JP2008306845A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動流体の流体圧によってモータの誘起電圧定数を変更する際に所望の応答性を確保する。
【解決手段】モータ制御装置100aを、互いの相対位相を変更可能な外周側回転子と内周側回転子を備えるモータ1と、相対位相に対する変更要求に応じて作動液の圧力を制御する油圧制御装置13を具備する位相変更手段と、位相変更手段の作動時における油圧制御装置13の応答状態量に基づき作動液の元圧を補正する元圧可変制御部68とを備えて構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、例えば電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けた第1および第2回転子を備え、電動機の回転速度に応じて、あるいは、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の周方向の相対位置つまり位相差を制御する永久磁石回転電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この電動機において、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材を介して第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更することから、電動機の作動状態つまり回転速度に応じた遠心力が作用する状態でのみ第1および第2回転子の位相差を制御可能であり、電動機の停止状態を含む適宜のタイミングで位相差を制御することができないという問題が生じる。しかも、この電動機を駆動源として車両に搭載した場合のように、電動機に外部からの振動が作用し易い状態においては、遠心力の作用のみによって第1および第2回転子の位相差を適切に制御することが困難であるという問題が生じる。
また、この電動機において、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、各回転子が慣性により回転速度を維持する状態で固定子巻線に制御電流を通電して回転磁界速度を変更することによって、第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更する場合には、回転磁界の速度が変更されることから、電動機の制御処理が複雑化してしまうという問題が生じる。
これに対して、従来、例えばサーボ圧により互いの位相位置を変更可能な第1永久磁極片および第2永久磁極片を具備し、界磁磁束量を変更可能なモータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−204541号公報 特開昭55−153300号公報
ところで、上記従来技術の一例に係るモータにおいて、例えば油圧等のサーボ圧により各永久磁極片の位相位置を変更する際には、作動油の温度変化やトルク外乱や加速外乱等の各種の外乱に対して、制御上での応答制御項(例えば、リニアソレノイドのデューティー等)を可変とした状態であっても、サーボ圧の元圧自体の変化等によって元圧が不足することで外乱を吸収することが困難となり、所望の応答性を確保することができなくなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、作動流体の流体圧によってモータの誘起電圧定数を変更する際に所望の応答性を確保することが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係るモータ制御装置は、互いの相対位相を変更可能な複数のロータ(例えば、実施の形態での外周側回転子5と内周側回転子6)を備えるモータと、前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段(例えば、実施の形態での位相変更手段12)とを備えるモータ制御装置であって、前記位相変更手段は、前記相対位相に対する変更要求に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータ(例えば、実施の形態での油圧制御装置13)を備え、前記位相変更手段の作動時における前記アクチュエータの応答状態量に基づき前記作動流体の元圧を補正する補正手段(例えば、実施の形態での元圧可変制御部68)を備える。
さらに、本発明の第2態様に係るモータ制御装置は、前記アクチュエータの応答状態量として前記相対位相に係る実位相値(例えば、実施の形態での位相位置Rθ)を取得する実位相値取得手段(例えば、実施の形態でのステップS21)と、前記実位相値が位相指令値(例えば、実施の形態での位相予定値Nθ)に移行するまでに要する移行時間(例えば、実施の形態での必要時間NTA)に基づき前記元圧を補正する第1の補正手段(例えば、実施の形態でのステップS12およびステップS18)とを備える。
さらに、本発明の第3態様に係るモータ制御装置は、前記アクチュエータの応答状態量として前記モータの実回転数(例えば、実施の形態での回転数RN)を取得する実回転数取得手段(例えば、実施の形態でのステップS31)と、前記実回転数が回転数指令値(例えば、実施の形態での回転数予定値NN)に移行するまでに要する移行時間(例えば、実施の形態での必要時間NTR)に基づき前記元圧を補正する第2の補正手段(例えば、実施の形態でのステップS14およびステップS18)とを備える。
さらに、本発明の第4態様に係るモータ制御装置は、前記アクチュエータの応答状態量として前記作動流体の温度を取得する温度取得手段(例えば、実施の形態でのステップS02)と、前記温度に基づき前記元圧を補正する第3の補正手段(例えば、実施の形態でのステップS16およびステップS18)とを備える。
さらに、本発明の第5態様に係るモータ制御装置では、前記補正手段は、前記第1の補正手段と前記第2の補正手段と前記第3の補正手段とのうちの何れかひとつにより前記元圧を補正し、前記第1の補正手段の補正度合いは前記第2の補正手段の補正度合いよりも大きく、かつ、前記第2の補正手段の補正度合いは前記第3の補正手段の補正度合いよりも大きくなるように設定する。
さらに、本発明の第6態様に係るモータ制御装置は、前記相対位相に係る位相指令値(例えば、実施の形態での位相予定値Nθ)に基づき前記元圧を補正する第4の補正手段(例えば、実施の形態でのステップS17およびステップS18)を備える。
さらに、本発明の第7態様に係るモータ制御装置は、前記アクチュエータの応答状態量として前記相対位相の変更速度を取得する変更速度取得手段と、前記変更速度に基づき前記元圧を補正する第5の補正手段(例えば、実施の形態でのステップS45およびステップS46)とを備える。
さらに、本発明の第8態様に係るモータ制御装置では、前記複数のロータは互いの回転軸線が同軸に配置された内周側回転子(例えば、実施の形態での内周側回転子6)および外周側回転子(例えば、実施の形態での外周側回転子5)を備え、前記内周側回転子は周方向に配置された内周側永久磁石(例えば、実施の形態での永久磁石9)を具備し、前記外周側回転子は周方向に配置された外周側永久磁石(例えば、実施の形態での永久磁石9)を具備し、前記位相変更手段は、前記内周側回転子の内側に配置されるとともに、軸線方向の端面を覆うようにして前記外周側回転子に固定された端板(例えば、実施の形態でのドライブプレート16)を介して前記外周側回転子に対して一体回転可能に設けられたベーンロータ(例えば、実施の形態でのベーンロータ14)と、前記内周側回転子に対して一体回転可能に設けられるとともに、前記ベーンロータの羽根部(例えば、実施の形態での羽根部18)を回動可能に収容しつつ該ベーンロータとで圧力室(例えば、実施の形態での進角側作動室24と遅角側作動室25)を画成する凹部(例えば、実施の形態での凹部19)を有するハウジング(例えば、実施の形態での環状ハウジング15)とを備え、前記ベーンロータを経由した前記圧力室への前記作動流体の供給により、少なくとも前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方を前記回転軸線周りに相対的に回動させることによって、前記相対位相を変更する。
第1態様に係るモータ制御装置によれば、複数のロータの相対位相を作動流体の流体圧により変更する際に、アクチュエータの応答状態量に基づき作動流体の元圧を補正することにより、例えば制御上のゲイン変更のみでは元圧不足に起因して各種の外乱を吸収することができない状態であっても、所望の応答状態を確保することができる。
さらに、第2態様に係るモータ制御装置によれば、相対位相に係る実位相値(例えば、位相位置に対する検出値または推定値)が位相指令値に移行するまでに要する移行時間に基づき元圧を補正することにより、位相変更に遅れが生じてしまうことを防止することができる。
さらに、第3態様に係るモータ制御装置によれば、モータの実回転数(例えば、回転数に対する検出値または推定値)が回転数指令値に移行するまでに要する移行時間に基づき元圧を補正することにより、回転数の増大に遅れが生じてしまうことを防止することができる。
さらに、第4態様に係るモータ制御装置によれば、作動流体の温度(例えば、温度に対する検出値または推定値)に基づき元圧を補正することにより、作動流体の温度に起因して粘度および濡れ量が相対的に低い状態であっても、位相変更に対する所望の応答状態を確保することができる。
さらに、第5態様に係るモータ制御装置によれば、第1の補正手段の補正度合いは第2の補正手段の補正度合いよりも大きく、かつ、第2の補正手段の補正度合いは第3の補正手段の補正度合いよりも大きくなるように設定することにより、ロバストな制御応答性を確保することができる。
さらに、第6態様に係るモータ制御装置によれば、相対位相に係る位相指令値に基づき元圧を補正することにより、相対位相に応じた複数のロータの相対トルクの変化に対応して適切な応答を確保することができる。
さらに、第7態様に係るモータ制御装置によれば、相対位相の実変更速度(例えば、変更速度に対する検出値または推定値)に基づき前記元圧を補正することにより、相対位相に応じた相対トルクの変化に対応して適切な応答を確保することができる。
さらに、第8態様に係るモータ制御装置によれば、ベーンロータとハウジングとを有する簡素なベーンアクチュエータを用いるため、モータの構成が複雑化することを抑制しつつ、容易かつ適切に、しかも所望のタイミングで誘起電圧定数を可変とすることができる。しかも、作動流体がベーンロータを経由して圧力室に供給されるため、作動流体の流路形成に伴う軸線方向の厚さの増大を抑制することができる。
以下、本発明のモータ制御装置の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態によるモータ制御装置は、例えば走行駆動源としてモータを備えるハイブリッド車や電動車両等の車両に制御装置として搭載されている。具体的には、図1に示すように、モータ制御装置100a(以下、単に、制御装置100aと呼ぶ)を搭載する車両100は、モータ1および内燃機関Eを駆動源として備えるパラレルハイブリッド車両であり、モータ1と、内燃機関Eと、トランスミッションT/Mとは直列に直結され、少なくともモータ1または内燃機関Eの駆動力は、クラッチCおよびトランスミッションT/Mを介して車両100の駆動輪Wに伝達されるようになっている。
そして、この車両100の減速時に駆動輪W側からモータ1に駆動力が伝達されると、モータ1は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。また、内燃機関Eの出力がモータ1に伝達された場合にもモータ1は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
ここで、制御装置100aが設けられた車両100には、例えばアクセルペダル開度センサ(図示略)、ブレーキペダルスイッチセンサ(図示略)、車輪速センサNW、液温センサTo等の各種センサが設けられており、制御装置100aはこれら各種センサの検出結果に基づいて、内燃機関E、モータ1、クラッチC、トランスミッションT/Mのそれぞれの制御系に対して制御指令を出力する。
モータ1は、例えば図2〜図5に示すように、円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータとされている。
固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。モータ1の回転力はクラッチCおよびトランスミッションT/Mを介して駆動輪Wに伝達される。
回転子ユニット3は、例えば円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6とが所定の設定角度の範囲で相対的に回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、各回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御(例えば、磁路短絡の抑制等)するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9,…,9が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12の一部を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液(例えば、トランスミッションT/M用の潤滑油、エンジンオイル等でもよい)の圧力によって操作されるようになっている。
位相変更手段12は、例えば図7に示すように、回動機構11と、この回動機構11に供給する作動液の圧力を制御する油圧制御装置13とを主要な要素として備えて構成されている。
回動機構11は、例えば図2〜図5に示すように、回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数の羽根部18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応する羽根部18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、羽根部18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の断面形状を有する突出部21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、羽根部18が隣り合う一方の突出部21と他方の突出部21の間を変位し得るようになっている。
この実施の形態においては、突出部21は羽根部18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制する規制部材としても機能する。なお、各羽根部18の先端部と突出部21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によって羽根部18と凹部19の底壁20、突出部21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、例えば図2に示すように、内周側回転子6や突出部21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各羽根部18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。
進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図3,図5中の矢印Rで示すモータ1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、モータ1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、例えば図7に示す油圧制御装置13の進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧制御装置13の遅角側給排通路27に接続されている。さらに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、例えば図2に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c,…,26c,27c,…,27cに接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
この実施の形態のモータ1において、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)になるように設定されている。
なお、このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、このように磁界の強さが変更されると、これに伴って誘起電圧定数Keが変化し、この結果、モータ1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
油圧制御装置13は、例えば図7に示すように、オイルタンク(図示略)から作動液を吸い上げて通路に吐出する電動のオイルポンプ(EOP)32と、このオイルポンプ32から吐出された作動液の油圧を調整して高圧のライン通路33に導入し、余剰分の作動液を各種機器の潤滑や冷却のための低圧通路34に流出させるレギュレータバルブ35と、ライン通路33に導入された作動液を進角側給排通路26と遅角側給排通路27に振り分けるとともに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27で不要な作動液をドレン通路36に排出する流路切換弁37とを備えている。
レギュレータバルブ35は、ライン通路33の圧力を制御圧として受け、反力スプリング38とのバランスによって作動液の振り分けを行う。
また、流路切換弁37は、制御スプール37aを進退操作する電磁ソレノイド37bを有し、この電磁ソレノイド37bが制御装置100aによって制御されるようになっている。
制御装置100aは、例えば図1に示すように、モータ制御部40と、PDU(パワードライブユニット)41と、バッテリ42とを備えて構成されている。
PDU41は、例えばトランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備え、モータ1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ42に接続されている。
そして、PWMインバータは、例えばモータ1の駆動時等において、モータ制御部40から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、パルス幅変調信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリ42から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
モータ制御部40は、例えば図1に示すように、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度を検出するアクセルペダル開度センサの検出結果に基づいて算出されるトルク指令値Tqに基づきd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcを演算し、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてPDU41へゲート信号であるPWM信号を入力すると共に、実際にPDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
このモータ制御部40は、例えば、目標電流設定部51と、電流偏差算出部52と、界磁制御部53と、電力制御部54と、電流制御部55と、dq−3相変換部56と、PWM信号生成部57と、フィルタ処理部58と、3相−dq変換部59と、回転数演算部60と、誘起電圧定数算出部62と、誘起電圧定数指令出力部63と、誘起電圧定数差分算出部64と、位相制御部65と、可変速度演算部66と、記憶部67と、元圧可変制御部68とを備えて構成されている。
そして、このモータ制御部40には、PDU41からモータ1に出力される3相の各相電流Iu,Iv,Iwのうち、2相のU相電流IuおよびW相電流Iwを検出する各電流センサ81,81から出力される各検出信号Ius,Iwsと、バッテリ42の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ82から出力される検出信号と、モータ1のロータの回転角θM(つまり、所定の基準回転位置からの回転子ユニット3の磁極の回転角度であって、例えばレゾルバ等により検出される回転軸4と一体回転する外周側回転子5の回転角度)を検出する回転センサ83から出力される検出信号と、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相に係る位相位置θ(例えば、レゾルバ等により検出される内周側回転子6の回転角度に基づき算出される外周側回転子5に対する内周側回転子6の相対位相等)を検出する位相位置センサ84から出力される検出信号と、車両100の各車輪の回転速度(車輪速)を検出する複数の車輪速センサNWから出力される検出信号と、回動機構11の作動液の温度(例えば、油温)を検出する液温センサToから出力される検出信号等とが入力されている。
目標電流設定部51は、例えば外部の制御装置(図示略)から入力されるトルク指令Tq(例えば、運転者によるアクセルペダルAPの踏み込み操作量を検出するアクセルペダル開度センサの出力に応じて必要とされるトルクをモータ1に発生させるための指令値)と、回転数演算部60から入力されるモータ1の回転数NMとに基づき、PDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算しており、この電流指令は、回転する直交座標上でのd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとして電流偏差算出部52へ出力されている。
この回転直交座標をなすdq座標は、例えば回転子ユニット3の外周側回転子5の永久磁石9による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)としており、モータ1の回転子ユニット3の回転位相に同期して回転している。これにより、PDU41からモータ1の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるd軸目標電流Idcおよびq軸目標電流Iqcを与えるようになっている。
電流偏差算出部52は、界磁制御部53から入力されるd軸補正電流が加算されたd軸目標電流Idcと、d軸電流Idとの偏差ΔIdを算出するd軸電流偏差算出部52aと、電力制御部54から入力されるq軸補正電流が加算されたq軸目標電流Iqcと、q軸電流Iqとの偏差ΔIqを算出するq軸電流偏差算出部52bとを備えて構成されている。
なお、界磁制御部53は、例えばモータ1の回転数NMの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために回転子ユニット3の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をd軸補正電流としてd軸電流偏差算出部52aへ出力する。
また、電力制御部54は、例えばバッテリ42の残容量等に応じた適宜の電力制御に応じてq軸目標電流Iqcを補正するためのq軸補正電流をq軸電流偏差算出部52bへ出力する。
電流制御部55は、例えばモータ1の回転数NMに応じたPI(比例積分)動作により、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値Vdを算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値Vqを算出する。
dq−3相変換部56は、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
PWM信号生成部57は、例えば、正弦波状の各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波からなるキャリア信号と、スイッチング周波数とに基づくパルス幅変調により、PDU41のPWMインバータの各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。
フィルタ処理部58は、各電流センサ81,81により検出された各相電流に対する検出信号Ius,Iwsに対して、高周波成分の除去等のフィルタ処理を行い、物理量としての各相電流Iu,Iwを抽出する。
3相−dq変換部59は、フィルタ処理部58により抽出された各相電流Iu,Iwと、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMとにより、モータ1の回転位相による回転座標すなわちdq座標上でのd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
回転数演算部60は、回転センサ83から出力される検出信号からモータ1の回転子ユニット3の回転角θMを抽出すると共に、この回転角θMに基づき、モータ1の回転数NMを算出する。
誘起電圧定数算出部62は、位相位置センサ84から出力される位相位置θに基づき、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相に応じた誘起電圧定数Keを算出する。
誘起電圧定数指令出力部63は、例えばトルク指令Tqと、モータ1の回転数NMと、電源電圧VBとに基づき、モータ1の誘起電圧定数Keに対する指令値(誘起電圧定数指令)Kecを出力する。さらに、誘起電圧定数指令出力部63は、誘起電圧定数指令Kecに対応した相対位相の予定値あるいは指令値として、位相予定値Nθを出力すると共に、誘起電圧定数指令Kecに対応したモータ1の回転数NMの予定値あるいは指令値として、回転数予定値NNを出力する。
誘起電圧定数差分算出部64は、誘起電圧定数指令出力部63から出力される誘起電圧定数指令値Kecから、誘起電圧定数算出部62から出力される誘起電圧定数Keを減算して得た誘起電圧定数差分ΔKeを出力する。
位相制御部65は、例えば、誘起電圧定数差分算出部64から出力される誘起電圧定数差分ΔKeに応じて、この誘起電圧定数差分ΔKeをゼロとするようにして相対位相を制御するための制御指令θcを出力する。
可変速度演算部66は、位相位置センサ84から出力される位相位置θに基づき、この位相位置θの時間変化により可変速度演算値BVCを演算し、この可変速度演算値BVCおよび位相位置θを出力する。
記憶部67は、各所定値として、例えば、元圧変更油温閾値CTNと、元圧変更可変加速度閾値CMACと、元圧変更回転加速度閾値CNACと、元圧変更次回位相閾値CNθと、可変速度規定値VCとを記憶している。
元圧変更油温閾値CTNは、例えば回動機構11の作動液の粘度あるいは粘度に応じた濡れ量が所定の立ち上がりを示す温度付近の所定温度(例えば、油温)とされている。
元圧変更可変加速度閾値CMACは、例えば位相位置θが位相予定値Nθに到達するのに要する時間に係る可変加速度予定値MACに対する所定閾値であって、例えば位相位置θの可変幅180°(電気角)の変更に要する時間αに係る最大加速度を180°/αとすれば、この最大加速度の1/2程度の値とされている。
元圧変更回転加速度閾値CNACは、例えばモータ1の回転数NMが回転数予定値NNに到達するのに要する時間に係る回転加速度予定値NACに対する所定閾値であって、例えば停止状態からの全開加速に対する目標回転数に係る回転数上昇加速度を最大値とし、この最大値の1/2〜1/4程度の領域を通常の運転領域として、この最大加速度の1/2程度の値とされている。
また、可変速度規定値VCは、位相位置θに応じて変化する値とされている。
元圧可変制御部68は、例えば、液温センサToの検出信号に基づく現在の油温TNと、誘起電圧定数指令出力部63から入力される位相予定値Nθおよび回転数予定値NNと、位相位置センサ84の検出信号に基づく可変加速度予定値MACと、回転数演算部60から入力される回転数NMに基づく回転加速度予定値NACと、記憶部67に記憶された元圧変更油温閾値CTNおよび元圧変更可変加速度閾値CMACおよび元圧変更回転加速度閾値CNACおよび元圧変更次回位相閾値CNθとに基づき、いわばフィードフォワード処理によって、作動液の元圧適正値RPを算出し、この元圧適正値RPをオイルポンプ32に対する元圧指令値NPとして新たに設定する。
また、元圧可変制御部68は、可変速度演算部66から入力される可変速度演算値BVCと、記憶部67に記憶された可変速度規定値VCとに基づき、いわばフィードバック処理によって、作動液の元圧適正値RPを算出し、この元圧適正値RPをオイルポンプ32に対する元圧指令値NPとして新たに設定する。
この実施の形態によるモータ制御装置(つまり、制御装置100a)は上記構成を備えており、次に、この制御装置100aの動作、特に、元圧指令値NPを設定する制御元圧可変の処理について説明する。
以下に、フィードフォワード処理によって、元圧指令値NPを設定する処理について説明する。
先ず、例えば図8に示すステップS01においては、この時点での元圧指令値NPを取得する。
次に、ステップS02においては、液温センサToの検出信号に基づく現在の油温TNを取得する。
次に、ステップS03においては、記憶部67に記憶された元圧変更油温閾値CTNを取得する。
次に、ステップS04においては、後述する可変加速度予定値MAC取得の処理を実行する。
次に、ステップS05においては、記憶部67に記憶された元圧変更可変加速度閾値CMACを取得する。
次に、ステップS06においては、後述する回転加速度予定値NAC取得の処理を実行する。
次に、ステップS07においては、記憶部67に記憶された元圧変更回転加速度閾値CNACを取得する。
次に、ステップS08においては、誘起電圧定数指令出力部63から入力される位相予定値Nθ、つまり次回の処理での位相位置θの予定値あるいは指令値を取得する。
次に、ステップS09においては、記憶部67に記憶された元圧変更次回位相閾値CNθを取得する。
そして、ステップS10においては、油温TNは元圧変更油温閾値CTNよりも大きいか否かの判定と、可変加速度予定値MACは元圧変更可変加速度閾値CMACよりも大きいか否かの判定と、回転加速度予定値NACは元圧変更回転加速度閾値CNACよりも大きいか否かの判定と、位相予定値Nθは元圧変更次回位相閾値CNθよりも大きいか否かの判定とのうち、何れかひとつの判定結果が「YES」であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS11に進む。
そして、ステップS11においては、油温TNは元圧変更油温閾値CTNよりも大きいか否かの判定と、回転加速度予定値NACは元圧変更回転加速度閾値CNACよりも大きいか否かの判定と、位相予定値Nθは元圧変更次回位相閾値CNθよりも大きいか否かの判定とのうち、何れかひとつの判定結果が「YES」であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS13に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合、つまり可変加速度予定値MACが元圧変更可変加速度閾値CMACよりも大きいだけである場合には、ステップS12に進み、このステップS12においては、例えば図9に示すように、元圧適正値RPと可変加速度予定値MACとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により元圧適正値RPを算出する。そして、後述するステップS18に進む。
なお、この所定マップでは、元圧適正値RPは可変加速度予定値MACに応じて相対的に急激に変動しており、例えば可変加速度予定値MACが所定値以上に増大することに伴い、元圧適正値RPがステップ状に増大するように設定されている。
そして、ステップS13においては、油温TNは元圧変更油温閾値CTNよりも大きいか否かの判定と、位相予定値Nθは元圧変更次回位相閾値CNθよりも大きいか否かの判定とのうち、何れかひとつの判定結果が「YES」であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS15に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合、つまり回転加速度予定値NACが元圧変更回転加速度閾値CNACよりも大きいだけである場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、例えば図10に示すように、元圧適正値RPと回転加速度予定値NACとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により元圧適正値RPを算出する。そして、後述するステップS18に進む。
なお、この所定マップでは、元圧適正値RPは回転加速度予定値NACに応じて相対的に中程度に変動しており、例えば回転加速度予定値NACが所定値以上に増大することに伴い、元圧適正値RPが増大傾向に変化するように設定されている。しかも、この回転加速度予定値NACに応じた元圧適正値RPの変化度合いは、上述した可変加速度予定値MACに応じた元圧適正値RPの変化度合いよりも相対的に小さくなるように設定されている。
そして、ステップS15においては、位相予定値Nθは元圧変更次回位相閾値CNθよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、つまり回転加速度予定値NACは元圧変更回転加速度閾値CNAC以下である場合には、ステップS16に進み、このステップS16においては、例えば図11に示すように、元圧適正値RPと油温TNとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により元圧適正値RPを算出する。そして、後述するステップS18に進む。
なお、この所定マップでは、元圧適正値RPは油温TNに応じて相対的に緩慢に変動しており、例えば油温TNが所定値以上に増大することに伴い、元圧適正値RPが緩やかに増大傾向に変化するように設定されている。しかも、この油温TNに応じた元圧適正値RPの変化度合いは、上述した回転加速度予定値NACに応じた元圧適正値RPの変化度合いよりも相対的に小さくなるように設定されている。
一方、ステップS15の判定結果が「YES」の場合、つまり位相予定値Nθは元圧変更次回位相閾値CNθよりも大きい場合には、ステップS17に進み、このステップS17においては、例えば図12に示すように、元圧適正値RPと位相予定値Nθとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により元圧適正値RPを算出する。そして、後述するステップS18に進む。
なお、この所定マップでは、位相予定値Nθの変化に伴い外周側回転子5と内周側回転子6との相対トルクが変化することに対応して、位相予定値Nθが所定値に向かい変動することに伴い、元圧適正値RPは増大傾向に変化し、位相予定値Nθが所定値から離れるように変動することに伴い、元圧適正値RPは減少傾向に変化するように設定されている。
そして、ステップS18においては、元圧指令値NPとして元圧適正値RPを新たに設定し、一連の処理を終了する。
以下に、上述したステップS04での可変加速度予定値MAC取得の処理について説明する。
先ず、例えば図13に示すステップS21においては、位相位置センサ84の検出信号に基づき、この時点での位相位置Rθを取得する。
次に、ステップS22においては、誘起電圧定数指令出力部63から入力される位相予定値Nθ、つまり次回の処理での位相位置θの推定値または指令値を取得する。
次に、ステップS23においては、例えば図14に示すように、位相変化つまり位相予定値Nθと位相位置Rθとの偏差の絶対値|(Nθ−Rθ)|と、必要時間NTAとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により、必要時間NTAつまり位相位置Rθが位相予定値Nθに到達するのに要する時間を算出する。
なお、この所定マップでは、位相変化|(Nθ−Rθ)|が増大することに伴い、必要時間NTAは増大傾向に変化するように設定されている。
次に、ステップS24においては、位相予定値Nθと位相位置Rθとの偏差(Nθ−Rθ)を必要時間NTAにより除算して得た値((Nθ−Rθ)/NTA)を、可変加速度予定値MACとして設定し、一連の処理を終了する。
以下に、上述したステップS06での回転加速度予定値NAC取得の処理について説明する。
先ず、例えば図15に示すステップS31においては、回転数演算部60から入力される回転数NMに基づき、この時点での回転数RNを取得する。
次に、ステップS32においては、誘起電圧定数指令出力部63から入力される回転数予定値NN、つまり次回の処理での回転数NMの推定値または指令値を取得する。
次に、ステップS33においては、例えば図16に示すように、回転数変化つまり回転数予定値NNと回転数RNとの偏差の絶対値|(NN−RN)|と、必要時間NTRとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により、必要時間NTRつまり回転数RNが回転数予定値NNに到達するのに要する時間を算出する。
なお、この所定マップでは、回転数変化|(NN−RN)|が増大することに伴い、必要時間NTRは増大傾向に変化するように設定されている。
次に、ステップS34においては、回転数予定値NNと回転数RNとの偏差(NN−RN)を必要時間NTRにより除算して得た値((NN−RN)/NTR)を、回転加速度予定値NACとして設定し、一連の処理を終了する。
なお、図16に示す回転数変化|(NN−RN)|と必要時間NTRとの対応関係は、例えばモータ1に対する通電量および位相位置θおよびモータ1に対する負荷等に応じて変化するように設定されている。
上述したように、この実施の形態によるモータ制御装置によれば、外周側回転子5と内周側回転子6の相対位相を作動液の圧力により変更する際に、回動機構11の応答状態量(例えば、可変加速度予定値MAC、回転加速度予定値NAC、油温TN、位相予定値Nθ等)に基づき元圧指令値NPを補正することにより、例えば制御上のゲイン変更のみでは元圧不足に起因して各種の外乱を吸収することができない状態であっても、所望の応答状態を確保することができる。
また、相位置Rθが位相予定値Nθに到達するのに要する必要時間NTAに基づき元圧指令値NPを補正することにより、位相変更に遅れが生じてしまうことを防止することができる。
また、回転数RNが回転数予定値NNに到達するのに要する必要時間NTRに基づき元圧指令値NPを補正することにより、モータ1の回転数NMの増大に遅れが生じてしまうことを防止することができる。
また、油温TNに基づき元圧指令値NPを補正することにより、油温TNに起因して作動液の粘度および濡れ量が相対的に低い状態であっても、位相変更に対する所望の応答状態を確保することができる。
しかも、可変加速度予定値MACに応じた元圧適正値RPの変化度合いは、回転加速度予定値NACに応じた元圧適正値RPの変化度合いよりも大きく、かつ、回転加速度予定値NACに応じた元圧適正値RPの変化度合いは、油温TNに応じた元圧適正値RPの変化度合いよりも大きくなるように設定することにより、ロバストな制御応答性を確保することができる。
さらに、相対位相に係る位相予定値Nθに基づき元圧適正値RPを補正することにより、相対位相に応じた相対トルクの変化に対応して適切な応答を確保することができる。
なお、上述した実施の形態のステップS01からステップS18に示す制御元圧可変の処理においては、位相予定値Nθと可変加速度予定値MACと油温TNと回転加速度予定値NACとの何れかによるいわばフィードフォワード処理によって、元圧指令値NPを新たに設定するとしたが、これに限定されず、例えば図17に示す制御元圧可変の処理の変形例のように、いわばフィードバック処理によって、元圧指令値NPを新たに設定してもよい。
この変形例では、先ず、例えば図17に示すステップS41において、例えば前回の処理での位相位置と、この時点での位相位置とに基づく、位相位置θの時間変化により、可変速度演算値BVCを取得する。
次に、ステップS42においては、例えば図18に示すように、この時点での位相位置θと、可変速度規定値VCとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により、可変速度規定値VCを算出する。
なお、この所定マップでは、位相位置θの変化に伴い外周側回転子5と内周側回転子6との相対トルクが変化することに対応して、位相位置θが所定値に向かい変動することに伴い、可変速度規定値VCは増大傾向に変化し、位相位置θが所定値から離れるように変動することに伴い、可変速度規定値VCは減少傾向に変化するように設定されている。
次に、ステップS43においては、可変速度演算値BVCと可変速度規定値VCとの偏差の絶対値|(BVC−VC)|は、所定の可変速度閾値よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS44に進む。
次に、ステップS44においては、この時点での元圧指令値NPを取得する。
次に、ステップS45においては、例えば図19に示すように、元圧適正値RPと、可変速度演算値BVCと可変速度規定値VCとの偏差(BVC−VC)と、元圧指令値NPとの所定の対応関係を示す所定マップに対するマップ検索により元圧適正値RPを算出する。
なお、図19に示す所定マップは、例えば図20および図21に示す各マップにより構成されており、例えば図20に示すマップでは、元圧指令値NPが増大することに伴い、係数αが増大傾向に変化するように設定されている。そして、例えば図21に示すマップでは、偏差(BVC−VC)が増大することに伴い、変数BRP(=元圧適正値RP/係数α)が減少傾向に変化するように設定されている。
そして、ステップS46においては、元圧指令値NPとして元圧適正値RPを新たに設定し、一連の処理を終了する。
この変形例によれば、相対位相の実変更速度、つまり可変速度演算値BVCと可変速度規定値VCとの偏差に基づき元圧指令値NPを補正することにより、相対位相に応じた相対トルクの変化に対応して適切な応答を確保することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えば、ハイブリッド車両以外に電気自動車等に適用してもよいし、車両に適用する場合に限らず、適宜の装置に搭載されるモータに適用してもよい。
本発明の実施の形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るモータの要部断面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの回転子ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る制御元圧可変の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る可変加速度予定値MACと元圧適正値RPとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る回転加速度予定値NACと元圧適正値RPとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る油温TNと元圧適正値RPとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る位相予定値Nθと元圧適正値RPとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る可変加速度予定値MAC取得の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る位相変化|(Nθ−Rθ)|と必要時間NTAとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る回転加速度予定値NAC取得の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る回転数変化|(NN−RN)|と必要時間NTRとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態の変形例に係る制御元圧可変の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る相対位相θに応じた可変速度規定値VCの変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る可変速度演算値BVCと可変速度規定値VCとの偏差(BVC−VC)と元圧指令値NPと元圧適正値RPとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る元圧指令値NPと係数αとの対応関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る可変速度演算値BVCと可変速度規定値VCとの偏差(BVC−VC)と変数BRP(=元圧適正値RP/係数α)との対応関係の一例を示すグラフ図である。
符号の説明
1 モータ
5 外周側回転子(ロータ、外周側回転子)
6 内周側回転子(ロータ、内周側回転子)
9 永久磁石(内周側永久磁石、外周側永久磁石)
11 回動機構
12 位相変更手段
13 油圧制御装置(アクチュエータ)
14 ベーンロータ
15 環状ハウジング(ハウジング)
16 ドライブプレート(端板)
24 進角側作動室(圧力室)
25 遅角側作動室(圧力室)
68 元圧可変制御部(補正手段)
実位相値取得手段 ステップS21
実回転数取得手段 ステップS31
第1の補正手段 ステップS12およびステップS18
第2の補正手段 ステップS14およびステップS18
第3の補正手段 ステップS16およびステップS18
第4の補正手段 ステップS17およびステップS18
第5の補正手段 ステップS45およびステップS46

Claims (8)

  1. 互いの相対位相を変更可能な複数のロータを備えるモータと、
    前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段とを備えるモータ制御装置であって、
    前記位相変更手段は、前記相対位相に対する変更要求に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータを備え、
    前記位相変更手段の作動時における前記アクチュエータの応答状態量に基づき前記作動流体の元圧を補正する補正手段を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記アクチュエータの応答状態量として前記相対位相に係る実位相値を取得する実位相値取得手段と、
    前記実位相値が位相指令値に移行するまでに要する移行時間に基づき前記元圧を補正する第1の補正手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記アクチュエータの応答状態量として前記モータの実回転数を取得する実回転数取得手段と、
    前記実回転数が回転数指令値に移行するまでに要する移行時間に基づき前記元圧を補正する第2の補正手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記アクチュエータの応答状態量として前記作動流体の温度を取得する温度取得手段と、
    前記温度に基づき前記元圧を補正する第3の補正手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置、
  5. 前記補正手段は、前記第1の補正手段と前記第2の補正手段と前記第3の補正手段とのうちの何れかひとつにより前記元圧を補正し、前記第1の補正手段の補正度合いは前記第2の補正手段の補正度合いよりも大きく、かつ、前記第2の補正手段の補正度合いは前記第3の補正手段の補正度合いよりも大きくなるように設定することを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記相対位相に係る位相指令値に基づき前記元圧を補正する第4の補正手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載のモータ制御装置。
  7. 前記アクチュエータの応答状態量として前記相対位相の変更速度を取得する変更速度取得手段と、
    前記変更速度に基づき前記元圧を補正する第5の補正手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1つに記載のモータ制御装置。
  8. 前記複数のロータは互いの回転軸線が同軸に配置された内周側回転子および外周側回転子を備え、
    前記内周側回転子は周方向に配置された内周側永久磁石を具備し、
    前記外周側回転子は周方向に配置された外周側永久磁石を具備し、
    前記位相変更手段は、
    前記内周側回転子の内側に配置されるとともに、軸線方向の端面を覆うようにして前記外周側回転子に固定された端板を介して前記外周側回転子に対して一体回転可能に設けられたベーンロータと、前記内周側回転子に対して一体回転可能に設けられるとともに、前記ベーンロータの羽根部を回動可能に収容しつつ該ベーンロータとで圧力室を画成する凹部を有するハウジングとを備え、
    前記ベーンロータを経由した前記圧力室への前記作動流体の供給により、少なくとも前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方を前記回転軸線周りに相対的に回動させることによって、前記相対位相を変更することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1つに記載のモータ制御装置。
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