JP2003514036A - 低結晶度の弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重合体 - Google Patents
低結晶度の弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重合体Info
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Abstract
Description
り具体的に言えば、弗化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオルプロピレン(H
FP)との共重合体、そして更により具体的には極めて低い結晶度を有するか又
は結晶度を全く有しないかかる共重合体、並びにそれらの製造法及び使用法に関
する。かかる共重合体はすべてのHFP含量レベルにおいて高い可撓性を示し、
しかも高いHFPレベルにおいてさえも低い表面粘着性を示す熱可塑性共重合体
である。
体の総分子百分率よりも大きいようなVDF基材重合体が周知であり、そして広
く使用されている。テトラフルオルエチレン、クロルトリフルオルエチレン及び
他の特殊弗素含有単量体を基にしたフルオル重合体の種類の中では、炭素弗素結
合の高濃度に付随する向上した耐化学薬品性及び表面特性に関連した有益な属性
を有する製品を得るための加工処理選択肢の最も広い可能な範囲を提供するVD
F重合体が独特のものである。かくして、広範囲のフルオル重合体の中では、V
DF重合体は、押出吹込成形フィルムのような押出若しくは成形又はそれらの組
み合わせ用及びタンク成形用の熱可塑性樹脂の典型的な加工処理装置において溶
融することができる。
合体鎖に沿って交互する高極性CF2基の存在に関係する。これらの重合体の重
合体鎖のミクロ構造及びモルホロジーは、Polymeric Materials Encyclopedia,1
996,Vol. II, CRC Press;Vinylidene Fluoride-Based Thermoplastics (Overie
w and Commercial Aspects),J.S.Humphrey, pp. 8585 to 8588;Vinylidene Flu
oride-Based Thermoplastics (applications), J.S.Humphrey and E.J.Bartosze
k, pp. 8588-8591;Vinylidene Fluoride-Based Thermoplastics (Blends with
Other Polymers), J.S.Humphrey and X.Drujon, pp. 8591-8593;Vinylidene Fl
uoride-Based Thermoplastics (Homopolymerization and Copolymerization), J
.S.Humphrey and X.Drujon, pp. 8593-8596に記載されるように、これらの2つ
の因子を多くの興味ある方法で反映している。
にこれらの領域間の中間相は機械的特性に有意の影響を及ぼし、それ故に、所定
の樹脂組成物の最終用途に影響を及ぼす。
重合体になる。重合体鎖のミクロ構造は、所定の温度における可撓性(又は剛性
)を決定する。この機械的挙動は結晶質相(もしあるならば)のタイプ及び量に
よって、また、ある温度において重合体が適用された応力に応答して二次転移(
いわゆる、ガラス転移温度Tg)を受けるように鎖に沿った分子運動の動力学に
よって制御される。Tgよりも上では、重合体鎖は、自由に回転、延伸等をする
ことができ、これによって流入エネルギーを吸収することができる分子運動を有
する。Tgよりも下では、分子運動は凍結され、そして応力が脆性破壊又はガラ
ス様の挙動をもたらす可能性がある。
終用途により多く関係している。それ故に、熱可塑性、エラストマー変性熱可塑
性又はエラストマー性の樹脂として分類される重合体の範囲に結晶質及び非晶質
含量がどのようにして適合するかの教示の状況を考慮して本発明の背景を理解す
ることが重要である。この特定の発明では、重要な特性は、後者の2つのカテゴ
リーに関係する高可撓性樹脂に係わる。この発明は、標準技術によって製造され
る同じ公称単量体比組成の樹脂と比較して低い結晶度レベルに関して従来技術か
ら極めて明確に区別される種々のVDF−HFP樹脂を生成する。かくして、本
発明は、優秀な可撓性、低温加工性、高い透明性、溶液安定性、及び水性分散液
からの室温被膜形成能を含めた特性のユニークな組み合わせを有する新規なフル
オル熱可塑性樹脂に関するものである。
量体及び70〜30重量%の弗化ビニリデン単量体の範囲内での弗化ビニリデン
及びヘキサフルオルプロピレン(HFP)のバッチ式乳化及び連続式乳化共重合
法について記載している。この文献に記載される共重合体は、例示される生成物
について文献に記載される特性によって確認されるように比較的高い結晶度を有
している。バッチ法からの同様の物質については、モッギー氏他がPolymer Bull
etin, Vol.7, pp.115-122(1982)において記載している。
HFP(約2〜30重量%のHFP及び70〜98重量%のVDF)を有するH
FP−VDF共重合体を製造するためのバッチ式及び半連続式の両方の乳化重合
法について記載している。再び、製造された共重合体は比較的高い内部結晶度を
有し、そしてこの事実は、実際に例示された共重合体について提供される物理的
データによって証明される。この特許は、共重合体中の全HFP割合が減少する
につれて引張X可逆伸びが増大したことを開示している。このことは、HFP含
量が減少するにつれて結晶度が向上することを暗示している。
DF共重合体について他の極限結晶溶融挙動と共に記載しており、ここでは、記
載される合成法を基にして、有意の単独重合体部分及び高い割合のHFPを有す
る他の共重合体部分を含有する重合体が生成している。かくして、この文献に記
載される共重合体の組成は、本発明によって企図される共重合体とは有意に異な
る。
0.295Aとして公告され、そしてWO98/38242及び米国特許出願0
9/031014に相当する)は、その内容がCIP出願09/641015に
含められているが、個々の請求項においてそして鎖毎に共単量体の高い均一性の
分布を有し、これによって先に記載の文献の技術に従って製造されたHFP−V
DF共重合体よりも抽出分が減少され且つ溶液透明性が向上されたHFP−VD
E共重合体を製造するための乳化法を開示している。これらの物質は、本発明の
共重合体とは異なる。何故ならば、本願の生成物は、HFP含量のより低い百分
率、溶解度及び溶液安定性に限定されていると共に、その低下した融点が共単量
体の均一な分布によるものとされており、そして記載される重合体の結晶度又は
その欠如について、またそれがこれらの重合体について観測される特性のどれか
に関係するか否かについて何等論議がなされていないからである。
ギー氏他は、HFP−VDF共重合体の合成及び種々の物理的特性の研究、並び
にこれらの特性を結晶度、個々の分子における単量体の序列などの如きある種の
内部構造特徴と相関させることができる方法について報告している。ごく限定さ
れた合成についての情報によれば、形成された重合体は米国特許出願09/03
1014を除いた上記の文献に従って製造されたものと類似し、そして提供され
る限定された物理的データがこの解釈と合致すること、及び記載される重合体が
高い結晶度を有することが示されている。
させることが完全に確立されているけれども、本発明によってHFPの任意の所
定の公称割合において提供されると同程度の低い結晶度を生成する方法を示唆す
る従来技術は存在しない。かくして、ここに開示される共重合体は、上記の文献
のうちのどれかによって可能にされる方法に従って同じ公称HFP含量において
製造された共重合体よりも、すべての所定のHFPレベルで測定し得る程に低い
結晶度を有する。
ロピレン含量を有し、且つ低い結晶度を有する弗化ビニリデンヘキサフルオルプ
ロピレン共重合体を提供する。
を有する弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重合体とは、かかる共重合
体が従来技術の文献(これらは、ここに記載する材料の再現的合成に対する十分
な詳細を提供する)に従って製造された共重合体よりも測定できる程に低い結晶
度を有することを意味する。かくして、36重量%以上のHFP含量を有する共
重合体は、示差走査熱量計(DSC)の走査(これについては、以下で説明する
)で検出されるすべての吸熱量から計算して約0J/gの融解熱を有し、そして
36重量%未満のHFP含量を有する共重合体では、以下で説明するようにDS
C走査で検出されるすべての発熱量は、先に記載した従来技術に従って製造した
共重合体と実質上(±1.00重量%)同じHFP含量を有する共重合体で検出
される発熱量よりも少なくとも約1.5J/g低い。かくして、0重量%よりも
大きく28.5重量%までのHFP含量を有する共重合体は、次の関係式: △H=56.49−1.854(HFP 重量%) によって規定される溶融時吸熱量を有し、そして28.5重量%よりも大きく3
6重量%までのHFP含量を有する共重合体は、関係式: △H=54.81−1.53(HFP 重量%) によって規定される溶融時吸熱量を有する。加えて、0重量%よりも大きく30
重量%までのHFPを有する共重合体も、先に記載した従来技術の文献のどれか
に記載されたと同じHFP含量の共重合体のどれよりも、所定のHFP含量にお
いてより低いDSC融点を有し、そして0重量%よりも大きく30重量%までの
HFP範囲内の特定のHFP含量を有する共重合体の融点は、関係式: 融解温度(℃)=162.16−3.192(HFP 重量%) によって規定される。
量%よりも高いHFP含量を有する共重合体はすべて、以下に記載の如きそれら
のDSC走査実験において0/J/gよりもかなり多い発熱量を示す。30重量
%よりも低いHFP含量を有するものはすべて、DSCによって測定されるより
高い融解△Hによって規定される如く本発明のものよりも高い結晶度を有する。
エルマー7DSC装置を使用してASTM D 451−97に従って実施され
る。この装置には乾燥ボックスが備えられ、そしてこの乾燥ボックスを介してN 2 パージが行われる。9〜10mgの試験片が使用され、そしてアルミニウムパ
ンでクリンプされる。
℃/分で180℃まで上昇される。
では、DSC実験は3工程サイクルで実施される。このサイクルは、−50℃で
開始され、次いで10℃/分で180℃まで上昇され、そして10分間保持され
る。次いで、この試料は、10℃/分の速度で−50℃に冷却され、次いで10
℃/分の速度で180℃に加熱される。
れた共重合体と比較して、所定のHFPレベルにあるVF2/HFPの結晶質含
量の低下はユニークな特性の組み合わせを提供するが、これらの例としては、次
の利益、 (i)粘着性の低下:容易な取り扱い及びより良好な現場実施が可能になる。 (ii)他の重合体、特にポリアクリレート及びポリメタクリレートの異なるエ
ステルとの混和性の向上 (iii)より低い融解温度:典型的な成形プロセスでより容易な製造が可能に
なる。 (iv)降伏点でのより高い伸び:より良好な性能が可能になる。 (v)降伏点でのより低い応力:より低いモジュラスによってプロセスや製造
が容易になる。 (vi)混合性の向上:より低い結晶度:硬質領域の大きさ及び容積分率の減少
の故に他の重合体とのより緊密な混合が可能になる。 (vii)より透明な溶液/曇りのない溶液:結晶度の低下によって引き起こさ
れる硬質領域の大きさ及び容積分率の減少は、重合体鎖の溶媒和の向上をもたら
し、従って重合体溶液のゲル化を遅らせる。 (viii)重合体フィルム及びプラックシートの光学透明性の向上 (ix)エラストマー性の向上 (x)溶液のより長い貯蔵寿命:結晶質領域の減少によるより良好な溶解性は
、重合体鎖の溶媒和の向上をもたらし、従って重合体溶液のゲル化を遅らせる。
、を提供するものが挙げられる。
ことが分かり、そしてより一層驚いたことには、アクリル重合体と混合されると
、本発明の共重合体では、その混合物のTgは実際に向上することが分かった。
これは全く予想外のことである。何故ならば、通常は、重合体の混合物は純重合
体よりも低いTgを示すからである。
レートエステルと混合し、そして各混合物のTg値を測定して、37.2の融解
△Hを有する標準市販VDF/HFP共重合体(ペンシルバニア州フィラデルフ
ィア所在のアトフィナ・ケミカルズ・インコーポレーテッドから入手できる約1
5.5重量%のHFPを含有する商品名「KYNAR Flex 2750」)
の同じ割合の混合物のTg値と比較した。3種の共重合体はすべて約−25±2
℃のTgを有していた。本発明の共重合体試料1(試料1)は約16.5重量%
のHFP含量及び30.4の融解△Hを有し、これに対して本発明の共重合体試
料2(試料2)は約14.1重量%のHFP含量及び26.7の融解△Hを有し
ていた。
は予測されるように24.2℃のTgを有していたのに対して、試料1との同様
の混合物は34.3℃のTgを有し、そして試料2との同様の混合物は40.8
℃のTgを有していた。50重量%のポリメタクリル酸エチルと「KYNAR
Flex」との混合物は予測されるように17.8℃のTgを有していたのに対
して、試料1との同様の混合物は26.3℃のTgを有し、そして試料2との同
様の混合物は30℃のTgを有していた。50重量%のポリメタクリル酸ブチル
と「KYNAR Flex」との混合物は予測されるように11.7℃のTgを
有していたのに対して、試料1との同様の混合物は18.6℃のTgを有し、そ
して試料2との同様の混合物は23.1℃のTgを有していた。
定した。
R管において溶解させた。10重量%未満のHFPを有する試料をDMSO−d
6中に80℃で溶解させ、これに対して10重量%以上のHFPを有する試料を
アセトン−d6中に50℃で溶解させた。2〜4mgの量の共重合体を管に入れ
、そしてその管を5.5cmまで満たすのに十分な溶剤を加えた(約0.75m
lの溶剤)。加熱ブロックを使用して各試料を気温にした。固形分が溶解されそ
してゲルが全く存在しなくなるまで試料を少なくとも1時間加熱したが、しかし
DMSO−d6の場合では劣化を回避するためにせいぜい8時間の間加熱した。
管を逆さにしてゲルについて検査した。
0℃で操作されるBruker DMX又はVarian Mercury 300 分光計のどちらかでスペ
クトルを得た。測定器においての特定のパラメーターは次の通りであった。
に従ってスペクトルを分析した。NMR収集の精度に対する検査として、CF3
及びCFが3対1の比率にあるかどうかを調べるためにそれらの積分を比較した
。
クスを製造するための方法も提供する。この高固形分小粒度ラテックスは、その
低結晶度の故に、上記の特性に加えて次の応用用途特性、 (i)より低い最低被膜形成温度(これは、樹脂がより低い温度で例えば基体
が感熱性になりうるような室温で連続フィルムを形成することができることを意
味する) (ii)より長い貯蔵寿命を与えるより長いラテックス安定性 (iii)ラテックス中における重合体のより高い濃度(これは、輸送及び貯蔵
に対して重合体の単位重量当たりのより低いコスト、並びにより良好な被膜形成
特性を提供する) (iv)光学的特性の向上:透明性の面で従来技術よりの優秀。多くの被覆用途
において、透明な被膜形成性樹脂を持つことが重要である。 、を提供する。
によって可能にされる方法によって製造されたものである。
するための物理的及び化学的特性を有する白色又は淡色の固体である。
的機械分析法、赤外及び核磁気共鳴分光分析法及び示差走査熱量測定法と一緒に
なって、本発明の第一の組成面に対する上記の構造を更に積極的に確認するもの
である。
として、また、電線ケーブル絶縁、パイプ及び他の押出又は成形品を含めた成形
品に加工したときにUV及び化学薬品抵抗性を有する熱可塑性重合体として、高
性能被覆、フィルム及びフォームを配合形成するのに有用であるという固有の応
用特性を有する。
ピレン残基含量は5重量%よりも多く、好ましくは10重量%よりも多く、より
好ましくは15重量%よりも多く、そして更により好ましくは30重量%よりも
多い。
に本発明の第一の組成面の少なくとも1つの具体例を含む被覆を有する物品を提
供する。
例を含む成型品を提供する。
明の第一の組成面の具体例を提供する。
例を参照しながら例示する。
乳化重合法によって都合よく製造されるが、しかし懸濁法及び溶液法を使用する
こともできる。乳化重合法では、反応器に脱イオン水と、重合間に反応塊を乳化
することができる水溶性界面活性剤とが仕込まれ、そして反応器及びその内容物
は撹拌しながら脱酸素される。反応器及び内容物は所望の温度に加熱され、そし
て弗化ビニリデン、ヘキサフルオルプロピレンそして随意成分としての共重合体
分子量調整用連鎖移動剤が加えられる。所望の反応圧に達したときに、反応を開
始させて維持するための開始剤が添加される。本発明のVDF/HFP共重合体
を得るために、VDF及びHFP単量体の初期仕込量は、VDFに対するHFP
の重量比が、反応間に供給しようとするHFP対VDFの重量比の3〜5倍の正
確な第一比率になる程のものである。HFP及びVDFは、反応の全過程にわた
って添加されるHFPの総量が最終共重合体中に望まれるHFPの適正量にほぼ
等しくなるような割合で反応間に供給される。かくして、VDF/HFP比は、
初期の仕込みにおいて且つ連続供給において相違する。本法では、最終共重合体
中に組み込まれるHFPの量が単量体の総重量の約66重量%までになる程の総
量でHFP及びVDFが使用される。
供するための特定の反応に対する正確な第一比率を決定するために、当業者は、
他の反応条件を一定に維持しながら適当な正確な比率を選択するために所望の範
囲で初期のHFP濃度を変えて幾つかのパイロットスケール実験を実施する方法
を理解するであろう。
えた水平重合反応器である。重合温度は使用する開始剤の特性に応じて変動する
ことができるが、しかしそれは典型的には30〜130℃そして最も好ましくは
50〜120℃である。しかしながら、温度はこの範囲に限定されず、そして高
温又は低温開始剤を使用する場合にはそれよりも高く又は低くてもよい。重合圧
は典型的には20〜80バールであるが、しかしそれは、装置がより高い圧力で
の操作を可能にするならばそれよりも高くてよい。圧力は、最も好都合には40
〜60バールである。
弗素化又は部分弗素化アルキルカルボキシレートのアンモニウム、置換アンモニ
ウム、四級アンモニウム又はアルカリ金属塩、過弗素化又は部分弗素化モノアル
キルホスフェートエステル、過弗素化又は部分弗素化モノアルキルエーテル又は
ポリエーテルカルボキシレート、過弗素化又は部分弗素化アルキルスルホネート
、及び過弗素化又は部分弗素化アルキルサルフェートのような弗素化界面活性剤
である。限定するものではないが、幾つかの具体的な例は、米国特許25597
52に記載される式X(CF2)nCOOM[式中、Xは水素又は弗素であり、M
はアルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム(例えば、1〜4個の炭素原
子のアルキルアミン)又は四級アンモニウムイオンであり、そしてnは6〜20
の整数である]の酸の塩、式X(CF2)nCH2OSO3M[式中、X及びMは先
に記載の如くである]のポリフルオルアルカノールの硫酸エステル、及びペルフ
ルオルオクチルスルホン酸カリウムにおけるような式CF3(CF2)n(CX2) m SO3M[式中、X及びMは先に記載の如くであり、nは3〜7の整数であり、
そしてmは0〜2の整数である]の酸の塩である。界面活性剤の仕込量は使用し
た総単量体重量を基にして0.05〜2重量%であり、そして最も好ましくは界
面活性剤の仕込量は0.1〜1.0重量%である。
き、そして任意の長鎖飽和炭化水素ワックス又は油を使用することができる。パ
ラフィンの反応器装填量は、使用する総単量体重量を基にして0.01〜0.3
重量%であってよい。
を仕込んだ後、反応器は、酸素を除去するために窒素でパージされるか又は排気
される。反応器は気温にされ、そして連鎖移動剤を随意に添加することができる
。次いで、反応器は、弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとの混合物で
加圧される。
である。アルコール、カーボネートエステル、ケトン、カルボキシレートエステ
ル及びエーテルが、連鎖移動剤として働く含酸素化合物である。限定するもので
はないが、具体的な例は、米国特許4360652に記載される如きイソプロピ
ルアルコール、米国特許3857827に記載される如きアセトン、及び公開J
P58065711に記載される如き酢酸エチルである。弗素化単量体の重合に
おいて連鎖移動剤として働く他の群の化合物は、1〜6個の炭素原子を有するク
ロロカーボン、ヒドロクロロカーボン、クロロフロロカーボン及びヒドロクロロ
フロロカーボンのようなハロカーボン及びヒドロハロカーボンである。限定する
ものではないが、具体的な例は、米国特許4569978に記載される如きトリ
クロルフルオルメタン、及び1,1−ジクロル−2,2,2−トリフルオルエタ
ンである。連鎖移動剤は、反応の開始時に全部一度に、反応を通して少しずつ、
又は反応が進行するときに連続的に添加されることができる。使用される連鎖移
動剤の量及び添加の態様は、連鎖移動剤の活性度及び生成物の所望の分子量特性
に左右される。連鎖移動剤の使用量は使用する総単量体重量を基にして0.05
〜5重量%であり、そして好ましくはそれは0.1〜2重量%である。
るVDF/HFP混合物中のヘキサフルオルプロピレンの比率が反応間に反応器
に供給されるヘキサフルオルプロピレンの比率の約3〜約5倍の範囲になるよう
な厳密な比率(第一の正確な比率)で添加することによって加圧される。この正
確な比率は、先に記載したように一連の制御した実験室的実験によって選択され
ることができる。
び有機ペルオキシドを含めて弗素化単量体の重合に対して知られた任意の好適な
開始剤の添加によって開始されて維持されることができる。典型的な無機ペルオ
キシドの例は、65℃〜105℃の温度範囲で有用な活性を有する過硫酸のアン
モニウム又はアルカリ金属塩である。“レドックス”系はより低温においてさえ
使用することができるが、その例としては、過酸化水素、t−ブチルヒドロペル
オキシド、クメンヒドロペルオキシド又は過硫酸塩の如き酸化剤と、ナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート又はアスコルビン酸の如き活性剤を随意に組
み合わせた還元金属塩(鉄(II)塩が特定の例である)の如き還元剤との組み合
わせが挙げられる。重合に対して使用することができる有機ペルオキシドの例と
しては、ジアルキルペルオキシド、ペルオキシエステル及びペルオキシジカーボ
ネートの群が挙げられる。ジアルキルペルオキシドの例はジ−t−ブチルペルオ
キシドであり、ペルオキシエステルの例はt−ブチルペルオキシピバレート及び
t−アミルペルオキシピバレートであり、そしてペルオキシジカーボネートの例
はジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジ
カーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート、及びジ(2−
エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートである。弗化ビニリデンの重合及び
他の弗素化単量体との共重合に対してジイソプロピルペルオキシジカーボネート
を使用することは米国特許3475396に教示されており、そして弗化ビニリ
デン/ヘキサフルオルプロピレン共重合体を製造する際のその使用は米国特許4
360652に更に例示されている。弗化ビニリデンの重合に際してジ(n−プ
ロピル)ペルオキシジカーボネートを使用することは、公開JP5806571
1に記載されている。重合に要求される開始剤の量は、その活性度及び重合に対
して使用される温度に関係する。開始剤の総使用量は、一般には、使用される総
単量体重量を基にして0.05〜2.5重量%である。典型的には、反応を開始
させるのに十分な開始剤が開始時に添加され、次いで重合を都合のよい速度に維
持するために追加的な開始剤を随意に添加することができる。開始剤は、選択し
た開始剤に依存して純形態で、懸濁液の状態で又はエマルジョンの状態で添加さ
れることができる。特定の例として、ペルオキシジカーボネートが水性分散液の
形態で都合よく添加される。
単量体との混合物が反応圧を維持するように臨界的比率(第二の有効比率)で供
給される。使用される第二の有効比率におけるヘキサフルオルプロピレンの割合
は共重合体の最終組成に望まれる単量体単位比に相当し、そしてそれは反応を通
して連続的に供給しようとする単量体の総重量の66%までの範囲にわたってよ
い。所望の固形分が得られるまで弗化ビニリデン、ヘキサフルオルプロピレン、
そして随意成分としての開始剤及び連鎖移動剤の供給が続けられる。
るが、しかし残留単量体を消費させるために開始剤の供給が続けられる。この段
階で組成ドリフトを最小限にするために、反応器の圧力が連続する反応圧から1
0〜20バールほど降下した後に、VDFの一部分を添加して反応器の圧力を初
期の設定点にし、そして反応器の圧力が約15〜25バール降下するまで開始剤
の供給を続ける。約10〜20分の遅れ時間後、反応器はできるだけ迅速に冷却
される。周囲温度(20〜35℃)に達した後、未反応単量体は排出され、そし
て反応によって生じたラテックスは適当な受け容器に排出される。乾燥樹脂を得
るために、そのラテックスは慣用法によって凝固され、その凝塊が分離され、そ
して分離された凝塊は洗浄することができる。粉末を提供するには、凝塊が乾燥
される。
断を含めて幾つかの周知法を使用することができる。粉末は、所望ならば、ペレ
ット又は他の都合のよい樹脂形態に更に加工されことができる。
を提供するためにVDFと共重合可能であることが知られた少量の第三単量体(
HFPレベルの約10重量%まで)を含めることができることを認識するであろ
う。かかる公知の共重合性単量体は、例えば、HFPの他に、少なくとも1個の
弗素原子を含有するC(2〜8)アルケン、少なくとも1個の弗素原子を含有す
るアルキルビニルエーテル、弗素化α,α’−位置を含有する脂肪族又は環状C
(3〜6)ケトン、非弗素化C(2〜4)不飽和炭化水素、C(3〜6)アルキ
ルビニルエーテル又はC(4〜6)ビニルエステルの群から選択されることがで
きる。
ベースは通常はアクリル樹脂を一部分含むこと、並びに、塗料ワニス及び関連す
る被覆材料そしてそれらから被覆の形成は当業者に周知の標準法によって達成す
ることができることが当業者によって理解されよう。
示するものであり、従って、本発明を単に例示するものであって、いかなる点に
おいても本発明を限定するものと解釈すべきでない。
方法(例2、3、6、比較例)及び米国特許3178399に記載される方法(
例4、5、比較例)によってVDFとHFPとの共重合体を製造した。表1は、
初期にそして定常状態反応(S.S.)間に供給したHFP重量%、反応ラテッ
クスから樹脂を分離するのに使用した方法(酸凝固又は酸凝固を行わない)、及
びDSCによって実測された内部結晶度を示す。また、表1には、フルオルエラ
ストマーであるViton Aの市場で得られた試料(例9)で実測された内部
結晶度の比較も含まれる。
重合体中の結晶含量は最終生成物のHFP含量に関係することが知られている。
VF2/HFP共重合体の例の測定された結晶含量(DSCによる融解△H)が
表1に記載されている。表1を調べると、本発明の共重合体は高HFP含量(3
0〜60%)においてゼロ結晶度であるのに対して、従来技術の共重合体は少な
くとも幾らかの結晶度を含有することが示されている。
例11、16)、米国特許5093247の方法(例10、12、15,19)
及びインドネシア特許出願W98105の方法(例13、17)によってVDF
/HFP共重合体の追加的な例を製造した。HFP含量、融点及び融解△Hを表
2に記載する。
は半結晶質になる。HFP含量を30%未満にしたVF2/HFP共重合体の例
の結晶含量及びピーク融解温度が表2に提供される。表2を調べると、同じHF
Pレベルでは、本発明の共重合体は、上記の従来技術に従って製造した共重合体
よりも低い結晶度を有することが分かる。同じHFP含量での本発明の共重合体
及び従来技術の共重合体の結晶含量間の相違は、これらの共重合体の分子構造間
の相違を表わしている。
Claims (9)
- 【請求項1】 約1重量%〜約66重量%のヘキサフルオルプロピレン含量
を有し、且つ低い結晶度を有する弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重
合体。 - 【請求項2】 15重量%〜約66重量%のヘキサフルオルプロピレン含量
を有する請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重合体。 - 【請求項3】 約36重量%以上のヘキサフルオルプロピレン含量及びゼロ
低結晶度を有する請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重
合体。 - 【請求項4】 (a)反応器に、第一の正確な比率にある弗化ビニリデン及
びヘキサフルオルプロピレンと、水と、重合を開始させる開始剤と、重合間に開
始剤及び反応塊の両方を乳化することができる水溶性界面活性剤とを仕込み、 (b)第二の有効な比率にある弗化ビニリデン及びヘキサフルオルプロピレン
を反応器で所望の固形分が得られるまで供給し、そして (c)所望の弗化ビニリデンヘキサフルオルプロピレン共重合体を得る、 ことを含む方法によって製造した請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサフルオル
プロピレン共重合体。 - 【請求項5】 請求項4記載の方法。
- 【請求項6】 36重量%〜66重量%のヘキサフルオルプロピレン含量を
有し、且つゼロの融解△Hを有する請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサフルオ
ルプロピレン共重合体。 - 【請求項7】 0重量%よりも大きく28.5重量%までのヘキサフルオル
プロピレン含量を有し、且つ関係式: △H=56.49−1.854(HFP 重量%) によって規定される融解時吸熱量を有する請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサ
フルオルプロピレン共重合体。 - 【請求項8】 1重量%〜30重量%のヘキサフルオルプロピレン含量を有
し、且つ関係式: 融解温度(℃)=162.16−3.192(HFP 重量%) によって規定されるDSC融点を有する請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサフ
ルオルプロピレン共重合体。 - 【請求項9】 28.5重量%よりも大きく36重量%までのヘキサフルオ
ルプロピレン含量を有し、且つ関係式: △H=54.81−1.53(HFP 重量%) によって規定される融解時吸熱量を有する請求項1記載の弗化ビニリデンヘキサ
フルオルプロピレン共重合体。
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