JP4761826B2 - 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4761826B2
JP4761826B2 JP2005136690A JP2005136690A JP4761826B2 JP 4761826 B2 JP4761826 B2 JP 4761826B2 JP 2005136690 A JP2005136690 A JP 2005136690A JP 2005136690 A JP2005136690 A JP 2005136690A JP 4761826 B2 JP4761826 B2 JP 4761826B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
fluorine
compound represented
halogen atom
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005136690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006131613A (ja
Inventor
孝之 伊藤
祐士 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2005136690A priority Critical patent/JP4761826B2/ja
Priority to US11/242,801 priority patent/US7247757B2/en
Publication of JP2006131613A publication Critical patent/JP2006131613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4761826B2 publication Critical patent/JP4761826B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C43/00Ethers; Compounds having groups, groups or groups
    • C07C43/02Ethers
    • C07C43/03Ethers having all ether-oxygen atoms bound to acyclic carbon atoms
    • C07C43/14Unsaturated ethers
    • C07C43/17Unsaturated ethers containing halogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/18Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds
    • C07C41/22Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds by introduction of halogens; by substitution of halogen atoms by other halogen atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、含フッ素樹脂の原料として有用な含フッ素ビニルエーテル化合物、特にはペルフルオロビニルエーテル化合物の製造方法、並びに含フッ素ω−ビニルオキシ−1−アルケン化合物、特にはペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類の製造方法および新規なクロロペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)、特にはペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類およびその製造方法に関する。
含フッ素ビニルエーテル化合物、特にペルフルオロビニルエーテル化合物は、テトラフルオロエチレンとの共重合により、耐化学薬品性、耐熱性、低屈折率、低分子間相互作用等の性能に優れ、かつ、熱加工性に優れた樹脂を形成することができることから工業的に重要なモノマーである。
ペルフルオロビニルエーテル化合物の合成法として、ペルフルオロカルボン酸フルオリドとヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)との反応から得られるペルフルオロ(2‐アルコキシプロピオン酸)誘導体を熱分解する方法(式1)が知られている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
Figure 0004761826
しかしながら、ペルフルオロカルボン酸フルオリドとHFPOとの反応においては、オリゴマー化等の副反応が存在するため、所望のペルフルオロ(2‐アルコキシプロピオン酸)誘導体を収率良く製造することは困難である。この問題を解決する手段として、ペルフルオロアルキルハイポフルオリドと1,2‐ジクロロジフルオロエチレンとの反応で得られるペルフルオロジクロロエーテルを脱塩素する方法(式2)(例えば、特許文献4,5参照。)や、ペルフルオロアルキルメトキシドとテトラフルオロエチレンとの反応で得られるビニルエーテルを順次クロロ化、フッ素化、脱塩素する方法(式3)(例えば、特許文献6、非特許文献1参照。)等が知られている。
Figure 0004761826
しかし、(式2)の方法においては、ペルフルオロアルキルハイポフルオリドと1,2‐ジクロロジフルオロエチレンとの反応を極低温で行う必要があり、工業的な実施は困難である。また、(式3)の方法においては反応工程数が多い、反応に用いられるテトラフルオロエチレンは移動禁止物質でありその入手のためには各事業所内で製造する必要がある、また、取り扱いが容易ではない塩素ガスを使用する等の問題がある。さらに、(式1)〜(式3)の方法においては、いずれも原料のフルオロ化合物の入手性に制約があり、合成可能なペルフルオロビニルエーテルの構造には限界がある。
これらの問題を解決する手段として、所望のビニルエーテルを合成した後にクロロ化、フッ素化、脱塩素化を行う方法(式4)(例えば、非特許文献2参照。)や所望の2−アルコキシプロピオン酸誘導体を合成した後、フッ素化、熱分解を行う方法(式5、6)[非特許文献2、特許文献7など]が開示されており、これらの方法により、種々の構造を有するペルフルオロビニルエーテルの合成が可能となった。
Figure 0004761826
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)
しかし、(式4)の方法においては、ビニルエーテルの合成が必ずしも容易ではないという問題がある。すなわち、ビニルエーテルは(1)アルコールとアセチレンとの反応、(2)アセトアルデヒドジアルキルアセタールの熱分解、(3)2−ハロ−1−アルコキシエタンの脱ハロゲン化水素等によって調製することができるが、(1)では爆発危険性の高いアセチレンを使用する必要がある、(2)では300℃以上の高温が必要で収率も必ずしも良いとはいえない、(3)では2−ハロ−1−アルコキシエタンを収率よく調製するのが困難である等の問題がある。さらに、(式4)の方法においては、クロロ化後のジクロロエーテルが不安定、フッ素化の収率が必ずしも高くない等の問題がある。また、(式5)や(式6)の方法においては、2−ハロプロピオン酸を出発原料として、ペルハロビニルエーテルを得るまでに多工程を要する問題がある。
また、特許文献8には、下記(式7)で示すように、塩基性条件下トリクロロエチレンとアルコール類とを反応させて1,2-ジクロロビニルエーテル類を得、これをフッ素化することによりペルフルオロビニルエーテルの前駆体として用いるvic-ジクロロ構造を有する酸フルオリドの合成ルートが記載されている。しかし、この合成ルートで必要とされる出発原料のトリクロロエチレンは、化学物質審査規制法において第二種特定化学物質に指定される環境汚染物質であり、また、塩基性条件で爆発の危険もあるため、この合成ルートは工業的実施の方法としては望ましくない。
Figure 0004761826
以上のようにペルフルオロビニルエーテルの合成法は種々知られているが、それぞれ問題点を有しているのが現状であり、入手容易で環境にやさしい原料から簡便に、かつ多様な構造の化合物の合成に適用可能なペルフルオロビニルエーテル化合物の製造法の開発が強く望まれている。
一方、ペルフルオロ(4‐ビニルオキシ‐1‐ブテン)等のペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類はラジカル開始剤により環化重合して非晶質のペルフルオロ樹脂を形成することが知られている(例えば、非特許文献3)。これらのペルフルオロ樹脂は、テトラフルオロエチレン由来の従来型フッ素樹脂の特徴、すなわち、高耐熱性、高薬品耐性、低屈折率、低誘電率等の性能に加えて、溶媒に可溶で、紫外、可視、近赤外の幅広い波長領域において透明であることから、ペリクル、光ファイバー、反射防止膜等の高機能性光学材料として有用である。
ペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類は、例えば以下に示す、特許文献9に記載のペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)の合成ルート(式8)、特許文献10に記載のペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)の合成ルート(式9)、および特許文献11に記載のペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−プロペン)の合成ルート(式10)のような、含フッ素基礎原料の組み合わせにより合成することができるが、基礎原料が高価で取り扱い性が悪い、分子設計の自由度が極めて低い等の問題あった。
Figure 0004761826
これらの問題を解決する手段として、特許文献12および13には、それぞれ(式11)および(式12)に示す液相直接フッ素化反応を利用する方法が開示されている。この方法により、望みの骨格を有するペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類を合成することが可能となったが、(式11)の方法では工程数が多く、必ずしも効率的・経済的な方法とはいえなかった。また(式12)の方法では工程は大幅に削減されたものの、移動禁止物質であるテトラフルオロエチレンを使用する必要がある。
なお、上記式1〜7および下記式11,12中、Rfは含フッ素アルキル基を表す。
Figure 0004761826
Figure 0004761826
米国特許第3291843号明細書 米国特許第3321532号明細書 米国特許第3351619号明細書 欧州特許第201871号明細書 欧州特許第269933号明細書 米国特許第5350497号明細書 国際公開WO02/20445号パンフレット 特表2003−508374号公報 特開平1−143843号公報 特開平2−311436号公報 特開昭54−163507号公報 特開2001−240576号公報 特開2005−68044号公報 ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal ofOrganic Chemistry) Vol.59(1994)4332−4335 ジャーナル・オブ・フローリン・ケミストリー(Journal ofFluorine Chemistry) 112(2001)109−116 日本化学会誌、2001, No.12, 659−667
したがって、本発明の目的は、含フッ素樹脂の原料として有用な含フッ素ビニルエーテル化合物、特にはペルフルオロビニルエーテル化合物を、環境によりやさしく、入手容易で安全な原料から簡便に製造する方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、機能性光学材料の原料として有用な含フッ素ω−ビニルオキシ−1−アルケン化合物、特にはペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類を入手容易で安全な原料から短工程で簡便に製造する方法を提供することにある。また、本発明のさらに別の目的は、該製造法を用いることにより簡便に製造することが可能な新規な(クロロ置換)ペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため種々検討を重ねた結果、下記手段により達成されることを見出した。
(1)下記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物をフッ素化する工程および脱ハロゲン化する工程を有する含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法であって、該脱ハロゲン化する工程後に得られる含フッ素ビニルエーテル化合物が下記一般式(III−1)又は一般式(III−2)で表される化合物であることを特徴とする含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
Figure 0004761826
一般式(I−1)および一般式(I−2)中、Rは−L−CHClCH Clで表される基を表す。ここで、Lは置換基または不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表す。11はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。X21はフッ素原子以外のハロゲン原子、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。
一般式(III−1)および一般式(III−2)中、Rf”は、R中の少なくとも1つのC−H結合がC−F結合に変換された含フッ素アルキル基または該フッ素アルキル基を官能基変換もしくは脱ハロゲン化工程で変化させた基を表し、XaおよびXbは各々独立にハロゲン原子を表し、Xcはハロゲン原子を表す。
(2)前記フッ素化する工程において、ペルフルオロ化することを特徴とする(1)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(3)前記一般式(III−1)および(III−2)におけるRf”が−Lf−CF=CF であり、LfがL中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキレン鎖であることを特徴とする(1)または(2)に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(4)前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物において、X11およびX21が塩素原子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(5)前記フッ素化する工程が、前記一般式(I−1)で表される化合物をフッ素化して下記一般式(II−1)で表される化合物とする工程であり前記脱ハロゲン化する工程が、下記一般式(II’−1)で表される化合物を脱ハロゲン化して下記一般式(III−1)で表される化合物とする工程であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
Figure 0004761826
一般式(II−1)中、Rfは前記一般式(I−1)中のRのC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキル基を表し、X11はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(II’−1)中、Rf’は一般式(II−1)中のRfと同義または該Rfを官能基変換して得られる基を表し、X11はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(III−1)中、Rf”は一般式(II’−1)中のRf’と同義または該Rf’を脱ハロゲン化工程で変化させた基を表し、Xa、Xbは、一般式(II’−1)中のX12、X13またはX14由来のハロゲン原子を表す。
(6)一般式(I−1)、一般式(II−1)および一般式(II’−1)においてX11が塩素原子であることを特徴とする(5)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(7)一般式(I−1)、一般式(II−1)および一般式(II’−1)においてX12、X13、X14のいずれか1つが塩素原子、残りがフッ素原子であり、かつ一般式(III−1)においてXa、Xbがフッ素原子であることを特徴とする(5)または(6)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(8)一般式(I−1)、一般式(II−1)および一般式(II’−1)においてX12、X13、X14のいずれか2つが塩素原子、残りがフッ素原子であり、かつ一般式(III−1)においてXa、Xbの一方が塩素原子、もう一方がフッ素原子である(5)または(6)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(9)一般式(I−1)、一般式(II−1)および一般式(II’−1)においてX12、X13、X14がいずれもフッ素原子であり、かつ一般式(III−1)においてXa、Xbがフッ素原子である(5)または(6)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(10)一般式(I−1)、一般式(II−1)および一般式(II’−1)においてX12、X13、X14がいずれも塩素原子であり、かつ一般式(III−1)においてXa、Xbが塩素原子であることを特徴とする(5)または(6)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(11)前記一般式(I−1)で表される化合物が、下記一般式(IV−1)で表される化合物の塩素化により得られたものであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
Figure 0004761826
一般式(IV−1)中、Rは−L−CHClCH Clで表される基を表す。ここで、Lは置換基または不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表す。12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Mは水素原子、アンモニウムまたは金属を表す。
(12)前記フッ素化する工程が、前記一般式(I−2)で表される化合物をフッ素化して下記一般式(II−2)で表される化合物とする工程であり前記脱ハロゲン化する工程が、下記一般式(II’−2)で表される化合物を脱ハロゲン化して下記一般式(III−2)で表される化合物とする工程であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
Figure 0004761826
一般式(II−2)中、Rfは前記一般式(I−2)中のRのC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキル基を表し、X21はフッ素原子以外のハロゲン原子、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(II’−2)中、X21はフッ素原子以外のハロゲン原子、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rf’は一般式(II−2)中のRfと同義または該Rfを官能基変換して得られる基を表す。一般式(III−2)中、XcはX22またはX23由来のハロゲン原子を表し、Rf”は一般式(II’−2)中のRf’と同義または該Rf’を脱ハロゲン化工程で変化させた基を表す。
(13)X21=X22=Clであることを特徴とする(12)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(14)X23=Fであることを特徴とする(12)又は(13)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
(15)X23=Clであることを特徴とする(12)又は(13)項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法
(16)一般式(I)で表される化合物をフッ素化して一般式(II)で表される化合物とし、さらに、一般式(II)で表される化合物を脱ハロゲン化することによる一般式(III)で表される化合物の製造法。
Figure 0004761826
一般式(I)中、Lは置換基および不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表し、X31はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X32、X33、X34はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(II)中、Lfは一般式(I)におけるL中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキレン鎖を表し、X31、X32、X33、X34は一般式(I)におけるX31、X32、X33、X34とそれぞれ同義である。一般式(III)中、Lfは一般式(II)におけるLfと同義であり、Xa、XbはX32、X33またはX34由来のハロゲン原子を表す。
17)一般式(IV)で表される化合物をフッ素化して一般式(V)で表される化合物とし、さらに、一般式(V)で表される化合物を脱ハロゲン化することによる一般式(VI)で表される化合物の製造法。
Figure 0004761826
一般式(IV)中、Lは置換基および不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表し、X35はフッ素原子以外のハロゲン原子、X36、X37はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(V)中、Lfは一般式(IV)におけるL中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキレン鎖を表し、X35、X36、X37は一般式(IV)におけるX35、X36、X37とそれぞれ同義である。一般式(VI)中、Lfは一般式(V)におけるLfと同義であり、XcはX36またはX37由来のハロゲン原子を表す。
18)前記Lfが前記Lで表されるアルキレン鎖中の全てのC−H結合をC−F結合に変換したペルフルオロアルキレン鎖であることを特徴とする(16)項に記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
19)前記Lfが前記Lで表されるアルキレン鎖中の全てのC−H結合をC−F結合に変換したペルフルオロアルキレン鎖であることを特徴とする(17)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
20)一般式(I)および一般式(II)においてX31が塩素原子であることを特徴とする(16)または(18)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
21)一般式(I)および一般式(II)においてX32、X33、X34のいずれか1つが塩素原子、残りがフッ素原子であり、かつ一般式(III)においてXa、Xbがフッ素原子であることを特徴とする(16)、(18)または(20)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
22)一般式(I)および一般式(II)においてX32、X33、X34のいずれか2つが塩素原子、残りがフッ素原子であり、かつ一般式(III)においてXa、Xbの一方が塩素原子、もう一方がフッ素原子であることを特徴とする(16)、(18)または(20)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
23)一般式(I)および一般式(II)においてX32、X33、X34がいずれもフッ素原子であり、かつ一般式(III)においてXa、Xbがフッ素原子であることを特徴とする(16)、(18)または(20)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
24)一般式(I)および一般式(II)においてX32、X33、X34がいずれも塩素原子であり、かつ一般式(III)においてXa、Xbが塩素原子であることを特徴とする(16)、(18)または(20)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
25)X35=X36=Clであることを特徴とする(17)または(19)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
26)X37=Fであることを特徴とする(17)、(19)または(25)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
27)X37=Clであることを特徴とする(17)、(19)または(25)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
28)L=CH、Lf=CFであることを特徴とする(16)、(18)、(20)、(21)、(22)、(23)または(24)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
29)L=CH、Lf=CFであることを特徴とする(17)、(19)、(25)、(26)または(27)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
30)L=CHCH、Lf=CFCFであることを特徴とする(16)、(18)、(20)、(21)、(22)、(23)または(24)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
31)L=CHCH、Lf=CFCFであることを特徴とする(17)、(19)、(25)、(26)または(27)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
32)L=CHCHCH、Lf=CFCFCFであることを特徴とする(16)、(18)、(20)、(21)、(22)、(23)または(24)項記載の一般式(III)で表される化合物の製造法。
33)L=CHCHCH、Lf=CFCFCFであることを特徴とする(17)、(19)、(25)、(26)または(27)項記載の一般式(VI)で表される化合物の製造法。
(34)前記フッ素化する工程が、反応条件下でフッ素ガスと反応しない溶媒による液相中で、フッ素ガスを使用し、前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物を添加後に、ヘキサフルオロベンゼンをフッ素ガスとともに供給する工程であることを特徴とする(1)〜(33)のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
35)CClF=CFOCFCFCF=CFで表される化合物
36)CCl=CFOCFCFCF=CFで表される化合物。
37)CF=CFOCF(CFCF)CFCF=CFで表される化合物。
本発明の方法によれば、含フッ素樹脂の原料として有用な含フッ素ビニルエーテル化合物、特にはペルフルオロビニルエーテル化合物を安価で入手容易な原料から簡便に製造することができる。
また、本発明の方法によれば、機能性光学材料の原料として有用な含フッ素ω−ビニルオキシ−1−アルケン化合物、特にはペルフルオロ(ω−ビニルオキシ−1−アルケン)類を短工程で簡便に製造することができる。また、本発明により新規なクロロペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)を提供することができる。
まず、本発明の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法について詳細に説明する。
本発明の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法は下記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物を原料とし、この化合物をフッ素化する工程を有するものである。本発明においてフッ素化とは他の原子(水素原子等)をフッ素原子に置換すること、または、炭素−炭素不飽和結合にフッ素原子を付加させることを意味する。
Figure 0004761826
本発明において、化合物中の(大部分または全ての)C−H結合をC−F結合に変換する方法としては、三フッ化コバルトを用いる方法、電解槽中で、電気分解したフッ化水素をフッ素源としてフッ素化反応を行う方法(以下、電解フッ素化という。)および液相中でフッ素ガスを用いて直接フッ素化を行う方法(以下、液相直接フッ素化という。)等が知られており、本発明におけるフッ素化においてはこれらの反応を利用することができる。但し、三フッ化コバルトを用いる方法や電解フッ素化によるフッ素化反応は、異性化反応が起こる問題や、主鎖の切断や再結合反応が起こる問題があり、所望の化合物を純度良く得るのは困難なことから、本発明における化合物のフッ素化においては、液相直接フッ素化反応を用いるのがより好ましい。
本発明においてフッ素化は、好ましくはペルフルオロ化である。ここで、ペルフルオロ化とは化合物中の全てのC−H結合をC−F結合に変換し、また、炭素−炭素不飽和結合が存在する場合には飽和するまでFを付加させることを意味する。
本発明における液相直接フッ素化反応は、米国特許第5093432号明細書に記載されているのと同様な方法、すなわち、フッ素で飽和した溶媒中に、一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物及び窒素やヘリウム等の不活性ガスで希釈された理論量以上のフッ素ガスを同時に供給していく方法が好ましい。このとき一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物は溶媒で希釈して添加してもよいし、希釈しないでそのまま添加してもよい。
本発明において液相直接フッ素化反応に適した溶媒は、反応条件下フッ素ガスと反応しない溶媒、すなわちC−H結合及び、炭素−炭素不飽和結合を含まない溶媒であり、好ましくはペルフルオロアルカン類、または、塩素原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる1種類以上の原子を構造中に有するペルフルオロ化合物である。
このような溶媒の例としては、ペルフルオロアルカン化合物[FC−72(商品名、住友スリーエム社製)等)、ペルフルオロエーテル化合物[FC−75、FC−77(共に商品名、住友スリーエム社製)等)、ペルフルオロポリエーテル化合物[商品名:クライトックス(KrytoxR、デュポン(DuPont)社商標)、フォブリン(FomblinR、アウジモント(AUSIMONT)社商標)、ガルデン(GaldenR、アウジモント(AUSIMONT)社商標)、デムナム{ダイキン工業(株)}等)、クロロフルオロカーボン類(CFC−11、CFC−113等)、クロロフルオロポリエーテル化合物、ペルフルオロトリアルキルアミン化合物、不活性流体(商品名:フロリナート(FluorinertR)、3M社商標)等が挙げられる。
上記反応における、反応温度は好ましくは−78℃〜100℃であり、さらに好ましくは−50℃〜80℃であり、より好ましくは−20℃〜50℃である。反応圧力は常圧〜2MPaが好ましく、より好ましくは常圧である。
一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物の供給後、フッ素化がペルフルオロ化まで達していない場合には、必要により一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物以外のC−H及び/又は不飽和結合含有化合物をフッ素ガスとともに供給するか、または、フッ素ガスを供給しながら反応系に紫外線を照射することによりペルフルオロ化反応をより速やかに終了することができる。好ましいC−H及び/又は不飽和結合化合物としてはベンゼン、トルエン、ヘキサフルオロベンゼンなどが挙げられる。これらのC−H及び/又は不飽和結合化合物の添加量は、好ましくは一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物中の水素原子に対して0.1〜10モル%であり、より好ましくは0.1〜5モル%である。
フッ素化反応の進行とともにフッ化水素が副生するが、このフッ化水素を除去するには、反応系中にフッ化水素補足剤を共存させる、または、反応器ガス出口でフッ化水素補足剤と出口ガスを接触させるのが好ましい。フッ化水素補足剤としてはトリアルキルアミン等の有機塩基およびNaFやKF等のアルカリ金属フッ化物が挙げられ、より好ましくはNaFである。
反応系中にフッ化水素補足剤を共存させる場合、フッ化水素補足剤の量は、一般式(I−1)または一般式(I−2)で表される化合物中に存在する全水素原子量に対して1〜20倍モルが好ましく、1〜5倍モルがより好ましい。
また、本発明において、脱ハロゲン化する工程は、金属または金属含有還元剤を使用する公知の方法(例えば、米国特許第4533741号明細書、米国特許第4908461号明細書,特開平11−335309号公報、M.Hudlicky著、“有機フッ素化合物の化学”、Norwood、New
York、483−484(1992)等に記載の方法)により行うことができる。この工程により含フッ素ビニルエーテル化合物を形成できる。
好ましい金属としては亜鉛、マグネシウム、銅などが挙げられる。また、好ましい金属含有還元剤としてはTiCl/LiAlHが挙げられる。反応条件は一般的に隣接する2個の塩素原子を除去するほうが、隣接するフッ素原子と塩素原子をそれぞれ一つずつ除去するよりも穏和に進行する。
亜鉛、マグネシウム、銅などの金属を用いて還元を行う場合の好ましい溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エーテル、ジグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。また、反応を促進するためにギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸や、臭素やヨウ素等のハロゲン分子を添加してもよい。反応温度は使用する金属に依存するが、40〜160℃で行うのが好ましく、より好ましくは60〜120℃である。
TiCl/LiAlHを使用する場合の好ましい溶媒はジオキサン、テトラヒドロフラン、エーテル、ジグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒であり、反応温度は−10〜50℃、より好ましくは5〜25℃である。
以下に、一般式(I−1)で表される化合物を用いた本発明の好ましい態様について説明する。
一般式(I−1)中、Rは−L−CHClCH Clで表される基を表す。ここで、Lは置換基または不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表す。Lは、後述の一般式(I)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同じである。11はフッ素原子以外のハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表す。X11は好ましくは塩素原子であり、X12、X13、X14は好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
本発明においては、一般式(I−1)で表される化合物をフッ素化して一般式(II−1)で表される化合物とする工程、および一般式(II’−1)で表される化合物を脱ハロゲン化して一般式(III−1)で表される化合物とする工程を含むことが好ましい。一般式(II−1)中、Rfは上記R中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキル基を表し、X11、X12、X13、X14は上記と同義を表す。Rfは好ましくはR中の全てのC−H結合がC−F結合に変換された(R中に二重結合がある場合はFが付加して飽和した)ペルフルオロアルキル基を表す。一般式(II’−1)中、Rf’はRfと同義またはRfを官能基変換して得られる基を表し、X11、X12、X13、X14は上記と同義を表す。ここで官能基変換とは、アルキル鎖中に存在する置換基を他の態様に変換する反応(例えばエステル基の加水分解反応や熱分解反応等)であり、その内容については特に限定はなく、複数の変換反応の組み合わせであってもよい。一般式(III−1)中、Rf”はRf’と同義または脱ハロゲン化工程で変化せしめられた基を表し、Xa、XbはX12、X13またはX14由来のハロゲン原子を表す。
また、本発明においては、一般式(I−1)で表される化合物が、一般式(IV−1)で表される化合物の塩素化により得られたものであることが好ましい。一般式(IV−1)中、X12、X13、X14、Rは上記と同義を表し、Mは水素原子、アンモニウム(例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム)または金属(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、銅、銀等。金属の価数は任意であり、一般式(IV−1)以外の化学種との結合手を有していてもよい。)を表し、好ましくは水素原子である。
一般式(I−1)で表される化合物のフッ素化工程には、一般式(I−1)で表される化合物をフッ素化して一般式(II−1)で表される化合物とする工程が含まれ、好ましくは、一般式(I−1)で表される化合物をペルフルオロ化する工程である。
一般式(I−1)で表される化合物をフッ素化する場合に供給するフッ素量は、化合物(I−1)中のフッ素置換する水素原子に対して、0.9〜5.0当量とすることが好ましく、1.1〜2.0当量とすることがさらに好ましい。
次に一般式(IV−1)で表される化合物から一般式(I−1)で表される化合物に変換する方法について述べる。本工程はアルコール類を塩素化する際に用いられる一般的な塩素化剤を用いて行うことができる。好ましい塩素化剤としては、例えば、塩化水素、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、RP/CX(R:アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基)、RPCl(R:アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基)、RCOCl(R:アルキル基、アリール基)、オキザリルクロリド、RSOX(R:アルキル基、アリール基)、塩化化シアヌル等が挙げられる。これらの塩素化剤は、LiCl、NaCl、KCl、MgCl、CaCl、ZnCl、CuCl等の金属塩とともに用いてもよい。より好ましい塩素化剤としては、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、トリアルキルホスフィン/四塩化炭素等であり、さらに好ましくは塩化チオニルである。
これらの塩素化剤の使用量は、一般式(IV−1)で表される化合物に対して好ましくは0.5〜5当量であり、より好ましくは、0.8〜3当量であり、さらに好ましくは0.9〜1.5当量である。また、本反応は酸または塩基の存在下行ってもよい。用いることのできる酸としては、硫酸、塩酸、臭素酸、スルホン酸、アルキルまたはアリールスルホン酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。また、用いることのできる塩基としては、ピリジン、2−ピコリン、4−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DBU、DABCO等の有機塩基や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。これらを使用する場合、その使用量は一般式(IV−1)で表される化合物に対して好ましくは0.5〜5当量であり、より好ましくは、0.8〜3当量であり、さらに好ましくは0.9〜1.5当量である。
反応は無溶媒で行ってもよいが、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、酢酸エチル、酢酸プロピル、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトリトリル、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の溶媒を用いることもできる。
好ましい反応温度は、−30℃〜150℃であり、より好ましくは−10℃〜100℃であり、さらに好ましくは0℃〜80℃である。
反応時間は用いるハロゲン化剤、添化剤およびそれらの使用量、溶媒、反応温度等によって影響されるが、これらを適宜調節して5分〜72時間の間で行うのが好ましく、より好ましくは30分〜24時間であり、さらに好ましくは1時間〜6時間である。
尚、一般式(IV−1)で表される化合物はCClnF−nCHOで表されるアルデヒドとROHで表されるアルコールとの付加反応(例えば米国特許第2870219号参照)、CClnF−nC(OH)ORで表されるヘミアセタール(Rは炭素数1〜5のアルキル基を表す)とROHで表されるアルコールとのアルコール交換反応(例えばジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry) Vol.6(1941)831−833参照)およびCClnF−nCORで表されるエステル化合物の還元反応(例えばテトラヒドロン・レター(Tetrahedron Letter)Vol.39(1998)4071−4074)によって容易に合成することができる。このような合成法によって得られる一般式(IV−1)で表される化合物は必ずしも単離精製する必要はなく、反応系で生成させておいてそのまま塩素化工程を行ってもよい。
次に、一般式(I−2)で表される化合物を用いた本発明の好ましい態様について説明する。
一般式(I−2)中、Rは−L−CHClCH Clで表される基を表す。ここで、Lは置換基または不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表す。Lは、後述の一般式(IV)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同じである。21はフッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。X21、X22は好ましくは塩素原子であり、X23は好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
一般式(II−2)中、Rfは上記R中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキル基を表し、X21、X22およびX23は上記と同義である。Rfは好ましくはR中の全てのC−H結合がC−F結合に変換された(R中に二重結合がある場合はFが付加して飽和した)ペルフルオロアルキル基を表す。一般式(II’−2)中、X21、X22およびX23は上記と同義であり、Rf’はRfと同義またはRfを官能基変換して得られる基を表す。ここで官能基変換とは、Rf中の置換基を他の態様に変換する反応(例えばエステル基の加水分解反応や熱分解反応等)であり、その内容については特に限定はなく、複数の変換反応の組み合わせであってもよい。一般式(III−2)中、Xcは上記と同義であり、Rf”は上記と同義または脱ハロゲン化工程で変化せしめられた基を表す。
一般式(I−2)で表される化合物のフッ素化工程は、一般式(II−2)で表される化合物とする工程であり、好ましくは、一般式(I−2)で表される化合物をペルフルオロ化する工程である。
一般式(I−2)で表される化合物をフッ素化する場合に供給するフッ素量は、化合物(I−2)中のフッ素置換する水素原子に対して、0.9〜5.0当量とすることが好ましく、1.1〜2.0当量とすることがさらに好ましい。
尚、フッ素化工程の原料である一般式(I−2)で表される化合物は、例えば米国特許第2803665号およびジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(Journal of Organometaric Chemistry)71;1974;335−346に記載された下記の(式13)に示すような方法によって容易に合成することができる。
Figure 0004761826
上記式中、Xはハロゲン原子を表す。
脱ハロゲン化する工程は、好ましくは一般式(II’−2)で表される化合物を脱ハロゲン化する工程であり、この工程により一般式(III−2)で表される含フッ素ビニルエーテル化合物を形成できる。
本発明において、前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物は、一般式(I)又は一般式(IV)で表される化合物であることが好ましく、一般式(I)又は一般式(IV)で表される化合物をフッ素化して一般式(II)または(V)で表される化合物とし、さらに一般式(II)または(V)で表される化合物を脱ハロゲン化し一般式(III)または(VI)で表される含フッ素ビニルオキシ−1−アルケン化合物を製造することが好ましい。
一般式(I)中、Lは置換基および不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表し、好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のアルキレン鎖であり、鎖中に炭素−炭素二重結合や炭素−炭素三重結合を含んでいてもよい。Lは好ましくは、炭素数1〜10、より好ましくは1〜4の飽和アルキレン鎖[例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CHCH)CH−、−CHCH(CHCH)−]であり、特に好ましくは−CH−または−CHCH−である。X31はフッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表し、X32、X33、X34はそれぞれ独立にハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。X31は好ましくは塩素原子であり、X32、X33、X34は好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
Lに含まれる置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基で、例えばメチル、エチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル)、アリール基(好ましくは炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリール基で例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、ペンタフルオロフェニル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロカルボニル基(例えば、クロロカルボニル基、フルオロカルボニル基)、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ、トリフルオロメトキシ、ヘプタフルオロプロポキシ)、
アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−トリフルオロメチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から20の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基および炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基で、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、ヘプタフルオロプロピオニルオキシ、2,3,3−テトラフルオロ−(2−ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ、ペンタフルオロベンゾイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から20の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、ビス−(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から20の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ(好ましくは、炭素数7から20の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−ペンタフルオロフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは炭素数0から20の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から20の置換もしくは無置換のアニリノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ビス−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ、アニリノ、N−トリフルオロメチルアニリノ)、アシルアミノ基(好ましくは、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基で、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノで、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から20の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルアミノ、N−トリフルオロメチル−メトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から20の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から20の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基および炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基で、例えば、メチルスルホニルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ)、
メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、ペンタフルオロフェニルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から20の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ビス(2,2,2,−トリフルオロエチル)スルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル)、スルホ基、ハロスルホニル基(例えば、クロロスルホニル基、フルオロスルホニル基)、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から20の置換または無置換のアルキルスルフィニル基および炭素数6から20の置換または無置換のアリールスルフィニル基で、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から20の置換または無置換のアルキルスルホニル基および炭素数6から20の置換または無置換のアリールスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル)、
アシル基(炭素数1から20の置換または無置換のアルキルカルボニル基および炭素数7から20の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基で、例えば、アセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、ヘプタフルオロプロピオニル、ベンゾイル、ペンタフルオロベンゾイル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から20の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から20の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブトキシカルボニル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ビス(2,2,2,−トリフルオロエチル)カルバモイル)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)等が挙げられる。
これらの中で、より好ましい置換基としてはフッ素原子、塩素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、ハロカルボニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ハロスルホニル基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(II)中、Lfは一般式(I)におけるL中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキレン鎖を表し、X31、X32、X33、X34は一般式(I)におけるX31、X32、X33、X34とそれぞれ同義である。Lfは、好ましくはL中の全てのC−H結合がC−F結合に変換された(L中に二重結合がある場合はFが付加して飽和した)ペルフルオロアルキレン基を表す。
一般式(III)中、Lfは一般式(II)におけるLfと同義であり、X、XはX32、X33またはX34由来のハロゲン原子を表す。
一般式(IV)中、Lは一般式(I)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同一である。X35はフッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、X36、X37はそれぞれ独立にハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。X35、X36は好ましくは塩素原子であり、X37は好ましくは塩素原子またはフッ素原子である。
一般式(V)中、Lfは一般式(IV)におけるL中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキレン鎖を表し、X35、X36およびX37は一般式(IV)におけるX35、X36、X37とそれぞれ同義である。
一般式(VI)中、Lfは一般式(V)におけるLfと同義であり、XはX36またはX37由来のハロゲン原子を表す。
一般式(I)または一般式(IV)で表される化合物は、フッ素化され一般式(II)または(V)で表される化合物に変換される。
尚、一般式(I)および一般式(IV)で表される化合物は例えば、米国特許第2803665号明細書、テトラヒドロン・レター(Tetrahedron Letter) 42;40;2001;6987−6990、ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(Journal of Organometaric Chemistry) 71;1974;335−346、およびテトラヒドロン・レター(Tetrahedron Letter) Vol.39(1998)4071−4074等を参照して、以下のような方法によって容易に合成することができる。
Figure 0004761826
本発明の別の実施態様は、CClF=CFOCFCFCF=CF、CCl=CFOCFCFCF=CFおよびCF=CFOCF(CFCF)CFCF=CFで表される化合物である。CClF=CFOCFCFCF=CF、CClF=CFOCFCFCF=CFおよびCF=CFOCF(CFCF)CFCF=CFで表される化合物は、上述の製造方法により形成できる。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例
以下のスキームにしたがって1−(1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンを合成した。
Figure 0004761826
10−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカンの合成
無水トリフルオロ酢酸と3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカノールとの反応で得られたトリフルオロ酢酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエステル(18.3g)のテトラヒドロフラン(60ml)溶液にジイソブチルアルミニウムヒドリド(以下DIBALという)の1.0Mヘキサン溶液(34ml)を−70℃で滴下し、−70〜−50℃で2時間撹拌した。反応液を徐々に0℃まで昇温した後、1mol/L塩酸水(5ml)を添加し、その温度で5分撹拌した。酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて濃縮することにより粗2,2,2−トリフルオロ−1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシ)エタノールを得た。この粗アルコールをトルエン(50ml)に分散し、室温にて塩化チオニル(3.5ml)およびピリジン(4.0ml)を滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢エチ/ヘキサン=1/9)で精製することにより10−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカン(11.9g,63%)を得た。
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 5.64(q,J=3.3,1H)、4.30−4.20(m,1H)、3.98−3.88(m,1H)、2.62−2.43(m,2H)
1−(1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンの合成
250mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(商品名、住友スリーエム社製、175ml)を入れ、25℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、単にフッ素ガスと呼ぶ)を、100ml/minの速度で45分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら、10−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカン(9.16g、15.8mmol)を0.041ml/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(0.3g)のFC−72(10ml)溶液を0.083ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて蒸留することにより、1−(1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ)ペルフルオロデカン9.26g(87%,ガスクロマトグラフィーによる純度95.2%)を得た。
19F−NMR(282.24MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)−80.55(dd,J=23.42,9.60Hz,1F)、−81.45(t,J=9.74Hz,3F)、−83.24(ddt,J=144.56,23.42,9.60,1F)、−84.70(ddt,J=144.56,9.60,9.60,1F)、−86.25(s,3F)、−122.27(brs,8F)、−122.57(brs,2F)、−123.19(brs,2F)、−125.98(brs,2F)、−126.68(brs,2F)、b.p.=112℃/35mmHg
得られた1−(1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンは、特開平11-335309号公報に記載の方法と同様の方法により脱クロロフルオロ化することにより、ペルフルオロ(デシルビニルエーテル)に誘導することができる。
参考例
以下のスキームにしたがって1−(1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンを合成した。
Figure 0004761826
10−(1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカンの合成
クロロジフルオロ酢酸と3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカノールとのDCC縮合で得られたクロロジフルオロ酢酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエステル(18.8g)のテトラヒドロフラン(60ml)溶液にDIBALの1.0Mヘキサン溶液(34ml)を−70℃で滴下し、−70〜−60℃で2.5時間撹拌した。反応液を徐々に0℃まで昇温した後、1mol/L塩酸水(3ml)を添加し、その温度で5分撹拌した。酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて濃縮することにより粗2−クロロ−2,2,−ジフルオロ−1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシ)エタノールを得た。この粗アルコールをトルエン(50ml)に分散し、室温にて塩化チオニル(3.5ml)およびピリジン(4.0ml)を滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で精製することにより10−(1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカン(10.1g,52%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 5.64(dd,J=7.3,1.5,1H)、4.32−4.21(m,1H)、4.00−3.89(m,1H)、2.70−2.46(m,2H)
1−(1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンの合成
250mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(175ml)を入れ、25℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガスを100ml/minの速度で45分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら、10−(1,2−ジクロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカン(9.27g、15.5mmol)を0.042ml/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(0.38g)のFC−72(10ml)溶液を0.083ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて蒸留することにより、1−(1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエトキシ)ペルフルオロデカン7.48g(70%,ガスクロマトグラフィーによる純度78.1%,主な不純物は1−(1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ)ペルフルオロデカン)を得た。
19F−NMR(282.24MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)−71.20(d,J=5.93Hz,1F)、−71.30(d,J=7.90Hz,1F)、−77.20(dddd,J=23.42,9.74,7.90,5.93,1F)、−81.30(t,J=10.72,3F)、−82.69(ddt,J=144.05,23.42,9.60,1F)、−84.09(ddt,J=144.65,9.74,9.60,1F)、−122.29(brs,10F)、−123.21(brs,2F)、−125.93(brs,2F)、−126.64(brs,2F)、b.p.=110−120℃/28mmHg
得られた1−(1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエトキシ)ペルフルオロデカン後述の実施例4と同様の方法により脱塩素化することにより、ペルフルオロ(デシルビニルエーテル)に誘導することができる。
参考例
以下のスキームにしたがって1−(1,2,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンを合成した。
Figure 0004761826
10−(1,2,2−トリクロロ−2−フルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカンの合成
ジクロロフルオロ酢酸メチルと3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカノールとのエステル交換反応で得られたジクロロフルオロ酢酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエステル(13.6g)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液にDIBALの1.0Mヘキサン溶液(24ml)を−70℃で滴下し、−70〜−50℃で1時間撹拌した。反応液を徐々に0℃まで昇温した後、1mol/L塩酸水(5ml)を添加し、その温度で5分撹拌した。酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて濃縮することにより粗2,2−ジクロロ−2−フルオロ−1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシ)エタノールを得た。この粗アルコールをトルエン(40ml)に分散し、室温にて塩化チオニル(2.5ml)およびピリジン(2.8ml)を滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で精製することにより10−(1,2,2−トリクロロ−2−フルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカン(10.1g,72%)を得た。
1H NMR(CDCl3) 5.72(d,J=3.5,1H)、4.35−4.21(m,1H)、4.01−3.90(m,1H)、2.70−2.43(m,2H)
1−(1,2,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンの合成
250mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(175ml)を入れ、25℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガスを100ml/minの速度で45分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら、10−(1,2,2−トリクロロ−2− フルオロエトキシ)−1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘプタデカフルオロデカン(9.07g、14.78mmol)を0.044ml/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(0.57g)のFC−72(10ml)溶液を0.083ml/minの速度で添加した。フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて蒸留することにより、1−(1,2,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエトキシ)ペルフルオロデカン8.53g(82%,ガスクロマトグラフィーによる純度80.9%,主な不純物は1−(1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエトキシ)ペルフルオロデカン))を得た。
19F−NMR(282.24MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)−72.37(d,J=11.85,1F)、−74.18(ddd,J=22.44,11.85,8.75,1F)、−81.36(t,J=9.74,3F)、−83.12(ddt,J=143.66,22.44,9.97,1F)、−85.41(ddt,J=143.66,8.75,9.97,1F)、−122.26(brs,10F)、−123.20(brs,2F)、−125.90(brs,2F)、−126.64(brs,2F)、b.p.=107℃/5mmHg
得られた1−(1,2,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエトキシ)ペルフルオロデカンは、後述の実施例と同様の方法で脱塩素することにより、対応するビニルエーテル体(2−クロロ−1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロデシルオキシエテン)に誘導することができる。
実施例
以下のスキームにしたがってCClF=CFOCFCFCF=CFを合成した。
Figure 0004761826
化合物3の合成
3‐ブテン‐1‐オール(13.1g)にクロラール(25.5g)を10℃で滴下し、30分撹拌した。この溶液にトルエン(20ml)を加え、10℃で塩化チオニル(14.9ml)およびピリジン(18.2ml)を滴下し、室温で2時間30分撹拌した。固形分をろ過後、濾液を酢酸エチル/炭酸水素ナトリウムで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製することにより、化合物3(29.6g,72%)を得た。
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 5.91−5.75(m,1H)、5.78(s,1H)、5.17(d,J=17.5,1H)、5.11(d,J=9.0,1H)、4.08(dt,J=10.5,7.5,1H)、3.78(dt,J=10.5,7.5,1H)、2.48(dt,J=7.9,5.0,2H)
化合物4の合成
化合物3(25.1g)に5℃で塩素ガスをゆっくり(15℃を超えない程度に)、系が薄黄色に着色するまで吹き込んだ。窒素ガスを反応系が無色になるまで吹き込んだ後、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製することにより、化合物4(24.2g,75%)を得た。
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) [5.77(s),5.75(s),1H]、4.40−4.18(m,2H)、4.00−3.68(m,3H)、2.51−2.39(m,1H)、2.12−1.96(m,1H)
化合物5の合成
化合物4(15.4g)のエタノール(100ml)溶液に5℃でNaOH(3.0g)/水(20ml)溶液を滴下し、室温で3時間30分撹拌し、酢酸エチル(300ml)/水(300ml)に注加した。分液後、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製することにより、化合物5(8.3g,61%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 4.39−4.28(m,1H),4.28−4.12(m,2H),3.85(dd,J=16.8,7.6,1H)、3.72(dd,J=16.8,8.4,1H)、2.52−2.39(m,1H)、2.10−1.93(m,1H)
化合物6の合成
250mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(175ml)を入れ、0℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガス)を100ml/minの速度で45分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら化合物5(1.02g)およびヘキサン(0.021g)のトリクロロフルオロメタン(10ml)溶液を0.22ml/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(0.3g)のFC−72(10ml)溶液を0.083ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて濃縮することにより、化合物6(0.74g,46%,ガスクロマトグラフィーによる純度64%)を得た。
CClF=CFOCFCFCF=CFの合成
亜鉛(1.32g)のDMF(5ml)分散液に60℃にて化合物6(1.10g)を滴下し、2時間撹拌した。反応液を減圧にて蒸留し、得られた粗体をさらに常圧にて蒸留精製することによりCClF=CFOCFCFCF=CF(0.43g,62%)を得た。19F−NMRよりcis:trans≒6:4の混合物と考えられる。
Figure 0004761826
19F−NMR(600MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)1:-88〜-89, 2:-89.0, 3:-89.2, 4:-102.8, 5:-105〜-106, 6:-118〜-119, 7:-119〜-120, 8:-122.0, 9:-122.1, 10:-128, 11:-190.1
実施例
以下のスキームにしたがってCClF=CFOCFCFCF=CFを合成した。
Figure 0004761826
化合物9の合成
文献ケミストリー・レターズ(Chem. Lett.),1987;1145-1148記載の方法によって合成したジクロロフルオロ酢酸メチル8(33.5g)および3−ブテン−1−オール(18.0g)の混合物に濃硫酸(1ml)を添加し85℃にて3時間撹拌した。反応液をジクロロメタン(200ml)/炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml)に注加し、分液後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、減圧にて蒸留することにより化合物9(31.0g,74%)を得た。
1H NMR(300MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS)5.80(m,1H)、5.21(s,1H)、5.18−5.12(m,1H)、4.41(t,J=6.2,2H)、2.50(q,J=6.2,2H)
化合物10の合成
化合物9(25.1g)に5℃で塩素ガスをゆっくり(10℃を超えない程度に)、系が薄黄色に着色するまで吹き込んだ。窒素ガスを反応系が無色になるまで吹き込んだ後、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9:1)で精製することにより、化合物10(18.8g,55%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 4.67−4.50(m,2H)、4.28−4.12(m,1H)、3.90−3.65(m,2H)、2.60−2.48(m,1H)、2.18−2.05(m,1H)
化合物11の合成
化合物10(17.7g)のテトラヒドロフラン(60ml)溶液にDIBALの1.0Mヘキサン溶液(68ml)を−70℃で滴下し、−70〜−50℃で2.5時間撹拌した。反応液を徐々に0℃まで昇温した後、1mol/L塩酸水(3ml)を添加し、その温度で5分撹拌した。酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて濃縮し、残留物をトルエン(40ml)に分散し、室温にて塩化チオニル(4.7ml)およびピリジン(5.3ml)を滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で精製することにより化合物11(6.80g,36%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 5.74−5.69(m,1H)、4.35−4.18(m,2H)、3.94−3.68(m,3H)、2.50−2.39(m,1H)、2.10−1.95(m,1H)
化合物6の合成
250mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(175ml)を入れ、0℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガスを100ml/minの速度で45分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら化合物11(5.1g)およびヘキサン(0.086g)の混合液を0.02g/mimの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(1.74g)のFC−72(10ml)溶液を0.065ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて濃縮することにより、化合物6(4.8g,63%,ガスクロ純度78%,b.p.=100℃/45mmHg)を得た。このようにして得られた化合物6から実施例4と同様にCClF=CFOCFCFCF=CFが得られた。19F−NMRより、実施例4で合成した化合物6と同様なcis/transの混合物であることが確認された。
実施例
以下のスキームにしたがってCF=CFOCFCFCF=CFを合成した。
Figure 0004761826
化合物13の合成
クロロジフルオロ酢酸12(58.0g)、3−ブテン−1−オール(30.5g)およびヘキサン(100ml)の混合物にp−トルエンスルホン酸1水和物(4.0g)を添加し、脱水しながら3時間還流した。ヘキサン/炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出した後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、減圧にて蒸留することにより化合物13(66.0g,85%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS)5.83−5.73(m,1H)、5.19(s,1H)、5.18−5.13(m,1H)、4.40(t,J=6.3,2H)、2.50(q,J=6.3,2H)
化合物14の合成
化合物13(20g)に5℃で塩素ガスをゆっくり(10℃を超えない程度に)、系が薄黄色に着色するまで吹き込んだ。窒素ガスを反応系が無色になるまで吹き込んだ後、残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9:1)で精製することにより、化合物14(23.3g,84%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 4.65−4.50(m,2H)、4.22−4.12(m,1H)、3.84(dd,J=11.8,4.7,1H)、3.70(dd,J=11.8,7.8,1H)、2.59−2.48(m,1H)、2.19−2.06(m,1H)
化合物15の合成
化合物14(17.0g)のテトラヒドロフラン(60ml)溶液にDIBALの1.0Mヘキサン溶液(70ml)を−70℃で滴下し、−70〜−50℃で2.5時間撹拌した。反応液を徐々に0℃まで昇温した後、1mol/L塩酸水(20ml)を添加し、その温度で5分撹拌した。酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて濃縮し、残留物をトルエン(50ml)に分散し、氷冷下、塩化チオニル(7ml)およびピリジン(8ml)を滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で精製することにより化合物15(14.9g,81%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 5.69−5.60(m,1H)、4.32−4.10(m,2H)、3.92−3.67(m,3H)、2.50−2.38(m,1H)、2.11−1.93(m,1H)
化合物16の合成
250mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(175ml)を入れ、0℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガスを100ml/minの速度で45分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら化合物15(7.5g)およびヘキサン(0.13g)の混合液を0.019g/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(0.4g)のFC−72(10ml)溶液を0.058ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて濃縮することにより、化合物16(8.7g,76%,ガスクロマトグラフィーによる純度84%,b.p.=100℃/85mmHg)を得た。
CF=CFOCFCFCF=CFの合成
亜鉛(7.0g)のDMF(25ml)分散液に60℃にて化合物16(5.7g)を滴下し、2時間撹拌した。反応液を減圧にて蒸留し、得られた粗体をさらに常圧にて蒸留精製することにより純粋なCF=CFOCFCFCF=CF(1.8g,48%)を得た。
19F−NMR(600MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)は文献値(例えば、特開平1−143843号公報)の値と良く一致した。
実施例
以下のスキームにしたがってCF=CFOCF(CFCF)CFCF=CFを合成した。
Figure 0004761826
化合物18の合成
活性化処理していない亜鉛粉末(47g)、水75ml、プロピオンアルデヒド(23mL)及びアリルブロミド(41.5mL)を反応器に加え、攪拌しながら氷浴で内温5℃にした。次に濃塩酸(塩化水素35%含有水溶液)(15mL)を内温5〜20℃に保ちながら2時間かけて滴下した。氷浴を外しさらに1時間攪拌後、反応液をろ過し、そのろ液を塩化ナトリウムで飽和させてヘキサンで2回抽出した。GLC測定の結果、化合物18がヘキサン中に293.3mmol(生成率92%)含まれていることが分かった。
1H NMR(300MHz, 溶媒:CDCl3 基準:TMS)5.78-5.89(m,1H)、5.15(m,1H)、5.12(m,1H)、3.58(m,1H)、2.30(m,1H)、2.15(m,1H)、1.75(brs,1H)、1.50(m,2H)、0.96(t,J=7.40Hz,3H)
化合物19の合成
上記で得た化合物18含有ヘキサン溶液を、ヘキサンを用いて全体積を100mLにし、外温120℃で加熱還流した。そこにクロロジフルオロ酢酸12(35.3mL)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.53g)を含有するヘキサン溶液50mLを1時間かけて滴下した。反応中に生成する水は留去した。滴下終了後、さらに4時間加熱した後、放冷した。得られた反応液を水で洗浄し、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。この反応液を蒸留し、化合物19(38.1g、ガスクロマトグラフィーによる純度97%)を得た。
1H NMR(300MHz, 溶媒:CDCl3 基準:TMS)5.70-5.79(m,1H)、5.00-5.16(m,3H)、2.42(m,2H)、1.72(dt,J=14.1Hz,2H)、0.96(t,J=7.35Hz,3H)
19F NMR(282.4MHz,CDCl3) -64.3(s,2F)
化合物20の合成
化合物19(117.5mmol、25g)に―10℃で塩素ガスをゆっくり(10℃を超えない程度に)、系の発熱がなくなるまで吹き込んだ。窒素ガスを吹き込んだ後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/100)で精製後、蒸留することにより、化合物20(18.6g、収率56%、ガスクロマトグラフィーによる純度93%)を得た。
1H NMR(300MHz, 溶媒:CDCl3 基準:TMS)5.15-5.36(m,1H)、4.05-4.10(m,1H)、3.80-3.85(m,1H)、3.64-3.70(m,1H)、2.39-2.45(m,1H)、2.19-2.21(m,1H)、1.91-2.00(m,1H)、1.74-1.85(m,2H)、0.97(t,J=7.5Hz,3H)
19F NMR(282.4MHz,CDCl3) -64.6、-64.8(brs,2F)
化合物21の合成
化合物20(50g)のジエチルエーテル(100mL)溶液にDIBALの0.94Mヘキサン溶液(234mL)を−70℃で滴下し、−70〜−50℃で2時間撹拌した。反応液を徐々に0℃まで昇温した後、反応溶液を、氷を加えた1mol/L塩酸水(200ml)に滴下し、その温度で30分撹拌した。酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて濃縮し、残留物をトルエン(200ml)に分散し、氷冷下、塩化チオニル(40ml)およびピリジン(40ml)を滴下し、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1mol/L塩酸水で抽出後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。濃縮残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/100)で精製することにより化合物21(33.4g、62%)を得た。
1H NMR(400MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS) 5.70−5.76、5.80-5.84(m,1H)、4.02−4.34(m,2H)、3.65-3.88(m,2H)、1.64-1.88、1.95-2.09、2.18-2.31(m,4H)、0.95-1.09(m,3H)
19F NMR(282.4MHz,CDCl3) -63.0(m,1F)、-67.5(m,1F)
化合物22の合成
500mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(350ml)を入れ、−10℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガスを300ml/minの速度で10分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら化合物21(10g)およびヘキサン(0.24g)の混合液を0.063g/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(10g)のFC−72(20ml)溶液を0.055ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて濃縮することにより、化合物22(7.9g、46%,ガスクロマトグラフィーによる純度88%,b.p.=115℃/75mmHg)を得た。
CF=CFOCF(CFCF)CFCF=CFの合成
亜鉛(5.0g)のDMF(25ml)分散液に80℃にて化合物22(5.0g)を滴下し、0.5時間撹拌した。反応液を減圧にて蒸留し、得られた粗体をさらに常圧にて蒸留精製することにより純粋なCF=CFOCF(CFCF)CFCF=CF(1.3g、36%)を得た。
19F−NMR(282.4MHz、溶媒:CDCl3)-80.2(d,J=6.5Hz,3F)、-87.3〜87.6(m,1F)、-103.3〜-104.1(m,1F)、-113.4〜-113.9(m,1F)、-114.5〜-117.8(m,2F)、-120.6〜-121.3(m,1F)、-123.0〜-125.7(m,2F)、-132.3〜-132.9(m,1F)、-137.2〜-137.4(m,1F)、-187.4〜-188.0(m,1F)
実施例
以下のスキームにしたがってCCl=CFOCFCFCF=CFを合成した。
Figure 0004761826
化合物24の合成
500mlのテフロン(登録商標)製反応容器にFC−72(350ml)を入れ、−10℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応容器に戻せるようにした。30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、フッ素ガスを300ml/minの速度で10分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら化合物4(26.5g)およびヘキサン(0.48g)の混合液を0.073g/minの速度で添加し、さらにヘキサフルオロベンゼン(6g)のFC−72(30ml)溶液を0.22ml/minの速度で添加した。その後、フッ素ガスを同じ速度で10分間吹き込み、さらに30ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。溶媒を濃縮後、減圧にて濃縮することにより、化合物24 (24.2g、収率62%,ガスクロマトグラフィーによる純度85%)を得た。
CCl=CFOCFCFCF=CFの合成
亜鉛(11.5g)のトリグライム(50ml)分散液に80℃で化合物24(10g)を滴下し、80℃で0.5時間撹拌した。反応液を減圧にて蒸留し、得られた粗体をさらに常圧にて蒸留精製することにより純粋なCCl=CFOCFCFCF=CF(2.7g、39%)を得た。
19F−NMR(282.4MHz、溶媒:CDCl3)-85.1(s,1F)、-87.3〜88.8(m,1F)、-87.4(s,2F)、-104.0〜-105.2(m,1F)、-120.9〜-121.2(m,2F)、-188.9〜-189.5(m,1F)

Claims (11)

  1. 下記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物をフッ素化する工程および脱ハロゲン化する工程を有する含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法であって、該脱ハロゲン化する工程後に得られる含フッ素ビニルエーテル化合物が下記一般式(III−1)又は一般式(III−2)で表される化合物であることを特徴とする含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
    Figure 0004761826
    一般式(I−1)および一般式(I−2)中、Rは−L−CHClCH Clで表される基を表す。ここで、Lは置換基または不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表す。11はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。X21はフッ素原子以外のハロゲン原子、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。
    一般式(III−1)および一般式(III−2)中、Rf”は、R中の少なくとも1つのC−H結合がC−F結合に変換された含フッ素アルキル基または該フッ素アルキル基を官能基変換もしくは脱ハロゲン化工程で変化させた基を表し、XaおよびXbは各々独立にハロゲン原子を表し、Xcはハロゲン原子を表す。
  2. 前記フッ素化する工程において、ペルフルオロ化することを特徴とする請求項1に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
  3. 前記一般式(III−1)および(III−2)におけるRf”が−Lf−CF=CF であり、LfがL中のC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキレン鎖であることを特徴とする請求項1または2に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
  4. 前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物において、X 11 およびX 21 が塩素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
  5. 前記フッ素化する工程が、前記一般式(I−1)で表される化合物をフッ素化して下記一般式(II−1)で表される化合物とする工程であり前記脱ハロゲン化する工程が、下記一般式(II’−1)で表される化合物を脱ハロゲン化して下記一般式(III−1)で表される化合物とする工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
    Figure 0004761826
    一般式(II−1)中、Rfは前記一般式(I−1)中のRのC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキル基を表し、X11はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(II’−1)中、Rf’は一般式(II−1)中のRfと同義または該Rfを官能基変換して得られる基を表し、X11はフッ素原子以外のハロゲン原子を表し、X12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(III−1)中、Rf”は一般式(II’−1)中のRf’と同義または該Rf’を脱ハロゲン化工程で変化させた基を表し、Xa、Xbは、一般式(II’−1)中のX12、X13またはX14由来のハロゲン原子を表す。
  6. 前記一般式(I−1)で表される化合物が、下記一般式(IV−1)で表される化合物の塩素化により得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
    Figure 0004761826
    一般式(IV−1)中、Rは−L−CHClCH Clで表される基を表す。ここで、Lは置換基または不飽和結合を含んでいてもよい直鎖、分岐鎖または環状のアルキレン鎖を表す。12、X13、X14はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Mは水素原子、アンモニウムまたは金属を表す。
  7. 前記フッ素化する工程が、前記一般式(I−2)で表される化合物をフッ素化して下記一般式(II−2)で表される化合物とする工程であり前記脱ハロゲン化する工程が、下記一般式(II’−2)で表される化合物を脱ハロゲン化して下記一般式(III−2)で表される化合物とする工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
    Figure 0004761826
    一般式(II−2)中、Rfは前記一般式(I−2)中のRのC−H結合の少なくとも一つがC−F結合に変換された含フッ素アルキル基を表し、X21はフッ素原子以外のハロゲン原子、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。一般式(II’−2)中、X21はフッ素原子以外のハロゲン原子、X22、X23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rf’は一般式(II−2)中のRfと同義または該Rfを官能基変換して得られる基を表す。一般式(III−2)中、XcはX22またはX23由来のハロゲン原子を表し、Rf”は一般式(II’−2)中のRf’と同義または該Rf’を脱ハロゲン化工程で変化させた基を表す。
  8. 前記フッ素化する工程が、反応条件下でフッ素ガスと反応しない溶媒による液相中で、フッ素ガスを使用し、前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される化合物を添加後に、ヘキサフルオロベンゼンをフッ素ガスとともに供給する工程であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法。
  9. CClF=CFOCFCFCF=CFで表される化合物。
  10. CCl=CFOCFCFCF=CFで表される化合物。
  11. CF=CFOCF(CFCF)CFCF=CFで表される化合物。
JP2005136690A 2004-10-06 2005-05-09 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法 Active JP4761826B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005136690A JP4761826B2 (ja) 2004-10-06 2005-05-09 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法
US11/242,801 US7247757B2 (en) 2004-10-06 2005-10-05 Method of producing a fluorine-containing vinyl ether compound

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004294224 2004-10-06
JP2004294224 2004-10-06
JP2005136690A JP4761826B2 (ja) 2004-10-06 2005-05-09 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006131613A JP2006131613A (ja) 2006-05-25
JP4761826B2 true JP4761826B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=36126440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005136690A Active JP4761826B2 (ja) 2004-10-06 2005-05-09 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4761826B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5110944B2 (ja) * 2007-04-10 2012-12-26 富士フイルム株式会社 新規な架橋性のエーテル系含フッ素化合物およびその製造方法
WO2009101986A1 (ja) 2008-02-12 2009-08-20 Fujifilm Corporation 含フッ素多官能ケイ素化合物および含フッ素多官能ケイ素化合物の製造方法
US8071816B2 (en) * 2008-06-30 2011-12-06 3M Innovative Properties Company Hydrofluoroacetal compounds and processes for their preparation and use
JP2010254678A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Fujifilm Corp パーフルオロクロロエーテル溶媒を含有する液体組成物
WO2016002828A1 (ja) * 2014-07-04 2016-01-07 富士フイルム株式会社 アミノ置換ホスファゼン化合物の製造方法、非水二次電池用電解液の製造方法および非水二次電池の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1400909A (en) * 1972-12-28 1975-07-16 Ceskoslovenska Akademie Ved Method for producing tetrachloroethoxyethyl esters
JP2581182B2 (ja) * 1987-08-14 1997-02-12 旭硝子株式会社 環化重合方法
JP2503549B2 (ja) * 1987-12-01 1996-06-05 旭硝子株式会社 含フッ素化合物の製造方法
JP2638105B2 (ja) * 1988-08-02 1997-08-06 旭硝子株式会社 新規含フツ素化合物及びその製造方法
JP2916602B2 (ja) * 1990-03-01 1999-07-05 工業技術院長 フッ素含有エーテル化合物の製造方法
US5326917A (en) * 1992-12-21 1994-07-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Fluorinated monomers and polymers
JP3530975B2 (ja) * 1998-10-19 2004-05-24 独立行政法人産業技術総合研究所 含フッ素エーテル化合物の製造方法
JP5028735B2 (ja) * 2000-05-31 2012-09-19 旭硝子株式会社 新規含フッ素化合物、その製造方法およびその重合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006131613A (ja) 2006-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5350497A (en) Production of perfluoro(alkyl vinyl ethers)
RU2433992C2 (ru) Способ получения простых фторгалогенированных эфиров
JP4761826B2 (ja) 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法
JP5097392B2 (ja) フルオロハロゲンエーテルの製造方法
JPS6345737B2 (ja)
JP2008195929A (ja) 新規な含フッ素ポリマーおよび含フッ素ポリマーの製造方法
JP4626118B2 (ja) vic−ジクロロ酸フルオリド化合物の製造方法
US7247757B2 (en) Method of producing a fluorine-containing vinyl ether compound
JP4019940B2 (ja) 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
WO2015029839A1 (ja) 含フッ素化合物の製造方法
JP5026040B2 (ja) 新規な含フッ素スピロ環状アセタール化合物およびその製造方法
JP2001139509A (ja) 熱分解反応による不飽和化合物の製造方法
EP3436424B1 (en) Method for the manufacture of fluorinated compounds
JPWO2004080940A1 (ja) ペルフルオロジアシルフルオリド化合物の製造方法
WO1997035824A1 (fr) Procede pour preparer des composes dicarbonyle fluores
JP6037568B2 (ja) パーフルオロ有機化合物の製造方法
Okazoe et al. Synthesis of perfluorinated carboxylic acid membrane monomers by utilizing liquid-phase direct fluorination
JP2972911B2 (ja) 含フッ素ジエーテル化合物
JP4866634B2 (ja) 含フッ素3,5−オキソ−1,6−ヘプタジエン誘導体の製造方法
Hung et al. Synthesis of perfluorovinyl ether monomers
JP2008174464A (ja) 含フッ素エーテル化合物の製造方法および新規な含フッ素エーテル化合物
JP2010235568A (ja) 1,3−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロ酸化プロピレン及びその製造方法
JP2005002014A (ja) ペルフルオロ環状ラクトン誘導体の製造方法およびペルフルオロ環状ラクトンを含む混合物
Marchionni et al. Synthesis of low molecular weight perfluoro oxymethylene vinyl ethers
Okazoe et al. Synthesis of perfluorinated ketones by utilizing liquid-phase direct fluorination

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4761826

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250