JPH0718002A - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体の製造方法

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JPH0718002A
JPH0718002A JP19075293A JP19075293A JPH0718002A JP H0718002 A JPH0718002 A JP H0718002A JP 19075293 A JP19075293 A JP 19075293A JP 19075293 A JP19075293 A JP 19075293A JP H0718002 A JPH0718002 A JP H0718002A
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JP
Japan
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copolymer
monomer
fluorine
polymerization
vinyl monomer
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JP19075293A
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English (en)
Inventor
Hiroki Kamiya
浩樹 神谷
Shunichi Kodama
俊一 児玉
Masanori Kaya
政徳 賀屋
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】相異なる物性を合せ持ち、相分離を生起しない
傾斜構造を有する含フッ素共重合体の製造方法を提供す
る。 【構成】ラジカル重合性の含フッ素単量体及びそれと共
重合可能なビニル単量体をラジカル開始剤存在下に重合
させるにあたり、重合場の反応条件を変化せしめことに
より、重合体の生成過程で生成する重合体の構造を変化
させることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素共重合体の製
造方法、特にバッチ式の重合において重合時に生成する
共重合体構造を変化させ、傾斜構造を有する共重合体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、含フッ素共重合体は、その用途に
応じ、目的とする構造、特に単量体の種類、割合を定め
て均一な共重合体を得るような製造方法がとられてい
る。ラジカル重合における共重合体の単量体単位に由来
する構造は、用いる単量体の種類とその重合場における
濃度比によって決定される。この場合、生成する共重合
体の単量体に由来する割合は各単量体間の反応性比によ
るため、反応器中に存在する単量体の割合とは異なるも
のである。したがって、通常の含フッ素共重合体のバッ
チ式重合においては、重合中にこれらの因子が変動しな
いように、生成する共重合体と同じ単量体を同じ割合で
連続的に供給し、反応器中の単量体の種類、濃度比を一
定に保つ方法が用いられている。
【0003】また、含フッ素共重合体の用途が多岐にわ
たってきており、単一の共重合体では目的とする性質を
得られない場合があり、性質の異なる含フッ素共重合体
をブレンドして用いることが一般的に行われている。例
えば、フッ素樹脂に柔軟性を付与するために、フッ素ゴ
ムをブレンドすることが行われている。しかし、このよ
うなブレンドの場合、異なる性質を有する含フッ素共重
合体はそれぞれ相溶しにくく、一般に相分離を引き起こ
す。このことは、ブレンドする共重合体の構造が不連続
的に異なっているためと考えられる。このような相分離
の現象は、例えば機械的強度などが低下するといった不
都合が生じる場合が少なくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑みてなされたものであり、ある種の性質を有する含フ
ッ素共重合体の構造から別の性質を有する含フッ素共重
合体の構造に連続的に構造が傾斜した共重合体を得るた
めの新規な含フッ素共重合体の製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、ある種の性質を
有する含フッ素共重合体の構造から別の性質を有する含
フッ素共重合体の構造に連続的に構造が傾斜した共重合
体が、相分離を発生させにくく機械的物性等を犠牲にす
ることなく、異なる共重合体の有する性質を合わせ持つ
材料となることを見いだし、該傾斜構造を有する含フッ
素共重合体の製造方法を見いだした。
【0006】すなわち、本発明は、ラジカル重合性の含
フッ素単量体及びそれと共重合可能な少なくとも1種の
ビニル単量体をラジカル開始剤の存在下に重合させるに
あたり、重合場の反応条件を重合反応過程中に変化させ
ることにより、重合体の生成過程で生成共重合体の構造
を変化させることを特徴とする含フッ素共重合体の製造
方法である。
【0007】ここで、重合体の構造とは、特に重合せし
める単量体の構造すなわち種類及び/又は単量体の割合
によって決定されるものである。このような構造の連続
的な変化を引き起こす方法としては、反応器中に存在す
る単量体の種類及び/又は割合を変化させればよい。例
えば、重合とともに消費させる単量体の種類及び/又は
割合と異なる種類及び/又は割合の単量体を連続的に添
加しながら重合することで反応器中の単量体の種類及び
/又は割合が変化し、ひいては生成する共重合体の構造
も連続的に変化したものとなる。また、連続的に添加し
ていく単量体の種類及び/又は割合を経時的に変化させ
ることによっても同様の結果が得られる。さらには、こ
れらと同様の現象を起こさせる操作因子として重合圧、
温度などを連続的に変化させながら重合を行うことも可
能である。
【0008】また、ここで連続的な変化とは、単に操作
的なものをいうのではなく、得られる共重合体の性質、
例えば融点、結晶性、ガラス転移温度などが明らかに異
なる程度の変化が必要である。すなわち、重合初期の微
小時間に生成する共重合体と重合終期の微小時間に生成
する共重合体では先に示したような性質が明らかに異な
っていることが必要である。異なる性質の共重合体のブ
レンドと異なるのは、重合中の各微小時間に生成する共
重合体がそれぞれ連続的に変化しており、バッチ内の共
重合体の構造が傾斜している部分を含むことである。
【0009】また、含フッ素単量体とは、単量体分子中
に少なくとも1つのフッ素原子を有しラジカル重合の可
能な不飽和基を少なくとも1つ以上有する化合物であ
る。このような含フッ素単量体としては、例えば、テト
ラフルオロエチレン(以下、TFEと略記)、トリフル
オロエチレン、フッ化ビニリデン(以下、VdFと略
記)、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン(以
下、CTFEと略記)、ヘキサフルオロプロピレン(以
下、HFPと略記)、パーフルオロアルキルパーフルオ
ロビニルエーテル、(パーフルオロアルキル)エチレ
ン、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフル
オロ(ブテニルビニルエーテル)、パーフルオロ(ジメ
チルジオキソール)などが挙げられる。
【0010】上記含フッ素単量体と共重合させるビニル
単量体は、上記含フッ素単量体とラジカル重合において
共重合可能なものであればよく、例えば、上記含フッ素
単量体のほかにも、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、ペンテンなどのα−オレフィン類、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブテニルビニルエーテル、クロロエチルビニルエー
テル、ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下、HBV
Eと略記)、シクロヘキシルビニルエーテル(以下、C
HVEと略記)、グリシジルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル類、アリルアルコール、アリルグリシジルエ
ーテルなどのアリル化合物、酢酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、クロロ酢酸ビニルなどのビニルエス
テル類、さらにはアクリル酸、メタアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、メタアクリル酸メチルなどが挙げられる。
【0011】このような単量体を用いた共重合のなか
で、本発明の実施形態の有用な例を以下に挙げて詳細に
説明する。いうまでもなく以下に示すものは一例にすぎ
ず、これによって本発明はなんら限定されない。
【0012】本発明の実施形態の有用な例としては、ラ
ジカル重合性の含フッ素単量体がTFE、共重合可能な
ビニル単量体が炭素数1〜8のパーフルオロアルキルパ
ーフルオロビニルエーテルの場合である。該ビニルエー
テル単位が30〜50モル%の共重合体は非晶質のエラ
ストマー状であり、5モル%以下程度では、結晶性の熱
可塑性樹脂状であることが知られている。よって具体的
な例として、重合中に反応器内の両単量体の割合を変化
させることで、機械物性等の犠牲なしに、エラストマー
の柔軟性を付与した樹脂状共重合体を得ることができ
る。エラストマーとしては、パーフルオロアルキルパー
フルオロビニルエーテルの構造によってガラス転移温度
などが変化するため、当該ビニルエーテルの構造も同時
に変化させることで種々の柔軟性を有する共重合体を得
ることが可能である。
【0013】別の有用な実施形態の例としては、ラジカ
ル重合性の含フッ素単量体がVdF及び/又はTFE、
共重合可能なビニル単量体がHFPである場合が挙げら
れる。VdFとHFPの共重合体もしくはVdFとTF
EとHFPの共重合体はフッ素ゴムとして知られてい
る。また、VdFに少量のHFPを共重合した樹脂、T
FEとHFPの共重合樹脂が知られている。よってこれ
らフッ素ゴムとして用いられる共重合体を得る単量体の
仕込み組成から樹脂共重合体を得る仕込み組成へ変化さ
せることで軟質なフッ素樹脂が得られる。また、ゴムと
なる成分を多くすれば、樹脂の流動性が付加されたフッ
素ゴムが得られ、該フッ素ゴムは押し出し成形性がを改
良されたものとなる。
【0014】また、別の有用な実施形態の例としては、
ラジカル重合性の含フッ素単量体がTFE、共重合可能
なビニル単量体がエチレン及び/又はプロピレンである
場合が挙げられる。TFEとエチレン又はプロピレンは
交互共重合することが知られているが、エチレンとの共
重合体はフッ素樹脂として、プロピレンとの共重合体は
フッ素ゴムとして知られており、これらの単量体の種類
を重合中に変化させることで、先と同様、軟質樹脂、あ
るいは押し出し成形性のよいフッ素ゴムが得られる。
【0015】また、別の有用な実施形態の例としては、
ラジカル重合性の含フッ素単量体がTFE、共重合可能
なビニル単量体がエチレン及び/又は炭素数1〜8のパ
ーフルオロアルキル基置換エチレン(以下、Rfエチレ
ンと略記する)である場合が挙げられる。TFEとエチ
レンとの共重合体は、第3成分としてRfエチレンを添
加しかつその組成を増加させることで、その融点が例え
ば270℃から230℃まで低下する。Rfエチレンの
割合を順次増加して得られる共重合体は均一なために、
該Rfエチレンの少ない部分の結晶は該Rfエチレンの
多い部分によって乱され、全体として該Rfエチレンの
多い部分の共重合体の融点を示し、始めから該Rfエチ
レンを多くして重合するよりも少ないRfエチレンの使
用量で低融点化が可能である。
【0016】さらに別の有用な実施形態の例としては、
ラジカル重合性の含フッ素単量体がTFE及び/又はC
TFE、共重合可能なビニル単量体が下記式(1)で表
されるビニルエーテルの少なくとも1種である場合であ
る。
【0017】CH2 =CR1 OR2 ・・・・(1) (ただし、式(1)においてR1 はH又はCH3 を示
し、R2 はアルキル基、シクロアルキル基、又はω−ヒ
ドロキシアルキル基を示す。)
【0018】上記共重合体は、例えば特公昭60−21
686号に示されるように含フッ素塗料用樹脂として知
られている。ビニルエーテルのアルキル基を適宜選択す
ることにより樹脂のガラス転移温度を約−30℃程度か
ら80℃程度まで変動させることができる。そこで重合
の進行につれて、高いガラス転移温度を示す単量体の組
合せから低いガラス転移温度を示す単量体の組合せ、あ
るいは低いガラス転移温度を示す単量体の組合せから高
いガラス転移温度を示す単量体の組合せに、次第に変更
することにより、連続的にガラス転移温度の変化する傾
斜構造を有する共重合体を合成することが可能である。
該共重合体は、折り曲げ加工性の優れた塗料用原料とな
る。
【0019】重合反応はラジカル的に進行するものであ
れば手段はなんら限定されないが、例えば有機、無機ラ
ジカル開始剤、光、電離放射線あるいは熱による方法が
挙げられる。
【0020】ラジカル開始剤としては、特に限定される
ことなく、次のような具体例が例示される。
【0021】2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレ
ンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−
アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、
2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチル
アミジン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノ
イックアシッド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−
N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロ
キシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス
(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス
(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオ
ンアミド)、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)
ジヒドレート、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニ
ルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビスイソ
ブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニ
トリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカ
ルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチ
ロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメ
チルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル
−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロパン)のようなアゾ化合物。
【0022】ステアロイルパーオキシド、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキシ
ド、アセチルパーオキシド、2,4−ジシクロベンゾイ
ルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメ
ンヒドロパーオキド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパ
ーオキシド、パラ−メンタンヒドロパーオキシド、2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシ
ド、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミ
ルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3、オクタノイルパーオキシド、デ
カノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−
ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、
t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーイソブチレ
ート、t−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−t−
ブチルパーフタレート、t−ブチルパーラウリレート、
2,5−ジメチル(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
ジパーフルオロブタノイックパーオキシド、ジ−パーフ
ルオロ−3−オキサ−2−メチルヘキサノイックパーオ
キシド、ジ−パーフルオロノナノイックパーオキシドの
ような有機パーオキシド。
【0023】過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫
酸アンモニウムのような無機過酸化物。
【0024】重合の方法もまた特に限定されるものでは
なく、単量体をそのまま重合に供するいわゆるバルク重
合、単量体を溶解するフッ化炭化水素、塩化炭化水素、
フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素、その他の
有機溶媒中で行う溶液重合、水性媒体中で適当な有機溶
剤存在下あるいは非存在下に行う懸濁重合、水性媒体に
乳化剤を添加して行う乳化重合などが例示される。
【0025】重合を行う温度、圧力も特に限定されるも
のではないが、0℃〜200℃の範囲で設定することが
好ましく、室温から100℃が好ましい。圧力は100
気圧以下の範囲が好ましく用いられ、30気圧以下の範
囲が特に好ましい。
【0026】このようにして重合して得られた共重合体
は、傾斜構造を有しており、別の構造の共重合体からな
っているにもかかわらず、相分離などによる機械的性質
の低下がなく、目的の性質の共重合体が容易に得られ
る。
【0027】
【実施例】
実施例1 脱気した撹拌機付きの内容積1.2リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、脱イオン水445g、トリクロ
ロトリフルオロエタン(以下、R113と略記)227
g、メタノール60.9g、パーフルオロプロピルパー
フルオロビニルエーテル(以下、PPVEと略記)34
gを仕込んだ後50℃に昇温し、TFEを13.8kg
/cm2 Gまで導入した。開始剤として(C37 CO
O)2 の1%R113溶液を圧入し重合を開始した。重
合反応とともに降下する圧力を補うようにTFEを導入
しながら反応を続けた。重合途中、反応速度を保つため
適宜開始剤を添加した。また、反応開始後10分経過し
た後からPPVEを80g/時の速度で圧入を開始し
た。重合開始から5時間後に反応を停止し、得られたス
ラリーをろ別洗浄し、共重合体118gを得た。
【0028】得られた共重合体中のPPVEの含量は、
19F−NMR溶融法によれば平均19モル%であった。
得られた共重合体は明確な融点を示さず、340℃でプ
レス成形したシートは柔軟であり均一で透明であった。
また、上記重合において重合途中でPPVEを添加せず
に行い初期の10分で停止して得られた共重合体は、P
PVEを1.2モル%を含み308℃に融点を示す樹脂
であり、PPVEを重合時に添加することで、得られる
共重合体構造が変化していったことを示すものである。
【0029】実施例2 脱気した撹拌機付きの内容積1リットルのステンレス製
オートクレーブに、R113を1094g仕込み、TF
E114g、プロピレン12.2gを導入した。40℃
に昇温し、10%のジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネートのR113溶液18mlを圧入し重合を開始し
た。圧力の降下を補うようにTFE/プロピレン=56
/44(モル%)の混合ガスを導入しつつ、1.5時間
反応を続けた。1.5時間後からはTFE/エチレン=
53/44(モル%)の混合ガスに切り替え、反応によ
る圧力降下を補うように反応器に導入しつつ、さらに
3.5時間反応を続けた。重合初期の反応器内の単量体
組成はTFE/プロピレン=80/20(モル%)であ
り、ちなみにこの単量体組成を維持しながら反応させて
得られる共重合体はTFE/プロピレン=53/47
(モル%)の融点を持たないエラストマーであり、引張
り強度50kg/cm2 、伸度1000%以上で実用的
な物性を示さなかった。また、重合終了時の反応器内の
単量体組成はTFE/プロピレン/エチレン=86.6
/1.2/12.2(モル%)であり、反応器内の単量
体組成が反応とともに変化したことを示していた。
【0030】重合により得られた共重合体の組成はTF
E/プロピレン/エチレン=56/20/24(モル
%)であった。また、示差走査熱量計による測定で20
0℃付近にわずかにブロードな融点によると思われるピ
ークが観察された。300℃でプレスして得られたフィ
ルムは透明であり柔軟性に富むものであった。また、引
張り強度152kg/cm2 、伸度520%で機械物性
に優れていた。
【0031】実施例3 脱気した撹拌機付きの内容積1リットルのステンレス製
オートクレーブに、脱イオン水328g、R113の5
13g、メタノール25g、TFE84g及びエチレン
2.6gを仕込んだ。65℃に昇温し、25%のt−ブ
チルパーイソブチレートのR113溶液18gを圧入し
重合を開始した。重合反応による圧力降下を補うように
TFE/エチレン=60/40(モル%)の混合ガスを
導入して反応を続けた。反応開始後20分経過した後か
ら(パーフルオロブチル)エチレン(以下、PFBEと
略記)を2g/時の速度で添加し、合計6時間重合を続
けた。
【0032】得られた共重合体の組成はTFE/エチレ
ン/PFBE=61/37.5/1.5(モル%)であ
り、融点は230℃であった。また、PFBEを導入せ
ずに重合した共重合体は融点270℃と高く、成形物が
応力亀裂を起こしやすいものであった。また逆にTFE
/エチレン/PFBEの均一組成三元共重合体で230
℃の融点を得るためには、特殊で高価なPFBEの含量
を3モル%以上とすることが必要であり、ここで示すよ
うな傾斜構造にすることによって少ないPFBE量で同
様な融点降下の効果が得られた。
【0033】実施例4 脱気した撹拌機付き2.15リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、脱イオン水1075g、パーフルオロ
オクタン酸アンモニウム5g及びHFP32g、VdF
14gを仕込み、80℃に昇温した。20%過硫酸アン
モニウム水溶液5mlを圧入し、重合を開始した。反応
に伴い低下する圧力を補うようにVdF/HFP=78
/22(モル%)の混合ガスを導入し圧力15kg/c
2 Gにて反応を続けた。反応開始後15分経過した後
からは、混合ガスの代わりにVdFのみを導入し、さら
に5時間反応を続けた。
【0034】得られた共重合体の組成は、VdF/HF
P=91/9(モル%)であり示差走査熱量計測定によ
り約120℃付近に融点と思われるブロードなピークが
観察された。プレス成形したシートは柔軟性を有し、引
張り強度130kg/cm2、伸度410%であった。
【0035】最後まで混合ガスを導入した共重合体は、
VdF/HFP=78/22(モル%)の均一組成の共
重合体であり、融点を示さないエラストマーであった。
これをプレスシート化し、機械物性を測定したところ、
引張り強度49kg/cm2、伸度1000%以上と実
用的な物性を示さなかった。
【0036】実施例5 内容積2.5リットルの撹拌機付きステンレス製オート
クレーブ(耐圧30kg/cm2 G)にキシレン651
g、エチルアルコール184g、CHVE38g、HB
VE24g、炭酸カリウム11.0gを仕込み、冷却脱
気、窒素ガスによる加圧を繰り返して溶存酸素を除去し
た。次いで、CTFE59gをオートクレーブ内に導入
し徐々に昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に
達した時点で圧力1.0kg/cm2 Gを示した。
【0037】その後、t−ブチルパーピバレートの50
%キシレン溶液10mlを添加し、反応を開始させた。
圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、CTFE470
g、CHVE91.0g、エチルビニルエーテル(以
下、EVEと略記)122g及びHBVE188gを連
続的に加え、反応を続行させた。なお、反応の進行中t
−ブチルパーピバレートの50%キシレン溶液25ml
を連続的に加えた。14時間後各単量体のフィードを停
止し、冷却、未反応単量体のパージにより反応を停止し
た。得られた共重合体を減圧乾燥により単離した。共重
合体収量は913g、単量体反応率は92%であった。
【0038】得られたポリマ−の固有粘度[η](テト
ラヒドロフラン中、30℃)は0.05dl/g、ゲル
浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の
重量平均分子量、数平均分子量及びその比は、それぞれ
4000、7600、1.90であった。共重合体の13
C−NMRにより測定した平均の共重合体組成はCTF
E/CHVE/EVE/HBVE=52/12/18/
18(モル%)であった。
【0039】なお、重合開始時の生成共重合体の平均の
共重合体組成は、51/31/0/18(モル%)であ
り、後仕込単量体50%添加時のそれは52/17/1
2/19(モル%)であり、連続的に共重合体組成が変
化していることがわかる。なお、該共重合体のガラス転
移温度は30℃であった。
【0040】得られた共重合体10gをキシレン10g
に溶解させ、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネ
ート(NCO/OH当量比=1)を添加し、アプリケー
タを用いてクロメート処理済0.8mm厚アルミニウム
板に塗布(エポキシプライマー3μm塗布品)、140
℃・30分で乾燥硬化させた後、塗膜物性の測定を行っ
た。結果を表1にまとめた。
【0041】また比較例も同様な方法で塗装・物性測定
を行い、結果を表1にまとめた。比較例で用いた共重合
体は、CTFE/CHVE/HBVE=54/26/2
0(モル%)の共重合体とCTFE/EVE/HBVE
=50/34/16(モル%)の共重合体との1:1混
合物である。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の生成含フッ素共重合体の構造を
変化させる製造方法により、ある種の性質を有する含フ
ッ素共重合体の構造から別の性質を有する含フッ素共重
合体の構造に変化した共重合体は、相分離を発生しにく
く、機械的物性等を犠牲にすることなく、異なる共重合
体の有する性質を合せ持つという効果が達成される。生
成共重合体の構成単量体の割合及び/又は種類を重合反
応過程中に変化させることにより、樹脂共重合体にエラ
ストマーの柔軟性を付与せしめることができ、あるいは
エラストマーに樹脂の流動性を付与せしめることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 晴久 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合性の含フッ素単量体及びそれ
    と共重合可能な少なくとも1種のビニル単量体をラジカ
    ル開始剤の存在下に重合させるにあたり、重合場の反応
    条件を重合反応過程中に変化させることにより、重合体
    の生成過程で生成共重合体の構造を変化させることを特
    徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】重合場の反応条件を連続的に変化させ、生
    成共重合体の構造を連続的に変化させる請求項1の製造
    方法。
  3. 【請求項3】重合反応過程中の含フッ素単量体とビニル
    単量体の割合を変化させる請求項1又は2の製造方法。
  4. 【請求項4】重合反応過程中の、含フッ素単量体とビニ
    ル単量体の種類の組合せを変化させる請求項1又は2の
    製造方法。
  5. 【請求項5】重合反応過程中の、含フッ素単量体とビニ
    ル単量体の種類の組合せ及び割合を変化させる請求項1
    又は2の製造方法。
  6. 【請求項6】ラジカル重合性の含フッ素単量体がテトラ
    フルオロエチレンであり、共重合可能なビニル単量体が
    炭素数1〜8のパーフルオロアルキルパーフルオロビニ
    ルエーテルである請求項1〜5のいずれか1項の製造方
    法。
  7. 【請求項7】ラジカル重合性の含フッ素単量体がフッ化
    ビニリデン及び/又はテトラフルオロエチレンであり、
    共重合可能なビニル単量体がヘキサフルオロプロピレン
    である請求項1〜5のいずれか1項の製造方法。
  8. 【請求項8】ラジカル重合性の含フッ素単量体がテトラ
    フルオロエチレンであり、共重合可能なビニル単量体が
    エチレン及び/又はプロピレンである請求項1〜5のい
    ずれか1項の製造方法。
  9. 【請求項9】ラジカル重合性の含フッ素単量体がテトラ
    フルオロエチレンであり、共重合可能なビニル単量体が
    エチレン及び/又は炭素数1〜8のパーフルオロアルキ
    ル基置換エチレンである請求項1〜5のいずれか1項の
    製造方法。
  10. 【請求項10】ラジカル重合性の含フッ素単量体がテト
    ラフルオロエチレン及び/又はクロロトリフルオロエチ
    レンであり、共重合可能なビニル単量体が下記式(1)
    で表されるビニルエーテルの少なくとも1種である請求
    項1〜5のいずれか1項の製造方法。 CH2 =CR1 OR2 ・・・・(1) (ただし、式(1)においてR1 はH又はCH3 を示
    し、R2 はアルキル基、シクロアルキル基、又はω−ヒ
    ドロキシアルキル基を示す。)
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