JP6217146B2 - 光源装置およびこの光源装置を搭載した光照射装置並びにこの光照射装置を用いた自己組織化単分子膜のパターンニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、真空紫外光を放出する光源装置、この光源装置を搭載した光照射装置並びにこの光照射装置を用いた自己組織化単分子膜のパターンニング方法に関するものである。
近年、波長200nm以下の真空紫外光(以下、VUVともいう)が様々な分野で用いられている。例えば、フォトレジストによるパターン形成工程を用いずに、VUVとマスクを用いて、直接光で化学反応を引き起こして自己組織化単分子膜(以下、SAM膜)をパターニングする技術が開発されている。例えば、非特許文献1には、VUVを用いて、特定の官能基には依存しないSAM膜の光パターニング処理が可能であることが開示されている。具体的には、有機物からなる汚染物質を除去するのに使用される波長172nmのエキシマランプを露光用光源として用いている。SAM膜のVUVによる酸化分解除去反応に着目した方法であり、多種多様なSAM膜の光マイクロ加工への展開が期待できる。
一方、VUVにおいて特に波長180nm以下の波長域の光は、高速な表面改質(例えば、アッシング)などが実現可能であることが知られている。
真空紫外光光源(以下、VUV光源ともいう)としては、従来、波長185nmに輝線を有する低圧水銀ランプが使用されてきた。また近年は、上記したように、波長172nmの光を放出するキセノンエキシマランプがVUV光源として用いられる例が多い。
上記したVUVを放出するランプは、一般的に発光部の長さ、即ち発光長が長い。例えば、低圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製UL0−6DQ)は、発光長が10cmである。また、例えば、キセノンエキシマランプを内蔵するエキシマ光ユニット(ウシオ電機株式会社製SUS06)は、発光長は10cmである。
また、これらのランプからの放出される光は発散光である。このように、発光長が比較的長く、発散光である場合、マスクを用いた微細な選択的表面改質(パターニング)には不向きである。すなわち、このような光の場合、被照射物への露光は、発散光の回り込みの影響で、解像可能なパターンサイズは、ラインパターン幅にして100μm程度が限界となる。
更に微細なパターニングを行うには、平行光もしくは略平行光が必要となる。例えば、特許文献1(特開平6−97048)のように、点光源(ランプ)、集光鏡、コリメータレンズを用いて、平行光もしくは略平行光を得る。すなわち、平行光もしくは略平行光を得るには、発光長が短い点光源と見なせるランプが必要となる。上記した平行光もしくは略平行光を用いて、照明光学系を構築し、光の回り込みの少ない露光を実施することにより、パターンサイズ数μm以下のパターニングを実現することが可能となる。
特開平6−97048号公報
杉村博之「有機単分子膜の光マイクロ加工」、真空、日本真空協会、Vol.48.No.9 506-510頁(2005年)
上記したように、解像度が高いパターニングを行うには、略点光源とみなせる光源を用いた光の回り込みが少ない露光を行う必要がある。VUVを用いた直接光によるパターニングを行う場合も点光源が必要となり、発光長15mm以下の条件が求められる。しかしながら上記した低圧水銀ランプやエキシマランプの場合、発光長15mm以下であって、かつ産業上実用的な程度に長寿命、高光強度のものを製造することは困難であった。
一方、通常の露光装置の点光源として用いられる超高圧水銀ランプから放出される光は、真空紫外領域の波長の光が含まれない。すなわち、従来、VUVを含む光を放出する点光源のランプが搭載された露光装置はなく、例えばSAM膜を露光し、当該SAM膜にフォトレジスト工程を用いることなしで直接数μmオーダーのパターンを形成することはできなかった。
なお、真空紫外光を放出するエキシマレーザを用いた露光装置を用いると、VUVによる微細なパターニングは可能となる。しかしながら、光源となるエキシマレーザ装置は、ランプと比較すると高価かつ大掛かりであり、またフッ素等の有毒ガスを使用するので当該有毒ガスの除外設備が必要となるという欠点を有する。
本発明は上記したような事情を鑑みなされたものであり、その課題は、点光源とみなせるように十分発光長が短く、真空紫外光の強度が実用上十分な程度に大きい真空紫外光を放射するランプを備えた光源装置、および当該光源装置を搭載した光照射装置を提供することにある。
発明者等は、電極間距離(即ち発光長)が短いフラッシュランプを発光させる際、特定の条件で当該フラッシュランプを発光させると、波長200nm以下の真空紫外光(VUV)の強度が実用上十分な強度となることを見出した。
すなわち、該一対の電極の電極間距離が12.5mm以下で、該発光管内にキセノンガスを含むガスが封入され、封入ガスが2乃至8atm(2.03×10乃至8.10×10Pa)であるフラッシュランプに、放電開始から電流値がピーク値に達するまでの時間が8μs以下であり、上記ピーク値に達したときの電流値が1500A以上である電流を供給することにより、実用上十分な強度の真空紫外光を得ることができることが分かった。
ここで、上記フラッシュランプを、マスクを用いた微細な選択的表面改質(パターニング)のランプとして使用するには前述したように平行光もしくは略平行光が必要となる。
このため、本発明においては、上記フラッシュランプと、該フラッシュランプに電力を供給する給電手段とから真空紫外光光源装置を構成し、該光源装置を構成する上記フラッシュランプをランプハウジング内に設置し、上記ランプハウジング内にはフラッシュランプから放出される光を一方向に平行光として出射させる放物面ミラーと、放物面ミラーから出射した平行光を透過する光透過性窓部とを配置する。また、上記ランプハウジングに、不活性ガスを導入するガス導入口とランプハウジング内のガスを排気する排気口を設け、ハウジング内を不活性ガスでパージする。
これにより、真空紫外光を平行光として光源装置から出射させることができ、また、上記不活性ガスのパージにより酸素による真空紫外光の吸収減衰を防止することができる。
また、上記放物面ミラーの本体を真空紫外透過性材料から構成し、その光反射面の裏面側に真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜を設けたり、上記ハウジング内に上記反射ミラーから出射する光を反射する平面ミラーを設け、該平面ミラーへの本体を真空紫外透過性材料から構成し、このミラーの光反射面の裏面側に真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜が設けることにより、不所望な波長域の光を透過除去させることもできる。また、上記光反射面の裏面側を、酸素を含む雰囲気とすることにより、これらミラーが高温になっても上記誘電体多層膜の還元による特性劣化を防ぐことができる。
また、上記光源装置を用いて、マスクを用いた微細な選択的表面のパターニングを行うための光照射装置を構成することもできる。
さらに、上記光照射装置を用いて、ワーク上に形成されている自己組織化単分子膜に対し、マスクを介して真空紫外光を照射し、自己組織化単分子膜のパターニングを行うこともできる。
以上に基づき、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
(1)真空紫外光透過性材料からなる発光管とこの発光管内に配置された互いに対向する一対の電極とを備え、該一対の電極の電極間距離が12.5mm以下であって、該発光管内にはキセノンガスを含むガスが封入されていて、封入ガスが2乃至8atmであるフラッシュランプと、該フラッシュランプに電力を供給する給電手段とからなり、真空紫外光を含む光を放出する真空紫外光光源装置において、上記フラッシュランプ発光時に、上記給電手段からフラッシュランプに供給される電流を、放電開始から電流値がピーク値に達するまでの時間が8μs以下、上記ピーク値に達したときの電流値が1500A以上となるようにする。
(2)上記(1)の光源装置において、フラッシュランプをランプハウジング内に設置し、このランプハウジング内には更にフラッシュランプから放出される光を一方向に平行光として出射させる放物面ミラーと、放物面ミラーから出射した平行光を透過する光透過性窓部とを配置する。そして、上記ランプハウジングに、不活性ガスを導入するガス導入口とランプハウジング内のガスを排気する排気口を設ける。
(3)上記(2)において、放物面ミラーの本体を真空紫外透過性材料から構成し、上記放物面ミラーの光入射面の裏面側に、真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜を設け、該光入射面の裏面側を酸素を含む雰囲気とする。
(4)上記(2)において、ランプハウジング内に、上記放物面ミラーから出射される平行光の光路を折り返す平面ミラーを設け、上記光透性窓部は平面ミラーにより折り返された平行光を透過する位置に配置する。
(5)上記(4)において、放物面ミラーの光反射面にアルミニウム反射膜を構成し、上記平面ミラーの本体を真空紫外透過性材料から構成し、上記平面ミラーの光入射面の裏面側に真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜を設け、該反射面の裏面側は酸素を含む雰囲気とする。
(6)マスクとワークに対して略垂直に平行真空紫外光を照射する請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれか1項に記載の光源装置と、上記マスクを保持するマスクステージ部と、上記ワークを保持するワークステージおよびこのワークステージを回転および水平垂直方向に移動させる移動機構とからなるワークステージ部と、上記ワークとマスクとを近接させて保持し、上記ワークとマスクとの間に間隙を設定可能な間隙設定機構と、上記各機構を制御する制御部と、上記光源装置の光透過性窓部から上記ワークステージ部までの光路を包囲する包囲部材とから光照射装置を構成し、上記包囲部材の内部を、不活性ガスにより酸素をパージする。
ことを特徴とする光照射装置。
(7)上記(6)の光照射装置を用いて、ワーク上に形成されている自己組織化単分子膜に対しマスクを介して真空紫外光を照射して、自己組織化単分子膜をパターニングする。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)発光管内に、電極間距離が12.5mm以下の一対の電極を設け、該発光管内に2乃至8atmのキセノンガスを含むガスを封入したフラッシュランプを用い、該フラッシュランプに、給電手段から、放電開始から電流値がピーク値に達するまでの時間が8μs以下、ピーク値に達したときの電流値が1500A以上となる電流を流すようにしたので、放電によって生成されるキセノンガスのプラズマ温度を高温とすることができ、強度の高い真空紫外光を放出させることができる。
(2)上記電極間距離の短いフラッシュランプは発光長が短い点光源と見なすことができるので、上記電極間距離の短いフラッシュランプをランプハウジング内に設置し、ランプハウジング内に放物面ミラーを配置することにより、ランプハウジングから平行真空紫外光を出射させることができる。このため、この平行真空紫外光によりマスクを用いた微細な選択的表面改質(パターニング)を行うことが可能となる。
また、上記ランプハウジング内を不活性ガスでパージすることにより、真空紫外光が酸素により吸収減衰するのを防止することができる。
(3)ランプハウジング内に設置した放物面ミラーや平面ミラーの本体を真空紫外透過性材料から構成し、その光入射面の裏面側に真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜を設けることにより、不所望な波長域の光を透過除去させることもできる。また、上記光入射面の裏面側を、酸素を含む雰囲気とすることにより、これらミラーが高温になっても上記誘電体多層膜の還元による特性劣化を防ぐことができる。
(4)上記フラッシュランプと放物面ミラーからなる光源装置と、マスクを保持するマスクステージ部と、上記ワークを保持するワークステージおよびこのワークステージを回転および水平垂直方向に移動させる移動機構とからなるワークステージ部と、ワークとマスクとを近接させて保持し、上記ワークとマスクとの間に間隙を設定可能な間隙設定機構と、上記各機構を制御する制御部と、上記光源装置の光透過性窓部から上記ワークステージ部までの光路を包囲する包囲部材とから光照射装置を構成し、上記包囲部材の内部を、不活性ガスにより酸素をパージすることにより、マスクを通してワークの特性を変えたい部分のみに平行光の真空紫外光を照射することができ、前記したマスクを用いた微細な選択的表面改質(パターニング)を行うことが可能となる。
(5)上記光照射装置を用いることより、高価かつ大掛かりなエキシマレーザ等を用いることなく、真空紫外光によるワーク上の自己組織化単分子膜に対するパターニングが可能となる。
本発明の実施例のフラッシュランプの構成例を示す図である。 本発明に適用できるフラッシュランプの他の構成例を示す図である。 フラッシュランプから放出される光の分光放射スペクトルを示す図(1)である。 フラッシュランプから放出される光の分光放射スペクトルを示す図(2)である。 フラッシュランプに流れる電流の立ち上がり時間と、VUV出力効率との関係を示す図である。 フラッシュランプ発光時の放電電流とVUVの積算放射強度との関係を示す図である。 本発明の真空紫外光光源装置の第1の実施例を示す図である。 本発明の真空紫外光光源装置の第2の実施例を示す図である。 本発明の真空紫外光光源装置の第3の実施例を示す図である。 本発明の真空紫外光光源装置を組み込んだ光照射装置の構成例を示す図である。
図1に本発明の実施例のフラッシュランプの構成を示す。
図1に示すとおり、本発明のフラッシュランプの一例は、発光管内部に配置される一対の電極1a間距離が、発光長が点光源とみなせるほど短く、当該一対の電極1aから伸びる外部リード1cが全て発光管の一方の端部から外部へ突出する構成である。
具体的には、本フラッシュランプ1は、発光管を構成する容器形状の光透過性バルブ1fと、当該光透過性バルブ1fの開口部分(容器形状の開口部分)を封止するステム1eとからなる構造である。すなわち、光透過性バルブ1fの内部はステム1eにより封止された密閉状態となる。
光透過性バルブ1fは、真空紫外光(VUV)を透過する材料からなり、例えば、石英ガラス、サファイアガラスからなる。
発光管である光透過性バルブ1fの内部には、図1の上下方向に対面する一対の電極1aが配置される。また、一対の電極1aの間には、図1の左右方向に対面する一対のトリガ用電極1bが配置される。また、光透過性バルブ1fの内部には、キセノンガスが封入される。
上記一対の電極1aから伸びる外部リード1cおよび一対のトリガ用電極1bから伸びるトリガ用外部リード1dはステム1eを介して光透過性バルブ1fの内部から外部へ突出する。なお、各外部リード1c、トリガ用外部リード1dはステム1eにより封止され、光透過性バルブ1f内部の密閉状態は維持される。ステム1eより外部へそれぞれ突出する各外部リード1c、トリガ用外部リード1dは、給電手段6に接続される。給電手段6は、所定のエネルギーを蓄えるコンデンサを有している。当該コンデンサが充電されることで、フラッシュランプ1の一対の電極である第1電極1aと第2電極1aとの間に高電圧が印加される。この状態で別の給電手段6がトリガ電極1b間に高電圧パルスを供給してトリガ電極を経由して、該第1電極1aと該第2電極1aとの間に放電が発生すると、フラッシュランプ1内で閃光放電が生じ、前記コンデンサに蓄積された電荷が閃光放電となり放出される。
なお、フラッシュランプ1の形状は図1に示すような一対の電極1aから伸びる外部リード1cが全て発光管の一方の端部から外部へ突出する構成であるものに限らない。例えば、図2に示すように、フラッシュランプ1は直管状の石英ガラス管1gの両端が封止され、ランプの長手方向において、両端に一対の電極1aがそれぞれ設けられる構造であってもよい。ガラス管内には、キセノンガスが封入される。また、各電極1aは、発光管であるガラス管1gの内部に配置されており、その発光管には、一方の電極1aから伸びる外部リード1cを封止する封止部1hと、他方の電極1aから伸びる外部リード1cを封止する封止部1hがそれぞれ設けられる。
発光管両端より外部へそれぞれ突出する外部リード1cは、給電手段に接続される。給電手段は、所定のエネルギーを蓄えるコンデンサを有している。当該コンデンサが充電されると、フラッシュランプ1の一対の電極1aである一方の電極1aと他方の電極1aとの間に高電圧が印加される。この状態で、図示を省略したイグナイタ手段によって、電極1a間にトリガがかけられると、フラッシュランプ1内で閃光放電が生じる。
図3、図4に、フラッシュランプ1の光透過性バルブ1fの内部に封入するキセノンガスの圧力をパラメータとした、フラッシュランプ1から放出される光の分光放射スペクトルを示す。横軸は波長、縦軸は分光放射強度である。図3(a)(b)に光透過性バルブ1fの内部の圧力が2atm(2.03×10Pa)、3atm(3.04×10Pa)のときの分光放射スペクトルを示し、図4(a)(b)に5atm(5.07×10Pa)、8atm(8.10×10Pa)のときの分光放射スペクトルを示す。図3、図4から明らかなように、光透過性バルブ内のキセノンガス圧力が上記したいずれの場合においても、フラッシュランプから放出される光には200nm以下の波長の光が含まれる。
特に、光透過性バルブ内のキセノンガス圧力が3atm、5atm、8atmの場合、波長170nm近傍の光強度が大きくなる。これは、Xeエキシマの発光が大きくなったためと考えられる。
なお、発明者らの調査の結果、光透過性バルブ内のキセノンガス圧力が8atmより上回ると、発光時の内部キセノンガスの膨張により、実用的な発光管の強度を維持することが困難となり破裂などの信頼性が低下することが分かった。
よって、VUVを放出する点光源としてフラッシュランプを採用する場合、光透過性バルブの内部のキセノンガス圧力は8atm以下に設定することが好ましい。
次に、電流の立ち上がり時間(放電開始から放電電流がピーク値に達するまでの時間)と、フラッシュランプへの入力エネルギーに対する波長150−200nmまでのVUV領域のピークエネルギー比率との関係を調べた。
前述したように、SAM膜の光パターニング処理などに有効なのは200nm以下のVUVであり、200nmを超える紫外光、可視光、赤外光領域は前記処理に寄与しないばかりでなく、逆に被照射物(ワーク)の温度の上昇などを引き起こして被照射物にダメージを与える場合があるため少ない方が望ましい。即ち、前記VUV領域のエネルギー比率が大きい方が好適なランプであると言いうことができる。なお、使用したフラッシュランプは、電極間距離3mm、光透過性バルブ1fの内部の圧力が5atm、内部封入ガスがキセノンであるが、電極間距離、内部圧力等が異なっても同様の特性を示すものと考えられる。
図5に結果を示す。図5において横軸は電流立ち上がり時間であり、縦軸は、ランプのVUV効率である。なお、VUV効率とは、上記したようなフラッシュランプへの入力エネルギーに対する波長150−200nmまでのVUV領域のピークエネルギー比率であり、具体的には、波長150−200nmに特性を持つセンサーを用いて求めたピークエネルギーをフラッシュランプへの投入エネルギー(入力エネルギー)で除したものである。なお、フラッシュランプ1発光時の電流パルス幅の調整は、コンデンサの容量と回路のインピーダンスおよびリアクタンスの調整によって行った。
具体的には、コンデンサ容量は20μF、回路のインピーダンスは23mΩ、リアクタンスは0.65μHである。
後述する低い回路インピーダンスと回路リアクタンスを実現するため、コンデンサは、ランプハウス内のランプに近い位置に置かれている。
また、放電にかかわるランプとコンデンサの配線距離も極力短く(例えば、30cm以下に)設計されている。
図5から明らかなように、フラッシュランプ発光時の電流立ち上がり時間(放電開始から放電電流がピーク値に到達するまでの時間)が8μsより大きいと、著しくVUV効率が低下することが分かる。この理由は必ずしも明らかではないが、放電によって生成されるキセノンガスのプラズマ温度が影響するものと考えられる。すなわち、電流立ち上がり時間が8μsより短いと、光透過性バルブ1fの内部に封入されているキセノンへの投入ピークパワーが高くなり、放電によって生成されるキセノンガスのプラズマ温度が高温となり、VUVの成分比率(フラッシュランプから放出される光において、波長150−200nmまでのVUV領域の光が占める割合)が増える。該プラズマは時間とともに外側へ拡散するが、電流立ち上がり時間が8μsより短いと、上記プラズマが拡散する前に放電が終了するので発光時のプラズマ温度が高い状態となっていることなどにより、放出されるVUV領域の光の強度が大きくなったためと考えられる。なお、電流立ち上がり時間が8μsより長くなると、プラズマの拡散の結果プラズマ温度が低下するので、VUV成分比率が減少するものと考えられる。
このような高いVUV効率を得るために、前述した低い回路インピーダンスと回路リアクタンスが必要となっている。
次に、図6に光透過性バルブの内部に封入するキセノンガスの圧力をパラメータとした、フラッシュランプ発光時の放電電流と波長領域150〜240nmにおける積算放射強度との関係を示す。図6において、横軸はランプ電極間を流れる発光時のピーク電流、縦軸は波長領域150〜240nmにおける積算放射強度である。また、パラメータであるキセノンガス圧力値は、2atm(2.03×10Pa)、3atm(3.04×10Pa)、5atm(5.07×10Pa)、8atm(8.10×10Pa)である。
また、ランプの電流波形のFWHM(半値全幅)(以下単に電流パルス幅という)は、6μsecであり、電流立上り時間は5μsである。
図6から明らかなように、キセノンガス圧力がいずれの値においても、フラッシュランプ発光時の放電電流の値が1500Aを下回ると波長領域150〜240nmにおける積算放射強度はほぼ0となる。
よって、VUVを放出する点光源として上記したフラッシュランプを使用するには、放電電流が1500A以上となるような動作条件で使用する必要がある。
以上まとめると、点光源とみなせるよう十分電極間距離が短く、真空紫外光の強度が実用上十分な程度に大きい真空紫外ランプとしては、真空紫外光透過性材料からなる発光管とこの発光管内に配置された互いに対向する一対の電極1aとを備えてなるフラッシュランプを用いることができる。
ここで、真空紫外光の強度が実用上十分な程度に得るためには、電極間距離が12.5mm以下であって、発光管内にはキセノンガスを含むガスが封入されていて、封入ガスが2乃至8atmであることが望ましい。
更に、本フラッシュランプによれば、当該フラッシュランプから放出される光においてワークにダメージを与える発光領域のエネルギーが低く、SAM膜の光パターニング処理などに有効なVUV領域の強度ピークが高いので、必要なVUV積算量を得るために、点灯周波数を高速にしてもワークへの熱ダメージが少ないという特徴がある。
VUVピーク強度をSAM膜の光パターニング処理などで発生する化学反応が起こるレベル以上に保ったまま、電流立ち上がり時間(放電開始から放電電流がピーク値に到達するまでの時間)を短くすることで1発光あたりのランプへの入力エネルギーを低減できる。ランニングコストを考慮すれば、電流立ち上がり時間を8μs以下にして、高速繰り返し発光させることでVUV積算量が確保され、ワークへのダメージの低減、さらにはフラッシュランプへの負荷の低減により、フラッシュランプ寿命の長寿命化が期待できる。
次に、本発明のフラッシュランプを用いて照明光学系を組んだ場合の真空紫外光光源装置についての実施例を示す。図7は本発明の第1の実施例の光源装置の概略構成を示す図である。
ランプハウジング3の中にフラッシュランプ1と放物面ミラー2が配置されている。フラッシュランプ1から延びるリード線(外部リード、トリガ用外部リード)は不図示のランプ電源である給電手段に接続されている。フラッシュランプ1は電極間距離が3mm、キセノンガス圧力5atmに設定されている。
フラッシュランプ1から放射された光は放物面ミラー2により平行光にされた後に石英窓部4からランプハウジング3外へ放射される。フラッシュランプ1から放射された光を透過する光透過性窓部は、例えば、VUV光に対し高い透過率を有する合成石英で作られている石英窓部4として構成される。
なお必要に応じて、光透過性窓部4の材質としては、石英より短波長の透過率が良いサファイヤガラスやフッ化カルシウム、フッ化マグネシウムを使うこともできる。
石英窓部4はランプハウジング3と気密に組み立てられており、ランプハウジング3内部はランプハウジング3に設けたガス導入口3aから窒素(N)ガスなどの不活性ガスを導入してパージすることができる。これは、VUVが酸素による吸収減衰を激しく受けるためであり、ランプハウジング3内をNガスなどの不活性ガスでパージすることによりVUVの酸素による吸収減衰を防止することができる。ランプハウジング3内部に導入されたNガスなどの不活性ガスは、フラッシュランプ1や放物面ミラー2を冷却した後ランプハウジング3に設けた排気口3dから排気される。
放物面ミラー2の内面(光反射面)にはアルミニウムが蒸着され、アルミニウム反射膜が構成されている。アルミニウムはVUVを効率よく反射する特性を有するためミラーの材質として好適である。ただし、前述したようにフラッシュランプ1の透光性バルブ内に封入されるキセノンガスの圧力が比較的低い場合や放電電流値が比較的低い場合、および電流パルス幅が比較的長い場合は、VUVのエネルギー比率が減少し200nmを超える長波長の光のエネルギー比率が増える。
非照射物の耐熱温度などの制約でこの長波長領域を減衰させる必要がある場合は、前記放物面ミラー2において、当該放物面ミラー2の内面(光反射面)へのアルミニウム蒸着に代えて、前記内面に誘電体を多層に蒸着させて構築した誘電体多層膜ミラーを使用する。誘電体多層膜ミラーは所望の波長域を反射させて不所望の波長域を透過除去する能力がある。
誘電体多層膜ミラーにおける蒸着材の材質は金属酸化物である場合が多い。金属酸化物は比較的安価で蒸着技術が確立されているため広く使われている。しかし誘電体多層膜は、不活性ガス雰囲気で高い温度に晒されると還元されて金属膜になったり、酸素との組成が変化して誘電率が変化し、結果として反射波長特性が変動してしまうことがある。ランプを長時間点灯した場合にランプからの輻射熱でミラーが高温になる場合があり、前記のような不具合を生ずる場合がある。
図8は本発明の第2の実施例の真空紫外光光源装置の構成を示す図であり、図8は放物面ミラー2の光反射面に蒸着した誘電体多層膜の反射波長特性変動を防止する機能を有する光源装置の実施例である。図8(a)に示す光源装置は、図7に示す光源装置の構成において、新たに空気導入口3bを放物面ミラー2の裏面側に設けている。図8(b)は図8(a)に示す放物面ミラー2のA部拡大断面図である。放物面ミラー2における誘電体多層膜2bの蒸着面は、図7に示す場合と異なり、放物面ミラー2の内面ではなく当該放物面ミラー2の裏面側に設けている。さらに、放物面ミラー2本体の材質は真空紫外透過性材料であり、例えば石英ガラス2aが採用される。このように構成すると、主に金属酸化物である誘電体多層膜は、空気導入口3bより空気が導入される放物面ミラー2の裏面側にあるため酸素を含む雰囲気に置かれることになる。そのため放物面ミラー2が高温になっても前記誘電体多層膜は還元されることがなく特性変化を起こさない。
VUV光は放物面ミラー2本体の石英ガラス2aを透過して前記石英ガラス2aの裏面に施された誘電体多層膜2bで反射され、再び放物面ミラー2の石英ガラス2aを透過して平行光にされた後にランプハウジング3の石英窓部4から出射される。放物面ミラー2と石英窓部4との間の空間はNガスなどの不活性ガスで依然パージされているため、VUV光は吸収減衰することがない。なお、Nガスなどの不活性ガスの流量と空気の流量、排気の流量および圧力は空気が放物面ミラー2の内面側(即ち光路側)に流入しないようにバランスを取ると良い。
図9は本発明の第3の実施例の真空紫外光光源装置の構成を示す図であり、図8に示す実施例とは異なる形態の実施例である。放物面ミラー2を製作するには曲面加工・熱成型といった製造工程を行う必要があるが、軟化点温度の高い石英ガラスを用いて放電面ミラーを製作するにはコストがかかる。また、誘電体多層膜の蒸着工程においては精密な膜厚制御が必要であるが、蒸着面が曲面である場合の誘電体多層膜の膜厚制御は難しく、蒸着面が曲面である場合の膜厚制御が比較的緩いアルミニウムの蒸着工程よりもコストがかかる。
この問題を解消するための光源装置の構成例を示すのが図9であり、放物面ミラー2の光出射面側に平面ミラー5を設けている。放物面ミラー2の本体は、図9(b)のB部拡大図に示すように、例えば硼珪酸ガラス(耐熱ガラス2d)など石英に比べて比較的低温熱成型が容易なガラスでできており、その内面(光反射面)にアルミニウム膜2eが蒸着されている。フラッシュランプ1から放出され放物面ミラー2で平行光にされた長波長を含む光は、平面ミラー5に入射される。
平面ミラー5の本体は真空紫外透過性材料からなり、図9(c)のC部拡大図に示すように、例えば、石英ガラス5aでできており、その裏面には誘電体多層膜5bが蒸着されている。放物面ミラー2から導光される長波長を含む光は平面ミラー5の本体の石英ガラス5aを透過して前記石英ガラスの裏面に施された誘電体多層膜5bに入射される。このとき、入射光の長波長成分の多くは誘電体多層膜5bを透過して平面ミラー5の裏面側に抜け、VUV光は誘電体多層膜5bで反射されて再び石英ガラス5aを透過し平面ミラー5から出射される。このようにして長波長成分が減少しVUVの比率が増えた光は石英窓部4からランプハウジング3の外に出射される。
ランプハウジング3において、平面ミラー5の裏面には空気導入口3bと排気口3cが設けられており、空気導入口3bから空気を導入して排気口3cから排気することにより平面ミラー5の誘電体多層膜面の面する空間は酸素を含む雰囲気となり、平面ミラー5が高温になっても還元による特性変化を起こすことは無い。また、放物面ミラー2と平面ミラー5と石英窓部4とで囲む空間はガス導入口3aから導入されたNガスなどの不活性ガスでパージされており酸素によるVUVの吸収減衰もない。
平面ミラー5は石英ガラス製であるが、単純な平面形状であるために熱成型は不要で、かつ、誘電体多層膜の蒸着の膜厚制御も簡単であり、コストを低く抑えることができる。なお、この構成だと放物面ミラー2の内面はNガスなどの不活性ガス雰囲気であるために、放物面ミラー2の蒸着面のアルミニウムが酸化して劣化することを防止する相乗効果もある。
以上の通り、光源装置の実施例を説明してきたが、これにワークステージとマスクステージおよび必要に応じてアライメント顕微鏡を追加構成することによりマスクパターン露光を行う光照射装置にすることができる。この光照射装置はVUVが通過する部分をNガスなどの不活性ガス雰囲気にする必要がある。
図10に本発明の光源装置を組み込んだ光照射装置の構成例を示す。
同図において、前記図7、図8等に示した真空紫外光光源装置10から放射されるVUVは平行光であり、マスクMに入射する。図10に示すマスクMは、例えば、ガラス等の透明基板上にクロム等の金属を蒸着・エッチングしてパターンを形成したものであり、マスクMを通してVUVをワークに照射する。
Wはワークであり、マスクMとワークWは約100μm程度離して配置されており、その間に酸素を含む気体層が形成されている。また、ワークWはワークステージ15上に載置され、例えば真空チャック等の手段によりワークステージ15に固定されている。
11はマスクステージを支持するベース、12はマスクMを保持するマスクステージであり、マスクステージ12はマスクMを所定の位置にセットさせるための位置合わせ機構と、マスクを真空吸着により保持する真空チャックとを備えている。13は間隙設定機構であり、間隙設定機構13としては特許文献2に開示されているものを使用することができ、間隙設定機構13はベース11とマスクステージ12間の少なくとも3箇所に設けられ、後述するように、マスクMとワークWを平行にかつ間隙を一定に設定する。
14はマスクステージ12を所定の位置に移動させるマスクステージ移動機構であり、前記したワークステージ15はワークステージ移動機構16により、XYZθ(同図の左右、前後、上下方向、およびステージ面に垂直な軸を中心とした回転)方向に移動可能に構成されており、マスクステージ12と同様、ワークWを所定の位置にセットさせるための位置合わせ機構と、ワークを真空吸着により保持する真空チャックとを備えている。
17はマスクM上に印されたアライメント・マークと、ワークW上に印されたアライメント・マークを一致させるためのアライメント顕微鏡であり、アライメント顕微鏡17はアライメント光(通常、可視光が使用される)を放射する光源17aと、CCDセンサ17bを備えており、光源17aからの光をマスク/ワーク上に照射して、その反射光をCCDセンサ17bで受像し、マスクMとワークWのアライメント・マークを一致させる。
18は制御部であり、制御部18は、プロセッサ等から構成され、マスクステージ移動機構14とワークステージ移動機構16によりマスクMとワークWの位置を制御するとともに間隙設定機構13を制御し、また、光源装置10を制御する。
なお光源装置10の光出射側とベース11との間には、光源装置10から放出されワークWに照射される光が進行する光路を包囲する包囲部材19が設けられる。包囲部材19はベース11を介して、ワークステージ15と接触している。なお、例えばワークステージ上のワークWの搬入・搬出時においてワークステージ15がZ方向下側に移動すると、ワークステージと包囲部材19との間には空隙が発生する。
包囲部材19の先端部とワークステージ15とが接触している場合、光源装置10の石英窓部4、包囲部材19、ベース11、ワークステージ15の内部は閉空間となる。
閉空間となった場合の包囲部材19内部は、包囲部材19に設けたガス導入口3aからN2ガスなどの不活性ガスを導入してパージすることができる。これは、光源装置10から放出されるVUVが酸素による吸収減衰を激しく受けるためであり、ランプハウジング3内をNガスなどの不活性ガスでパージすることによりVUVの酸素による吸収減衰を防止することができる。包囲部材19内部に導入されたNガスなどの不活性ガスは、包囲部材19に設けた排気口3dから排気される。
同図においてワークWのVUV照射処理は次のように行われる。まず、マスクMをマスクステージ12の所定の位置にセットし、真空吸着により保持させる。次に、ワークステージ移動機構16によりワークステージ15を下降させ、ワークWをワークステージ15に載置し、真空吸着により保持させる。ついで、ワークステージ15をXYθ方向に移動させて、ワークWをマスクMの下に位置決めする。次に、制御部18はワークステージ移動機構16によりワークステージ15を上昇させ、ワークWをマスクMに接触させたのち、ワークWをさらに上昇させる。
ここで、マスクステージ12とベース11間には、間隙設定機構13が設けられており、少なくとも3箇所に設けられた間隙設定機構13は、圧縮コイルを内蔵しており、それぞれ独立して変位する。このため、マスクMに対してワークWが傾いており、その間隙が一定でない場合であっても、ワークWをマスクMに接触させてさらに上昇させたとき、間隙設定機構13の圧縮コイルはそれぞれ異なった量変位して、マスクMの全面がワークWと接触し、マスクMとワークWの傾きは一致する。この時点で、制御装置18は各間隙設定機構13の変位状態を保持させ、ワークステージ15を所定量下降させる。
上記のように間隙設定機構13を設けることにより、ワークステージ15にワークWを載置したときにワークWがマスクMと平行状態にない場合であっても、ワークWとマスクMを平行かつその間隙を一定に設定することができる。ワークWとマスクMの間隔が一定値に設定されると、ワークステージ移動機構16によりワークステージ15をXYθ方向に移動させ、マスクM上に印されたアライメント・マークとワークW上に印されたアライメント・マークを一致させる。
すなわち、アライメント顕微鏡17の焦点を調整して、マスクMとワークWのアライメント・マークをCCDセンサ17bに受像させ、両者のマークが一致するように、ワークステージ15の位置を調整する。この調整は制御部18により自動的に行うこともできるが、人がアライメント顕微鏡17を見ながら手動で調整することもできる。上記ワークWとマスクMのアライメントが終了すると、アライメント顕微鏡17は同図の矢印に示すようにマスクM上から後退する(なお、アライメント顕微鏡17がマスク上の非照射部分に位置している場合には後退する必要はない)。
マスクMとワークWのアライメント・マークが一致すると、光源装置10より平行光であるVUVがマスクM上に照射され、例えば、ワークW上のSAM膜の光パターニング処理が行われる。照射が終了すると、ワークステージ15を下降させて、ワークステージ15への真空の供給を停止し、照射済のワークWをワークステージから取り出す。以上のように、本実施例の光照射装置においては、パターンを形成したマスクMを用意し、マスクMとワークWを近接して平行に配置し、該マスクMを通してワークWの特性を変えたい部分のみに平行光の紫外光を照射しているので、ワークWに対する光パターニング処理を行うことができる。
なお、上記説明では、ワークステージ15をZ方向に移動させて間隙を設定する場合について説明したが、ベース11をZ方向に移動させる手段を設け、ベース11を移動させて間隙を設定することもできる。また、間隙設定機構をワークステージ15とワークW間に設けることも可能である。
なお、上記した光照射装置において、ワークWに照射されるVUV光の照度分布の均一性が求められる場合は、例えば、光照射装置を以下のように構成する。
光源装置10における放物面ミラー2を楕円集光ミラーとし、当該楕円集光ミラーの第1焦点に上記したフラッシュランプ1の発光部を配置する。また、石英窓部4から放出される光が集光される第2焦点にインテグレータを配置し、インテグレータからの光をコリメータレンズもしくはコリメータミラーで平行光にしてマスクMに照射する。
なお、インテグレータやコリメータレンズもしくはコリメータミラーは、光源装置10から放出されワークWに照射される光が進行する光路上にあるので、これらも包囲部材19の内部に収容される。
1 フラッシュランプ
1a 電極
1b トリガ用電極
1c 外部リード
1d トリガ用外部リード
1e ステム
1f 光透過性バルブ
1g 石英ガラス管
1h 封止部
2 放物面ミラー
2a 石英ガラス
2b 誘電体多層膜
2d 耐熱ガラス
2e アルミニウム膜
3 ランプハウジング
3a ガス導入口
3b 空気導入口
3c 排気口
3d 排気口
4 石英窓部
5 平面ミラー
5a 石英ガラス
5b 誘電体多層膜
6 給電手段
10 真空紫外光光源装置
11 ベース
12 マスクステージ
13 間隙設定機構
14 マスクステージ移動機構
15 ワークステージ
16 ワークステージ移動機構
17 アライメント顕微鏡
17a 光源
17b CCD
18 制御部
M マスク
W ワーク

Claims (7)

  1. 真空紫外光透過性材料からなる発光管とこの発光管内に配置された互いに対向する一対の電極とを備え、該一対の電極の電極間距離が12.5mm以下であって、該発光管内にはキセノンガスを含むガスが封入されていて、封入ガスが2乃至8atmであるフラッシュランプと、該フラッシュランプに電力を供給する給電手段とからなり、真空紫外光を含む光を放出する真空紫外光光源装置であって、
    上記フラッシュランプ発光時において、上記給電手段からフラッシュランプに供給される電流は、放電開始から電流値がピーク値に達するまでの時間が8μs以下であり、上記ピーク値に達したときの電流値が1500A以上である
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 上記光源装置において、フラッシュランプはランプハウジング内に設置され、
    上記ランプハウジング内には更にフラッシュランプから放出される光を一方向に平行光として出射させる放物面ミラーと、放物面ミラーから出射した平行光を透過する光透過性窓部とが配置されており、
    上記ランプハウジングには、不活性ガスを導入するガス導入口とランプハウジング内のガスを排気する排気口が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 上記放物面ミラーの本体は真空紫外透過性材料から構成されていて、
    上記放物面ミラーの光入射面の裏面側には真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜が設けられ、該光入射面の裏面側は酸素を含む雰囲気とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  4. 上記ランプハウジング内には、上記放物面ミラーから出射される平行光の光路を折り返す平面ミラーが設けられ、
    上記光透性窓部は平面ミラーにより折り返された平行光を透過する位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  5. 上記放物面ミラーの光反射面にはアルミニウム反射膜が構成され、
    上記平面ミラーの本体は真空紫外透過性材料から構成されていて、
    上記平面ミラーの光入射面の裏面側には真空紫外光を反射する金属酸化膜からなる誘電体多層膜が設けられ、該入射面の裏面側は酸素を含む雰囲気とされている
    ことを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
  6. マスクとワークに対して略垂直に平行真空紫外光を照射する請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれか1項に記載の光源装置と、
    上記マスクを保持するマスクステージ部と、
    上記ワークを保持するワークステージおよびこのワークステージを回転および水平垂直方向に移動させる移動機構とからなるワークステージ部と、
    上記ワークとマスクとを近接させて保持し、上記ワークとマスクとの間に間隙を設定可能な間隙設定機構と、
    上記各機構を制御する制御部と
    上記光源装置の光透過性窓部から上記ワークステージ部までの光路を包囲する包囲部材とを備えてなり、
    上記包囲部材の内部は、不活性ガスにより酸素がパージされている
    ことを特徴とする光照射装置。
  7. 請求項6に記載の光照射装置を用いて、ワーク上に形成されている自己組織化単分子膜に対し、マスクを介して真空紫外光を照射する
    ことを特徴とする自己組織化単分子膜のパターニング方法。
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