JP5182072B2 - ハイブリッド車両のオイルポンプ駆動装置 - Google Patents
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Description
その判定の条件は、例えば、電動式オイルポンプの連続動作時間が所定時間を超えたこと、電動式オイルポンプの温度が所定温度を超えたこと等であった。
本発明の課題は、Nレンジ中の電動式オイルポンプの駆動を適切に制御し、不要な電力消費を抑えることである。
これにより、自動変速機の入力軸の回転数が所定のしきい値以上になることを確保することで、機械式オイルポンプにより自動変速機が駆動に必要な油圧を確保できる。
このように機械式オイルポンプで自動変速機が駆動に必要な油圧を確保することで、自動変速機のシフトレンジがNレンジであっても電動式オイルポンプを駆動させなくて済み、不要な電力消費を抑えることができる。
(構成)
本実施形態は、本発明に係るオイルポンプ駆動装置を搭載したハイブリッド車両である。
図1は、ハイブリッド車両を示す全体システム図である。図1に示すように、ハイブリッド車両は、後輪駆動のハイブリッド車両である。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。後述のエンジンコントローラ1が、制御指令により、エンジンEのスロットルバルブのバルブ開度等を制御する。なお、エンジンEの出力軸にフライホイールFWを設けている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装された油圧式多板クラッチである。後述のATコントローラ7が、制御指令により第2クラッチ油圧ユニット8が作り出す制御油圧を制御し、第2クラッチCL2の滑り締結と滑り開放を含み締結・開放を制御する。
図1に示すように、ハイブリッド車両の制御系は、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、インバータ3、バッテリ4、第1クラッチコントローラ5、第1クラッチ油圧ユニット6、ATコントローラ7、第2クラッチ油圧ユニット8、ブレーキコントローラ9及び統合コントローラ10を有する。なお、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、第1クラッチコントローラ5、ATコントローラ7及びブレーキコントローラ9及び統合コントローラ10を、互いに情報交換が可能なCAN(ControllreArea Network)通信線11を介して接続している。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力する。モータコントローラ2は、その入力及び統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。ここで、Nmはモータ回転数である。Tmはモータトルクである。
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力する。第1クラッチコントローラ5は、その入力及び統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報をCAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
図2に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、自動変速機ATのシフトレンジがNレンジになっている否かを判定する。シフトレンジ検出センサ31が検出する自動変速機ATのシフトレンジの情報を基に判定する。ここで、自動変速機ATがNレンジになっていると判定できるまでこのステップS1の処理を行い、自動変速機ATがNレンジになったとき、ステップS2に進む。
以上のように構成されるハイブリッド車両の基本動作モードは次のようになる。
停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジンEを始動して発電を行い、バッテリ4を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチCL1は締結で第2クラッチCL2は開放のままでエンジンEを停止する。
エンジン発進時には、アクセル開度APとバッテリSOC状態によって、モータジェネレータMGを連れ回し、力行/発電に切り替える。
モータ走行は、エンジン始動に必要なモータトルクとバッテリ出力を確保し、不足する場合はエンジン走行に移行する。
燃費向上のために、モータ走行と発電上乗せ充電はセットで行う(モータトルクとバッテリ出力の制約により、走行可能範囲は、低負荷に限定される)。
アクセル踏み込み時のレスポンス向上のために、エンジントルク遅れ分をモータジェネレータMGによりアシストする。
ブレーキON減速時には、ドライバーのブレーキ操作に応じた減速力を回生協調ブレーキ制御にて得る。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータジェネレータMGを回生/力行させ、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
電動式オイルポンプOP2の動作は次のようになる。
自動変速機ATがNレンジになり、かつモータジェネレータMGのモータ回転数Nmが所定のしきい値以上になり、かつ第1クラッチCL1が締結しているときには、電動式オイルポンプOP2は駆動しない(前記ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4)。
また、自動変速機ATがNレンジになり、かつモータジェネレータMGのモータ回転数Nmが所定のしきい値以上になる場合でも、第1クラッチCL1が開放しているとき、すなわち、エンジンEとモータジェネレータMGとが連結していないときには、電動式オイルポンプOP2が駆動する(前記ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5)。
なお、車両が走行中、停止中にかかわらず、自動変速機ATのシフトレンジ、モータ回転数Nm及び第1クラッチCL1の締結状態に応じて以上のように電動式オイルポンプOP2を駆動制御する。
そして、その後、自動変速機ATがNレンジからDレンジになり、モータ回転数(エンジン回転数)が上昇しても、電動式オイルポンプOP2は停止したままであり、メカオイルポンプOP1だけが駆動する。
従来技術には、エンジンとモータとをクラッチにより締結及び開放可能するとともに、Nレンジでのエンジンの状態を、Dレンジの状態と同じとしており、車速に応じて稼動させるものがある。例えば、95km/h以下ではエンジンを停止し、100km/h以上ではエンジンを稼動し続けるものがある。ここで、95km/h〜100km/hの間はヒス領域となる。
以上の動作をまとめると、従来技術では、エンジンの稼動状態並びにクラッチの締結及び開放の状態の条件に応じて、Nレンジでの自動変速機の潤滑を確保する方法が決まっていた。
ここで、Nレンジであっても、電動式オイルポンプを駆動させることができれば、自動変速機の潤滑を確保することができる。
これは、従来技術では、停車中にNレンジの状態を長時間放置し、電動式オイルポンプを駆動させることで補機消費電力による燃費悪化を防止するロジックが組み込まれているためである。そして、このロジックは、走行中にも働いてしまうからである。
このように、電動式オイルポンプで自動変速機の潤滑を行うこともなく、潤滑を停止した状態で長時間走行し続けると、自動変速機の軸受けやクラッチが焼損してしまう。
なお、この実施形態では、エンジンとモータとの間にクラッチを介装するとともに、前記モータの出力軸と自動変速機の入力軸とを連結して、前記自動変速機の出力軸側に連結される駆動輪に前記モータの出力軸から出力する駆動力を前記自動変速機を介して伝達するハイブリッド車両の、前記自動変速機に油圧を発生させるオイルポンプを駆動するオイルポンプ駆動装置を実現している。
(1)本実施形態におけるハイブリッド車両は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に第1クラッチCL1を介装するとともに、モータジェネレータMGの出力軸と自動変速機の入力軸とを連結して、自動変速機ATの出力軸側に連結される駆動輪RL,RRにモータジェネレータMGの出力軸から出力する駆動力を自動変速機ATを介して伝達する。
そして、自動変速機ATのシフトレンジがNレンジである場合に、自動変速機ATの入力軸の回転数が所定のしきい値未満であるとき、又は第1クラッチCL1が開放しているときには、電動式オイルポンプOP2を駆動させる(前記ステップS5又はステップS6)。
これにより、自動変速機ATの入力軸の回転数が所定のしきい値以上になることを確保することで、メカオイルポンプOP1により自動変速機ATが駆動に必要な油圧を確保できる。
このようにメカオイルポンプOP1により自動変速機ATが駆動に必要な油圧を確保することで、自動変速機ATのシフトレンジがNレンジであっても電動式オイルポンプOP2を駆動させなくて済み、不要な電力消費を抑えることができる。
これは、応答遅れにより第1クラッチCL1の開放が維持できなくなってしまう、すなわち、メカオイルポンプOP1により必要な油圧を確保できなくなってしまう可能性も考えられるからである。ここで、応答遅れとして、車速低下時等(モータ回転数低下時等)がある。
これにより、電動式オイルポンプOP2を不用意に駆動させることなく適切に駆動させることができ、不要な電力消費を適切に抑えることができる。
Claims (2)
- エンジンとモータとの間にクラッチを介装するとともに、前記モータの出力軸と自動変速機の入力軸とを連結して、前記自動変速機の出力軸側に連結される駆動輪に前記モータの出力軸から出力する駆動力を前記自動変速機を介して伝達するハイブリッド車両の、前記自動変速機に油圧を発生させるオイルポンプを駆動するオイルポンプ駆動装置において、
前記自動変速機の入力軸上に配置されて前記自動変速機の入力軸に同期して回転し前記自動変速機に油圧を発生させる機械式オイルポンプと、
前記自動変速機に油圧を発生させる電動式オイルポンプと、
前記電動式オイルポンプを駆動制御する制御手段と、
前記自動変速機のシフトレンジを検出するシフトレンジ検出手段と、
前記自動変速機の入力軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記クラッチの締結及び開放を検出するクラッチ状態検出手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記シフトレンジ検出手段が検出する自動変速機のシフトレンジがNレンジである場合に、前記回転数検出手段が検出する入力軸の回転数が所定のしきい値未満であるとき、又は前記クラッチ状態検出手段が前記クラッチの開放を検出しているときには、前記電動式オイルポンプを駆動させて、
前記シフトレンジ検出手段が検出する自動変速機のシフトレンジがNレンジである場合に、前記回転数検出手段が検出する入力軸の回転数が所定のしきい値以上であり、かつ前記クラッチ状態検出手段が前記クラッチの締結を検出しているときには、前記電動式オイルポンプを駆動させない
ことを特徴とするハイブリッド車両のオイルポンプ駆動装置。 - 前記所定のしきい値は、前記自動変速機が駆動に必要な油圧を前記機械式オイルポンプによる油圧で確保できる最小の回転数であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両のオイルポンプ駆動装置。
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