JP6067218B2 - 車両駆動システムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの動力とモータジェネレータの動力を車両の車軸に伝達可能な動力伝達装置を備えた車両駆動システムの制御装置に関する発明である。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の動力源としてエンジンとMG(モータジェネレータ)を搭載したハイブリッド車が注目されている。このハイブリッド車においては、例えば、特許文献1(特開2003−191762号公報)に記載されているように、車両の減速時に、車軸の動力でMGを駆動して車両の運動エネルギをMGで電力に変換してバッテリに回収(充電)する回生制御を行う際に、動力伝達経路に設けたクラッチを制御してエンジンや変速機構の引き摺りによるエネルギロスをなくすことで、車両の減速時の運動エネルギを効率的に回生するようにしたり、バッテリ(蓄電池)の残容量が所定値以上のときに、バッテリの電力によるMGの動力で車軸を駆動して車両を走行させるEV走行を行う際に、動力伝達経路に設けたクラッチを制御してエンジンや変速機構の引き摺りによるエネルギロスをなくすことで、EV走行時のエネルギロスを低減するようにしたものがある。
特開2003−191762号公報
しかし、車両の減速時に、バッテリの残容量が既に満充電容量又はその付近に達していてバッテリにほとんど充電できない状態の場合には、車両の運動エネルギをバッテリに回収することができず、車両の減速時の運動エネルギを有効に利用することができないという問題がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、車両の減速時の運動エネルギを有効に利用することができる車両駆動システムの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、エンジンの動力と第1のモータジェネレータ(以下「第1のMG」と表記する)及び第2のモータジェネレータ(以下「第2のMG」と表記する)の動力を車両の車軸に伝達可能な動力伝達装置と、第1及び第2のMGと電力を授受するバッテリとを備えた車両駆動システムの制御装置において、動力伝達装置は、エンジンの動力を伝達するエンジン入力軸と、第1のMGの動力を伝達するモータ入力軸と、第2のMGの動力が入力されると共に車軸に伝達するための動力を出力する出力軸と、エンジン入力軸の動力をモータ入力軸を介さずに出力軸に伝達するためのエンジン側ギヤ機構と、モータ入力軸の動力をエンジン入力軸を介さずに出力軸に伝達するためのモータ側ギヤ機構と、エンジン入力軸とモータ入力軸との間の動力伝達を断続する第1のクラッチと、モータ側ギヤ機構と出力軸との間の動力伝達を断続する第2のクラッチと、エンジン側ギヤ機構と出力軸との間の動力伝達を断続する第3のクラッチとを備え、第1のクラッチが接続された場合にエンジン側ギヤ機構とモータ側ギヤ機構との間が動力伝達可能となるように構成され、車両の減速時に、バッテリの残容量又はこれに応じて変化する情報(以下これらを「バッテリ残量情報」と総称する)が所定の閾値よりも低い場合には第1のクラッチと第2のクラッチと第3のクラッチを全て切断して車軸の動力で第2のMGを駆動して該第2のMGで発電した電力をバッテリに充電するMG回生制御を実行し、バッテリ残量情報が閾値以上の場合にはエンジン側ギヤ機構とモータ側ギヤ機構のうちでギヤ比が小さい方のギヤ機構であるエンジン側ギヤ機構を介して車軸の動力をエンジンに伝達するように第1のクラッチと第2のクラッチを切断すると共に第3のクラッチを接続して車軸の動力でエンジンを駆動する第1のエンジン回生制御を実行する減速時回生制御手段を備えた構成としたものである。
この構成では、車両の減速時に、バッテリ残量情報が閾値よりも低い場合には、バッテリに充電可能であると判断して、車軸の動力で第2のMGを駆動して該第2のMGで発電した電力をバッテリに充電するMG回生制御を実行することで、車両の運動エネルギを第2のMGで電力に変換してバッテリに回収することができる。
一方、バッテリ残量情報が閾値以上の場合には、バッテリにあまり充電できないと判断して、車軸の動力で燃焼停止状態のエンジンを駆動する第1のエンジン回生制御を実行することで、車両の減速時にエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域(燃料噴射及び点火を再開するだけでエンジンを始動可能なエンジン回転速度領域)まで引き上げておくことができる。これにより、車両の減速後の加速時にMG等でエンジンをクランキングしなくても燃料噴射及び点火を再開するだけでエンジンを速やかに再始動することが可能となり、車両の減速時の運動エネルギをエンジン再始動用のエネルギとして有効に利用することができる。
本発明は、第1のMGと第2のMGとを備え、動力伝達装置は、エンジンの動力を伝達するエンジン入力軸と、第1のMGの動力を伝達するモータ入力軸と、第2のMGの動力が入力されると共に車軸に伝達するための動力を出力する出力軸と、エンジン入力軸の動力をモータ入力軸を介さずに出力軸に伝達するためのエンジン側ギヤ機構と、モータ入力軸の動力をエンジン入力軸を介さずに出力軸に伝達するためのモータ側ギヤ機構と、エンジン入力軸とモータ入力軸との間の動力伝達を断続する第1のクラッチと、モータ側ギヤ機構と出力軸との間の動力伝達を断続する第2のクラッチと、エンジン側ギヤ機構と出力軸との間の動力伝達を断続する第3のクラッチとを備え、第1のクラッチが接続された場合にエンジン側ギヤ機構とモータ側ギヤ機構との間が動力伝達可能となるように構成している。このようにすれば、エンジンの動力とMGの動力を車両の車軸に伝達する動力伝達装置を小型化することができる。
更に、MG回生制御を行う際に、第1のクラッチと第2のクラッチと第3のクラッチを全て切断して第2のMGでMG回生制御を行うようにしているため、車軸の動力を第2のMGに伝達する動力伝達経路からエンジンを切り離して、エンジンの引き摺りによるエネルギロスをなくした状態でMG回生制御を行うことができ、車両の減速時の運動エネルギを効率的に回生することができる。
また、エンジン回生制御を行う際に、エンジン側ギヤ機構とモータ側ギヤ機構のうちでギヤ比が小さい方のギヤ機構であるエンジン側ギヤ機構を介して車軸の動力をエンジンに伝達するように第1のクラッチと第2のクラッチを切断すると共に第3のクラッチを接続してエンジンを駆動する第1のエンジン回生制御を実行するようにしているため、エンジン回生制御によるエンジンブレーキが過度に大きくなることを抑制して、運転者の意に反して急減速してしまうことを防止することができる。
この場合、請求項のように、車両の減速時にバッテリ残量情報が前記閾値以上の場合に、出力軸の回転速度と第1のエンジン回生制御で使用するエンジン側ギヤ機構(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)のギヤ比とに基づいて第1のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度を算出し、該上昇可能なエンジン回転速度が所定の再始動回転速度下限値よりも高いときに、第1のエンジン回生制御を実行するようにしても良い。このようにすれば、第1のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度が再始動回転速度下限値(再始動可能な回転速度領域の下限値)よりも高いときに、第1のエンジン回生制御によってエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域まで引き上げることができると判断して、第1のエンジン回生制御を実行することができ、第1のエンジン回生制御を無駄に実行することを回避できる。
また、請求項のように、第1のエンジン回生制御を実行した後、エンジン側ギヤ機構とモータ側ギヤ機構のうちでギヤ比が大きい方のギヤ機構であるモータ側ギヤ機構を介して車軸の動力をエンジンに伝達するように各クラッチを制御してエンジンを駆動する第2のエンジン回生制御に移行するようにしても良い。このようにすれば、第1のエンジン回生制御によってエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域に引き上げた後、第2のエンジン回生制御に移行して、第2のエンジン回生制御によってエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域に維持することができ、エンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域に維持できる期間を長くすることができる。しかも、ギヤ比が小さい方のギヤ機構を使用する第1のエンジン回生制御によるエンジンブレーキによってある程度まで減速した後、第2のエンジン回生制御に移行するため、ギヤ比が大きい方のギヤ機構を使用する第2のエンジン回生制御を実行しても、エンジン回生制御によるエンジンブレーキが過度に大きくなることを抑制して、運転者の意に反して急減速してしまうことを防止することができる。
この場合、請求項のように、第1のエンジン回生制御によりエンジンの回転速度が所定の再始動回転速度下限値よりも高くなったときに、出力軸の回転速度と第2のエンジン回生制御で使用するモータ側ギヤ機構(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)のギヤ比とに基づいて第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度を算出し、該上昇可能なエンジン回転速度が所定の再始動回転速度上限値よりも高いときに、第2のエンジン回生制御に移行するようにしても良い。このようにすれば、第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度が再始動回転速度上限値(再始動可能な回転速度領域の上限値)よりも高いときに、第2のエンジン回生制御によってエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域に維持することができると判断して、第2のエンジン回生制御に移行することができ、第2のエンジン回生制御を無駄に実行することを回避できる。
図1は本発明の実施例1におけるハイブリッド車の駆動システムの概略構成を示す図である。 図2は実施例1の減速時回生制御の各動作モードにおけるクラッチとMGとエンジンの制御状態を示す図である。 図3は実施例1の減速時回生制御を説明する図である。 図4は実施例1の減速時回生制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5は実施例2の減速時回生制御の各動作モードにおけるクラッチとMGとエンジンの制御状態を示す図である。 図6は実施例2の減速時回生制御を説明する図である。 図7は実施例2の減速時回生制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 図8は実施例2の減速時回生制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 図9は本発明に関連する参考例としてのハイブリッド車の駆動システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車の駆動システムの概略構成を説明する。
ハイブリッド車に搭載される動力伝達装置11は、エンジン12、第1のモータジェネレータ(以下「第1のMG」と表記する)13、第2のモータジェネレータ(以下「第2のMG」と表記する)14、第1エンジン入力軸15、ダンパ16、第2エンジン入力軸17、モータ入力軸18、エンジン側のドライブギヤ19及びドリブンギヤ20、モータ側のドライブギヤ21及びドリブンギヤ22、第1のクラッチ23、第2のクラッチ24、第3のクラッチ25、出力軸26、ディファレンシャルギヤ27等を備えており、エンジン12、第1及び第2のMG13,14が発生した動力(すなわち駆動トルク)を車軸28に伝達し、それによって駆動輪29に駆動力を発生させるようになっている。
第1及び第2のMG13,14は、インバータ30を介してバッテリ31(蓄電池)に接続され、第1及び第2のMG13,14がインバータ30を介してバッテリ31と電力を授受するようになっている。エンジン12は内燃機関であり、第1及び第2のMG13,14は、バッテリ31の電力によって回転する電気モータであると共に、動力伝達装置11(具体的には第1のMG13ならモータ入力軸18、第2のMG14なら出力軸26)から伝達された軸トルクを利用して発電してバッテリ31に充電を行うジェネレータでもある。
エンジン12から伸びる第1エンジン入力軸15には、エンジン12が発生した動力が入力される。この第1エンジン入力軸15は、エンジン12から入力された動力を伝達する軸として機能する。この第1エンジン入力軸15のエンジン12と反対側の端部には、周知のトーションダンパ16が取り付けられている。
また、ダンパ16の第1エンジン入力軸15とは反対側には、第2エンジン入力軸17が第1エンジン入力軸15に対して同軸に取り付けられている。従って、この第2エンジン入力軸17は、ダンパ16を介して第1エンジン入力軸15の動力を伝達するようになっている。
また、第2エンジン入力軸17には、エンジン側のドライブギヤ19が軸着され、このドライブギヤ19が第2エンジン入力軸17と共に回転するようになっている。
また、第1のMG13から伸びるモータ入力軸18には、第1のMG13が発生した動力が入力される。このモータ入力軸18は、第1のMG13から入力された動力を伝達する軸として機能する。
また、モータ入力軸18には、モータ側のドライブギヤ21が軸着され、このドライブギヤ21がモータ入力軸18と共に回転するようになっている。
また、第2エンジン入力軸17とモータ入力軸18は、互いに平行かつ同軸に配置されている。また、第1のクラッチ23は、第2エンジン入力軸17とモータ入力軸18との間に設けられ、第2エンジン入力軸17とモータ入力軸18を相互に同軸に断続するクラッチ機構である。第1のクラッチ23としては、湿式クラッチを採用しても良いし、乾式クラッチを採用しても良い。
また、第2のMG14から伸びる出力軸26には、第2のMG14が発生した動力が入力される。この出力軸26は、第1エンジン入力軸15、第2エンジン入力軸17、モータ入力軸18の側方にこれら入力軸15,17,18に対して平行に配置され、ディファレンシャルギヤ27、車軸28等に伝達するための動力を出力する。
また、エンジン側のドリブンギヤ20は、ドライブギヤ19に噛合し、出力軸26に回動自在に支持される。また、第3のクラッチ25は、出力軸26に取り付けられ、出力軸26とドリブンギヤ20とを相互に断続するクラッチ機構である。第3のクラッチ25としては、湿式クラッチを採用しても良いし、乾式クラッチを採用しても良く、或は、シンクロ機構等のかみ合い式クラッチを採用しても良い。
また、モータ側のドリブンギヤ22は、ドライブギヤ21に噛合し、出力軸26に回動自在に支持される。また、第2のクラッチ24は、出力軸26に取り付けられ、出力軸26とドリブンギヤ22とを相互に断続するクラッチ機構である。第2のクラッチ24としては、湿式クラッチを採用しても良いし、乾式クラッチを採用しても良く、或は、シンクロ機構等のかみ合い式クラッチを採用しても良い。
また、出力軸26の動力は、図示しないファイナルギヤ及びディファレンシャルギヤ27及び車軸28を介して駆動輪29に伝達される。
第3のクラッチ25を接続することで、出力軸26とエンジン側のドリブンギヤ20との間で動力伝達が行われる。従って、エンジン側のドライブギヤ19、ドリブンギヤ20、第3のクラッチ25を介して第2エンジン入力軸17と出力軸26の間で(モータ入力軸18を介さず)動力伝達が行われる。逆に、第3のクラッチ25を切ると、第2エンジン入力軸17と出力軸26の間で動力伝達が行われることがなくなる。エンジン側のドライブギヤ19とドリブンギヤ20がハイギヤ機構32(エンジン側ギヤ機構の一例に相当する)を構成している。尚、ハイギヤ機構32の減速比(ギヤ比)は、動力伝達装置11に備えられたギヤ機構の減速比のうちで最も小さい。
また、第2のクラッチ24を接続することで、出力軸26とモータ側のドリブンギヤ22との間で動力伝達が行われる。従って、モータ側のドライブギヤ21、ドリブンギヤ22、第2のクラッチ24を介してモータ入力軸18と出力軸26の間で(エンジン入力軸15,17を介さず)動力伝達が行われる。逆に、第2のクラッチ24を切ると、モータ入力軸18と出力軸26の間で動力伝達が行われることがなくなる。モータ側のドライブギヤ21とドリブンギヤ22がローギヤ機構33(モータ側ギヤ機構の一例に相当する)を構成している。尚、ローギヤ機構33の減速比(ギヤ比)は、動力伝達装置11に備えられたギヤ機構の減速比のうちで最も大きい。従って、ローギヤ機構33の減速比は、ハイギヤ機構32の減速比よりも大きくなっている。
この動力伝達装置11においては、動力の伝達経路から見ても配置から見ても、エンジン12に近い方のギヤ機構がハイギヤ機構32であり、第1のMG13に近い方のギヤ機構がローギヤ機構33である。
また、第1のクラッチ23を接続すると、第1のクラッチ23を介して第2エンジン入力軸17とモータ入力軸18の間で動力が伝達されるようになり、第1のクラッチ23を切ると、第2エンジン入力軸17とモータ入力軸18の間で動力が伝達されなくなる。
また、第1のクラッチ23が接続された場合、第2エンジン入力軸17上のドライブギヤ19が設けられる位置からモータ入力軸18上のドライブギヤ21が設けられる位置までの間は、常に動力伝達が可能となっている。換言すれば、入力軸15,17,18上のエンジン側のドライブギヤ19が設けられる位置からモータ側のドライブギヤ21までの動力伝達経路に第1のクラッチ23以外のクラッチが介在しない。このようになっていることで、クラッチの数を従来よりも低減することができ、ひいては、動力伝達装置11を小型化することが可能となる。
また、第1のクラッチ23及びエンジン側のドライブギヤ19を、モータ側のドライブギヤ21とエンジン12との間の位置に配置することで、エンジン12からエンジン側のドライブギヤ19までの距離を低減することができ、その結果、エンジン入力軸15,17のねじれ振動に対する耐性を高く保つことができる。
また、第1のクラッチ23及びモータ側のドライブギヤ21を、エンジン側のドライブギヤ19と第1のMG13との間の位置に配置することで、第1のMG13からモータ側のドライブギヤ21までの距離を低減することができ、その結果、モータ入力軸18のねじれ振動に対する耐性を高く保つことができる。
また、ECU34(電子制御回路)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、車両内で取得された各種物理量に基づいて、上記の第1及び第2のMG13,14の駆動/非駆動、及び、第1〜第3のクラッチ23〜25の接続/切断を制御することで、エンジン12、第1のMG13が発生する動力の伝達経路及び減速比を制御する。
このECU34には、車速センサ(図示せず)で検出した車速、アクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度(アクセル操作量)、バッテリ監視装置(図示せず)で検出したバッテリ31の充電状態を表すSOC(State Of Charge) 、クランク角センサ(図示せず)で検出したエンジン回転速度等の各種の信号が入力される。
ECU34は、これら入力された信号に基づいて、第1〜第3のクラッチ23〜25の接続/切断を切り換える。具体的には、ECU34は、クラッチ23〜25のそれぞれに対して設けられたアクチュエータ(例えばクラッチの断続のための油圧を発生するアクチュエータ)の作動を制御することで、クラッチ23〜25の接続/切断を個別に切り換える。
このようなECU34によるクラッチ23〜25の制御によって、第1のMG13の発生する動力は、ローギヤ機構33を介して駆動輪29に伝達されることも、ハイギヤ機構32を介して駆動輪29に伝達されることも、可能となる。また、エンジン12の発生する動力についても、ローギヤ機構33を介して駆動輪29に伝達されることも、ハイギヤ機構32を介して駆動輪29に伝達されることも、可能となる。
また、本実施例1では、ECU34により後述する図4の減速時回生制御ルーチンを実行することで、車両の減速時に、バッテリ残量情報(バッテリ31の残容量又はこれに応じて変化する情報)を検出し、このバッテリ残量情報が所定の上限側閾値(例えば充電目標上限値)よりも低い場合には、バッテリ31に充電可能であると判断して、車軸28の動力で第2のMG14を回転駆動して第2のMG14で発電した電力をバッテリ31に充電するMG回生制御を実行し、一方、バッテリ残量情報が上限側閾値以上の場合には、バッテリ31にあまり充電できないと判断して、車軸28の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動するエンジン回生制御を実行する。
具体的には、図2及び図3に示すように、車両の減速時に、バッテリ残量情報として、バッテリ31のSOCを検出する(例えばバッテリ監視装置で検出したバッテリ31のSOCを読み込む)。ここで、バッテリ31のSOCは、例えば、次式より定義される。
SOC=残容量/満充電容量×100
(a) バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低い場合には、バッテリ31に充電可能であると判断して、動作モードをMG回生モードに設定する。このMG回生モードでは、第1〜第3のクラッチ23〜25を全て切断して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で第2のMG14を回転駆動して第2のMG14で発電した電力をバッテリ31に充電するMG回生制御を実行することで、車両の運動エネルギを第2のMG14で電力に変換してバッテリ31に回収する。
その後、(b) バッテリ31のSOCが上限側閾値以上になった場合には、バッテリ31にあまり充電できないと判断して、動作モードをエンジン回生モードに設定する。このエンジン回生モードでは、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1及び第2のクラッチ23,24を切断、第3のクラッチ25を接続)して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動するエンジン回生制御(第1のエンジン回生制御)を実行することで、車両の減速時にエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域(燃料噴射及び点火を再開するだけでエンジン12を始動可能なエンジン回転速度領域)まで引き上げる。
その後、(c) 加速要求が発生して、動作モードが加速モードに設定された場合には、エンジン12の燃料噴射及び点火を再開してエンジン12を速やかに再始動すると共に、エンジン12の動力と第1及び第2のMG13,14の動力を車軸28に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1及び第2のクラッチ23,24を接続、第3のクラッチ25を切断)して、車両を加速させる。
以下、本実施例1でECU34が実行する図4に示す減速時回生制御ルーチンの処理内容を説明する。
図4に示す減速時回生制御ルーチンは、ECU34の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう減速時回生制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、車両の減速時であるか否かを、例えば、車速の差分(車速の今回値と前回値との差)が所定値以下であるか否か、或は、アクセル開度の差分(アクセル開度の今回値と前回値との差)が所定値以下であるか否か等によって判定する。
このステップ101で、減速時ではない判定された場合には、ステップ102以降の処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、減速時であると判定された場合には、ステップ102に進み、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低いか否かを判定する。ここで、上限側閾値は、例えば、バッテリ31の充電目標上限値であり、バッテリ31の満充電容量よりも少し小さい値に設定されている。
このステップ102で、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低いと判定された場合には、バッテリ31に充電可能であると判断して、ステップ103に進み、動作モードをMG回生モードに設定する。
このMG回生モードでは、第1〜第3のクラッチ23〜25を全て切断して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で第2のMG14を回転駆動して第2のMG14で発電した電力をバッテリ31に充電するMG回生制御を実行することで、車両の運動エネルギを第2のMG14で電力に変換してバッテリ31に回収する(ステップ104,105)。
この後、ステップ106に進み、バッテリ31のSOCが上限側閾値以上であるか否かを判定し、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低いと判定された場合には、上記ステップ104に戻り、MG回生制御を継続する。
一方、上記ステップ102又は上記ステップ106で、バッテリ31のSOCが上限側閾値以上であると判定された場合には、バッテリ31にあまり充電できないと判断して、ステップ107に進み、現在の出力軸26の回転速度Nout とエンジン回生制御で使用するハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)のギヤ比Ghighとを用いて、エンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 を次式により算出する。
Nemax1 =Nout ×(1/Ghigh)
尚、出力軸26の回転速度Nout は、回転速度センサ等で検出するようにしても良いし、車速(又は車軸28の回転速度)から算出するようにしても良い。
この後、ステップ108に進み、エンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 が所定の再始動回転速度下限値(再始動可能な回転速度領域の下限値)よりも高いか否かを判定する。
このステップ108で、エンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 が再始動回転速度下限値よりも高いと判定された場合には、エンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域まで引き上げることができると判断して、ステップ109に進み、動作モードをエンジン回生モードに設定する。
このエンジン回生モードでは、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1及び第2のクラッチ23,24を切断、第3のクラッチ25を接続)して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動するエンジン回生制御を実行する(ステップ110,111)。
この後、ステップ112に進み、クランク角センサで検出したエンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値よりも高いか否かを判定し、エンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値以下である判定された場合には、上記ステップ110に戻り、エンジン回生制御を継続し、その後、上記ステップ112で、エンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値よりも高いと判定された場合には、エンジン回生制御によってエンジン回転速度が再始動可能な回転速度領域まで引き上げられたと判断して、本ルーチンを終了する。
尚、上記ステップ108で、エンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 が再始動回転速度下限値以下であると判定された場合には、エンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域まで引き上げることができないと判断して、エンジン回生制御を実行することなく、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例1では、車両の減速時に、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低い場合には、バッテリ31に充電可能であると判断して、車軸28の動力で第2のMG14を回転駆動して第2のMG14で発電した電力をバッテリ31に充電するMG回生制御を実行するようにしたので、車両の運動エネルギを第2のMG14で電力に変換してバッテリ31に回収することができる。一方、バッテリ31のSOCが上限側閾値以上になった場合には、バッテリ31にあまり充電できないと判断して、車軸28の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動するエンジン回生制御を実行するようにしたので、車両の減速時にエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域まで引き上げておくことができる。これにより、車両の減速後の加速時にMG等でエンジン12をクランキングしなくても燃料噴射及び点火を再開するだけでエンジン12を速やかに再始動することが可能となり、車両の減速時の運動エネルギをエンジン再始動用のエネルギとして有効に利用することができる。
また、本実施例1では、MG回生制御を行う際に、第1〜第3のクラッチ23〜25を全て切断して、第2のMG14でMG回生制御を行うようにしたので、車軸28の動力を第2のMG14に伝達する動力伝達経路からエンジン12を切り離して、エンジン12の引き摺りによるエネルギロスをなくした状態でMG回生制御を行うことができ、車両の減速時の運動エネルギを効率的に回生することができる。
更に、本実施例1では、エンジン回生制御を行う際に、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御してエンジン回生制御を行うようにしたので、エンジン回生制御によるエンジンブレーキが過度に大きくなることを抑制して、運転者の意に反して急減速してしまうことを防止することができる。
その際、本実施例1では、車両の減速時にバッテリ31のSOCが上限側閾値以上の場合に、出力軸26の回転速度Nout とエンジン回生制御で使用するハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)のギヤ比Ghighとに基づいてエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 を算出し、この上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 が再始動回転速度下限値よりも高いときに、エンジン回生制御によってエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域まで引き上げることができると判断して、エンジン回生制御を実行するようにしたので、エンジン回生制御を無駄に実行することを回避できる。
次に、図5乃至図8を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、ECU34により後述する図7及び図8の減速時回生制御ルーチンを実行することで、車両の減速時に、バッテリ残量情報が上限側閾値以上の場合には、まず、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御してエンジン12を回転駆動する第1のエンジン回生制御を実行し、その後、ローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御してエンジン12を回転駆動する第2のエンジン回生制御に移行する。
具体的には、図5及び図6に示すように、車両の減速時に、バッテリ31のSOCを検出し、(a) バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低い場合には、バッテリ31に充電可能であると判断して、動作モードをMG回生モードに設定する。このMG回生モードでは、第1〜第3のクラッチ23〜25を全て切断して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で第2のMG14を回転駆動して第2のMG14で発電した電力をバッテリ31に充電するMG回生制御を実行することで、車両の運動エネルギを第2のMG14で電力に変換してバッテリ31に回収する。
その後、(b1)バッテリ31のSOCが上限側閾値以上になった場合には、バッテリ31にあまり充電できないと判断して、動作モードを第1のエンジン回生モードに設定する。この第1のエンジン回生モードでは、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1及び第2のクラッチ23,24を切断、第3のクラッチ25を接続)して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動する第1のエンジン回生制御を実行することで、車両の減速時にエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域まで引き上げる。
その後、(b2)エンジン回転速度が再始動回転速度下限値よりも高くなったときに、動作モードを第2のエンジン回生モードに設定する。この第2のエンジン回生モードでは、ローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1のクラッチ23を接続又は半クラッチ状態、第2のクラッチ24を接続、第3のクラッチ25を切断)して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動する第2のエンジン回生制御を実行することで、車両の減速時にエンジン回転速度を再始動可能な回転速度領域に維持する。
以下、本実施例2でECU34が実行する図7及び図8に示す減速時回生制御ルーチンの処理内容を説明する。
図7及び図8に示す減速時回生制御ルーチンでは、まず、ステップ201で、車両の減速時であるか否かを判定し、減速時であると判定された場合には、ステップ202に進み、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低いか否かを判定する。このステップ202で、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低いと判定された場合には、バッテリ31に充電可能であると判断して、ステップ203に進み、動作モードをMG回生モードに設定する。
このMG回生モードでは、第1〜第3のクラッチ23〜25を全て切断して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で第2のMG14を回転駆動して第2のMG14で発電した電力をバッテリ31に充電するMG回生制御を実行することで、車両の運動エネルギを第2のMG14で電力に変換してバッテリ31に回収する(ステップ204,205)。
この後、ステップ206に進み、バッテリ31のSOCが上限側閾値以上であるか否かを判定し、バッテリ31のSOCが上限側閾値よりも低いと判定された場合には、上記ステップ204に戻り、MG回生制御を継続する。
一方、上記ステップ202又は上記ステップ206で、バッテリ31のSOCが上限側閾値以上であると判定された場合には、バッテリ31にあまり充電できないと判断して、ステップ207に進み、現在の出力軸26の回転速度Nout と第1のエンジン回生制御で使用するハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)のギヤ比Ghighとを用いて、第1のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 を次式により算出する。
Nemax1 =Nout ×(1/Ghigh)
この後、ステップ208に進み、第1のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 が所定の再始動回転速度下限値(再始動可能な回転速度領域の下限値)よりも高いか否かを判定する。
このステップ208で、第1のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax1 が再始動回転速度下限値よりも高いと判定された場合には、第1のエンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域まで引き上げることができると判断して、ステップ209に進み、動作モードを第1のエンジン回生モードに設定する。
この第1のエンジン回生モードでは、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1及び第2のクラッチ23,24を切断、第3のクラッチ25を接続)して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動する第1のエンジン回生制御を実行する(ステップ210,211)。
この後、ステップ212に進み、クランク角センサで検出したエンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値よりも高いか否かを判定し、エンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値以下である判定された場合には、上記ステップ210に戻り、第1のエンジン回生制御を継続し、その後、上記ステップ212で、エンジン回転速度が再始動回転速度下限値よりも高いと判定された場合には、第1のエンジン回生制御によってエンジン回転速度が再始動可能な回転速度領域まで引き上げられたと判断して、図8のステップ213に進み、現在の出力軸26の回転速度Nout と第2のエンジン回生制御で使用するローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)のギヤ比Glow とを用いて、第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax2 を次式により算出する。
Nemax2 =Nout ×(1/Glow )
この後、ステップ214に進み、第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax2 が所定の再始動回転速度上限値(再始動可能な回転速度領域の上限値)よりも高いか否かを判定する。
このステップ214で、第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax2 が再始動回転速度上限値よりも高いと判定された場合には、第2のエンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に維持することができると判断して、ステップ215に進み、動作モードを第2のエンジン回生モードに設定する。
この第2のエンジン回生モードでは、ローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御(第1のクラッチ23を接続又は半クラッチ状態、第2のクラッチ24を接続、第3のクラッチ25を切断)して、車軸28の動力で回転駆動される出力軸26の動力で燃焼停止状態のエンジン12を回転駆動する第2のエンジン回生制御を実行する(ステップ216,217)。
具体的には、エンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値よりも高く且つ再始動回転速度上限値以下(再始動回転速度下限値<Ne ≦再始動回転速度上限値)の場合には、第1及び第2のクラッチ23,24を接続、第3のクラッチ25を切断して、エンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に維持する。また、エンジン回転速度Ne が再始動回転速度上限値よりも高い場合には、第1のクラッチ23を半クラッチ状態(滑り状態)、第2のクラッチ24を接続、第3のクラッチ25を切断して、エンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域まで下降させる。
この後、ステップ218に進み、クランク角センサで検出したエンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値以下であるか否かを判定し、エンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値よりも高いと判定された場合には、上記ステップ216に戻り、第2のエンジン回生制御を継続し、その後、上記ステップ218で、エンジン回転速度が再始動回転速度下限値以下であると判定された場合には、本ルーチンを終了する。
尚、上記ステップ214で、第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax2 が再始動回転速度上限値以下であると判定された場合には、第2のエンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に維持することが困難出であると判断して、第2のエンジン回生制御を実行することなく、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例2では、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御してエンジン12を回転駆動する第1のエンジン回生制御を実行した後、ローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)を介して車軸28の動力をエンジン12に伝達するように各クラッチ23〜25を制御してエンジン12を回転駆動する第2のエンジン回生制御に移行するようにしたので、第1のエンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に引き上げた後、第2のエンジン回生制御に移行して、第2のエンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に維持することができ、エンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に維持できる期間を長くすることができる。しかも、ハイギヤ機構32(ギヤ比が小さい方のギヤ機構)を使用する第1のエンジン回生制御によるエンジンブレーキによってある程度まで減速した後、第2のエンジン回生制御に移行するため、ローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)を使用する第2のエンジン回生制御を実行しても、エンジン回生制御によるエンジンブレーキが過度に大きくなることを抑制して、運転者の意に反して急減速してしまうことを防止することができる。
その際、本実施例2では、第1のエンジン回生制御によりエンジン回転速度Ne が再始動回転速度下限値よりも高くなったときに、出力軸26の回転速度Nout と第2のエンジン回生制御で使用するローギヤ機構33(ギヤ比が大きい方のギヤ機構)のギヤ比とに基づいて第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度Nemax2 を算出し、この上昇可能なエンジン回転速度Nemax2 が再始動回転速度上限値よりも高いときに、第2のエンジン回生制御によってエンジン回転速度Ne を再始動可能な回転速度領域に維持することができると判断して、第2のエンジン回生制御に移行するようにしたので、第2のエンジン回生制御を無駄に実行することを回避できる。
尚、上記各実施例1,2では、バッテリ残量情報としてバッテリ31のSOCを用いるようにしたが、これに限定されず、例えば、バッテリ31の残容量やバッテリ31の電圧をバッテリ残量情報として用いるようにしても良い。
9に示す動力伝達装置35を備えたシステムは、本発明に関連する参考例としてのハイブリッド車の駆動システムである。この動力伝達装置35は、エンジン36の動力を出力軸41に伝達する動力伝達経路にMG37と変速機38を配置し、エンジン36とMG37との間に第1のクラッチ39を設けると共に、MG37と変速機38との間に第2のクラッチ40を設けた構成となっている。出力軸41の動力は、ディファレンシャルギヤ42や車軸43を介して駆動輪44に伝達される。
11…動力伝達装置、12…エンジン、13,14…MG、15,17…エンジン入力軸、18…モータ入力軸、19…ドライブギヤ、20…ドリブンギヤ、21…ドライブギヤ、22…ドリブンギア、23〜25…クラッチ、26…出力軸、28…車軸、30…インバータ、31…バッテリ、32…ハイギア機構(エンジン側ギア機構)、33…ローギア機構(モータ側ギア機構)、34…ECU(減速時回生制御手段)

Claims (4)

  1. エンジンの動力と第1のモータジェネレータ(以下「第1のMG」と表記する)及び第2のモータジェネレータ(以下「第2のMG」と表記する)の動力を車両の車軸に伝達可能な動力伝達装置と、前記第1及び第2のMGと電力を授受するバッテリとを備えた車両駆動システムの制御装置において、
    前記動力伝達装置は、前記エンジンの動力を伝達するエンジン入力軸と、前記第1のMGの動力を伝達するモータ入力軸と、前記第2のMGの動力が入力されると共に前記車軸に伝達するための動力を出力する出力軸と、前記エンジン入力軸の動力を前記モータ入力軸を介さずに前記出力軸に伝達するためのエンジン側ギヤ機構と、前記モータ入力軸の動力を前記エンジン入力軸を介さずに前記出力軸に伝達するためのモータ側ギヤ機構と、前記エンジン入力軸と前記モータ入力軸との間の動力伝達を断続する第1のクラッチと、前記モータ側ギヤ機構と前記出力軸との間の動力伝達を断続する第2のクラッチと、前記エンジン側ギヤ機構と前記出力軸との間の動力伝達を断続する第3のクラッチとを備え、前記第1のクラッチが接続された場合に前記エンジン側ギヤ機構と前記モータ側ギヤ機構との間が動力伝達可能となるように構成され、
    前記車両の減速時に、前記バッテリの残容量又はこれに応じて変化する情報(以下これらを「バッテリ残量情報」と総称する)が所定の閾値よりも低い場合には前記第1のクラッチと前記第2のクラッチと前記第3のクラッチを全て切断して前記車軸の動力で前記第2のMGを駆動して該第2のMGで発電した電力を前記バッテリに充電するMG回生制御を実行し、前記バッテリ残量情報が前記閾値以上の場合には前記エンジン側ギヤ機構と前記モータ側ギヤ機構のうちでギヤ比が小さい方のギヤ機構である前記エンジン側ギヤ機構を介して前記車軸の動力を前記エンジンに伝達するように前記第1のクラッチと前記第2のクラッチを切断すると共に前記第3のクラッチを接続して前記車軸の動力で前記エンジンを駆動する第1のエンジン回生制御を実行する減速時回生制御手段を備えていることを特徴とする車両駆動システムの制御装置。
  2. 前記減速時回生制御手段は、前記車両の減速時に前記バッテリ残量情報が前記閾値以上の場合に、前記出力軸の回転速度と前記第1のエンジン回生制御で使用する前記エンジン側ギヤ機構のギヤ比とに基づいて前記第1のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度を算出し、該上昇可能なエンジン回転速度が所定の再始動回転速度下限値よりも高いときに、前記第1のエンジン回生制御を実行することを特徴とする請求項に記載の車両駆動システムの制御装置。
  3. 前記減速時回生制御手段は、前記第1のエンジン回生制御を実行した後、前記エンジン側ギヤ機構と前記モータ側ギヤ機構のうちでギヤ比が大きい方のギヤ機構である前記モータ側ギヤ機構を介して前記車軸の動力を前記エンジンに伝達するように前記各クラッチを制御して前記エンジンを駆動する第2のエンジン回生制御に移行することを特徴とする請求項又はに記載の車両駆動システムの制御装置。
  4. 前記減速時回生制御手段は、前記第1のエンジン回生制御により前記エンジンの回転速度が所定の再始動回転速度下限値よりも高くなったときに、前記出力軸の回転速度と前記第2のエンジン回生制御で使用する前記モータ側ギヤ機構のギヤ比とに基づいて前記第2のエンジン回生制御により上昇可能なエンジン回転速度を算出し、該上昇可能なエンジン回転速度が所定の再始動回転速度上限値よりも高いときに、前記第2のエンジン回生制御に移行することを特徴とする請求項に記載の車両駆動システムの制御装置。
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