JP4869825B2 - モータの制御装置 - Google Patents
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Description
このように構成することで、位相変更手段のアクチュエータによって複数のロータの相対的な位相を目標位相まで変位させ、このときの実位相の状態変化量(例えば、移動時間や移動速度など)に基づいて補正手段によってアクチュエータの作動抵抗値(例えば、摺動抵抗や作動流体の流路抵抗など)を算出し、当該作動抵抗値に応じてアクチュエータの制御指令を補正することができる。
このように構成することで、作動流体の温度が所定範囲内つまり一定の条件を満たす状態で算出したアクチュエータの作動抵抗値に応じてアクチュエータの制御指令値の補正を行うことができる。
このように構成することで、例えば、目標位相まで実位相が到達する時間が長い場合はアクチュエータの作動抵抗が大きいと判断でき、一方、目標位相に実位相が到達する時間が短い場合はアクチュエータの作動抵抗が小さいと判断することができるので、この到達時間に応じてアクチュエータの作動抵抗を算出することができる。
このように構成することで、車両の走行駆動または内燃機関による車両の走行駆動を補助するモータの複数のロータの相対的な位相を、コーストダウン時に一定の割合で変化させ、このときの実位相が目標位相に到達するまでの到達時間に基づいてアクチュエータの作動抵抗を算出することができる。
このように構成することで、算出された作動抵抗値が所定の閾値を超えるような場合に位相変更手段が異常状態であることを判定して、例えば警告ランプを点灯するなどして、位相変更手段が異常状態であることを運転者に報知することができる。
このように構成することで、例えば、複数のロータの相対的な位相を強め界磁となる最遅角から弱め界磁となる最進角まで変位させた時などに車両のモータによって発生していた減速度が低下して運転者が違和感を覚える場合があるが、変速機の変速比を例えば減速側に制御して減速度を発生させることで減速度の低下を抑制することができる。
このように構成することで、例えば、複数のロータの相対的な位相を強め界磁となる最遅角から弱め界磁となる最進角まで変位させた時に車両のモータによって発生していた減速度が低下して運転者が違和感を覚える場合があるが、第2のモータを回生制動させることで減速度の低下を抑制することができる。
ため、車両走行中に運転者が違和感を覚えることなしにアクチュエータの制御指令を補正することができる効果がある。
第1の実施の形態によるモータの制御装置は、走行駆動源としてモータを備えるハイブリッド車や電動車両等の車両に搭載されるものである。具体的には、図1に示すように、車両100は、モータ(Mot)1および内燃機関(Eng)Eを駆動源として備えるパラレルハイブリッド車両であり、モータ1と、内燃機関Eと、トランスミッションT/Mとは直列に直結され、少なくともモータ1または内燃機関Eの駆動力はトランスミッションT/Mを介して車両100の前輪Wfに伝達されるようになっている。
PDU41は、トランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備えるとともに、モータ1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ42に接続されている。
PDU41は、モータ1の駆動時等においてコントローラ40から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリ42から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
なお、このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、こうして磁界の強さが変更されると、それに伴って誘起電圧定数Keが変化し、その結果、モータ1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
レギュレータバルブ35は、ライン通路33の圧力を制御圧として受け、反力スプリング38とのバランスによって作動液の振り分けを行う。
また、流路切換弁37は、制御スプール37aを進退操作する電磁ソレノイド37bを有し、この電磁ソレノイド37bがコントローラ40によって制御されるようになっている。
なお、界磁制御部53は、例えばモータ1の回転数NMの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するためにロータ23の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をd軸補正電流としてd軸電流偏差算出部52aへ出力する。
また、電力制御部54は、例えばバッテリ42の残容量等に応じた適宜の電力制御に応じてq軸目標電流Iqcを補正するためのq軸補正電流をq軸電流偏差算出部52aへ出力する。
誘起電圧定数算出部61は、位相センサ74から出力される位相θの検出信号に基づき、内周側回転子6と外周側回転子5との相対的な位相θに応じた誘起電圧定数Keを算出する。
誘起電圧定数差分算出部64は、誘起電圧定数指令出力部63から出力される誘起電圧定数指令値Kecから、誘起電圧定数算出部61から出力される誘起電圧定数Keを減算して得た誘起電圧定数差分ΔKeを出力する。
位相制御部65は、例えば誘起電圧定数差分算出部64から出力される誘起電圧定数差分ΔKeに応じて、この誘起電圧定数差分ΔKeをゼロとするようにして位相θを制御するための制御指令を出力する。
具体的には、回動機構学習演算値算出部62では、学習開始から学習時間の閾値Tlだけ経過したときの誘起電圧定数Ke(例えば、最小値Kemin)を求め、学習開始からこの誘起電圧定数Keと等しい誘起電圧定数指令値Kecに達するまでのデフォルト実行時間Tjを求める。そして、学習時間の閾値Tlとデフォルト実行時間Tjとの差分である可変時間差分ΔTを算出することで、この可変時間差分ΔTから油圧制御装置13の作動抵抗値のズレ量、例えば油圧制御装置13のレギュレータバルブ35、制御スプール37aなどの作動抵抗に応じた学習値(補正値)STが推定できるので、この学習値STを誘起電圧定数指令出力部63に向けて出力している。
ステップS02においては、油温センサs4によって検出されたトランスミッション(Miss)T/Mの作動液の油温が第1の閾値T1よりも大きく第2の閾値T2よりも小さいか否かを判定する。これにより、作動液の温度によるバラツキの影響を最小限に抑えることができる。ステップS02の判定結果が「YES」(T2>Miss油温>T1)である場合はステップS03に進み、判定結果が「NO」(T2>Miss油温>T1ではない)である場合はステップS11に進む。
ステップS04においては、学習許可フラグが1か否かを判定する。ステップS04の判定結果が「YES」(学習許可フラグ=1)である場合はステップS07に進み、判定結果が「NO」(学習許可フラグ≠1)である場合はステップS05に進む。
ステップS06においては、学習許可フラグを1に設定してステップS07に進む。
ステップS07においては、学習許可フラグが1である場合に後述する回動機構部学習処理を行ってステップS08に進む。
ステップS09においては、学習許可フラグに0を設定してステップS10に進む。
ステップS10においては、学習完了フラグに1を設定してこの処理を終了する。
一方、ステップS11においては、ステップS09と同様に学習許可フラグに0を設定してこの処理を終了する。
先ず、ステップS20においては、トランスミッションT/Mに減速指令を行う。ここで、トランスミッションT/Mの減速指令を行うことで、車両100に減速度を付与している。
ステップS22においては、学習中タイマTsが0よりも大きいか否か判定する。ここで、学習中タイマTsは車速αから車速βに至るまでの学習実行範囲における誘起電圧定数Ke(実Ke)の時間を計測する減算タイマであり、初期値は「0」である。ステップS22の判定結果が「YES」(学習中タイマTs>0)である場合はステップS25に進み、判定結果が「NO」(学習中タイマTs=0)である場合はステップS23に進む。
ステップS24においては、可変実行タイマTkにデフォルト実行時間Tjを設定する。ここで、可変実行タイマTkは、誘起電圧定数指令値Kecを最遅角側から最進角側まで移動させる時間を計測する減算タイマであり、この可変実行タイマTkに設定するデフォルト実行時間Tjとは、誘起電圧定数指令値Kecを最遅角側から最進角側まで移動させる時間を規定する時間である。
ステップS26においては、誘起電圧定数指令値Kec(指令Ke)にステップS25で求めた目標Keを設定する。つまり、ステップS25で求めた目標Keを用いて油圧制御装置13に制御指令を出力する。
ステップS28においては、閾値Tlからデフォルト実行時間Tjを減算して可変時間差分ΔTを求める。より具体的には、学習中タイマTsが閾値Tlに達した時点で誘起電圧定数Ke(実Ke)が求まり、さらに、この誘起電圧定数Ke(実Ke)と同じ値の誘起電圧定数指令値Kecにおけるデフォルト実行時間Tjが求まるので、閾値Tlとデフォルト実行時間Tjとの差分を可変時間差分ΔTとして求めている。
先ず、ステップS30においては学習値STの絶対値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップS30の判定結果が「YES」(|学習値ST|>0)である場合はステップS31に進み、判定結果が「NO」(|学習値ST|=0)である場合はこの処理を終了する。
ステップS31においては、誘起電圧定数指令値Kecに従って油圧制御装置13の油圧を立ち上げあるためのデフォルト指令値(ゲイン)に学習値STを積算した値を、油圧立ち上げ指令値として設定してこの処理を終了する。
先ず、ステップS32においては、学習値STの絶対値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップS32の判定結果が「YES」(|学習値ST|>0)である場合はステップS33に進み、判定結果が「NO」(|学習値ST|=0)である場合はこの処理を終了する。
ステップS33においては、誘起電圧定数指令値Kecに基づいた流量のデフォルト指令値に学習値STを積算した値を、誘起電圧定数指令値Kecに基づいた流量指令値として設定してこの処理を終了する。
先ず、ステップS40(異常判定手段)においては、学習値STの絶対値がフェール閾値よりも大きいか否かを判定する。ステップS40の判定結果が「YES」(|学習値ST|>フェール閾値)である場合はステップS41に進み、判定結果が「NO」(|学習値ST|>フェール閾値ではない)である場合はこの処理を終了する。ここでフェール閾値は通常想定される学習値STの最大値よりも大きい値が設定される。
ステップS41においては、回動機構11のフェール状態を示す回動機構フェールフラグに1を設定してステップS42に進む。
ステップS42においては、回動機構11がフェール状態(フェールフラグ=1)であるので回動機構11における回動動作を禁止状態にしてこの処理を終了する。
先ず図19(a)に示すようにアクセルペダルが踏み込まれてアクセルペダル開度(以下、単にAP開度という)が増加すると、車速Vが右肩上がりで徐々に上昇する。ここで、図19(a)は、車速Vが車速αを超えたところで一定速運転となっている一例を示しており、図19(d)のトランスミッションT/Mの変速比が車速に応じてハイギヤ側に変位された後、この変速比、AP開度とともに車速Vも所定時間一定の値となっている。
なお、図19(a)〜(d)では、内燃機関Eの全気筒が休筒状態である場合を示しており、車速Vはモータ1の駆動力によるものである。また、図19(d)に示す変速比は、トランスミッションT/Mとして有段変速である例えば4段変速の場合の一例を示しているが、トランスミッションT/MとしてCVTなどの無段変速機構を採用し、図中の破線で示すように滑らかに変速比を変位させればより適切な減速度を車両100に付与することができる。
また、時間の経過に伴ってトランスミッションT/Mの油温が徐々に上昇し、この油温が所定時間t1で第1の閾値T1に達する。すると、AP開度が0となったことをトリガとして回動機構部学習処理が開始される。そして、誘起電圧定数指令値Kecを最大値Kemaxに上昇させるが、このとき、位相θは最遅角に設定されて強め界磁となるため、図19(b)に示すように、一時的にモータトルクがマイナスの値になり減速度が発生した状態となる。
その後、図19(a)に示すように、車速Vが車速αまで低下すると、誘起電圧定数指令値Kecが最大値Kemaxから一定の割合で徐々に低下され、このとき図19(d)に示すように、誘起電圧定数指令値Kecの低下に応じてトランスミッションT/Mの変速比が低下される。これにより、図19(c)に示すように、内燃機関ではトランスミッションT/Mによるマイナス側のトルクが発生して、車両に減速度が付与されることとなる。
なお、上述した第1の実施の形態が本発明のモータの制御装置をパラレルハイブリッド車両に適用した場合であったのに対して、この第2の実施の形態では、本発明のモータの制御装置を2モータタイプのシリーズハイブリッド車両に適用している点で第1の実施の形態と相違し、その余の点で一致する。したがって、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態の図2〜6、図8を援用し、同一部分に同一符号を付して相違点のみ説明する。
先ず、ステップS50においては、学習完了フラグが1に設定されているか否かを判定する。ステップS50における判定結果が「YES」(学習完了フラグ=1)である場合は図17のステップS67に進み、判定結果が「NO」(学習完了フラグ≠1)である場合はステップS51に進む。
ステップS52においては、アクセルペダル(AP)開度が0かつBrkSWセンサが0か否かを判定する。ステップS52における判定結果が「YES」(AP開度=0&BrkSW=0)である場合はステップS53に進み、判定結果が「NO」(AP開度=0&BrkSW=0ではない)である場合は図17のステップS67に進む。
ステップS54においては、内燃機関(Eng)Eの始動指令を出力する。ここで、内燃機関Eの始動は、クラッチCを切断した状態でジェネレータモータM2の駆動によって行われるが、例えば、内燃機関Eの始動専用のスタータモータを設けるようにしてもよい。
ステップS56においては、内燃機関(Eng)Eに対して休筒指令を出力する。
ステップS57においては、内燃機関(Eng)Eの休筒が完了したか否かを判定する。ステップS57における判定結果が「YES」(休筒完了)である場合はステップS58に進み、判定結果が「NO」(休筒未完了)である場合は図17のステップS67に進む。
ステップS59においては、クラッチCの係合が完了したか否かを判定する。ステップS59における判定結果が「YES」(係合完了)である場合はステップS60に進み、判定結果が「NO」(係合未完了)である場合はステップS67に進む。
ステップS67においては、学習許可フラグを0に設定してステップS60に進む。
ステップS61においては、車輪速センサ75で検出された車輪速に基づいて算出された車両100の車速が車速αになったか否かを判定する。ステップS61における判定結果が「YES」(車速=α)である場合はステップS62に進み、判定結果が「NO」(車速≠α)である場合はこの処理を終了する。
ステップS62においては、学習許可フラグを1に設定してステップS63に進む。
ステップS63においては、後述する回動機構部学習処理を行ってステップS64に進む。
ステップS65においては、学習許可フラグに0を設定してステップS66に進む。
ステップS66においては、学習完了フラグに1を設定してこの処理を終了する。
先ず、ステップS70においては、モータ(Mot)M1の目標トルク(Mot目標T)にトランスミッションT/Mの変速比を積算した値をジェネレータモータ(GENMot)M2の指令トルク(GENMot指令T)として設定する。すなわち、モータM1で出力していた減速トルクをジェネレータモータM2で持ち替える。
ステップS71においては、モータM1の指令トルクに0を設定する。すなわちモータM1の出力が0となるように制御して、コーストダウン状態にする。
先ず図20(a)は、前述した第1の実施の形態における図19(a)と同様のグラフであって、この図20(a)に示すようにアクセルペダル(AP)が踏み込まれてAP開度が増加すると、車速Vが右肩上がりで徐々に上昇する。
また、内燃機関Eの全筒で休筒状態にする場合について説明したが、部分休筒を行うことができる内燃機関Eを用いてもよい。この場合、休筒する気筒数を変化させて位相θを変化させる時の減速度を調整するようにしてもよい。
5 外周側回転子(ロータ)
6 内周側回転子(ロータ)
11 回動機構(位相変更手段)
13 油圧制御装置(アクチュエータ)
62 回動機構学習演算値算出部(補正手段)
100,200 車両
100a,200a 制御装置
M2 ジェネレータモータ(第2のモータ)
ステップS40 異常判定手段
Claims (7)
- 各々に磁石片を有し互いの相対的な位相を変更可能な複数のロータを具備するモータと、複数のロータの相対的な位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段とを有したモータの制御装置であって、
前記モータは車両を走行駆動又は内燃機関による車両の走行駆動を補助するモータであり、
前記位相変更手段は、位相変更の要求に係る制御指令値に応じて前記作動流体の流体圧を制御するアクチュエータを備え、
前記車両がコーストダウン状態となった場合に目標位相まで前記複数のロータの相対的な位相を変位させ、そのときの実位相の状態変化量に基づき前記アクチュエータの作動抵抗値を算出し、該作動抵抗値に応じて前記アクチュエータの位相変更の要求に係る制御指令値を補正する補正手段を備えることを特徴とするモータの制御装置。 - 前記補正手段は、前記作動流体の温度が所定範囲内のときに前記アクチュエータの制御指令値を補正することを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
- 前記状態変化量は、前記目標位相に前記実位相が到達するまでの到達時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータの制御装置。
- 前記状態変化量はコーストダウン時に位相を一定の割合で変化させて前記目標位相に前記実位相が到達するまでの到達時間であることを特徴とする1〜3のいずれか一項に記載のモータの制御装置。
- 前記補正手段は、前記作動抵抗値が所定の閾値を超えた場合に前記位相変更手段が異常状態であることを判定する異常判定手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータの制御装置。
- 前記補正手段は、前記位相の変更中に所定の減速度が発生するように車両の変速機を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータの制御装置。
- 前記位相変更手段による前記位相の変更中に所定量の減速度が発生するように回生制動を行う第2のモータを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータの制御装置。
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