JP5381120B2 - ハイブリッド車両の変速制御装置および変速制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両の変速制御装置および変速制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンとモータの一方または両方を用いて駆動輪を駆動するハイブリッド車両に係る。特にモータと駆動輪との間に位置する変速機の変速比をその運転状態に応じて最適に制御するための変速制御装置および変速制御方法に関する。
従来のハイブリッド車は、制動時に車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収するといった回生制動を行っている。この回生制動は、クラッチ制御によりエンジンをモータから一旦切り離して駆動輪の駆動力を全てモータに伝達することによって行う。そして、この回生制動に際しては、回生効率(発電効率)が最大になる回転数となるようにモータと駆動輪との間に位置する変速機の変速比(ギア比)をコントロールしている。
例えば、特許文献1では、回生制動時には運転者の要求する制動トルクと駆動軸の回転数によって定まる発電機(モータ)の運転条件(トルク、回転数)のうち、発電効率の良い条件となるようにCVT(無段変速機)の変速比を制御している。
特開平8−251708号公報
ところで、例えばカーブ走行などのようにその運転状態によっては、回生制動後すぐにドライバーの再加速要求があり、停止していたエンジンの駆動力が必要となる場合がある。
この場合、そのエンジンを始動するためにエンジンとモータの間に位置するクラッチを接続してそのモータによってエンジンをクランキング(始動)することになる。
しかし、モータの最大トルクを発生する回転数(動作点)と回生制動時におけるモータの回生効率が最大となる回転数(動作点)は異なる。
つまり、一般的なモータではその最大力行トルク領域は、ある回転数(例えば2000rpm)よりも低い領域であるのに対し、モータの出力(回生パワー)が最大となる領域は、その回転数よりも高い領域となっている。
そのため、前記のようなある回転数よりも高い領域で回生制動を行った直後にそのままその回転数(動作点)でエンジンをクランキングすると、モータのトルク不足によってエンジンの始動が遅れ、ドライバーの加速要求に対して加速不良が発生する場合がある。
そこで、本発明はこのような課題に解決するために案出されたものであり、その目的は、回生制動後に大きなモータトルクでエンジンをクランキングできる新規なハイブリッド車両の変速制御装置および変速制御方法を提供するものである。
前記目的を達成するために本発明は、エンジンとモータとをクラッチを介して接続すると共に、当該モータに変速機を介して駆動輪の駆動軸を接続しており、前記モータのトルクで前記エンジンをクランキングするようになっているハイブリッド車両に適用する変速制御装置に関する。
この変速制御装置は、運転者の要求制動力を算出する制動力算出手段と、駆動輪の回転数を検出する回転数検出手段と、制動回生時に、最大トルクが得られる領域のうち最も高い回転数を、モータの回生目標回転数として算出する目標回転数算出手段と、変速機の変速比を制御する変速機制御手段とを備える。
目標回転数算出手段は、さらにクランキング可能なモータの力行トルクとなるモータの力行目標回転数を算出する。
そして、変速機制御手段は、前記モータによるエンジンのクランキング要求が予想されるときは、前記モータの力行トルクが所定値以上になるモータの力行目標回転数となるように前記変速機の変速比を制御する。
本発明によれば、回生制動後にモータによるエンジンのクランキング要求が予想されるときには、予めこのクランキング時に、発揮されるモータトルクが大きくなる目標回転数(動作点)となるように変速機の変速比を制御できる。
これによって、直ちにエンジンを大きなトルクでクランキングできるため、瞬時にエンジンを始動することが可能となる。従って、モータのトルク不足により、エンジンの始動が遅れ、ドライバーの加速要求に対し、加速不良が発生するのを防止することができる。
本発明に係るハイブリッド車100およびこれに適用する変速制御装置(駆動制御装置)200の実施の一形態を示す全体システム図である。 ハイブリッド車100の動作の概要を示す説明図である。 本発明に係る変速制御方法の流れの一例を示すフローチャート図である。 モータジェネレータMGの回転数(rpm)とそのモータトルクとの関係および各動作点との関係の一例を示す図である。 モータジェネレータMGの回転数(rpm)とそのモータトルクとの関係および各動作点との関係の他の例を示す図である。 ドライバーのブレーキ操作をトリガーとした場合の本発明に係る実施例を示すタイムチャート図である。 モータジェネレータMGの回転数(rpm)とそのモータトルクとの関係および各動作点との関係の他の例を示す図である。 モータジェネレータMGの回転数(rpm)とそのモータトルクとの関係および各動作点との関係の従来例を示す図である。 ドライバーのブレーキ操作をトリガーとした場合の従来例を示すタイムチャート図である。
以下、本発明のハイブリッド車両の変速制御装置の実施の一形態を添付図面を参照しながら説明する。
(構成)
先ず、本発明の変速制御装置を含む駆動制御装置を適用した一般的なハイブリッド車両の駆動系構成を説明する。
図1は、本発明の変速制御装置を含む駆動制御装置200を適用した後輪駆動によるハイブリッド車両100を示す全体システム図である。
図1に示すように、このハイブリッド車両100は、エンジンEと、モータジェネレータMGと、第1クラッチCL1と、第2クラッチCL2と、自動変速機AT(=トランスミッションT/M)とを有する。さらに、このハイブリッド車両100は、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、左前輪FLと、右前輪FRとを有する。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどからなる。そして、このエンジンEは、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいてスロットルバルブのバルブ開度などを制御する。なお、エンジンEの出力軸には、フライホイールFWを設ける。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータジェネレータなどからなる。そして、このモータジェネレータMGは、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいてインバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御する。このモータジェネレータMGのロータは、図示しないダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結する。そのため、このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて駆動輪RL、RRを回転駆動する電動機として動作する。また、制動時にロータが外力により回転しているときには、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電する(回生)。
第1クラッチCL1は、前記エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装した油圧式単板クラッチなどからなる。そして、この第1クラッチCL1は、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により、滑り締結と滑り開放を含み締結・開放動作を行う。
第2クラッチCL2は、前記モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装された油圧式多板クラッチなどからなる。そして、この第2クラッチCL2は、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて第2クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧によって滑り締結と滑り開放を含み締結・開放動作を行う。
自動変速機ATは、例えば前進5速後退1速や前進6速後退1速等の有段階またはCVT(Continuously Variable Transmission)などの無段階の変速比を車速やアクセル開度の他、後に詳述する運転状態に応じて自動的に切り換える変速機である。そして、この自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪(駆動輪)RL,RRに連結する。なお、この左右後輪(駆動輪)RL,RRおよび左前輪FLと、右前輪FRには、図示しない油圧ディスブレーキなどからなるブレーキユニットを有する。
次に、このような構成をしたハイブリッド車両100の駆動を制御する駆動(変速)制御装置200を説明する。
この駆動(変速)制御装置200は、図1に示すようにエンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7とを備える。さらに、この駆動(変速)制御装置200は、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とを有する。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線11を介して接続する。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報を入力する。そして、このエンジンコントローラ1は、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令などに応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力する。そして、このモータコントローラ2は、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令などに応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリSOCを監視する。そして、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力する。そして、この第1クラッチコントローラ5は、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ATコントローラ7は、ドライバーが操作するアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18からのセンサ情報を入力する。そして、このATコントローラ7は、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、変速制御における第2クラッチ制御に優先し、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。
また、このATコントローラ7は、後に詳述するように、制動回生時には前記モータジェネレータMGによる回生効率(発電効率)が最大となる回転数となるように自動変速機ATの変速比を制御する。
また、さらに、このATコントローラ7は、後に詳述するように、制動回生後にモータジェネレータMGによるエンジンEのクランキング要求が予想される場合は、そのモータトルクが最大となる回転数となるように自動変速機ATの変速比を可変制御する。なお、アクセル開度APと車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報を入力する。そして、このブレーキコントローラ9は、ドライバーが操作するブレーキペダルのブレーキ踏み込み制動時など、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、回生協調ブレーキ制御を行う。この回生協調ブレーキ制御は、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて行う。
統合コントローラ10は、車両100全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。そのため、この統合コントローラ10は、モータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチトルクセンサ23からの情報およびCAN通信線11を介して得られた情報を入力する。なお、このモータ回転数センサ21は、モータ回転数Nmを検出する。第2クラッチ出力回転数センサ22は、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する。第2クラッチトルクセンサ23は、第2クラッチトルクTCL2を検出する。そして、この統合コントローラ10は、前記エンジンコントローラ1への制御指令によりエンジンEの動作制御を行い、前記モータコントローラ2への制御指令によりモータジェネレータMGの動作制御を行う。さらに、この統合コントローラ10は、前記第1クラッチコントローラ5への制御指令により第1クラッチCL1の締結・開放制御を行い、前記ATコントローラ7への制御指令により第2クラッチCL2の締結・開放制御を行う。
(作用)
次に、このような駆動制御装置200を備えたハイブリッド車両100の基本動作について主に図2を参照しながら説明する。
先ず、図2(a)に示すように車両停止中においてバッテリSOC(State Of Charge)が低い状態であれば、図2(b)に示すようにエンジンEを始動して発電を行い、バッテリ4を充電する。そして、このバッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチCL1は開放で第2クラッチCL2を締結してエンジンEを停止する。
次に、図2(c)に示すように車両発進から加速時には、第1クラッチCL1は開放で第2クラッチCL2は締結のままモータジェネレータMGを駆動して駆動輪RR、RLを駆動する(モータ走行)。
そして、アクセル開度が所定値を超えたなら、モータジェネレータMGによってエンジンEをクランキング(始動)してエンジン走行に移行する。また、モータ走行中にエンジン始動に必要なモータトルクとバッテリ出力が不足する場合もエンジン走行に移行する。
このモータ走行からエンジン走行への切り替えは、図2(d)に示すように第2クラッチCL2を締結状態から滑り締結状態(半クラッチ)に制御してから第1クラッチCL1を締結することによって行う。これによって、モータジェネレータMGの駆動力(モータトルク)がエンジンEに伝わると共に、エンジン始動で消費されたモータトルク減少による減速ショックを緩和することができる。
次に、このようにしてエンジンEが始動したならば、図2(e)に示すように第2クラッチCL2を締結状態に制御すると共に、モータジェネレータMGの駆動を停止する。これによって、モータジェネレータMGの駆動のみによるモータ走行からエンジンEの駆動のみによるエンジン走行への切り替えがなされる。
次に、車両制動時(減速時)には、図2(f)に示すように第1クラッチCL1のみを開放状態にしてその減速エネルギーでモータジェネレータMGを駆動して発生した電力をバッテリ4に回収する(回生制動)。
その後、再加速が必要な場合は、図2(d)に示すようにモータジェネレータMGによってエンジンEをクランキング(再始動)してエンジンEの駆動力をモータジェネレータMGのトルクと共に駆動輪RR、RLに伝達する。
そして、本発明の駆動(変速)制御装置200による特徴的な駆動制御は、これら一連の駆動制御のうち、主に図2(f)と(d)で示す回生制動からエンジン再始動時における自動変速機ATによる変速制御に関するものである。
図3は、この回生制動からエンジン再始動時における変速機ATによる変速制御の処理の流れの一例を示したものである。
本発明に係る変速制御は、先ず、最初のステップS100において、車両走行後にドライバーのブレーキペダル操作情報などに基づいて制動開始したか否かを判断する。制動開始していないと判断したとき(No)は、ステップS112までジャンプして通常の変速制御を継続する。反対に制動開始したと判断したとき(Yes)は、次のステップS102に移行する。
ステップS102では、その回生制動時のモータジェネレータMGによる回生要求パワーが「大」(例えば、30kW以上)であるか否かを判断する。この判断は、バッテリSOCの状態に基づいて行う。例えばSOCが所定値よりも低い状態であれば、回生要求パワーが「大」であると判断する。
そして、この判断処理で回生要求パワーが「大」でないと判断したとき(No)は、ステップS106までジャンプする。反対に回生要求パワーが「大」であると判断したとき(Yes)はそのまま次のステップS104に移行する。
ステップS104では、その回生制動時のモータジェネレータMGによる回生要求パワーが最大となる目標回転数となるようにその変速機ATの変速比を「Low(ロー)」側に移行する。
これによって、その回生制動時のモータジェネレータMGの回転数が上昇し、図4に示すように回生要求パワーが最大となる目標回転数(動作点1)で回生動作することになるため、回生効率(発電効率)を最適にできる。
次のステップS106では、エンジンEのクランキング要求の予想される運転状態であるか否かの判断を行う。
そして、これらの要求が予想されない運転状態であると判断したとき(No)にはステップS112までジャンプして通常の変速制御を継続する。反対にこれらの要求が予想される運転状態であると判断したとき(Yes)は、次のステップS108に移行する。
ステップS108では、そのモータジェネレータMGのクランキングトルク(力行トルク)が最大となる目標回転数となるようにその自動変速機ATの変速比を「Hi(ハイ)」側に移行する。
これによって、モータジェネレータMGの回転数が図4に示すように回生トルクおよび力行トルクが最大となる目標回転数(動作点2,3)まで低下するため、最大力行トルクでエンジンEをクランキングすることができる。
その後、次のステップS110に移行してクランキングが終了したか否かを判断する。終了したと判断(Yes)したならばステップS112に移行して通常の変速制御を行って処理を終了する。
図4は、このモータジェネレータMGの特性を示したものであり、その回転数(rpm)とその回生トルクおよび力行トルクとの関係を示したものである。
図示するように、このモータジェネレータMGは、回転数が約2000rpm以下で回生トルクおよび力行トルクのいずれも最大となる最大トルク領域となっている。また、このモータジェネレータMGは、約2000rpmを境にしてそれ以上の領域が最大出力領域となっている。
そして、回生制動時には、その回生効率が最適となるようにその目標回転数(動作点)を最大出力領域に設定する。図の例では、約2500rpmを回生時の動作点1と設定している。従って、回生制動時には、このモータジェネレータMGの回転数がこの動作点1となるように自動変速機ATを制御してその変速比を「Low(ロー)」側に移行する。
次に、この回生制動直後に、ドライバーのエンジンのクランキング要求が予想される運転状態となった場合、最大トルクを発生できる回転数領域(約2000rpm以下)の運転点2になるように自動変速機ATを制御する。具体的には、その変速比を「Low(ロー)」側から「Hi(ハイ)」側に移行してそのモータジェネレータMGの回転数が予め約2000rpm以下(図4の動作点2は約1000rpm)となるように自動変速機ATを制御する。
この結果、その直後の実際のクランキング要求に応じて直ちに力行最大トルク(例えば150Nm)を発生できる動作点3にてエンジンクランキングと車両駆動を行うことができる。これによって、モータトルク不足によるエンジン始動遅れや加速不良を回避することが可能となり、燃費と加速性能を両立することができる。
このような本発明に対して従来では、図8に示すようにモータジェネレータMGの最大出力領域にある動作点1からそのまま同じ回転数の動作点2に遷移してエンジンクランキングを開始することになっていた。このため、充分な力行トルクを発揮することができず、エンジン始動遅れや加速不良を招いていた。
なお、図4の例では、エンジンクランキング時のモータジェネレータMGの目標回転数として約1000rpmに設定した例を示した。しかし、力行最大トルクによるエンジンクランキングが可能であれば、その目標回転数はこれに限定されるものでない。例えば、図5は動作点2(目標回転数)を要求回生パワーに応じて最大回生パワーかつ最大回生トルクを発生可能な回転数(約2000rpm)に設定したものである。これによって回収できる回生エネルギーを最大にしつつ再加速時のモータトルクを最大にすることができる。しかも、図5の例では動作点1との回転数の差が小さくなるため、その変速反応も迅速となり、優れた応答性を発揮できる。
ここで、前記のようにドライバーのエンジンクランキング要求が予想される運転状態と判断して動作点を切り替える条件としては、ブレーキ操作をモニターして判断する方法がある。具体的には、ドライバーのブレーキ解除やブレーキストロークの減少、ブレーキストロークの戻し速度などのブレーキ操作をモニターして判断する方法である。
このような方法であれば、ブレーキ回生からコースト回生への遷移をドライバー操作から判定し、コースト回生からアクセルオン、再加速を確実に予想することができる。
図6はこのようにドライバーのブレーキ操作をトリガーとした場合の本発明の変速制御方法に係る実施例を示したものであり、図9は同じ条件の従来例を示したものである。なお、各図中の時間t1までが制動回生、時間t1〜t2がエンジンクランキング、時間t3以降がモータ+エンジンによる加速を示している。
本発明に係る図6の例では、ドライバーによるブレーキの解除があったときt1をトリガーとして変速機ATの変速比(ギア比)をLow側からHi側に切り替え、モータジェネレータMGの回転数を最大出力領域から最大トルク領域に下げている。そして、時間t2においてドライバーのアクセル操作によりモータジェネレータMGが最大力行トルクでエンジンEをクランキングすると共に車両を駆動している。
このように最大力行トルクによってエンジンEの始動を短時間で完了することができる(時間t2〜t3)。また、エンジンクランキング中の加速Gも高くできる。
これに対し、従来例に係る図9の例では、時間t2においてドライバーによる加速操作によりモータジェネレータMGは回生から力行でのクランキングに移行するが、変速比がLow側のままであり、回転数も最大トルクを発生できない領域となっている。そのため、モータ力行トルクが低い状態でエンジンクランキングを行うこととなり、エンジンクランキングに長時間を要する結果となる。また、エンジンクランキング中の加速Gも低いままの状態となっている。
なお、本発明に係る図6の例では、ドライバーによるブレーキ操作をトリガーとしてドライバーのエンジンクランキング要求が予想される運転状態と判断したが、本発明はこれに限るものでない。例えば、ドライバーによるブレーキ操作の他に、ドライバーの操舵操作やブレーキ操作と操舵操作を組み合わせて用いても良い。
また、ドライバーの操作以外に、減速Gの変化や要求回生パワーなどの減少によってモータジェネレータMGの動作点を最大出力領域から最大トルク領域に切り替えるようにしても良い。
また、図7に示すように回生制動中の要求回生パワーに対して、モータジェネレータMGの動作点が最大トルクを発生できる領域内で最良効率となるようにその動作点および変速比を選択するようにしても良い。
すなわち、図7に示すように回生要求パワーが大きい場合は、動作点1〜2の最大トルクを発生可能な最高モータ回転数(2000rpm)の線(破線)と、回生要求パワーに応じた等パワー線の交点である動作点1で運転する。なお、回生要求パワーが小さい場合は、従来と同様にモータジェネレータMGの回生効率が最高となる動作点2〜3で運転しても力行時には直ちに最大力行トルク(150Nm)を発生できる。
このように回生要求パワーが小さい場合には、従来と同様にその回生要求パワーに応じてモータジェネレータMGの回生効率が最高となる動作点で運転する。その一方、回生要求パワーが大きい場合には、最大トルクは発生できる回転数内で最良効率となる回転数を動作点として運転する。これによって、再加速時にモータジェネレータMGが回生から力行運転に遷移したときには、常に最大トルクを出力できるため、トルク不足によるエンジンの始動遅れや加速不良を回避できる。また、燃費と加速性能も両立できる。
さらに、前記の実施例と組み合わせて回生要求パワーが大きい(25kW以上)場合は、最大出力領域の効率最良点で運転し、ドライバーの再加速要求の予想があると判断した場合は、動作点を図7の最大トルク領域の効率最良点1→2→3の中から要求回生パワーに応じて選択しても良い。
なお、前記課題を解決するための手段に開示した本願発明の変速制御装置を構成する「制動力算出手段」は、例えば図1に示すブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10などに対応する。また、同じく「回転数検出手段」は、車速センサ17に対応し、また、同じく「目標回転数算出手段」は、統合コントローラ10やATコントローラ7およびモータコントローラ2などに対応する。また、同じく「変速機制御手段」は、ATコントローラ7などに対応し、また、同じく「モータ」は、モータジェネレータMGに対応する。
(効果)
次に、本発明の効果を説明する。
本発明のハイブリッド車両100の変速制御装置200にあっては、以下のような効果を発揮する。
(1)本発明の変速制御装置200は、回生制動時には、モータジェネレータMGによる回生効率が最大になる回生目標回転数となるように変速機ATの変速比を制御する。その後、エンジンEのクランキング要求が予想される運転状態になったときには、そのクランキング時または再加速時にモータジェネレータMGの力行トルクが最大になる力行目標回転数となるように自動変速機ATの変速比を制御する。
これによって、直ちにエンジンを大きなトルクでクランキングできるため、瞬時にエンジンを始動することが可能となる。従って、モータのトルク不足により、エンジンの始動が遅れ、ドライバーの加速要求に対し、加速不良が発生するのを防止することができる。
(2)具体的には、モータジェネレータMGによるクランキング要求が予想されるときに、そのモータジェネレータMGの回転数を前記力行目標回転数にすべく変速機ATの変速比を回生制動時の変速比よりも高速側(Hi側)に移行する。
これによって、クランキングトルクを大きくする場合の遅れを少なくすることができる。さらに、変速比も最大トルクを出力できる領域までHi側へ移行するので再加速要求があってエンジンEをクランキングするときであってもモータジェネレータMGのクランキングトルクを最大限に発揮できる。この結果、前記のようにモータジェネレータMGのトルク不足によるエンジン始動の遅れを回避してドライバーの加速要求に対する加速不良を防止することができる。
E…エンジン
MG…モータジェネレータ
CL1…第1クラッチ
CL2…第2クラッチ
AT…自動変速機
PS…プロペラシャフト
DF…ディファレンシャル
DSL…左ドライブシャフト
DSR…右ドライブシャフト
RL…左後輪(駆動輪)
RR…右後輪(駆動輪)
FL…左前輪
FR…右前輪
1…エンジンコントローラ
2…モータコントローラ
3…インバータ
4…バッテリ
5…第1クラッチコントローラ
6…第1クラッチ油圧ユニット
7…ATコントローラ
8…第2クラッチ油圧ユニット
9…ブレーキコントローラ
10…統合コントローラ
100…ハイブリッド車両
200…変速制御装置(駆動制御装置)

Claims (3)

  1. エンジンとモータとをクラッチを介して接続すると共に、当該モータに変速機を介して駆動輪の駆動軸を接続しており、前記モータのトルクで前記エンジンをクランキングするようになっているハイブリッド車両の変速制御装置であって、
    ブレーキペダルの操作量に基づいて運転者の要求制動力を算出する制動力算出手段と、
    前記駆動輪の回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記ブレーキペダルが操作されたときに、前記回転数検出手段で検出した前記駆動輪の回転数と前記制動力算出手段で算出した要求制動力とに基づいて、最大トルクが得られる領域のうち最も高い回転数を、回生制動時の前記モータの回生目標回転数として算出する目標回転数算出手段と、
    前記モータの回生制動時に、前記モータの回転数が前記目標回転数算出手段で算出された目標回転数となるように前記変速機の変速比を制御する変速機制御手段とを備え、
    さらに前記目標回転数算出手段は、クランキング可能なモータトルクとなる前記モータの力行目標回転数を算出し、
    前記変速機制御手段は、前記モータによるエンジンのクランキング要求が予想されるときに、前記モータの回転数が前記力行目標回転数となるように前記変速機の変速比を制御することを特徴とするハイブリッド車両の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の変速制御装置において、
    前記力行目標回転数を前記回生制動時の回転数よりも低く設定し、
    前記変速機制御手段は、前記モータによるエンジンのクランキング要求が予想されるときに、前記モータの回転数を前記力行目標回転数にすべく前記変速機の変速比を前記モータの回生制動時の変速比よりも高速側に移行することを特徴とするハイブリッド車両の変速制御装置。
  3. 制動時には駆動輪の回転力を変速機を介してモータに伝達して回生制動を行い、再加速時には前記モータでエンジンをクランキングして当該エンジンの駆動力を前記変速機を介して前記駆動輪に伝達するようにしたハイブリッド車両の変速制御方法であって、
    ブレーキペダルが操作されたときは、前記モータの回生制動時に、当該モータの回転数が、最大トルクが得られる領域のうち最も高い回転数である回生目標回転数となるように前記変速機の変速比を制御し、
    その後、前記モータによるエンジンのクランキング要求が予想されるときには、当該クランキング時または再加速時にクランキング可能なモータトルクとなる前記モータの力行目標回転数にすべく前記変速機の変速比を、前記要求がある前に制御することを特徴とするハイブリッド車両の変速制御方法。
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