JP2009166652A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位相が変更可能な電動機と内燃機関が搭載されたハイブリッド車両において、電動機が内燃機関のトルク変動によって生じた駆動軸の振動を抑制する制振制御を遅滞なく実行できるようにしたハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】位相を磁石片による合成磁束が弱められる弱め位相と強められる強め位相の間で変更する位相変更機構とを少なくとも備える電動機と、内燃機関とを備え、電動機と内燃機関の少なくともいずれかの出力を車輪に駆動軸を介して伝達するハイブリッド車両の制御装置において、内燃機関12のトルク変動によって駆動軸に生じる振動を抑制するように電動機を制御する制振制御が実行されるとき、位相変更機構を介して位相を強め位相側に変更する(S10からS18)。
【選択図】図9
【解決手段】位相を磁石片による合成磁束が弱められる弱め位相と強められる強め位相の間で変更する位相変更機構とを少なくとも備える電動機と、内燃機関とを備え、電動機と内燃機関の少なくともいずれかの出力を車輪に駆動軸を介して伝達するハイブリッド車両の制御装置において、内燃機関12のトルク変動によって駆動軸に生じる振動を抑制するように電動機を制御する制振制御が実行されるとき、位相変更機構を介して位相を強め位相側に変更する(S10からS18)。
【選択図】図9
Description
この発明はハイブリッド車両の制御装置に関し、より具体的には着磁された2個の回転子を相対回転させて両者の相対回転角を示す位相を変更する電動機を搭載したハイブリッド車両において駆動軸の振動を抑制する制振制御を行うときの制御装置に関する。
着磁された2個の回転子を相対回転させて両者の相対回転角を示す位相を変更するようにした電動機の制御装置の例としては、下記の特許文献1記載の技術を挙げることができる。特許文献1記載の技術にあっては、電動機の回転速度に応じて2個の回転子の位相を変更する場合、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材を介して2個の回転子のいずれかを周方向に相対回転させるように構成している。また、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて位相を変更する場合、2個の回転子が慣性により回転速度を維持する状態で固定子巻線に制御電流を通電して回転磁界速度を変更することにより、周方向の相対位置を変化させている。
特開2002−204541号公報
ところで、このような位相が変更可能な電動機に加えて内燃機関も駆動源として搭載したハイブリッド車両においては、内燃機関のトルク変動によって駆動軸に振動が生じたとき、その振動を抑制するように電動機を制御する制振制御が実行されるが、電動機が位相によっては制振制御に必要なトルクを出力することができず、制振制御を遅滞なく実行できない場合がある。
従って、この発明の目的は上記した課題を解消することにあり、位相が変更可能な電動機と内燃機関が搭載されたハイブリッド車両において、電動機が内燃機関のトルク変動によって生じた駆動軸の振動を抑制する制振制御を遅滞なく実行できるようにしたハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、それぞれ磁石片で着磁される第1、第2の回転子と、前記第1、第2の回転子を相対回転させ、両者の相対回転角を示す位相を前記磁石片による合成磁束が弱められる弱め位相と強められる強め位相の間で変更する位相変更機構とを少なくとも備える電動機と、内燃機関とを備え、前記電動機と内燃機関の少なくともいずれかの出力を車輪に駆動軸を介して伝達するハイブリッド車両の制御装置において、前記内燃機関のトルク変動によって前記駆動軸に生じる振動を抑制するように前記電動機を制御する制振制御が実行されるとき、前記位相変更機構を介して前記位相を強め位相側に変更する位相変更手段を備える如く構成した。
請求項2に係るハイブリッド車両の制御装置にあっては、前記位相変更手段は、少なくとも前記電動機に対する指令情報に基づき、前記制振制御の実行を指令すると共に、前記位相を強め位相側に変更する如く構成した。
請求項3に係るハイブリッド車両の制御装置にあっては、前記位相変更手段は、前記振動の振幅に応じて前記強め位相側に変更する位相の量を決定する如く構成した。
請求項1にあっては、位相を磁石片による合成磁束が弱められる弱め位相と強められる強め位相の間で変更する位相変更機構とを少なくとも備える電動機と、内燃機関とを備え、電動機と内燃機関の少なくともいずれかの出力を車輪に駆動軸を介して伝達するハイブリッド車両の制御装置において、内燃機関のトルク変動によって駆動軸に生じる振動を抑制するように電動機を制御する制振制御が実行されるとき、位相変更機構を介して位相を強め位相側に変更する位相変更手段を備える如く構成したので、制振制御が実行されるとき、位相を強め位相側に変更することで、電動機が制振制御に必要なトルクを出力することができ、よって制振制御を遅滞なく実行することができる。
請求項2に係るハイブリッド車両の制御装置にあっては、少なくとも電動機に対する指令情報に基づき、制振制御の実行を指令すると共に、位相を強め位相側に変更する如く構成したので、上記した効果に加え、制振制御を一層遅滞なく実行することができる。
請求項3に係るハイブリッド車両の制御装置にあっては、振動の振幅に応じて強め位相側に変更する位相の量を決定する如く構成したので、上記した効果に加え、電動機が制振制御に必要なトルクを確実に出力することができ、よって制振制御を一層遅滞なく実行することができる。また、必要なトルクを最小限だけ確保すれば足りることから、エネルギも最小にすることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係るハイブリッド車両の制御装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置を全体的に示す模式図、図2はその駆動源とその制御装置を示す概略図である。
図1において符号1はハイブリッド車両(以下「車両」という)を示し、車両1には電動機10と内燃機関(以下「エンジン」という)12が搭載される。電動機10は、具体的にはブラシレスモータあるいは交流同期電動機からなる。エンジン12はガソリン噴射式火花点火式で4気筒を備え、その出力は連結軸14(図2に示す)を介してCVT(無段変速機)からなる自動変速機(以下「CVT」という)16に入力される。CVT16はエンジン12などの出力を変速し、駆動力伝達軸(図示せず)およびドライブシャフト18を介して車輪(駆動輪)20に伝達して車両1を走行させる。このように車両1は、パラレル方式のハイブリッド車両からなる。
電動機10とエンジン12は連結軸14を介してCVT16に接続される。電動機10はエンジン12が回転するとき常に回転し、始動時には通電されてエンジン12をクランキングして始動させると共に、加速時などにも通電されてエンジン12の回転をアシスト(増速)する。電動機10は、通電されないときはエンジン12の回転に伴って空転すると共に、エンジン12への燃料供給が停止される減速時には連結軸14の回転によって生じた運動エネルギを電気エネルギに変換して出力する回生機能を有する発電機(ジェネレータ)として機能する。
図2に示す如く、電動機10は、パワードライブユニット(PDU)22を介してバッテリ24に接続される。PDU22はインバータを備え、バッテリ24から供給(放電)される直流(電力)を交流に変換して電動機10に供給すると共に、電動機10の回生動作によって発電された交流を直流に変換してバッテリ24に供給する。このように、PDU22を介して電動機10の駆動・回生が制御される。
さらに、エンジン12の動作を制御するエンジン制御ユニット(ENGECU)26、電動機10の動作を制御するモータ制御ユニット(MOTECU)30、およびバッテリ24の充電状態SOC(State Of Charge)を算出して充放電の管理などを行うバッテリ制御ユニット(BATECU)32、ならびにCVT16の動作を制御する変速制御ユニット(T/MECU)34が設けられる。上記したENGECU26などのECU(電子制御ユニット)は全てマイクロコンピュータからなり、通信バス36を介して相互に通信自在に接続される。
ここで、電動機10について詳細に説明する。
図3は図1などに示す電動機10の要部断面図、図4は図2などに示す電動機の位相変更機構を示す分解斜視図、図5は図2に示す回転子の磁石片の磁極の向きを示す模式図、および図6は図3に示す電動機10の回転子の側面図、図7は電動機10の制御ブロック図である。
図示の如く、電動機10は、円環状の固定子(ステータ)40と、その内側に収容される、同様に円環状の回転子42と、回転軸(回転軸線)44を備える。固定子40は鉄系材料から製作される薄板が積層(あるいは鉄系材料を鋳造)されてなると共に、3相(U,V,W相)の固定子巻線40aが配置されてなる。
回転子42は、外周側(第1)の回転子42aと、回転軸(回転軸線)44を中心として相対回転あるいは相対変位自在な内周側(第2)の回転子42bからなる。回転子42a,42bは例えば焼結金属から製作される鉄心からなると共に、円周側にはそれぞれ複数組、より正確には16組の磁石片(永久磁石)46が相互に僅かな間隔をおいて配置される。
図3と図4に示す如く、回転子42には位相変更機構50が設けられる。位相変更機構50は、回転軸44にスプライン(図示せず)を介して固定されるベーンロータ52と、内周側の回転子42bの内周面に嵌合されて固定される環状ハウジング54と、ベーンロータ52を外周側の回転子42aにピン56aで固定する、一対のドライブプレート56と、それらに油圧を供給する油圧機構60(図7に示す)からなる。
ベーンロータ52は中央のボス部から径方向に等間隔をおいて突出する複数個(6個)のベーン52aが形成されると共に、環状ハウジング54の内部には中心側に等間隔をおいて突出する複数個(6個)の仕切壁54aが形成される。ベーン52aと仕切壁54aの先端にはそれぞれシール部材52b、54bが配置され、ベーン52aと環状ハウジング54の内壁面および仕切壁54aとベーンロータ52のボス部の外周面の間を液密にシールする。
環状ハウジング54は、図3に示す如く、軸方向長さ(幅)が内周側の回転子42bよりも大きく形成され、2枚のドライブプレート56に穿設された環状の溝56b(図4で図示省略)に移動自在に収容され、よって環状ハウジング54と内周側の回転子42bは、外周側の回転子42aと回転軸44に回転自在に支持される。
2枚のドライブプレート56は環状ハウジング54の両側面に摺動自在に密接させられ、環状ハウジング54の仕切壁54aとベーンロータ52のボス部の外周面との間に密閉空間を複数個(6個)形成する。この密閉空間はベーンロータ52のベーン52aによって二分され、進角側作動室(第1の作動室)54cと遅角側作動室(第2の作動室)54dを形成する。ここで、「進角」(ADV)とは内周側の回転子42bを外周側の回転子42aに対して矢印ADV(図6)で示す電動機10の回転方向と同一の方向に、「遅角」(RTD)とはその逆方向に相対回転させることを意味する。
進角側作動室54c、遅角側作動室54dには流体の圧力、具体的には非圧縮性の流体、より具体的にはCVT16のATF(あるいはエンジン12の潤滑油)などの作動油の圧力、即ち、油圧が供給される。作動油は回転軸44からベーンロータ52に形成される2本の油路62,64を介して進角側作動室54c、遅角側作動室54dに供給される。
図7に示す油圧機構60において、作動油はリザーバ60aから電動モータ60bで駆動されるポンプ60cで汲み上げられ、電磁ソレノイド弁を介挿された油圧回路(図示せず)を通って回転軸44に圧送される。図3に示す如く、回転軸44に圧送された後、回転軸44からベーンロータ52に形成される2本の油路62,64を介して進角側作動室54cと遅角側作動室54dに供給される。
油路62,64はほぼ平行しており、図3と図6に示す如く、回転軸44の軸方向に穿設された油路62a,64aと、それに連続して回転軸44の外周面に穿設された油路62b,64bと、それに連続してベーンロータ52のボス部に放射状に穿設された油路62c,64cからなる。油路62は進角側作動室54cに、油路64は遅角側作動室54dに接続される。
進角側作動室54cと遅角側作動室54dは油路62,64から油圧が給排されて伸縮し、よって外周側の回転子42aに固定されたベーン52aに対して仕切壁54aと一体にされた内周側の回転子42bが回転軸(回転軸線)44を中心として相対回転させられることで、外周側の回転子42aと内周側の回転子42bの間の相対回転角あるいは変位角を示す位相が0度から180度の間で変更され、それに応じて電動機10の誘起電圧が変更される。
図6に最進角位置にあるときの進角側作動室54cと遅角側作動室54dを示す。この実施例に係る電動機10にあっては、内周側の回転子42bが外周側の回転子42aに対して最遅角位置(位相0度)にあるとき、図5(a)に示すように、それらの磁石片46は同極同士が対向して強め界磁(界磁が増加)となる。他方、内周側の回転子42bが外周側の回転子42aに対して最進角位置(位相180度)にあるとき、図5(b)に示すように、それらの磁石片46は対極同士が対向して弱め界磁(界磁が減少)となる。
それにより電動機10の誘起電圧定数Keが変更され、電動機10の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが増加すると、電動機10の運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に弱め界磁によって誘起電圧定数Keが減少すると、出力可能な最大トルクは減少し、許容回転速度は上昇する。
尚、この実施例に係る電動機10は、内周側の回転子42bが外周側の回転子42aに対して最遅角位置(位相0度)にあるとき、安定する。即ち、油圧が供給されないとき、回転子42は最遅角位置に向けて相対変位し、その位置で停止する。
図1の説明に戻ると、車両1において車輪20のそれぞれの付近には車輪速センサ70が配置され、車輪20の所定回転ごとにパルス信号を出力する。運転席(図示せず)の床面のアクセルペダルの付近にはAP開度センサ72が配置され、運転者によるアクセルペダルの開度(踏み込み量)APに応じた出力を生じると共に、ブレーキペダル(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ74が配置され、運転者によるブレーキ操作がなされたときON信号を出力する。また、エンジン12のクランク軸(図示せず)の付近にはクランク角センサ76が配置され、エンジン12の回転数NEに応じた出力を生じる。
次いで、図7を参照して電動機10の制御を説明する。図示の制御は、MOTECU30で実行される。
図示の制御を概説すると、回転子42の磁石片46の界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、それに直交する方向をq軸(トルク軸)とする、電動機10の回転子42の回転位相に同期して回転する回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を実行するものである。
即ち、電流指令算出部30aは、AP開度センサ72で検出されるアクセル開度APなどに基づいて算出されるトルクTと、回転角センサ30bで検出される電動機10の回転角θmを微分器30cで微分して算出される電動機10の回転数Nmと、Ke算出部30dで算出される誘起電圧定数Keを入力し、それらに基づいてPDU22から固定子巻線40aに供給されるべき3相電流Iu,Iv,Iwを指定するためのd,q軸の電流指令であるId指令とIq指令を算出する。
電流指令算出部30aの次段には、電動機回転数Nmの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために回転子42の界磁量を等価的に弱めるように電流位相を制御するべく弱め界磁電流目標値をd軸補正電流として出力する界磁制御部30fと、バッテリ24の残容量などに応じてq軸補正電流を出力する電力制御部30gが接続される。
従って、電流指令Id,Iqは、次の加減算段30i,30jで、d軸補正電流とq軸補正電流を加算されると共に、3相−dq変換部30k(後述)から出力されるd軸電流Idとq軸電流Iqが減算されて偏差ΔId,ΔIqが算出され、電流FB制御部30lに出力される。
電流FB制御部30lは、例えば電動機回転数Nmに応じたPI動作により、偏差ΔId,ΔIqを増幅してd軸電圧指令値Vd指令とq軸電圧指令値Vq指令を算出し、dq−3相変換部30mに出力する。
dq−3相変換部30mは、回転角センサ30bから出力される電動機10の回転角θmを用いてdq座標上でのd軸電圧指令Vdおよびq軸電圧指令Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるVu,Vv,Vwの各相出力電圧に変換してPWM演算部30nに出力する。
PWM演算部30nは、3相出力電圧(正弦波)Vu,Vv,Vwとキャリア信号(三角波)とスイッチング周波数に基づくパルス幅変調により、PDU22のPWMインバータの各スイッチング素子をオン・オフするゲート信号(PWM信号)を生成して固定子巻線40aに供給する。
各相の電流Iu,Iv,Iwは電流センサ30o,30pで検出され、検出値はBPフィルタ30qでノイズが除去された後、前記した3相−dq変換部30kに送られる。3相−dq変換部30kは、フィルタ出力と電動機回転角θmに基づき、電動機10の回転位相による回転座標、即ち、dq座標上でのd軸電流Id,q軸電流Iqを算出する。この算出値に基づいて偏差が算出されることは前記した通りである。
また、Ke指令算出部30rは、トルク指令Tと電動機回転数Nmと電動機電源電圧(バッテリ4の電圧)Vdcに基づき、電動機10の誘起電圧定数Keの指令値であるKe指令を出力する。他方、油圧機構60を介して変更された位相(前記した内周側の回転子42bと外周側の回転子42aの相対回転角あるいは変位角)は、位相センサ30sによって位相θとして検出されてKe算出部30dに送られる。Ke算出部30dは入力した位相θに基づいて誘起電圧定数Keを算出し、加減算段30tに送ると共に、電流指令算出部30aに送る。
加減算段30tにおいて、出力されたKe指令から誘起電圧定数Keが減算され、よって得られた差分ΔKeが位相(油圧)制御部30uに入力される。位相制御部30uは、差分ΔKeが減少するように位相指令値θTを決定し、それに基づいて油圧機構60の動作を制御する。
符号30vは制振制御部を示す。制振制御部30vは前記した車輪速センサ70の出力から車速を算出すると共に、その差分値から車両1の駆動軸に作用する加速度(あるいは減速度)Gを算出する。
また、前記したAP開度センサ72とブレーキスイッチ74とクランク角センサ76の出力はENGECU26に送られ、ENGECU26は入力値から車両1に要求されるトルクTを算出する。ENGECU26が算出されたトルクTは電流指令算出部30aに入力されると共に、制振制御部30vにも入力される。
また、電流センサ30oの付近には電圧センサ30wが配置され、I相の電圧波形(誘導起電圧波形)に応じた出力を生じて制振制御部30vに出力すると共に、位置センサ30bで検出される電動機10の回転角θmと位相制御部30uから出力される位相指令値θTも制振制御部30vに入力される。
制振制御部30vはそれら入力値に基づき、図8に示す如く、エンジン12のトルク変動によって駆動軸に生じる振動を抑制するように電動機10を制御する制振制御を実行する。即ち、エンジン12が出力するトルクTeが減少するときは電動機10が出力するトルクTmが増加する一方、エンジン12が出力するトルクTeが増加するときは電動機10が出力するトルクTmが減少、換言すればエンジン12のトルク変動を打ち消すように電動機10の出力を制御する。
この明細書で、「駆動軸」は駆動源、即ち、エンジン12または電動機10の出力を車輪20に伝達するまでの存在する全ての回転軸を意味し、具体的にはエンジン12のクランク軸端、連結軸14、駆動力伝達軸(図示せず)およびドライブシャフト18などを意味する。
また、制振制御部30vは、制振制御を実行するとき、位相変更機構50を介して位相θを強め位相側、即ち、最遅角位置(位相0度)を限度とする遅角側に変更する。
図9はその制振制御部30vの動作、具体的にはMOTECU30で実行される動作を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S10において現在位相指令値θTを読み込み、S12に進み、制振制御待機フラグのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグのビットが1にセットされることは制振制御の実行が指示されたことを、0にリセットすることは制振制御の実行が指示されないことを意味する。
図10はその制振制御待機フラグのビットを決定するサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S100において電圧センサ30wを介して検出された現在の誘起電圧波形を読み込み、S102に進み、通常波形との差ΔWを算出し、S104に進み、算出された差ΔWがしきい値ΔWrefを超えるか否か判断し、肯定されるときはS106に進み、制振制御待機フラグのビットを1にセットする。換言すれば、電動機10に対する指令情報に基づき、制振制御の実行を指令する。
図11を参照して説明すると、同図で実線は検出された現在の誘起電圧波形を、破線は回転角θmで位相を合わせた通常波形、即ち、エンジン12のトルク変動によって駆動軸に生じた振動の影響を受けていないときの誘起電圧波形を示す。エンジン12にトルク変動が生じると、その振動は駆動軸を介して電動機10に伝えられて振動し、通常波形に図示のような高調波が重畳する。
従ってS102の処理においては通常波形を超える高調波成分を積分して差ΔWを算出し、S104で算出された差ΔWをしきい値ΔWrefと比較する。差ΔWが大きいことはエンジン12のトルク変動が大きいことを意味するので、しきい値ΔWrefを適宜設定することで、制振制御の実行の必要性を判断することができる。尚、S102の処理においては通常波形を超える高調波成分について幾つかサンプル値を求め、それらを合計することで差を算出しても良い。
他方、S104で否定されるときはS108に進み、車輪速センサ70の出力から単位時間、例えば30secの間における車両1の加速度(あるいは減速度)Gの最大値と最小値を算出し、S110に進み、その差ΔGを算出し、S112に進み、算出された差ΔGがしきい値ΔGrefを超えるか否か判断し、肯定されるとき、S106に進み、制振制御待機フラグのビットを1にセットする。
即ち、30secなどの比較的短い時間に車両1の加速度Gの最大値と最小値にある程度以上の差があることは加速度が増減、換言すればエンジン12の出力トルクが変動していることを意味するので、しきい値ΔGrefを適宜設定することで、制振制御の実行の必要性の有無を判断することができる。
他方、S112で否定されるときはS114に進み、車輪速センサ70の出力から検出された車速Vを読み込み、S116に進み、ENGECU26によって算出された車両1に要求されるトルクTを読み込む。
次いでS118に進み、図12にその特性を示すマップを検出された車速Vと算出されたトルクTで検索し、S120に進み、車両1の運転が図示のNVC領域にあるか否か判断し、肯定されるときはS106に進んで制振制御待機フラグのビットを1にセットする一方、否定されるときはS122に進み、制振制御待機フラグのビットを0にリセットする。
図9フロー・チャートの説明に戻ると、S12で制振制御待機フラグのビットが1にセットされている、換言すれば制振制御の実行が指令されたと判断されるときはS14に進み、図13に示す特性を検索して強め位相側に変更する位相の量、即ち、位相変更量Δθを決定する。
図13に示す特性において、位相変更量Δθは上記したΔW(あるいはΔG)、即ち、エンジン12のトルク変動によって駆動軸に生じた振動の振幅(図8にmで示す)が大きいほど増加するように設定される。
これは、振動が大きいほど、その振動を抑制するのに必要なトルクも増大するからである。このように位相変更量Δθは振動の振幅に応じて決定される。尚、S12で否定されたときはS16に進み、位相変更量Δθを零とする。
次いでS18に進み、現在位相指令値θTから決定された位相変更量Δθを減算して得た値を最終(補正)位相指令値θDとする。図7に示す構成においては最終位相指令値θDとなるように位相が変更される。
尚、現在位相指令値θから位相変更量Δθを減算して最終位相指令値θDを算出するのは、この実施例に係る電動機10は内周側の回転子42bが外周側の回転子42aに対して最遅角位置(位相0度)にあるとき、強め界磁となる特性を備えるからである。従って、逆の特性を備える場合は、位相変更量Δθを加算することになる。
これにより、図14に示す如く、制振制御待機フラグのビットが1にセットされた時点で位相が強め位相側に変更されることから、電動機のトルクは破線で示すように増加させられ、制振制御を遅滞なく実行することができる。
この実施例は上記の如く、それぞれ磁石片で着磁される第1(外周側)、第2(内周側)の回転子42a,42bと、前記第1、第2の回転子を相対回転させ、両者の相対回転角を示す位相を前記磁石片による合成磁束が弱められる弱め位相と強められる強め位相の間で変更する位相変更機構50とを少なくとも備える電動機10と、内燃機関(エンジン)12とを備え、前記電動機10と内燃機関12の少なくともいずれかの出力を車輪20に駆動軸(エンジン12のクランク軸端、連結軸14、駆動力伝達軸(図示せず)およびドライブシャフト18など)を介して伝達するハイブリッド車両1の制御装置(MOTECU30)において、前記内燃機関12のトルク変動によって前記駆動軸に生じる振動を抑制するように前記電動機10を制御する制振制御が実行されるとき、前記位相変更機構50を介して前記位相を強め位相側に変更する位相変更手段(制振制御部30v,S10からS18,S100からS122)を備える如く構成したので、制振制御が実行されるとき、位相を強め位相側に変更することで、電動機10が制振制御に必要なトルクを出力することができ、よって制振制御を遅滞なく実行することができる。
また、前記位相変更手段は、少なくとも前記電動機10に対する指令情報に基づき、具体的には電動機10の誘起電圧波形に基づき、より具体的には電動機10の誘起電圧波形と通常波形との差ΔWをしきい値ΔWrefと比較することで、前記制振制御の実行を指令すると共に(S100からS106)、前記位相を強め位相側に変更する如く構成したので、上記した効果に加え、制振制御を一層遅滞なく実行することができる。
また、前記位相変更手段は、前記振動の振幅(図8のm)に応じて前記強め位相側に変更する位相の量(位相変更量Δθ)を決定する(S14,S18)如く構成したので、上記した効果に加え、電動機10が制振制御に必要なトルクを確実に出力することができ、よって制振制御を一層遅滞なく実行することができる。また、必要なトルクを最小限だけ確保すれば足りることから、エネルギも最小にすることができる。
尚、上記において、パラレルハイブリッド車に搭載された電動機を例にとってこの発明を説明したが、この発明は、シリーズハイブリッド車に搭載された電動機、さらには内燃機関を備えない電気自動車に搭載された電動機にも妥当する。
また、第1、第2の回転子の少なくともいずれか、より具体的には第2の回転子42bを回転軸線(回転軸44)を中心として相対回転させて両者の相対回転角あるいは変位角を示す位相θを変更するように構成したが、第1、第2の回転子の双方を相対回転させて位相を変更するようにしても良い。
また、自動変速機の例としてCVT(無段変速機)を示したが、自動変速機は5速などの変速段を備える有段変速機であっても良い。
1 車両(ハイブリッド車両)、10 電動機(電動モータ)、12 エンジン(内燃機関)、14 連結軸(駆動軸)、16 CVT(自動変速機)、18 ドライブシャフト(駆動軸)、20 車輪、22 PDU(パワードライブユニット)、30 モータ制御ユニット(MOTECU)、30v 制振制御部、40 固定子、42 回転子、42a 外周側(第1)の回転子、42b 内周側(第2)の回転子、44 回転軸(回転軸線)、46 磁石片、50 位相変更機構、60 油圧機構、70 車輪速センサ、72 AP(アクセルペダル)開度センサ、74 ブレーキスイッチ、76 クランク角センサ
Claims (3)
- それぞれ磁石片で着磁される第1、第2の回転子と、前記第1、第2の回転子を相対回転させ、両者の相対回転角を示す位相を前記磁石片による合成磁束が弱められる弱め位相と強められる強め位相の間で変更する位相変更機構とを少なくとも備える電動機と、内燃機関とを備え、前記電動機と内燃機関の少なくともいずれかの出力を車輪に駆動軸を介して伝達するハイブリッド車両の制御装置において、前記内燃機関のトルク変動によって前記駆動軸に生じる振動を抑制するように前記電動機を制御する制振制御が実行されるとき、前記位相変更機構を介して前記位相を強め位相側に変更する位相変更手段を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
- 前記位相変更手段は、少なくとも前記電動機に対する指令情報に基づき、前記制振制御の実行を指令すると共に、前記位相を強め位相側に変更することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 前記位相変更手段は、前記振動の振幅に応じて前記強め位相側に変更する位相の量を決定することを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008006528A JP2009166652A (ja) | 2008-01-16 | 2008-01-16 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008006528A JP2009166652A (ja) | 2008-01-16 | 2008-01-16 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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JP2009166652A true JP2009166652A (ja) | 2009-07-30 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101749469B1 (ko) | 2013-11-28 | 2017-06-20 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 하이브리드 차량용 제어 장치 |
WO2023199916A1 (ja) * | 2022-04-14 | 2023-10-19 | 株式会社デンソー | 制御装置及びプログラム |
-
2008
- 2008-01-16 JP JP2008006528A patent/JP2009166652A/ja not_active Withdrawn
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