JP4225001B2 - 電動機 - Google Patents

電動機 Download PDF

Info

Publication number
JP4225001B2
JP4225001B2 JP2002233052A JP2002233052A JP4225001B2 JP 4225001 B2 JP4225001 B2 JP 4225001B2 JP 2002233052 A JP2002233052 A JP 2002233052A JP 2002233052 A JP2002233052 A JP 2002233052A JP 4225001 B2 JP4225001 B2 JP 4225001B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
permanent magnets
electric motor
permanent magnet
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002233052A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004072978A (ja
Inventor
正広 長谷部
悟 田中
晃 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2002233052A priority Critical patent/JP4225001B2/ja
Publication of JP2004072978A publication Critical patent/JP2004072978A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4225001B2 publication Critical patent/JP4225001B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機として、例えば、コイルを円筒型の固定子と、この固定子円筒の内側に永久磁石を埋め込まれた回転子と、からなる構造を採る永久磁石モータ(以下「PMモータ」と称する。)と呼ばれるタイプのモータがある。この種のPMモータは、固定子に複数配置されたコイルに順次電流を流すことで、コイルに発生した回転磁界と回転子の永久磁石による磁界との相互作用により、回転子を回転させる。このようなPMモータでは、電流を流すコイルを順次切り替えていく速度に応じて回転数を制御している。
【0003】
ところで、このようなPMモータにおいては、永久磁石を備えた回転子の回転により回転子の回転数に応じた誘導起電圧が固定子のコイルに生じ、それが固定子コイルに外部から印加される電圧を打ち消す方向に発生する。そのため、モータの最大回転数は、かかる誘導起電圧が外部からコイルに印加する電圧以下となるような回転数に制限される。
【0004】
一方、永久磁石を備えた回転子の回転に伴う誘導起電圧の大きさを小さくするように、発生する磁力の小さい永久磁石を回転子に埋め込むことにより、モータの最大回転数を上げることができるが、この場合には、モータにより発生可能な最大トルクが小さくなってしまう。即ち、PMモータにおいては、得られる最大トルクと最大回転数とが互いにトレードオフの関係にあるといえる。
【0005】
そこで、PMモータにおいて、高回転化(例えば6000rpm 以上)を実現させるため、固定子のコイルに、回転子の永久磁石による磁力を打ち消す電流を流して誘導起電圧を下げる「弱め界磁制御」と呼ばれているモータ制御方法が提案されている。
【0006】
また、回転子に永久磁石を有することなく、固定子の磁極と相対する回転子の表面に鉄の突起(突極)を設け、固定子のコイルが発生する磁力によってこの回転子突極が引き付けられる力(以下「リラクタンストルク」と称する)により回転子を回転させる、リラクタンスモータと呼ばれるタイプのモータがある。
【0007】
このリラクタンスモータは、回転子が発生する誘導起電圧が小さいので、PMモータと比較して高回転が可能であるという利点を備えるが、低回転時(例えば3000rpm 以下)に発生できるトルクは、コイルの磁界と永久磁石の磁界との相互作用を利用するPMモータには遥かに及ばないという欠点を持つ。
【0008】
また、近年、回転子が発生する磁力を可変可能な構成を持つことにより、高トルク、高回転を実現するモータとして、例えば特開平10−155262公報に開示される「磁石式ブラシレス電動機」が提案されている。この電動機では、永久磁石を表面に配置した回転子を軸方向に2分割し、低回転時は同位相(2分割した回転子部分の永久磁石の磁極が軸方向にそろっている状態)とし、高回転時は位相をずらすことにより、局部的な短絡が多く生じ、固定子に到達する鎖交磁束を減少させることができ、この鎖交磁束による誘導起電圧を低減できることから、高回転を実現できるとしている。
【0009】
さらに、同様の先行技術として、特開2001−251824公報に開示される「永久磁石回転機の励磁方法」が提案されている。この励磁方法では、回転子を軸方向に2分割し、一方に永久磁石を、他方に電磁石を配置し、回転に応じて電磁石へ流す電流を制御することにより、ギャップ磁束(回転子と固定子の間の隙間を通過する磁束で鎖交磁束とも呼ばれる)を制御でき、高回転を実現できるとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電動機等によると、PMモータにおける「弱め界磁制御」においては、界磁コイルを利用して弱め界磁を発生しているためトルクに関与しない弱め界磁を発生させるための電流をコイルに印加する必要があり、PMモータ全体の電力効力の悪化を招いているという問題がある。
【0011】
また、前述の公報に開示される電動機等においては、回転子が発生する磁力を制御し、鎖交磁束(ギャップ磁束)を増減させるものでは、鎖交磁束を低減することで、ある程度までは高回転を実現することできるが、永久磁石が回転子の表面に配置されている。そのため、効果的に鎖交磁束を低減することができないという問題がある。
【0012】
さらに、前述の公報に開示される電動機等においては、回転子を軸方向に分割し、分割された各々の部分が固定子と対向し、各々固定子と対向している回転子部分同士の相互作用で回転子全体の磁力を制御する構造であることから、分割された各々の部分が発生する磁束の一部が必ず鎖交磁束となって固定子に到達する。そのため、回転子により生ずる誘導起電圧を効果的に低減することはできないという問題がある。
【0013】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、低回転域では高トルクを得ることができ、かつ高回転域まで回転し得る電動機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1の電動機では、コイルを有する固定子と、複数の第1の永久磁石を保持する内回転子、および該内回転子に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置し複数の第2の永久磁石を保持する外回転子、を前記固定子の径方向一方側に有し、前記内回転子および前記外回転子が一体となって回転する回転子と、前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構と、を備え、前記外回転子には、少なくとも2つ以上からなる1組の前記第2の永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように、所定の間隔をもって前記複数の第2の永久磁石が配置されていることを技術的特徴とする。ここに、「前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相」とは、内回転子に対して、回転子回転軸を中心として外回転子が相対的にずれる角度をいう。この位相を変更することで、内回転子が保持する第1の永久磁石と、外回転子が保持する第2の永久磁石の回転方向の相対位置を変更することができる。
【0015】
また、請求項2の電動機では、請求項1において、前記所定の間隔は、前記第1の永久磁石の回転子周方向の幅と略同等の間隔であることを技術的特徴とする。
【0016】
さらに、請求項3の電動機では、請求項2において、前記内回転子が保持する第1の永久磁石は、当該内回転子の回転方向に順次異なった磁極の極性を有するように配置され、前記回転子位相制御機構は、前記回転子の回転数に応じて、前記第1の永久磁石を、前記1組の第2の永久磁石の間に、回転子磁極と回転径方向に同じ極性となる同極性位置から、逆の極性となる逆極性位置まで、変更可能であることを技術的特徴とする。
【0017】
請求項1および請求項2の発明では、回転子は、内回転子と当該内回転子に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置する外回転子とを有する2重構造とし、内回転子には複数の第1の永久磁石を、また外回転子には複数の第2の永久磁石を、それぞれ固定子の径方向一方側に保持する。そして、回転子位相制御機構は、外回転子の、内回転子に対する回転方向の位相、つまり外回転子と内回転子との相対位置を変更可能な構成をとる。また、外回転子には、少なくとも2つ以上からなる1組の第2の永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように、所定の間隔をもって複数の第2の永久磁石が配置されている(請求項2;所定の間隔は、第1の永久磁石の回転子周方向の幅と略同等の間隔)。これにより、回転子全体が発生する磁力は、内回転子が保持する複数の第1の永久磁石および外回転子が保持する複数の第2の永久磁石がそれぞれ発生する磁力の合成によるが、内回転子と外回転子との相対位置(位相)を回転子位相制御機構により変えることで、内回転子の第1の永久磁石による磁力と外回転子の第2の永久磁石による磁力との合力を可変とすることができる。また、このように第2の永久磁石が配置されることにより、回転子の内側に配置される第1の永久磁石の磁力を有効に固定子へ到達させることができ、また、第2の永久磁石とともに回転子内で閉じた磁束を形成させることができる。
【0018】
これにより、回転子が回転しても、固定子に配置されたコイルに誘導起電圧が発生することを抑制できるので、回転子が高回転で回転しても固定子側には誘導起電圧が発生し難い。したがって、電動機を高回転域まで回転させることができる。このように、第1,第2の永久磁石で発生する磁束が完全に回転子内に閉じ込められる場合には、第1,第2の永久磁石により回転子の回転方向に透磁率が変化する構造となるため、当該電動機をリラクタンスモータと等価にすることができる。
【0019】
さらに、請求項3の発明では、内回転子が保持する第1の永久磁石は、当該内回転子の回転方向に順次異なった磁極の極性を有するように配置され、回転子位相制御機構は、回転子の回転数に応じて、第1の永久磁石を、1組の第2の永久磁石の間に、回転子磁極と回転径方向に同じ極性となる同極性位置から、逆の極性となる逆極性位置まで、変更可能とすることができる。即ち、上記同極性位置では、第1の永久磁石と、1組の第2の永久磁石が磁力を強め合い、固定子に作用する磁力を増大することができる。また上記逆極性位置では、第1の永久磁石と1組の第2の永久磁石との磁力が互いに引き合い、双方の永久磁石が発生させる磁力線が固定子内で閉じるように形成され、その結果、回転子が固定子へ及ぼす磁力を弱めることができる。そして回転子位相制御機構は、同極性位置から逆極性位置まで、第1の永久磁石および第2の永久磁石の相対位置を変更することができるので、結果回転子が固定子へ及ぼす磁力を可変とすることが可能となる。
【0020】
例えば、低回転時では、内回転子の第1の永久磁石および外回転子の第2の永久磁石が互いに磁力を強め合うところに位置するように回転子位相制御機構により内回転子と外回転子との相対位置(位相)を制御する。一方、高回転時では、内回転子の第1の永久磁石および外回転子の第2の永久磁石が互いに磁力を打ち消し合うところに位置するように回転子位相制御機構により内回転子と外回転子との相対位置を制御する。これにより、低回転時においては、回転子全体が発生する磁力としては、第1、第2の永久磁石による磁力が互いに強め合った合力と固定子のコイルが発生する磁力との相互作用で、高トルクを得ることができる。一方、高回転させるときには、第1、第2の永久磁石による磁力が互いに打ち消し合い、回転子全体に発生する磁束の大半を回転子の内部に閉じこめることで、回転子から固定子へ向かう磁束を大幅に削減することができるので、回転子全体が発生する磁力としては、低回転時よりも遥かに弱めることができる。したがって、回転子全体の高回転に伴う誘導起電圧の発生を抑制することができるので、高回転域まで回転させることができる。
【0021】
また、上記目的を達成するため、請求項4の電動機では、コイルを有する固定子と、複数の永久磁石および複数の電磁石を有する回転子と、からなる電動機であって、前記回転子には、少なくとも2つ以上からなる1組の前記永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように配置され、前記電磁石は、前記回転子磁極ごとに、前記1組の永久磁石の間で、かつ前永久磁石よりも前記回転子の回転径方向内側に配置され、前記回転子の回転数に応じて励磁電流の制御が行われることを技術的特徴とする。
【0022】
また、請求項5の電動機では、請求項4において、前記励磁電流の制御は、前記回転子の低回転時には、前記永久磁石の磁力と前記電磁石の磁力とが互いに強め合うように前記複数の電磁石に励磁電流を流し、前記回転子の高回転時には、前記永久磁石の磁力と前記電磁石の磁力とが互いに弱め合うように前記複数の電磁石に励磁電流を流すように行われることを技術的特徴とする。
【0023】
請求項4および請求項5の発明では、回転子は複数の永久磁石および複数の電磁石を有し、少なくとも2つ以上からなる1組の永久磁石は、回転子磁極を構成し、所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように配置されている。また電磁石は、回転子磁極ごとに、1組の永久磁石の間で、かつ永久磁石よりも回転子の回転径方向内側に配置され、回転子の回転数に応じて励磁電流の制御が行われる。これにより、低回転時には、磁極を構成する永久磁石と電磁石とが発生する磁力が互いに強め合うように電磁石へ励磁電流を流し、高回転時には、磁極を構成する永久磁石と電磁石とが発生する磁力が互いに弱め合うように電磁石へ励磁電流を流すように励磁電流の制御を行うことで(請求項5)、低回転時においては、回転子全体が発生する磁力としては、永久磁石および電磁石による磁力が互いに強め合った合力と固定子のコイルが発生する磁力との相互作用で、高トルクを得ることができる。一方、高回転させるときには、永久磁石および電磁石による磁力が互いに打ち消し合い、回転子全体に発生する磁束の大半を回転子の内部に閉じこめることで、回転子から固定子へ向かう磁束を大幅に削減することができる。そして、励磁電流量を連続的に可変することにより、低回転から高回転に到るまで、きめ細かな弱め界磁を制御することができるので、回転子全体が発生する磁力としては、低回転時よりも遥かに弱め、さらに弱め界磁を連続的に自在に制御することができる。したがって、回転子全体の高回転に伴う誘導起電圧の発生を抑制することができるので、高回転域まで回転させることができる。
【0024】
なお、請求項4および請求項5の発明では、このように回転子が有している電磁石を用いて弱め界磁を発生させることができるため、従来のPMモータにおける「弱め界磁制御」にように、回転子を回転させるためのコイルを利用して弱め界磁を発生させるものに比べて、効率良く弱め界磁を発生させることができる。そのため、当該電磁石を構成する界磁用巻線の巻き数の設定により弱め界磁に要する消費電力を十分に抑えることができるので、無駄な電力諸費を抑制し電動機全体の電力効率を向上することができる。
【0025】
さらに、上記目的を達成するため、請求項の電動機では、コイルを有する固定子と、複数の永久磁石を保持する外回転子、および該外回転子に対して回転軸同心かつ回転径方向内側に位置し該外回転子の永久磁石に対して短絡磁路を形成し得る強磁性体を回転方向に非連続に有する内回転子、を前記固定子の径方向一方側に有し、前記外回転子および前記内回転子が一体となって回転する回転子と、前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構と、を備え、前記外回転子には、少なくとも2つ以上からなる1組の前記永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように、所定の間隔をもって前記複数の永久磁石が配置されていることを技術的特徴とする。
【0026】
また、請求項の電動機では、請求項において、前記内回転子は強磁性体からなり、当該内回転子の外周には、回転径方向外側に突出する突極部と回転外周上内側に窪む空孔部とを交互に有し、前記所定の間隔は、前記内回転子が有する突極部の回転方向幅と略同等の間隔であることを技術的特徴とする。
【0027】
請求項および請求項の発明では、回転子は、外回転子と当該外回転子に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置する内回転子とを有する2重構造とし、外回転子には複数の永久磁石を、また内回転子には外回転子の永久磁石に対して短絡磁路を形成し得る強磁性体を回転方向に非連続に有する。そして、回転子位相制御機構は、外回転子の、内回転子に対する回転方向の位相、つまり外回転子と内回転子との相対位置を変更可能な構成をとる。また、外回転子には、少なくとも2つ以上からなる1組の永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように、所定の間隔をもって複数の永久磁石が配置されている(請求項7;内回転子の外周には、回転径方向外側に突出する突極部と回転外周上内側に窪む空孔部とを交互に有し、所定の間隔は、内回転子が有する突極部の回転子周方向幅と略同等の間隔)。強磁性体が位置しないところは非磁性(磁束を通さない)になるので、内回転子を回転させることで、外回転子の複数の永久磁石と内回転子の強磁性体(突極部および空孔部)との相対位置を変え、もって永久磁石の磁束の経路を変化させることができる。これにより、低回転時においては磁束が固定子へより達するように、また高回転時においては回転子内に磁束が通るように内外回転子の相対回転を制御することによって、低回転時には高トルクを得ることができ、高回転時には回転子全体が発生する磁力としては、低回転時よりも遥かに弱めることができる。したがって、回転子全体の高回転に伴う誘導起電圧の発生を抑制することができるので、高回転域まで回転させることができる。
【0028】
さらにまた、上記目的を達成するため、請求項8の電動機では、コイルを有する固定子と、複数の第1の永久磁石を保持する内回転子、および該内回転子に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置し複数の第2の永久磁石を保持する外回転子、を前記固定子の径方向一方側に有し、前記内回転子および前記外回転子が一体となって回転する回転子と、
前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構と、を備え、前記複数の第1の永久磁石は、前記内回転子の径方向に向けて磁化方向を交互に変えて周方向に配置されており、前記複数の第2の永久磁石は、磁化方向を前記外回転子の周方向に向けて、少なくとも2つ以上からなる1組の永久磁石で隣り合う永久磁石同士を同極が対向するように複数組配置されており、これらの永久磁石の間隔は、前記第1の永久磁石の周方向幅と略同等に設定されていることを技術的特徴とする。
【0029】
請求項8の発明では、複数の第1の永久磁石と複数の第2の永久磁石との位置関係から 、所定数の回転子磁極が回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように構成されるので、回転子位相制御機構によって、第1の永久磁石および第2の永久磁石が互いに強め合うように内回転子に対する回転方向の位相が制御される場合は、第1の永久磁石が発生する磁界を第2の永久磁石に遮られることなく、固定子へ到達できるように磁路を確保することができる。これに対し、第1の永久磁石および第2の永久磁石が互いに弱め合うように内回転子に対する回転方向の位相が制御される場合には、この1組の第2の永久磁石の間の領域が、第1の永久磁石から第2の永久磁石へと達する磁路の役目を果たすようになる。即ち、この領域により第1,第2の永久磁石間で通じる磁束を回転子内で閉じさせることが可能となるので、固定子のコイルに対する鎖交磁束の発生を大幅に削減することができる。
【0030】
これにより、回転子が回転しても、固定子に配置されたコイルに誘導起電圧が発生することを抑制できるので、回転子が高回転で回転しても固定子側には誘導起電圧が発生し難い。したがって、電動機を高回転域まで回転させることができる。このように、第1,第2の永久磁石で発生する磁束が完全に回転子内に閉じ込められる場合には、第1,第2の永久磁石により回転子の回転方向に透磁率が変化する構造となるため、リラクタンストルクが発生し得ることから、当該電動機をリラクタンスモータと等価にすることができる。
【0031】
また、請求項9の電動機では、請求項8において、前記1組の永久磁石は、前記内回転子の径方向を対称軸として両者の間隔を前記径方向内側から外側に向かって漸増するように配置されていることを技術的特徴とする。
【0032】
請求項9の発明では、複数の第2の永久磁石を構成する1組の永久磁石は、内回転子の径方向を対称軸として両者の間隔を前記径方向内側から外側に向かって漸増するように配置されている。つまり、外回転子は、その内部に径方向外側に向かって少なくとも2つの永久磁石が1組で「ハの字形状」に配置されているので、この「ハの字」の開き度合いにより第2の永久磁石が固定子に対して発生する磁力の強さを設定することができる。例えば、「ハの字」の開き度合いを大きくすることで第2の永久磁石による固定子に対する磁力が強くなるので当該電動機を高トルク化に適した構成にすることができる。また、「ハの字」の開き度合いを小さくすることで第2の永久磁石による固定子に対する磁力が弱くなるので当該電動機を高速度化に適した構成にすることができる。
【0033】
さらに、請求項10の電動機では、請求項1〜3、8または9のいずれか一項において、前記複数の第1の永久磁石の、前記内回転子の周方向両側には、空孔が形成されていることを技術的特徴とする。
【0034】
請求項10の発明では、複数の第1の永久磁石の内回転子の周方向両側には、空孔(K)が形成されているため、内回転子の磁束を固定子までより効果的に到達させることができ(図5 (A) 参照)、またこの空孔(K)が存在する部分は磁束が通り難くなる(図5 (B) 参照)。これにより、第1,第2の永久磁石で発生する磁束が完全に回転子内に閉じ込められる場合において、第1の永久磁石間(内回転子の周方向)は、さらに回転方向に透磁率が変化する構造となるので、リラクタンストルクを発生し易くすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電動機の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の電動機の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、図1には、本第1実施形態に係る電動機の固定子および回転子の構成を示す径方向断面図、図2には、電動機の構成を示す軸方向断面図、がそれぞれ図示されている。
【0036】
図1および図2に示すように、本第1実施形態に係る電動機20は、主に、界磁用のコイル22を有する固定子21、永久磁石を有する回転子23およびこれらを収容するハウジング30等から構成されている。
【0037】
固定子21は、円環状に形成された強磁性体からなる積層鋼板を回転軸Jの方向に積み重ねた円筒形状に構成されており、その内周には回転界磁を発生させるコイル22を巻回するため、複数のスロット21aが回転軸J方向に形成されている。また図2に示すように、この固定子21は、ハウジング30の内周壁30aのほぼ全周に亘って固定されている。なお、スロット21aとスロット21aとの間に位置する固定子21の内周部分は、固定子磁極を構成し、回転子23に対して回転磁界を発生し得るように構成されている。
【0038】
図1および図2に示すように、固定子10に対して回転する回転子23は、内回転子24と、内回転子24に対し回転軸Jに同心かつ回転軸Jの径方向外側に位置する外回転子26と、回転軸Jを形成する回転子シャフト29と、からなり、内回転子24および外回転子26は、ともに固定子21と同様に、円環状に形成された強磁性体からなる積層鋼板を回転軸Jの方向に積み重ねた円筒形状に構成されており、所定数の永久磁石を保持している。
【0039】
即ち、図1に示すように、円筒形状の内回転子24は、その外周側内部に、磁極の極性が交互になるように永久磁石(以下「内永久磁石」という。)25a、25bが配置され埋設されている。つまり、内永久磁石25a、25bは、内回転子24の回転方向に順次異なった磁極の極性を有するように配置されている。本第1実施形態では、回転軸Jの径方向外側にN極、径方向内側にS極が位置する内永久磁石25aと、回転軸Jの径方向外側にS極、径方向内側にN極が位置する内永久磁石25bと、が回転軸Jの周方向に交互かつ等間隔に4個づつの合計8個、内回転子24に埋め込まれている。
【0040】
また、円筒形状の外回転子26は、その内部に、回転軸Jの径方向外側に向かって、2つの永久磁石が1組で「ハの字形状」に配置されて1つの回転子磁極を構成するように埋設(保持)されている(以下、外回転子に埋設されている永久磁石を「外永久磁石」と称する)。1つの回転子磁極を構成する1組の外永久磁石は同じ極性を互いに向かい合わせて配置されている。即ち「ハの字形状に配置」とは回転子磁極を構成する1組の外永久磁石を、回転子半径方向を対称軸として同じ磁極面を対向させ、かつ、対向させた1組の外永久磁石間の間隔を回転子半径方向内側から外側に向かって漸増するように配置することを意味する。そしてそのような回転子磁極が、外回転子26の周方向に極性を交互にして等間隔に所定数配置されている。図1では外永久磁石27a2と27b1の1組で1つの磁極を構成し、この磁極はN極を外回転子26の周外側に向けて配置されている。そして外永久磁石27a2と27b1とで構成される磁極の隣には、外永久磁石27a1と27b2とが1組でS極を周方向外側に向けて他の磁極を構成するよう配置されている。そして図1では合計8極の磁極が構成されている。
【0041】
また、回転子磁極を構成する1組の外永久磁石27a2と27b1は、内永久磁石25aの周方向幅とほぼ同じ長さの間隔を隔てて配置されている。他の回転子磁極を構成する外永久磁石27b1と27a2も同様である。このように回転子磁極を構成する1組の外永久磁石を所定間隔をもって配置することにより、内外の永久磁石が強め合うように位置する場合は、内永久磁石が発生する磁界を外永久磁石に遮られることなく、固定子へ到達できるように磁路を確保することがでる。また内外の永久磁石が弱め合うように位置する場合は、この1組の外永久磁石の間の領域が、内永久磁石から外永久磁石へと達する磁路の役目を果たすようになる。即ち、この領域により内外永久磁石間で通じる磁束を回転子内で閉じさせることが可能となる。
【0042】
このように構成される内回転子24と外回転子26とは、回転子シャフト29を同一の軸(同軸)として配置され、両者が一体となって回転子23全体を構成している。即ち、内回転子24は、内回転子支持部31に支持されており、この内回転子支持部31は、ベアリング34を介して回転子シャフト29に回動自在に取り付けられている。これにより、内回転子24は、回転子シャフト29に対して回動自在に軸支されている。なお、回転子シャフト29は、軽量化を考慮して中空のパイプ状に構成されているが、必ずしも中空である必要はなく、円柱部材であっても良い。
【0043】
一方、外回転子26は、外回転子支持部32に支持されており、この外回転子支持部32は、回転子シャフト29に直接固定されている。なお、この回転子シャフト29はベアリング35を介してハウジング30に回動自在に取り付けられているため、外回転子26はハウジング30に対して回動自在に軸支されていることになる。これにより、固定子21のコイル22により発生する回転磁界によって外回転子26が回転する回転力を、回転子シャフト29から回転トルクとして取り出すことができる。
【0044】
また、外回転子26の、内回転子24に対する回転方向の位相を変更できるようにするため、内回転子24と外回転子26とは、図2に示すように、回転子位相制御機構によって相対的に回転が可能なように構成されている。つまり、当該回転子位相制御機構は、回転子23の回転数に基づいて、外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁極の極性と内回転子24の内永久磁石25a、25bによる磁極の極性とが、回転径方向に同じ極性となる同極性位置から逆の極性となる逆極性位置まで、変更する可能なように構成されている。例えば、回転子位相制御機構は、エンジンのバルブタイミング調整装置に用いられている、いわゆる揺動モータと同等の構成を採用したもので、特開200−4815号公報に開示された構成を採る。
【0045】
本第1実施形態では、図3(A) 、(B) に示すように、内回転子支持部31は、回転軸J方向の断面形状が凹溝31aに形成され、さらに当該凹溝31aを径方向に仕切るベーン部31bが形成されている。そして、外回転子支持部32には、内回転子支持部31の凹溝31a内を仕切る壁部32aが形成されている。これにより、内回転子支持部31内の凹溝31aは、そのベーン部31bと外回転子支持部32の壁部32aとによって進角油室と遅角油室とに2分割されるため、外部から一方の油室に作動油39を供給し、他方の油室から作動油を排出することにより、内回転子支持部31を回転軸Jを中心に回動させることができる。
【0046】
即ち、外部から進角油室に作動油39aが供給され、遅角油室から作動油39bが外部に排出されることによって、内回転子支持部31のベーン部31bが時計回り方向に押されるため、外回転子支持部32に対して内回転子支持部31を相対的に時計回り方向に回転させることができる。一方、外部から遅角油室に作動油39bが供給され、進角油室から作動油39aが外部に排出されることによって、内回転子支持部31のベーン部31bが反時計回り方向に押されるため、外回転子支持部32に対して内回転子支持部31を相対的に反時計回り方向に回転させることができる。なお、回転子位相制御機構は、本例に限られることなく電動式の揺動モータ等を利用することでも実現することができる。
【0047】
なお、内回転子24および外回転子26が相対的に回転可能であるとは、回転子23全体が電動機20として回転している間、常に拘束なしに相対回転できるということではなく、外回転子26に配置した外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2に対する、内回転子24に配置した内永久磁石25a、25bの位置が、両回転子の回転軸Jを中心に所定角度だけ移動することが可能であるということである。
【0048】
このように構成される回転子23の回転子シャフト29を、ハウジング30に取り付けられた固定子21に対して、回転軸Jが同心に位置するように、ベアリング35を介してハウジング30に取り付けることにより、電動機20が構成される。なお、図1および図2に示すように、固定子21と回転子23との間は、両者が接することなく、所定間隔のエアギャップGを形成するように、固定子21の内径および回転子23の外径が設定されている。なお、回転子23全体として発生する磁力は内回転子24および外回転子26に配置されたすべての永久磁石(内永久磁石25a、25b、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2)の磁力の合力によって決定される。
【0049】
ここで、回転子23を構成する、内回転子24と外回転子26との関係を図4および図5に基づいて説明する。なお、図4には、電動機20の径方向断面図(4分の1)が図示され、また図5には、電動機20の回転子23から発生する磁束線の状態を計算機により磁場解析した結果を示す磁束線図が図示されている。
【0050】
図4(A) に示すように、外回転子26の、1つの回転子磁極を構成する1組の外永久磁石27a2、27b1および内回転子24の内永久磁石25aが、同一極(例えばN極)をお互いに向け合うような位置関係に、内回転子24と外回転子26とが位置する場合には、これらの永久磁石の磁力が互いに強め合う。その結果、図5(A) に示すように、外永久磁石27a2、27b1および内永久磁石25aのN極から出た磁束が、回転径方向外側に向かい固定子21を通って回転子23に戻り、外回転子26の隣接する外永久磁石27a1、27b2のS極に通じていることがわかる。
【0051】
一方、図4(B) に示すように、内回転子24が45度回転すると、外回転子26の外永久磁石27a2と外永久磁石27b1との間に、内回転子24の内永久磁石25bが位置することから、このような位置関係に内回転子24と外回転子26とが位置する場合には、これらの永久磁石の磁力が互いに弱め合う。その結果、図5(B) に示すように、外永久磁石27a2のN極から出た磁束が、回転径方向内側に向かい、内永久磁石25bのS極、N極を通って、隣接する内永久磁石25aのS極、N極、さらには外永久磁石27a2に隣接する外永久磁石27a1のS極、N極を通り、外永久磁石27a2のS極に戻ってくる閉磁路を回転子23の内部で形成する。また外永久磁石27b1のN極から出た磁束が、回転径方向内側に向かい、内永久磁石25bのS極、N極を通って、隣接する内永久磁石25aのS極、N極、さらには外永久磁石27b1に隣接する外永久磁石27b2のS極、N極を通り、外永久磁石27b1のS極に戻ってくる閉磁路を回転子23の内部で形成する。つまり、回転子23全体としての磁束は、固定子21へは達せず、従ってこの場合は回転子23としては固定子21に磁力を及ぼさない。
【0052】
即ち、図4(B) 、図5(B) に示すように、回転子23の内回転子24が位置する場合には、回転子23の永久磁石(内永久磁石25a、25b、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2)による回転子23全体に発生する磁束の大半を回転子23の内部に閉じ込めることができ、固定子21のコイル22に対する鎖交磁束の発生を大幅に削減することができる。これにより、回転子23が回転しても、固定子21に配置されたコイル22に誘導起電圧が発生することを抑制できるので、電動機20の回転子23が高回転で回転しても固定子21側には誘導起電圧が発生し難い。したがって、電動機20を高回転域まで回転させることができる。
【0053】
ところで、図5(B) に示すように、回転子23内の永久磁石(内永久磁石25a、25b、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2)が発生する磁束が完全に回転子23内に閉じ込められる場合には、この電動機20はリラクタンスモータと等価となるといえる。回転子23内の永久磁石(内永久磁石25a、25b、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2)または回転子23内に設けた空孔により、回転子23の回転方向に透磁率が変化する構造となるため、リラクタンストルクが発生し得るからである。
【0054】
また、各永久磁石の強さ、もしくは相対的な配置により、外回転子26に配置した外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2と内回転子24に配置した内永久磁石25a、25bの磁力の合力による磁束が、完全には回転子23内に閉じ込められない場合でも、固定子21へ通ずる磁束は図5(A) に示す磁束線図の状態より遥かに少なくすることができる。
【0055】
次に、電動機20の回転数と出力トルクとの関係を図6に基づいて説明する。
図6(A) は、内回転子24と外回転子26を相対回転させない場合において、内回転子24と外回転子26との相対角度を固定したまま、回転数を増減させた場合の出力トルクの特性を示すものである。図6(A) に示す符号αによる破線は、前掲した図4(A) の状態、即ち、外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁力と、内回転子24の内永久磁石25a、25bによる磁力とが互いに強め合う場合の内回転子24および外回転子26の位置関係における出力トルクの特性である。この場合、回転子23全体が発生する磁力が強いので、低回転域においては高いトルクを発生することができるが、回転数の増加に伴い、固定子21のコイル22に発生する誘導起電圧が急激に増大するため、高回転域に到達することができないことが同図の特性αからわかる。
【0056】
これに対し、図6(A) に示す符号γによる破線は、前掲した図4(B) の状態、即ち、外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁力と、内回転子24の内永久磁石25a、25bによる磁力とが互いに弱め合う場合の内回転子24および外回転子26の位置関係における出力トルクの特性である。この場合、回転子23全体は、ほとんど磁力を発生しないので、高回転域に到達することができるが、逆に低回転域で高トルクを発生することができない。また、図6(A) に示す符号βによる破線は、前掲した図4(A) の状態と図4(B) の状態との中間状態を仮定した場合における出力トルクの特性である。
【0057】
このように本第1実施形態に係る電動機20では、回転子23の回転数に応じて、内回転子24と外回転子26とを相対回転させることで、図6(A) に示す符号α、β、γによるそれぞれの特性を全てを実現することができる。したがって、図略の回転数センサ等により検出した回転子23の回転数に基づいて、内回転子24に配した内永久磁石25a、25bと外回転子26に配した外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2とが、磁力を強め合う位置から磁力を弱め合う位置まで、両者の相対回転角を制御することで、図6(B) の太線で示したような特性を実現することが可能となる。
【0058】
即ち、図6(B) に示すように、回転子23の回転数が0以上K1(例えば3000rpm )以下においては、図4(A) に示す位置に内回転子24の相対位置を設定する制御を前述の回転子位相制御機構に対して行い、回転子23の回転数がK2(例えば6000rpm )を超えた場合においては、図4(B) に示す位置に内回転子24の相対位置を設定する制御を回転子位相制御機構に対して行う。そして、回転子23の回転数がK1を超えてK2以下の場合においては、図4(A) に示す位置と図4(B) に示す位置との間に内回転子24の相対位置を設定する制御を回転子位相制御機構に対して行う。なお、当該制御は、前述した進角油室および遅角油室に作動油39を供給可能あるいは進角油室および遅角油室から作動油39を排出可能な、油圧回路等に接続されたマイクロコンピュータをコアに構成された制御装置により行われる。
【0059】
なお、本第1実施形態では、8組の永久磁石を、内回転子24および外回転子26に等間隔に配置したため、上述したように磁束を強め合う状態から弱めあう状態にするためには、内回転子24と外回転子26とを45度相対回転させれば良かった。しかし、このような磁力を弱め合わせるために必要な内回転子24の相対回転角度は、永久磁石の幾何学的配置により決定されるため、例えば、配置された永久磁石の組数が「6」である場合(即ち、回転子磁極が「6」の場合)には60度、当該組数が「4」である場合は90度になる。
【0060】
以上説明したように、本第1実施形態によると、電動機20は、「コイル22を有する固定子21」と、「内永久磁石25a、25bを保持する内回転子24および該内回転子24に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置し外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2を保持する外回転子26、を有する回転子23」と、「回転方向に対し、外回転子26と内回転子24との相対位置を変更する回転子位相制御機構」と、を備える。
【0061】
つまり、電動機20では、回転子23は、内回転子24と当該内回転子24に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置する外回転子26とを有する2重構造とし、内回転子24には内永久磁石25a、25bを、また外回転子26には外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2を、それぞれ保持する。そして、内回転子支持部31、外回転子支持部32、ベアリング34、35、作動油39、油圧回路、制御装置等からなる回転子位相制御機構は、回転方向に対し、外回転子26と内回転子24との相対位置を変更可能な構成をとる。これにより、回転子23全体が発生する磁力は、内回転子24が保持する内永久磁石25a、25bおよび外回転子26が保持する外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2がそれぞれ発生する磁力の合成により、内回転子24と外回転子26との相対位置(位相)を回転子位相制御機構により変えることで、内回転子24の内永久磁石25a、25bによる磁力と外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁力との合力を可変することができる。
【0062】
また、電動機20は、内回転子24が保持する内永久磁石25a、25bは、内回転子24の回転方向に順次異なった磁極の極性を有するように配置され、外回転子26が保持する外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2は、2つ1組(27a2と27b1、および27a1と27b2)で回転子磁極を構成し、各々の回転子磁極は外回転子26の回転方向に順次異なった極性を有するように配置される。このとき1つの回転子磁極を構成する1組の外永久磁石は同じ磁極面を回転子外側に向け、かつ所定の間隔をもって配置される。そして、回転子位相制御機構は、回転子23の回転数に基づいて、外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁極の極性と内回転子24の内永久磁石25a、25bによる磁極の極性とが、回転径方向に同じ極性となる同極性位置から逆の極性となる逆極性位置まで、変更可能な構成をとる。これにより、内回転子24の内永久磁石25a、25bおよび外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2が互いに磁力を強め合うところに位置するように回転子位相制御機構により内回転子24と外回転子26との相対位置を制御することができ、また内回転子24の内永久磁石25a、25bおよび外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2が互いに磁力を打ち消し合うところに位置するように回転子位相制御機構により内回転子24と外回転子26との相対位置を制御することができる。
【0063】
そして、低回転時(例えば3000rpm 以下)では、内回転子24の内永久磁石25a、25bおよび外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2が互いに磁力を強め合うところに位置するように回転子位相制御機構により内回転子24と外回転子26との相対位置を制御する。一方、高回転時(例えば6000rpm 以上)では、内回転子24の内永久磁石25a、25bおよび外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2が互いに磁力を打ち消し合うところに位置するように回転子位相制御機構により内回転子24と外回転子26との相対位置を制御する。これにより、このような低回転時においては、回転子23全体が発生する磁力としては、内永久磁石25a、25b、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁力が互いに強め合った合力と固定子21のコイル22が発生する磁力との相互作用で、高トルクを得ることができる。一方、このような高回転させるときには、内永久磁石25a、25b、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁力が互いに打ち消し合い、回転子23全体に発生する磁束の大半を回転子23の内部に閉じこめることで、回転子23から固定子21へ向かう磁束を大幅に削減することができるので、回転子23全体が発生する磁力としては、低回転時よりも遥かに弱めることができる。したがって、回転子23全体の高回転に伴う誘導起電圧の発生を抑制することができるので、高回転域まで回転させることができる。さらに、高回転時に回転子23の内永久磁石25a、25bおよび外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2による磁力を相殺するために、固定子21のコイル22に電流を印加することなく、高回転を実現することができるので、効率のよい電動機を実現することができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、本発明の電動機の第2実施形態を図7に基づいて説明する。
本第2実施形態に係る電動機120は、その回転子123を構成する外回転子126の構成が異なるほかは、前述した第1実施形態に係る電動機20の構成と同様に構成されている。そのため、本第2実施形態の回転子123を構成する内回転子24は、第1実施形態の電動機20を構成する回転子23と実質的に同一の構成であるから、電動機20の内回転子24と同一の符号を付してその構成の説明を省略し、また他の構成部分についてもそれらの構成の説明を省略する。
【0065】
図7に示すように、本第2実施形態の電動機120は、その回転子123の外回転子26に保持する外永久磁石127a1、127a2、127b1、127b2をその磁極面(磁石において、磁束が主に発生する面)が円筒円周方向を向くように配置している。
【0066】
即ち、外回転子126は、円環状に形成された強磁性体からなる積層鋼板を回転軸Jの方向に積み重ねた円筒形状に構成されており、所定数の永久磁石を保持しているところまでは、第1実施形態の外回転子26と同様であるが、本第2実施形態の当該外回転子126は、その内部に埋め込まれている外永久磁石127a1、127a2や外永久磁石127b1、127b2が、回転軸Jの径方向外側に向かって「ハ字形状」を形成するように2つ1組で構成されているのではなく、回転軸Jの径方向外側に向かって「II字形状」を形成するように2つ1組で構成され、その組磁極の極性が交互になるように配置され埋設されている。
【0067】
このように外回転子126の外永久磁石127a1、127a2、127b1、127b2を配置することで、回転子23全体の磁束を弱める場合、内回転子24に埋設した内永久磁石25a、25bが発生する磁束を、より回転子23内に閉じ込めやすくすることができる。したがって、より高回転化に適した電動機120を実現することができる。
【0068】
[第3実施形態]
続いて、本発明の電動機の第3実施形態を図8に基づいて説明する。
本第3実施形態に係る電動機220は、その回転子223を構成する内回転子224および外回転子226の構成が異なるほかは、前述した第1実施形態に係る電動機20の構成と同様に構成されている。そのため、図8に示す回転子223以外は、第1実施形態の電動機20を構成する回転子23と実質的に同一の構成であるから、それらの構成の説明を省略する。
【0069】
図8に示すように、本第3実施形態の電動機220は、第1実施形態の回転子23と同様に、内回転子224と外回転子226とからなる回転子223を備えているが、内回転子224に保持される内永久磁石225a、225bが、合計6個の6極構成である点と、回転子磁極を構成する2個一組の外永久磁石227a、227bがそれぞれ隣り合う回転子磁極を構成する外永久磁石と共用されている点とが、第1実施形態の回転子23と異なる。
【0070】
このように外回転子226に配した外永久磁石227a、227bを隣接する磁極で共有して使用することによって、外回転子226に埋設する永久磁石の数を半減させることができ、より低コストに電動機220を実現することができる。なお、第1実施形態の電動機20は、前述したように8極モータを構成しているので、電動機20のような8極モータについて本第2実施形態を適用すると、外回転子の外永久磁石を8個(16/2=8)に減らすことができる。
【0071】
上記第1〜第3の実施形態は、回転子内の永久磁石の配置についてのバリエーションを例示しており、コスト、要求されるモータ特性、加工のしやすさなどを考慮して、磁石のサイズ、数量、形状、極数などを選定することができる。例えば外永久磁石の容積を相対的に大きくすると回転子自体が固定子に対して発生する磁力を大きくすることができるので高トルクが実現できるが、一方、内永久磁石による外永久磁石の固定子に対する磁力を弱める力は相対的に減少するので、誘導起電力をゼロとすることはできず、高回転には不向きとなる。また、回転子磁極を構成する、ハの字状に対向配置された1組の外永久磁石を、回転子内側から外側に向けてよりその間隔が大きくなるように配置すると、外永久磁石が固定子に対して発生する磁力を大きくすることができるので高トルクが実現できる。しかしこのとき、内永久磁石による外永久磁石の固定子に対する磁力を弱める効果は相対的に減少するので高回転には不向きとなる。
【0072】
[第4実施形態]
さらに続いて、本発明の電動機の第4実施形態を図9および図10に基づいて説明する。
本第4実施形態に係る電動機320は、固定子と回転子については、その内回転子324の構成が異なるほかは、前述した第1実施形態に係る電動機20の固定子21および外回転子26の構成と同様に構成されている。そのため、図9に示すように、固定子21および回転子23については、回転子323以外は、第1実施形態の電動機20を構成する固定子21および回転子23と実質的に同一の構成であるから、それらの構成の説明を省略する。
【0073】
図9および図10に示すように、本第4実施形態の電動機320は、内回転子324が保持する磁石として永久磁石を用いるのではなく、電磁石325を使用して構成している点が、第1実施形態の電動機20と異なる点である。
即ち、回転子323の2個1組の外永久磁石27a1と27b2および27a2と27b1はそれぞれ回転子磁極を構成し、各々の回転子磁極は回転子323の回転方向に順次異なった極性を有するように配置されている。また、回転子323の電磁石325は1組の外永久磁石により構成される回転子磁極ごとに、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2よりも回転径方向内側に回転子323に配置されている。そのため、本第4実施形態においては、説明の便宜上、回転子323を内回転子324と外回転子26に分けて構成しているが、本発明(請求項4)は、回転子を2以上に分けて構成するか否かにかかわらず成立する。
【0074】
図9に示すように、回転子323の内回転子324は、第1〜第3実施形態の内回転子と同様、円環状に形成された強磁性体からなる積層鋼板を回転軸Jの方向に積み重ねた円筒形状に構成されている。そして、内回転子324の場合には、外回転子26の外永久磁石27a1と27b2の組および27a2と27b1の組により構成される回転子磁極ごとに、つまり8極分の凸状の鉄心部324aが回転径方向外側に向けて突設されている。この鉄心部324aは、例えば、外永久磁石27b2と外永久磁石27a1との間、または外永久磁石27a2と外永久磁石27b1との間に位置するように、さらに鉄心部324aの頂部が外回転子26の内周壁に接するように設定されている。また、各回転子磁極を構成する外永久磁石の組の2つの永久磁石は鉄心部324aの頂部の回転方向幅と略同等の間隔をもって配置されている。
【0075】
そして、この鉄心部324aには、界磁用のコイル324cが巻回されており、当該コイル324cの両端はスリップリング341a、341bにそれぞれ電気的に接続されている(図10)。これにより、当該コイル324cに励磁電流を供給すると、鉄心部324aに発生した磁束は殆ど減衰することなく、外回転子26内を通過することができるので、鉄心部324aとコイル324cとにより内回転子324内に電磁石が構成される。したがって、コイル324cに供給される励磁電流の極性や電流量を制御することにより、第1実施形態の電動機20による内永久磁石25a、25bと同様、外回転子26の外永久磁石27a2、27b1とともに磁力を互いに強め合ったり、また弱め合ったりすることができる。
【0076】
なお、鉄心部324aと鉄心部324aとの間には、空孔部324bが形成されているが、これは、空孔部324bにより非磁性部を構成することによって、隣り合う電磁石325との間で、磁束の干渉を防止するためである。
【0077】
ここで、電動機320の構成を図10を参照して説明する。なお、図10に示す電動機320はハウジングの記載が省略されている。そのため、実際には、ベアリング335を介して図略のハウジングに回転子シャフト329が軸支されていることに留意されたい。
【0078】
図10に示すように、電動機320は、固定子21、回転子323(外回転子26、内回転子324)、回転子シャフト329および界磁電流制御装置350等から構成されている。このうち、固定子21および外回転子26は、第1実施形態の電動機20のものと、実質的に同一の構成からなることは前述した通りである。回転子323を構成する内回転子324には、その鉄心部324aにコイル324cが巻回されており、このコイル324cの端部は、一端側がスリップリング341aに、また他端側がスリップリング341bに、それぞれ電気的に接続されている。
【0079】
このスリップリング341a、341bは、回転子シャフト329の外周上、全周に亘って設けられた2本の環状凸部として、それぞれ形成されており、界磁電流制御装置350に接続されたブラシ343a、343bと電気的に接触可能に構成されている。これにより、界磁電流制御装置350から供給される励磁電流を、当該ブラシ343a、343bとスリップリング341a、341bとを介して鉄心部324aのコイル324cに通電することができる。つまり、コイル324cに供給される励磁電流の極性や電流量を界磁電流制御装置350により制御することによって、前掲の図5(A) 、図5(B) で説明したように、電磁石325による電磁力と外回転子26の外永久磁石27a2、27b1による磁力との合成により、磁力を互いに強め合ったり、また弱め合ったりさせることができる。
【0080】
本第4実施形態に係る電動機320によると、回転子323は外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2および電磁石325を有し、当該外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2は回転子323の回転方向に順次異なった極性を有するように回転子323に保持され、所定数の磁極を構成し、当該電磁石325は回転子323により構成される磁極ごとに、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2よりも回転径方向内側に回転子323に保持されている。つまり、外永久磁石27a2、27b1と電磁石325を1組として(および27a1、27b2と電磁石325を1組として)回転子323の回転子磁極を構成していることから、当該電磁石325へ流す励磁電流を制御することで、低回転時には、回転子磁極を構成する外永久磁石27a2、27b1と電磁石325(および27a1、27b2と電磁石325)とが発生する磁力が互いに強め合うように電磁石325へ励磁電流を流し、高回転時には、回転子磁極を構成する外永久磁石27a2、27b1と電磁石325(および27a1、27b2と電磁石325)とが発生する磁力が互いに弱め合うように電磁石325へ励磁電流を流すように、界磁電流制御装置350を制御する。
【0081】
これにより、低回転時においては、回転子323全体が発生する磁力としては、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2および電磁石325による磁力が互いに強め合った合力と固定子21のコイル22が発生する磁力との相互作用で、高トルクを得ることができる。一方、高回転させるときには、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2および電磁石325による磁力が互いに打ち消し合い、回転子323全体に発生する磁束の大半を回転子の内部に閉じこめることで、回転子323から固定子21へ向かう磁束を大幅に削減することができる。そして、界磁電流制御装置350によって、電磁石325の励磁電流量を連続的に可変することにより、低回転から高回転に到るまで、きめ細かな弱め界磁を制御することができるので、回転子323全体が発生する磁力としては、低回転時よりも遥かに弱め、さらに弱め界磁を連続的に自在に制御することができる。したがって、回転子323全体の高回転に伴う誘導起電圧の発生を抑制することができるので、高回転域まで回転させることができる。
【0082】
なお、電動機320では、このように弱め界磁専用の電磁石325を回転子323が有しているので、従来のPMモータにおける「弱め界磁制御」にように、回転子を回転させるためのコイルを利用して弱め界磁を発生させるものに比べて、効率良く弱め界磁を発生させることができる。そのため、当該電磁石325を構成するコイル324cの巻き数の設定により弱め界磁に要する消費電力を十分に抑えることができるので、無駄な電力諸費を抑制し電動機全体の電力効率を向上することができる。
【0083】
[第5実施形態]
最後に、本発明の電動機の第5実施形態を図11および図12に基づいて説明する。
本第5実施形態に係る電動機420は、その回転子423を構成する内回転子424の構成が異なるほかは、前述した第1実施形態に係る電動機20の構成と同様に構成されている。そのため、本第5実施形態の回転子423を構成する外回転子26は、第1実施形態の電動機20を構成する回転子23と実質的に同一の構成であるから、電動機20の外回転子26と同一の符号を付してその構成の説明を省略し、また他の構成部分についてもそれらの構成の説明を省略する。
【0084】
図11に示すように、本第5実施形態の電動機420は、その内回転子424において、第1実施形態の内回転子24に埋設された内永久磁石25a、25bの部分を、空孔部424bとした構造を採っている点が、第1実施形態の電動機20と異なるところである。
【0085】
即ち、電動機420は、「コイル22を有する固定子21」と、「外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2を保持する外回転子26、および該外回転子26に対して回転軸同心かつ回転径方向内側に位置し該外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2に対して短絡磁路を形成し得る強磁性体を回転方向に非連続に有する内回転子424、を有し、外回転子26および内回転子424が一体となって回転する回転子423」と、「外回転子26の、内回転子424に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構」と、を備える。
【0086】
また、この内回転子424は強磁性体からなり、当該内回転子424の外周には、回転径方向外側に突出する突極部424aと回転外周上内側に窪む空孔部424bとを交互に有する。したがって、内回転子424はその回転方向に突極部424aと空孔部424bとが交互に配置される形状となっている。さらに外回転子26は、外永久磁石27a1と27b2、および27a2と27b1の2つ1組で回転子磁極が構成され、所定数の前記回転子磁極が、当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように配置され、回転子磁極を構成する1組の外永久磁石27a1と27b2(および27a2と27b1)は突極部424aの回転方向幅と同等の間隔をもって外回転子26に配置されている。そして突極部424aの頂部は外回転子26と接触しており、そのため外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2が発する磁束はこの接触部を通してない回転子424まで達する。
【0087】
このように構成することで、図11(A) に示すように、外回転子26の2つで一対一組の外永久磁石27b2と外永久磁石27a1とが構成する回転子磁極において、その外永久磁石27b2、27a1の間に内回転子424の空孔部424bが配置された状態においては、2つで一対一組の外永久磁石27b2、27a1が発生する磁束は、この空孔部424bによって内回転子424へ通ずることができず、したがって2つで一対一組の外永久磁石27b2、27a1が発生する磁束はその殆どが固定子21へ達する(図12(A) 参照のこと)。即ち、回転子423に埋設された外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2の磁力の大部分が、固定子21に備えられたコイル22によって発生する磁力と相互作用を生ずることができ、高トルクを得ることができる。
【0088】
一方、図11(B) に示すように、内回転子424が外回転子26に対して相対回転し、外回転子26の2つで一対一組の外永久磁石27b2と外永久磁石27a1とが構成する磁極のその外永久磁石27b2、27a1の間に内回転子424の突極部424aが配置された状態においては、2つで一対一組の外永久磁石27b2、27a1が発生する磁束の一部は、この突極部424aを通して内回転子424を通り循環することとなる。したがって、外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2が発生する磁束のうち、内回転子424を通る分だけ、固定子21へ達する磁束が減じられるため、固定子21のコイル22に発生する誘導起電圧を減少させることができる。よって、電動機420の高回転を実現することができる。
【0089】
本第5実施形態に係る電動機420によると、回転子423は、外回転子26と当該外回転子26に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置する内回転子とを有する2重構造とし、外回転子26には外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2を、また内回転子424には外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2とともに短絡磁路を形成し得る強磁性体を回転方向に非連続に有する。そして、回転子位相制御機構は、回転方向に対し、外回転子26と内回転子との相対位置を変更可能な構成をとる。つまり、強磁性体が位置しないところは非磁性(磁束を通さない)になるので、内回転子424を回転させることで、外回転子26の外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2と内回転子424の強磁性体との相対位置を変え、もって外永久磁石27a1、27a2、27b1、27b2の磁束の経路を変化させることができる。
【0090】
これにより、低回転時においては磁束が固定子21へより達するように、また高回転時においては回転子424内に磁束が通るように、内外回転子の相対回転を制御することによって、低回転時には高トルクを得ることができ、高回転時には回転子423全体が発生する磁力としては、低回転時よりも遥かに弱めることができる。したがって、回転子423全体の高回転に伴う誘導起電圧の発生を抑制することができるので、高回転域まで回転させることができる。
【0091】
なお、第1、第2、第3および第5の実施形態では内回転子と外回転子が相対回転可能であることが特徴であるが、内回転子の内周と外回転子の外周は相対回転に支障のない程度に接触している(即ち、摺動抵抗が相対回転に支障なき程度に接触している)代わりに磁束が通過するのに支障のない程度のエアギャップを介して対峙するように構成してもよい。
【0092】
また、外回転子には2つ1組の永久磁石により回転子磁極を構成するようにしたが2つ以上の外永久磁石により回転子磁極を構成してもよい。即ち、1つの回転子磁極が複数の外永久磁石により一対一組で構成され、当該一対の外永久磁石が所定の間隔をもって配置されて回転子磁極を構成し、当該所定の間隔とは、内回転子に配置された内永久磁石もしくは電磁石の周方向幅と略同等の長さであれば、一対の外永久磁石が2つでなくとも4つ、6つ等で構成されていても本発の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電動機の固定子および回転子の構成を示す径方向断面図である。
【図2】 本第1実施形態に係る電動機の構成を示す軸方向断面図である。
【図3】 図2に示すIII −III 線断面による説明図で、図3(A) は回転子の内回転子が進角方向に移動した場合のもの、図3(B) は回転子の内回転子が遅角方向に移動した場合のものである。
【図4】 本第1実施形態に係る電動機の径方向1/4断面図で、図4(A) は内回転子の内永久磁石が磁力を強め合う位置ある場合のもの、図4(B) は内回転子の内永久磁石が磁力を弱め合う位置ある場合のものである。
【図5】 本第1実施形態に係る電動機の回転子から発生する磁束線の状態を計算機により磁場解析した結果を示す磁束線図で、図5(A) は内回転子が図4(A) に示す位置にある場合のもの、図5(B) は内回転子が図4(B) に示す位置にある場合のものである。
【図6】 本第1実施形態に係る電動機の回転数と出力トルクとの関係を模式的に示した特性図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る電動機を構成する回転子の構成概要を示す径方向断面図である。
【図8】 本発明の第3実施形態に係る電動機を構成する回転子の構成概要を示す径方向断面図である。
【図9】 本発明の第4実施形態に係る電動機の構成を示す径方向断面図である。
【図10】 本第4実施形態に係る電動機の構成を示す軸方向断面図である。
【図11】 本発明の第5実施形態に係る電動機の構成を示す径方向断面図である。
【図12】 本第5実施形態に係る電動機の回転子から発生する磁束線の状態を計算機により磁場解析した結果を示す磁束線図で、図12(A) は内回転子が図11(A) に示す位置にある場合のもの、図12(B) は内回転子が図11(B) に示す位置にある場合のものである。
【符号の説明】
20 電動機
21 固定子
22 コイル
23 回転子
24 内回転子
25a 内永久磁石 (第1の永久磁石)
25b 内永久磁石 (第1の永久磁石)
26 外回転子
27a1 外永久磁石 (第2の永久磁石、永久磁石)
27a2 外永久磁石 (第2の永久磁石、永久磁石)
27b1 外永久磁石 (第2の永久磁石、永久磁石)
27b2 外永久磁石 (第2の永久磁石、永久磁石)
29 回転子シャフト
30 ハウジング
31 内回転子支持部(回転子位相制御機構)
32 外回転子支持部(回転子位相制御機構)
34 ベアリング (回転子位相制御機構)
35 ベアリング (回転子位相制御機構)
39 作動油 (回転子位相制御機構)
120、220、320、420 電動機
123、223、323、432 回転子
124、224、324、434 内回転子
125a、225a 内永久磁石(第1の永久磁石)
125b、225b 内永久磁石(第1の永久磁石)
126、226 外回転子
127a1、227a 外永久磁石(第2の永久磁石)
127a2 外永久磁石(第2の永久磁石)
127b1、227b 外永久磁石(第2の永久磁石)
127b2 外永久磁石(第2の永久磁石)
324a 鉄心部
324b 空孔部
325 電磁石
350 界磁電流制御装置
424a 突極部
424b 空孔部
J 回転軸
G エアギャップ
空孔

Claims (10)

  1. コイルを有する固定子と、
    複数の第1の永久磁石を保持する内回転子、および該内回転子に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置し複数の第2の永久磁石を保持する外回転子、を前記固定子の径方向一方側に有し、前記内回転子および前記外回転子が一体となって回転する回転子と、
    前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構と、を備え
    前記外回転子には、
    少なくとも2つ以上からなる1組の前記第2の永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように、所定の間隔をもって前記複数の第2の永久磁石が配置されていることを特徴とする電動機。
  2. 前記所定の間隔は、前記第1の永久磁石の回転子周方向の幅と略同等の間隔であることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記内回転子が保持する第1の永久磁石は、当該内回転子の回転方向に順次異なった磁極の極性を有するように配置され、
    前記回転子位相制御機構は、前記回転子の回転数に応じて、前記第1の永久磁石を、前記1組の第2の永久磁石の間に、回転子磁極と回転径方向に同じ極性となる同極性位置から、逆の極性となる逆極性位置まで、変更可能であることを特徴とする請求項2に記載の電動機。
  4. コイルを有する固定子と、複数の永久磁石および複数の電磁石を有する回転子と、からなる電動機であって、
    前記回転子には、
    少なくとも2つ以上からなる1組の前記永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように配置され、
    前記電磁石は、前記回転子磁極ごとに、前記1組の永久磁石の間で、かつ前永久磁石よりも前記回転子の回転径方向内側に配置され、前記回転子の回転数に応じて励磁電流の制御が行われることを特徴とする電動機。
  5. 前記励磁電流の制御は、
    前記回転子の低回転時には、前記永久磁石の磁力と前記電磁石の磁力とが互いに強め合うように前記複数の電磁石に励磁電流を流し、
    前記回転子の高回転時には、前記永久磁石の磁力と前記電磁石の磁力とが互いに弱め合うように前記複数の電磁石に励磁電流を流すように行われることを特徴とする請求項4記載の電動機。
  6. コイルを有する固定子と、
    複数の永久磁石を保持する外回転子、および該外回転子に対して回転軸同心かつ回転径方向内側に位置し該外回転子の永久磁石に対して短絡磁路を形成し得る強磁性体を回転方向に非連続に有する内回転子、を前記固定子の径方向一方側に有し、前記外回転子および前記内回転子が一体となって回転する回転子と、
    前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構と、を備え
    前記外回転子には、
    少なくとも2つ以上からなる1組の前記永久磁石によって構成される所定数の回転子磁極が当該回転子の回転方向に順次異なった極性を有するように、所定の間隔をもって前記複数の永久磁石が配置されていることを特徴とする電動機。
  7. 前記内回転子は強磁性体からなり、当該内回転子の外周には、回転径方向外側に突出する突極部と回転外周上内側に窪む空孔部とを交互に有し、
    前記所定の間隔は、前記内回転子が有する突極部の回転方向幅と略同等の間隔であることを特徴とする請求項記載の電動機。
  8. コイルを有する固定子と、
    複数の第1の永久磁石を保持する内回転子、および該内回転子に対し回転軸同心かつ回転径方向外側に位置し複数の第2の永久磁石を保持する外回転子、を前記固定子の径方向一方側に有し、前記内回転子および前記外回転子が一体となって回転する回転子と、
    前記外回転子の、前記内回転子に対する回転方向の位相を変更する回転子位相制御機構と、を備え、
    前記複数の第1の永久磁石は、前記内回転子の径方向に向けて磁化方向を交互に変えて周方向に配置されており、
    前記複数の第2の永久磁石は、磁化方向を前記外回転子の周方向に向けて、少なくとも2つ以上からなる1組の永久磁石で隣り合う永久磁石同士を同極が対向するように複数組配置されており、これらの永久磁石の間隔は、前記第1の永久磁石の周方向幅と略同等に設定されていることを特徴とする電動機。
  9. 前記1組の永久磁石は、前記内回転子の径方向を対称軸として両者の間隔を前記径方向内側から外側に向かって漸増するように配置されていることを特徴とする請求項8記載の電動機。
  10. 前記複数の第1の永久磁石の、前記内回転子の周方向両側には、空孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3、8または9のいずれか一項に記載の電動機。
JP2002233052A 2002-08-09 2002-08-09 電動機 Expired - Fee Related JP4225001B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002233052A JP4225001B2 (ja) 2002-08-09 2002-08-09 電動機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002233052A JP4225001B2 (ja) 2002-08-09 2002-08-09 電動機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004072978A JP2004072978A (ja) 2004-03-04
JP4225001B2 true JP4225001B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=32018281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002233052A Expired - Fee Related JP4225001B2 (ja) 2002-08-09 2002-08-09 電動機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4225001B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2793368A2 (en) 2013-04-17 2014-10-22 Jtekt Corporation Rotary electric machine

Families Citing this family (110)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4604565B2 (ja) * 2004-06-17 2011-01-05 株式会社安川電機 回転子、およびこれを備えた回転電機
JP2006115684A (ja) * 2004-09-15 2006-04-27 Nissan Motor Co Ltd 回転電機の磁気回路構造
JP4737193B2 (ja) * 2005-02-28 2011-07-27 ダイキン工業株式会社 回転子、電動機、圧縮機、送風機、空気調和機及び車載用空気調和機
JP2006288183A (ja) 2005-03-09 2006-10-19 Nissan Motor Co Ltd 電動機
JP2010110211A (ja) * 2005-03-09 2010-05-13 Nissan Motor Co Ltd 電動機
JP4848670B2 (ja) * 2005-05-23 2011-12-28 ダイキン工業株式会社 回転子、電動機、圧縮機、送風機、及び空気調和機
JP4862344B2 (ja) * 2005-10-11 2012-01-25 株式会社安川電機 回転電機
JP4489002B2 (ja) * 2005-10-26 2010-06-23 三菱電機株式会社 ハイブリッド励磁回転電機、及びハイブリッド励磁回転電機を備えた車両
JP4260799B2 (ja) 2005-12-02 2009-04-30 本田技研工業株式会社 電動機および電動機の駆動方法
CN101341645B (zh) * 2005-12-21 2011-08-17 本田技研工业株式会社 电动机
JP4975337B2 (ja) * 2006-02-28 2012-07-11 本田技研工業株式会社 モータを備える車両
JP4503543B2 (ja) * 2006-03-06 2010-07-14 本田技研工業株式会社 電動機
EP1833147B1 (en) 2006-03-06 2010-12-29 Honda Motor Co., Ltd. Electric motor
EP1993187A4 (en) * 2006-03-06 2009-04-22 Honda Motor Co Ltd ENGINE
JP4545702B2 (ja) * 2006-03-06 2010-09-15 本田技研工業株式会社 電動機
JP4499052B2 (ja) * 2006-03-20 2010-07-07 本田技研工業株式会社 電動機
JP4549988B2 (ja) * 2006-03-06 2010-09-22 本田技研工業株式会社 電動機
JP2007244041A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Honda Motor Co Ltd 電動機
JP4620024B2 (ja) * 2006-03-06 2011-01-26 本田技研工業株式会社 電動機
JP4494354B2 (ja) * 2006-03-06 2010-06-30 本田技研工業株式会社 電動機
JP2007244061A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Honda Motor Co Ltd 電動機
JP4890056B2 (ja) * 2006-03-07 2012-03-07 本田技研工業株式会社 電動機
JP5095108B2 (ja) * 2006-03-07 2012-12-12 本田技研工業株式会社 電動機
JP5279989B2 (ja) * 2006-03-07 2013-09-04 本田技研工業株式会社 電動機
JP4896546B2 (ja) * 2006-03-07 2012-03-14 本田技研工業株式会社 電動機を具備する車両
JP4754378B2 (ja) 2006-03-22 2011-08-24 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4754379B2 (ja) * 2006-03-22 2011-08-24 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4808529B2 (ja) * 2006-03-24 2011-11-02 本田技研工業株式会社 電動機
JP5089066B2 (ja) * 2006-03-27 2012-12-05 本田技研工業株式会社 電動機
JP5085875B2 (ja) * 2006-03-27 2012-11-28 本田技研工業株式会社 電動機
GB2437568B (en) * 2006-04-24 2009-02-11 Univ Sheffield Electrical machines
EP1860754A1 (en) 2006-05-24 2007-11-28 HONDA MOTOR CO., Ltd. Electric motor
JP4754407B2 (ja) * 2006-05-24 2011-08-24 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP5095129B2 (ja) * 2006-05-26 2012-12-12 本田技研工業株式会社 電動機
JP4879657B2 (ja) * 2006-05-31 2012-02-22 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4372770B2 (ja) * 2006-06-26 2009-11-25 本田技研工業株式会社 モータを備える車両の制御装置
JP4184392B2 (ja) 2006-06-27 2008-11-19 本田技研工業株式会社 電動機
JP4757722B2 (ja) * 2006-06-27 2011-08-24 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP5063943B2 (ja) * 2006-07-05 2012-10-31 本田技研工業株式会社 電動機および電動機の位相制御方法
JP4643508B2 (ja) * 2006-07-13 2011-03-02 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4754428B2 (ja) * 2006-07-21 2011-08-24 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4745158B2 (ja) * 2006-07-24 2011-08-10 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4781933B2 (ja) * 2006-08-01 2011-09-28 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4712638B2 (ja) 2006-08-04 2011-06-29 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4584206B2 (ja) * 2006-08-08 2010-11-17 本田技研工業株式会社 電動機
JP5037063B2 (ja) * 2006-08-08 2012-09-26 本田技研工業株式会社 車両用電動機
JP4869825B2 (ja) * 2006-08-09 2012-02-08 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP4724070B2 (ja) * 2006-08-09 2011-07-13 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4754433B2 (ja) * 2006-08-09 2011-08-24 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP4372775B2 (ja) * 2006-08-09 2009-11-25 本田技研工業株式会社 モータ制御装置
JP4163226B2 (ja) 2006-08-31 2008-10-08 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP4372778B2 (ja) * 2006-08-31 2009-11-25 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP4823821B2 (ja) * 2006-09-04 2011-11-24 本田技研工業株式会社 永久磁石回転電動機
JP2008062688A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Honda Motor Co Ltd モータの制御装置
JP4777192B2 (ja) * 2006-09-07 2011-09-21 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP2008067499A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Honda Motor Co Ltd 回転電機を具備する車両
JP5037076B2 (ja) * 2006-09-11 2012-09-26 本田技研工業株式会社 電動機
JP2008067577A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Honda Motor Co Ltd 電動機
JP4724078B2 (ja) * 2006-09-13 2011-07-13 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4932418B2 (ja) * 2006-10-03 2012-05-16 本田技研工業株式会社 電動機
JP2008099366A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Honda Motor Co Ltd 電動機
JP4515439B2 (ja) * 2006-12-04 2010-07-28 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2008151214A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Honda Motor Co Ltd ベーン式油圧機器、電動機および内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4864686B2 (ja) * 2006-12-25 2012-02-01 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP4805129B2 (ja) * 2006-12-27 2011-11-02 本田技研工業株式会社 モータ制御装置
JP4805128B2 (ja) * 2006-12-27 2011-11-02 本田技研工業株式会社 モータ制御装置
JP2008230281A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両
JP4599523B2 (ja) * 2007-03-20 2010-12-15 有限会社クラ技術研究所 界磁制御電磁回転システム
JP4999535B2 (ja) * 2007-04-27 2012-08-15 本田技研工業株式会社 ローターヨークおよびローターヨークの製造方法および電動機
JP5390752B2 (ja) * 2007-05-11 2014-01-15 オークマ株式会社 埋め込み磁石モータ
JP4961257B2 (ja) * 2007-05-15 2012-06-27 本田技研工業株式会社 電動機
JP4971039B2 (ja) * 2007-06-07 2012-07-11 本田技研工業株式会社 モータ制御装置
JP4971040B2 (ja) * 2007-06-07 2012-07-11 本田技研工業株式会社 モータ制御装置
JP2009005453A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Honda Motor Co Ltd モータ駆動車両の制御装置
JP4961289B2 (ja) * 2007-07-20 2012-06-27 本田技研工業株式会社 電動機
EP2200161A4 (en) * 2007-07-26 2013-03-13 Kura Lab Corp FLOW-SHUNT CONTROL ROTARY ELEKTROMASCHINEN SYSTEM
JP5124204B2 (ja) * 2007-08-06 2013-01-23 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP5124203B2 (ja) * 2007-08-06 2013-01-23 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4960799B2 (ja) * 2007-08-06 2012-06-27 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
KR101118337B1 (ko) 2007-08-17 2012-03-12 티 엔 지 테크놀로지즈 가부시키가이샤 자속분류(磁束分流) 제어 회전전기기기 시스템
JP5124867B2 (ja) * 2007-09-04 2013-01-23 本田技研工業株式会社 電動機のロータ間位相差変更システムおよび車両
JP2009090882A (ja) 2007-10-10 2009-04-30 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両
JP5272464B2 (ja) * 2008-03-19 2013-08-28 株式会社安川電機 回転界磁形同期機
JP5286588B2 (ja) * 2008-04-01 2013-09-11 本田技研工業株式会社 電動機
JP4914868B2 (ja) * 2008-04-22 2012-04-11 本田技研工業株式会社 電動車両の制御装置
JP4556076B2 (ja) 2008-04-22 2010-10-06 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP5079584B2 (ja) * 2008-04-24 2012-11-21 本田技研工業株式会社 電動機
DE102009025342B4 (de) * 2008-07-10 2014-01-09 Herbert Weh Permanentmagneterregte Anordnung mit stellbaren Zusatzmagneten bei Energiewandlern
DE102008044954A1 (de) * 2008-08-29 2009-08-13 Siemens Aktiengesellschaft Dynamoelektrische Maschine mit einstellbarer Feldschwächung
JP5343480B2 (ja) * 2008-09-19 2013-11-13 株式会社安川電機 油圧界磁制御回転電機
JP4403253B1 (ja) * 2009-01-14 2010-01-27 有限会社クラ技術研究所 磁束量可変軸方向間隙回転電機システム
JP5446292B2 (ja) * 2009-02-03 2014-03-19 日産自動車株式会社 可変特性電動機
JP5446293B2 (ja) * 2009-02-03 2014-03-19 日産自動車株式会社 可変特性電動機
CN102405583B (zh) 2009-02-24 2014-05-14 有限公司日库技术研究所 磁通量可变旋转电机系统
JP5210986B2 (ja) * 2009-07-01 2013-06-12 本田技研工業株式会社 モータユニット
JP4649625B1 (ja) 2009-10-13 2011-03-16 有限会社クラ技術研究所 磁束量可変回転電機システム
US8288908B2 (en) 2009-10-30 2012-10-16 Finkle Louis J Reconfigurable inductive to synchronous motor
JP5502571B2 (ja) * 2010-04-09 2014-05-28 株式会社東芝 永久磁石式回転電機
US8288982B2 (en) * 2010-12-10 2012-10-16 Current Motor Company, Inc. Permanent magnet motor with field weakening
JP2012130219A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Aisin Aw Co Ltd 回転電機
JP2014155415A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Jtekt Corp 磁石埋込型ロータ及び磁石埋込型ロータの製造方法
JP6072606B2 (ja) * 2013-05-20 2017-02-01 株式会社豊田中央研究所 回転電機
WO2014188505A1 (ja) * 2013-05-21 2014-11-27 株式会社安川電機 回転電機
CN105637737B (zh) 2013-11-11 2018-08-21 株式会社安川电机 旋转电机
WO2016059506A1 (en) * 2014-10-15 2016-04-21 Accelerated Systems Inc. Internal permanent magnet motor with an outer rotor
JP2016168108A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 パナソニック株式会社 モータ装置及び該モータ装置を備える洗濯機
WO2017090159A1 (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 株式会社安川電機 回転電機
BG67304B1 (bg) * 2018-07-02 2021-04-15 Искренов Христов Александър Електрическа машина с допълнителен подвижен статор
CN109768640B (zh) * 2019-03-12 2024-03-26 上海电机系统节能工程技术研究中心有限公司 一种同步电机
JP7166207B2 (ja) * 2019-03-18 2022-11-07 三菱電機株式会社 回転電機およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2793368A2 (en) 2013-04-17 2014-10-22 Jtekt Corporation Rotary electric machine
US9735660B2 (en) 2013-04-17 2017-08-15 Jtekt Corporation Rotary electric machine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004072978A (ja) 2004-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4225001B2 (ja) 電動機
JP4519928B2 (ja) ハイブリッド励磁型同期機
KR200210795Y1 (ko) 영구자석 매립형 모터
JP2001136721A (ja) 軸方向間隙型永久磁石同期機
WO2009081766A1 (ja) 電動機および回転電機用ロータ
JP2002204541A (ja) 永久磁石型回転電動機
JP3633106B2 (ja) スイッチドリラクタンスモータ
KR20050004286A (ko) 복수의 비스듬한 스테이터 극 및/또는 로터 극을 갖는로터리 전기 모터
JP2004357489A (ja) 単方向着磁の永久磁石モータ
JP2009539336A (ja) 電気的同期機械
US7847453B2 (en) Bearingless step motor
JP6760014B2 (ja) 回転電機
JP5365049B2 (ja) 回転機、ラジアル型回転機、及び回転機におけるバックヨークの厚みの決定方法
JPH1146471A (ja) 磁石式ブラシレス電動機
JP4080273B2 (ja) 永久磁石埋め込み型電動機
JP6201405B2 (ja) 回転電機
JP5897939B2 (ja) ロータ及びモータ
JP5294021B2 (ja) クローポール型ipmモータ
JP6830073B2 (ja) 回転電機
CN111869064B (zh) 带有绕线电感器的同步电机
JP4680980B2 (ja) 電動機
JP5272464B2 (ja) 回転界磁形同期機
JP6766574B2 (ja) 回転電機
JP2012060709A (ja) 永久磁石型モータ
WO2021182088A1 (ja) 永久磁石同期モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050725

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050908

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4225001

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees