JP2009005452A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの位相制御に異常が生じた場合に異常の内容を把握する。
【解決手段】モータ制御装置100aを、互いの相対位相を変更可能な外周側回転子と内周側回転子を備えるモータ1と、相対位相に係る通電指令に応じて流体圧を制御する油圧制御装置13を具備する位相変更手段と、相対位相に係る実位相値を取得すると共に、通電指令に応じた相対位相に係る目標位相値と実位相値との差に基づき、油圧制御装置13の異常の有無を判定するフェール判定制御部67とを備えて構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、例えばサーボ圧により互いの位相位置を変更可能な第1永久磁極片および第2永久磁極片を具備し、界磁磁束量を変更可能なモータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けた第1および第2回転子を備え、電動機の回転速度に応じて、あるいは、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の周方向の相対位置つまり位相差を制御する永久磁石回転電動機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭55−153300号公報 特開2002−204541号公報
ところで、上記従来技術に係るモータにおいて、位相位置を検出するセンサの検出値に基づくモータの位相制御に異常が生じた場合には、位相位置を検出するセンサに異常が生じたのか否か、または、モータの位相を変更するアクチュエータに異常が発生したのか否か等のように、異常の発生箇所を把握して、適切な対応を行うことが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、モータの位相制御に異常が生じた場合に異常の内容を把握することが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係るモータ制御装置は、互いの相対位相を変更可能な複数のロータ(例えば、実施の形態での外周側回転子5と内周側回転子6)を備えるモータと、前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段(例えば、実施の形態での位相変更手段12)とを備えるモータ制御装置であって、前記位相変更手段は、前記相対位相に係る通電指令に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータ(例えば、実施の形態での油圧制御装置13)を備え、前記相対位相に係る実位相値を取得する実位相値取得手段(例えば、実施の形態でのフェール判定制御部67が兼ねる)と、前記通電指令に応じた前記相対位相に係る目標位相値と前記実位相値との差に基づき、前記アクチュエータの異常の有無を判定する異常判定手段(例えば、実施の形態でのフェール判定制御部67)とを備える。
また、本発明の第2態様に係るモータ制御装置は、互いの相対位相を変更可能な複数のロータ(例えば、実施の形態での外周側回転子5と内周側回転子6)を備えるモータと、前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段(例えば、実施の形態での位相変更手段12)とを備えるモータ制御装置であって、前記位相変更手段は、前記相対位相に対する変更要求に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータ(例えば、実施の形態での油圧制御装置13)を備え、前記相対位相に係る実位相値を取得する実位相値取得手段(例えば、実施の形態でのフェール判定制御部67が兼ねる)と、前記相対位相を前記位相変更手段による位相可変範囲の最大値および最小値の少なくとも何れかに移行させたときの前記実位相値の平均値に基づき、前記アクチュエータの異常の有無を判定する異常判定手段(例えば、実施の形態でのフェール判定制御部67)とを備える。
さらに、本発明の第3態様に係るモータ制御装置は、前記異常判定手段は、前記アクチュエータの異常の有無を判定する際に前記流体圧を圧力可変範囲の最大値に設定する。
さらに、本発明の第4態様に係るモータ制御装置は、前記相対位相に係る位相指令値に複数の所定指令値を順次設定し、各前記所定指令値毎に対する前記位相指令値と前記実位相値との差が所定差以内である場合に、前記異常判定手段により前記アクチュエータが異常であると判定された判定結果を解除する異常判定解除手段(例えば、実施の形態でのフェール判定制御部67が兼ねる)を備える。
第1態様に係るモータ制御装置によれば、目標位相値と実位相値との差に基づき、アクチュエータの異常の有無を判定することにより、例えば断線の有無や検出値の妥当性や温度状態等に基づき検知可能な位相位置センサに係る電気的あるいは制御的な異常と、アクチュエータの異常と、位相位置センサおよびアクチュエータ以外の異常とを区別して把握することができ、検知した異常に応じて適切にモータを作動させることができる。
さらに、第2態様に係るモータ制御装置によれば、相対位相を位相変更手段による位相可変範囲の最大値および/または最小値に移行させたときの実位相値の平均値に基づき、アクチュエータの異常の有無を判定することにより、例えば断線の有無や検出値の妥当性や温度状態等に基づき検知可能な位相位置センサに係る電気的あるいは制御的な異常と、アクチュエータの異常と、位相位置センサおよびアクチュエータ以外の異常とを区別して把握することができ、検知した異常に応じて適切にモータを作動させることができる。
また、第3態様に係るモータ制御装置によれば、アクチュエータの異常の有無を判定する際に流体圧を圧力可変範囲の最大値に設定することにより、流体圧に応じた位相変化の応答が向上し、判定精度を向上させることができる。
さらに、第4態様に係るモータ制御装置によれば、異常判定手段によりアクチュエータが異常であると判定された場合であっても、位相指令値を複数の所定指令値によって変化させることで、例えばアクチュエータにおける相対的に軽度の機械的な噛み込み等の異常要因が解消される場合があり、異常判定に応じて過剰にモータの作動状態を規制してしまうことを防止することができる。
以下、本発明のモータ制御装置の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態によるモータ制御装置は、例えば走行駆動源としてモータを備えるハイブリッド車や電動車両等の車両に制御装置として搭載されている。具体的には、図1に示すように、モータ制御装置100a(以下、単に、制御装置100aと呼ぶ)を搭載する車両100は、モータ1および内燃機関Eを駆動源として備えるパラレルハイブリッド車両であり、モータ1と、内燃機関Eと、トランスミッションT/Mとは直列に直結され、少なくともモータ1または内燃機関Eの駆動力は、クラッチCおよびトランスミッションT/Mを介して車両100の駆動輪Wに伝達されるようになっている。
そして、この車両100の減速時に駆動輪W側からモータ1に駆動力が伝達されると、モータ1は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。また、内燃機関Eの出力がモータ1に伝達された場合にもモータ1は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
ここで、制御装置100aが設けられた車両100には、例えばアクセルペダル開度センサ(図示略)、ブレーキペダルスイッチセンサ(図示略)、車輪速センサNW、液温センサTo等の各種センサが設けられており、制御装置100aはこれら各種センサの検出結果に基づいて、内燃機関E、モータ1、クラッチC、トランスミッションT/Mのそれぞれの制御系に対して制御指令を出力する。
モータ1は、例えば図2〜図5に示すように、円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータとされている。
固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。モータ1の回転力はクラッチCおよびトランスミッションT/Mを介して駆動輪Wに伝達される。
回転子ユニット3は、例えば円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6とが所定の設定角度の範囲で相対的に回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、各回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御(例えば、磁路短絡の抑制等)するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9,…,9が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12の一部を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液(例えば、トランスミッションT/M用の潤滑油、エンジンオイル等でもよい)の圧力によって操作されるようになっている。
位相変更手段12は、例えば図7に示すように、回動機構11と、この回動機構11に供給する作動液の圧力を制御する油圧制御装置13とを主要な要素として備えて構成されている。
回動機構11は、例えば図2〜図5に示すように、回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数の羽根部18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応する羽根部18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、羽根部18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の断面形状を有する突出部21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、羽根部18が隣り合う一方の突出部21と他方の突出部21の間を変位し得るようになっている。
この実施の形態においては、突出部21は羽根部18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制する規制部材としても機能する。なお、各羽根部18の先端部と突出部21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によって羽根部18と凹部19の底壁20、突出部21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、例えば図2に示すように、内周側回転子6や突出部21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各羽根部18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。
進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図3,図5中の矢印Rで示すモータ1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、モータ1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、例えば図7に示す油圧制御装置13の進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧制御装置13の遅角側給排通路27に接続されている。さらに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、例えば図2に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c,…,26c,27c,…,27cに接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
この実施の形態のモータ1において、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)になるように設定されている。
なお、このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、このように磁界の強さが変更されると、これに伴って誘起電圧定数Keが変化し、この結果、モータ1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
油圧制御装置13は、例えば図7に示すように、オイルタンク(図示略)から作動液を吸い上げて通路に吐出する電動のオイルポンプ(EOP)32と、このオイルポンプ32から吐出された作動液の油圧を調整して高圧のライン通路33に導入し、余剰分の作動液を各種機器の潤滑や冷却のための低圧通路34に流出させるレギュレータバルブ35と、ライン通路33に導入された作動液を進角側給排通路26と遅角側給排通路27に振り分けるとともに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27で不要な作動液をドレン通路36に排出する流路切換弁37とを備えている。
レギュレータバルブ35は、ライン通路33の圧力を制御圧として受け、反力スプリング38とのバランスによって作動液の振り分けを行う。
また、流路切換弁37は、制御スプール37aを進退操作する電磁ソレノイド37bを有し、この電磁ソレノイド37bが制御装置100aによって制御されるようになっている。
制御装置100aは、例えば図1に示すように、モータ制御部40と、PDU(パワードライブユニット)41と、バッテリ42とを備えて構成されている。
PDU41は、例えばトランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備え、モータ1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ42に接続されている。
そして、PWMインバータは、例えばモータ1の駆動時等において、モータ制御部40から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、パルス幅変調信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリ42から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
モータ制御部40は、例えば図1に示すように、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度を検出するアクセルペダル開度センサの検出結果に基づいて算出されるトルク指令値Tqに基づきd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcを演算し、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてPDU41へゲート信号であるPWM信号を入力すると共に、実際にPDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
このモータ制御部40は、例えば、目標電流設定部51と、電流偏差算出部52と、界磁制御部53と、電力制御部54と、電流制御部55と、dq−3相変換部56と、PWM信号生成部57と、フィルタ処理部58と、3相−dq変換部59と、回転数演算部60と、誘起電圧定数算出部62と、誘起電圧定数指令出力部63と、誘起電圧定数差分算出部64と、位相制御部65と、記憶部66と、フェール判定制御部67とを備えて構成されている。
そして、このモータ制御部40には、PDU41からモータ1に出力される3相の各相電流Iu,Iv,Iwのうち、2相のU相電流IuおよびW相電流Iwを検出する各電流センサ81,81から出力される各検出信号Ius,Iwsと、バッテリ42の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ82から出力される検出信号と、モータ1のロータの回転角θM(つまり、所定の基準回転位置からの回転子ユニット3の磁極の回転角度であって、例えばレゾルバ等により検出される回転軸4と一体回転する外周側回転子5の回転角度)を検出する回転センサ83から出力される検出信号と、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相に係る位相位置θ(例えば、レゾルバ等により検出される内周側回転子6の回転角度に基づき算出される外周側回転子5に対する内周側回転子6の相対位相等)を検出する位相位置センサ84から出力される検出信号と、車両100の各車輪の回転速度(車輪速)を検出する複数の車輪速センサNWから出力される検出信号と、回動機構11の作動液の温度(例えば、油温)を検出する液温センサToから出力される検出信号等とが入力されている。
なお、位相位置センサ84は、各種の異常状態の発生を検知可能であって、この検知結果に基づくフェール情報を出力する。
目標電流設定部51は、例えば外部の制御装置(図示略)から入力されるトルク指令Tq(例えば、運転者によるアクセルペダルAPの踏み込み操作量を検出するアクセルペダル開度センサの出力に応じて必要とされるトルクをモータ1に発生させるための指令値)と、回転数演算部60から入力されるモータ1の回転数NMとに基づき、PDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算しており、この電流指令は、回転する直交座標上でのd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとして電流偏差算出部52へ出力されている。
この回転直交座標をなすdq座標は、例えば回転子ユニット3の外周側回転子5の永久磁石9による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)としており、モータ1の回転子ユニット3の回転位相に同期して回転している。これにより、PDU41からモータ1の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるd軸目標電流Idcおよびq軸目標電流Iqcを与えるようになっている。
さらに、目標電流設定部51は、後述するフェール判定制御部67からフェールモード指令が入力された場合には、このフェールモード指令に応じた所定の作動状態にモータ1を規制するようにしてトルク指令Tqを設定する。
電流偏差算出部52は、界磁制御部53から入力されるd軸補正電流が加算されたd軸目標電流Idcと、d軸電流Idとの偏差ΔIdを算出するd軸電流偏差算出部52aと、電力制御部54から入力されるq軸補正電流が加算されたq軸目標電流Iqcと、q軸電流Iqとの偏差ΔIqを算出するq軸電流偏差算出部52bとを備えて構成されている。
なお、界磁制御部53は、例えばモータ1の回転数NMの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために回転子ユニット3の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をd軸補正電流としてd軸電流偏差算出部52aへ出力する。
また、電力制御部54は、例えばバッテリ42の残容量等に応じた適宜の電力制御に応じてq軸目標電流Iqcを補正するためのq軸補正電流をq軸電流偏差算出部52bへ出力する。
電流制御部55は、例えばモータ1の回転数NMに応じたPI(比例積分)動作により、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値Vdを算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値Vqを算出する。
dq−3相変換部56は、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
PWM信号生成部57は、例えば、正弦波状の各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波からなるキャリア信号と、スイッチング周波数とに基づくパルス幅変調により、PDU41のPWMインバータの各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。
フィルタ処理部58は、各電流センサ81,81により検出された各相電流に対する検出信号Ius,Iwsに対して、高周波成分の除去等のフィルタ処理を行い、物理量としての各相電流Iu,Iwを抽出する。
3相−dq変換部59は、フィルタ処理部58により抽出された各相電流Iu,Iwと、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMとにより、モータ1の回転位相による回転座標すなわちdq座標上でのd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
回転数演算部60は、回転センサ83から出力される検出信号からモータ1の回転子ユニット3の回転角θMを抽出すると共に、この回転角θMに基づき、モータ1の回転数NMを算出する。
誘起電圧定数算出部62は、位相位置センサ84から出力される位相位置θに基づき、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相に応じた誘起電圧定数Keを算出する。
誘起電圧定数指令出力部63は、例えばトルク指令Tqと、モータ1の回転数NMと、電源電圧VBとに基づき、モータ1の誘起電圧定数Keに対する指令値(誘起電圧定数指令)Kecを出力する。
さらに、誘起電圧定数指令出力部63は、後述するフェール判定制御部67からフェールモード指令が入力された場合には、相対位相を所定位相(例えば、位相可変範囲において最も強い強め界磁の状態に対応した最強め位相あるいは最も弱い弱め界磁の状態に対応した最弱め位相の何れか等)に設定するためのフェール時制御指令を出力する。
誘起電圧定数差分算出部64は、誘起電圧定数指令出力部63から出力される誘起電圧定数指令値Kecから、誘起電圧定数算出部62から出力される誘起電圧定数Keを減算して得た誘起電圧定数差分ΔKeを出力する。
位相制御部65は、例えば、誘起電圧定数差分算出部64から出力される誘起電圧定数差分ΔKeに応じて、この誘起電圧定数差分ΔKeをゼロとするようにして相対位相を制御するための制御指令θcを出力する。
さらに、位相制御部65は、誘起電圧定数指令出力部63からフェール時制御指令が入力された場合には、このフェール時制御指令に応じた制御指令θcを出力する。
記憶部66は、例えば、後述する異常判定制御部67での各種の判定処理において参照される判定閾値等のデータを記憶している。
フェール判定制御部67は、例えば、位相位置センサ84から出力されるフェール情報(例えば、位相位置センサ84の異常状態を示す情報)に基づき、位相位置センサ84の異常の有無を判定する。
さらに、フェール判定制御部67は、例えば、油圧制御装置13に対する通電指令(例えば、電磁ソレノイド37bを駆動制御するためのデューティー(DUTY)指令値等)に応じた相対位相に係る目標位相値(位相位置Rθ)と、位相位置センサ84により検出される実位相値(位相位置Nθ)との差(例えば、|(Rθ−Nθ)|等)に基づき、あるいは、相対位相が位相変更手段12による位相可変範囲の最大値および最小値の少なくとも何れかに移行したときの実位相値の平均値(例えば、強め位相側での各平均値Tθ,Tθ´および弱め位相側での各平均値Yθ,Yθ´等)に基づき、位相変更手段12における機械的な重篤な異常の有無を判定する。
なお、フェール判定制御部67は、各異常の判定を行う際には、制御元圧を最大圧に設定して、作動液の圧力に応じた位相変化の応答を向上させる。
そして、フェール判定制御部67は、各判定処理の判定結果に応じてフェール時制御指令、例えば位相位置センサ84に係る電気的あるいは制御的な異常であることを示すセンサフェールフラグや、位相変更手段12における機械的な重篤な異常を示すメカフェールフラグや、位相位置センサ84に係る電気的あるいは制御的な異常および位相変更手段12における機械的な重篤な異常以外の異常を示す(センサ・メカ)以外フェールフラグ等の各フェールフラグのフラグ値に「1」を設定した指令等を出力する。
また、フェール判定制御部67は、例えば(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値に「1」が設定された状態での車両100の始動時(イグニッションのオン時)において、相対位相に係る位相指令値(位相角指令)に複数の所定指令値を順次設定し、各所定指令値毎に対する位相指令値(位相角指令)と、位相位置センサ84により検出される実位相値の平均値(実位相角平均値)との差が所定差以内である場合に、異常状態が解消したと判断して、(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値に「0」を設定すると共に、異常状態の発生を記憶するための(センサ・メカ)以外フェールフラグログのフラグ値に「1」を設定する。
この実施の形態によるモータ制御装置(つまり、制御装置100a)は上記構成を備えており、次に、この制御装置100aの動作について説明する。
以下に、フェール判定の処理について説明する。
先ず、例えば図8に示すステップS01においては、例えば誘起電圧定数差分ΔKeが所定差分εよりも大きいか否か等に応じて、位相変更手段12による位相変更の動作に異常が発生したか否かを検知する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS01の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
そして、ステップS02においては、位相位置センサ84において断線が発生した状態であるセンサ断線異常を検出したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進み、このステップS03においては、センサフェールフラグのフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04に進む。
次に、ステップS04においては、位相位置センサ84により検出される位相位置θに基づく速度あるいは加速度が所定範囲外の値となるセンサ加速度異常を検出したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS03に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進む。
次に、ステップS05においては、位相位置センサ84の温度が所定範囲外の値となるセンサ温度異常を検出したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS03に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、相対位相の変更要求の出力後に所定時間(例えば、制御指令θcに応じて実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば2秒等)以上経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進み、このステップS07においては、(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値に「1」を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS08においては、この時点での油圧制御装置13に対する通電指令(例えば、電磁ソレノイド37bを駆動制御するためのデューティー(DUTY)指令値等)を取得する。
そして、ステップS09においては、この時点での位相位置センサ84により検出される位相位置Nθを取得する。
そして、ステップS10においては、デューティー(DUTY)指令値に応じた位相位置Rθを取得する。
そして、ステップS11においては、位相偏差の絶対値|(Rθ−Nθ)|が所定閾値RAよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進み、このステップS12においては、メカフェールフラグのフラグ値に「1」を設定し、一連の処理を終了する。
以下に、例えば車両100の始動時(イグニッションのオン時)等において実行されるフェール確認モードの処理について説明する。
先ず、例えば図9に示すステップS21においては、(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進む。
そして、ステップS22においては、フェール確認モードの実行開始予定を、例えば表示や音声等によって視覚的あるいは聴覚的に車両100の乗員に報知する。
そして、ステップS23においては、車両100のサイドブレーキが作動状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS22に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進む。
そして、ステップS24においては、フェール確認モードの実行開始を、例えば表示や音声等によって視覚的あるいは聴覚的に車両100の乗員に報知する。
そして、ステップS25においては、減算タイマである保持タイマのタイマ値TIにゼロを設定して初期化する。
そして、ステップS26においては、保持タイマのタイマ値TIに所定時間(例えば、制御指令θcに複数の所定指令値を順次設定した場合に、実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば5秒等)Tbを設定する。
そして、ステップS27においては、制御指令θcとして位相角指令に0°つまり位相変更手段12による位相可変範囲において最も強い強め界磁の状態に対応した最強め位相での位相位置を設定する。
そして、ステップS28においては、保持タイマのタイマ値TIがゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS27に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
そして、ステップS29においては、保持タイマのタイマ値TIに所定時間(例えば、制御指令θcに複数の所定指令値を順次設定した場合に、実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば5秒等)Tbを設定する。
そして、ステップS30においては、制御指令θcとして位相角指令に90°つまり位相変更手段12による位相可変範囲の中間位相での位相位置を設定する。
そして、ステップS31においては、保持タイマのタイマ値TIがゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS30に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS32に進む。
そして、ステップS32においては、保持タイマのタイマ値TIに所定時間(例えば、制御指令θcに複数の所定指令値を順次設定した場合に、実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば5秒等)Tbを設定する。
そして、ステップS33においては、制御指令θcとして位相角指令に180°つまり位相変更手段12による位相可変範囲において最も弱い弱め界磁の状態に対応した最弱め位相での位相位置を設定する。
そして、ステップS34においては、保持タイマのタイマ値TIがゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS33に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS35に進む。
そして、ステップS35においては、各位相角指令毎に対して位相位置センサ84により検出される実位相値の平均値(実位相角平均値)を取得する。
そして、ステップS36においては、各位相角指令毎に対して、位相角指令と実位相角平均値との偏差の絶対値が所定値α未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合、つまり各位相角指令毎に対して位相角指令と実位相角平均値との偏差の絶対値が所定値α未満である場合には、ステップS37に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
そして、ステップS37においては、(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値に「0」を設定する。
そして、ステップS38においては、(センサ・メカ)以外フェールフラグログのフラグ値に「1」を設定し、一連の処理を終了する。
上述したように、この実施の形態によるモータ制御装置によれば、デューティー(DUTY)指令値に応じた位相位置Rθと位相位置センサ84により検出される位相位置Nθとの位相偏差の絶対値|(Rθ−Nθ)|に基づき、油圧制御装置13の異常の有無を判定することにより、位相位置センサ84に係る電気的あるいは制御的な異常と、位相変更手段12における機械的な重篤な異常と、これら以外の異常とを区別して把握することができ、検知した異常に応じて適切にモータ1を作動させることができる。
しかも、位相位置センサ84に係る電気的あるいは制御的な異常および位相変更手段12における機械的な重篤な異常以外の異常が検知された場合であっても、制御指令θcを複数の所定位相角指令によって変化させることで、例えば位相変更手段12における相対的に軽度の機械的な噛み込み等の異常要因が解消される場合があり、異常判定に応じて過剰にモータ1の作動状態を規制してしまうことを防止することができる。さらに、(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値を「1」から「0」に変更する際に、(センサ・メカ)以外フェールフラグログのフラグ値に「1」を設定することにより、異常判定の履歴を記憶することができ、車両100の保守作業時等において適切な対応を実行することができる。
なお、上述した実施の形態においては、位相偏差の絶対値|(Rθ−Nθ)|に基づき、油圧制御装置13の異常の有無を判定するとしたが、これに限定されず、例えば図10および図11に示す変形例のように、相対位相が位相変更手段12による位相可変範囲の最大値および最小値の少なくとも何れかに移行したときの位相位置センサ84により検出される実位相値の平均値に基づき、油圧制御装置13の異常の有無を判定してもよい。
この変形例に係るフェール判定では、先ず、例えば図10に示すステップS41において、例えば誘起電圧定数差分ΔKeが所定差分εよりも大きいか否か等に応じて、位相変更手段12による位相変更の動作に異常が発生したか否かを検知する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS41の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS42に進む。
そして、ステップS42においては、位相位置センサ84において断線が発生した状態であるセンサ断線異常を検出したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、例えば図11に示すステップS43に進み、このステップS43においては、センサフェールフラグのフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS44に進む。
次に、ステップS44においては、位相位置センサ84により検出される位相位置θに基づく速度あるいは加速度が所定範囲外の値となるセンサ加速度異常を検出したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS43に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS45に進む。
次に、ステップS45においては、位相位置センサ84の温度が所定範囲外の値となるセンサ温度異常を検出したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS43に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS46に進む。
そして、ステップS46においては、この時点での車両100の速度がゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS63に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS47に進む。
そして、ステップS47においては、強め指示カウンタNRおよび弱め指示カウンタNAにゼロを設定して初期化する。
そして、ステップS49においては、減算タイマであるチェックタイマのタイマ値に所定時間(例えば、制御指令θcに応じて実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば3秒等)Taを設定する。
そして、ステップS50においては、制御指令θcとして位相角指令に0°つまり位相変更手段12による位相可変範囲において最も強い強め界磁の状態に対応した最強め位相での位相位置を設定する。
そして、ステップS51においては、チェックタイマのタイマ値がゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS51の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS52に進む。
そして、ステップS52においては、この時点(つまり、強め指示時)での位相位置センサ84により検出される位相位置(位相角)を取得し、強め指示カウンタNRに「1」を加算して得た値を、新たに強め指示カウンタNRとして設定する。
そして、ステップS53においては、減算タイマであるチェックタイマのタイマ値に所定時間(例えば、制御指令θcに応じて実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば3秒等)Taを設定する。
そして、ステップS54においては、制御指令θcとして位相角指令に180°つまり位相変更手段12による位相可変範囲において最も弱い弱め界磁の状態に対応した最弱め位相での位相位置を設定する。
そして、ステップS55においては、チェックタイマのタイマ値がゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS55の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS56に進む。
そして、ステップS56においては、この時点(つまり、弱め指示時)での位相位置センサ84により検出される位相位置(位相角)を取得し、弱め指示カウンタNAに「1」を加算して得た値を、新たに弱め指示カウンタNAとして設定する。
そして、ステップS57においては、NA=NR=所定値#N(例えば、#N=5等)であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS58に進み、このステップS58においては、(センサ・メカ)以外フェールフラグのフラグ値に「1」を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS59に進む。
そして、ステップS59においては、強め指示カウンタNRが所定値#Nまで変化する間での位相位置センサ84により検出される位相位置(位相角)の平均値(実位相角平均値)Tθを算出する。
そして、ステップS60においては、弱め指示カウンタNAが所定値#Nまで変化する間での位相位置センサ84により検出される位相位置(位相角)の平均値(実位相角平均値)Yθを算出する。
そして、ステップS61においては、実位相角平均値Tθは所定閾値βよりも小さいか否か、または、実位相角平均値Yθは所定閾値γよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS58に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS62に進み、このステップS62においては、メカフェールフラグのフラグ値に「1」を設定し、一連の処理を終了する。
また、ステップS63においては、所定のフェールチェックタイミングであるか否かを判定する。なお、所定のフェールチェックタイミングは、例えばモータ1または内燃機関Eの駆動力により走行可能なハイブリッド車両等に対しては、モータ1に対するトルク指令Tqがゼロとなるタイミングであり、例えばモータ1の駆動力により走行可能な電動車両や、シリーズ方式のハイブリッド車両等に対しては、所定周期毎のタイミングとされている。
そして、この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS64に進み、このステップS64においては、油圧制御装置13の作動液の元圧を圧力可変範囲の最大圧に設定する。
そして、ステップS65においては、例えば、誘起電圧定数差分ΔKeが所定差分εよりも大きく、かつ、制御指令θcとして位相角指令に0°(つまり位相変更手段12による位相可変範囲において最も強い強め界磁の状態に対応した最強め位相での位相位置)が設定された状態が所定時間(例えば、制御指令θcに応じて実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば2秒等)以上継続する状態が所定回数(例えば、3回等)以上発生すると共に、誘起電圧定数差分ΔKeが所定差分εよりも大きく、かつ、制御指令θcとして位相角指令に180°(つまり位相変更手段12による位相可変範囲において最も弱い弱め界磁の状態に対応した最弱め位相での位相位置)が設定された状態が所定時間(例えば、制御指令θcに応じて実際に位相位置が変化するのに要する時間であって、例えば2秒等)以上継続する状態が所定回数(例えば、3回等)以上発生したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS66に進む。
そして、ステップS66においては、位相角指令に0°が設定された場合(強め指示時)での所定回数に対する位相位置センサ84により検出される位相位置(位相角)の平均値(実位相角平均値)Tθ´を算出する。
そして、ステップS67においては、位相角指令に180°が設定された場合(弱め指示時)での所定回数に対する位相位置センサ84により検出される位相位置(位相角)の平均値(実位相角平均値)Yθ´を算出する。
そして、ステップS68においては、実位相角平均値Tθ´は所定閾値βよりも小さいか否か、または、実位相角平均値Yθ´は所定閾値γよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS62に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS69に進み、このステップS69においては、油圧制御装置13の作動液の元圧を圧力可変範囲の所定の通常圧に設定し、上述したステップS58に進む。
この変形例においては、相対位相が位相変更手段12による位相可変範囲の最大値と最小値との間で変化する際の各最大値および最小値に対応する実位相角平均値に基づき、油圧制御装置13の異常の有無を判定することから、判定精度を向上させることができる。
しかも、車両100の走行状態であっても、所定のフェールチェックタイミングにおいては、制御元圧を最大圧に設定して実位相角平均値を算出することから、作動液の圧力に応じた位相変化の応答が向上し、判定精度を向上させることができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えば、ハイブリッド車両以外に電気自動車等に適用してもよいし、車両に適用する場合に限らず、適宜の装置に搭載されるモータに適用してもよい。
本発明の実施の形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るモータの要部断面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの回転子ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係るフェール判定の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るフェール確認モードの処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例に係るフェール判定の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例に係るフェール判定の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 モータ
5 外周側回転子(ロータ)
6 内周側回転子(ロータ)
12 位相変更手段
13 油圧制御装置(アクチュエータ)
67 フェール判定制御部(異常判定手段、実位相値取得手段、異常判定解除手段)

Claims (4)

  1. 互いの相対位相を変更可能な複数のロータを備えるモータと、
    前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段とを備えるモータ制御装置であって、
    前記位相変更手段は、前記相対位相に係る通電指令に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータを備え、
    前記相対位相に係る実位相値を取得する実位相値取得手段と、
    前記通電指令に応じた前記相対位相に係る目標位相値と前記実位相値との差に基づき、前記アクチュエータの異常の有無を判定する異常判定手段とを備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 互いの相対位相を変更可能な複数のロータを備えるモータと、
    前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段とを備えるモータ制御装置であって、
    前記位相変更手段は、前記相対位相に対する変更要求に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータを備え、
    前記相対位相に係る実位相値を取得する実位相値取得手段と、
    前記相対位相を前記位相変更手段による位相可変範囲の最大値および最小値の少なくとも何れかに移行させたときの前記実位相値の平均値に基づき、前記アクチュエータの異常の有無を判定する異常判定手段とを備えることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記アクチュエータの異常の有無を判定する際に前記流体圧を圧力可変範囲の最大値に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記相対位相に係る位相指令値に複数の所定指令値を順次設定し、各前記所定指令値毎に対する前記位相指令値と前記実位相値との差が所定差以内である場合に、前記異常判定手段により前記アクチュエータが異常であると判定された判定結果を解除する異常判定解除手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかひとつに記載のモータ制御装置。
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