JP2581182B2 - 環化重合方法 - Google Patents

環化重合方法

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JP2581182B2 JP63194593A JP19459388A JP2581182B2 JP 2581182 B2 JP2581182 B2 JP 2581182B2 JP 63194593 A JP63194593 A JP 63194593A JP 19459388 A JP19459388 A JP 19459388A JP 2581182 B2 JP2581182 B2 JP 2581182B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、環化重合方法に関し、更に詳しく言えば、
特定の含フッ素単量体を用いて主鎖に環構造を有する含
フッ素重合体を生成せしめる新規な環化重合方法に関す
る。
[従来の技術] 炭化水素系単量体の環化重合方法に関しては、古くか
ら多くの研究がなされ、3員環〜大環状ポリエーテルに
至るまで、多数の報告が一般的に知られている。
一方、含フッ素重合体としては種々のものが知られて
おり、ポリテトラフルオロエチレンをはじめとして工業
的に実用されているものも多い。しかしながら、これら
は殆んどがフルオロオレフィンもしくは側鎖にフルオロ
アルキル基を有する(メタ)アクリレートなどのビニル
モノマーに基づく直鎖状の主鎖を有する重合体である。
あるいはまた、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの開
環重合により得られるパーフルオロポリエーテルの如き
高分子化合物も知られているが、この場合もやはり主鎖
構造は直鎖状である。さらに最近、 の如きモノマーをタングステン、モリブデン系の触媒を
用いて開環メタセシス重合させることにより、 なる環状構造を主鎖に有する重合体の合成が試みられて
いる(A.Alimuniar et al.,Polymer,1986 27 1281)。
これらはいずれも通常のビニル重合もしくは開環、開環
メタセシス重合であって、直鎖状モノマーから環化重合
によって主鎖に環構造を導入するものではない。
僅かに、一般式CF2=CFCF2 xCF=CF2(ただし、x
は1〜5)がγ−線により環化重合することが知られて
いる(L.A.Waal,Fluoro Polymer,Wiley−Science,4,Hig
h Pressure Polymerization,P.127)。また、CF2=CF−
CF2−CFCl−CF2−CF=CF2が重合し、耐熱、耐酸化性に
優れた透明な強い弾力性のあるフィルムを与えることが
知られている(D.S.Ballentine et al.,U.S.Atomic Ene
rgy Coms.B,NL−294(T−50)18,1954)。しかしなが
ら、これらはいずれも1万atm以上の高圧を必要とする
高圧重合法であり、工業的に実施するのには困難な重合
法であるという難点を有している。
さらに、英国特許第1106344号、米国特許第3418302号
などには、CF2=CF−O−CF2−CF2−O−CF=CF2なるパ
ーフルオロジメチレンビス(パーフルオロビニルエーテ
ル)をモノマーとして環化重合せしめる方法が記載され
ている。しかしながら、この重合法ではモノマー濃度が
12重量%以下の希釈条件下でのみ環下重合するという制
約がある。モノマー濃度が12%以上の場合には、 なる繰り返し単位を有する重合体が生成すると記憶され
ている。モノマー濃度を12%以下にしなければならない
ということは、大量の希釈溶媒を使用しなければならな
いので、工業的実施に対して不利である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者の研究によれば、炭化水素系単量体の場合に
はその単量体の分子構造に左右されることなく比較的円
滑有利に環化重合せしめ得るが、フッ素含有率が10重量
%以上の含フッ素単量体、特にパーフルオロ単量体に関
しては、直鎖状モノマー(直鎖状単量体)から主鎖に環
構造を有する重合体を工業的に円滑有利に製造し得る手
段は、前述の通り、これまでのところ殆んど知られてい
ない。前述の如き左右対称の分子構造を有する含フッ素
単量体の場合には、前述の如き特殊な条件の採用が環化
重合に必要であり、一般的にはゲル化の副生が顕著で環
化重合を進行させ難いという難点が認められる。また、
上記パーフルオロジメチレンビス(パーフルオロビニル
エーテル)の如き含フッ素モノマーを用いた環化重合に
おいては、左右対称の分子構造であるが故に、上記のよ
うな大希釈条件下の重合という制約の他、重合反応系に
おけるゲル化の副生という難点も同様に認められる。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、上記問題点の認識に基づいて、直鎖状の
含フッ素単量体から主鎖に環構造を有する含フッ素重合
体を製造する手段について鋭意研究、検討を重ねた結
果、フッ素含有率10重量%以上の含フッ素モノマーは、
環化重合を有利に行なわしめるために、特定の分子構造
を有することが必要であるという新規な知見を得るに至
った。すなわち、分子内に重合性の異なる二つの重合性
基を有すること及びこれら二つの重合性基を連結する連
結鎖においてその連結に直接関与する原子数が2〜7個
であることが必要である。而して、かかる特定の分子構
造を有する含フッ素モノマーは、パーフルオロ単量体の
場合であっても、驚くべきことに、超高圧条件や大希釈
条件を採用しなくても、ゲル化の副生を抑えて円滑有利
に環化重合を進行せしめ得るということを見出すに至っ
た。
かくして本発明は、前述の如き新規知見に基いて完成
されたものであり、重合性の異なる炭素−炭素多重結合
を二つ有し、左右非対称であり、かつフッ素含有率が10
重量%以上である含フッ素単量体であって、前記多重結
合が連結鎖により結合され、その連結鎖においてその連
結に直接関与する原子数が2〜7個である含フッ素単量
体を環化重合せしめ、主鎖に環構造を有する重合体を得
ることを特徴とする環化重合方法を新規に提供するもの
である。
本発明においては、特定の分子構造を有する含フッ素
単量体を使用することが重要である。まず第一に、重合
性の異なる炭素−炭素多重結合を二つ有し、左右非対称
であることである。通常は炭素−炭素二重結合が採用さ
れ、種類あるいは構造などの異なる二つの多重結合が採
用される。例えば、左右対称構造でない二つの多重結合
を有する含フッ素単量体、ビニルエーテル基とアリル
基、ビニルエーテル基とビニル基、含フッ素多重結合と
炭化水素多重結合、パーフルオロ多重結合と部分フッ素
化多重結合の如きが挙げられる。第二に、これら二つの
炭素−炭素多重結合を連結する連結鎖においてその連結
に直接関与する原子数が2〜7である必要がある。連結
鎖においてその連結に直接関与する原子数が0〜1個の
場合には環化重合が生起し難く、また8個以上の場合に
も同様である。通常好ましくは、この原子数が2〜5個
の場合である。また、連結鎖は直鎖状に限られず、側鎖
構造あるいは環構造を有していても良く、さらに構成原
子は炭素原子に限られず、O,S,Nの如きヘテロ原子を含
んでいても良い。第三に、本発明における含フッ素単量
体は、フッ素含有率が10重量%以上のものである。フッ
素含有率が余りに少ない場合には、フッ素原子の有する
特異性が発揮され難くなる。本発明においては、当然の
ことであるが、パーフルオロ単量体が好適に採用され
る。
上記の特定の含フッ素単量体の具体例としては、 CF2=CFOCF2CF=CF2,CF2=CFOCF2CF2CF=CF2, CF2=CFOCF2CF=CF2 , CF2=CFOCF2OCF2CF=CF2,CF2=CFOCF2CF2CH=CH2, (ただし、nは1〜3個の整数), CF2=CFO(CF22CF=CFCF3, CF2=CFOCF2CF2OCF=CFCl, CF2=CFCF2CF2CH=CH2, CF2=CHOCH2CH2CF=CF2, CH2=CHOCH2CH2CF2CF=CF2 などが例示され得る。連結鎖においてその連結に直接関
与する原子とは、例えば前記具体例の化合物「CF2=CFO
CF2CF=CF2」や によって示せば、以下のアンダーラインを付した原子と
なる。
本発明においては、CF2=CFO−なるビニルエーテル基を
一つ有するものが重合反応性、環化重合性、ゲル化抑制
などの点で好ましく採用され、特にパーフルオロアリル
ビニルエーテル(CF2=CFOCF2CF=CF2)及びパーフルオ
ロブテニルビニルエーテル(CF2=CFOCF2CF2CF=CF2
が好適な例として挙げられる。
かかる特定の含フッ素単量体は、比較的温和な条件下
で重合し、主鎖に環状構造を有する重合体を与えるとい
う驚くべき事実が見出され、本発明に至ったものであ
る。すなわち、重合方法としては、ラジカル的に進行す
るものであれば手段は何ら制限されないが、例えば有
機、無機ラジカル開始剤、光、電離性放射線あるいは熱
による重合などが挙げられる。ラジカル開始剤として
は、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルア
ミジン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2′−
アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、
4,4′−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッ
ド)、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピ
オンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−
[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオン
アミド}、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾ
ビス(イソブチルアミド)ジハイドレート、2,2′−ア
ゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2′−
アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘ
キサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−
イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメ
チルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−
4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−
メチルプロパン)の如きアゾ化合物、ステアロイルパー
オキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキシド、アセチルパーオキシド、t−ブチルハイド
ロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ジ−イ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラ−メン
タンハイドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキシド、メチルエチルケトンパ
ーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ブチ
ルクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、オクラノイル
パーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチル
パーアセテート、t−ブチルパーピバレート、t−ブチ
ルパーイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、ジ−t−ブチルジパーフタレート、
t−ブチルパーラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−パーフルオロ
ブタノイックパーオキシド、ジ−パーフルオロ−3−オ
キサ−2−メチルヘキサノイックパーオキシド、ジ−パ
ーフルオロノナノイックパーオキシドの如き有機パーオ
キシド、K2S2O8、(NH42S2O8の如き無機パーオキシド
などが例示される。光としては、可視光、紫外線などが
例示され、光増感剤を併用することもできる。電離性放
射線としては60Co、192Ir、170Tm、137Csなどの放射性
同位元素からのγ線、β線、α線などや、電子線加速器
による電子線などが例示される。
重合の方法もまた特に限定されるものではなく、モノ
マーをそのまま重合に供するいわゆるバルク重合、モノ
マーを溶解する弗化炭化水素、塩化炭化水素、弗塩化炭
化水素、アルコール、ハイドロカーボン、その他の有機
溶媒中で行なう溶液重合、水性媒体中で適当な有機溶剤
の存在下或いは非存在下に行なう懸濁重合、水性媒体に
乳化剤を添加して行なう乳化重合などが例示される。重
合を行なう温度や圧力も特に限定されるものではない
が、モノマーの沸点、所用加熱源、重合熱の除去等の諸
因子を考慮して適宜設定することが望ましい。例えば、
0℃〜200℃の間で好適な温度の設定を行なうことがで
き、室温〜100℃程度ならば実用的にも好適な温度設定
を行なうことができる。また重合圧力としては減圧下で
も加圧下でも良く、実用的には常圧〜100気圧程度、更
には常圧〜50気圧程度でも好適は重合を実施できる。
本発明の環化重合方法は、上記特定の含フッ素単量体
の一種の単独重合に適用できると共に、二種以上の共重
合あるいはその他の単量体との共重合にも適用され得
る。而して、上記特定の含フッ素単量体と共重合せしめ
る他の単量体としては、ラジカル重合性を有するモノマ
ーであれば特に限定されずに、含フッ素系、炭化水素系
その他が広範囲にわたって例示され得る。当然のことで
あるが、これら他の単量体は一種単独で特定の含フッ素
単量体とラジカル共重合せしめても良く、あるいは適宜
の2種類以上を併用して上記共重合反応を行なわせても
良い。本発明においては、特定の含フッ素単量体の特性
を最大限に生かすために、通常は他の単量体としてフル
オロオレフィン、フルオロビニルエーテルなどの含フッ
素系モノマーを選定するのが望ましい。例えば、テトラ
フルオロエチレン、パーフルオロメチルビニルエーテ
ル、パーフルオロプロピルビニルエーテルあるいはカル
ボン酸基やスルホン酸基の如き官能基を含有するパーフ
ルオロビニルエーテルなどは好適な具体例であり、弗化
ビニリデン、弗化ビニル、クロロトリフルオロエチレン
なども例示され得る。
本発明においては、特定の含フッ素単量体と他の単量
体を共重合する場合、特定の含フッ素単量体の共重合割
合についても特に限定される理由はないが、主鎖に環構
造を導入して後述の如き種々の性能を改善するという観
点から、通常は他の単量体に対して仕込み組成で0.1モ
ル%以上が採用される。
本発明で得られる含フッ素重合体は、主鎖に環構造を
有していることから、非晶質で透明で溶媒可溶な重合体
でありながら、高い化学的安定性や耐熱性などを備えて
いる。また、低屈折率、高い光線透過率、高He選択透過
性なども備えている。さらに、本発明の含フッ素重合体
は、従来の含フッ素重合体では達成困難であったような
超薄膜化をピンホールなどの欠陥のない状態で達成可能
である。これらの特性から本発明含フッ素重合体の有用
性を示す具体的な応用分野としては、例えば、透明なコ
ーティング用材料、塗料用材料、絶縁フィルム用材料、
耐候フィルム用材料、光学材料、分離膜用材料などが挙
げられる。
本発明において特定の含フッ素単量体と他の単量体と
の共重合では、例えば、CF2=CF2と共重合させた場合、
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略記する)
と比較して結晶性を下げることができる。したがって、
この共重合体は溶融成形が可能になり、透明性も向上す
る。また環状部分の組成を高くすると、溶融可能になり
キャスト成膜も可能となる。つまり得られるテトラフル
オロエチレンとの共重合体はPTFEより成形が容易となる
ため、PTFEと同等のフッ素樹脂としての性能をもつ各種
成形体に用いることができる。さらに透明性やキャスト
成膜法を利用した各種コーティング材、電子部材、光学
部材等に用いることができる。
CF2=CH2と共重合させた場合、弗化ビニリデン単独重
合体(以下、PVdFと略記する)と比較して結晶性を下げ
たり、結晶粒径を小さくし、透明性が向上する。また屈
折率も下げることができ、PVdFの特徴の1つでもある高
い強度物性も下げることなく、フッ素含量を増やすこと
ができる。したがって、この共重合体は現在PVdFが用い
られている分野すべてに応用可能で、特に屈折率を下げ
透明性が向上するためつり糸などには好適である。さら
に、透明な誘電体として電子部材、光学部材に用いるこ
ともできる。また溶融成形、キャスト成膜も可能でフッ
素含量も高いため、PVdFよりも耐候性、耐溶剤性、耐熱
性、化学的安定性に優れた各種成形体、各種コーティン
グ材を提供することができる。
以上のように、従来知られている含フッ素系モノマー
と特定の含フッ素単量体を共重合させると、結晶性を下
げたり結晶粒径を小さくすることができ、透明性が向上
し、溶融成形が可能になる。また弾性率等の機械的強度
も高くなる。さらには、特定の含フッ素単量体組成を高
くすると溶媒可能になるなど含フッ素ポリマーの欠点で
ある不透明性、成形性、機械的強度などを改善すること
ができる。
炭化水素系モノマーと共重合させた場合、この共重合
体は、炭化水素系やPTFE、PVdFの如き含フッ素系の共重
合体と比較して、炭化水素系ポリマーとしての性能を下
げることなくフッ素系ポリマーの特徴を付与することが
できる。この理由は明らかではないが、フッ素部分が環
状構造を示し結晶を作らないためであると考えられる。
その他、本発明により得られる含フッ素重合体は、含
フッ素の環状構造を導入可能なため気体の分離性能も高
くガス分離膜用素材などとして用いることができる。
[作用] 本発明において、特定の含フッ素単量体を使用するこ
とにより環化重合に超高圧条件や高希釈条件の採用を必
要としなくなった機構は必ずしも明確でないが、適当な
長さの連結鎖、特にC−O−C結合はフレキシブルであ
るので二つの多重結合が分子内で近付くのが容易になっ
て、低い圧力下でも環化重合が進行すると考えられ、ま
た上記連結鎖を介して結合した二つの多重結合の重合反
応性に差異があるので交互重合性が増して、高い希釈条
件を採用しなくても重合反応中のゲル化の副生を抑制で
きるものと考えられる。なお、かかる説明は本発明の理
解の助けとするものであり、本発明を何ら限定するもの
でないことは勿論である。
[実施例] 次に、本発明の実施例について更に具体的に説明する
が、かかる説明によって本発明が何ら限定されるもので
ないことは勿論である。
実施例1 パーフルオロアリルビニルエーテルの30g及び重合開
始剤ジイソプロピルパーオキシジガーボネート(以下、
IPPと略記する)の0.3gを100ccの硝子コルベンに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後に25℃で16時間重合し
た。重合中の圧力は大気圧よりも低かった。重合の結
果、重合体を4.5g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F NMRスペクトルを測定したところ、
以下の繰り返し構造を示すスペクトルが得られた。
この重合体の固有粘度[η]は、フロリナートFC−75
(商品名:3M社製のパーフルオロ(2−ブチルテトラヒ
ドロフラン)を主成分とした液体、以下、FC−75と略記
する)中30℃で0.50であり、重合度の高いことが判っ
た。
重合体のガラス転移点は69℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は462℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であり、屈折率は1.34と低く、光線透
過率は95%と高かった。
この重合体の各種の気体の透過係数を測定した。以下
に測定結果と透過係数比を示す。
実施例2 パーフルオロアリルビニルエーテルの10g、トリクロ
ロトリフルオロエタン(以下、R−113と略記する)の1
0gと重合開始剤IPPの10mgを50ccの硝子コルベンに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後に40℃で14時間重合し
た。重合中の圧力は大気圧よりも低かった。重合の結
果、重合体を6.1g得た。
この重合体の固有粘度[η]はFC−75中30℃で0.37で
あり、高分子量重合体であることがわかった。得られた
重合体は、19F NMRスペクトルから実施例1と同様の重
合体であることがわかった。
実施例3 パーフルオロアリルビニルエーテルの30g及び重合開
始剤 の10mgを50ccの硝子コルベンに入れた。凍結脱気を2回
繰り返した後に30℃で16時間重合した。重合中の圧力は
大気圧よりも低かった。重合の結果、重合体を16g得
た。
この重合体の固有粘度[η]はFC−75中30℃で0.505
であった。
合成例1(CF2=CFOCF2CF2CH=CH2の合成) CF2=CFOCF2CF2Brと塩素ガスとの反応により、ビニル
基が保護された塩素付加体(CF2ClCFClOCF2CF2Br)を合
成した。オートクレーブ中で該塩素付加体とエチレンと
をラジカル開始剤の存在下に反応させ、エチレンが1モ
ル付加したエチレン付加体(CF2ClCFClOCF2CF2CH2CH2B
r)を合成した。
次に、該エチレン付加体をKOH/エタノール溶液で処理
して脱HBrを行ない、さらにZn/ジオキサンで脱Cl2を行
ない、沸点72〜73℃のCF2=CFOCF2CF2CH=CH2を得た。
該含フッ素単量体の構造決定は19F NMR及び1H NMRで行
なって確認した。
実施例4 上記合成例1で得られたCF2=CFOCF2CF2CH=CH2の40g
及びR−113の20gを窒素置換した三ツ口フラスコに入
れ、重合開始剤として の10mgを加え、さらに系内を窒素置換した後に、18℃で
5時間重合した。その結果、重合体を30g得た。この重
合体はR−113に溶解するポリマーであり、メタキシレ
ンヘキサフルオライド中30℃での固有粘度[η]は0.96
であった。19F NMR及び1H NMRにより、以下の繰り返し
構造を有する環化重合体であることを確認した。
実施例5 パーフルオロアリルビニルエーテルの5g、R−113の1
5gと重合開始剤 5wt%R−113溶液の80mgを100mlの耐圧ガラス製アンプ
ルに入れた。凍結脱気を3回繰り返した後にCF2=CF2
0.5g仕込んだ。インキュベーターで振とうさせながら30
℃で6時間重合を行なった結果、1.5gの固体が得られ
た。
得られた固体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F NM
Rスペクトルにより構造を確認した。その結果、得られ
た重合体は、 のような環状構造単位とテトラフルオロエチレン単位と
の共重合体であり、a/bのモル比が1/0.52であることが
わかった。また、この共重合体のFC−75中30℃での固有
粘度[η]は0.425であった。
実施例6 パーフルオロアリルビニルエーテルの5g、R−113の1
5gと重合開始剤 5wt%R−113溶液の50mgを100mlの耐圧ガラス製アンプ
ルに入れた。凍結脱気を3回繰り返した後にCF2=CF2
0.5g仕込んだ。30℃で45分間重合を行なった結果、1.8g
の白色粉体が得られた。得られた固体は19F NMRスペク
トルより実施例5と同様な共重合体であることがわかっ
た。
実施例7 パーフルオロアリルビニルエーテルの5g、純水の25
g、C8F17CO2NH4の0.09g、NaH2PO4の0.073g、過硫酸アン
モニウムの0.0132gを100mlの耐圧ガラス製アンプルに入
れた。系内を充分窒素ガスで置換した後に、CF2=CF2
0.5g仕込んだ。60℃で16時間、インキュベーターで振と
うさせながら重合を行なった結果、2.5gの固体が得られ
た。
得られた固体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F NM
Rスペクトルにより構造を確認した。また、この共重合
体のFC−75中30℃の固有粘度[η]は0.30であった。
実施例8 パーフルオロアリルビニルエーテルの20g、R−113の
60gと重合開始剤ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ートの20mgを200mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
実施例5と同様にしてCF2=CH2を仕込み、同様の条件で
4時間30分重合を行なった結果、アセトンに可溶な固体
が12.3g得られた。
実施例9 パーフルオロアリルビニルエーテルの5gとパーフルオ
ロプロピルパーフルオロビニルエーテルの8.74gと2,2′
−アゾビスイソブチロニトリルの5gを100ml耐圧ガラス
製アンプルに入れた。凍結脱気を3回繰り返した後、60
℃で16時間、インキュベーターで振とうさせながら重合
を行なった結果、0.9gの固体が得られた。
合成例2(CF2=CFCF2CF2CH=CH2の合成) CF2ClCFClCF2CF2CH2CH2I(特開昭60−64940号公報記
載の方法に準じて合成した)の250gを、KOH/エタノール
溶液で処理して脱HIを行ない、更にZn/ジオキサンで脱C
l2を行ない、沸点66℃のCF2=CFCF2CF2CH=CH2の100gを
得た。該含フッ素単量体の構造決定は19F NMR及び1H NM
Rで行なって確認した。
合成例3(CH2=CH(CF24CH=CH2の合成) 公知の方法でα,ω−ジョードパーフルオロブタンか
ら2工程(エチレン付加反応及び脱HI反応)の反応によ
りCH2=CH(CF24CH=CH2を合成した。
実施例10 上記合成例2で得たCF2=CFCF2CF2CH=CH2の21g及び
R−113の38gを窒素置換した三ツ口フラスコに入れ、重
合開始剤として の15mgを加え、更に系内を窒素置換した後に、20℃で12
時間重合した。その結果、重合体を14g得た。この重合
体はテトラヒドロフラン(以下、THFと略記する)に溶
解するポリマーであり、THF中30℃での固有粘度[η]
は0.62gであった。
比較例 実施例10におけるCF2=CFCF2CF2CH=CH2の代りに上記
合成例3で得たCH2=CH(CF24CH=CH2の25.4gを用い
る他は実施例10と同様の方法で重合した。重合反応12時
間後では高分子重合体は得られなかった。
合成例4(CF2=CFOCF2CF2CF=CF2の合成) CF2ClCFClCF2COFの2000gを、フッ化セシウム存在下に
ヘキサフルオロプロピレンオキシドと反応させ、更に水
酸化カリウムを用いてカリウム塩に変換した後、熱分解
することにより、生成物としてCF2ClCFClCF2CF2OCF=CF
2を得た。次いで、この生成物をZn/ジオキサンと反応さ
せて脱Cl2を行ない、沸点64℃のCF2=CFCF2CF2OCF=CF2
を300g得た。該含フッ素単量体の構造決定は19F NMRで
行なって確認した。
実施例11 上記合成例4で得たCF2=CFOCF2CF2CF=CF2の5.42g及
び重合開始剤 の10mgを、内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で48時間重合し
た。重合反応中の圧力は、大気圧よりも低かった。その
結果、重合体2.22gを得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解して19F NMRスペクトルを測定したとこ
ろ、以下の繰り返し構造を示すスペクトルが得られた。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.55
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転移点は108℃であり、室温ではタフ
で透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温
度は457℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、こ
の重合体は無色透明であり、屈折率は1.34と低く、光線
透過率は95%と高かった。
実施例12 パーフルオロアリルビニルエーテルの5g、パーフルオ
ロブテニルビニルエーテルの5g及び重合開始剤 の10mgを40ccの水が入った内容積60mlのガラス製反応器
に入れた。凍結脱気を2回繰り返した後、撹拌しながら
25℃で24時間重合した。重合反応中の圧力は大気圧より
も低かった。その結果、重合体を5.5g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F NMRスペクトルを測定しその構造を
確認した。その結果、得られた重合体は、 のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロアリルビニルエーテルから誘導される環構造単位
が54重量%あることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.44
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転移点は91℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は435℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であり、屈折率は1.34と低く、光線透
過率は95%と高かった。
実施例13 合成例4で得たパーフルオロブテニルビニルエーテル
の20g及び重合開始剤 の40mgを内容積200mlの耐圧ガラス製アンプルに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後に、CF2=CFClを1.0g
仕込んだ。インキュベータで振とうさせながら25℃で10
時間重合した。その結果、重合体を4.5g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F NMRスペクトルを測定しその構造を
確認した。その結果、得られた重合体は、 及びCF2−CFCl のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロブテニルビニルエーテルから誘導される環構造単
位が84重量%あることがわかった。この重合体の固有粘
度[η]は、FC−75中30℃で0.43であり、重合度の高い
ことが判った。
重合体は室温ではタフで透明な重合体である。また、
10%熱分解温度は421℃であり、熱的安定性が高かっ
た。さらに、この重合体はFC−75/R−113混合溶媒にも
溶解した。
実施例14 合成例4で得たパーフルオロブテニルビニルエーテル
の20g及び重合開始剤 の20mgを内容積200mlの耐圧ガラス製アンプルに入れ
た。凍結脱気を2回繰り返した後に、CF2=CF2を0.5g仕
込んだ。インキュベータで振とうさせながら25℃で5時
間重合した。その結果、重合体を5.8g得た。
この重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、モノマーにあった二重結合に起因する1790cm-1付近
の吸収はなかった。また、この重合体をパーフルオロベ
ンゼンに溶解し19F NMRスペクトルを測定しその構造を
確認した。その結果、得られた重合体は、 及び CF2−CF2 のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロブテニルビニルエーテルから誘導される環構造単
位が94重量%あることがわかった。この重合体の固有粘
度[η]は、FC−75中30℃で0.53であり、重合度の高い
ことが判った。
重合体は室温ではタフで透明な重合体である。
実施例15 パーフルオロアリルビニルエーテルの9g、CF2=CF−
O−CF2CF2CF2COOCH3の1g及び重合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で24時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を3.55g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロブテニルビニルエーテルから誘導される環構造単
位が93重量%あることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.53
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転移点は64℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は430℃であり、熱的安定性が高かった。さらに、この
重合体は無色透明であった。
実施例16 パーフルオロアリルビニルエーテルの40g、CF2=CF−
O−CF2CF2CF2COOCH3の5g及び重合開始剤ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネートの10mgを内容積100mlの耐
圧ガラス製アンプルに入れた。凍結脱気を2回繰り返し
た後に、CF2=CF2を5g仕込んだ。インキュベータで振と
うさせながら30℃で72時間重合した。その結果、重合体
を11.8g得た この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F NMR
スペクトルを測定したその構造を確認した。その結果、
得られた重合体は、 及びCF2−CF2 のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロアリルビニルエーテルから誘導される環構造単位
が82重量%あることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.42
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転移点は58℃であり、室温ではタフで
透明な重合体である。また、10%熱分解温度では421℃
であり、熱的安定性が高かった。さらに、この重合体は
無色透明であった。
実施例17 パーフルオロブテニルビニルエーテルの8g、CF2=CFO
CF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fの1g及び重合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で24時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を3.8g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロブテニルビニルエーテルから誘導される環構造単
位が94重量%あることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.38
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転移点は92℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。この重合体は無色透明
であり、ガラスとの密着性は良好であった。
実施例18 パーフルオロアリルビニルエーテルの8g、CF2=CF−
O−CF2CF2CF3の2g及び重合開始剤 の10mgを内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。
凍結脱気を2回繰り返した後、25℃で24時間重合した。
重合反応中の圧力は大気圧よりも低かった。その結果、
重合体を1.85g得た。
この重合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19F NMR
スペクトルを測定しその構造を確認した。その結果、得
られた重合体は、 のような繰り返し構造を有する共重合体であり、パーフ
ルオロアリルビニルエーテルから誘導される環構造単位
が89重量%あることがわかった。
この重合体の固有粘度[η]は、FC−75中30℃で0.35
であり、重合度の高いことが判った。
重合体のガラス転移点は61℃であり、室温ではタフで
透明なガラス状の重合体である。また、10%熱分解温度
は415℃であり、熱的安定性が高かった。さらにこの重
合体は無色透明であり、伸度が25℃において250%であ
った。
[発明の効果] 本発明は、特定の含フッ素単量体を重合成分として採
用することにより、重合体主鎖に環構造を有する含フッ
素重合体を円滑有利に製造し得るという優れた効果を有
し、特に直鎖状モノマーから超高圧条件や高希釈条件な
どを採用することなく環化重合するという効果を有す
る。また特定分子構造の単量体の採用により重合反応中
でのゲル化の副生を抑制するという効果も認められる。
さらに、本発明においては、各種ポリマー主鎖に環構
造、特に含フッ素環構造を導入できることから、得られ
る含フッ素重合体に種々の優秀且つ有用な特性を付与し
得るという効果もある。すなわち、本発明により得られ
る主鎖に環構造を有する含フッ素重合体は、含フッ素重
合体としての優れた特性、例えば耐熱性、化学的安定性
などを備えながら、非晶質で透明で溶媒可溶の重合体で
あり、このような特性から、ピンホールなど欠陥のない
超薄膜化が可能であるという効果も認められ、光学材
料、コーティング材料、分離膜素材などへの用途範囲拡
大という利点もある。また、例えばPTFEその他の含フッ
素ポリマーに適用することにより、本来の含フッ素ポリ
マーの耐熱性、化学安定性、電気特性などを損なうこと
なく、非結晶性、透明性、溶剤可溶性などの有用な性質
を付与し得るし、超薄膜化をも可能とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/54 MNF C08F 20/54 MNF 20/58 MNG 20/58 MNG 36/20 MPL 36/20 MPL (72)発明者 鮫島 俊一 東京都中野区中央2―49―15 (72)発明者 神庭 基 神奈川県横浜市神奈川区三枚町543 (56)参考文献 特開 昭60−238330(JP,A) 特開 昭63−238115(JP,A) 特開 昭62−26240(JP,A) 特開 昭63−261204(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性の異なる炭素−炭素多重結合を二つ
    有し、左右非対称であり、かつフッ素含有率が10重量%
    以上である含フッ素単量体であって、前記多重結合が連
    結鎖により結合され、その連結鎖においてその連結に直
    接関与する原子数が2〜7個である含フッ素単量体を環
    化重合せしめ、主鎖に環構造を有する重合体を得ること
    を特徴とする環化重合方法。
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