JP3598970B2 - 誘電体バリア放電ランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光化学反応などの紫外線光源として使われる誘電体バリア放電ランプ装置に関し、特に冷却流体による冷却手段を備えた誘電体バリア放電ランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属、ガラス、その他の材料よりなる被処理体に波長200nm以下の真空紫外線を照射することにより、当該真空紫外線およびこれにより生成されるオゾンの作用によって被処理体を処理する技術、例えば被処理体の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗浄処理技術や、被処理体の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理技術が開発され、実用化されている。
このような紫外線処理を行うためのランプとしては従来水銀の共鳴線である波長185nmの真空紫外線を放出する低圧水銀ランプが使用されていたが、最近においては一部が誘電体により構成された放電容器内に、適宜のエキシマ発光用ガスが充填され、当該放電容器内において誘電体バリア放電(別名「オゾナイザ放電」あるいは「無声放電」。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263頁参照。)を発生させることにより、エキシマが生成されてエキシマ光が放出される誘電体バリア放電ランプが開発されている。係る誘電体バリア放電ランプには、正弦波パルスなどの電圧が印加され、その周波数は例えば50Hzから100MHzにまで及ぶ。
【0003】
例えば、特開平1−144560号公報には、少なくとも一部が、誘電体である石英ガラスにより構成された中空円筒状の放電空間に、エキシマ発光用ガスが充填されてなる誘電体バリア放電ランプが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記誘電体バリア放電ランプは、ランプへの入力電力(発光面積に対する入力電力)を大きくして点灯しているとランプの発光効率が低下することがある。この理由は入力電力を大きくするとエキシマ発光用ガスの温度が上昇して発光効率が低下するためといわれている。
また、ガス温度が上昇するに従って放電容器を構成する石英ガラスも温度が高くなるので紫外線透過率も減少して、光出力が低下するという問題も発生する。石英ガラスの紫外線透過率の温度依存性を述べると、波長172nmの紫外線の透過率は、25℃のときには約85%であるのに対し、100℃のときは約83%、300℃のときは約73%と、温度の上昇に伴って透過率が減衰する。
【0005】
上記誘電体バリア放電ランプ装置においては高処理能力化に対応するためにも大きな光出力が要求されており、更なるランプの入力電力の増大が望まれている。しかしながら、上述の如く、当該ランプの温度上昇に起因して紫外線の出射率が低下し、所望の光量を得ることができないという問題がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、ランプの温度上昇を防止するために当該ランプを冷却する冷却手段を具えた誘電体バリア放電ランプ装置が開発されてきている。
そこで、本出願人は、誘電体バリア放電ランプの冷却を行うことができ、更に、装置全体の構造をより簡略化した誘電体バリア放電ランプ装置を、例えば特願平11−88283号において提案した。
上記発明にかかる誘電体バリア放電ランプ装置の一例を図5を参照して説明する。誘電体バリア放電ランプ1(以下、誘電体バリア放電ランプを簡単に「ランプ」ともいう。)は、内側管2および外側管3が略同軸に配置された二重管構造であり、内部に希ガスが封入されて中空円筒状の放電空間Sが形成された放電容器10を具えている。前記内側管2の内周面および外側管3の外周面上には、前記放電空間Sを挟み、誘電体である放電容器10を介して、内側電極5と外側電極6とがそれぞれ配設されている。前記内側電極5と外側電極6との間に外部電源7より高周波電圧を印加すると、放電空間S内において誘電体バリア放電が生じる構成となっている。
【0007】
そして放電容器10にはその両端に内側管2が外側管3の外端よりも外方に伸び出して形成された延出部2A、2A’を具備しており、各々延出部2A、2A’には継手機構8、8’により導管4、4’が連結されている。なお、継手機8、8’は、合金からなるボディB、B’、ナットN、N’及びフェルールF、F’とフッソ樹脂からなるOリングR、R’等により構成されている。
そして、例えば矢印で示すように前記導管4’より冷却流体を流入して放電容器10における内側管2内にこれを充填、流過することにより、該内側管2を冷却し、さらには放電空間Sに封入された放電ガスを好適に冷却する。
【0008】
この誘電体バリア放電ランプ装置の内側電極5は、例えば断面が半円状になるよう成形された金属板を2枚組合せて構成され、管軸中心から外方に弾撥するバネ状の接続金属51、51’により押圧されて固定されている。そして、給電側の接続金属51に、その一端が外部電源7に継線されたリード棒52が接続されることにより、当該内側電極5と前記外部電源7とが電気的に接続されている。リード棒52は管軸と同方向に延伸して継手機構8におけるボディBの一部に形成されたリード棒導出部B3より放電容器10の外部に導出されている。
ランプ1には例えば5kV、60kHzという電圧が印加されるようになるが、内側管2の内部空間においては冷却流体とリード棒52とがともに配置されているので冷却流体を介して継手機構8における金属部材にも高電圧がかかる。よって継手機構8を絶縁処理するために、例えば当該装置におけるケーシングC内部において継手機構8の周囲に広い絶縁空間を形成したり、当該継手機構8を絶縁性のカバー等で被装しなければならず、絶縁にかかる構造が複雑になり、また、必要以上に装置を大きくしなければならなかった。
また、継手機構8の袋ナットNやボディB等は金属からなるので内側電極5と同電位となり、外側電極6との間での短絡を防止する必要がある。このために該継手機構8を、誘電体バリア放電ランプ1の放電空間Sを形成している放電容器10の外端から十分に間隔を隔てて配置する必要があり、この結果、ランプの管軸方向に必要以上に非発光部が形成されて装置が大型になるという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、誘電体バリア放電ランプ装置において、ランプの入力電力が大きくても紫外線の出射率が良好であると共に、内側電極の給電部における構造を簡単にできて装置全体の小型化を達成できる誘電体バリア放電ランプ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
誘電体からなり少なくとも一部に光取出し窓を有する円筒状の外側管と、該外側管と略同軸に配置されて該外側管の内部に配置された円筒状の内側管との間に放電ガスが充填されて中空円筒状の放電空間が形成された放電容器とを有し、内側管の内部に内側電極が配設されて外側管の外部に外側電極が配設されてなる誘電体バリア放電ランプが、導電性を有するケーシング内に配置され、前記内側管の内部に冷却流体を流通させることにより、当該誘電体バリア放電ランプを冷却する冷却手段を具えた誘電体バリア放電ランプ装置であって、前記冷却流体を流通させるための導管と前記内側管とが、絶縁性を有する高分子材料からなる継手機構により連結され、前記光取出し窓と前記継手機構との間に、紫外線の不透過性材料からなる遮光壁が設けられていることを特徴とする。
また、前記内側電極は導電膜により形成されてなり、当該電極膜の一部が外方に延在し、当該放電容器の外端面を通過して折返すように形成されて該放電容器の外周面上に形成されることにより、前記内側電極と電気的に接続される露出部が形成されて、前記導電膜の露出部に、外部電源に接続された給電用接続部材が接合されることを特徴とする。
【0011】
【作用】
冷却流体を内側管内に流入する導管を放電容器に接続するための継手機構を、絶縁性の高分子材料によって製作することにより、継手機構に対する高電圧対策を講じる必要がなくなり装置をコンパクトにできる。また、高分子材料は一般に紫外線によって分解されるものが殆どであるが、誘電体バリア放電ランプから出射される紫外線を遮光するための遮光壁を、当該ランプの光取出し窓と当該継手機構との間に設けることによって、継手機構に紫外線が照射されるのを防止でき、当該継手機構を構成している高分子材料が紫外線劣化したり、分解したりするのを回避できて、当該装置を長時間使用しても不具合を生じることがない。さらに、内側電極を導電性膜で構成して、当該導電膜を放電容器の外周面上まで形成することにより、外部電源と内側電極との接続を容易に行うことができ、装置における給電部構成を極めて簡単なものとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明にかかる誘電体バリア放電ランプ装置のランプ管軸方向における断面図で概略説明図である。同図において誘電体バリア放電ランプ1(以下、「ランプ」ともいう。)における放電容器10は、内側管2と外側管3を同軸に配置した二重管構造であり、波長172nmの紫外線透過性を具えた誘電体の石英ガラスからなる。前記内側管2は外側管3の両端部において溶着されており中空円筒状の放電空間Sが形成されている。前記内側管2の内面には略円筒状の電極5が密着配置されて形成され、例えば厚さ0.5mmのアルミニウム板を曲げて作った半円筒が2個組み合わされて構成される。一方、外側管3の外面には紫外線を透過する外側電極6が、例えば金属素線で形成された網状電極により構成される。内側電極5と外側電極6とは交流電源7に接続されるようになる。
なおこの外側管3には少なくとも一部に光取出し窓11が形成される。
【0013】
ここで、ランプ1について数値例を挙げると、内側管2の厚みは1mmであり、内側管2によって形成される内部空間Pの直径は16mm、延出部2Aにおける内部空間2Pの直径は14mmである。また、外側管3の外径は27mm、外側管3の厚みは2mmである。放電空間Sの長手方向の長さは330mmであり、この放電空間S内に希ガスとしてキセノン(Xe)が約60kPa封入される。前記交流電源7よりランプ1へ投入される電力は例えば500Wである。
【0014】
内側管5は放電空間Sよりも管軸方向の外方において延出してなる延出部2A、2A’を有しており、当該延出部2A、2A’の端部には冷却流体を流入、若しくは、流出するための導管4、4’が、継手機構8、8’で連結されている。そして、内側電極5に電気的に接続されて伸びるリード棒52がこの継手機構8の端部において外部に導出されている。かかる継手機構8、8’は、これを構成する部材が全て絶縁性を有する高分子材料からなる。具体的には、継手機構8、8’におけるボディB、B’、袋ナットN、N’、フェルールF、F’は例えばポリプロピレンにより、OリングR、R’は例えばフッソ樹脂により構成される。
したがって、内側電極5に高電圧が印加されたときも、前記継手機構8、8’を構成する全部材が絶縁性を具えているので、当該継手機構8、8’に高電圧がかかることはない。
よって、従来型の装置における継手機構に施していたような絶縁処理、例えば継手機構の近傍に絶縁空間を設けたり、絶縁カバー等で被装するような手間が一切不要になる。
また、仮に金属など導電性の材料を用いて当該装置におけるのケーシングCを形成した場合も、該ケーシングCと継手機構8とを密着して配置できるようになり、図中Lで示す幅を継手機構8、8’の寸法まで小さくすることができて、当該装置の小型化を達成でき、大変有利である。
【0015】
ここで、図2を参照して、図1における継手機構8の構造を詳細に説明する。同図は図1に示した誘電体バリア放電ランプ装置における給電側の端部を拡大した図である。
図2において、継手機構8におけるボディBは、ランプ1の内側管2における延出部2A端部を収容して当該内側管2に連結される第1の筒部B1、この第1の筒部B1に略直交する第2の筒部B2、および、前記第1の筒部B1と略同軸にリード棒挿通孔B31が形成されたリード棒導出部B3を有してなる。
【0016】
この継手機構8は以下のように取付けられる。
すなわち、内側管2における延出部2Aに袋ナットN1を嵌挿して、当該袋ナットN1と延出部2Aとの間隙にフェルールF1を挿入して当該延出部2Aに嵌挿し、さらにフェルールF1の管軸方向の外方において該延出部2Aの外周面上にOリングR1を環装する。そしてボディBの第1の筒部B1の外周部に形成されたネジ溝と袋ナットN1の内周部に形成されたネジ溝とを螺合して、当該ボディBの段部B1aと前記フェルールF1の端面F1aによりOリングR1を狹圧し、当該OリングR1を変形させて延出部2Aの外周部に密着する。
これにより、内側管2とボディBとを気密にかつ確実に連結させる。
【0017】
さらにこのボディBにおける前記第2の筒部B2に導管4を、袋ナットN2、フェルールF2およびOリングR2を用いて、内側管2、ボディBおよび導管4における内部空間が連通するよう取付ける。ここで第2の筒部B2の外周部および前記袋ナットN2の内周部の各々に形成されたネジ溝が螺合して、継手機構8における前記OリングR2がボディBとフェルールF2により狹圧されて導管4の外周部に密着し、気密を確実なものとし、かつ、両部材を連結する。
また、ボディBのリード棒導出部B3においては該リード棒52の外端に嵌装された袋ナットN3、フェルールF3およびOリングR3とにより、リード棒挿通孔B31にリード棒52が貫通した状態で、該リード棒導出部B3外周部におけるネジ溝と前記袋ナットN3内周部におけるネジ溝とが螺合して、上記と同様OリングR3の作用によりリード棒挿通孔B31を気密に閉塞すると共に、リード棒52を支持して取付ける。
【0018】
以上説明したように、本願請求項1の発明によれば、前記継手機構を構成する部材が絶縁性を有する高分子材料からなるので、該継手機構に高電圧がかかるようなことがなくて安全に使用でき、継手機構を絶縁空間や絶縁カバー等が一切不要になるので、誘電体バリア放電ランプ装置の小型化を達成でき、その構造を簡略化できるようになる。
【0019】
また、上記本願請求項1にかかる発明において、図1に示すように放電容器10における光取出し窓11と継手機構8および該光取出し窓11と継手機構8’との間に、紫外線不透過性の材料よりなる遮光壁9、9’をそれぞれ配設すると、継手機構8、8’を構成する高分子材料への紫外線照射が防止されて高分子材料の紫外線劣化や分解などを防止できるようになる。
かかる遮光壁9、9’の材質として具体的には、アルミニウムやステンレス等の金属材料、ステアタイトやアルミナなどのセラミック材料を好ましく採用することができる。
【0020】
なお、図1における遮光壁9が仮に金属等の導電性材質からなり、内側管2における延出部2Aの外周面に近接して配置されている場合、かかる延出部2A内にある高電圧のリード棒52と該遮光壁9との距離も近接してしまうので、両者の距離が内側電極5と外側電極6との距離よりも近い場合には、リード棒52(又は、内側電極5)から空間2P内に流れる冷却流体を介して遮光壁9と放電を生じる確率のほうが放電空間S内において内側電極5と外側電極6の間で放電を生じる確率よりも大きくなると短絡してしまう可能性がある。従って、絶縁性のセラミック材料により遮光壁9を構成するのが特に好ましい。これにより、遮光壁9への短絡が回避されて遮光壁9と延出部2Aとの隙間をごく小さくすることができる。
【0021】
本願請求項1に記載の発明によれば、放電容器の光取出し窓と継手機構との間に紫外線の遮光壁が設けられているので、高分子材料により構成された継手機構には紫外線が照射されるのが防止されるようになり、この高分子材料が分解したり、分解した物質等が飛散するようなことも無くなる。よって、誘電体バリア放電ランプ装置を長時間使用してもケーシングの内部が汚染されるような問題が生じにくく、また継手機構における高分子材料の劣化も抑制されることから連結部分における気密性が十分に確保された誘電体バリア放電ランプ装置を提供できるようになる。
【0022】
さらに図3を参照して本願請求項2の発明の実施形態を説明する。同図において、内側電極5は内側管2の内周面上に導電性塗料により形成された導電膜からなる。この導電性塗料としてはニッケルを主成分とする導電性塗料が特に好ましい。かかる導電膜の厚みは約10〜30μmである。
【0023】
本実施形態において、内側電極5は少なくとも外部電源7に配置される一端において前記導電膜が該延出部2Aの内周面に延在してなり、さらに外方に伸びて外端面で折返されて当該延出部2Aの外周面上に延在して形成され、外部空間に露出した露出部5Aを形成している。
【0024】
外部電源7はリード線および接続部材51を介して、延出部2Aの外周面上に形成された露出部5Aに電気的に接続され、これにより、外部電源7と内側電極5との電気的接続が達成されるようになる。
【0025】
以上のように内側電極が内側管内部に形成されているにもかかわらず、当該内側電極を形成する導電膜が該内側管の外端面において折返されて外部に導出されているので、外部電源に接続したリード線を当該導電膜の外部露出部分に接合するのみで給電を達成できるようになり、給電部にかかる構成が極めて簡単なものになる。さらにはリード棒を必要としないので部品点数を少なくできるうえ、継手機構の接続も容易になり、ランプの組立、交換にかかる作業性が良いものとなる。
【0026】
さらに、別の実施形態を図4を参照して説明する。なお同図は誘電体バリア放電ランプ装置の説明用断面図で基本的な構造は上記図1〜3と同様であり、相違点は内側管2に延出部(2A)を設けることなくランプ1の放電容器10に直接導管4を接続した点である。
同図において、放電容器10の両端部には冷却流体を流出入するための導管4が、絶縁性を具えた高分子材料からなる継手機構8により装着されている。外側管3の周囲には紫外線を透過しない遮光壁9が、継手機構8よりやや中心側で、かつ、放電容器10における光取出し窓11と継手機構8との間に配置されている。
【0027】
継手機構8による内側管2と導管4との連結方法は、上記実施形態で説明した内容と概略同様で、すなわち、袋ナットN1を予め放電容器10における外側管3に嵌挿し、当該袋ナットN1の内方に位置するようにフェルールF1を該外側管3に嵌挿し、さらに外側管3にOリングR1を環装して、その後、当該外側管3の端部に、一方の端部に導管4が接続されたボディBを嵌め込み、袋ナットN1のネジ溝とボディーBのネジ溝を螺合させて、ボディBとフェルールF1との間でOリングR1を変形させて密着させる。導管4とボディBとの連結部分もこれと同様、フェルールF、OリングR、ナットNとを用いて気密に連結される。
【0028】
この実施形態において、内側電極5は導電膜からなり、該導電膜が内側管2の内周面より当該放電容器10の端部まで延在し、更にこの端面において折返されるようにして外側管3の外周面上まで形成されて露出部5Aを形成している。同図において外部電源7より伸びるリード線の一端が、金属製の接続部材51に接続されており、そしてこの接続部材51が、前記導電膜における露出部5Aに接合されている。外部電源7における他極は網状電極からなる外側電極6に接続されて両電極間に電圧が印加されるようになる。
【0029】
以上のように、外側管の外表面に形成された導電膜の露出部に、接続部材を電気的に接続すれば内側電極と外部電源との接続作業が終了する。このように給電構造にかかる部品点数が少なくて済み、構成が極めて簡略化されるので、ランプの交換にかかる作業性が極めて良く、組立が容易な誘電体バリア放電ランプ装置になる。
【0030】
以上、本願発明の実施形態について説明したが、上記構成に限定されることなく、適宜変更することが可能である。
なお、本願発明における冷却流体としてはイオン交換水を用いるのが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
本願請求項1の発明によれば、冷却流体を内側管内に流入する導管と放電容器とを、絶縁性の高分子材料からなる継手機構によって連結したので、継手機構に対する高電圧対策を講じる必要がなくなり、コンパクトな誘電体バリア放電ランプ装置を提供できる。
その結果、ランプの入力電力が大きくても紫外線の放射効率が良好であるうえ、内側電極の給電部における構造を簡単にできて、誘電体バリア放電ランプ装置全体の小型化を達成できる。
【0032】
また、誘電体バリア放電ランプから出射される紫外線を遮光するための遮光壁を、当該ランプの光取出し窓と当該継手機構との間に設けることによって、継手機構が紫外線に曝されるのを防止でき、これを構成する高分子材料が紫外線劣化するのを回避でき、長時間の使用にも耐え得る、誘電体バリア放電ランプ装置を提供できる。
【0033】
さらに、本願請求項2の発明によれば、内側電極を導電性膜で構成し、該導電膜を放電容器の外周面上まで形成することにより、外部電源と内側電極との接続部分の構成が極めて簡単な誘電体バリア放電ランプ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。
【図2】本発明の誘電体バリア放電ランプ装置における継手機構を拡大した説明図である。
【図3】本願請求項3の発明にかかる誘電体バリア放電ランプ装置の要部を拡大した説明図である。
【図4】本願請求項3の発明にかかる他の実施形態を示す誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。
【図5】従来型の誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。
【符号の説明】
1 誘電体バリア放電ランプ
10 放電容器
11 光取出し窓
2 内側管
2A 延出部
3 外側管
4 導管
5 内側電極
5A 内側電極露出部
51 接続部材
52 リード棒
6 外側電極
7 外部電源
8、8’継手機構
B ボディ
R Oリング
F フェルール
N 袋ナット
9 遮光壁
Claims (2)
- 誘電体からなり少なくとも一部に光取出し窓を有する円筒状の外側管と、該外側管と略同軸に配置されて該外側管の内部に配置された円筒状の内側管との間に放電ガスが充填されて中空円筒状の放電空間が形成された放電容器とを有し、内側管の内部に内側電極が配設されて外側管の外部に外側電極が配設されてなる誘電体バリア放電ランプが、導電性を有するケーシング内に配置され、
前記内側管の内部に冷却流体を流通させることにより、当該誘電体バリア放電ランプを冷却する冷却手段を具えた誘電体バリア放電ランプ装置であって、
前記冷却流体を流通させるための導管と前記内側管とが、絶縁性を有する高分子材料からなる継手機構により連結され、
前記光取出し窓と前記継手機構との間に、紫外線の不透過性材料からなる遮光壁が設けられていることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ装置。 - 前記内側電極は導電膜により形成されてなり、当該電極膜の一部が外方に延在し、当該放電容器の外端面を通過して折返すように形成されて該放電容器の外周面上に形成されることにより、前記内側電極と電気的に接続される露出部が形成されて、前記導電膜の露出部に、外部電源に接続された給電用接続部材が接合されることを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプ装置。
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