JP2001226467A - フッ素含有ノルボルネン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

フッ素含有ノルボルネン系重合体およびその製造方法

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JP2001226467A
JP2001226467A JP2000045159A JP2000045159A JP2001226467A JP 2001226467 A JP2001226467 A JP 2001226467A JP 2000045159 A JP2000045159 A JP 2000045159A JP 2000045159 A JP2000045159 A JP 2000045159A JP 2001226467 A JP2001226467 A JP 2001226467A
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carbon atoms
fluorine
polymer
norbornene
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JP2000045159A
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Shigeki Katogi
茂樹 加藤木
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Resonac Corp
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Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐候性に優れたノルボルネン系重合体とその
製造方法を提供する。 【解決手段】 式(1)で示される繰り返し単位を有
し、Mnが300〜300,000であるフッ素含有ノ
ルボルネン系重合体。 (Xは酸素又はメチレン、R1及びR2は、水素、フッ
素、C1〜20アルキル基等、R3及びR4は、水素、フ
ッ素、C1〜20アルキル基等、mは0〜2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素含有ノルボ
ルネン系重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノルボルネン型モノマーを開環重
合させて、重合体を得る方法は知られている。例えば、
特開昭52−126500号公報には複分解(メタセシ
ス)触媒系の触媒を使用してノルボルネン系モノマーを
開環重合させて重合体を得る方法が開示されている。こ
のメタセシス重合により得られた重合体は、主鎖中に二
重結合が存在しているため、耐侯性に劣ることが知られ
ている。そこで耐侯性を向上させることを目的に、重合
体中の二重結合を水素化反応により単結合にする方法が
一般に用いられている。メタセシス重合体の水素化反応
は、例えば、特開平6−206985号公報や特開平7
−188396号公報に示されており、Ni、Pd、R
uなどの担持型触媒、Ti、Co、Niなどの遷移金属
化合物とアルキルアルミニウムなどからなるチーグラー
型触媒、Ru錯体、Rh錯体などの金属錯体触媒を用い
て、加圧加温下で水素ガスと接触させて前記重合体の水
素化反応を行っている。
【0003】しかしながら、上記水素化反応は重合体中
の全ての二重結合を水素化するために少なくとも3時間
以上の反応時間が必要である。また、水素化反応終了
後、用いた水素化触媒の除去操作が必要となる。このた
め、重合体中の金属不純物残存量が高くなり、電気・電
子材料、半導体材料等の絶縁性が要求される分野や、光
学材料、液晶関連材料等の透明性が要求される分野には
適用できないという問題がある。また、金属不純物量を
低減するために、ろ過、吸着処理等が必要となり、生産
時間および生産コストが高くなるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性に優れたメタセシス重合体を提供することにあり、フ
ッ素含有ノルボルネン系重合体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(1)で
示される繰り返し単位を有し、ポリスチレン換算での数
平均分子量が300〜300,000のフッ素含有ノル
ボルネン系重合体である。
【化2】 (ここでXは酸素又はメチレン、R1及びR2は、それぞ
れ独立に水素、フッ素、炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアル
キルエステル基、炭素数1〜20のポリアルキレンオキ
シ基、R3及びR4は、それぞれ独立に水素、フッ素、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、カルボニル基、炭素数1〜20のアルキルエステ
ル基、炭素数5〜8のシクロアルキルエステル基、フェ
ニルエステル基、ベンジルエステル基、炭素数1〜20
のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜20のパーフル
オロアルコキシ基、炭素数1〜20のアミド基、シアノ
基、ビニル基、炭素数1〜10のトリアルコキシシリル
基、または、R3とR4から構成される無水物基、イミド
基から選ばれ、イミド基は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、フェニル基を
含み、さらにフェニル基はアルキル基、シアノ基、ニト
ロ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ジメチル
アミノ基等で置換されていても良い。また、mは0〜2
であり、nは繰り返しの数を示す。)また、本発明は置
換または無置換のノルボルネン誘導体をメタセシス重合
した後、フッ素ガスを接触させて得られるフッ素含有ノ
ルボルネン系重合体の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のメタセシス重合で使用さ
れるモノマとしては、置換または無置換のノルボルネン
誘導体が好適に用いられ、これらのモノマは単独あるい
は複数を組合わせて用いることができる。
【0007】ノルボルネン誘導体としては、ノルボルネ
ン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチル
ノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネン、ブチルノルボルネン、5−アセチル−2−ノル
ボルネン、ジメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボキシレート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2−
カルボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルボキシア
ルデヒド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸モ
ノメチルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカル
ボン酸ジメチルエステル、5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸ジエチルエステル、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジシクロヘキシルエ
ステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジベ
ンジルエステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物、3,6−エポキシ−1,2,3,6−テト
ラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2−メタノール、6
−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ノルボ
ルネン−2−オールなどの二環ノルボルネン、ジヒドロ
ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、
ジメチルジシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン
などの三環ノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチ
ルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセ
ンなどの四環ノルボルネン、トリシクロペンタジエン
(シクロペンタジエンの三量体)、テトラシクロペンタ
ジエン(シクロペンタジエンの四量体)などの五環以上
のノルボルネンが挙げられる。
【0008】2個以上のノルボルネン基を有する化合
物、例えばテトラシクロドデカジエン、対称型トリシク
ロペンタジエン等を用いることもできる。以上のノルボ
ルネン誘導体は、単独でまた複数のモノマーの混合物と
して用いることもできる。
【0009】前記ノルボルネン誘導体を重合させるため
のメタセシス重合触媒としては、従来公知の重合方法を
用いることができ、例えばEncyclopedia of Polymer Sc
ience and Engineering、9巻、634〜668頁(H. F. Mar
k、N. M. Bikales、C. G. Overberger、G. Menges編、1
987、JohnWiley&Sons社)に記載されているタングステ
ン、モリブデン、レニウム、チタン、ルテニウム、レニ
ウム、イリジウム等の遷移金属化合物が挙げられる。こ
れらの触媒を使用する際にはアルキルアルミニウム等の
助触媒を加えることで飛躍的に重合効率を上げることが
できる。また、前記以外にMacromolecules、23、3534頁
(1990)やOrganometallics、16、3867頁(1997)に記載さ
れているタングステン、モリブデン、オスミウム及びル
テニウムカルベン錯体を用いることができ、酸素や水分
が存在しても十分な重合活性を示すルテニウムカルベン
錯体及びオスミウムカルベン錯体が特に好ましい。
【0010】前記ルテニウムカルベン触媒及びオスミウ
ムカルベン触媒は、下記一般式(A)又は下記一般式
(B)で示されるもので、それぞれ単独で用いても、併
用しても良い。
【化3】
【化4】 (ここで、Mはルテニウム又はオスミウム;R及びR1
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20の
アルキニル基、炭素数2〜20のアリール基、炭素数1
〜20のカルボキシレート基、炭素数1〜20のアルコ
キシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数
1〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコ
キシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、
炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、炭素数1〜
20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜20のアル
キルセレノ基、炭素数1〜20のアルキルセレニル基、
及び炭素数1〜20のアルキルセレノニル基から選ば
れ、それぞれは炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン、
炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数2〜20のアリ
ール基で置換されていても良く、前記アリール基はハロ
ゲン、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基で置換されていても良い;X及びX1はアニオ
ン性配位子であり、アニオン配位子は、中心金属への配
位を外したときに陰性電荷をもつ基のことである。この
ような基としては、例えば、水素、ハロゲン、CF3
3、CH3CO2、CFH2CO2、(CH3)3CO、(CF
3)2(CH3)CO、(CF3)(CH3)2CO、炭素数1〜5
のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、トシル基、メシル基、トルフルオロ
メタンスルホネート基等があり、特に好ましいものは両
方にハロゲン(特に、塩素)である。
【0011】LおよびL1はそれぞれ独立に中性の電子
供与基を示す。中性の電子供与基は、中心金属への配位
を外したときに中性電荷をもつ基のことである。このよ
うな基としては、例えば、PR234(ここで、R2
2級のアルキル基またはシクロアルキル基、R3および
4はそれぞれ独立に、アリール基、炭素数1〜10の
1級アルキル基もしくは2級アルキル基、シクロアルキ
ル基を示す。)で表されるホスフィン系電子供与基や、
ピリジン、p-フルオロピリジン、イミダゾリリデン化
合物等がある。好ましいLおよびL1は、両方共に−P
(シクロヘキシル)3、−P(シクロペンチル)3、また
は−P(イソプロピル)3であるが、LおよびL1互いに
異なる電子供与基であっても良い。
【0012】上記一般式(A)で示される触媒又は上記
一般式(B)で示される触媒は、従来知られているよう
な触媒成分と活性化剤とを組合わせた2成分系の触媒系
とは異なり、空気中の酸素や水分によって容易に触媒活
性を失わずにメタセシス重合性モノマを開環重合させる
ことができる。このような触媒の具体的なものは、例え
ば、下記一般式(C)〜(J)で示される化合物等が挙げ
られ、中でも式(C)、(D)、(E)及び(F)の化
合物が好ましい。
【0013】
【化5】
【0014】メタセシス触媒の配合量は、メタセシス重
合性モノマの総量100重量部に対して、0.001〜
10重量部であり、好ましくは0.05〜5重量部であ
る。
【0015】本発明のメタセシス重合は、通常、溶媒の
存在下で行われる。重合溶媒としては、触媒の活性を低
下させない溶媒であれば特に制限は無いが、例えばトル
エン、アセトン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、N−メ
チルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸n−
ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロ
ロエタン、n−ペンタン、シクロペンタン、シクロペン
テン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセ
ン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シ
クロオクタン、ジエチルエーテル等が挙げられ、モノマ
濃度は1〜80重量%、好ましくは5〜30重量%であ
る。
【0016】メタセシス重合を行う際には、得られる重
合体の分子量調節を目的に、連鎖移動剤を使用すること
ができる。連鎖移動剤としては、例えば、1−ブテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、アリルアルコール、アリル
イソシアナート、アリルグリシジルエーテル、アリルト
リエトキシシラン、アリルメタクリレート、2−(アリ
ルオキシ)エチルアルコール、マレイン酸ジアリル、o
−アリルフェノール等のアリル化合物、スチレン、p−
メトキシスチレン、4−ビニル−1−シクロヘキセン−
1,2−エポキサイド等のビニル化合物が挙げられる。
これらの連鎖移動剤の添加量は所望の分子量によって異
なるが、触媒に対して0.5〜100当量加えることで
分子量数百〜数十万のポリマを得ることができる。
【0017】メタセシス重合時の雰囲気は、空気中でも
反応は進行するが、窒素、アルゴン等で不活性雰囲気に
することが好ましい。
【0018】メタセシス重合時の反応温度は、0〜10
0℃であり、好ましくは室温(20℃)〜60℃である。
本反応は、開環重合であり、ノルボルネン誘導体の分子
内の歪みエネルギーが放出されるため、発熱反応であ
る.従って、適宜冷却を行って反応温度を制御すること
が好ましい。
【0019】反応時間は、ノルボルネン誘導体の種類、
メタセシス重合触媒の種類および添加量、溶媒量、反応
温度によって変化するが、通常10分〜24時間であ
り、ノルボルネン誘導体が反応によって消費するまで反
応を行うことが好ましい。
【0020】ノルボルネン誘導体が反応して全て消費さ
れてしまうと重合反応は自然に停止するが、メタセシス
重合触媒が触媒活性を保持したまま存在する。このた
め、重合体同士がカップリングしたり、触媒成分が酸化
されて重合体が着色する可能性がある。これを防ぐた
め、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、酢酸ビニル等のビニル化合物を添加して触媒を不活
性化させる。さらに、触媒成分を取り除くために、アル
ミナ、セライト、活性炭等の吸着剤を用いて、吸着処理
を行っても良い。
【0021】本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合体
は、前記メタセシス重合で得られた重合体をフッ素ガス
(F2)と接触することで容易に合成することができる。
フッ素ガスとの接触は、固体の重合体を直接フッ素ガス
と接触させても良いが、フッ素ガスは高い反応性を有し
ているために反応の制御が難しく、一般には前記ポリマ
を溶媒に溶かした溶液にフッ素ガスを接触させる方法が
好ましい。溶媒としては、フッ素ガスと反応せず、かつ
ポリマが溶解できる溶媒であれば特に制限は無いが、特
に塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベ
ンゼン等のハロゲン系溶媒、水、アセトニトリル、ジグ
ライムが好ましい。これらの溶媒に対して溶解させる重
合体の濃度は0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜
30重量%である。
【0022】前記フッ素ガスは、純度100%のフッ素
ガスの他に、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガス
で適宜希釈して用いることができる。
【0023】本発明のフッ素ガスと重合体の反応におい
て、フッ素ガスの接触量は、反応する重合体中に存在す
る二重結合量により決定することができ、二重結合量と
当量〜10当量であり、副反応を考慮すると重合体の二
重結合量に対して1.2〜5当量が好ましい。
【0024】本発明のフッ素ガスと重合体の反応におけ
る反応温度は、特に制限を受けるものではないが、一般
的には、−150℃〜25℃の温度で行うことができ
る。−150℃以下でも反応は進行するが、反応時間が
長くなる恐れがある。また、25℃以上では、重合体の
二重結合部以外とも反応する可能性が高い。
【0025】本発明のフッ素ガスと重合体の反応時間
は、少なくとも使用するフッ素ガス全てを重合体中に接
触することができれば良い。反応が終了した後は、窒
素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを添加して、未
反応のフッ素ガスを反応液中から取り除くことが好まし
い。この後、溶媒を除去してフッ素含有ポリマを得るこ
とができる。また、高純度なフッ素含有ノルボルネン系
重合体を得るためには、不活性ガスを添加した反応液を
水あるいは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム水溶液
等のアルカリ水溶液で洗浄した後、過剰の貧溶媒である
n−ヘキサン、メタノール、水等に注入して重合体を再
沈させ、乾燥させて高純度のフッ素含有ノルボルネン系
重合体を得ることができる。貧溶媒による再沈の他に、
ロータリーエバポレーター等を使用して反応溶媒を除去
して、高純度のフッ素含有ノルボルネン系重合体を得る
こともできる。
【0026】本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合体
には必要に応じて安定化剤を配合することができる。本
発明に用いられる安定化剤としては、紫外線吸収剤、光
安定化剤および酸化防止剤が挙げられる。紫外線吸収剤
としては、例えばフェニルサリシレート、パラ−t−ブ
チルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸
収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4,4'ジメトキシベンゾフェノンなどのベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−
5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'
−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ
−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−
2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル
−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレートなどの
シアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられる。これ
らは単独または2種類以上併用しても良い。これら紫外
線吸収剤の添加量は、通常フッ素含有ノルボルネン系重
合体100重量部に対し、0.05〜20重量部が好ま
しい。
【0027】また光安定化剤としては、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン重縮合物などのヒンダードアミン系光
安定剤が挙げられる。この光安定剤は通常フッ素含有ノ
ルボルネン系重合体100重量部に対し0.05〜20
重量部添加できる。
【0028】さらに本発明に用いられる酸化防止剤とし
ては、パラベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノンな
どのキノン類、ハイドロキノン、パラ-t-ブチルカテコ
ール、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノンなどのハイド
ロキノン類、ジ-t-ブチル・パラクレゾール、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、ピロガロールなどのフェノ
ール類、ナフテン酸銅やオクテン酸銅などの銅塩、トリ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベ
ンジルアンモニウムマレエート、フェニルトリメチルア
ンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩類、
キノンジオキシムやメチルエチルケトオキシムなどのオ
キシム類、トリエチルアミン塩酸塩やジブチルアミン塩
酸塩などのアミン塩酸塩類、鉱油、精油、脂肪油などの
油類などが挙げられる。これら酸化防止剤の添加量はフ
ッ素含有ノルボルネン系重合体100重量部に対し10
〜10,000ppmが好ましい。
【0029】本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合体
は、一般に用いられる熱及び、又は光により硬化する硬
化剤を配合することができる。熱によって硬化する硬化
剤としては、加熱によって3次元硬化物を与えるもので
あれば特に限定されないが、例えば硬化触媒とエポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアナー
ト樹脂、オキセタン誘導体等の組合せが挙げられる。こ
れらはフッ素含有ノルボルネン系重合体100重量部に
対して1〜100重量部、好ましくは5〜70重量部で
ある。
【0030】光によって硬化する硬化剤としては、活性
エネルギー光線の照射によって3次元硬化物を与えるも
のであれば特に限定されないが、化合物自身が光照射に
より硬化する化合物、例えばアジド化合物、カルコン化
合物、けい皮酸化合物に代表される光硬化性化合物が挙
げられる。また、光ラジカル発生剤の存在下に単官能及
び2官能以上の(メタ)アクリレート化合物、不飽和ポリ
エステル、マレイミド化合物、スチレンやN−ビニル−
2−ピロリドンに代表されるビニル化合物、アリル化合
物等が挙げられる。また、光酸発生剤の存在下、エポキ
シ、オキセタン、ビニルエーテル基等の官能基を分子内
に一つ以上有する化合物と組合わせて用いることができ
る。これらはフッ素含有ノルボルネン系重合体100重
量部に対して1〜100重量部、好ましくは5〜70重
量部である。
【0031】上記以外に本発明のフッ素含有ノルボルネ
ン系重合体は、必要に応じて充填材、ガラス繊維、ガラ
スマット、着色剤、難燃剤等を添加することができる。
【0032】本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合体
は、光硬化性組成物あるいは熱硬化性組成物のバインダ
ポリマ、表面処理剤、グラフトポリマ用の成分として応
用することができる。また、ガス透過膜、塗料、接着
剤、各種自動車部品、電気・電子材料、半導体材料、光
学材料、光ファイバー、光ファイバー用接着剤、光導波
路材等、多種多様な用途に応用することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0034】(実施例1)攪拌機、リービッヒ冷却管、
窒素ガス導入管を取り付けた50mlの4つ口フラスコ
に5−ノルボルネン−2,3−ジメチルエステル5.0
0g(23.8mmol)、トルエン45.60gを仕込
み、窒素ガスを200ml/min流通させながら60
℃で10分間攪拌した。この後、メタセシス重合触媒で
あるビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデ
ンルテニウムジクロライド0.065g(0.079m
mol)を加えた。触媒を添加してから2時間後に加熱
を停止し、反応液の温度が室温まで下がったことを確認
し、酢酸ビニル0.91g(10.6mmol)を添加
し、15分間攪拌を続けた。反応終了後、500mlの
n−ヘキサンに反応液をゆっくり添加したところ、白色
ポリマが析出した。析出物を吸引ろ過により取り出した
後、真空乾燥機(温度30℃)で10時間乾燥し、白色の
メタセシス重合体4.80g(収率96%)を得た。この
重合体をテトラヒドロフランに溶解してGPC分析を行
ったところ、ポリスチレン換算の数平均分子量は11
7,000、分子量分散(数平均分子量/重量平均分子
量)は1.29であった。攪拌機、ガス導入管、ガス排
出管を取り付けた1000mlの4つ口フラスコに前記
メタセシス重合体3.00g(重合体中の二重結合量:
14.3mmol)およびクロロホルム297gを加え
室温下で溶解させた。完全に重合体が溶解したのを確認
し、窒素ガスを200ml/min流通させながら−4
0℃に冷却した。液温が−40℃になったのを確認し
て、窒素とフッ素の混合ガス(窒素/フッ素:90/1
0vol %)をフッ素ガス換算35.75mmolとなる
ように流速20ml/minで接触させた。この後、1
5分間攪拌し、窒素を200ml/minの流速で30
分間流した。この後、反応液を室温に戻し、300ml
の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2度洗浄した。得ら
れた反応液をエバポレーターを用いて100gになるま
で濃縮し、500mlのn−ヘキサン中に添加した。添
加と共に白色ポリマが析出した。この析出物をろ過、乾
燥してフッ素含有ノルボルネン系重合体を得た。本ポリ
マのGPC分析を行ったところ、ポリスチレン換算の数
平均分子量は15,100、分子量分散(数平均分子量
/重量平均分子量)は1.87であった。また、この重
合体のプロトン核磁気共鳴(1H‐NMR)スペクトル
を図1に示した。2.22ppmに下記式Hdに基づく
ピーク、2.75ppmにHcに基づくピーク、3.3
5ppmにHeに基づくピーク、3.67ppmにHf
に基づくピーク、4.67ppmにHa、Hbに基づく
ピークが観測される。フッ素ガス接触前のプロトン核磁
気共鳴スペクトル測定で、ポリマ主鎖の二重結合に由来
する5.53ppm付近のピークが消失したことから、
フッ素が置換されたことが推定される。図2にフッ素核
磁気共鳴(19F‐NMR)スペクトルを示した。−1
90〜−210ppmに−CHF−に基づくピークが観
測される。また、存在比では少ないが−100〜−12
0ppm付近に−CF2−に基づくピークが観測され
る。これらの結果から、重合体の主鎖にフッ素を含有し
たフッ素含有ノルボルネン系重合体であることが確認さ
れる。
【化6】
【0035】
【発明の効果】本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合
体は、メタセシス重合体の二重結合部をフッ素化したの
で耐候性や透明性に優れる。また、従来の水素化反応に
よる場合に比べ反応時間が少なく、水素化触媒の除去操
作が不要であるので、生産性に優れ、生産コストが低く
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合体の
プロトン核磁気共鳴スペクトル。
【図2】 本発明のフッ素含有ノルボルネン系重合体の
フッ素核磁気共鳴スペクトル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示される繰り返し単位を
    有し、ポリスチレン換算での数平均分子量が300〜3
    00,000であるフッ素含有ノルボルネン系重合体。 【化1】 (ここでXは酸素又はメチレン、R1及びR2は、それぞ
    れ独立に水素、フッ素、炭素数1〜20のアルキル基、
    炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアル
    キルエステル基、炭素数1〜20のポリアルキレンオキ
    シ基、R3及びR4は、それぞれ独立に水素、フッ素、炭
    素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキ
    シ基、カルボニル基、炭素数1〜20のアルキルエステ
    ル基、炭素数5〜8のシクロアルキルエステル基、フェ
    ニルエステル基、ベンジルエステル基、炭素数1〜20
    のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜20のパーフル
    オロアルコキシ基、炭素数1〜20のアミド基、シアノ
    基、炭素数1〜10のトリアルコキシシリル基または、
    3とR4から構成される無水物基、イミド基から選ば
    れ、イミド基は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5
    〜10のシクロアルキル基、フェニル基を含み、さらに
    フェニル基は置換されていても良い。また、mは0〜2
    であり、nは繰り返しの数を示す。)
  2. 【請求項2】 置換または無置換のノルボルネン誘導体
    をメタセシス重合した後、フッ素ガスを接触させて得ら
    れる請求項1に記載のフッ素含有ノルボルネン系重合体
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063351A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Asahi Glass Co Ltd 含フッ素重合用モノマーおよびその重合体
JP2008239995A (ja) * 2001-04-27 2008-10-09 Mitsui Chemicals Inc フッ素含有環状オレフィンポリマー、その環状オレフィン系単量体および該ポリマーの製造方法
JP2011524830A (ja) * 2008-06-20 2011-09-08 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ポリマー鋳型及び該鋳型から製造される物品

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