JP2016105131A - 表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 - Google Patents

表面が改質された基板の製造方法、パターン形成体、基板表面の改質方法、および光照射装置 Download PDF

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山崎 憲五
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Abstract

【課題】基板表面の改質に要する時間を短縮する。【解決手段】表面が改質された基板の製造方法は、真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する、表面が改質された基板の製造方法であって、前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、真空紫外光を含む光を用いて表面が改質された基板の製造方法、真空紫外光を含む光が用いられてパターンが形成されたパターン形成体、真空紫外光を含む光が用いられた基板表面の改質方法、およびその製造方法に用いられる光照射装置に関する。
新たなデバイスの製造プロセスとして、基板上に200nm以下の波長の真空紫外光(Vacuum Ultra Violet:VUV)を照射することにより基板の光照射面の改質を行い、親疎水性、反応性、電気的相互作用などの様々な機能性を基板上に持たせることが検討されている。基板への改質処理方法として、Xeエキシマランプによる172nmの真空紫外光をパターン形成用基板に照射することにより、パターン形成用基板の光照射面を改質する方法が特許文献1に記載されている。
特許第5056538号公報
光照射による基板の表面処理は、基板の光照射面近傍の酸素分子を光励起して活性酸素(オゾンや一重項酸素原子)と多くの有機分子を直接励起することで、有機分子の分解反応や酸素含有基の生成反応を生じさせて基板上に機能性を発現させる。しかし、既存のVUV光源である重水素ランプ、Xeエキシマランプ、低圧水銀ランプを用いて基板の表面処理を行うと、表面処理に長時間を要したり、または表面処理効果が全く得られないなどの問題があった。
そこで、本発明は、基板表面の改質に要する時間を短縮することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る表面が改質された基板の製造方法の一態様は、真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する、表面が改質された基板の製造方法であって、前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光である。
本発明者らは、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を出射する光源を用いて基板に上記波長のVUV光を照射することにより、既存のVUV光源を使用する場合に比べ、基板の改質処理に要する時間が格段に短縮されることを見出した(詳細は後述の実験データに示す)。この理由は、以下のように推測される。即ち、波長160nm以下のVUV光は、有機物質の主要な結合形態であるC−C結合およびC−H結合に直接吸収されて解離励起するので、例えば有機基板や表面に有機膜が形成された基板などで効率よく改質が行われると考えられる。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有する光であることが好ましい。波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有する真空紫外光は、波長160nm以下の範囲で単一波長の光を発する光源(例えばFレーザ)と比較して、励起対象の選択性が低いのでいろいろな有機物を効果的に改質することが出来る。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、所定のパターンを有するマスクを介して前記照射光を前記基板に照射して光照射面に改質部と非改質部とを形成してもよい。このように改質部と非改質部とを形成することでパターン形成体を効率よく短時間で製造することが出来る。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記照射光が点光源から発生された光であることが好ましい。例えばパターン形成に用いられる場合などには、点光源から発生された光によってパターン境界が明瞭化するのでパターン精度をより高めることができる。
前記点光源は、前記真空紫外光を透過する発光管内にXe、Kr、Arの何れか一以上のガスが封入されたものであってもよい。また、前記点光源は、前記発光管内に対向する一対の電極が配置されてなるショートアーク型フラッシュランプであってもよい。Xe、Kr、Arの何れか一以上のガスが封入された光源は波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有する真空紫外光を発する。また、ショートアーク型フラッシュランプは、電極間の距離を調整することで容易に点光源を実現することが出来る。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板の表面に沿った厚さ1.0mm以下の雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することが好ましく、前記基板の表面に沿った厚さ0.2mm以下の雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することが更に望ましい。このような厚さの雰囲気を介した光照射によって表面処理の効率が一層向上し、一層短時間で表面改質が完了する。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板の表面に沿った酸素を含む雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することも好ましい。
波長160nm以下のVUV光は、酸素分子からオゾンや原子状酸素を生成するので、解離励起した有機物質とオゾンや原子状酸素により酸素含有官能基を生成する生成反応が格段に速くなると考えられる。
上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板は、脂肪族化合物ポリマーからなる基板であってもよい。このように基板の材料として脂肪族化合物ポリマーを用いることで、VUV光照射による酸化分解反応を利用した表面改質が可能となる。
また、上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板は、環状オレフィンポリマー、又はその共重合体である環状オレフィンコポリマーからなる基板であってもよい。このように基板の材料として環状ポリオレフィン樹脂を用いることで、基板のVUV光照射面におけるC−H結合の分解ができ、酸素を含む雰囲気中であれば酸化を行わせることもでき、パターン形成用基板の表面改質が可能となる。
さらにまた、上記の表面が改質された基板の製造方法において、前記基板は、表面に有機単分子膜が形成された基板であり、前記有機単分子膜に前記照射光を照射することにより、当該有機単分子膜の全部又は一部を除去するようにしてもよい。
このように、表面に例えば自己組織化単分子膜(SAM膜)等の有機単分子膜が形成された基板を用いることで、VUV光照射による有機単分子膜の酸化分解除去反応を行わせることができ、基板の表面改質が可能となる。
本発明のパターン形成体の一態様は、上記のいずれかの表面が改質された基板の製造方法によりパターンが形成される。これにより、効率良く短時間でパターン形成体が製造される。
また、本発明の基板表面の改質方法の一態様は、真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する、基板表面の改質方法であって、前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光である。これにより、効率良く短時間で基板表面が改質される。
また、本発明の光照射装置の一態様は、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を含む照射光を発する光源部と、基板を保持し、該基板上に前記照射光を照射する照射部と、を備える。
160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を出射する光源を用いて基板に上記波長のVUV光を照射することにより、既存のVUV光源を使用する場合に比べ、基板の改質処理に要する時間が格段に短縮される。
本発明の表面が改質された基板の製造方法によれば、160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を基板の表面に照射することにより、基板の光照射面の改質に要する時間が短縮される。つまり、短い光照射時間で所望の機能を基板に付与することができる。
本実施形態における光照射装置の構成例を示す図である。 光源の構成例を示す図である。 光源が発するVUV光のスペクトルを示したグラフである。 実施例1および比較例1の実験結果を示すグラフである。 実施例2および比較例2の実験結果を示すグラフである。 実施例3および比較例3の実験結果を示すグラフである。 実施例4および比較例4の実験結果を示す表である。 実施例5および比較例5の実験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における光照射装置の構成例を示す図である。
本実施形態では光照射装置の一例として、基板上にパターンを形成するパターニング装置への応用例が示されている。
光照射装置100は、真空紫外光(VUV光)を放射する真空紫外光光源装置10を備える。真空紫外光光源装置10は、光源11と、放物面ミラー12と、ランプハウジング13と、ランプハウジング13に設けられた窓部14とを備える。真空紫外光光源装置10は、本発明にいう光源部の一例に相当する。
光源11は、例えば点光源であり、例えば、VUV領域の光強度が強いフラッシュランプである。ここでは、光源11として、ショートアークフラッシュランプ(SFL)を用いている。光源11は、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有するVUV光を放射し、ここでは、波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有している。なお、ここでいう連続スペクトルとは線スペクトルと区別する意味であり、波長160nm以下の範囲内で例えば10nm以上といった充分に広い波長幅にわたって発光波長が連続的に分布している状態をいう。
次に、光源11の具体的構成について説明する。
図2は、光源の構成例を示す図である。
この光源11は、例えば円管状の発光管111を有する。この発光管111の両端の開口に対向するように、それぞれ例えば円板状の封止部材(図示省略)が配置されている。各封止部材には、後述する電極棒やリード棒が挿通される1つ又は複数の貫通孔が形成されている。そして、これらの封止部材と後述する複合金属管130,131によって、発光管111の両端を封止する封止構造が構成されている。また、光源11は、封止部材の厚み方向に貫通して伸びる排気管残部117を有し、この排気管残部117は、例えばコバール金属によって構成されている。
発光管111を構成する材料としては、例えば単結晶アルミナ、具体的には例えば単結晶サファイアが用いられる。
封止部材を構成する材料としては、多結晶セラミックスを用いることが好ましい。多結晶セラミックスとしては、線熱膨張係数が発光管111を構成する単結晶アルミナと近似するもの、例えば40×10−7〜90×10−7−1のものを用いることが好ましい。好適な多結晶セラミックスとしては、例えば40質量%以上のアルミナを含有するアルミナ−シリカ系多結晶酸化物が挙げられる。
発光管111内には、陽極113aおよび陰極113bが、当該発光管111の管軸方向に互いに離間して対向するよう配置されている。陰極113bは、発光管111の管軸方向に伸びる電極棒114bの先端部に電気的に接続されて支持されている。この電極棒114bは、その基端部が外部に突出するよう封止部材の貫通孔に挿通されている。また、電極棒114bにおける封止部材の貫通孔内に位置する部分は、例えばロウ付けによって封止部材の貫通孔の内面に気密に固定されている。
陽極113aは、発光管111の管軸方向に伸びる電極棒114aの先端部に電気的に接続されて支持されている。この電極棒114aは、その基端部が外部に突出するよう封止部材の貫通孔に挿通されている。また、電極棒114aにおける封止部材の貫通孔内に位置する部分は、例えばロウ付けによって封止部材の貫通孔の内面に気密に固定されている。
陰極113bと陽極113aとの離間距離は、例えば1〜10mm、好ましくは2〜5mmである。
また、発光管111内には、2つのトリガ電極115a,115bが、それぞれの先端が陰極113bおよび陽極113aの間に位置するよう互いに離間して配置されている。トリガ電極115a,115bの各々は、発光管111の管軸方向に伸びるリード棒116a,116bの先端部に電気的に接続されて支持されている。リード棒116a,116bは、それぞれの基端部が外部に突出するよう封止部材の貫通孔に挿通されている。また、リード棒116a,116bにおける封止部材の貫通孔内に位置する部分は、例えばロウ付けによって封止部材の貫通孔の内面に気密に固定されている。
また、発光管111内には、放電を安定して生じさせるためのスパーカ電極120が配置されている。このスパーカ電極120は、例えばアルミナよりなる絶縁性碍管120aと、この絶縁性碍管120a内に挿入されて当該絶縁性碍管120aの一端から突出する、例えばタングステンよりなる芯棒120bとにより構成されている。絶縁性碍管120aは、例えばニッケルよりなる金属箔121を介して陰極113bを支持する電極棒114bに接続されている。芯棒120bは、発光管111の管軸方向に伸びるリード棒122の先端部に電気的に接続されている。リード棒122は、封止部材を貫通して伸び、その基端部が外部に突出するよう設けられている。また、リード棒122における封止部材を貫通する部分は、例えばロウ付けによって封止部材に気密に固定されている。
陽極113aを構成する材料としては、例えばタングステンなどの高融点金属材料を用いることが好ましい。
陰極113bを構成する材料としては、各種酸化物ドープタングステン、エミッター含浸タングステンなどのエミッターを含有する高融点金属を用いることが好ましい。
トリガ電極115a,115bを構成する材料としては、例えばタングステンなどの高融点金属を用いることが好ましい。
電極棒114a,114bおよびリード棒116a,116b,122を構成する材料としては、線熱膨張係数が封止部材を構成する材料と近似する金属材料、例えばコバール金属を用いることが好ましい。
封止部材と、電極棒114a,114bおよびリード棒116a,116b,122とをロウ付けするための金属ロウとしては、例えば銀ロウ、銅ロウ、金ロウなどを用いることができる。
発光管111内には、発光ガスとして希ガスが封入されている。希ガスとしては、例えばキセノン(Xe)ガス、クリプトン(Kr)ガス、アルゴン(Ar)ガス、またはこれらの混合ガスなどを用いることができる。また、発光管111内には、希ガスと共に、窒素ガス、炭酸ガス、酸素ガスなどの他のガスが封入されていてもよい。
発光ガスの封入圧は、例えば0.01MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3MPaであり、特に好ましくは0.1〜2MPaである。発光ガスの封入圧が過小である場合には、高出力の紫外線を出射することが困難となる。一方、発光ガスの封入圧が過大である場合には、光源11が点灯しにくくなるため好ましくない。
上記の光源11の具体的な仕様の一例を挙げると、以下の通りである。
発光管111は、例えば単結晶アルミナよりなり、全長が例えば80mm、外径が例えば19mm、内径が例えば16mm(肉厚が例えば1.5mm)である。
封止部材は、例えばアルミナ−シリカ系多結晶酸化物よりなり、外径が例えば17.75mm、厚みが例えば4mmである。
陽極113aは、例えばタングステンよりなり、胴部の外径が例えば4mm、長さが例えば5mmである。陰極113bは、例えばバリウム系酸化物含浸タングステンよりなり、胴部の外径が例えば4mm、長さが例えば5mmである。陰極113bと陽極113aとの離間距離は例えば3mmである。
トリガ電極115a,115bは、例えばタングステンよりなり、外径が例えば0.5mmである。一方のトリガ電極115aと陽極113aとの離間距離は例えば1mm、他方のトリガ電極115bと陰極113bとの離間距離は例えば0.5mmである。
スパーカ電極120の絶縁性碍管120aは、例えばアルミナよりなり、外径が例えば1mm、長さが例えば3mmである。スパーカ電極120の芯棒120bは、例えばタングステンよりなり、外径が例えば0.4mm、長さが例えば7mmである。
電極棒114a,114bは、例えばコバール金属よりなり、外径が例えば2mmである。
リード棒116a,116b,122は,例えばコバール金属よりなり、外径が例えば1mmである。
発光管111内に封入された発光ガスは、例えばクリプトンガスであり、その封入圧は例えば1MPaである。
定格入力電力は、例えば50Wである。
次に、光源11の点灯動作について説明する。
電極棒114a,114b、トリガ電極115a,115b、及びスパーカ電極119は、不図示の外部リード線を介して外部の給電部(不図示)に接続されている。この給電部は、所定のエネルギーを蓄えるコンデンサを有する。そして、給電部は、当該コンデンサを充電することで一対の電極113aと113bとの間に高電圧を印加すると共に、スパーカ電極120、トリガ電極115a,115b及び陽極113aにパルス電圧を印加する。
すると、先ず、スパーカ電極120で予備放電が行われて紫外線が放射され、この紫外線により陰極113b、陽極113a及びトリガ電極115a,115bから光電子が放出され、発光管111内の例えばキセノンガスが電離される。その後、陰極113bと陽極113aとの間に予備放電路が形成されて陰極113bから陽極113aに向けて電子が放出され、これにより、陰極113bと陽極113aとの間でアーク放電(主放電)が生じる。これにより、光源11が点灯し、真空紫外線が放射される。
図1に戻って、光源11から放射されたVUV光は、放物面ミラー12によって反射されて平行光となり、ランプハウジング13に設けられた窓部14から出射する。窓部14は、VUV光に対して高い透過率を有する例えば単結晶サファイアやサファイアガラスなどで形成する。
当該窓部14は、ランプハウジング13と気密に組み立てられており、ランプハウジング13内部には、ランプハウジング13に設けられたガス導入口13aから窒素(N2)ガスなどの不活性ガスAが導入され、当該ランプハウジング13の内部は酸素濃度が低減されている。これは、VUVが酸素による吸収減衰を激しく受けるためであり、ランプハウジング13内を窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)などの不活性ガスによりパージすることによりVUVの酸素による吸収減衰を防止することができる。また、ランプハウジング13内部に導入された不活性ガスAは、フラッシュランプ11や放物面ミラー12を冷却した後ランプハウジング13に設けられた排気口13bから排気される。
なお、ランプハウジング13内部は、例えば真空であってもよいし、僅かに酸素を含む雰囲気であってもよい。
真空紫外光光源装置10から放射されたVUV光は、マスクMに入射され、当該マスクMを通してVUV光がワーク(パターン形成用基板)Wに照射される。マスクMは、例えば、ガラスやサファイア等の光透過性基板上にクロム等の遮光材を蒸着・エッチングし、遮光部と該遮光部が設けられていない透光部とを含むパターン(照射パターン)を形成したものである。
マスクMとしては、例えば、バイナリーマスク、位相シフトマスクなどのフォトマスクを使用することができる。また、マスクMとして、金属等の遮光性基板に対して透光部である開口部がパターン状に設けられたメタルマスクを使用することもできる。
真空紫外光光源装置10の光出射側には、真空紫外光光源装置10から放射されマスクMに入射される光が進行する光路を包囲する包囲部材21が設けられている。マスクMは、包囲部材21に連結されたマスクステージ22によって水平状態を保って吸着保持されている。
真空紫外光光源装置10の窓部14、包囲部材21、マスクステージ22及びマスクMの内部は閉空間となっている。包囲部材21はガス導入口21aが設けられており、閉空間となった包囲部材21内部にはガス導入口21aから窒素(N2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)などの不活性ガスAが導入され、当該包囲部材21内部は酸素濃度が低減されている。これは、ランプハウジング13内部の酸素濃度が低減されているのと同じ理由による。また、包囲部材21内部に導入された不活性ガスAは、包囲部材21に設けられた排気口21bから排気される。
なお、ランプハウジング13内部は、例えば真空であってもよいし、僅かに酸素を含む雰囲気であってもよい。
ワークWは、ワークステージ23上に載置され、例えば真空チャック機構によりワークステージ23に吸着保持されている。また、ワークステージ23は、ステージ移動機構32によってXYZθ方向(図1の左右、前後、上下方向、およびZ軸を中心とした回転方向)に移動可能に構成されている。ステージ移動機構32は、制御部31によって駆動制御される。
マスクMとワークWとの間隙の雰囲気は、制御部(雰囲気制御部)31によって、例えば大気雰囲気(酸素約20kPa)としている。
具体的には、マスクMの光出射側に、マスクMを通過しワークWに照射される光が進行する光路を包囲する包囲部材24が設けられており、包囲部材24に形成された空気導入口24aからワークWとマスクMとの間に、空気Bが導入されている。空気導入口24aから導入された空気Bは、排気口24bから排気される。
なお、マスクMとワークWとの間隙の雰囲気は大気雰囲気に限定されるものではない。酸素を含む雰囲気が好適であり、酸素分圧が大気と同等又はそれ以上であることが更に望ましいが、酸素を含まない例えば窒素雰囲気であってもよい。
ワークWには、有機成分を含む基板を用いることができる。例えば、基板材料として、脂肪族化合物ポリマーを用いることができる。基板材料の具体例としては、例えば、脂環式炭化水素基を有する環状ポリオレフィンがある。
環状ポリオレフィンの原料としては、例えばジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene:DCPD)やDCPDの誘導体(ノルボルネン誘導体)を用いる。ポリマーとしては、これらの環状オレフィンを単独重合することは立体障害の影響で困難であるので、αオレフィンと付加重合する方法や環状オレフィンの開環重合による方法を用いる。前者のポリマーをシクロオレフィンコポリマー(Cyclic Olefin Copolymer:COC)といい、後者のポリマーをシクロオレフィンポリマー(Cyclic Olefin Polymer:COP)という。
COCの分子構造は、下記(1)式で表される。
Figure 2016105131
COCは、例えば、ノルボルネンと炭素数2〜30のαオレフィンとをメタロセン触媒にて付加共重合して得ることができる。本実施形態のパターン形成用基板(ワークW)を構成するCOCは、一例として、下記(2)式
Figure 2016105131
〔式中、R8、R9、R10及びR11は同一または異なっていて、それぞれ水素原子または好ましくは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基(例えば、C6〜C10アリールやC1〜C8アルキルなど)である〕
で示される少なくとも1種の多環式オレフィンを、下記(3)式
Figure 2016105131
〔式中、R16、R17、R18およびR19は同一又は異なっていて、それぞれ水素原子または好ましくは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基(例えば、C6〜C10アリールやC1〜C8アルキルなど)である〕
で示される少なくとも1種の非環式オレフィンでメタロセン触媒の存在下で共重合して得られたものとする。
多環式オレフィンの代表例はノルボルネンとテトラシクロドデセンであり、これらはいずれもC1〜C6アルキルで置換されていてもよい。これらの多環式オレフィンは、エチレンと共重合させるのが好ましい。より好ましくは、COCは、ノルボルネンとエチレンとを共重合したポリマーとする。
COPとしては、例えば、遷移金属ハロゲン化物と有機金属化合物から成るメタセシス重合触媒を用いて、シクロオレフィン系単量体を開環重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明にいう基板(ワークW)に用いるCOPの単量体の具体例としては、ノルボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非置換のノルボルネン系単量体のハロゲン、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5,6−ジエトキシカルボニル−2−ノルボルネン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン等; ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6,6−ジメチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メチル−6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、4,9:5,8−ジメタノ−2,3,3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−デカヒドロ−1H−ベンゾインデン等; シクロペンタジエンの多量体である多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレン、5,8−メタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,4b,7,8,8a,9a−デカタヒドロ−9H−フルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン等; その他のシクロオレフィン、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロシクロペンタジエン、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン、4−エチルシクロヘキセン等; 等が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、基板(ワークW)は、COCやCOPからなる基板に限定されるものではなく、例えば、アクリルやPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等、いずれのプラスチック基板も適用可能である。また、C−H結合を有するプラスチックに限定されず、ポリ4フッ化エチレン等のC−F結合を有するプラスチックを適用することもできる。基板(ワークW)は、パターン形成体の用途や表面改質の用途に応じて適宜選択する。
また、基板(ワークW)としては、適宜の素材からなる基材上に有機単分子膜(例えば、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:SAM膜))が設けられたものを使用することもできる。
有機単分子膜が設けられる基材は、特に限定されるものではなく、パターン形成体の用途や表面改質の用途、および有機単分子膜を構成する分子の種類等を考慮して適宜選択される。具体的には、金、銀、銅、白金、鉄等の金属、石英ガラスや酸化アルミニウム等の酸化物、GaAsやInP等の化合物半導体、高分子材料等からなる種々の基材上に有機単分子膜を設けることができる。
有機単分子膜を構成する材料としては、VUV光により励起され、分解され得る有機分子であれば適用可能である。有機単分子膜がSAM膜の場合には、基材表面と化学反応する官能基を有し、分子間の相互作用によって自己組織化するような有機分子であればよい。
具体的には、SAM膜を構成する有機分子として、以下の一般式(4)で示されるホスホン酸系化合物を使用することができる。
Figure 2016105131
上記(4)式中、Rは、ハロゲン原子もしくはヘテロ原子を含んでいても良い、置換又は非置換の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を示し、好ましくは、置換又は非置換であって直鎖状又は分岐状のアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェノキシ基である。
このようなホスホン酸系化合物の具体例としては、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、6−ホスホノヘキサン酸、11−アセチルメルカプトウンデシルホスホン酸、11−ヒドロキシウンデシルホスホン酸、11−メルカプトウンデシルホスホン酸、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタンホスホン酸、11−ホスホノウンデシルホスホン酸、16−ホスホノヘキサデカン酸、1,8−オクタンジホスホン酸、1,10−デシルジホスホン酸、1,12−ドデシルジホスホン酸、ベンジルホスホン酸、4−フルオロベンジルホスホン酸、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルホスホン酸、4−ニトロベンジルホスホン酸、12−ペンタフルオロフェノキシドデシルホスホン酸、(12−ホスホノドデシル)ホスホン酸、16−ホスホノヘキサデカン酸、11−ホスホノウンデカン酸等を挙げることができる。また、式(1)の化合物以外にも[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸等の化合物も適用可能である。
また、SAM膜を構成する有機分子の別の例として、以下の一般式(5)で示されるチオール系化合物を使用することができる。
Figure 2016105131
上記(5)式中、Rは、ハロゲン原子もしくはヘテロ原子を含んでいても良い、置換又は非置換の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。また、チオール基がさらに置換された、上記(5)式の化合物の誘導体も適用可能である。
このようなチオール系化合物又はその誘導体の具体例としては、1−ブタンチオール、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−ヘキサンチオール、1−ノナンチオール、1−オクタデカンチオール、1−オクタンチオール、1−ペンタデカンチオール、1−ペンタンチオール、1−プロパンチオール、1−テトラデカンチオール、1−ウンデカンチオール、11−メルカプトウンデシルトリフルオロアセテート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカンチオール、2−ブタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メチル−2−プロパンチオール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサンチオール、3−メルカプト−N−ノニルプロピオンアミド、3−メチル−1−ブタンチオール、4−シアノ−1−ブタンチオール、ブチル3−メルカプトプロピオネート、cis−9−オクタデセン−1−チオール、3−メルカプトプロピオン酸メチル、tert−ドデシルメルカプタン、tert−ノニルメルカプタン、1,11−ウンデカンジチオール、1,16−ヘキサデカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、2,3−ブタンジチオール、5,5’−ビス(メルカプトメチル)−2,2’−ビピリジン、ヘキサ(エチレングリコール)ジチオール、テトラ(エチレングリコール)ジチオール、ベンゼン−1,4−ジチオール、(11−メルカプトウンデシル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、(11−メルカプトメルカプトウンデシル)ヘキサ(エチレングリコール)、(11−メルカプトウンデシル)テトラ(エチレングリコール)、1(11−メルカプトウンデシル)イミダゾール、1−メルカプト−2−プロパノール、11−(1H−ピロール−1−イル)ウンデカン−1−チオール、11−(フェロセニル)ウンデカンチオール、11−アミノ−1−ウンデカンチオール塩酸塩、11−アジド−1−ウンデカンチオール、11−メルカプト−1−ウンデカノール、11−メルカプトウンデカンアミド、11−メルカプトウンデカン酸、11−メルカプトウンデシルヒドロキノン、11−メルカプトウンデシルホスホン酸、11−メルカプトウンデシルリン酸、12−メルカプトドデカン酸、12−メルカプトドデカン酸NHSエステル、16−メルカプトヘキサデカン酸、3−アミノ−1−プロパンチオール塩酸塩、3−クロロ−1−プロパンチオール、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプトプロピオン酸、4−メルカプト−1−ブタノール、6−(フェロセニル)ヘキサンチオール、6−アミノ−1−ヘキサンチオール塩酸塩、6−メルカプト−1−ヘキサノール、6−メルカプトヘキサン酸、8−メルカプト−1−オクタノール、8−メルカプトオクタン酸、9−メルカプト−1−ノナノール、トリエチレングリコールモノ−11−メルカプトウンデシルエーテル、1,4−ブタンジチオールジアセテート、[11−(メチルカルボニルチオ)ウンデシル]ヘキサ(エチレングリコール)メチルエーテル、[11−(メチルカルボニルチオ)ウンデシル]テトラ(エチレングリコール)、[11−(メチルカルボニルチオ)ウンデシル]トリ(エチレングリコール)酢酸、[11−(メチルカルボニルチオ)ウンデシル]トリ(エチレングリコール)メチルエーテル、ヘキサ(エチレングリコール)モノ−11−(アセチルチオ)ウンデシルエーテル、S,S’−[1,4−フェニレンビス(2,1−エチンジイル−4,1−フェニレン)]ビス(チオアセタート)、S−[4−[2−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]エチニル]フェニル]チオアセテート、S−(10−ウンデセニル)チオアセテート、チオ酢酸S−(11−ブロモウンデシル)、S−(4−アジドブチル)チオアセテート、S−(4−ブロモブチル)チオアセテート(安定化剤として銅を含有)、チオ酢酸S−(4−シアノブチル)、1,1’,4’,1’’−テルフェニル−4−チオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、1−アダマンタンチオール、ADT、1−ナフタレンチオール、2−フェニルエタンチオール、4’−ブロモ−4−メルカプトビフェニル、4’−メルカプトビフェニルカルボニトリル、4,4’−ビス(メルカプトメチル)ビフェニル、4,4’−ジメルカプトスチルベン、4−(6−メルカプトヘキシルオキシ)ベンジルアルコール、4−メルカプト安息香酸、9−フルオレニルメチルチオール、9−メルカプトフルオレン、ビフェニル−4,4−ジチオール、ビフェニル−4−チオール、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、m−カルボラン−1−チオール、m−カルボラン−9−チオール、p−テルフェニル−4,4’’−ジチオール、チオフェノール等を挙げることができる。
さらに、別の例として、SAM膜として以下の一般式(6)で示されるシラン系化合物を使用することができる。
Figure 2016105131
上記(6)式中、R〜Rは、ハロゲン原子もしくはヘテロ原子を含んでいても良い、置換又は非置換の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
このようなシラン系化合物の具体例としては、ビス(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、クロロメチル(メチル)ジメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、ジエトキシ(メチル)ビニルシラン、ジメトキシ(メチル)オクチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、N,N−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]アニリン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、メトキシ(ジメチル)オクタデシルシラン、メトキシ(ジメチル)オクチルシラン、オクテニルトリクロロシラン、トリクロロ[2−(クロロメチル)アリル]シラン、トリクロロ(ジクロロメチル)シラン、3−(トリクロロシリル)プロピルメタクリレート、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン塩酸塩、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、2−[(トリメチルシリル)エチニル]アニソール、トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、アジドトリメチルシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−アミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、イソブチル(トリメトキシ)シラン、エトキシジメチルフェニルシラン、エトキシトリメチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ(メチル)フェニルシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジフェニルシランジオール、(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ジメチルオクタデシル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリエトキシ(イソブチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナート、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリクロロ(オクタデシル)シラン、トリクロロ(オクチル)シラン、トリクロロシクロペンチルシラン、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シラン、トリクロロビニルシラン、トリクロロ(フェニル)シラン、トリクロロ(フェネチル)シラン、トリクロロ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イル)エチル]シラン、トリメトキシ(オクタデシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリラート、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリラート、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]尿素、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリメトキシ(2−フェニルエチル)シラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ[3−(メチルアミノ)プロピル]シラン、p−トリルトリクロロシラン、ドデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロドデシルトリクロロシラン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル−トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、(3−ブロモプロピル)トリクロロシラン、(3−ブロモプロピル)トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキサクロロジシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−ヨードプロピル)トリメトキシシラン等を挙げることができる。
以上のようなSAM膜を構成する種々の有機分子は、一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
ワークWのVUV照射処理は次のように行われる。
まず、制御部31は、真空チャック機構等を駆動制御し、マスクステージ22の所定の位置にセットされたマスクMを真空吸着により保持する。次に、制御部31はステージ移動機構32によりワークステージ23を下降し、ワークWをワークステージ23上に載置させた後、ステージ移動機構32によりワークステージ23を上昇し、ワークWを所定のVUV光照射位置にセットする。次に、制御部31は、ステージ移動機構32によりワークステージ23をXYθ方向に移動し、マスクMとワークWとの位置合わせ(アライメント)を行う。すなわち、マスクM上に印されたアライメント・マークとワークW上に印されたアライメント・マークを一致させる。
マスクMとワークWの位置合わせが終了すると、真空紫外光光源装置10から例えば平行光であるVUV光を、マスクMを介してワークW上に照射し、ワークW表面改質による光パターニング処理を行う。光パターニング処理が終了すると、制御部31は、ステージ移動機構32によりワークステージ23を下降し、ワークステージ23への真空の供給を停止し、照射済のワークWをワークステージ23から取り出し可能な状態とする。マスクステージ22およびワークステージ23を併せたものが、本発明にいう照射部の一例に相当する。
以上のように、本実施形態における光照射装置100では、パターンを形成したマスクMを用意し、マスクMとワークWを近接して平行に配置し、該マスクMを通してワークW表面の特性を変えたい部分のみに平行光のVUV光を照射する。このようにして、ワークW表面に改質部と非改質部とを含むパターンを形成する。このようにパターンが形成されたワークWが、本発明にいうパターン形成体の一実施形態に相当する。
真空紫外光光源装置10は、ワークWに照射するVUV光として、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有するVUV光を放射する。
本発明者らは、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を出射する光源を用いて基板に上記波長のVUV光を照射することにより、既存のVUV光源を使用する場合に比べ、基板の改質処理に要する時間が格段に短縮されることを見出した。
さらに、本発明者は、光パターニングに限らず基板の表面改質を効果的に行うには、Fレーザのように線スペクトルを有する光源よりも、例えば10nmというような充分な波長幅にわたって連続したスペクトルを有する光源が好ましいことを見出した。
さらに、光源11として、ショートアーク型フラッシュランプを適用するので、ワークWに対して上記波長のVUV光を適切に照射することができる。
また、ショートアーク型フラッシュランプの電極間距離dが1mm〜10mmと小さく設定することで、アークを小さくする、即ち点光源を実現することができる。このように、点光源とみなせる光源を用いることで、基板に入射するVUV光の視野角を小さくすることができる。つまり、マスクを介して基板に入射するVUV光の光軸をマスクに対し略垂直にすることができ、基板におけるマスクで遮蔽された部分(非露光部分)への光の回り込みを少なくすることができる。したがって、パターン線幅の微細化を実現することができる。
(実施例1)
以下、実施例により本発明の効果を説明する。
実施例では、VUV光源として、上述した具体的な仕様のSFL(以下ではこのVUV光源のことをKrサファイヤバルブ光源と称する場合がある。)が用いられている。また、実施例に対する比較例のVUV光源として、発光管が石英ガラス製である点を除いて他の仕様が上述した具体的な仕様と同様のSFL(以下ではこのVUV光源のことをKr石英バルブ光源と称する場合がある。)が用いられている。
図3は、光源が発するVUV光のスペクトルを示したグラフである。
グラフの横軸はnm単位での波長を示しており、グラフの縦軸は任意単位での強度を表している。そして、グラフ中の実線が、実施例1におけるVUV光源(Krサファイヤバルブ光源)のスペクトルを表しており、グラフ中の点線が、比較例1におけるVUV光源(Kr石英バルブ光源)のスペクトルを表している。
実線で示されたグラフから分かるように、Krサファイヤバルブ光源は波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有している。これに対してKr石英バルブ光源は波長160nm以下の範囲にはスペクトルを有しておらず、波長160nmを超える範囲についてはKr石英バルブ光源とKrサファイヤバルブ光源のスペクトルとはほぼ同様のスペクトルであることが分かる。
実施例1および比較例1では、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を、表面にSAM膜を形成した基板上に照射し、光照射面での接触角とパルス数との関係について調べた。SAM膜としては、Si基板上にアルミ酸化膜を形成し、そのアルミ酸化膜上に以下の式(7)で示される有機分子を付着させて形成したSAM膜(PFOPA)を用いた。
Figure 2016105131
また、実施例1および比較例1ではマスクを介さずにVUV光を基板上に照射しており、図1に示す包囲部材21およびマスクステージ22が無く窓部14の直下にワークWが存在する状態となっている。窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)は100μmに設定し、間隙の雰囲気としては、大気雰囲気と窒素雰囲気とを用いた。
図4は、実施例1および比較例1の実験結果を示すグラフである。
グラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。ここで接触角は、基板の表面上に1μlの純水を載せて写真を撮影しθ/2法を用いて測定した。
グラフ中の実線は実施例1の実験結果を示し、点線は比較例1の実験結果を示している。また、菱形のマークが付された線は大気雰囲気での実験結果を示し、三角形のマークが付された線は窒素雰囲気での実験結果を示している。
実験開始前の基板表面の接触角は約110°であり、VUV光を照射すると接触角が低下していくが、大気雰囲気でも窒素雰囲気でも、実施例1では比較例1よりも大幅に接触角が低下した。例えば、窒素雰囲気の場合、比較例1では接触角が約90°に低下するのに300パルスが必要であったが、実施例1では200パルス未満の照射で接触角が約70°に低下した。また、大気雰囲気の場合は、比較例1では300パルスの照射で接触角が約50°になったが、実施例1では50パルス程度の照射で接触角が30°以下まで低下した。このように、実施例1の方が比較例1よりも基板の表面改質の効率が高いことが分かる。つまり、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有したVUV光が表面改質に効果的であることが分かる。
さらに、例えば、窒素雰囲気の実施例1では50パルス程度の照射で接触角が90°以下になったが、大気雰囲気の実施例1では50パルス程度の照射で接触角が30°以下まで低下した。従って、酸素を含んだ大気雰囲気では、酸素を含まない窒素雰囲気よりも表面改質の効率が高いことも分かる。これは、波長160nm以下のVUV光が大気雰囲気中の酸素分子からオゾンや原子状酸素を生成するので、解離励起した有機物質とオゾンや原子状酸素により酸素含有官能基を生成する生成反応が格段に速くなるからと考えられる。
(実施例2)
次に、実施例2および比較例2では、実施例1と同様のSAM膜を有する基板に、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を照射したが、窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)は0μmの状態(即ち接触状態)とした。
図5は、実施例2および比較例2の実験結果を示すグラフである。
ここでもグラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。また、グラフ中の実線は実施例2の実験結果を示し、点線は比較例2の実験結果を示している。
この図5に示す実験結果の場合、比較例2では接触角が80°以下まで低下するのに約500パルスが必要であったが、実施例2では約150パルスで接触角が70°以下に低下した。このように、ワークW表面が気体雰囲気に接していない場合でも、実施例2の方が比較例2よりも基板の表面改質の効率が高いことが分かる。つまり、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有したVUV光は、気体雰囲気でなくても表面改質に効果的であることが分かる。
(実施例3)
次に、実施例3および比較例3では、実施例1とは異なるSAM膜を有する基板に、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を照射した。SAM膜としては、以下の式(8)で示される有機分子からなるSAM膜(ODPA)を用いた。
Figure 2016105131
また、実施例3および比較例3では窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)は100μmに設定し、間隙の雰囲気としては大気雰囲気を用いた。
図6は、実施例3および比較例3の実験結果を示すグラフである。
ここでもグラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。また、グラフ中の実線は実施例3の実験結果を示し、点線は比較例3の実験結果を示している。
実験開始前の基板表面の接触角は約100°であり、VUV光を照射すると接触角が低下していくが、比較例では約200パルスの照射後も接触角が40°以上であるのに対し、実施例では約30パルス程度の照射で接触角が20°以下に低下した。このように、ODPAのSAM膜の場合も、実施例3の方が比較例3より基板の表面改質の効率が高いことが分かる。つまり、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有したVUV光は、SAM膜の組成が異なっていても表面改質に効果的であることが分かる。
(実施例4)
次に、実施例4および比較例4では、実施例1とも実施例3とも異なるSAM膜を有する基板にVUV光を照射した。SAM膜としては、以下の式(9)で示される有機分子からなるSAM膜(ODS)を用いた。
Figure 2016105131
また、VUV光源として、実施例1〜3でも用いたKrサファイヤバルブ光源およびKr石英バルブ光源を用い、その他に、発光ガスがクリプトン(Kr)ガスに換えてキセノン(Xe)ガスであるVUV光源も、発光管が石英ガラスのものと単結晶サファイアのものとを用いた。以下では、発光ガスがキセノン(Xe)ガスで発光管が石英ガラス製のVUV光源のことをXe石英バルブ光源と称し、発光ガスがキセノン(Xe)ガスで発光管が単結晶サファイア製のVUV光源のことをXeサファイヤバルブ光源と称する場合がある。
Xe石英バルブ光源およびXeサファイヤバルブ光源は、波長160nmを超える範囲に波長172nmを中心として、図3に示すスペクトルよりも発光強度が高いスペクトルを有している。また、Xeサファイヤバルブ光源は波長160nm以下の範囲に、Krサファイヤバルブ光源よりは発光強度が低いものの連続スペクトルを有している。
実施例4および比較例4でもマスクを介さずにVUV光を基板上に照射しており、窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)を0mm(接触状態)から3.0mmまで変化させた。間隙の雰囲気は大気雰囲気とした。
図7は、実施例4および比較例4の実験結果を示す表である。
この表には、接触角が110°から10°まで低下するのに必要だった照射パルス数が記載されている。表の各列は間隙の各大きさに対応し、表の上2段は発光ガスがキセノン(Xe)ガスであるVUV光源に対応し、表の下2段は発光ガスがクリプトン(Kr)ガスであるVUV光源(即ち図3に示すスペクトルを有する光源)に対応している。また、表の上から2段目と4段目が実施例の結果を表しており、表の上から1段目と3段目が比較例の結果を表している。
間隙(ギャップ)の大きさに関わらず、各実施例におけるパルス数は、対応する各比較例におけるパルス数よりも小さく、Xe石英バルブ光源およびXeサファイヤバルブ光源を使った実験結果でも、実施例におけるパルス数(表の上から2段目)は比較例(表の上から1段目)よりも顕著に低下している。例えば間隙(ギャップ)が0.1mmの場合は、Xe石英バルブ光源で300パルスであるのに対し、Xeサファイヤバルブ光源では120パルスとなっている。Xeサファイヤバルブ光源では、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有するものの、波長160nm以下の発光強度は、波長160nmを超える範囲での発光強度に対して顕著に低いということを考慮するならば、Xe石英バルブ光源およびXeサファイヤバルブ光源を使った実験結果は、波長160nm以下の照射光による表面改質の効果が波長160nmを超える照射光に較べて格段に高いことを示していると言える。
また、Krサファイヤバルブ光源およびKr石英バルブ光源を使った実験結果では、Xe石英バルブ光源およびXeサファイヤバルブ光源を使った実験結果よりも、比較例に対する実施例のパルス数の減少が顕著である。例えば間隙(ギャップ)が0.2mmの場合は、Xeガスの光源で比較例が400パルスで実施例が120パルスであるのに対し、Krガスの光源は比較例が1000パルスで実施例が10パルスである。
Krサファイヤバルブ光源とXeサファイヤバルブ光源とを比較すると、波長160nm以下の範囲ではKrサファイヤバルブ光源の発光強度が高く、波長160nmを超える範囲ではXeサファイヤバルブ光源の発光強度が高いので、Krガスの光源を使った実験結果における実施例でのパルス数の顕著な減少も、波長160nm以下の照射光による表面改質の効果が波長160nmを超える照射光に較べて格段に高いことを示していると言える。
いずれの光源を用いた実験結果でも、間隙(ギャップ)が0mmの場合より間隙(ギャップ)が開いている場合の方がパルス数は少ない。例えばKrサファイヤバルブ光源の実験結果では、間隙(ギャップ)が0mmの場合は100パルスであるのに対し、間隙(ギャップ)が1.0mmでは80パルス、間隙(ギャップ)が0.2mmでは10パルスとなっている。これは、VUV光が大気雰囲気中の酸素分子からオゾンや原子状酸素を生成し、解離励起した有機物質とオゾンや原子状酸素により酸素含有官能基を生成する生成反応が生じるからと考えられる。但し、間隙(ギャップ)が広くなりすぎると雰囲気による光吸収でワークへの到達光量が減少してしまうので、間隙(ギャップ)は1.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることが更に好ましい。
(実施例5)
次に、実施例5および比較例5では、図3に示すスペクトルを有した各VUV光を、COPからなる基板に照射し、光照射面での接触角とパルス数との関係について調べた。基板材料としては、メタセシス重合触媒を用いてノルボルネン誘導体を開環重合したCOPを用いた。
また、実施例5および比較例5では窓部14とワークWとの間隙(ギャップ)は100μmに設定し、間隙の雰囲気としては大気雰囲気を用いた。
図8は、実施例5および比較例5の実験結果を示すグラフである。
ここでもグラフの横軸は、照射したVUV光のパルス数を表し、グラフの縦軸は、照射後の基板表面の接触角を表している。また、グラフ中の実線は実施例の実験結果を示し、点線は比較例の実験結果を示している。
実験開始前の基板表面の接触角は約90°であり、VUV光を照射すると接触角が低下していくが、比較例5では約400パルスの照射後も接触角が30°以上であるのに対し、実施例5では約200パルスの照射で接触角が30°以下に低下した。このように、COPからなる基板の場合も、実施例5の方が比較例5より基板の表面改質の効率が高いことが分かる。また、図示は省略するが、COCからなる基板でも同様の実験結果が得られている。つまり、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有したVUV光は、基板がCOCやCOPからなる場合でも表面改質に効果的であることが分かる。
上述した実施例1、実施例3、実施例5から、波長160nm以下のVUV光による表面改質は、様々な材質の基板に対して効果的であることが確認できた。これは、波長160nm以下のVUV光が、有機物質の主要な結合形態であるC−C結合およびC−H結合に直接吸収されて解離励起するので、例えば有機基板や表面に有機膜が形成された基板などで効率よく改質が行われるためと考えられる。
(変形例)
なお、上記実施形態において、光源としてショートアーク型フラッシュランプを適用する場合について説明したが、光源から放射されるVUV光が波長160nm以下の範囲にスペクトルを有していればよく、光源としては種々の構成からなる光源を用いることができる。ここで、光源から放射されるVUV光は、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有していればよく、波長160nm以下の範囲にピークがある必要はない。
また、上記光源として点光源を適用する場合にも、ショートアーク型フラッシュランプに限定されず、種々の構成からなる光源を用いることができる。例えば、フラッシュランプに限定されず、電極間距離が1mm〜10mm程度と短く、アーク放電により発光するショートアークランプを適用することもできる。
さらに、上記実施形態においては、ワークWに照射されるVUV光の照度分布の均一性が求められる場合、例えば、光照射装置100を以下のように構成してもよい。
真空紫外光光源装置10における放物面ミラー12を楕円集光ミラーとし、当該楕円集光ミラーの第1焦点に光源11の発光部を配置する。また、窓部14から放出される光が集光される第2焦点にインテグレータを配置し、インテグレータからの光をコリメータレンズもしくはコリメータミラーで平行光にしてマスクMに照射する。
なお、インテグレータやコリメータレンズもしくはコリメータミラーは、真空紫外光光源装置10から放出されワークWに照射される光が進行する光路上に配置するので、これらはVUV領域の光透過性の良い材料で構成するものとする。
また、上記実施形態においては、光照射装置の一例として、基板上にパターンを形成するパターニング装置への応用例が示されているが、本発明の光照射装置は基板の表面全体を改質する改質装置に応用されても良い。
10…真空紫外光光源装置、11…フラッシュランプ(SFL)、12…放物面ミラー、13…ランプハウジング、14…窓部、21…包囲部材、21a…ガス導入口、21b…排気口、22…マスクステージ、23…ワークステージ、24…包囲部材、24a…空気導入口、24b…排気口、31…制御部、32…ステージ移動機構、111…発光管、、113a…陽極、113b…陰極、114a,114b…電極棒、115a,115b…トリガ電極、116a,116b…リード棒、120…スパーカ電極、M…マスク、W…ワーク

Claims (15)

  1. 真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する、表面が改質された基板の製造方法であって、
    前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光であることを特徴とする表面が改質された基板の製造方法。
  2. 前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲に連続スペクトルを有する光であることを特徴とする請求項1に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  3. 所定のパターンを有するマスクを介して前記照射光を前記基板に照射して光照射面に改質部と非改質部とを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  4. 前記照射光が点光源から発生された光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  5. 前記点光源は、前記真空紫外光を透過する発光管内にXe、Kr、Arの何れか一以上のガスが封入されたものであることを特徴とする請求項4に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  6. 前記点光源は、前記真空紫外光を透過する発光管内に対向する一対の電極が配置されてなるショートアーク型フラッシュランプであることを特徴とする請求項4又は5に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  7. 前記基板の表面に沿った厚さ1.0mm以下の雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  8. 前記基板の表面に沿った厚さ0.2mm以下の雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  9. 前記基板の表面に沿った酸素を含む雰囲気を介して前記照射光を前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  10. 前記基板は、脂肪族化合物ポリマーからなる基板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  11. 前記基板は、環状オレフィンポリマー、又はその共重合体である環状オレフィンコポリマーからなる基板であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  12. 前記基板は、表面に有機単分子膜が形成された基板であり、
    前記有機単分子膜に前記照射光を照射することにより、当該有機単分子膜の全部又は一部を除去することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法。
  13. 前記請求項3〜12のいずれか1項に記載の表面が改質された基板の製造方法によりパターンが形成されたことを特徴とするパターン形成体。
  14. 真空紫外光を含む照射光を基板に照射して光照射面を改質する基板表面の改質方法であって、
    前記真空紫外光が、波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する光であることを特徴とする基板表面の改質方法。
  15. 波長160nm以下の範囲にスペクトルを有する真空紫外光を含む照射光を発する光源部と、
    基板を保持し、該基板上に前記照射光を照射する照射部と、
    を備えたことを特徴とする光照射装置。
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