JP3324428B2 - フォトレジストの表面処理装置 - Google Patents

フォトレジストの表面処理装置

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JP3324428B2
JP3324428B2 JP35338796A JP35338796A JP3324428B2 JP 3324428 B2 JP3324428 B2 JP 3324428B2 JP 35338796 A JP35338796 A JP 35338796A JP 35338796 A JP35338796 A JP 35338796A JP 3324428 B2 JP3324428 B2 JP 3324428B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空紫外光を使っ
たフォトレジストの表面処理装置に関する。特に、誘電
体バリア放電を利用したエキシマランプにより波長17
2nmの真空紫外光を使うもの、および、低圧水銀ラン
プの発光により波長185nmの真空紫外光を使うもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造工程では、まず、シリコン
基板の表面にポジ型フォトレジストをスピンコーティン
グなどによって塗布し、このフォトレジスト膜に紫外光
を照射して所定のパターンを露光し、次に現像処理を行
うことによって露光部分のみのフォトレジストを除去す
るような方法が広く行われている。このうち、現像処理
は浸食法、スプレイ法、蒸気法などがあるが、いずれの
方法にしても露光処理後のフォトレジストと現像液を接
触させる。
【0003】ここで、フォトレジストと現像液の反応に
おいて濡れ性が悪いと、フォトレジストと現像液の間に
泡が発生し、フォトレジストの一部が現像されず、その
結果、除去されるべきフォトレジストは、部分的に除去
されないでシリコン基板上に残ってしまうという問題が
発生する。近年のごとく超微細加工が行われる中にあっ
ては、このようなフォトレジストの不所望な現像処理は
致命的なことになってしまう。
【0004】また、現像工程以外においても、例えば、
微細加工を目的としたフォトレジストの表面に光反射膜
をコーティングする場合にあっては、光反射膜とフォト
レジストとの濡れ性が悪いと当該光反射膜がフォトレジ
ストから剥がれるという問題が起こる。
【0005】さらに、フォトレジストとして化学増幅型
のものを使用する場合は、人体から発生する微量なアン
モニアによって、紫外光が照射されてフォトレジスト内
に発生する水素イオンと反応し、当該水素イオンが中和
されて減少することによってフォトレジストの表面のみ
が水素イオンによる所望の機能が発揮できなくなる、い
わゆるT−top現象を生じさせてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、シリコン基板等に塗布されたフォトレジスト
の表面のみを良好に改質できる処理装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるフォト
レジスト処理装置は、誘電体バリア放電を利用したエキ
シマランプであって、主に172nmの真空紫外光を放
射するとともに、管壁負荷が0.3W/cm2 以下にあ
り、当該真空紫外光によってフォトレジストの表面のみ
を改質処理するとともに、波長170nm〜波長200
nmの範囲外の放射光によって実質的にフォトレジスト
との反応をさせることのないことを特徴とする。
【0008】さらに、請求項2にかかる発明にあって
は、前記エキシマランプの波長172nmの真空紫外光
の出力をI172 、波長160nmの紫外光の出力をI16
0 とし、当該エキシマランプの放射光に対する光学フィ
ルターの波長172nmに対する光透過率をT172 、波
長160nmに対する光透過率をT160 としたとき、
(I172 ×T172 )/(I160 ×T160 )が30以上で
あることを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3にかかる発明にあって
は、前記エキシマランプに対して放電を開始させるため
に印加する電圧は、放電を維持するために必要とする電
圧の2倍以下であることを特徴とする。
【0010】さらに、請求項4にかかる発明にあって
は、低圧水銀ランプから放射される波長185nmの真
空紫外光と波長254nmの紫外光を、波長185nm
に対する透過率が波長254nmに対する透過率より大
きい光学フィルタを介してフォトレジストに照射すると
もに、このフォトレジストの表面における波長185n
mの真空紫外光の強度は、波長254nmの紫外光の強
度の10倍以上であり、当該波長185nmの真空紫外
光によってフォトレジストの表面のみを改質処理すると
ともに、波長254nmの紫外光によって実質的にフォ
トレジストとの反応をさせることのないことを特徴とす
る。
【0011】さらに、請求項5にかかる発明にあって
は、前記低圧水銀ランプの波長185nmの真空紫外光
の出力をI185 、波長254nmの紫外光の出力をI25
4 とし、当該低圧水銀ランプの放射光に対する光学フィ
ルターの波長185nmに対する光透過率をT185 、波
長254nmに対する光透過率をT254 としたとき、
(I185 ×T185 )/(I254 ×T254 )が15以上で
あることを特徴とする。
【0012】さらに、請求項6にかかる発明にあって
は、前記低圧水銀ランプに加熱手段を備えたことを特徴
とする。
【0013】さらに、請求項7にかかる発明にあって
は、前記低圧水銀ランプの管壁負荷が20mW/cm2
下であることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明者らは、前述の問題を解決すべく、鋭意
検討を重ねた結果、フォトレジストの紫外光に対する透
過率が波長170〜波長200nmの範囲において著し
く小さいということを見いだし、さらに、この波長範囲
の真空紫外光をフォトレジストに照射すると当該フォト
レジストの表面が良好に改質処理できることを見いだし
た。つまり、この波長範囲の放射光をフォトレジストに
照射すれば、フォトレジストに対する透過率の低さから
フォトレジストに照射された表面のみが反応を起こすと
いうものである。さらに、この技術を利用すれば、現像
工程においてはフォトレジストの表面を改質処理するこ
とができ現像液との濡れ性を著しく改善でき、従来生じ
ていた問題、すなわち除去させるべきフォトレジスト部
分が濡れ性の悪さにより、部分的に不所望に残ってしま
うという問題を良好に解決できることになる。また、フ
ォトレジストの表面に光反射膜をコーティングする場合
でも波長170〜波長200nmの範囲の真空紫外光を
照射することで完全なるコーティングを達成でき、従来
生じていた問題、すなわちフォトレジストと光反射膜の
剥離を良好に防止できる。さらには、フォトレジストに
化学増幅型のものと使った場合でも真空紫外光を照射す
ることで水素イオンを発生させることができる。このた
め、室内のアンモニアと中和した水素イオンを再発生さ
せることができ、化学増幅型フォトレジストを良好に機
能させることができる。
【0015】ここで、波長170〜波長200nmの真
空紫外光を放射する手段として、まず第1に、誘電体バ
リア放電を利用したエキシマランプを使うことにより波
長172nmの発光を利用できる。また、他の手段とし
て低圧水銀ランプを使用することにより波長185nm
の発光を利用できる。
【0016】いずれの手段でも、波長170〜波長20
0nmの真空紫外光を十分な強度を持ってフォトレジス
トの表面に照射することができる。その一方でこの波長
範囲外の光、特にフォトレジストに対して化学的反応を
生じさせる光をフォトレジストに照射させることがなく
なるので、実質的に不所望なフォトレジストの反応を防
止できることもできる。
【0017】誘電体バリア放電を使ったエキシマランプ
の場合は、前述のごとく、波長172nmに単一線スペ
クトルを有するという当該ランプの特徴を十分に利用す
ることができ、さらにエキシマランプの管壁負荷を所定
値以下にすることによって、フォトレジストを透過して
しまう不所望な波長の光を実質的に影響のないレベルに
まで減少させることもできる。また、エキシマランプか
らの放射だけでなく、不所望な波長範囲の光を極力透過
させない光学フィルターを使うことで、さらに目的を達
成することもできる。
【0018】低圧水銀ランプを使った場合は、この発明
にとって好適な波長185nmの光以外に、この発明に
とって不所望な波長254nmの光も大量に放射され
る。このため、当該ランプとフォトレジストとの間に光
学フィルターを配置して波長185nmの真空紫外光の
みがフォトレジストに好適に照射されるべく構成をとる
ことが必要である。ここで、フォトレジストとはシリコ
ン基板等の上に塗られた感光性の膜を意味し紫外線のみ
ならずX線や電子線で感光するものも含む。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に本発明にかかるフォトレジ
スト処理装置の一例を示す。ランプハウス基体部11と
光取出窓12によって略偏平形状のランプハウス10が
形成される。ランプハウス13の中には複数のエキシマ
ランプ1(1a、1b、1c・・)が平行に設置され
る。各々のエキシマランプ1(1a、1b、1c・・)
には、各々反射ミラー2(2a、2b、2c・・)が光
取出窓11と反対側に設置され、ランプ1からの放射光
を効率的に光取出窓12から取出される構造を有してい
る。反射ミラー2は、特に限定されるものではないが、
図に示すように鏡面性を有する金属板を折り曲げたもの
とするほか、複数の凹部を有するアルミニウム製の冷却
ブロックを配置して、この凹部にランプ1(1a、1
b、1c・・)を各々対応させ、その鏡面を反射面とす
ることもできる。ランプハウス13の側面には、内部を
窒素ガスに置換するためのガス導入口14および排出口
15が設けられる。光取出窓12は合成石英ガラスより
なり光学フィルタの役目も果している。ランプハウス1
3内には、例えば、毎分10リットルの窒素が流れてい
る。Wはランプ1からの照射を受けて処理されるシリコ
ン基板である。
【0020】図2にエキシマランプの概略を示す。エキ
シマランプ1は、内側管21と外側管22を同軸に配置
して両端を閉じて形成される二重管型の略竹輪形状をな
している。内側管21と外側管22の間は放電空間24
が形成される。内側管21の内側には、例えばアルミニ
ウムからなる内側電極25が設けられ、外側管22の外
側には、例えば金属網からなる外側電極26が設けられ
る。放電空間24には、放電用ガスとしてキセノンガス
が、例えば、300Torr封入される。放電空間24
の一端にはゲッター室27が設けられ、このゲッター室
27の中にゲッターが配置される。ランプ1の具体例を
上げれば、内側管21の外径は、例えば16mmであ
り、外側管22の内径は、例えば23mm、ランプの長
手方向は 250mmで内側管21内面積と外側管22の内面
積の和は306cm2 である。各ランプ1(1a、1b、
1c・・)には交流電源が接続され約10KVの高電圧
が印加される。
【0021】このエキシマランプは、発光管の一部を誘
電体とした誘電体バリア放電によって放電空間内にエキ
シマ分子を形成し、このエキシマ分子の発光により従来
の低圧水銀ランプや高圧水銀ランプにはない特徴、例え
ば、172nm、という短い波長の紫外線を放射して、
しかも線スペクトルに近い単一波長の光を高効率で発生
する、を有している。誘電体バリア放電を利用したラン
プ、通称「誘電体バリア放電ランプ」は公知のものであ
り、例えば、特開平2ー7353号に記載される。ま
た、「放電ハンドブック」(電気学会発行改定新版:平
成1年6月再販7刷発行第263ページ参照)にも誘電
体バリア放電によってエキシマ分子を作り、このエキシ
マ分子から放射される光を取り出す放射器が記載されて
いる。
【0022】次に、フォトレジスト処理装置の動作を説
明する。光取出窓12の直下には図示略の処理台が形成
され、露光工程を終えて所望のパターンが形成されたフ
ォトレジストが塗布されたシリコン基板が搬送アーム等
によって当該処理台の上に設置される。ランプハウス1
0は、このシリコン基板が処理台に設置されたことを確
認してランプ1(1a、1b、1c・・)の点灯を行
い、前述のごとく、波長172nmを中心とした光をフ
ォトレジストに照射する。あるいは、ランプハウス10
内で常時ランプ1(1a、1b、1c・・)を点灯状態
とするとともに、光取出窓12に対応して別途シャッタ
ーを設け、シリコン基板の処理台への設置を確認して当
該シャッターを開く構成にしてもよい。フォトレジスト
に波長172nmの光が所定時間、例えば、1秒照射さ
れると、ランプハウス10でランプ1(1a、1b、1
c・・)を消灯させ、またはシャッターを閉めてフォト
レジストへの照射を停止させる。なお、ランプ1(1
a、1b、1c・・)は、シリコン基板が小さい場合
は、必ずしも全部のランプを点灯させる必要はなく、必
要に応じてシリコン基板に対応した幾つかのランプだけ
を点灯させることもできる。
【0023】本発明は、前述にも記載のごとく、現在実
用化しうるフォトレジストが波長172nmの真空紫外
光に対して非常に小さい透過率を有すること、および波
長172nmの真空紫外光を照射されたフォトレジスト
はその表面において著しい改善がなされるという新しい
発明に基づいてなされたものである。そして、半導体製
造プロセスにおいて、露光工程と現像工程との間に、フ
ォトレジストに対して172nmの真空紫外光を照射す
るという新しい工程を行うべく、そのための装置を提供
する。
【0024】図3は厚さ200nmのフォトレジストの
分光透過率を示すものである。曲線Aはノボラック型ポ
ジレジスト型式PFI−38(住友化学工業株式会社)
で通常365nmの紫外線照射用に用いるものである。
曲線Bは化学増幅型ポジレジスト型式LY−1300
(住友化学工業株式会社)で通常193nmの真空紫外
線照射用に用いるレジストである。この図は波長150
nmから330nmの範囲において、前記各々のレジス
トの透過率を測定したもので、横軸はフォトレジストに
照射された波長、縦軸はフォトレジストに対する透過率
を示す。この結果、驚くほどに両レジストとも波長17
0nm〜200nmの光に対しては透過率が零、もしく
は、極めて低いことが示されている。
【0025】従って、図1に示す処理装置によれば、透
過率の低い172nmの光を照射することによって、フ
ォトレジストの表面のみを良好に改質することができ、
フォトレジストの内部、あるいはフォトレジストを通過
してシリコン基板上の酸化膜に悪影響を及ぼすというこ
とはない。また、化学増幅型のフォトレジストにあって
は、波長172nmの光を当該化学増幅型フォトレジス
トに照射することで、その表面部分においてのみ水素イ
オンを発生させることができる。この結果、アンモニア
と中和した表面部分の水素イオンに代えて波長172n
mの光によって水素イオンを再発生させることで結果と
してフォトレジスト全体に均一な水素イオンを存在させ
ることが可能になる。
【0026】さらに、本発明はエキシマランプの管壁負
荷を 0.3W/cm2 以下にすることで波長170nm〜2
00nm以外の光、特に、波長200nm以上の光を実
質的にフォトレジストに作用する放射量以下にまで減少
できる。この結果、波長172nmの光によってフォト
レジストの表面を改質している間に、他の波長の光、特
に波長200nm以上の光によってフォトレジストを不
所望に作用させるという弊害を良好に防止することがで
きる。なお、ここでいう管壁負荷とは、放電空間に面し
ている放電容器の内管壁の面積でランプへの入力電力を
除した値である。
【0027】図4は、図1に記載のランプ1(1a、1
b、1c・・)を周波数20KHz、管壁負荷 0.1W/
cm2 で点灯したときの放射波長の分布を示す。横軸は放
射波長を示し、縦軸は波長170nmの光の強度に対す
る相対値を示す。図より、波長172nmの真空紫外光
の出力I172 と波長160nmの真空紫外光の出力I16
0 の比は約9:1であることが示される。
【0028】また、ランプハウス13の光取出窓12
は、前述のごとく光学フィルタであり、その分光透過率
を図5に示す。図5は横軸は波長を示し、縦軸は各々の
光のフォトレジストに対する透過率を示す。図より波長
172nmの透過率は約40%であり波長160nmの
透過率は約1.9%が示される。このような光学フィル
ターを使った処理装置にあっては、例えば、光取出窓1
2の表面から3mm離れた位置に、主に365nmの紫外
線で感光するノボラック系のフォトレジストを塗布した
シリコン基板を配置している。光取出窓12とフォトレ
ジストの間は空気である。
【0029】本実施例においてはランプ1を複数本並べ
ることで、ランプハウス13を実質的に平面光源として
機能させているが、複数のランプを使用する場合に限定
されるものではなく1本のランプでフォトレジストを照
射するものであってかまわない。また、複数本のランプ
を使用する場合にあっては実施例で示したように平行に
並べるものに限定されるものではない。
【0030】本発明にあっては、波長172nmの真空
紫外光の出力をI172 、波長160nmの紫外光の出力
をI160 であるエキシマランプを光取出窓を有するラン
プハウスに収納し、ランプハウス内を窒素又は希ガスで
置換し、光取出窓は波長172nmにおける透過率T17
2 、波長160nmにおける透過率T160 である光学フ
ィルターを兼ねており、(I172 ×T172 )/(I160
×T160 )が30以上であるため、フォトレジストに到
達するエネルギーの大きな光子の割合が減少し、フォト
レジストを変質させることなく表面処理ができる。これ
は前述のフォトレジストを波長170nm〜200nm
の範囲外の波長光によって不所望のフォトレジスト反応
を抑えるもので、前述の規定が30以上であればほぼ完
全に抑えることを意味する。逆に言えば、30以下の場
合にあってはフォトレジストの種類、その他の条件にも
よるが、不所望のフォトレジスト反応を発生させる可能
性があることを意味する。
【0031】さらに、ランプハウス内を窒素ガスで置換
することにより、酸素による172nmの真空紫外光の
吸収がなくなり、実質的に平面状の真空紫外光が実現さ
れ、効率よく172nmを取り出すことができ、かつ、
ランプハウス内でオゾンが発生することを良好に防止で
きランプハウスも腐食することもない。また、光取出窓
を光学フィルタに兼用することでコンパクトな構成とす
ることもできる。
【0032】本発明にあっては、エキシマランプに対し
て放電を開始させるために印加する電圧を、放電を維持
するために必要とする電圧の2倍以下とすることでエキ
シマランプの発光を瞬時に行うことができる。すなわ
ち、ランプに放電開始のための電圧を印加してから、放
電が遅れることなく瞬時に開始するため、フォトレジス
トに対する露光量の放電時間による管理が可能となり、
従って、フォトレジストへの真空紫外光の照射量を精密
に制御することができる。また、複数のエキシマランプ
を一つの電源で点灯する場合には、複数本のランプが同
時に点灯開始するので空間的にも均一な照射を可能とす
る。
【0033】ここでいう放電開始電圧および放電維持電
圧は、電気学会オゾナイザ専門委員会編、コロナ社発行
「オゾナイザハンドブック」1960年発行第112頁
に記載されている。印加電圧とランプに流れる電流の積
分値、すなわち、電荷量(記号Q)のリサジュ図の測定
から求めたものである。図6に、横軸に印加電圧をと
り、縦軸に電荷量をとったリサジュ図の一例を示す。直
線AB間と直線CDが平行、直線BCと直線ADが平行
である二等辺三角形が得られ、直線ABと直線CD間の
電圧差の二分の一が放電維持電圧である。放電開始電圧
は、直線BCあるいは直線ADを横軸に投影した場合の
BとCあるいはAとD間の電圧差の二分の一である。具
体的には、放電開始電圧は、例えば1420Vであり、
放電維持電圧は、例えば1200Vである。
【0034】本発明においては、エキシマランプの管壁
負荷を 0.3W/cm2 とすることで、ランプの点灯時と消
灯時の温度差が小さくなり、従って、ランプの点灯開始
直後から172nmの光の出力が一定になり、フォトレ
ジストへの波長172nmの真空紫外光の照射量を精密
に制御することができる。
【0035】次に、請求項4の発明を説明する。本発明
では、図1に示す処理装置においてエキシマランプ1
(1a,1b,1c・・・)に代えて低圧水銀ランプを
使用するもので、波長185nmの真空紫外光と波長2
54nmの紫外光を放射するものが使われる。これは、
図3に示したように波長170nm〜200nmの光は
フォトレジストに対して透過率が零、もしくは著しく低
いので、波長185nmの光をフォトレジストに照射す
ることでその表面のみを良好に改質処理するものであ
る。ランプは、一例をあげれば、直径15mm、長さ200
mmの冷陰極型低圧水銀ランプを複数本、エキシマラン
プを配置したと同様に配置する。
【0036】装置の構成としては、上記低圧水銀ランプ
と、波長185nmにおける透過率が波長254nmに
おける透過率よりも大きい光学フィルタを備えた処理装
置であって、フォトレジスト面における波長185nm
の真空紫外光と波長254nmの紫外光の強度比を10
倍以上にする必要がある。このような構成によって、波
長185nmの真空紫外光はフォトレジストを透過しな
いのでその厚み方向全域に照射処理することはなく、表
面だけを良好に改質することができる。また、波長25
4nmの紫外光は、波長185nmの紫外光の1/10
以下にしたので、波長254nmの紫外光によって不所
望な照射処理を起こすこともない。具体的には、図1に
示す処理装置において、光取出窓を光学フィルターとし
て兼用することができ、例えば直径160 mmの円形の構
造に多層誘電体膜をコーティングして、波長185nm
の光の透過率を12%、波長254nmの光の透過率を
0.01%とすることができる。
【0037】本発明においては、低圧水銀ランプからの
波長185nmの光出力(I185 )と波長254nmの
光出力(I254 )、及び光学フィルターの波長185n
mの光透過率(T185 )と波長254nmの光透過率
(T254 )は、(I185 ×T185 )/(I254 ×T254
)が15以上にあることが望ましい。このような構成
によれば、光取出窓とフォトレジストの間に数mm程度
の空気の層が存在して、波長185nmの真空紫外光を
吸収したとしても、フォトレジストに到達する波長18
5nmの真空紫外光と波長254nmの紫外光の強度比
を10倍以上にすることができる。このため、光取出窓
とフォトレジストの間を窒素などで置換する必要が無く
なる。また、ランプハウス内を窒素ガスで置換している
ので、ランプハウス内において酸素による波長185n
mの真空紫外光の吸収がなくなり、実質的に平面状の真
空紫外光源が実現でき、効率良く波長185nmの光を
取り出すことができ、ランプハウス内でオゾンが発生す
ることもなくランプハウスも腐食されない。
【0038】さらに、低圧水銀ランプに加熱手段を設け
ることができる。これにより、ランプ消灯時にランプを
予熱して水銀の蒸気圧を高くすることができ、ランプの
点灯開始直後から185nmの真空紫外光の出力が一定
として、フォトレジストへの185nmの真空紫外光の
照射量を精密に制御することができる。これは、波長1
85nmの真空紫外光の照射はフォトレジストを透過し
ないものの、185nmの照射量を精密に制御すること
は不可欠だからである。加熱手段は、具体的には、低圧
水銀ランプの背面(光取出窓と反対側)に平面状ヒータ
を配置することができ、例えば、ランプの温度が40℃
になるように予熱する。
【0039】低圧水銀ランプをして冷陰極型低圧水銀ラ
ンプ、無電極型低圧水銀ランプを使用した場合には、電
極を予熱することなく瞬時にランプを点灯することがで
き、すなわち機械的な光学シャッターを使用することな
くランプの点灯時間を制御できる。
【0040】低圧水銀ランプの管壁負荷を20mW/cm
2 以下にすることでランプ消灯時と点灯時のランプの温
度差を小さくすることができ、ランプ点灯開始直後から
185nmの真空紫外光の出力を一定にすることがで
き、フォトレジストへの185nmの光の照射量を精密
に制御できる。
【0041】さらに、低圧水銀ランプにあっては、発光
管内部に電極を有する、いわゆる内部電極型のものに限
られず、発光管の内部には電極を有しない、いわゆる外
部電極型のランプであっても本発明の作用効果を奏する
ことができる。具体的には、図7に示すように石英ガラ
ス管70の中に水銀とアルゴンが封入され、発光管70
の周囲に半円型光透過性の金属網電極71と、もう一方
の同じく半円型金属電極72との間でランプの直径方向
に放電を発生させる構造であってもかまわない。図7に
あっては、概念的にランプを1つだけ記載して説明した
が、図1に示す処理装置において当該ランプを使用でき
ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトレジストの表面処理装置を示
す。
【図2】誘電体バリア放電を使ったエキシマランプを示
す。
【図3】フォトレジストの分光透過率を示す。
【図4】誘電体バリア放電を使ったエキシマランプによ
る放射波長の分布を示す。
【図5】フォトレジストの分光透過率を示す。
【図6】放電開始電圧と放電維持電圧を示すリサージュ
図を示す。
【図7】無電極型の低圧水銀ランプを示す。
【符号の説明】
1(1a、1b、1c・・):ランプ 2(2a、2b、2c・・):反射ミラー 11 :ランプハウス基体部 12 :光取出窓 13 :ランプハウス 14 :ガス導入口 15 :ガス排出口 21 :内側管 22 :外側管 24 :放電空間 25 :内側電極 26 :外側電極 27 :ゲッター室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 新井 重雄 (56)参考文献 特開 平8−115891(JP,A) 特開 平7−122537(JP,A) 特開 平2−7353(JP,A) 特開 昭59−161824(JP,A) 特開 平6−224168(JP,A) 特開 平6−132215(JP,A) 特開 平7−199483(JP,A) 特開 昭63−204615(JP,A) 特開 平7−288109(JP,A) 特開 平8−124540(JP,A) 特開 平6−231735(JP,A) 特開 昭62−295417(JP,A) 特開 昭61−14724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 521

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管壁負荷が0.3W/cm2 以下である誘
    電体バリア放電を利用したエキシマランプから主に17
    2nmの真空紫外光を放射して、 この真空紫外光によってフォトレジストの表面のみを改
    質処理するとともに、波長170nm〜波長200nm
    の範囲外の放射光によって実質的にフォトレジストとの
    反応をさせることのないフォトレジストの表面処理装
    置。
  2. 【請求項2】前記エキシマランプの波長172nmの真
    空紫外光の出力をI172 、波長160nmの紫外光の出
    力をI160 とし、 当該エキシマランプの放射光に対する光学フィルターの
    波長172nmに対する光透過率をT172 、波長160
    nmに対する光透過率をT160 としたとき、 (I172 ×T172 )/(I160 ×T160 )が30以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載するフォトレジス
    トの表面処理装置。
  3. 【請求項3】前記エキシマランプに対して放電を開始さ
    せるために印加する電圧は、放電を維持するために必要
    とする電圧の2倍以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のフォトレジストの表面処理装置。
  4. 【請求項4】低圧水銀ランプから放射される波長185
    nmの真空紫外光と波長254nmの紫外光を、波長1
    85nmに対する透過率が波長254nmに対する透過
    率より大きい光学フィルタを介してフォトレジストに照
    射するともに、 このフォトレジストの表面における波長185nmの真
    空紫外光の強度は、波長254nmの紫外光の強度の
    0倍以上であり、 当該波長185nmの真空紫外光によってフォトレジス
    トの表面のみを改質処理するとともに、波長254nm
    の紫外光によって実質的にフォトレジストとの反応をさ
    せることのないフォトレジストの表面処理装置。
  5. 【請求項5】前記低圧水銀ランプの波長185nmの真
    空紫外光の出力をI185 、波長254nmの紫外光の出
    力をI254 とし、 当該低圧水銀ランプの放射光に対する光学フィルターの
    波長185nmに対する光透過率をT185 、波長254
    nmに対する光透過率をT254 としたとき、 (I185 ×T185 )/(I254 ×T254 )が15以上で
    あることを特徴とする請求項4に記載するフォトレジス
    トの表面処理装置。
  6. 【請求項6】前記低圧水銀ランプに加熱手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項5に記載するフォトレジストの表
    面処理装置。
  7. 【請求項7】前記低圧水銀ランプの管壁負荷が20mW
    /cm2 以下であることを特徴とする請求項5に記載する
    フォトレジストの表面処理装置。
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