JP2016105131A - 表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 - Google Patents
表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016105131A JP2016105131A JP2014243032A JP2014243032A JP2016105131A JP 2016105131 A JP2016105131 A JP 2016105131A JP 2014243032 A JP2014243032 A JP 2014243032A JP 2014243032 A JP2014243032 A JP 2014243032A JP 2016105131 A JP2016105131 A JP 2016105131A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- light
- irradiation
- light source
- modified
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Discharge Lamp (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Abstract
Description
そこで、本発明は、基板表面の改質に要する時間を短縮することを課題とする。
本発明者らは、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を出射する光源を用いて基板に上記波長のVUV光を照射することにより、既存のVUV光源を使用する場合に比べ、基板の改質処理に要する時間が格段に短縮されることを見出した(詳細は後述の実験データに示す)。この理由は、以下のように推測される。即ち、波長160nm以下のVUV光は、有機物質の主要な結合形態であるC−C結合およびC−H結合に直接吸収されて解離励起するので、例えば有機基板や表面に有機膜が形成された基板などで効率よく改質が行われると考えられる。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、所定のパターンを有するマスクを介して前記照射光を前記基板に照射して光照射面に改質部と非改質部とを形成してもよい。このように改質部と非改質部とを形成することでパターン形成体を効率よく短時間で製造することが出来る。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記照射光が点光源から発生された光であることが好ましい。例えばパターン形成に用いられる場合などには、点光源から発生された光によってパターン境界が明瞭化するのでパターン精度をより高めることができる。
波長160nm以下のVUV光は、酸素分子からオゾンや原子状酸素を生成するので、解離励起した有機物質とオゾンや原子状酸素により酸素含有官能基を生成する生成反応が格段に速くなると考えられる。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板は、脂肪族化合物ポリマーからなる基板であってもよい。このように基板の材料として脂肪族化合物ポリマーを用いることで、VUV光照射による酸化分解反応を利用した表面改質が可能となる。
さらにまた、上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板は、表面に有機単分子膜が形成された基板であり、前記有機単分子膜に前記照射光を照射することにより、当該有機単分子膜の全部又は一部を除去するようにしてもよい。
このように、表面に例えば自己組織化単分子膜(SAM膜)等の有機単分子膜が形成された基板を用いることで、VUV光照射による有機単分子膜の酸化分解除去反応を行わせることができ、基板の表面改質が可能となる。
また、本発明の基板表面の改質方法の一態様は、真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する、基板表面の改質方法であって、前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光である。これにより、効率良く短時間で基板表面が改質される。
160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を出射する光源を用いて基板に上記波長のVUV光を照射することにより、既存のVUV光源を使用する場合に比べ、基板の改質処理に要する時間が格段に短縮される。
図1は、本実施形態における光照射装置の構成例を示す図である。
本実施形態では光照射装置の一例として、基板上にパターンを形成するパターニング装置への応用例が示されている。
光照射装置100は、真空紫外光(VUV光)を放射する真空紫外光光源装置10を備える。真空紫外光光源装置10は、光源11と、放物面ミラー12と、ランプハウジング13と、ランプハウジング13に設けられた窓部14とを備える。真空紫外光光源装置10は、本発明にいう光源部の一例に相当する。
図2は、光源の構成例を示す図である。
この光源11は、例えば円管状の発光管111を有する。この発光管111の両端の開口に対向するように、それぞれ例えば円板状の封止部材(図示省略)が配置されている。各封止部材には、後述する電極棒やリード棒が挿通される1つ又は複数の貫通孔が形成されている。そして、これらの封止部材と後述する複合金属管130,131によって、発光管111の両端を封止する封止構造が構成されている。また、光源11は、封止部材の厚み方向に貫通して伸びる排気管残部117を有し、この排気管残部117は、例えばコバール金属によって構成されている。
封止部材を構成する材料としては、多結晶セラミックスを用いることが好ましい。多結晶セラミックスとしては、線熱膨張係数が発光管111を構成する単結晶アルミナと近似するもの、例えば40×10−7〜90×10−7K−1のものを用いることが好ましい。好適な多結晶セラミックスとしては、例えば40質量%以上のアルミナを含有するアルミナ−シリカ系多結晶酸化物が挙げられる。
陰極113bと陽極113aとの離間距離は、例えば1〜10mm、好ましくは2〜5mmである。
陰極113bを構成する材料としては、各種酸化物ドープタングステン、エミッター含浸タングステンなどのエミッターを含有する高融点金属を用いることが好ましい。
トリガ電極115a,115bを構成する材料としては、例えばタングステンなどの高融点金属を用いることが好ましい。
封止部材と、電極棒114a,114bおよびリード棒116a,116b,122とをロウ付けするための金属ロウとしては、例えば銀ロウ、銅ロウ、金ロウなどを用いることができる。
発光ガスの封入圧は、例えば0.01MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3MPaであり、特に好ましくは0.1〜2MPaである。発光ガスの封入圧が過小である場合には、高出力の紫外線を出射することが困難となる。一方、発光ガスの封入圧が過大である場合には、光源11が点灯しにくくなるため好ましくない。
発光管111は、例えば単結晶アルミナよりなり、全長が例えば80mm、外径が例えば19mm、内径が例えば16mm(肉厚が例えば1.5mm)である。
封止部材は、例えばアルミナ−シリカ系多結晶酸化物よりなり、外径が例えば17.75mm、厚みが例えば4mmである。
陽極113aは、例えばタングステンよりなり、胴部の外径が例えば4mm、長さが例えば5mmである。陰極113bは、例えばバリウム系酸化物含浸タングステンよりなり、胴部の外径が例えば4mm、長さが例えば5mmである。陰極113bと陽極113aとの離間距離は例えば3mmである。
スパーカ電極120の絶縁性碍管120aは、例えばアルミナよりなり、外径が例えば1mm、長さが例えば3mmである。スパーカ電極120の芯棒120bは、例えばタングステンよりなり、外径が例えば0.4mm、長さが例えば7mmである。
電極棒114a,114bは、例えばコバール金属よりなり、外径が例えば2mmである。
リード棒116a,116b,122は,例えばコバール金属よりなり、外径が例えば1mmである。
発光管111内に封入された発光ガスは、例えばクリプトンガスであり、その封入圧は例えば1MPaである。
定格入力電力は、例えば50Wである。
電極棒114a,114b、トリガ電極115a,115b、及びスパーカ電極119は、不図示の外部リード線を介して外部の給電部(不図示)に接続されている。この給電部は、所定のエネルギーを蓄えるコンデンサを有する。そして、給電部は、当該コンデンサを充電することで一対の電極113aと113bとの間に高電圧を印加すると共に、スパーカ電極120、トリガ電極115a,115b及び陽極113aにパルス電圧を印加する。
当該窓部14は、ランプハウジング13と気密に組み立てられており、ランプハウジング13内部には、ランプハウジング13に設けられたガス導入口13aから窒素(N2)ガスなどの不活性ガスAが導入され、当該ランプハウジング13の内部は酸素濃度が低減されている。これは、VUVが酸素による吸収減衰を激しく受けるためであり、ランプハウジング13内を窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)などの不活性ガスによりパージすることによりVUVの酸素による吸収減衰を防止することができる。また、ランプハウジング13内部に導入された不活性ガスAは、フラッシュランプ11や放物面ミラー12を冷却した後ランプハウジング13に設けられた排気口13bから排気される。
なお、ランプハウジング13内部は、例えば真空であってもよいし、僅かに酸素を含む雰囲気であってもよい。
マスクMとしては、例えば、バイナリーマスク、位相シフトマスクなどのフォトマスクを使用することができる。また、マスクMとして、金属等の遮光性基板に対して透光部である開口部がパターン状に設けられたメタルマスクを使用することもできる。
真空紫外光光源装置10の窓部14、包囲部材21、マスクステージ22及びマスクMの内部は閉空間となっている。包囲部材21はガス導入口21aが設けられており、閉空間となった包囲部材21内部にはガス導入口21aから窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)などの不活性ガスAが導入され、当該包囲部材21内部は酸素濃度が低減されている。これは、ランプハウジング13内部の酸素濃度が低減されているのと同じ理由による。また、包囲部材21内部に導入された不活性ガスAは、包囲部材21に設けられた排気口21bから排気される。
なお、ランプハウジング13内部は、例えば真空であってもよいし、僅かに酸素を含む雰囲気であってもよい。
マスクMとワークWとの間隙の雰囲気は、制御部(雰囲気制御部)31によって、例えば大気雰囲気(酸素約20kPa)としている。
なお、マスクMとワークWとの間隙の雰囲気は大気雰囲気に限定されるものではない。酸素を含む雰囲気が好適であり、酸素分圧が大気と同等又はそれ以上であることが更に望ましいが、酸素を含まない例えば窒素雰囲気であってもよい。
環状ポリオレフィンの原料としては、例えばジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene:DCPD)やDCPDの誘導体(ノルボルネン誘導体)を用いる。ポリマーとしては、これらの環状オレフィンを単独重合することは立体障害の影響で困難であるので、αオレフィンと付加重合する方法や環状オレフィンの開環重合による方法を用いる。前者のポリマーをシクロオレフィンコポリマー(Cyclic Olefin Copolymer:COC)といい、後者のポリマーをシクロオレフィンポリマー(Cyclic Olefin Polymer:COP)という。
COCの分子構造は、下記(1)式で表される。
で示される少なくとも1種の多環式オレフィンを、下記(3)式
で示される少なくとも1種の非環式オレフィンでメタロセン触媒の存在下で共重合して得られたものとする。
COPとしては、例えば、遷移金属ハロゲン化物と有機金属化合物から成るメタセシス重合触媒を用いて、シクロオレフィン系単量体を開環重合して得られた重合体を用いることができる。
有機単分子膜が設けられる基材は、特に限定されるものではなく、パターン形成体の用途や表面改質の用途、および有機単分子膜を構成する分子の種類等を考慮して適宜選択される。具体的には、金、銀、銅、白金、鉄等の金属、石英ガラスや酸化アルミニウム等の酸化物、GaAsやInP等の化合物半導体、高分子材料等からなる種々の基材上に有機単分子膜を設けることができる。
具体的には、SAM膜を構成する有機分子として、以下の一般式(4)で示されるホスホン酸系化合物を使用することができる。
また、SAM膜を構成する有機分子の別の例として、以下の一般式(5)で示されるチオール系化合物を使用することができる。
このようなシラン系化合物の具体例としては、ビス(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、クロロメチル(メチル)ジメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、ジエトキシ(メチル)ビニルシラン、ジメトキシ(メチル)オクチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、N,N−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]アニリン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、メトキシ(ジメチル)オクタデシルシラン、メトキシ(ジメチル)オクチルシラン、オクテニルトリクロロシラン、トリクロロ[2−(クロロメチル)アリル]シラン、トリクロロ(ジクロロメチル)シラン、3−(トリクロロシリル)プロピルメタクリレート、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン塩酸塩、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、2−[(トリメチルシリル)エチニル]アニソール、トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、アジドトリメチルシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−アミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、イソブチル(トリメトキシ)シラン、エトキシジメチルフェニルシラン、エトキシトリメチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ(メチル)フェニルシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジフェニルシランジオール、(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ジメチルオクタデシル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリエトキシ(イソブチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナート、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリクロロ(オクタデシル)シラン、トリクロロ(オクチル)シラン、トリクロロシクロペンチルシラン、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シラン、トリクロロビニルシラン、トリクロロ(フェニル)シラン、トリクロロ(フェネチル)シラン、トリクロロ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イル)エチル]シラン、トリメトキシ(オクタデシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリラート、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリラート、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]尿素、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリメトキシ(2−フェニルエチル)シラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ[3−(メチルアミノ)プロピル]シラン、p−トリルトリクロロシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロドデシルトリクロロシラン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル−トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、(3−ブロモプロピル)トリクロロシラン、(3−ブロモプロピル)トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキサクロロジシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−ヨードプロピル)トリメトキシシラン等を挙げることができる。
ワークWのVUV照射処理は次のように行われる。
まず、制御部31は、真空チャック機構等を駆動制御し、マスクステージ22の所定の位置にセットされたマスクMを真空吸着により保持する。次に、制御部31はステージ移動機構32によりワークステージ23を下降し、ワークWをワークステージ23上に載置させた後、ステージ移動機構32によりワークステージ23を上昇し、ワークWを所定のVUV光照射位置にセットする。次に、制御部31は、ステージ移動機構32によりワークステージ23をXYθ方向に移動し、マスクMとワークWとの位置合わせ(アライメント)を行う。すなわち、マスクM上に印されたアライメント・マークとワークW上に印されたアライメント・マークを一致させる。
本発明者らは、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を出射する光源を用いて基板に上記波長のVUV光を照射することにより、既存のVUV光源を使用する場合に比べ、基板の改質処理に要する時間が格段に短縮されることを見出した。
さらに、光源11として、ショートアーク型フラッシュランプを適用するので、ワークWに対して上記波長のVUV光を適切に照射することができる。
以下、実施例により本発明の効果を説明する。
実施例では、VUV光源として、上述した具体的な仕様のSFL(以下ではこのVUV光源のことをKrサファイヤバルブ光源と称する場合がある。)が用いられている。また、実施例に対する比較例のVUV光源として、発光管が石英ガラス製である点を除いて他の仕様が上述した具体的な仕様と同様のSFL(以下ではこのVUV光源のことをKr石英バルブ光源と称する場合がある。)が用いられている。
グラフの横軸はnm単位での波長を示しており、グラフの縦軸は任意単位での強度を表している。そして、グラフ中の実線が、実施例1におけるVUV光源(Krサファイヤバルブ光源)のスペクトルを表しており、グラフ中の点線が、比較例1におけるVUV光源(Kr石英バルブ光源)のスペクトルを表している。
実施例1および比較例1では、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を、表面にSAM膜を形成した基板上に照射し、光照射面での接触角とパルス数との関係について調べた。SAM膜としては、Si基板上にアルミ酸化膜を形成し、そのアルミ酸化膜上に以下の式(7)で示される有機分子を付着させて形成したSAM膜(PFOPA)を用いた。
図4は、実施例1および比較例1の実験結果を示すグラフである。
グラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。ここで接触角は、基板の表面上に1μlの純水を載せて写真を撮影しθ/2法を用いて測定した。
グラフ中の実線は実施例1の実験結果を示し、点線は比較例1の実験結果を示している。また、菱形のマークが付された線は大気雰囲気での実験結果を示し、三角形のマークが付された線は窒素雰囲気での実験結果を示している。
次に、実施例2および比較例2では、実施例1と同様のSAM膜を有する基板に、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を照射したが、窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)は0μmの状態(即ち接触状態)とした。
図5は、実施例2および比較例2の実験結果を示すグラフである。
ここでもグラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。また、グラフ中の実線は実施例2の実験結果を示し、点線は比較例2の実験結果を示している。
この図5に示す実験結果の場合、比較例2では接触角が80°以下まで低下するのに約500パルスが必要であったが、実施例2では約150パルスで接触角が70°以下に低下した。このように、ワークW表面が気体雰囲気に接していない場合でも、実施例2の方が比較例2よりも基板の表面改質の効率が高いことが分かる。つまり、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有したVUV光は、気体雰囲気でなくても表面改質に効果的であることが分かる。
次に、実施例3および比較例3では、実施例1とは異なるSAM膜を有する基板に、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を照射した。SAM膜としては、以下の式(8)で示される有機分子からなるSAM膜(ODPA)を用いた。
図6は、実施例3および比較例3の実験結果を示すグラフである。
ここでもグラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。また、グラフ中の実線は実施例3の実験結果を示し、点線は比較例3の実験結果を示している。
次に、実施例4および比較例4では、実施例1とも実施例3とも異なるSAM膜を有する基板にVUV光を照射した。SAM膜としては、以下の式(9)で示される有機分子からなるSAM膜(ODS)を用いた。
実施例4および比較例4でもマスクを介さずにVUV光を基板上に照射しており、窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)を0mm(接触状態)から3.0mmまで変化させた。間隙の雰囲気は大気雰囲気とした。
この表には、接触角が110°から10°まで低下するのに必要だった照射パルス数が記載されている。表の各列は間隙の各大きさに対応し、表の上2段は発光ガスがキセノン(Xe)ガスであるVUV光源に対応し、表の下2段は発光ガスがクリプトン(Kr)ガスであるVUV光源(即ち図3に示すスペクトルを有する光源)に対応している。また、表の上から2段目と4段目が実施例の結果を表しており、表の上から1段目と3段目が比較例の結果を表している。
次に、実施例5および比較例5では、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を、COPからなる基板に照射し、光照射面での接触角とパルス数との関係について調べた。基板材料としては、メタセシス重合触媒を用いてノルボルネン誘導体を開環重合したCOPを用いた。
また、実施例5および比較例5では窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)は100μmに設定し、間隙の雰囲気としては大気雰囲気を用いた。
図8は、実施例5および比較例5の実験結果を示すグラフである。
ここでもグラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。また、グラフ中の実線は実施例の実験結果を示し、点線は比較例の実験結果を示している。
なお、上記実施形態において、光源としてショートアーク型フラッシュランプを適用する場合について説明したが、光源から放射されるVUV光が波長160nm以下の範囲にスペクトルを有していればよく、光源としては種々の構成からなる光源を用いることができる。ここで、光源から放射されるVUV光は、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有していればよく、波長160nm以下の範囲にピークがある必要はない。
また、上記光源として点光源を適用する場合にも、ショートアーク型フラッシュランプに限定されず、種々の構成からなる光源を用いることができる。例えば、フラッシュランプに限定されず、電極間距離が1mm〜10mm程度と短く、アーク放電により発光するショートアークランプを適用することもできる。
真空紫外光光源装置10における放物面ミラー12を楕円集光ミラーとし、当該楕円集光ミラーの第1焦点に光源11の発光部を配置する。また、窓部14から放出される光が集光される第2焦点にインテグレータを配置し、インテグレータからの光をコリメータレンズもしくはコリメータミラーで平行光にしてマスクMに照射する。
なお、インテグレータやコリメータレンズもしくはコリメータミラーは、真空紫外光光源装置10から放出されワークWに照射される光が進行する光路上に配置するので、これらはVUV領域の光透過性の良い材料で構成するものとする。
また、上記実施形態においては、光照射装置の一例として、基板上にパターンを形成するパターニング装置への応用例が示されているが、本発明の光照射装置は基板の表面全体を改質する改質装置に応用されても良い。
Claims (15)
- 真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する、表面が改質された基板の製造方法であって、
前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光であることを特徴とする表面が改質された基板の製造方法。 - 前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有する光であることを特徴とする請求項1に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 所定のパターンを有するマスクを介して前記照射光を前記基板に照射して光照射面に改質部と非改質部とを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記照射光が点光源から発生された光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記点光源は、前記真空紫外光を透過する発光管内にXe、Kr、Arの何れか一以上のガスが封入されたものであることを特徴とする請求項4に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記点光源は、前記真空紫外光を透過する発光管内に対向する一対の電極が配置されてなるショートアーク型フラッシュランプであることを特徴とする請求項4又は5に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記基板の表面に沿った厚さ1.0mm以下の雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記基板の表面に沿った厚さ0.2mm以下の雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記基板の表面に沿った酸素を含む雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記基板は、脂肪族化合物ポリマーからなる基板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記基板は、環状オレフィンポリマー、又はその共重合体である環状オレフィンコポリマーからなる基板であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
- 前記基板は、表面に有機単分子膜が形成された基板であり、
前記有機単分子膜に前記照射光を照射することにより、当該有機単分子膜の全部又は一部を除去することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。 - 前記請求項3〜12のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法によりパターンが形成されたことを特徴とするパターン形成体。
- 真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する基板表面の改質方法であって、
前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光であることを特徴とする基板表面の改質方法。 - 波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を含む照射光を発する光源部と、
基板を保持し、該基板上に前記照射光を照射する照射部と、
を備えたことを特徴とする光照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014243032A JP2016105131A (ja) | 2014-12-01 | 2014-12-01 | 表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014243032A JP2016105131A (ja) | 2014-12-01 | 2014-12-01 | 表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016105131A true JP2016105131A (ja) | 2016-06-09 |
Family
ID=56102746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014243032A Pending JP2016105131A (ja) | 2014-12-01 | 2014-12-01 | 表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016105131A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112447502A (zh) * | 2019-09-03 | 2021-03-05 | 东京毅力科创株式会社 | 基片处理装置、基片处理方法和存储介质 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001185076A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-06 | Hamamatsu Photonics Kk | 光源装置 |
JP2001324816A (ja) * | 2000-05-16 | 2001-11-22 | Nikon Corp | パターン形成方法及び露光装置 |
WO2002088216A1 (fr) * | 2001-04-27 | 2002-11-07 | Mitsui Chemicals, Inc. | Polymeres cycloolefiniques fluores, procedes de preparation de monomeres cycloolefiniques fluores et polymeres associes, et leur application |
JP2005283930A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Osamu Takai | パターン形成方法及び該方法に利用される露光装置 |
JP2007079368A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Dainippon Printing Co Ltd | パターン形成体の製造方法、および真空紫外光用フォトマスク |
JP2014170921A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-09-18 | Ushio Inc | 紫外線照射装置 |
-
2014
- 2014-12-01 JP JP2014243032A patent/JP2016105131A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001185076A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-06 | Hamamatsu Photonics Kk | 光源装置 |
JP2001324816A (ja) * | 2000-05-16 | 2001-11-22 | Nikon Corp | パターン形成方法及び露光装置 |
WO2002088216A1 (fr) * | 2001-04-27 | 2002-11-07 | Mitsui Chemicals, Inc. | Polymeres cycloolefiniques fluores, procedes de preparation de monomeres cycloolefiniques fluores et polymeres associes, et leur application |
JP2005283930A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Osamu Takai | パターン形成方法及び該方法に利用される露光装置 |
JP2007079368A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Dainippon Printing Co Ltd | パターン形成体の製造方法、および真空紫外光用フォトマスク |
JP2014170921A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-09-18 | Ushio Inc | 紫外線照射装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112447502A (zh) * | 2019-09-03 | 2021-03-05 | 东京毅力科创株式会社 | 基片处理装置、基片处理方法和存储介质 |
JP2021040026A (ja) * | 2019-09-03 | 2021-03-11 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理装置、基板処理方法及び記憶媒体 |
JP7356847B2 (ja) | 2019-09-03 | 2023-10-05 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理装置、基板処理方法及び記憶媒体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6492511B2 (ja) | パターン形成体の製造方法及び光照射装置 | |
JP6586835B2 (ja) | プロキシミティ露光装置およびプロキシミティ露光方法 | |
JP6217146B2 (ja) | 光源装置およびこの光源装置を搭載した光照射装置並びにこの光照射装置を用いた自己組織化単分子膜のパターンニング方法 | |
JP6213278B2 (ja) | パターン形成体の製造方法 | |
TWI259633B (en) | Laser module | |
KR101899266B1 (ko) | 자기 조직화 단분자막의 패터닝 장치, 광 조사 장치, 및 자기 조직화 단분자막의 패터닝 방법 | |
JP2016105131A (ja) | 表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 | |
JP2016075861A (ja) | パターン形成体の製造方法、パターン形成体及び光照射装置 | |
JP2017044537A (ja) | 照度計、光照射装置および照度測定方法 | |
JP6206176B2 (ja) | パターン形成体の製造方法 | |
WO2020153184A1 (ja) | パターニング装置 | |
JP5445886B2 (ja) | 改質された固体表面を形成する方法および改質された固体表面 | |
JP2008052916A (ja) | 紫外線照射装置 | |
US9323051B2 (en) | Systems and methods for inhibiting contamination enhanced laser induced damage (CELID) based on fluorinated self-assembled monolayers disposed on optics | |
KR102404100B1 (ko) | 발수성 보호막 형성제, 발수성 보호막 형성용 약액, 및 웨이퍼의 표면 처리 방법 | |
JP2005222905A (ja) | エキシマランプ | |
Shiba et al. | UV-LED lithography system and characterization | |
KR20210105875A (ko) | 경화성 수지 조성물, 경화물, 및, 유기 el 표시 소자 | |
KR20210104644A (ko) | 경화성 수지 조성물, 경화물, 및 유기 el 표시 소자 | |
JP6651335B2 (ja) | 白色発光ポリマー体、白色発光ポリマー体を備えた電子機器 | |
TWI770724B (zh) | 保護基板固持器之方法及用於製造器件之裝置 | |
JPS61189650A (ja) | 堆積膜形成法 | |
JP2010135162A (ja) | 放電ランプ | |
KR102669702B1 (ko) | 방전 레이저용 도전성 부재 | |
JP3139058B2 (ja) | 光励起プロセス装置及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170922 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180725 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180807 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190402 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190603 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191126 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200526 |