JP2008052916A - 紫外線照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水銀を使用しないために廃棄時において環境汚染を引き起こすおそれがなく、殺菌用の光源並びに紫外線硬化樹脂の硬化用の光源として好適に利用することが可能な紫外線照射装置を提供すること。
【解決手段】紫外線透過性材料からなる管状の気密容器(1)と、該気密容器の管軸方向に沿って外面の互いに対向する位置に設けられた外部電極(2)と、該外部電極に電圧を印加して気密容器内で放電を生じさせる電源装置(3)と、気密容器内に封入された希ガス及びハロゲンガスからなり、希ガスがキセノンであり、ハロゲンガスがヨウ素の蒸気であって、気密容器内におけるキセノンの圧力が1kPa以上である紫外線照射装置とする。
【選択図】図1
【解決手段】紫外線透過性材料からなる管状の気密容器(1)と、該気密容器の管軸方向に沿って外面の互いに対向する位置に設けられた外部電極(2)と、該外部電極に電圧を印加して気密容器内で放電を生じさせる電源装置(3)と、気密容器内に封入された希ガス及びハロゲンガスからなり、希ガスがキセノンであり、ハロゲンガスがヨウ素の蒸気であって、気密容器内におけるキセノンの圧力が1kPa以上である紫外線照射装置とする。
【選択図】図1
Description
本発明は紫外線照射装置に関し、より詳しくは、水銀の代わりにキセノンとヨウ素の混合ガスを利用する無水銀の紫外線照射装置に関するものである。
近年、紫外光源は、殺菌用の光源としてだけでなく、半導体製造工程における洗浄や紫外線硬化樹脂等のための光源としても使用されている。
従来の紫外光源としては、例えば、電極を設けた放電管内に水銀と希ガスを封入し、電極間に放電を発生させて、放電管内で水銀原子を電離・励起させることにより、水銀の共鳴波長である185nm及び254nmを主体とする紫外線を放射する紫外光源ランプが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
従来の紫外光源としては、例えば、電極を設けた放電管内に水銀と希ガスを封入し、電極間に放電を発生させて、放電管内で水銀原子を電離・励起させることにより、水銀の共鳴波長である185nm及び254nmを主体とする紫外線を放射する紫外光源ランプが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
このような水銀を利用した紫外光源ランプは、殺菌のために効果的な紫外線波長である約250nm付近に強いスペクトルを有するため、殺菌用の光源として特に有効性が高いものである。また、紫外線に対する耐性菌は少ないため、紫外線を利用した殺菌は殆どの細菌に対して有効であるという大きな利点がある。
更に、波長254nmの紫外線は、紫外線硬化樹脂の硬化にも利用することができるため、紫外線硬化樹脂の硬化用の光源として利用することも可能である。
更に、波長254nmの紫外線は、紫外線硬化樹脂の硬化にも利用することができるため、紫外線硬化樹脂の硬化用の光源として利用することも可能である。
しかしながら、水銀は人体等にとって有害であるため、水銀を使用した紫外光源ランプは、廃棄時等に環境汚染を引き起こすおそれがあるという大きな問題があった。
また、波長254nmの紫外線は紫外線硬化樹脂の硬化のために利用することができるものの、紫外線硬化樹脂の膜厚が厚くなると、樹脂自体の紫外線吸収作用により内部まで充分に硬化できなくなるという問題があった。
また、波長254nmの紫外線は紫外線硬化樹脂の硬化のために利用することができるものの、紫外線硬化樹脂の膜厚が厚くなると、樹脂自体の紫外線吸収作用により内部まで充分に硬化できなくなるという問題があった。
水銀を使用した紫外光源ランプに代わるものとしては、例えば、水銀の代わりにキセノンを使用し、キセノンに誘電体バリア放電(無声放電)を行わせるように構成したものが知られている(例えば、下記特許文献2参照)。
このようなキセノンの誘電体バリア放電を利用したランプは、キセノンのエキシマーが波長172nmの紫外線を発生する。波長172nmの紫外線は、そのエネルギーが低圧水銀ランプから得られる波長185nm及び254nmの紫外線よりも大きく、例えば、有機化合物の除去等に利用される紫外光源ランプとしては有効である。
このようなキセノンの誘電体バリア放電を利用したランプは、キセノンのエキシマーが波長172nmの紫外線を発生する。波長172nmの紫外線は、そのエネルギーが低圧水銀ランプから得られる波長185nm及び254nmの紫外線よりも大きく、例えば、有機化合物の除去等に利用される紫外光源ランプとしては有効である。
しかしながら、上述したように、殺菌のために効果的な紫外線の波長は約250nmであるため、このような従来の水銀の代わりにキセノンを使用した紫外光源ランプは、殺菌用の光源として使用するには適していないものであった。
また、紫外線硬化樹脂を硬化させるためには波長320〜400nmの近紫外光が最適であることから、このような従来のキセノンを使用した紫外光源ランプは、紫外線硬化樹脂の硬化用の光源として使用するにも適していないものであった。
また、紫外線硬化樹脂を硬化させるためには波長320〜400nmの近紫外光が最適であることから、このような従来のキセノンを使用した紫外光源ランプは、紫外線硬化樹脂の硬化用の光源として使用するにも適していないものであった。
本発明は、上記したような従来技術が有する問題点を解決すべくなされたものであって、水銀を使用しないために廃棄時において環境汚染を引き起こすおそれがなく、しかも殺菌用の光源として好適に利用することができるとともに、紫外線硬化樹脂の硬化用の光源としての利用にも供することが可能な紫外線照射装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、紫外線透過性材料からなる管状の気密容器と、該気密容器の管軸方向に沿って外面の互いに対向する位置に設けられた外部電極と、該外部電極に電圧を印加して気密容器内で放電を生じさせる電源装置と、前記気密容器内に封入された希ガス及びハロゲンガスとからなり、前記希ガスがキセノンであり、前記ハロゲンガスがヨウ素の蒸気であって、前記気密容器内におけるキセノンの圧力が1kPa以上であることを特徴とする紫外線照射装置に関する。
請求項2に係る発明は、前記電源装置により印加される電圧がパルス電圧であることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置に関する。
請求項3に係る発明は、前記電源装置により印加される電圧が正弦波電圧であることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置に関する。
請求項1に係る発明によれば、人体等に有害な水銀を使用しないため、廃棄時において環境汚染を引き起こすおそれがない。また、気密容器内にキセノンとヨウ素の混合ガスを封入し、気密容器内におけるキセノンの圧力を1kPa以上としたことによって、ヨウ化キセノンに起因する253nm付近の放射強度を高くすることができ、殺菌用の光源として非常に有効性が高いものとなる。また、ヨウ素分子から波長341nm付近の近紫外光を放射することができるため、紫外線硬化樹脂の硬化用の光源としても利用することができる。
請求項2に係る発明によれば、電源装置により印加される電圧がパルス電圧であることにより、気密容器内で電流密度が高いフィラメント状のプラズマを発生させることができ、発光強度が高い紫外線を得ることが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、電源装置により印加される電圧が正弦波電圧であることにより、気密容器内において均一性の高いプラズマを発生させることができる。
以下、本発明に係る紫外線照射装置の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態を示す概要図である。
本発明に係る紫外線照射装置は、紫外線透過性材料からなる管状の気密容器(1)と、この気密容器(1)の外面に配置された一対の外部電極(2)と、この外部電極(2)に電圧を印加する電源装置(3)と、気密容器(1)内に封入された希ガス及びハロゲンガスとを主要構成として備えている。
図1は本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態を示す概要図である。
本発明に係る紫外線照射装置は、紫外線透過性材料からなる管状の気密容器(1)と、この気密容器(1)の外面に配置された一対の外部電極(2)と、この外部電極(2)に電圧を印加する電源装置(3)と、気密容器(1)内に封入された希ガス及びハロゲンガスとを主要構成として備えている。
図2は本発明に係る紫外線照射装置において用いられる気密容器(1)及び外部電極(2)の構成の一例を示す図である。
気密容器(1)は耐熱性を有する紫外線透過性材料から形成されている。具体的には、紫外線透過特性に優れた石英ガラスが最も好適に用いられるが、ソーダ石灰ガラス等の他の紫外線透過性材料を用いてもよい。
気密容器(1)は耐熱性を有する紫外線透過性材料から形成されている。具体的には、紫外線透過特性に優れた石英ガラスが最も好適に用いられるが、ソーダ石灰ガラス等の他の紫外線透過性材料を用いてもよい。
気密容器(1)は、細長い略円管状に形成された放電部(11)を有している。
放電部(11)は、管軸方向における一端部が封止されており、他端部には希ガス及びハロゲンガスを放電部(11)へと導くガス通路(12)が連通形成されている。
ガス通路(12)はT字状に分岐されており、管軸方向に延びる分岐の一方側(13)は希ガスの導入部となっており、管軸直角方向に延びる分岐の他方側(14)はハロゲンガスの導入部となっている。
放電部(11)は、管軸方向における一端部が封止されており、他端部には希ガス及びハロゲンガスを放電部(11)へと導くガス通路(12)が連通形成されている。
ガス通路(12)はT字状に分岐されており、管軸方向に延びる分岐の一方側(13)は希ガスの導入部となっており、管軸直角方向に延びる分岐の他方側(14)はハロゲンガスの導入部となっている。
本発明においては、希ガスとしてキセノンが用いられ、ハロゲンガスとしてヨウ素の蒸気が用いられる。
従って、気密容器(1)に形成されたガス通路(12)の分岐の一方側(13)からはキセノンガスが導入され、分岐の他方側(14)からはヨウ素の蒸気が導入される。
分岐の一方側(13)は、図示しないポンプ等と接続されており、キセノンガスが所定の圧力でガス通路(12)内へと導入されて放電部(11)へと導かれる。また、分岐の他方側(14)は封止されており、ヨウ素が固体の状態で封入されている。封入された固体のヨウ素は、室温で昇華してヨウ素蒸気となり、ガス通路(12)を通って放電部(11)へと導かれる。
従って、気密容器(1)に形成されたガス通路(12)の分岐の一方側(13)からはキセノンガスが導入され、分岐の他方側(14)からはヨウ素の蒸気が導入される。
分岐の一方側(13)は、図示しないポンプ等と接続されており、キセノンガスが所定の圧力でガス通路(12)内へと導入されて放電部(11)へと導かれる。また、分岐の他方側(14)は封止されており、ヨウ素が固体の状態で封入されている。封入された固体のヨウ素は、室温で昇華してヨウ素蒸気となり、ガス通路(12)を通って放電部(11)へと導かれる。
本発明においては、気密容器(1)内におけるキセノンガスの圧力はヨウ素の蒸気圧よりも高くなるように設定され、具体的には1kPa以上となるように設定される。
その理由は、後述する実験例に示すように、キセノンガスの圧力を1kPa以上に設定することによって、気密容器(1)内で放電を生じさせた時に、ヨウ化キセノン(XeI)の発光波長である253nmの放射強度を強く発現させることが可能となるためである。
尚、気密容器(1)内におけるヨウ素の蒸気圧は、気密容器(1)の温度によって定まり、例えば約25℃の場合には約40Pa、約40℃の場合には約130Pa、約50℃の場合には約300Paとなり、いずれの場合にもキセノンガスの圧力(1kPa以上)よりも低くなる。
その理由は、後述する実験例に示すように、キセノンガスの圧力を1kPa以上に設定することによって、気密容器(1)内で放電を生じさせた時に、ヨウ化キセノン(XeI)の発光波長である253nmの放射強度を強く発現させることが可能となるためである。
尚、気密容器(1)内におけるヨウ素の蒸気圧は、気密容器(1)の温度によって定まり、例えば約25℃の場合には約40Pa、約40℃の場合には約130Pa、約50℃の場合には約300Paとなり、いずれの場合にもキセノンガスの圧力(1kPa以上)よりも低くなる。
外部電極(2)は、気密容器(1)の管軸方向に沿って放電部(11)の外面に密接して設けられた一対(2つ)の電極からなり、これら一対の電極は互いに対向する位置に設けられている。
外部電極(2)は、放電部(11)の外面に導電性の帯状片を接着する或いは導電性の塗料を塗布する等の方法により形成される。具体的には、例えばアルミニウム製のテープを接着することにより形成することができる。
図示例では、一対の外部電極(2)のうち、一方の外部電極はバラスト抵抗(R1)を介して電源装置(3)と接続され、他方の外部電極は電流測定用の抵抗(R2)を介して接地されている。
外部電極(2)は、放電部(11)の外面に導電性の帯状片を接着する或いは導電性の塗料を塗布する等の方法により形成される。具体的には、例えばアルミニウム製のテープを接着することにより形成することができる。
図示例では、一対の外部電極(2)のうち、一方の外部電極はバラスト抵抗(R1)を介して電源装置(3)と接続され、他方の外部電極は電流測定用の抵抗(R2)を介して接地されている。
電源装置(3)は、外部電極(2)にパルス電圧を印加して電極間に電位差を生じさせることによって、気密容器(1)内で放電を発生させる。
印加されるパルス電圧は、負極性パルス電圧、正極性パルス電圧、両極性パルス電圧のいずれであってもよい。
パルスの繰り返し周波数、デューティ比、電圧値については適宜設定することができるが、例えば、繰り返し周波数は10kHz、デューティ比は50%、電圧値は振幅2500V(負極性パルスの場合:−2500V、正極性パルスの場合:2500V、両極性パルスの場合:±2500Vをそれぞれ印加)に設定することができる。
印加されるパルス電圧は、負極性パルス電圧、正極性パルス電圧、両極性パルス電圧のいずれであってもよい。
パルスの繰り返し周波数、デューティ比、電圧値については適宜設定することができるが、例えば、繰り返し周波数は10kHz、デューティ比は50%、電圧値は振幅2500V(負極性パルスの場合:−2500V、正極性パルスの場合:2500V、両極性パルスの場合:±2500Vをそれぞれ印加)に設定することができる。
本発明においては、電源装置(3)からパルス電圧を印加する代わりに正弦波電圧を印加してもよい。
図3は、本発明に係る紫外線照射装置において、電源装置(3)から正弦波電圧を印加するように構成した実施形態(以下、この実施形態を第二実施形態と称し、前述した実施形態を第一実施形態と称す)を示す概要図である。尚、第二実施形態は、電源装置(3)から印加される電圧波形とバラスト抵抗が無い点が第一実施形態と異なるのみであり、他の構成は同じである。
図3は、本発明に係る紫外線照射装置において、電源装置(3)から正弦波電圧を印加するように構成した実施形態(以下、この実施形態を第二実施形態と称し、前述した実施形態を第一実施形態と称す)を示す概要図である。尚、第二実施形態は、電源装置(3)から印加される電圧波形とバラスト抵抗が無い点が第一実施形態と異なるのみであり、他の構成は同じである。
第二実施形態においては、電源装置(3)から外部電極(2)に正弦波電圧を印加して電極間に電位差を生じさせることによって、気密容器(1)内で放電を発生させる。
正弦波の周波数及び電圧値については適宜設定することができるが、例えば、周波数は30kHz、電圧値は実効値2500Vに設定することができる。
正弦波の周波数及び電圧値については適宜設定することができるが、例えば、周波数は30kHz、電圧値は実効値2500Vに設定することができる。
尚、本発明において、電源装置(3)により印加される電圧の波形は、数kHz〜数十kHz程度の高周波電圧であればよく、上述したパルス電圧と正弦波電圧に限定されるものではない。
以下、本発明に係る紫外線照射装置に関して行った実験結果を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は、以下の実験の態様に限定されるものではない。
<1.実験準備>
実験においては、気密容器(1)及び外部電極(2)として、図2に示す構造を有するものを使用した。
気密容器(1)としては、外径φ30mm、内径φ26mmの石英ガラス製のものを用いた。気密容器(1)内に封入されるキセノンのガス圧は、39.9Pa,133Pa,1.33kPaの3種類に設定し、ガス圧39.9Paのキセノンを封入した気密容器を「容器A」、133Paのキセノンを封入した気密容器を「容器B」、1.33kPaのキセノンを封入した気密容器を「容器C」とした。また、ヨウ素はJISK8920に規定された純度99.8%のものを使用した。
外部電極(2)は、2枚のアルミニウムテープ(長さ60mm×幅20mm)を気密容器(1)の外面の対向する位置に接着することにより形成した。
実験においては、気密容器(1)及び外部電極(2)として、図2に示す構造を有するものを使用した。
気密容器(1)としては、外径φ30mm、内径φ26mmの石英ガラス製のものを用いた。気密容器(1)内に封入されるキセノンのガス圧は、39.9Pa,133Pa,1.33kPaの3種類に設定し、ガス圧39.9Paのキセノンを封入した気密容器を「容器A」、133Paのキセノンを封入した気密容器を「容器B」、1.33kPaのキセノンを封入した気密容器を「容器C」とした。また、ヨウ素はJISK8920に規定された純度99.8%のものを使用した。
外部電極(2)は、2枚のアルミニウムテープ(長さ60mm×幅20mm)を気密容器(1)の外面の対向する位置に接着することにより形成した。
電源装置(3)から外部電極(2)に印加される電圧は、負極性パルス電圧(繰り返し周波数10kHz、パルス幅50μs、デューティ比50%、負極パルス電圧−2500V)と、正弦波電圧(周波数30kHz、電圧実効値2500V)の2種類とした。前者の場合の回路構成は図4に示す通りであり(R1=1kΩ、R2=100Ω)、後者の場合の回路構成は図5に示す通りである(R=100Ω)。
気密容器(1)内における放電により発生した放射光は、気密容器(1)の管軸方向中心から垂直に15mm離れた位置に配置した光ファイバー(4)(Ocean Optics、P400-2-UV/VIS)により集光し、分光計(5)(Ocean Optics、USB2000)及びパソコン(6)に導いてスペクトル分布を測定した。
また、気密容器(1)の放電により発生した放射光をデジタルカメラ(Canon EOS Kiss Digital)により撮影した。撮影条件は、容器A(f値25、露光時間2秒)、容器B(f値25、露光時間2秒)、容器C(f値25、露光時間0.5秒)とした。
また、気密容器(1)の放電により発生した放射光をデジタルカメラ(Canon EOS Kiss Digital)により撮影した。撮影条件は、容器A(f値25、露光時間2秒)、容器B(f値25、露光時間2秒)、容器C(f値25、露光時間0.5秒)とした。
<2.実験結果及び考察>
負極性パルス電圧を印加した場合の気密容器の写真及びスペクトル分布を図6乃至図8に示し、正弦波電圧を印加した場合の気密容器の写真及びスペクトル分布を図9乃至図11に示す。図6及び図9は容器A、図7及び図10は容器B、図8及び図11は容器Cについて示しており、各図において(a)は気密容器の放電部の写真、(b)は矢印で引き出した部分の放射光のスペクトル分布である。
負極性パルス電圧を印加した場合の気密容器の写真及びスペクトル分布を図6乃至図8に示し、正弦波電圧を印加した場合の気密容器の写真及びスペクトル分布を図9乃至図11に示す。図6及び図9は容器A、図7及び図10は容器B、図8及び図11は容器Cについて示しており、各図において(a)は気密容器の放電部の写真、(b)は矢印で引き出した部分の放射光のスペクトル分布である。
負極性パルス電圧を印加した場合、気密容器内のヨウ素の蒸気圧は、容器A〜Cともに容器壁温度(約25℃)から約40Paと推測された。また、入力電力は、容器Aが0.25W、容器Bが0.52W、容器Cが0.59Wであった。
図6乃至図8に示すように、キセノンのガス圧が39.9Paの場合(容器A)及び133Paの場合(容器B)にはヨウ化キセノン(XeI)の放射(波長253nm)は弱く、紫外光/可視光の強度比が小さかった。
これに対して、キセノンのガス圧が1.33kPaの場合(容器C)には、フィラメント状の放電が生じ、XeIの放射が強くなり、紫外光/可視光の強度比が大きくなった。また、ヨウ素分子からの近紫外光(341nm付近)の放射強度も強くなった。
図6乃至図8に示すように、キセノンのガス圧が39.9Paの場合(容器A)及び133Paの場合(容器B)にはヨウ化キセノン(XeI)の放射(波長253nm)は弱く、紫外光/可視光の強度比が小さかった。
これに対して、キセノンのガス圧が1.33kPaの場合(容器C)には、フィラメント状の放電が生じ、XeIの放射が強くなり、紫外光/可視光の強度比が大きくなった。また、ヨウ素分子からの近紫外光(341nm付近)の放射強度も強くなった。
正弦波電圧を印加した場合、気密容器内のヨウ素の蒸気圧は、容器Aについては容器壁温度(約43℃)から約150Pa、容器Bについては容器壁温度(約40℃)から約120Pa、容器Cについては容器壁温度(約41℃)から約130Paと推測された。また、入力電力は、容器Aが1.85W、容器Bが1.04W、容器Cが1.63Wであった。
図9乃至図11に示すように、キセノンのガス圧が39.9Paの場合(容器A)及び133Paの場合(容器B)にはヨウ化キセノン(XeI)の放射(波長253nm)は弱く、紫外光/可視光の強度比が小さかった。
これに対して、キセノンのガス圧が1.33kPaの場合(容器C)には均一な放電が生じ、XeIの放射が強くなり、紫外光/可視光の強度比が大きくなった。また、ヨウ素分子からの近紫外光(341nm付近)の放射強度も強くなった。
図9乃至図11に示すように、キセノンのガス圧が39.9Paの場合(容器A)及び133Paの場合(容器B)にはヨウ化キセノン(XeI)の放射(波長253nm)は弱く、紫外光/可視光の強度比が小さかった。
これに対して、キセノンのガス圧が1.33kPaの場合(容器C)には均一な放電が生じ、XeIの放射が強くなり、紫外光/可視光の強度比が大きくなった。また、ヨウ素分子からの近紫外光(341nm付近)の放射強度も強くなった。
以上の実験結果から、気密容器内にキセノンとヨウ素の混合ガスを封入し、気密容器内におけるキセノンの圧力を1kPa以上とすることによって、XeIに起因する253nm付近の放射と、ヨウ素分子に起因する波長341nm付近の近紫外光の放射が、共に高い強度で得られることが確認された。
また、パルス電圧を印加した場合には気密容器内で電流密度が高いフィラメント状のプラズマを発生させることができ、正弦波電圧を印加した場合には気密容器内において均一性の高いプラズマを発生させることができることが分かった。
また、パルス電圧を印加した場合には気密容器内で電流密度が高いフィラメント状のプラズマを発生させることができ、正弦波電圧を印加した場合には気密容器内において均一性の高いプラズマを発生させることができることが分かった。
本発明は、殺菌、紫外線硬化樹脂の硬化、光触媒反応等に利用される紫外線を放射するための光源装置として好適に利用することができる。
1 気密容器
2 外部電極
3 電源装置
2 外部電極
3 電源装置
Claims (3)
- 紫外線透過性材料からなる管状の気密容器と、
該気密容器の管軸方向に沿って外面の互いに対向する位置に設けられた外部電極と、
該外部電極に電圧を印加して気密容器内で放電を生じさせる電源装置と、
前記気密容器内に封入された希ガス及びハロゲンガスとからなり、
前記希ガスがキセノンであり、前記ハロゲンガスがヨウ素の蒸気であって、
前記気密容器内におけるキセノンの圧力が1kPa以上であることを特徴とする紫外線照射装置。 - 前記電源装置により印加される電圧がパルス電圧であることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
- 前記電源装置により印加される電圧が正弦波電圧であることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
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JP2010056008A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Ehime Univ | 無水銀殺菌ランプおよび殺菌装置 |
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