JP3606154B2 - 誘電体バリア放電ランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷却流体による冷却手段を備えた誘電体バリア放電ランプに関し、特に、光化学反応などの紫外線光源として使用される誘電体バリア放電ランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属、ガラス、その他の材料よりなる被処理体に波長200nm以下の真空紫外線を照射することにより、当該真空紫外線及びこれにより生成されるオゾンの作用によって被処理体を処理する技術、例えば被処理体の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗浄処理技術や、被処理体の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理技術が開発され、実用化されている。
【0003】
このような紫外線処理を行うためのランプとしては、従来、水銀の共鳴線である波長185nmの真空紫外線を放出する低圧水銀ランプが使用されていたが、最近においては、一部が誘電体により構成された放電容器内に、適宜のエキシマ発光用ガスが充填され、当該放電容器内において誘電体バリア放電(別名「オゾナイザ放電」あるいは「無声放電」。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263頁参照。)を発生させることにより、エキシマが生成されてエキシマ光が放出される誘電体バリア放電ランプが開発されている。
【0004】
例えば、特開平1−144560号公報には、少なくとも一部が誘電体である石英ガラスにより構成された中空円筒状の放電空間にエキシマ発光用ガスが充填されてなる誘電体バリア放電ランプが記載されている。
【0005】
このような誘電体バリア放電ランプは、ランプへの入力電力(発光面積に対する入力電力)を上昇させるとランプの発光効率が減少するという問題を有する。これは、入力電力が上昇するとランプ内のガス温度も上昇するので、その結果として発光効率が低下するものと推察される。
【0006】
更に、ガス温度の上昇によって石英ガラスの透過率も減少するという問題をも有する。例えば、波長172nmの透過率は25℃のときには約85%であるのに対し、100℃のときは約83%、300℃のときは約73%と、石英ガラスの透過率が減衰する割合も温度が高い方が大きくなる。
このため、ランプの温度が上昇すると、ガス温度の上昇による発光効率の低下に加え、石英ガラスの温度上昇による光の透過率の低下も生じるようになるので、早期に光出力の低下を生じるようになる。
【0007】
更にはランプの温度上昇によって石英ガラスの絶縁破壊電圧が低下してしまうのでランプ自身が破損してリークする可能性もある。一方、用途によっては、光出力を上げるために入力電力を高くすることが要求される場合もあるのでこのような事情に鑑み、ガス温度、即ち、ランプ自身を何らかの方法で冷却する必要がある。
【0008】
そこで、本出願人は、図3に示すような、冷却手段を有する誘電体バリア放電ランプ装置を発明した(特願平11−088283号)。同図は、かかる誘電体バリア放電ランプ装置の説明用断面図である。
誘電体バリア放電ランプ1(以下、簡単に「ランプ」ともいう。)の放電容器10は、波長172nmの光を透過する誘電体である石英ガラスよりなる内側管2と外側管3を同軸に配置した二重管構造をなし、内側管2と外側管3の端部を溶着することにより中空円筒状の放電空間4が形成されている。
【0009】
前記放電容器10の大きさは、具体的数値を上げると、内側管2によって形成される内部空間Pの直径は12〜15mm、内側管2の厚みは約1mmであり、外側管3の外径は24〜27mm、外側管3の厚みは約1mmである。又、中空円筒状の放電空間4の長手方向の長さは約260mmであり、この放電空間4内に希ガスであるキセノンガスが、30000〜50000Pa封入されている。
【0010】
内側管2の一部は、内側管2と外側管3によって形成された放電空間4より外部に伸び出して円筒状の延長管部2Aを形成している。つまり、延長管部2Aの中空空間2Pは、内部空間Pに連通している。
そして、当該内側管2の内面には、略円筒状の内側電極5が密着配置されている。この内側電極5は、例えば厚さ約0.5mmのアルミニウム板を曲げて作った半円筒を2個組み合わせて構成される。一方、外側管3の外面には紫外線を透過する外側電極6が配置されている。この外側電極6は例えば金属製の素線からなる網状電極により構成される。
内側電極5と外側電極6とは交流電源(図示省略)に接続されて高電圧が印加されるようになる。
【0011】
内側管2に連設された延長管部2Aの端部2A1には、冷却流体が流過する導管11に接続された継手機構8が取り付けられており、具体的には、端部2A1の外周面を継手機構8によって密着保持されている。
尚、同図においては省略したが、紙面上右方向の他方の延長管部2Aには、前述と同様の継手機構が取り付けられている。
又、ここで言う導管11とは誘電体バリア放電ランプ1を収容するケーシング(図示省略)の一部が突出したものあるいはケーシング内に配設された冷却流体が流入する流入管や冷却流体が流出する流出管のことである。
【0012】
図4は、延長管部2Aと継手機構8の関係を説明する一部拡大断面図である。冷却流体が流れ込む導管11と延長管部2Aをつなぐ継手機構8は、例えばステンレス製のボディ81と、フッ素樹脂よりなるOリング82と、鉄―ニッケル合金製のフェルール83及びステンレス製の袋ナット84よりなるものである。
【0013】
更に、図4を用いて詳細に説明すると、延長管部2Aと継手機構8との接続方法は、袋ナット84を予め延長管部2Aに嵌挿しておき、その後、袋ナット84の前方に位置するようにフェルール83を延長管部2Aに嵌挿し、更に、フェルール83の前方に位置するとともに、延長管部2Aの外周面の全域に接触するようにOリング82を嵌め込み、その後、延長管部2Aの端部2A1に一方の端部に導管11が接続されたボディ81を嵌め込み、袋ナット84のネジ溝とボディー81のネジ溝を螺合させて、ボディ81とフェルール83との間でOリング82を変形させて密着させる。これにより、延長管部2Aの端部2A1外周面を気密に保持することができるものである。
【0014】
以上のような継手機構8によって、内側管2で形成された内部空間Pに連通した延長管部2Aの外周面を密着保持し、ランプ1を冷却するための冷却流体を流入すると、該内側管2内に冷却流体が流入して充実されると共に該冷却流体が流過してランプ1を効率よく冷却することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記誘電体バリア放電ランプ装置を長時間使用すると、継手機構の近傍より冷却流体が漏出するという不具合を生じることがある。
これは、継手機構8内部に配置されたOリング82の紫外線劣化によるものと判明した。この理由は以下の理由によるものと推定される。
Oリング82は、袋ナット84、ボディ81及びフェルール83によって覆われているので、ランプ1から放射された真空紫外線のうち、当該継手機構8の外周より照射された紫外線は、継手機構8の袋ナット84等の金属製の部材により遮蔽されるものの、ガラス製の内側管部2(延長管部2A)上にこれらの金属部材を密着配置すると該内側管2が破損する恐れが生じるので、構造上僅かな隙間Sが形成され、ランプ1より出射された真空紫外線のうち、ランプ管軸と略平行方向に、かつ、内側管2に沿って放出された紫外線は、その僅かな隙間Sを通り抜けて、延長管部2Aの外表面に密着配置されたOリング82を照射するようになる。その結果、Oリング82が紫外線劣化を生じて冷却流体が洩出するという問題を生じるようになる。
【0016】
上記した継手機構のように、金属部材とガラス部材との接触部分は、僅かながらも隙間が形成されてしまうので、ランプ内側管より延長して伸びる延長管部の外表面上において、金属部材を配置して真空紫外線を完全に遮蔽することは非常に困難である。そのため上記Oリング以外にも、延長管部の外表面上に樹脂やゴム材料などの有機物材料が配置されると、当該有機物材料に真空紫外線が照射される可能性が生じ、仮に僅かでも照射されると、当該有機物材料が分解して装置のケーシング内に飛散して汚れの原因になってしまう。
【0017】
近時、誘電体バリア放電ランプを用いた装置においては、光反応速度の向上が強く求められており、放射出力の一層の向上が要求されている。しかしながら、ランプ本体からの真空紫外線量が大きくなると、前述したような有機物材料の紫外線に起因した問題は一層深刻なものとなってしまう。
これに鑑み、例えばOリングの紫外線劣化問題については、延長管部を一層長くして、継手機構をランプ本体から十分に離隔させて、つまり図3においてLを長くすることによって、真空紫外線がOリングに照射されるまでに紫外線を減衰させてOリングの紫外線照射量を問題が生じない程度まで低減させることも可能である。しかしながらこれによると放射出力を増大させるに従って延長管部の長さを延長しなければならないので、装置全体が大型化してしまい現実的ではない。
【0018】
したがって、本願発明の解決しようとする課題は、冷却手段を備えた誘電体バリア放電ランプ装置において、当該装置が大型になるようなこともなく、内側管から伸びる延長管部の外表面上に配置された有機物材料への真空紫外線の照射を防止できる誘電体バリア放電ランプ装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで、本願発明は概略筒状の外側管と内側管とが同軸に配置された放電容器を具備する誘電体バリア放電ランプと、前記内側管が前記放電容器外に伸び出た延長管部を有し、該内側管内に冷却流体が流入されて当該誘電体バリア放電ランプを冷却する誘電体バリア放電ランプ装置において、前記内側管は、前記延長管部の外径よりも、内径が拡径されている拡径部を有し、該拡径部の最大外径部が前記外側管の端部に接合されて中空円筒状の放電空間を形成し、前記冷却流体として水が前記内側管の内を流過すると共に、該拡径部内に流入して真空紫外線を遮蔽することを特徴とする。
更に、前記冷却流体がイオン交換水であることを特徴とする。
【0020】
【作用】
内側管内を流過する水は連通する空間を有する拡径部内に流入するので、当該拡径部内に流入した水が真空紫外線を吸収して真空紫外光は拡径部の外端面を越えて出射されなくなる。つまり、延長管部に沿って出射された真空紫外線を効果的に遮蔽することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかるの誘電体バリア放電ランプの概略説明図で、管軸方向の断面図である。
誘電体バリア放電ランプ1(以下、「ランプ」ともいう。)は、波長172nmの光を透過する誘電体である石英ガラスよりなる内側管2と外側管3を同軸に配置した二重管構造をなしており、内側管2が外側管3の端部に溶着されて中空円筒状の放電空間4を有する放電容器10が構成されている。
【0022】
同図のように、放電容器10は、内側管2には放電容器10端部の領域において当該内側管2の管径が局所的に拡径された拡径部2Rを有しており、当該拡径部2Rの最大外径部分2R1が前記外側管3の端部に接合されて形成されている。尚、同図中31は排気管の残部である。
【0023】
このような放電容器10は、例えば以下のような工程により作られる。
まず、拡径部2Rは、内側管2内部に不活性ガスを流入して加圧状態として内側管2の任意箇所の外周を加熱してガラスを軟化させ、同時に内圧により大きく膨らませることにより一方側が形成される。続いて、予定された放電空間4が形成されるように内側管2の加熱位置を設定し、先と同様の方法により他方側の拡径部2Rが形成される。そして、外側管3内に内側管2を挿通して拡径部2Rを外側管3の端部に位置させて両者を接合することにより放電空間4が形成される。
尚、拡径部2Rとは、内側管20と後述する延長管との間に介在してその内径が局所的に大きく成形されている部分をいい、内側管20の内部空間と連通する内部空間を有していれば、上述のように同一のガラス管により成形する以外にも、複数のガラス管をつなぎ合せて構成しても良い。
【0024】
前記内側管2の内面には略円筒状の電極5が密着配置される。この内側電極5は、厚さ0.5mmのアルミニウム板を曲げて作った半円筒が2個組み合わされて構成されている。一方、外側管3の外面には紫外線を透過する外側電極6が配置され、例えば、金属からなる素線で形成された網状の電極で構成される。
この内側電極5と外側電極6とは交流電源(図示省略)に接続されるようになる。
【0025】
さて、内側管2には放電空間4より外部に延長して伸び出す円筒状の延長管部2Aが形成されており、すなわち、延長管部2Aの中空空間2Pは、内部空間P及び前記拡径部2Rの内部空間3Pに連通した構成となっている。尚、延長管部2Aの外端には継手機構8等により継合された導管11が取付られており、該導管11より冷却流体としての水が流入(若しくは流出)されるようになる。尚、同図においてはランプ1の一端部のみを示したが、他端部も同様に構成される。
【0026】
ここで、ランプ1について数値例を挙げると、内側管2の厚みは1mmであり、内側管2によって形成される内部空間Pの直径は16mm、該内側管2の拡径部2Rにおける内部空間3Pの直径は32mm、延長管部2Aにおける内部空間2Pの直径は14mmである。又、外側管3の外径は38mm、外側管3の厚みは2mmである。放電空間4の長手方向の長さは330mmであり、この放電空間4内に希ガスとしてキセノン(Xe)が60000Pa封入される。前記交流電源によりランプ1へ投入される電力は500Wである。
【0027】
上記構成としたランプ1の内側管2に、延長管部2Aより冷却流体として水を流入すると、内側管2により形成される全ての内部空間P、2P、3P内全てに水が流入するので、ランプ1より出射された真空紫外線が水に吸収されて拡径部2Rを透過しては出射されなくなる。すなわち、拡径部2Rの外端から紫外線が出射されなくなり、延長管部2Aに沿ってランプ軸方向に出射した真空紫外光を遮蔽することができるようになる。
尚、当該装置が例えばクリーンルームなどのような不純物を嫌う環境下において使用される場合、冷却流体としてはとくにイオン交換水であるのが好ましい。イオン交換水を用いると、万一内側管2内の冷却流体が漏出すような事故が発生した場合でも、当該装置の周囲が不純物で汚染されることがなくて周囲への影響が少なくて済む。
【0028】
上記構成のランプ1とし、拡径部2Rの内部に水が流入されていると、ランプ1よりの真空紫外線のうち、内側管2に沿うように出射された真空紫外線が吸収され、よって、内側管2の延長管部2Aの外表面上において、真空紫外線を効果的に遮蔽することができるようになる。
【0029】
以上のように、延長管部に沿って出射されたランプよりの紫外線を遮蔽することができるので、Oリングなどの有機物材料が延長管部上に配置された場合でも、当該有機物材料への紫外線の照射を回避でき、該有機物材料の劣化、分解などを生じないものとすることができる。よって、本発明にかかる誘電体バリア放電ランプ装置を、長時間使用しても、延長管部上に置かれた有機物材料の劣化を防止できて継手機構より冷却流体が漏出するといった問題を回避することができ、又その有機物材料の分解を防止できて装置内に分解した物質が飛散することなく、よって汚れが付着することも無い。
【0030】
更には、本願発明にかかる装置によれば従来型のものに比較して、Oリングなどの有機物材料を、放電容器の端部に近接して配置することができるので、例えば、継手機構を当該ランプに極めて近接して配置することが可能となり、延長管部の長さを短くすることができる。
これにより、誘電体バリア放電ランプ装置を従来型のものに比較して格段に小さくすることができ、実装性が向上するようになる。
【0031】
尚、拡径部の形成手段としては、内側管と同一のガラス管を加工して成形したが、冷却流体が該拡径部に流入可能な構造となっていれば良いので、直管状の内側管に管径の異なる拡径部用の別体のガラス管を接合する等の手段によって形成しても良い。
【0032】
更に、延長管部2Aの部分に使用する材料を真空紫外線を透過しない材質にすると、放電空間4から内側管に放射された真空紫外線がファイバー効果によって延長管部へ導かれてOリングに照射される現象を防止することができ、Oリングに対する真空紫外線の遮蔽効果が増して、更に好ましいものとなる。
【0033】
〔実施例〕
(実施例1)本願発明にかかる誘電体バリア放電ランプ装置を図1の構成に基いて製作した。これを図2(a)に示す。
(比較例1)又、比較例として従来型の誘電体バリア放電ランプ装置を製作した。これを図2(b)に示す。従来型の装置では継手機構8は放電容器10の端部より(L)100mm以上離隔するよう設定されており、本比較例においても係る仕様に準拠して製作した。
尚、図2中の符号については、上記した実施形態の説明で使用した符号と同一の符号を引用し、その詳細については説明を省略する。図中破線Cは、当該装置がケーシングに収容された際の側壁位置を示す仮想線であり、継手機構8の外端面より25mm離隔する位置である。
又、放電空間(4)の管軸方向長さは何れも330mmと設定した。
【0034】
この実施例1にかかるランプの仕様を下記に記す。
・放電容器(10)の管軸方向長さa:350mm
・継手機構(8)の内側端面間の長さb:390mm
・ケーシングの全長c:540mm
・拡径部2Rの幅員d:10mm
【0035】
更に、比較例1にかかるランプの仕様を下記に示す。
・放電容器(10)の管軸方向長さa:330mm
・継手機構(8)の内側端面間の長さb:530mm
・ケーシングの全長c:680mm
【0036】
実施例1にかかるランプでは、比較例1にかかるランプと発光部長330mmに加えて、その両側には拡径部の幅員dが加味されるため、放電容器全長が約20mm長くなるが、継手機構8を放電容器10の外端からその内端までの距離(L)を20mmまで近接して配置し当該ケーシングの全長を約540mmとした。
一方、比較例1にかかる従来型の装置は継手機構8内におけるOリングの紫外線劣化を回避するため当該継手機構8を放電容器10の端部より(L)100mm以上離隔する必要があり、この為、装置のケーシングの全長は約680mmとなる。
【0037】
上記実施例1にかかる装置を合計4本製作して、何れの装置にもイオン交換水を流入しながら稼働させた。稼動後1000時間経過したのち、継手機構の近傍におけるイオン交換水の洩出がないかを調べたが、水漏れは皆無であり、更に当該装置の継手機構8を開放して延長管部上に配置したOリングの劣化を調べたが、全て(計8個)において紫外線劣化は全く認められなかった。この結果からも明らかなように、実施例1にかかる装置によれば継手機構8内端と放電容器10外端までの距離が比較例1のものに比して十分に短いにもかかわらず、Oリングの紫外線劣化を効果的に防止することができる。
【0038】
実施例1とした装置では、継手機構部分のOリングの紫外線劣化を防止すると共に、比較例1にかかる装置よりも全幅を680mmから540mmと140mmも小さくすることが可能で、実施例1にかかる装置によれば比較例1の装置に対して装置の全幅を約20%小さくすることが可能であった。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、内側管に拡径部を設けて、当該拡径部内に水を流入することにより、該内側管よりランプ外部に延長して伸びる延長管部の外表面上においても、真空紫外線を遮蔽することができ、該延長管部上に配置されたOリングなどの有機物材料が紫外線照射されること無く、よって、当該有機物材料が紫外線により劣化、分解なども生じることなくて信頼性の高い誘電体バリア放電ランプ装置とすることができる。
又、誘電体バリア放電ランプ装置を従来型の装置に比較して格段に小型にすることが可能となる。
【0040】
更に不純物を嫌う環境下においては、冷却流体とした水をイオン交換水とすることにより、万一、内側管から冷却流体が漏出すような事故を生じたときも不純物により周囲が汚染されるのを回避することができて、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。
【図2】(a)実施例1にかかる誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。(b)比較例1にかかる誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。
【図3】従来型の誘電体バリア放電ランプ装置の説明図である。
【図4】従来型の誘電体バリア放電ランプ装置における継手機構の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 誘電体バリア放電ランプ
10 放電容器
2 内側管
2A 延長管部
2R 拡径部
2R1 最大外径部
3 外側管
31 排気管残部
4 放電空間
5 内側電極
6 外側電極
8 継手機構
81 ボディ
82 Oリング
83 フェルール
84 袋ナット
11 導管
Claims (2)
- 概略筒状の外側管と内側管とが同軸に配置された放電容器を具備する誘電体バリア放電ランプと、
前記内側管が前記放電容器外に伸び出た延長管部を有し、該内側管内に冷却流体が流入されて当該誘電体バリア放電ランプを冷却する誘電体バリア放電ランプ装置において、
前記内側管は、前記延長管部の外径よりも、内径が拡径されている拡径部を有し、該拡径部の最大外径部が前記外側管の端部に接合されて中空円筒状の放電空間を形成し、
前記冷却流体として水が前記内側管の内を流過すると共に、該拡径部内に流入して真空紫外線を遮蔽することを特徴とする誘電体バリア放電ランプ装置。 - 前記冷却流体がイオン交換水であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプ装置。
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