JP3704996B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の動力源としてエンジンと回転電機とを備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】
車両の動力源としてエンジンとモータ(電動機と発電機とを兼ねる回転電機)とを併有し、いずれか一方または双方の駆動力により走行するようにしたハイブリッド車両が知られている(例えば、鉄道日本社発行「自動車工学」VOL.46 No.7 1997年6月号 39〜52頁参照)。
【0003】
このようないわゆるパラレル方式のハイブリッド車両では、基本的に比較的負荷の小さい運転域ではモータのみで走行し、負荷が増大するとエンジンを起動して所要の駆動力を確保し、必要に応じてモータとエンジンを併用することにより最大の駆動力を発揮させる。また、車両減速時にはモータを発電機として作動させる回生運転を行い、減速エネルギーをバッテリ充電に利用する。
【0004】
ところで、こうしたハイブリッド車両ではモータを駆動源として走行している間に電源であるバッテリが過放電とならないようにバッテリの放電状態を常に監視し、必要に応じてエンジンにより発電機を駆動してバッテリ充電を行うようにしている。しかしながら、従来のものでは主にモータによる走行(力行)に必要なバッテリ能力の有無のみを監視していたため、車両全体で利用される電力に対してバッテリ能力に不足を生じて、場合によっては車両の運行に支障をきたすおそれがあった。
【0005】
すなわち、ハイブリッド車両ではモータ駆動用の比較的高圧の電力の他に、エンジンの点火装置や燃料噴射装置、車両の灯火装置など補機類を駆動するための比較的低圧の電力が必要である。このためにモータ駆動用の強電バッテリとは別の比較的低出力の補助バッテリを設けると共に、補機類のための電力または補助バッテリへの充電電力をDC/DCコンバータを介して強電バッテリから供給する構成となる。ここで、走行用のモータ駆動のためのバッテリ能力のみを基準にして強電バッテリの電力管理をしていた場合、モータ駆動に必要な最小限の電力しか残されていないという事態が生じ、この状態では実際にモータ駆動がなされた場合にはその時点でバッテリ能力が限界付近にまで低下してしまい、DC/DCコンバータおよび補機類への供給電力が不足してしまうという問題が生じる。
【0006】
また、ハイブリッド車両ではエンジンは必要に応じて始動・停止を繰り返すものであるから、エンジンの始動用モータの作動に必要な電力も常時確保しておく必要があり、仮に強電バッテリの能力が上述したようにして相対的に不足するとエンジン始動性が悪化するおそれを生じて好ましくない。
【0007】
一方、強電バッテリに十分な電力が蓄えられている状態で過度に回生運転が行われると、充電過多となってバッテリの消耗など不具合が生じるので、バッテリの放電のみならず充電についても車両全体の電力要求に基づいて適切に管理する必要がある。
【0008】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、ハイブリッド車両の運行に支障を生じないように強電バッテリの充放電電力を適切に管理することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、それぞれ車両の駆動輪に変速装置を介して駆動力を伝達可能なエンジンと第1の回転電機と、前記エンジンに接続されて、少なくとも前記エンジンの始動および発電可能な第2の回転電機と、前記変速装置の作動に必要な動力を供給する第3の回転電機と、前記各回転電機に電力を供給する強電バッテリと、この強電バッテリの出力を車両の前記各回転電機よりも比較的低電圧で作動する、少なくともエンジンの燃料噴射装置および点火装置と、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期を制御する制御装置を含む電気系統に適合する電圧に調整するDC/DCコンバータと、車両の運転状態に応じて前記強電バッテリから各回転電機及びDC/DCコンバータへの供給電力量を制御する制御回路とを備えたハイブリッド車両において、
前記制御回路を、前記強電バッテリの出力可能電力が、
第1の回転電機の力行時消費電力と第2の回転電機の消費電力と第3の回転電機の消費電力とDC/DCコンバータの消費電力との総和よりも小さいときには、第1の回転電機の力行時消費電力を抑制し、
さらに、前記第1の回転電機の消費電力を抑制した状態下で、前記強電バッテリの出力可能電力が、第2の回転電機の消費電力と第3の回転電機の消費電力とDC/DCコンバータの消費電力との総和よりも小さいときには、エンジン始動時を除き第2の回転電機の消費電力を抑制し、
さらに、前記第2の回転電機の消費電力を抑制した状態下で、前記強電バッテリの出力可能電力が、DC/DCコンバータの消費電力と第3の回転電機の消費電力との総和よりも小さいときには、第3の回転電機の消費電力を抑制するように構成した。
【0011】
請求項2の発明は、上記請求項1の発明の制御回路を、前記第1の回転電機の消費電力を抑制した状態下で、エンジン始動時の強電バッテリの出力可能電力が、DC/DCコンバータの消費電力と第2の回転電機の始動時消費電力と第3の回転電機の消費電力との総和よりも小さいときには、エンジンの始動が完了するまでのあいだは第3の回転電機の駆動を禁止するように構成した。
【0012】
請求項3の発明は、上記請求項1の発明の制御回路を、走行駆動力が第1の回転電機のみにより得られる運転状態において強電バッテリの出力可能電力が不足する場合には、第2の回転電機をエンジンにより駆動して電力を発生させるように構成した。
【0013】
請求項4の発明は、上記請求項3の発明の制御回路を、第2の回転電機による発生電力を第1の回転電機に供給するように構成した。
【0016】
【作用・効果】
上記請求項1ないし4の発明によれば、強電バッテリの出力可能電力が、DC/DCコンバータの消費電力と第2の回転電機の始動時消費電力と第1の回転電機の力行時消費電力との総和よりも小さいときには、第1の回転電機への供給電力を抑えてDC/DCコンバータまたは第2の回転電機へと優先的に強電バッテリの電力が配分される。したがって、強電バッテリの出力可能電圧が低下している状態下で第1の回転電機の駆動力による走行に伴いエンジンの燃料噴射装置および点火装置や、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期を制御する制御装置を含む電気系統等の補機類への電力供給が不能になったりエンジン始動が滞ったりする事態を回避することができ、すなわち強電バッテリの過放電を防止しつつハイブリッド車両の機能を確実に維持することができる。
【0017】
さらに、変速装置の作動に必要な動力を供給する第3の回転電機の消費電力を第1の回転電機の力行時消費電力よりも優先している。したがって、変速装置の作動に電力を要する車両において変速装置の正常な作動を極力確保して車両の運転性悪化を防止することができる。また、例えば変速装置としてベルト式無段変速機(CVT)を搭載した車両では無段変速機構の可変プーリをベルトに押し付けるために油圧を利用しており、この油圧発生用のポンプを第3の回転電機により駆動する構成となる。この場合もし第3の回転電機への電力供給が不足するとベルトと可変プーリとの間にスリップが生じて正常な動力伝達ができず変速機の摩耗も促進してしまう。本発明によればこのような不具合の発生を未然に回避することができる。
【0018】
請求項2の発明では、上記エンジン始動時の強電バッテリの出力可能電力が、DC/DCコンバータの消費電力と第2の回転電機の始動時消費電力と第3の回転電機の消費電力との総和よりも小さいときには、エンジンの始動が完了するまでのあいだは第3の回転電機の駆動を禁止するようにしている。これにより強電バッテリの出力可能電力が低下している条件下で変速装置への油圧供給に伴う電力の低下を回避してエンジン始動の確実性を高めることができる。
【0019】
請求項3の発明では、上記請求項1の発明において、走行駆動力が第1の回転電機のみにより得られる運転状態において強電バッテリの出力可能電力が不足する場合は、第2の回転電機をエンジンにより駆動して電力を発生させるようにしている。走行駆動力が第1の回転電機のみにより得られる運転状態とは、換言すればエンジンを用いずに(クラッチを切った状態で)車輪に駆動力を発生させなければならない走行条件であり、例えば坂道発進を容易にするために第1の回転電機によりトルクコンバータのクリープ現象をシミュレートしているとき、あるいは後退走行時などである。このような条件時にはエンジンを走行駆動力として用いることができないので、第1の回転電機が要求する電力に対して強電バッテリの出力可能電力が不足しているからと言ってその供給を抑制すると車両が走行不能となってしまう。そこで、このような運転条件のときにはエンジンを始動して第2の回転電機により発電を行うのであり、これにより電力を極力確保しつつ第1の回転電機を駆動して走行を可能とすることができる。このときの第1の回転電機への電力供給は、第2の回転電機の発生電力により強電バッテリを充電しつつ該バッテリから行うようにしてもよいが、請求項4の発明として示したように第2の回転電機の発電電力を直接的に第1の回転電機へと供給することにより電力利用の効率を高めることができる。
【0021】
この発明によれば、強電バッテリが充電過多となりそうな条件下では第2の回転電機による発電作動は見合わされ、車両の減速感に影響を及ぼす第1の回転電機による回生発電の機会が優先される。すなわち、回生によるエネルギ効率の向上を図りつつ、強電バッテリの過充電の防止と、車両の適度な減速性能の確保を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず図1〜図2に本願発明が適用可能なハイブリッド車両の構成例を示す。これは走行条件に応じてエンジンまたはモータの何れか一方または双方の動力を用いて走行するパラレル方式のハイブリッド車両である。 図1において、太い実線は機械力の伝達経路を示し、太い破線は電力線を示す。また、細い実線は制御線を示し、二重線は油圧系統を示す。この車両のパワートレインは、モータ1(本発明の第2の回転電機)、エンジン2、クラッチ3、モータ4(本発明の第1の回転電機)、無段変速機5、減速装置6、差動装置7および駆動輪8から構成される。モータ1の出力軸、エンジン2の出力軸およびクラッチ3の入力軸は互いに連結されている。モータ1とエンジン2は所定の回転比を有する減速装置(図示せず)を介して相互駆動可能に連結されている。また、クラッチ3の出力軸、モータ4の出力軸および無段変速機5の入力軸が互いに連結されている。
【0024】
クラッチ3締結時はエンジン2とモータ4が車両の推進源となり、クラッチ3解放時はモータ4のみが車両の推進源となる。エンジン2またはモータ4の駆動力は、無段変速機5、減速装置6および差動装置7を介して駆動輪8へ伝達される。無段変速機5には油圧装置9から圧油が供給され、ベルトのクランプと潤滑がなされる。
【0025】
モータ1は主としてエンジン始動と発電に用いられ、モータ4は主として車両の力行と減速時の回生運転に用いられる。また、モータ10は油圧装置9のオイルポンプ駆動用である。ただしクラッチ3締結時には、モータ1を車両の力行と制動に用いることもでき、モータ4をエンジン始動や発電に用いることもできる。クラッチ3はパウダークラッチであり、伝達トルクを調節することができる。
【0026】
モータ1,4,10はそれぞれ、インバータ11,12,13により駆動される。なお、モータ1,4,10に直流電動モータを用いる場合には、インバータの代わりにDC/DCコンバータを用いる。インバータ11〜13は共通のDCリンク14を介して強電バッテリ15に接続されており、強電バッテリ15の直流電力を交流電力に変換してモータ1,4,10へ供給するとともに、モータ1,4の交流発電電力を直流電力に変換して強電バッテリ15を充電する。なお、インバータ11〜13は互いにDCリンク14を介して接続されているので、回生運転中のモータにより発電された電力を強電バッテリ15を介さずに直接、力行運転中のモータへ供給することができる。19は弱電用のDC/DCコンバータであり、強電バッテリ15の高電圧をエンジン点火装置や制御系駆動電源などの比較的低電圧で作動する電気系統に適した電圧にまで低下させる。
【0027】
16は本発明の制御回路の機能を備えたコントローラであり、マイクロコンピュータとその周辺部品や各種アクチュエータなどを備え、クラッチ3の伝達トルク、モータ1,4,10の回転数や出力トルク、無段変速機5の変速比、エンジン2の燃料噴射量・噴射時期、点火時期などを制御する。
【0028】
コントローラ16には、図2に示すように、キースイッチ20、セレクトレバースイッチ21、アクセルペダルセンサ22、ブレーキスイッチ23、車速センサ24、バッテリ温度センサ25、バッテリSOC検出装置26、エンジン回転数センサ27、スロットル開度センサ28、水温センサ29が接続される。セレクトレバースイッチ21は、パーキングP、ニュートラルN、リバースRおよびドライブDの何れかのレンジに切り換えるセレクトレバー(図示せず)の設定位置に応じて、P,N,R,Dのいずれかのスイッチがオンする。
【0029】
アクセルペダルセンサ22はアクセルペダルの踏み込み量を検出し、ブレーキスイッチ23はブレーキペダルの踏み込み状態を検出する。車速センサ24は車両の走行速度を検出し、バッテリ温度センサ25は強電バッテリ15の温度を検出する。バッテリSOC検出装置26は強電バッテリ15の実容量の代表値であるSOC(State Of Charge)を検出する。また、エンジン回転数センサ27はエンジン2の回転数を検出し、スロットル開度センサ28はエンジン2のスロットルバルブ開度を検出する。水温センサ29はエンジン2の冷却水温を検出する。
【0030】
コントローラ16にはさらに、エンジン2の燃料噴射装置30、点火装置31、可変動弁装置32などが接続される。コントローラ16は、燃料噴射装置30を制御してエンジン2への燃料の供給と停止および燃料噴射量・噴射時期を調節するとともに、点火装置31を駆動してエンジン2の点火時期制御を行う。また、コントローラ16は可変動弁装置32を制御してエンジン2の吸・排気弁の作動状態を調節する。なお、コントローラ16には低圧の補助バッテリ33から電源が供給される。補助バッテリ33は上述したDC/DCコンバータ19からの出力により充電される。
【0031】
以上は本発明が適用可能なハイブリッド車両の基本的な構成例を示したものであり、本発明ではこうしたハイブリッド車両の各部電力状況に応じて力行または回生発電のための電力配分を最適制御することを目的としている。以下にこのためのコントローラ16の制御内容の実施形態につき図3以下の各図面を参照しながら説明する。
【0032】
図3ないし図5はコントローラ16の制御の概要を示す流れ図、図6はその論理ブロック図であり、上記請求項1から5の内容に対応して主として力行時の電力配分の管理を行う場合の制御例を示している。これらの図によって表される処理はコントローラ16によるハイブリッド車両の総合的な制御の一部を構成するものとして割り込み処理等により周期的に実行される。以下、流れ図に沿って説明する。
【0033】
図3において、この制御の当初には上述した各種センサまたはスイッチからの信号に基づいて運転状態信号を検出し、この検出結果からモータ4の消費電力WA、モータ1の始動時消費電力WB、モータ10の消費電力WCを演算するとともに、DC/DCコンバータ19の消費電力WDを検出する(ステップ301〜305)。
【0034】
モータ4の消費電力WAは、例えば力行時のモータ4の実トルク(推定値)と電力損失および回転数とから算出する。なおモータ4は車両駆動系に接続しているので回転数は車速センサ24の信号から求めることができる。また、モータ4の消費電力は基本的にはそのときの運転者の要求に応じて定まるので、アクセルペダルセンサ22の出力等に基づいて算出することもできる。
【0035】
モータ1によるエンジン始動時の消費電力WBは、暖機完了状態ではほぼ一定値とみなすことができるが、冷間時にはエンジン内部摩擦により著増するので、好ましくは冷却水温をパラメータとするマップを作成し、このマップを参照することで設定するように図る。
【0036】
モータ10の消費電力WCは、WAと同様に回転数と実トルクと電力損失とから算出するかもしくは実験的に固定値を設定する。また、DC/DCコンバータ19の消費電力WDはその出力電流値から直接的に求めるかもしくは実験的に固定値を設定する。
【0037】
次に、強電バッテリ15の出力可能電力WVを求める(ステップ306)。これは上述したバッテリSOC検出装置26からのSOC値に基づいて求める。
【0038】
このようにして各部の消費電力WA〜WDおよび強電バッテリ15の出力可能電力WVを求めた後、図4に示した処理により消費可能電力の管理を行う。
【0039】
図4の処理では、まず上記各消費電力WA〜WDの総和値W0と出力可能電力WVとを比較し、WV≧W0であれば強電バッテリ15には十分な電力が確保されていることになるので、以下の電力管理の処理は迂回する(ステップ401)。これに対して、WV<W0のときには次に車両がクリープトルクまたは後退走行用のトルクを必要としている条件下か否かを判定する(ステップ402)。これは、例えば変速機セレクトレバーが何れかの走行レンジにあってアクセルペダルが踏まれていないとき(このときクラッチ3は切られエンジン2から駆動系への動力伝達は遮断される)をクリープトルク要求時、変速機がリバースレンジに操作されているときを後退走行時と判定する。このような条件下では強電バッテリ15の出力可能電力が不足していたとしてもモータ4には力行用のトルクを発生させる必要があるので、エンジン2によりモータ1を駆動して発電作動を行わせることにより力行用の電力を確保している(ステップ403)。
【0040】
クリープまたは後退の条件ではないときには、モータ4への電力供給を抑制し(ステップ404)、次にモータ4の消費電力WAを除く他の消費電力WB〜WDの総和値W1と出力可能電力WVとの比較を行う(ステップ405)。この比較においてWV≧W1であればモータ4以外についての電力供給の抑制は不要であるので、以下の処理を迂回する。これに対してWV<W1のときには次にエンジン始動時か否かを判定する。これは例えば車両の運行開始時においてエンジン始動が円滑に行われないと支障があるので、この条件下ではバッテリ出力可能電力WVの不足にかかわらず例外的にできるだけエンジン始動用のモータ1へと電力を供給するためである。具体的には、始動時には、車両の走行を禁止するとともに、図5に示したように変速機5に油圧を供給するモータ10の作動を禁止して電力消費を抑えたうえでエンジン2が始動完爆するまでモータ1に電力を供給する(ステップ502〜503)。エンジン2が始動完爆した場合にはモータ1への電力供給を終了すると共にモータ10への電力供給を許可し、エンジン始動後の変速機5の作動を可能とする(ステップ504)。
【0041】
WV<W1の条件下で始動時ではない場合、または上記始動処理を終了したときにはモータ1への電力供給を抑制し(ステップ408)、次にモータ10の消費電力WDとDC/DCコンバータ19の消費電力WDとの合計値W2を出力可能電力WVと比較する(ステップ409)。この比較においてWV≧W2であったときには前述した以上の電力抑制は行わず、これに対してWV<W2であったときにはモータ10への電力供給を抑制する(ステップ410)。このような電力管理に基づき、強電バッテリ15の過放電を防止しつつ、ハイブリッド車両における優先順位の高い電力要求に応じて最適な電力配分を行えるので、バッテリ能力が低下した場合においても車両の所期の機能を極力維持することができる。
【0042】
図7ないし図9に参考例を示す。図7と8は制御内容を示す流れ図、図9は同じく論理ブロック図である。これは回生運転時の充電電力の管理を行う場合の制御例を示している。この制御では、図7に示したように、まず運転状態信号を検出したのち車両が減速状態にあるか否かを判定する(ステップ701、702)。減速状態は、例えば車速センサ24とアクセルペダルセンサ22からの信号に基づき、車速がある程度以上であってアクセルペダルが踏み込まれていないことから判定する。減速状態でないときには回生発電は行わないので、以下の処理を迂回する。 減速状態と判定したときには、次に強電バッテリ15の充電可能電力WHをSOCから求めると共に、モータ1の回生時の発生電力WEを求める。なお、モータ1はエンジン2と共に回転する構成であるから、エンジン2が駆動系から切り離されている走行条件のときには回生発電は行われず、WEはゼロとなる。また、前記充電可能電力WHには常時的に消費されるモータ10の駆動電力やDC/DCコンバータ19の消費電力を含めるようにしてもよい。
【0043】
次に運転者による制動装置の操作を伴う減速時であるか否かをブレーキスイッチ23の信号から判定し(ステップ705)、この制動操作の有無に応じてそれぞれ、制動操作を伴わない場合のモータ4の回生電力WFおよび制動操作を伴う場合のモータ4の回生電力WF+WGとを求める(ステップ706,707)。なお、減速時であるか否かは、図外のブレーキマスターシリダの内圧の大きさにより求めることもできる。
【0044】
このようにして各回生電力値を求めた後、図8に示したように上記各電力値WE〜WGの総和W3と充電可能電力WHとを比較する。このときWH≧W3であれば強電バッテリ15には十分に充電する余裕があることになるので回生発電の抑制は行わない(ステップ801)。これに対して、WH<W3のときには、まずエンジン駆動されているときのモータ1による回生発電電力WEを抑制する(ステップ802)。
【0045】
次にWEを除く他の回生電力WF、WGの合計値W4を充電可能電力WHと比較し、WH≧W4であればこの状態での回生発電に対する強電バッテリ15の充電可能電力には余裕があるとみなして以下の処理を迂回する(ステップ803)。他方、WH<W4のときには、次に制動操作を伴うときのモータ4による回生電力WGを抑制する(ステップ804)。さらに制動操作を伴わない減速時のモータ4による回生電力WFと充電可能電力WHとを比較し、WH≧WFであれば以下の処理を迂回、WH<WFであれば回生電力WFを抑制する(ステップ805、806)。
【0046】
上記回生発電の管理により、モータ1による回生発電よりも制動時のモータ1による回生発電の機会が、さらにこれよりも減速時のモータ1による回生発電の機会が極力確保されることになるので、特に車両減速時の運転感覚に大きく関わる制動操作を伴わない減速時のエンジンブレーキ効果をモータ1の回生発電によりできるだけ与えることができ、すなわち強電バッテリ15に対する過充電を防止しつつ良好な運転性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用可能なハイブリッド車両の構成例を示す概略構成図。
【図2】 本発明が適用可能なハイブリッド車両の構成例を示す概略構成図。
【図3】 本発明の制御回路による制御の一実施形態の概要を示す流れ図。
【図4】 本発明の制御回路による制御の一実施形態の概要を示す流れ図。
【図5】 本発明の制御回路による制御の一実施形態の概要を示す流れ図。
【図6】 上記実施形態の論理ブロック図。
【図7】 本発明の制御回路に関わる制御の参考例の概要を示す流れ図。
【図8】 本発明の制御回路に関わる制御の参考例の概要を示す流れ図。
【図9】 上記参考例の論理ブロック図。
【符号の説明】
1 モータ(第2の回転電機)
2 エンジン
3 クラッチ
4 モータ(第1の回転電機)
5 無段変速機
9 油圧装置
10 油圧発生用モータ
15 バッテリ
16 コントローラ
19 DC/DCコンバータ
20 キースイッチ
21 セレクトレバースイッチ
22 アクセルペダルセンサ
23 ブレーキスイッチ
24 車速センサ
25 バッテリ温度センサ
26 バッテリSOC検出装置
27 エンジン回転数センサ
28 スロットル開度センサ
29 水温センサ
33 補助バッテリ
Claims (4)
- それぞれ車両の駆動輪に変速装置を介して駆動力を伝達可能なエンジンと第1の回転電機と、前記エンジンに接続されて、少なくとも前記エンジンの始動および発電可能な第2の回転電機と、前記変速装置の作動に必要な動力を供給する第3の回転電機と、前記各回転電機に電力を供給する強電バッテリと、この強電バッテリの出力を車両の前記各回転電機よりも比較的低電圧で作動する、少なくともエンジンの燃料噴射装置および点火装置と、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期を制御する制御装置を含む電気系統に適合する電圧に調整するDC/DCコンバータと、車両の運転状態に応じて前記強電バッテリから各回転電機及びDC/DCコンバータへの供給電力量を制御する制御回路とを備えたハイブリッド車両において、
前記制御回路は、前記強電バッテリの出力可能電力(WV)が、
第1の回転電機の力行時消費電力と第2の回転電機の消費電力と第3の回転電機の消費電力とDC/DCコンバータの消費電力との総和よりも小さいときには、第1の回転電機の力行時消費電力を抑制し、
さらに前記第1の回転電機の消費電力を抑制した状態下で、第2の回転電機の消費電力と第3の回転電機の消費電力とDC/DCコンバータの消費電力との総和よりも小さいときには、エンジン始動時を除き第2の回転電機の消費電力を抑制し、
さらに前記第2の回転電機の消費電力を抑制した状態下で、DC/DCコンバータの消費電力と第3の回転電機の消費電力との総和よりも小さいときには、第3の回転電機の消費電力を抑制する
ように構成したハイブリッド車両の制御装置。 - 制御回路は、前記第1の回転電機の消費電力を抑制した状態下で、エンジン始動時の強電バッテリの出力可能電力が、DC/DCコンバータの消費電力と第2の回転電機の始動時消費電力と第3の回転電機の消費電力との総和よりも小さいときには、エンジンの始動が完了するまでのあいだは第3の回転電機の駆動を禁止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 制御回路は、走行駆動力が第1の回転電機のみにより得られる運転状態において強電バッテリの出力可能電力が不足する場合には、第2の回転電機をエンジンにより駆動して電力を発生させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 制御回路は、第2の回転電機による発生電力を第1の回転電機に供給するように構成したことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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