JP3703277B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 酸解離性基を有する狭分散性重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3703277B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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