JP4805129B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、例えばサーボ圧により互いの位相位置を変更可能な第1永久磁極片および第2永久磁極片を具備し、界磁磁束量を変更可能なモータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭55−153300号公報
ところで、上記従来技術の一例に係るモータにおいて、例えば油圧等のサーボ圧により各永久磁極片の位相位置を変更する際には、各永久磁極片の配置状態やモータの回転状態等に応じて、この位相位置が適宜の値に到達した時点でサーボ圧の印加が不要となる場合がある。しかしながら、この位相位置の情報を直接的に検出する適宜のセンサ(例えば、レゾルバ等)を省略して装置構成を簡略化した場合には、サーボ圧の印加の要否を適切に判定することが困難となり、装置での消費エネルギーを低減することができないという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、作動流体の流体圧によってモータの誘起電圧定数を変更する際のエネルギー効率を向上させることが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明のモータ制御装置は、互いの相対位相を変更可能な複数のロータ(例えば、実施の形態での外周側回転子5と内周側回転子6)を備えるモータと、前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段(例えば、実施の形態での位相変更手段12)とを備えるモータ制御装置であって、前記位相変更手段は、前記相対位相に対する変更要求に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータ(例えば、実施の形態での電磁ソレノイド37b)と、前記流体圧を検出する圧力検出手段(例えば、実施の形態での圧力センサ84)と、前記圧力検出手段の検出結果に応じて前記流体圧のサージを検知し、該サージの検知結果に基づき前記相対位相が所定の可変閾位相に到達したか否かを判定する判定手段(例えば、実施の形態での可変閾位相判定部61)とを備えることを特徴としている。
さらに前記可変閾位相は、電気角で180°よりも所定角だけ大きい角度であることを特徴としている。
さらに前記相対位相の変更に応じて誘起電圧定数を徐々に変更し、前記判定手段の判定結果において前記相対位相が前記可変閾位相に到達したと判定された場合に、前記誘起電圧定数を所定値に設定する誘起電圧定数変更手段(例えば、実施の形態での誘起電圧定数算出部62)を備えることを特徴としている。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置では、前記誘起電圧定数変更手段は、前記流体圧が所定圧以上に到達した時点以降に前記誘起電圧定数の変更を開始することを特徴としている。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置では、前記位相変更手段は、一方の前記ロータ(例えば、実施の形態での内周側回転子6)に一体に設けられたハウジング(例えば、実施の形態における環状ハウジング15)と、他方の前記ロータ(例えば、実施の形態での外周側回転子5)に一体に設けられるとともに前記ハウジングとで圧力室(例えば、実施の形態における進角側作動室24、遅角側作動室25)を形成し、前記圧力室へ導入される前記作動流体の流体圧で前記ハウジングに対する相対的な位相を変更するベーンロータ(例えば、実施の形態におけるベーンロータ14)とを備え、他方の前記ロータの駆動力を出力軸(例えば、実施の形態における回転軸4)に伝達する端板(例えば、実施の形態におけるドライブプレート16)が他方の前記ロータおよび前記ベーンロータの軸線方向両端側に固定されることで包囲されるこれら他方の前記ロータ、ベーンロータおよび両端板の間の空間(例えば、実施の形態における導入空間23)に、一体の一方の前記ロータおよび前記ハウジングが周方向に回動可能に配置されていることを特徴としている。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置では、前記ベーンロータに形成された羽根部(例えば、実施の形態における羽根部18)が前記ハウジングに形成された凹部(例えば実施形態における凹部19)に収容されており、これら羽根部と凹部とで前記圧力室が形成されていることを特徴としている。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置では、他方の前記ロータの軸線方向両端側に固定された端板が、それぞれ前記ベーンロータの羽根部と一体に固定されていることを特徴としている。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置では、他方の前記ロータの軸線方向両端側に固定された端板が、それぞれ前記出力軸と一体に固定されていることを特徴としている。
請求項1に記載の本発明のモータ制御装置によれば、流体圧を制御するアクチュエータにおいて、シリンダーやベーン等の可動部がストロークエンドに到達すると、流体圧が急激に増大するサージが発生することから、このサージの発生を検知することによってアクチュエータの可動部がストロークエンドに到達したことを検知することができる。これにより、複数のロータの相対位相が所定の可変閾位相に到達した際にアクチュエータの可動部がストロークエンドに到達するように設定することで、圧力検出手段による流体圧の検出結果に基づき、相対位相が所定の可変閾位相に到達したか否かを判定することができる。
さらに相対位相の可変閾位相を電気角で180°よりも所定角だけ大きい角度とし、電気角で180°の相対位相を境に、複数のロータの相対トルクの正負が反転するように設定することにより、相対位相が可変閾位相に到達した時点以降においては、負の相対トルクによって相対位相を維持することができ、アクチュエータによる流体圧の印加が不要となり、アクチュエータの消費エネルギーを低減することができる。
また適宜のタイミングでの相対位相を直接的に検出する必要無しに、アクチュエータによる流体圧の印加の要否を精度良く判定することができる。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置によれば、流体圧が所定圧以上に到達した時点以降に誘起電圧定数の変更を開始することにより、誘起電圧定数の変更つまり相対位相の変更に要する所望の流体圧が不足してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置によれば、位相変更手段は、複数のロータの何れか一方のロータに一体に設けられたハウジングと、複数のロータの何れか他方のロータに一体に設けられるとともにハウジングとで圧力室を形成しこの圧力室へ導入される作動流体圧でハウジングに対する相対的な位相を変更するベーンロータとを有する、簡素なベーンアクチュエータを用いるため、モータが複雑化することを確実に抑制しつつ、容易かつ適切に、しかも所望のタイミングで誘起電圧定数を可変とすることができる。
加えて、他方のロータの駆動力を出力軸に伝達する端板が他方のロータおよびベーンロータの軸線方向両端側に固定されることで包囲されるこれら他方のロータ、ベーンロータおよび両端板の間の空間に、一体の一方のロータおよびハウジングが周方向に回動可能に配置されているため、作動流体の圧力を、一方のロータの内側に一体に設けられたハウジングとベーンロータとの間の相対的な位相、つまり一方のロータと他方のロータとの間の相対的な位相の変更のために主として用いることができる。したがって、作動流体で発生させる必要がある圧力を低く抑えることができる。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置によれば、ベーンロータの羽根部とハウジングの凹部とで画成された圧力室に作動流体圧を導入すると、圧力室が拡大する方向にハウジングとベーンロータとの間の相対的な位相を変更することになり、その結果、ハウジングの外側に一体に設けられた一方のロータと、ベーンロータに一体に設けられた他方のロータとの間の相対的な位相を変更することになる。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置によれば、他方のロータの軸線方向両端側に固定された端板が、それぞれベーンロータの羽根部と一体に固定されているため、羽根部と端板との隙間を作動流体が通過してしまうのを抑えることができるとともに、羽根部の変形およびこの変形に起因した羽根部の先端側の変位を抑制することができる。
さらに、請求項に記載の発明のモータ制御装置によれば、他方のロータの軸線方向両端側に固定された端板が、それぞれ出力軸と一体に固定されているため、出力軸に対して、他方のロータ、ベーンロータおよび両端板が両持ちで支持されることになる。したがって、他方のロータ、ベーンロータおよび両端板を良好に支持することができる。
以下、本発明のモータ制御装置の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態によるモータ制御装置は、例えば走行駆動源としてモータを備えるハイブリッド車や電動車両等の車両に制御装置として搭載されている。具体的には、図1に示すように、制御装置100aを搭載する車両100は、モータ1および内燃機関Eを駆動源として備えるパラレルハイブリッド車両であり、モータ1と、内燃機関Eと、トランスミッションT/Mとは直列に直結され、少なくともモータ1または内燃機関Eの駆動力は、クラッチCおよびトランスミッションT/Mを介して車両100の駆動輪Wに伝達されるようになっている。
そして、この車両100の減速時に駆動輪W側からモータ1に駆動力が伝達されると、モータ1は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。また、内燃機関Eの出力がモータ1に伝達された場合にもモータ1は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
ここで、制御装置100aが設けられた車両100には、例えばアクセルペダル開度センサ(図示略)、ブレーキペダルスイッチセンサ(図示略)、車輪速センサNW、油温センサTo等の各種センサが設けられており、制御装置100aはこれら各種センサの検出結果に基づいて、内燃機関E、モータ1、クラッチC、トランスミッションT/Mのそれぞれの制御系に対して制御指令を出力する。
モータ1は、例えば図2〜図5に示すように、円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータとされている。
固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。モータ1の回転力はクラッチCおよびトランスミッションT/Mを介して駆動輪Wに伝達される。
回転子ユニット3は、例えば円環状の外周側回転子5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6とが所定の設定角度の範囲で相対的に回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、各回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御(例えば、磁路短絡の抑制等)するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9,…,9が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12の一部を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液(例えば、トランスミッションT/M用の潤滑油、エンジンオイル等でもよい)の圧力によって操作されるようになっている。
位相変更手段12は、例えば図7に示すように、回動機構11と、この回動機構11に供給する作動液の圧力を制御する油圧制御装置13とを主要な要素として備えて構成されている。
回動機構11は、例えば図2〜図5に示すように、回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数の羽根部18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応する羽根部18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、羽根部18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の突出部21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、羽根部18が一方の突出部21と他方の突出部21の間を変位し得るようになっている。
この実施の形態においては、突出部21は羽根部18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制する規制部材としても機能する。なお、各羽根部18の先端部と突出部21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によって羽根部18と凹部19の底壁20、突出部21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、例えば図2に示すように、内周側回転子6や突出部21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各羽根部18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。
進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図3,図5中の矢印Rで示すモータ1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、モータ1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、例えば図7に示す油圧制御装置13の進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧制御装置13の遅角側給排通路27に接続されている。さらに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、例えば図2に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c,…,26c,27c,…,27cに接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
この実施の形態のモータ1において、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(例えば、図3,図6(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(例えば、図5,図6(b)参照)になるように設定されている。
なお、このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、このように磁界の強さが変更されると、これに伴って誘起電圧定数Keが変化し、この結果、モータ1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
油圧制御装置13は、例えば図7に示すように、オイルタンク(図示略)から作動液を吸い上げて通路に吐出する電動のオイルポンプ(EOP)32と、このオイルポンプ32から吐出された作動液の油圧を調整して高圧のライン通路33に導入し、余剰分の作動液を各種機器の潤滑や冷却のための低圧通路34に流出させるレギュレータバルブ35と、ライン通路33に導入された作動液を進角側給排通路26と遅角側給排通路27に振り分けるとともに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27で不要な作動液をドレン通路36に排出する流路切換弁37とを備えている。
レギュレータバルブ35は、ライン通路33の圧力を制御圧として受け、反力スプリング38とのバランスによって作動液の振り分けを行う。
また、流路切換弁37は、制御スプール37aを進退操作する電磁ソレノイド37bを有し、この電磁ソレノイド37bが制御装置100aによって制御されるようになっている。
制御装置100aは、例えば図1に示すように、モータ制御部40と、PDU(パワードライブユニット)41と、バッテリ42とを備えて構成されている。
PDU41は、例えばトランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備え、モータ1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ42に接続されている。
そして、PWMインバータは、例えばモータ1の駆動時等において、モータ制御部40から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、パルス幅変調信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリ42から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
モータ制御部40は、例えば図1に示すように、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度を検出するアクセルペダル開度センサの検出結果に基づいて算出されるトルク指令値Tqに基づきd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcを演算し、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてPDU41へゲート信号であるPWM信号を入力すると共に、実際にPDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
このモータ制御部40は、例えば、目標電流設定部51と、電流偏差算出部52と、界磁制御部53と、電力制御部54と、電流制御部55と、dq−3相変換部56と、PWM信号生成部57と、フィルタ処理部58と、3相−dq変換部59と、回転数演算部60と、可変閾位相判定部61と、誘起電圧定数算出部62と、誘起電圧定数指令出力部63と、誘起電圧定数差分算出部64と、位相制御部65とを備えて構成されている。
そして、このモータ制御部40には、PDU41からモータ1に出力される3相の各相電流Iu,Iv,Iwのうち、2相のU相電流IuおよびW相電流Iwを検出する各電流センサ81,81から出力される各検出信号Ius,Iwsと、バッテリ42の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ82から出力される検出信号と、モータ1のロータの回転角θM(つまり、所定の基準回転位置からの回転子ユニット3の磁極の回転角度)を検出する回転センサ83から出力される検出信号と、位相変更手段12の進角側作動室24と遅角側作動室25での作動液の圧力または進角側作動室24と遅角側作動室25に連通する通路(例えば、進角側給排通路26と遅角側給排通路27あるいはライン通路33等)での作動液の圧力を検出する圧力センサ84から出力される検出信号(圧力検出値P)と、車両100の各車輪の回転速度(車輪速)を検出する複数の車輪速センサNWから出力される検出信号等とが入力されている。
目標電流設定部51は、例えば外部の制御装置(図示略)から入力されるトルク指令Tq(例えば、運転者によるアクセルペダルAPの踏み込み操作量を検出するアクセルペダル開度センサの出力に応じて必要とされるトルクをモータ1に発生させるための指令値)と、回転数演算部60から入力されるモータ1の回転数NMとに基づき、PDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算しており、この電流指令は、回転する直交座標上でのd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとして電流偏差算出部52へ出力されている。
この回転直交座標をなすdq座標は、例えば回転子ユニット3の外周側回転子5の永久磁石9による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)としており、モータ1の回転子ユニット3の回転位相に同期して回転している。これにより、PDU41からモータ1の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるd軸目標電流Idcおよびq軸目標電流Iqcを与えるようになっている。
電流偏差算出部52は、界磁制御部53から入力されるd軸補正電流が加算されたd軸目標電流Idcと、d軸電流Idとの偏差ΔIdを算出するd軸電流偏差算出部52aと、電力制御部54から入力されるq軸補正電流が加算されたq軸目標電流Iqcと、q軸電流Iqとの偏差ΔIqを算出するq軸電流偏差算出部52bとを備えて構成されている。
なお、界磁制御部53は、例えばモータ1の回転数NMの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために回転子ユニット3の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をd軸補正電流としてd軸電流偏差算出部52aへ出力する。
また、電力制御部54は、例えばバッテリ42の残容量等に応じた適宜の電力制御に応じてq軸目標電流Iqcを補正するためのq軸補正電流をq軸電流偏差算出部52bへ出力する。
電流制御部55は、例えばモータ1の回転数NMに応じたPI(比例積分)動作により、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値Vdを算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値Vqを算出する。
dq−3相変換部56は、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
PWM信号生成部57は、例えば、正弦波状の各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波からなるキャリア信号と、スイッチング周波数とに基づくパルス幅変調により、PDU41のPWMインバータの各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。
フィルタ処理部58は、各電流センサ81,81により検出された各相電流に対する検出信号Ius,Iwsに対して、高周波成分の除去等のフィルタ処理を行い、物理量としての各相電流Iu,Iwを抽出する。
3相−dq変換部59は、フィルタ処理部58により抽出された各相電流Iu,Iwと、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMとにより、モータ1の回転位相による回転座標すなわちdq座標上でのd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
回転数演算部60は、回転センサ83から出力される検出信号からモータ1の回転子ユニット3の回転角θMを抽出すると共に、この回転角θMに基づき、モータ1の回転数NMを算出する。
可変閾位相判定部61は、圧力センサ84から出力される圧力検出値Pに基づき、電磁ソレノイド37bにより進退操作される制御スプール37aがストロークエンドに到達した際、つまり回動機構11において羽根部18が突出部21に当接した際に発生する相対的に急激かつ一時的な圧力上昇によるサージを検知したか否かを判定することによって、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相θが可変閾位相(つまり、弱め界磁の状態に対応する進角側の可変閾位相、または、強め界磁の状態に対応する遅角側の可変閾位相)に到達したか否かを判定する。そして、この判定結果に応じて、相対位相θが可変閾位相に到達したことを示す位相フラグのフラグ値に「1」または「0」を設定して、この位相フラグを位相情報として誘起電圧定数算出部62に出力すると共に、作動液の圧力(油圧)または流量に対する制御指令を位相制御部65に出力する。
例えば可変閾位相判定部61は、外部の制御装置等から入力される進角側指令または遅角側指令に応じて、油圧制御装置13のオイルポンプ32の作動開始または作動停止を指示する制御指令を位相制御部65に出力すると共に、圧力センサ84から出力される圧力検出値Pに基づき、オイルポンプ(EOP)32の吐出圧であるEOP圧力(PEOP)が所定圧力A以上であるか否かを判定し、この判定結果に応じて、電磁ソレノイド37bの進退操作に対する進角側指令(電磁ソレノイド進角側指令)または遅角側指令(電磁ソレノイド遅角側指令)を位相制御部65に出力する。
ここで、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相θは、例えば図8に示すように、強め界磁の状態に対応する遅角側の可変閾位相である電気角の0°から、弱め界磁の状態に対応する進角側の可変閾位相であって電気角の180°よりも所定角だけ大きい角度(例えば、電気角の210°)まで可変とされている。そして、相対位相θに応じた相対トルクの変化は、相対位相θが電気角の0°以上かつ電気角の180°未満である場合に相対トルクがゼロよりも大きく、相対位相θが電気角の180°である場合に相対トルクがゼロとなり、相対位相θが電気角の180°よりも大きくかつ電気角の210°以下である場合に相対トルクがゼロよりも小さくなるように設定されている。
これにより、相対位相θが遅角側の可変閾位相(電気角の0°)に到達した状態では、作動液の圧力を必要とせずに、正の相対トルクによって、この相対位相θが維持され、一方、相対位相θが進角側の可変閾位相(電気角の210°)に到達した状態では、作動液の圧力を必要とせずに、負の相対トルクによって、この相対位相θが維持されるようになっている。
誘起電圧定数算出部62は、可変閾位相判定部61から出力される位相情報に基づき、内周側回転子6と外周側回転子5との相対位相θに応じた誘起電圧定数Keを算出する。例えば誘起電圧定数算出部62は、取得した位相情報において、相対位相θが可変閾位相に到達したことを示す位相フラグのフラグ値に「1」が設定されている場合には、誘起電圧定数Keとして、所定の可変閾位相(進角側)時Keまたは可変閾位相(遅角側)時Keを設定する。一方、位相フラグのフラグ値に「0」が設定され、相対位相θが変更されている場合には、例えば予め設定された所定の変更速度に応じて、誘起電圧定数Keを、所定の可変閾位相(進角側)時Keまたは可変閾位相(遅角側)時Keから変更するための見込み係数を設定し、この見込み係数に応じて、例えば所定の変更速度に比例あるいは反比例するようにして、誘起電圧定数Keを変化させる。
誘起電圧定数指令出力部63は、例えばトルク指令Tqと、モータ1の回転数NMと、電源電圧VBとに基づき、モータ1の誘起電圧定数Keに対する指令値(誘起電圧定数指令)Kecを出力する。
誘起電圧定数差分算出部64は、誘起電圧定数指令出力部63から出力される誘起電圧定数指令値Kecから、誘起電圧定数算出部62から出力される誘起電圧定数Keを減算して得た誘起電圧定数差分ΔKeを出力する。
位相制御部65は、例えば、誘起電圧定数差分算出部64から出力される誘起電圧定数差分ΔKeに応じて、この誘起電圧定数差分ΔKeをゼロとするようにして相対位相θを制御するための制御指令θcを出力する。
さらに、位相制御部65は、可変閾位相判定部61から入力される制御指令に応じて、油圧制御装置13のオイルポンプ32の作動開始または作動停止を指示する制御指令と、電磁ソレノイド37bの進退操作に対する進角側指令(電磁ソレノイド進角側指令)または遅角側指令(電磁ソレノイド遅角側指令)とを出力する。
この実施の形態によるモータ制御装置(つまり、制御装置100a)は上記構成を備えており、次に、この制御装置100aの動作、特に、可変閾位相判定の処理について説明する。
以下に、モータ1を弱め界磁の状態に移行させる際の可変閾位相判定の処理について説明する。
先ず、例えば図9に示すステップS01においては、進角側(弱め側移行)指令が発生しているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
そして、ステップS02においては、例えば図10に示す時刻t0のように、オイルポンプ(EOP)32の作動を開始する。これに伴い、誘起電圧定数Keに対する指令値(誘起電圧定数指令)Kecは、所定の可変閾位相(進角側)時Keに設定される。
そして、ステップS03においては、オイルポンプ(EOP)32の吐出圧であるEOP圧力(PEOP)が所定圧力A以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまり図10に示す時刻t1のようにEOP圧力PEOPが所定圧力Aに到達した場合には、ステップS04に進む。
そして、ステップS04においては、相対位相θに対する変更要求つまり進角側(弱め側移行)指令に対して予め設定された所定の変更速度と、誘起電圧定数Keを所定の可変閾位相(遅角側)時Keから変更するための見込み係数との所定の対応関係を示すマップに対するマップ検索等により、見込み係数を設定し、この見込み係数に応じて、例えば図10に示す時刻t1から時刻t3の期間のように、徐々に減少傾向に変化する誘起電圧定数Keを設定する。
そして、ステップS05においては、電磁ソレノイド37bに対する進角側指令(電磁ソレノイド進角側指令)を出力し、回動機構11の進角側作動室24内に作動液を供給させ、例えば図10に示す時刻t1以降での圧力検出値Pのように、進角側作動室24内に作動液による圧力(進角側圧力P_ADV)を発生させる。これにより、例えば図10に示すように、相対位相θは、強め界磁の状態に対応する遅角側の可変閾位相である電気角の0°から、弱め界磁の状態に対応する進角側の可変閾位相であって電気角の180°よりも所定角だけ大きい角度(例えば、電気角の210°)に向かい変化する。
そして、ステップS06においては、圧力検出値Pから移行時圧力P0を減算して得た値(P−P0)を、圧力差分ΔPとして設定する。なお、移行時圧力P0は、例えば図10に示す時刻t1以降での圧力検出値Pのように、電磁ソレノイド進角側指令の出力に伴い、進角側圧力P_ADVが一時的に増大した後に、相対的に長い期間に亘って継続的に維持される圧力値とされている。
そして、ステップS07においては、圧力差分ΔPが所定の差分閾値Bよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、例えば図10に示す時刻t3のように、相対位相θが時刻t2での電気角の180°よりも大きい進角側の可変閾位相(電気角の210°)に到達し、羽根部18が突出部21に当接することで、相対的に急激かつ一時的な圧力上昇によるサージが発生したと判断し、ステップS08に進む。
そして、ステップS08においては、誘起電圧定数Keとして、所定の可変閾位相(進角側)時Keを設定する。
そして、ステップS09においては、例えば図10に示す時刻t3以降のように、オイルポンプ(EOP)32の作動を停止し、一連の処理を終了する。
これにより、例えば図10に示す時刻t3以降においては、EOP圧力PEOPがゼロに向かい徐々に低下する。
なお、例えば図10に示す時刻t3以前のように相対位相θの変更時に圧力センサ84から出力される圧力検出値Pは、回動機構11の進角側作動室24に印加される圧力よりも低い値を示し、サージが発生した時刻t3以降において、例えば時刻t4のように圧力センサ84から出力される圧力検出値Pと、回動機構11の進角側作動室24に印加される圧力Cとが一致するようになっている。
以下に、モータ1を強め界磁の状態に移行させる際の可変閾位相判定の処理について説明する。
先ず、例えば図11に示すステップS11においては、遅角側(強め側移行)指令が発生しているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12においては、例えば図10に示す時刻t5のように、オイルポンプ(EOP)32の作動を開始する。これに伴い、誘起電圧定数Keに対する指令値(誘起電圧定数指令)Kecは、所定の可変閾位相(遅角側)時Keに設定される。
そして、ステップS13においては、オイルポンプ(EOP)32の吐出圧であるEOP圧力(PEOP)が所定圧力A以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまり図10に示す時刻t6のようにEOP圧力PEOPが所定圧力Aに到達した場合には、ステップS14に進む。
そして、ステップS14においては、相対位相θに対する変更要求つまり遅角側(強め側移行)指令に対して予め設定された所定の変更速度と、誘起電圧定数Keを所定の可変閾位相(進角側)時Keから変更するための見込み係数との所定の対応関係を示すマップに対するマップ検索等により、見込み係数を設定し、この見込み係数に応じて、例えば図10に示す時刻t6から時刻t8の期間のように、徐々に増大傾向に変化する誘起電圧定数Keを設定する。
そして、ステップS15においては、電磁ソレノイド37bに対する遅角側指令(電磁ソレノイド遅角側指令)を出力し、回動機構11の遅角側作動室25内に作動液を供給させ、例えば図10に示す時刻t6以降での圧力検出値Pのように、遅角側作動室25内に作動液による圧力(遅角側圧力P_RTD)を発生させる。これにより、例えば図10に示すように、相対位相θは、弱め界磁の状態に対応する進角側の可変閾位相であって電気角の180°よりも所定角だけ大きい角度(例えば、電気角の210°)から、強め界磁の状態に対応する遅角側の可変閾位相である電気角の0°に向かい変化する。
そして、ステップS16においては、圧力検出値Pから移行時圧力P0を減算して得た値(P−P0)を、圧力差分ΔPとして設定する。なお、移行時圧力P0は、例えば図10に示す時刻t6以降での圧力検出値Pのように、電磁ソレノイド遅角側指令の出力に伴い、遅角側圧力P_RTDが一時的に増大した後に、相対的に長い期間に亘って継続的に維持される圧力値とされている。
そして、ステップS17においては、圧力差分ΔPが所定の差分閾値Bよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、例えば図10に示す時刻t8のように相対位相θが遅角側の可変閾位相に到達し、羽根部18が突出部21に当接することで、相対的に急激かつ一時的な圧力上昇によるサージが発生したと判断し、ステップS18に進む。
そして、ステップS18においては、誘起電圧定数Keとして、所定の可変閾位相(遅角側)時Keを設定する。
そして、ステップS19においては、例えば図10に示す時刻t8のように、オイルポンプ(EOP)32の作動を停止し、一連の処理を終了する。
これにより、例えば図10に示す時刻t8以降においては、EOP圧力PEOPがゼロに向かい徐々に低下する。
なお、例えば図10に示す時刻t8以前のように相対位相θの変更時に圧力センサ84から出力される圧力検出値Pは、回動機構11の遅角側作動室25に印加される圧力よりも低い値を示し、サージが発生した時刻t8以降において、圧力センサ84から出力される圧力検出値Pと、回動機構11の遅角側作動室25に印加される圧力Cとが一致するようになっている。
上述したように、この実施の形態によるモータ制御装置によれば、圧力センサ84から出力される圧力検出値Pに基づき、回動機構11において羽根部18が進角側または遅角側の何れの突出部21に当接したかを判定することができ、この判定結果に応じてオイルポンプ32の作動停止を制御することから、外周側回転子5と内周側回転子6との相対位相θを直接的に検出する適宜のセンサ(例えば、レゾルバ等)を省略して装置構成を簡略化しつつ、不要なエネルギーの消費を防止して、作動液の圧力によってモータ1の誘起電圧定数Keを変更する際のエネルギー効率を向上させることができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えば、ハイブリッド車両以外に電気自動車等に適用してもよいし、車両に適用する場合に限らず、適宜の装置に搭載されるモータに適用してもよい。
本発明の実施の形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るモータの要部断面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの回転子ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る相対位相θに応じた相対トルクの変化を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータ制御装置の動作、特に、モータを弱め界磁の状態に移行させる際の可変閾位相判定の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る位相フラグと圧力検出値PとEOP圧力と誘起電圧定数Keとの時間変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータ制御装置の動作、特に、モータを強め界磁の状態に移行させる際の可変閾位相判定の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 モータ
5 外周側回転子(他方のロータ)
6 内周側回転子(一方のロータ)
12 位相変更手段
14 ベーンロータ
15 環状ハウジング(ハウジング)
16 ドライブプレート(端板)
18 羽根部
19 凹部
23 導入空間(空間)
24 進角側作動室(圧力室)
25 遅角側作動室(圧力室)
37b 電磁ソレノイド(アクチュエータ)
61 可変閾位相判定部(判定部)
62 誘起電圧定数算出部(誘起電圧定数変更手段)

Claims (6)

  1. 互いの相対位相を変更可能な複数のロータを備えるモータと、
    前記相対位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段とを備えるモータ制御装置であって、
    前記位相変更手段は、前記相対位相に対する変更要求に応じて前記流体圧を制御するアクチュエータと、前記流体圧を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に応じて前記流体圧のサージを検知し、該サージの検知結果に基づき前記相対位相が所定の可変閾位相に到達したか否かを判定する判定手段とを備え
    前記可変閾位相は、電気角で180°よりも所定角だけ大きい角度であり、
    前記相対位相の変更に応じて誘起電圧定数を徐々に変更し、前記判定手段の判定結果において前記相対位相が前記可変閾位相に到達したと判定された場合に、前記誘起電圧定数を所定値に設定する誘起電圧定数変更手段を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記誘起電圧定数変更手段は、前記流体圧が所定圧以上に到達した時点以降に前記誘起電圧定数の変更を開始することを特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
  3. 前記位相変更手段は、一方の前記ロータに一体に設けられたハウジングと、他方の前記ロータに一体に設けられるとともに前記ハウジングとで圧力室を形成し、前記圧力室へ導入される前記作動流体の流体圧で前記ハウジングに対する相対的な位相を変更するベーンロータとを備え、
    他方の前記ロータの駆動力を出力軸に伝達する端板が他方の前記ロータおよび前記ベーンロータの軸線方向両端側に固定されることで包囲されるこれら他方の前記ロータ、ベーンロータおよび両端板の間の空間に、一体の一方の前記ロータおよび前記ハウジングが周方向に回動可能に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記ベーンロータに形成された羽根部が前記ハウジングに形成された凹部に収容されており、これら羽根部と凹部とで前記圧力室が形成されていることを特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
  5. 他方の前記ロータの軸線方向両端側に固定された端板が、それぞれ前記ベーンロータの羽根部と一体に固定されていることを特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
  6. 他方の前記ロータの軸線方向両端側に固定された端板が、それぞれ前記出力軸と一体に固定されていることを特徴とする請求項から請求項の何れかひとつに記載のモータ制御装置。
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