JPH072819B2 - フルオロビニルエーテルを含む共重合体 - Google Patents

フルオロビニルエーテルを含む共重合体

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JPH072819B2
JPH072819B2 JP14728292A JP14728292A JPH072819B2 JP H072819 B2 JPH072819 B2 JP H072819B2 JP 14728292 A JP14728292 A JP 14728292A JP 14728292 A JP14728292 A JP 14728292A JP H072819 B2 JPH072819 B2 JP H072819B2
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acid
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正彦 岡
雄司 由谷
正康 友田
充 岸根
哲男 清水
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Daikin Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロビニルエーテ
ルを含む共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】フルオロオレフィンと他のフルオロオレ
フィンまたはフッ素不含有オレフィンとの共重合によっ
て、共重合体中のフルオロオレフィンおよび他のモノマ
ーの種類および割合に応じて、樹脂状からエラストマー
状まで種々の共重合体が得られる。この共重合体は、機
械部品類、たとえば、O−リング、フランジシール、ガ
スケットストック、ポンプダイヤフラムおよびライナー
に成形でき、熱および腐食性流体に対する特別な抵抗性
が必要な場合に特に有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
特性が改良された重合体、特に弾性重合体を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、式: XCH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)mOCF=CF2 (I) [式中、Xはフッ素、およびmは0〜5の整数を表す。]で
示されるフルオロビニルエーテルから誘導された繰り返
し、およびエチレン性不飽和化合物の少なくとも1種か
ら誘導された繰り返し単位から成り、フルオロビニルエ
ーテル(I)の量がエチレン性不飽和化合物のモル数に
対して5〜60モル%であり、メチルエチルケトンを溶
媒として用いて35℃で測定した固有粘度が0.2〜1.
8である共重合体に存する。
【0005】フルオロビニルエーテル(I)は、特開昭6
0−137928号または特開昭60−136536号
に記載された方法により製造される対応する酸フルオラ
イドから誘導することができる。一般的に、対応する酸
フルオライドから以下のようにしてフルオロビニルエー
テル(I)を製造できる。
【0006】まず、式: XCH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)mOC(CF3)F-COF [式中、Xおよびmは前記と同意義である。]で示される
アシルフルオライドをメタノールなどの低級アルコール
と反応させ、式: XCH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)mOC(CF3)F-COOCH3 [式中、Xおよびmは前記と同意義である。]で示される
エステルを得る。次いで、得られたエステルを水酸化ナ
トリウムなどの水酸化アルカリ(MOH)と反応させ、
式: XCH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)mOC(CF3)F-COOM [式中、Xおよびmは前記と同意義である。]で示される
塩を生成し、これを減圧下でまたは窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下で150〜250℃に加熱してフルオロビニ
ルエーテル(I)を得る。
【0007】フルオロビニルエーテル(I)と共重合する
エチレン性不飽和化合物は、既知のモノマーのいずれで
もよい。エチレン性不飽和化合物には、フッ素不含有エ
チレン性不飽和化合物であるエチレン、プロピレン、ブ
チレン、カルボン酸ビニルエステル(たとえば、酢酸ビ
ニル)、ビニルエーテル(たとえば、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル)、ビニルクロライド、ビニ
リデンクロライド、アクリル酸およびメタクリル酸、フ
ッ素含有エチレン性不飽和化合物であるテトラフルオロ
エチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオライ
ド、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピ
レン、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロシクロ
ブテン、パーフルオロ(メチルシクロプロピレン)、パー
フルオロアレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、パ
ーフルオロスチレン、パーフルオロアルキルビニルエー
テル類(たとえば、パーフルオロ(メチルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル))、パーフ
ルオロ(アルキルビニルポリエーテル)類、ポリフルオロ
アクリル酸、ポリフルオロビニル酢酸、ポリフルオロビ
ニルエーテルスルホン酸およびポリフルオロジエン類が
例示される。
【0008】共重合体中のフルオロビニルエーテル(I)
の量は、製造する共重合体の種類に応じて異なっていて
よい。一般に、フルオロビニルエーテル(I)の量は、他
のモノマーの合計モル数に対して5〜60モル%、好ま
しくは10〜50モル%である。
【0009】本発明の好ましい態様によれば、共重合体
は、ビニリデンフルオライドから誘導された繰り返し単
位20〜100モル%、 ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種
の他のエチレン性不飽和化合物から誘導された繰り返し
単位80〜0モル%、およびビニリデンフルオライドお
よび他のエチレン性不飽和化合物の合計モル数に対して
5〜60モル%のフルオロビニルエーテル(I)から誘導
された繰り返し単位から成る。フルオロビニルエーテル
(I)の量は、10〜50モル%であることが好ましい。
【0010】重合は、塊状、懸濁、溶液重合のほか、パ
ーフルオロ乳化剤の存在下に水溶性または油溶性パーオ
キサイドを用いる乳化重合などの形態により実施するこ
とができる。溶液重合に用いる溶媒としては、ジクロロ
ジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、クロロ
ジフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−
テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラクロロ−
1,2−ジフルオロエタン、パーフルオロシクロブタ
ン、パーフルオロジメチルシクロブタンなどの高度にフ
ッ素置換された溶媒が好ましく用いられる。
【0011】塊状、懸濁、溶液重合の形態では、一般に
有機系開始剤が使用できる。就中、最も好ましい開始剤
は、高度にフッ素化されたパーオキサイド類であり、 RfCO−O−O−CORf (ここで、Rfはパーフルオロアルキル基、ω−ヒドロパ
ーフルオロアルキル基またはパークロロフルオロアルキ
ル基である。)で示されるジアシルパーオキサイドが特
に好ましい。
【0012】分子量の調節は、連鎖移動剤の添加により
容易に行なうことができる。連鎖移動剤としては、炭素
数4〜6の炭化水素類、アルコール、エーテル、有機ハ
ロゲン化物 (たとえばCCl4、CBrCl3、CF2BrC
FBrCF3、CF22) などを有利に使用することがで
きる。フルオロカーボンよう化物 (たとえばCF22
I(CF2)4I、CF2=CFCF2CF2I) を連鎖移動
剤として使用する場合、よう素は分子末端に結合してな
おラジカル的に活性な状態であるため、トリアリルイソ
シアヌレート、トリアリルシアヌレートなどの多官能性
不飽和化合物の存在下にパーオキサイドをラジカル源と
するパーオキサイド加硫が可能となる利点がある。
【0013】重合温度は、開始剤の分解温度により決定
されるが、0〜130℃が望ましい。重合圧力は、通常
5〜50kg/cm2Gが望ましい。
【0014】本発明の共重合体は、種々の架橋源の存在
下に硬化させることができる。架橋源としては、放射線
(α線、β線、γ線、電子線、X線など)、紫外線などの
高エネルギー電磁波も用いることができるが、好ましく
は有機パーオキサイド化合物が用いられる。
【0015】有機パーオキサイド化合物の使用量は、共
重合体100重量部に対して0.05〜10重量部、好
ましくは1.0〜5重量部である。
【0016】有機パーオキサイド化合物としては、一般
には熱や酸化還元系の存在で容易にパーオキシラジカル
を発生するものがよく、たとえば1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドα,α'−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイ
ド、tーブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル
パーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネートなどを例示することができる。就中、
好ましいものは、ジアルキルタイプのものである。一般
に活性−O−O−の量、分解温度などを考慮してパーオ
キサイドの種類並びに使用量が選ばれる。
【0017】また、有機パーオキサイド化合物を用いる
ときは、架橋助剤もしくは共架橋剤を適宜併用すること
により著しい硬化がみられる。この架橋助剤または共架
橋剤は、パーオキシラジカルとポリマーラジカルとに対
して反応活性を有するものであれば原則的に有効であっ
て、特に種類は制限されない。好ましいものとしては、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテー
ト、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパ
ギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリ
ルテレフタールアミド、トリアリルホスフェートなどが
挙げられる。使用量は、共重合体100重量部に対して
0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜
5重量部の割合である。また、ブレンド共架橋すること
のできるものとして、シリコンオイル、シリコンゴム、
エチレン/酢酸ビニル共重合体、1,2−ポリブタジエ
ン、フルオロシリコンオイル、フルオロシリコンゴム、
フルオロホスファゼンゴム、ヘキサフルオロプロピレン
/エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピ
レン共重合体、さらにはラジカル反応性のある他の重合
体が用いられる。これらの使用量については、特に制限
はないが、本質的に本発明の共重合体の性質を損なう程
度まで多くするべきではない。
【0018】さらに、共重合体を着色するための顔料、
充填剤、補強剤などが用いられる。通常よく用いられる
充填剤または補強剤として、無機物ではカーボンブラッ
ク、TiO2、SiO2、クレー、タルクなどが、有機物で
はポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオ
ライド、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライ
ド共重合体などの含フッ素重合体が挙げられる。
【0019】これら硬化成分の混合手段としては、材料
の粘弾性や形態に応じて適当な方法が採用され、固体状
の場合は、通常のオープンロール、粉体ミキサーが用い
られる。液状の場合は、適宜通常のミキサーが用いられ
る。もちろん、固体状の成分を溶剤に溶解ないし分散さ
せて、分散混合することも可能である。
【0020】加硫温度および時間は、使用するパーオキ
サイドの種類に依存するが、通常、プレス加硫は120
〜200℃の温度で5〜30分行い、オーブン加硫は1
50〜250℃の温度で1〜24時間行う。
【0021】本発明の共重合体は、一般成形材料、シー
ラント、接着剤、塗料などとして、耐熱性、耐油性、耐
薬品性、耐溶剤性などの要求される箇所に有効に使用さ
れる。
【0022】フルオロビニルエーテル(I)は、それと他
のフルオロオレフィンと共重合することにより、共重合
体の側鎖の末端が極めて反応性に富む共重合体を生成し
うるが、たとえばテトラフルオロエチレンと共重合し、
その後高分子反応によって側鎖の末端をヒドロキシ基,
カルボキシル基, スルホン酸基などの親水基に変換する
ことも容易である。このような親水基を導入した共重合
体は耐熱・耐薬品性にすぐれたイオン交換膜として使用
可能であり、又、より一般的に親水性の隔膜・濾過膜・
分離膜としての応用が可能である。さらに生体適合材料
としても有用である。
【0023】
【発明の好ましい態様】以下に、参考例、実施例および
比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0024】参考例1 2,2,3-トリフルオロプロピオニルフルオライド(FC
2CF2COF)の製造 撹拌器,冷却器および滴下ロートのついた5lフラスコに
四塩化炭素360mlおよび塩化アルミニウム108g を
入れ内温を30〜35℃とした。撹拌を行いながら2,
2,3,3−テトラフルオロオキセタン1800gを滴下
ロートから2時間かけて滴下した。その後反応を完結さ
せるために塩化アルミニウム90gを3回に分け1.5
時間毎に30g づつ添加した。系内の温度を27〜29
℃に保って4時間撹拌を続けた後、蒸留により標記化合
物2,2,3-トリフルオロプロピオニルフルオライド 1
130gを得た。沸点23〜23.5℃。
【0025】参考例2 2,2,5,5,6,6,7−ヘプタフルオロ−4−オキサ−
ヘプタノイルフルオライド (FCH2CF2CF2OCH2
CF2COF)の製造 撹拌器、冷却器、滴下ロートのついた5lフラスコに、
参考例1で得た2,2,3−トリフルオロプロピオニルフ
ルオライド 1059g、クラウンエーテル5g、セシウ
ムフルオライド40g、モノグライム1000mlを入
れ、撹拌下15℃〜20℃で2,2,3,3−テトラフル
オロオキセタン1515gを3時間30分かけてゆっく
り滴下した。滴下終了後内温を15℃〜20℃に維持し
ながら5時間撹拌を続けた。次いで減圧下で反応液を蒸
留し、標記化合物2,2,5,5,6,6,7−ヘプタフルオ
ロ−4−オキサ−ヘプタノイルフルオライド 300gを
得た。沸点:62〜64℃(80mmHg)。
【0026】参考例3 2,2,5,5,6,6,9,9,10,10−デカフルオロ−
4,8−ジオキサ−ウンデカノイルフルオライド(FCH
2CF2CF2OCH2CF2CF2OCH2CF2COF )の
製造 参考例2と全く同様な操作を行って2,2,5,5,6,6,
9,9,10,10−デカフルオロ−4,8−ジオキサ−ウ
ンデカノイルフルオライド 264gを得た。沸点:23
℃(5mmHg)。
【0027】参考例4 パーフルオロ(6,6−ジハイドロ−3−オキサ-1-ヘキ
セン)(FCH2CF2CF2OCF=CF2)の製造 セシウムフルオライド88gおよびテトラグライム34ml
を含む3l 四つ口フラスコに、参考例1で得た2,2,3
−トリフルオロプロピオニルフルオライド 1055g
を加えた。撹拌下フラスコ内の温度を−10〜−15℃
に保ちながらドライアイス冷却器で還流する速度でボン
ベからヘキサフルオロプロピレンオキサイドを加えた。
反応開始から52時間後、ヘキサフルオロプロピレンオ
キサイドの添加を止め、氷水で冷却を行いながらメタノ
ール1324mlを加え、数回水洗を行い、蒸留によりF
CH2CF2CF2OC(CF3)FCOOCH3を分離し
た。 収量:804g、沸点: 138℃。
【0028】続いて、生成メチルエステルを2l フラス
コに入れフェノールフタレインをPH指示薬として60
〜70℃で10重量% NaOH/メタノール溶液により
ケン化反応を行った。若干ピンク色に着色した粘稠な溶
液から、減圧下でメタノールを留去し、100℃で恒量
に達するまで真空乾燥を行い、810g の固形物を得
た。
【0029】次にドライアイスで充分に冷却したトラッ
プと接続した3l フラスコにこの固形物をよく砕いて入
れ、窒素ガスで充分に置換した。5時間かけて150℃
から250℃に至るまで加熱を続けたところトラップ内
に542gの液体が溜まった。これを蒸留して標記化合
物パーフルオロ(6,6−ジハイドロ−3−オキサ−1−
ヘキセン)324gを得た。沸点: 61〜62℃。
【0030】参考例5 パーフルオロ(6,6,10,10−テトラハイドロ−3,7−
ジオキサ−1−デセン)(FCH2CF2CF2OCH2CF2
CF2OCF=CF2)の製造 参考例4と同様な方法により、参考例2で得た2,2,
5,5,6,6,7−ヘプタフルオロ−4−オキサ−ヘプタ
ノイルフルオライド 204gから標記化合物パーフルオ
ロ(6,6,10,10−テトラハイドロ−3,7−ジオキサ−
1−デセン) 65gを得た。沸点:44〜45℃(13mm
Hg)。
【0031】 参考例6パーフルオロ (6,6,10,10,14,14−
ヘキサハイドロ−3,7,11−トリオキサ−1−テトラ
デセン) (FCH2CF2CF2OCH2CF2CF2OCH2
CF2CF2OCF=CF2)の製造 参考例4と同様な方法により、参考例3で製造した2,
2,5,5,6,6,9,9,10,10−デカフルオロ−4,
8−ジオキサ−ウンデカノイルフルオライド 321gか
ら標記化合物パーフルオロ (6,6,10,10,14,1
4−ヘキサハイドロ−3,7,11−トリオキサ−1−テ
トラデセン) 54gを得た。沸点:88〜89℃(13mm
Hg)。
【0032】実施例1 バルブを備えた100ml容の耐圧ガラスアンプル中にF
CH2CF2CF2OCF=CF2 6.9g、1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン (以下、R−
113と略称する。) 10mlおよび2,4,5−トリクロ
ロパーフルオロヘキサノイルパーオキサイドのR−11
3溶液(濃度0.7g/ml) 0.5mlを仕込み、ドライアイ
ス/メタノール液で冷却した後、系内を窒素で置換し
た。次いでVdF6.8g を仕込み20±1℃で20分間
振とう下、反応させた。反応とともに系内ゲージ圧は反
応前の6.3kg/cm2から5.5kg/cm2まで低下した。未
反応モノマーを放出し、内容物をアセトンに溶かしてと
り出した後、純水中に放出して沈澱させ、共重合体を分
離した。恒量になるまで真空乾燥を行い、共重合体2.
2gを得た。この共重合体の組成比は、1H−NMR分析
からVdF:(FCH2CF2CF2OCF=CF2)=71.
8:28.2(モル比) であった。共重合体のガラス転移
温度は、走査熱量計(DSC)により測定したところ−3
0℃であり、良好な低温特性を示すことが分かった。共
重合体の固有粘度[η]は0.40であった(測定溶
媒:メチルエチルケトン(MEK)、温度:35℃)。
【0033】実施例2 バルブを備えた100ml容の耐圧ガラスアンプル中にF
(CH2CF2CF2O)2CF=CF2 10.8g、R−11
3 10ml および2,4,5−トリクロロパーフルオロヘ
キサノイルパーオキサイドのR−113溶液(0.44g
/ml) 0.5mlを仕込み、ドライアイス・メタノール液
で冷却した後、系内を窒素ガスで置換した。次いでVd
F5.7g を仕込み、20±1℃で35分間振とう下、
反応させた。反応が進むとともに系内ゲージ圧は反応前
の9.8kg/cm2から6.8kg/cm2まで低下した。未反応
モノマーを放出し、内容物をアセトンに溶かして取り出
した後、水中に放出して沈澱させ共重合体を分離した。
真空乾燥後の共重合体の重量は10.2gであった。この
共重合体の組成比は 1H-NHR分析からVdF:[F(C
2CF2CF2O)2CF=CF2]=72.8:27.2(モ
ル比)であり、共重合体のガラス転移温度は−30.5%
であった。共重合体の固有粘度は0.72であった(測
定溶媒:MEK、温度:35℃)。
【0034】実施例3 FCH2CF2CF2OCF=CF2に代えてF(CH2CF
2CF2O)3CF=CF2 14.7g を用い、反応時間を
23分間とする以外は実施例1と同様の手順で反応させ
ると、系内ゲージ圧は、9.8kg/cm2から8.0kg/cm2
まで変化した。真空乾燥後の共重合体量は16.2gで
あった。共重合体の組成モル比は、VdF:[F(CH2-C
2CF2O)3CF=CF2]=73.9:26.1、ガラス転
移温度は−42.0℃であった。固有粘度は0.79であ
った(測定溶媒:MEK、温度35℃)であった。
【0035】実施例4 VdFに代えてTFEを3.5g仕込み反応時間を1時間
とする以外は実施例1と同様の手順で反応させると、系
内ゲージ圧は2.2kg/cm2から1.8kg/cm2まで変化し
た。真空乾燥後の共重合体の重量は0.7gであった。共
重合体は弾性体であり、融点を観測しなかった。ガラス
転移温度は8.5℃であった。
【0036】実施例5〜9 VdFおよびFCH2CF2CF2OCF=CF2の仕込み
量を変え、さらにTFEを加える以外は実施例1と同様
の手順で反応させた。各々の場合の仕込み量、得られた
共重合体の重量、組成比、ガラス転移温度および固有粘
度(測定溶媒:MEK、温度:35℃)を表1に示す。
共重合体の組成モル比は1H−NMR及び19F−NMR
分析より求めた。表中、「FM」および「DLP」は、それ
ぞれ「F-CH2CF2CF2OCF=CF2」および「2,4,
5−トリクロロパーフルオロヘキサノイルパーオキサイ
ドのR−113溶液(濃度0.7g/ml)」を表す。
【0037】
【表1】 実施例 5 6 7 8 9 仕込みVdF(g) 0.6 1.8 5.5 0.5 1.4 TFE (g) 0.2 0.7 2.2 0.5 1.4 FM (g) 6.9 6.9 6.9 6.9 6.9 R-113 10 10 10 10 10 DLP (ml) 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 反応温度(℃) 20 20 20 20 20 反応時間(分) 30 20 15 30 20 共重合体 重量(g) 0.6 1.0 1.6 0.5 1.0 VdF (モル%) 47.9 51.7 57.9 35.6 42.0 TFE(モル%) 3.6 9.4 15.4 27.9 25.9 FM (モル%) 48.5 38.9 26.7 36.5 32.1 Tg (℃) −20 −33 −36.5 −44.5 −30 [η] − 0.53 0.61 − 0.58
【0038】実施例10 VdFに代えてエチレンを0.8g 仕込み反応時間を20
分間とする以外は実施例1と同様な手順で反応を行っ
た。系内のゲージ圧は7.2kg/cm2から6.7kg/cm2
まで変化した。真空乾燥後の共重合体の重量は0.8gで
あり、この共重合体の組成比はエチレン:(FCH2CF2
CF2OCF=CF2)=56.3:43.7 (モル比) であ
った。ガラス転移温度は−11℃であった。共重合体の
固有粘度は0.30であった(測定溶媒:MEK、温度
35℃)。
【0039】
【発明の効果】本発明の共重合体は、改良された低温特
性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 201/00 JAQ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: XCH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)mOCF=CF2 (I) [式中、Xはフッ素、およびmは0〜5の整数を表す。]で
    示されるフルオロビニルエーテルから誘導された繰り返
    し、およびエチレン性不飽和化合物の少なくとも1種か
    ら誘導された繰り返し単位から成り、フルオロビニルエ
    ーテル(I)の量がエチレン性不飽和化合物のモル数に
    対して5〜60モル%であり、メチルエチルケトンを溶
    媒として用いて35℃で測定した固有粘度が0.2〜1.
    8である共重合体。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和化合物が、エチレン、
    プロピレン、ブチレン、カルボン酸ビニルエステル、ビ
    ニルエーテル、ビニルクロライド、ビニリデンクロライ
    ド、アクリル酸、メタクリル酸、テトラフルオロエチレ
    ン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
    ン、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオライド、ヘ
    キサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、
    ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロシクロブテ
    ン、パーフルオロ(メチルシクロプロピレン)、パーフル
    オロアレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、パーフ
    ルオロスチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル
    類、パーフルオロ(アルキルビニルポリエーテル)類、ポ
    リフルオロアクリル酸、ポリフルオロビニル酢酸、ポリ
    フルオロビニルエーテルスルホン酸およびポリフルオロ
    ジエン類から成る群から選択されたものである請求項1
    記載の共重合体。
  3. 【請求項3】 ビニリデンフルオライドから誘導された
    繰り返し単位20〜100モル%、 ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種
    の他のエチレン性不飽和化合物から誘導された繰り返し
    単位80〜0モル%、およびビニリデンフルオライドお
    よび他のエチレン性不飽和化合物の合計モル数に対して
    5〜60モル%のフルオロビニルエーテル(I)から誘導
    された繰り返し単位から成る請求項1記載の共重合体。
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