JP6760014B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6760014B2
JP6760014B2 JP2016228603A JP2016228603A JP6760014B2 JP 6760014 B2 JP6760014 B2 JP 6760014B2 JP 2016228603 A JP2016228603 A JP 2016228603A JP 2016228603 A JP2016228603 A JP 2016228603A JP 6760014 B2 JP6760014 B2 JP 6760014B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric machine
rotor
magnetic pole
rotary electric
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016228603A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018085877A (ja
Inventor
家寧 ▲トウ▼
家寧 ▲トウ▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2016228603A priority Critical patent/JP6760014B2/ja
Publication of JP2018085877A publication Critical patent/JP2018085877A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6760014B2 publication Critical patent/JP6760014B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Description

本発明は、回転電機に関する。
従来、環状のヨークと巻線用溝となる周方向間隔をおいて放射状に複数のティースが形成され、ティース先端中央近傍の内径寸法に対してティース先端端部の内径寸法が大きい固定子と、固定子と僅かな空隙を介して対向し、回転自在に保持された回転子鉄心に埋設された永久磁石にて磁界を発生する回転子とを備えた電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電動機において、回転子鉄心の外形は、磁極中央部を最大径とした外径に凸形状で、その形状が磁極数分となり、回転子鉄心の磁極間部が回転軸を中心とした円弧形状であり、回転子外形の最小寸法となる形状を有している。
特開2008−99418号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電動機にあっては、励磁軸となるq軸上において回転子鉄心と固定子との間の空隙が広くなるため、q軸磁路の磁気抵抗が増加する。これにより、特許文献1に記載の電動機では、突極比が低下するためリラクタンストルクを有効に活用することができず、出力トルク及び効率が低下してしまう。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、突極比を低下させることなく、コギングトルク及びトルクリプルを抑制することができる回転電機を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、電機子巻線が配置されるスロットが複数形成されたステータと、複数の永久磁石がロータコアに埋め込まれたロータとを備えた回転電機であって、前記ロータは、前記ステータ側に向かって広がるV字型に配置された前記永久磁石によって形成された磁極部を有し、前記永久磁石は、前記ロータの周方向に隣り合う前記磁極部の極性が逆極性となるよう配置され、N磁極又はS磁極のいずれか一方の前記磁極部が形成された前記ロータの外周面には、d軸を挟んで前記周方向の両側に溝部が形成されている構成を有する。
本発明によれば、突極比を低下させることなく、コギングトルク及びトルクリプルを抑制することができる回転電機を提供することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る回転電機を回転軸に直交する平面で切断した断面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る回転電機の一部を拡大した断面図である。 図3は、本発明の一実施例に係る回転電機のロータに形成された溝部を示す拡大図である。 図4は、本発明の一実施例に係る回転電機における磁束ベクトル分布を示す図である。 図5は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるコギングトルクを示すグラフであり、(a)は溝部が形成されたN磁極におけるコギングトルクを示し、(b)は溝部が形成されていないS磁極におけるコギングトルクを示し、(c)はN磁極におけるコギングトルクとS磁極におけるコギングトルクとを合計したコギングトルクを示す。 図6は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるコギングトルクと、溝部が形成されていない比較例の回転電機におけるコギングトルクとを比較したグラフである。 図7は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるコギングトルクの次数成分と、溝部が形成されていない比較例の回転電機におけるコギングトルクの次数成分とを比較したグラフである。 図8は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるトルクと、溝部が形成されていない比較例の回転電機におけるトルクとを比較したグラフである。 図9は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるトルクの次数成分と、溝部が形成されていない比較例の回転電機におけるトルクの次数成分とを比較したグラフである。
本発明の一実施の形態に係る回転電機は、電機子巻線が配置されるスロットが複数形成されたステータと、複数の永久磁石がロータコアに埋め込まれたロータとを備えた回転電機であって、ロータは、ステータ側に向かって広がるV字型に配置された永久磁石によって形成された磁極部を有し、永久磁石は、ロータの周方向に隣り合う磁極部の極性が逆極性となるよう配置され、N磁極又はS磁極のいずれか一方の磁極部が形成されたロータの外周面には、d軸を挟んで周方向の両側に溝部が形成されていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る回転電機は、突極比を低下させることなく、コギングトルク及びトルクリプルを抑制することができる。
以下、本発明に係る回転電機の一実施例について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例に係る回転電機1は、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋込磁石同期回転電機(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:以下、IPMSMという)である。回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車に搭載するのに好適な性能を有している。
回転電機1は、環状に形成されたステータ10と、ステータ10内に回転自在に収容されたロータ20とを備えている。ロータ20は、軸心Oを中心に回転する回転軸2に固定されており、回転軸2と一体回転するようになっている。
ステータ10は、図示しないモータケースに固定されている。ステータ10は、高透磁率の磁性材料からなる環状のステータコア11を備えている。ステータコア11は、回転軸2の軸線に沿った軸方向に電磁鋼板を積層したものからなる。
ステータコア11には、径方向の内方側に突出したステータティース12が周方向に沿って複数設けられている。周方向に隣り合うステータティース12の間には、溝状の空間であるスロット13が形成されている。
径方向とは、上述の軸方向と直交する方向を示す。径方向の内方側とは、径方向において回転軸2に近い側を示し、径方向の外方側とは、径方向において回転軸2から遠い側を示す。周方向とは、回転軸2を中心とする円周方向を示す。
ステータコア11の各スロット13には、ステータコア11の周方向に沿ってW相、V相、U相の三相の電機子巻線14がそれぞれ配置されている。W相、V相、U相の各電機子巻線14は、それぞれのステータティース12に分布巻されている。
ステータ10は、電機子巻線14に三相交流が供給されることで、周方向に回転する回転磁界を発生させる。ステータ10で発生した磁束は、ロータ20に鎖交するようになっている。これにより、ステータ10は、ロータ20を回転させることができる。
ロータ20は、環状のロータコア21と、複数の永久磁石対23と、磁極部24とを含んで構成されている。
ロータコア21は、回転軸2の軸線に沿った軸方向に、高透磁率の磁性材料である電磁鋼板を積層したものからなる。ロータコア21には、ロータ20の周方向に沿って複数のスリット対22が形成されている。
スリット対22は、一対のスリット22A,22Bからなる。一対のスリット22A,22Bは、径方向の内方側から径方向の外方側、すなわちステータ側に向かって広がるV字型になるよう設けられている。
一対のスリット22A,22Bには、永久磁石23A,23Bが嵌め込まれている。一対の永久磁石23A,23Bは、径方向の内方側から径方向の外方側、すなわちステータ側に向かって広がるV字型に配置され、永久磁石対23を構成する。
永久磁石23Aと永久磁石23Bとは、同一の極性面が互いに対向するように配置されている。これにより、永久磁石23Aと永久磁石23Bとの間には、対向する極性面と同一の極性を有する磁極部24が形成される。このように、磁極部24は、V字型に配置された永久磁石23A,23Bの極性によってN磁極又はS磁極として形成される。
一対の永久磁石23A,23Bは、周方向に隣り合う永久磁石対23同士で極性面の向きが逆向きとなるよう配置されている。これにより、磁極部24は、周方向に隣り合う磁極部24同士で極性が逆、すなわち逆極性となる。したがって、ロータ20においては、周方向にN磁極の磁極部24(図1中、「N」と記載)とS磁極の磁極部24(図1中、「S」と記載)とが交互に形成される。
このように、ロータ20は、一対の永久磁石23A,23BをV字型に配置した永久磁石対23を複数有する逆突極構造である。
逆突極構造では、一対の永久磁石23A,23Bの間を通るd軸方向のインダクタンス(d軸インダクタンスLd)が、周方向に隣り合う永久磁石対23の間を通り、d軸と電気的・磁気的に直交するq軸方向のインダクタンス(q軸インダクタンスLq)よりも小さい特性を有する。したがって、逆突極構造では、永久磁石対23が発生するマグネットトルクに加えて、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差に応じたリラクタンストルクを発生することができる。これにより、回転電機1におけるトルク密度を向上させることができる。
また、ロータコア21には、一対の永久磁石23A,23Bに隣接するようにして、フラックスバリア25a,25bが形成されている。フラックスバリア25a,25bは、磁束の回り込みを制限するものである。
図1に示すように、ロータ20の外周面20aには、径方向の内方側に窪んだ溝部30が複数形成されている。溝部30は、N磁極の磁極部24が形成されたロータ20の外周面20aにのみ形成されている。溝部30は、S磁極の磁極部24にのみ形成されていてもよい。つまり、溝部30は、N磁極の磁極部24又はS磁極の磁極部24のいずれか一方にのみ形成されていればよい。
図2に示すように、溝部30は、N磁極の磁極部24が形成されたロータ20の外周面20aにおいて、d軸を挟んでロータ20の周方向の両側に形成されている。一対の溝部30は、d軸に対して線対称の形状を有する。
溝部30は、テーパ形状に形成されている。テーパ形状とは、ロータ20の周方向の溝幅がロータ20の外周面20aからロータ20の径方向の内方側に向かって狭くなる形状である。テーパ形状としては、例えば台形形状、三角形状、半円形状又は弾頭形状等、ロータ20の径方向の外方側から内方側に向かうにしたがい周方向の溝幅が小さくなる形状であれば種々の形状を採用することができる。
図3に示すように、溝部30は、ロータ20の周方向の両側に形成された一対の傾斜面31と、一対の傾斜面31を接続する底面32とを有する。
一対の傾斜面31は、溝部30とステータ10のスロット13とが径方向に重なったとき、すなわち溝部30の溝幅の中心とスロット13の周方向の幅の中心とが一致したとき(図3に示す状態)のスロット13に対して所定の条件下で配置されている。
具体的には、スロット13の周方向の両側の側面13aを通りロータ20の径方向の内方側に向かう線を仮想線Lsとしたとき、一対の傾斜面31は、それぞれ仮想線Lsと交差するよう配置されている。好ましくは、仮想線Lsが傾斜面31の周方向の中心と交差するように、一対の傾斜面31が配置されていることが望ましい。
このように、本実施例においては、溝部30の溝幅がステータ10のスロット13の周方向の幅を考慮した寸法に設定されている。これにより、溝部30によるロータ20とステータ10との間のギャップを確保し、かつ溝部30を設けた場合であってもロータ20とステータ10との間で有効な磁路を確保することができる。
ここで、溝部30の径方向の深さが大きすぎると、N磁極の磁極部24において磁気飽和が生じるおそれがある。また、溝部30の径方向の深さが小さすぎると、溝部30によってロータ20とステータ10との間に十分なギャップを確保することができなくなる。したがって、本実施例においては、溝部30の径方向の深さは、N磁極の磁極部24において磁気飽和が生じず、ロータ20とステータ10との間に十分なギャップを確保することができる深さに設定されている。
また、溝部30の角部、具体的にはロータ20の外周面20aと傾斜面31とを接続する角部30a、及び傾斜面31と底面32とを接続する角部30bは、所定の曲率半径Rの断面形状に形成されている。このため、溝部30の各角部30a、30bは、断面形状が滑らかな曲線形状となるので、ロータ20の回転時における空気抵抗を低減することができる。なお、溝部30の各角部30a、30bは、頂点を有する断面形状であってもよい。
次に、図4から図9を参照して、本実施例に係る回転電機1の作用効果について説明する。
無通電状態の永久磁石型の回転電機では、永久磁石から発生する磁束によりステータとロータとの間で磁気吸引力が発生する。磁気吸引力は、磁束の流れる経路における磁気抵抗により変化する。磁気抵抗が低いほど磁束の流れが多くなることから、磁気抵抗が低いほど磁気吸引力が大きくなる。
IPMSMでは、ステータコアにおいて、高透磁率のステータティースと磁気抵抗の高い空気からなるスロットとが周方向に交互に配置されている。ステータティースの磁気抵抗は、空気からなるスロットにおける磁気抵抗よりも遥かに大きい。このため、ロータの回転位置に対して永久磁石の磁束の流れる量に脈動が発生する。
これにより、磁気吸引力にも脈動が発生する。このような磁気吸引力の脈動は、コギングトルクと称される。換言すれば、コギングトルクは、無通電状態においてロータの回転に伴う磁気吸引力の変化によって正負に生じるトルクといえる。
コギングトルクは、回転電機の駆動時の振動や騒音、及び制御上の外乱に関わるため、可能な限り小さいほうがよい。
また、ハイブリッド自動車では、燃費向上を目的として、低回転領域においては効率の悪いエンジンに代わって効率のよい回転電機を駆動源として用いる。このため、回転電機をハイブリッド自動車の駆動源として用いる場合には、発進のための大きなトルクを発生させることに加えて、安定性の観点からトルクリプルを低減することが求められている。
本実施例に係る回転電機1においては、N磁極の磁極部24が形成されたロータ20の外周面20aにのみに一対の溝部30が形成されていることにより、コギングトルク及びトルクリプルを低減することができる。
以下、本実施例に係る回転電機1においてコギングトルクを低減することができる原理について、溝部30が形成されていない回転電機(以下、「比較例に係る回転電機」という)と比較しながら説明する。比較例に係る回転電機は、溝部30が形成されていないだけで、他の構成は本実施例に係る回転電機1と同一であるものとする。
図2に示すように、本実施例に係る回転電機1は、電気角1周期分において12本のステータティース12を有している。したがって、回転電機1において、ステータティース間のスロット13の数も「12」となる。
このため、本実施例に係る回転電機1においては、電気角1周期に磁気吸引力の脈動が12回発生する。したがって、本実施例に係る回転電機1及び比較例に係る回転電機におけるコギングトルクは、12次の高調波(以下、「12次高調波」という)成分が主となる。
比較例に係る回転電機では、溝部30が形成されていないのでN磁極及びS磁極のいずれの磁極部においても磁気吸引力の脈動は一致している。すなわち、比較例に係る回転電機では、N磁極における12次高調波の位相とS磁極における12次高調波の位相とが一致している。
ここで、N磁極における12次高調波の位相とS磁極における12次高調波の位相とを逆転させることができれば、N磁極における12次高調波とS磁極における12次高調波とを相殺させることができる。これにより、N磁極とS磁極のコギングトルクが相殺され、回転電機で発生するコギングトルクが全体として低減される。
そこで、本実施例に係る回転電機1は、N磁極の磁極部24が形成されたロータ20の外周面20aにのみに一対の溝部30を形成することにより、N磁極における12次高調波の位相とS磁極における12次高調波の位相とを逆転させることができる。これにより、本実施例に係る回転電機1は、N磁極における12次高調波とS磁極における12次高調波とを相殺させることができる。
図4は、本実施例に係る回転電機1において、N磁極における12次高調波の位相とS磁極における12次高調波の位相とが逆転することにより、N磁極におけるコギングトルクとS磁極におけるコギングトルクとが相殺されている様子を示している。図4では、12次高調波の1周期に相当する電気角0[deg]から電気角30[deg]の間における磁束ベクトル分布を示している。本実施例では、電気角0[deg]、8[deg]、22[deg]、30[deg]のときの磁束ベクトル分布を示している。
図4に示すように、磁束は、永久磁石23A,23Bとステータティース12との間を最短経路で流れようとする特性がある。この磁束が流れる経路が変化することで、ロータ20とステータ10との間に磁気吸引力が発生する。
図4において、磁気吸引力は、+及び−の矢印で示される。図4においては、反時計回り方向を+方向とし、時計回り方向を−方向として定義する。したがって、+の矢印で示す磁気吸引力(以下、「磁気吸引力(+)」という)は、ロータ20を反時計回り方向に回転させようとする力である。これに対して、−の矢印で示す磁気吸引力(以下、「磁気吸引力(−)」という)は、ロータ20を時計回り方向に回転させようとする力である。
電気角0[deg]と電気角30[deg]においては、ロータ20のd軸がステータティース12の周方向の中心に位置する。このため、N磁極及びS磁極のいずれにおいても、永久磁石23Aの磁束と永久磁石23Bの磁束とがステータ10に対して対称的に流れる。これにより、N磁極及びS磁極のいずれにおいても、磁気吸引力(+)と磁気吸引力(−)とが釣り合う。この結果、図5(a)及び図5(b)に示すように、電気角0[deg]と電気角30[deg]においては、N磁極及びS磁極のいずれにおいてもコギングトルクは略0[Nm]となる。
電気角15[deg]においては、ロータ20のd軸がスロット13の周方向の中心に位置する。このため、N磁極及びS磁極のいずれにおいても、永久磁石23Aの磁束と永久磁石23Bの磁束とがステータ10に対して対称的に流れる。これにより、N磁極及びS磁極のいずれにおいても、磁気吸引力(+)と磁気吸引力(−)とが釣り合う。この結果、図5(a)及び図5(b)に示すように、電気角15[deg]においては、N磁極及びS磁極のいずれにおいてもコギングトルクは略0[Nm]となる。
電気角8[deg]においては、N磁極に形成された一対の溝部30が磁気抵抗となることによって磁気吸引力(−)が発生する。具体的には、溝部30があることによって磁気吸引力(+)に作用する磁束の一部が、溝部30を迂回することで磁気吸引力(−)として作用する。これにより、N磁極においては、磁気吸引力(−)を発生させる磁束が大半を占めることとなり、結果として磁気吸引力(−)が発生することとなる。
電気角8[deg]におけるS磁極では、一対の溝部30がないため、磁気吸引力(+)を発生させる磁束が大半を占めることとなり、結果として磁気吸引力(+)が発生することとなる。
したがって、電気角8[deg]においては、N磁極で発生する磁気吸引力(−)とS磁極で発生する磁気吸引力(+)とが互いに逆向きの力となり相殺される。この結果、図5(a)及び図5(b)に示すように、電気角8[deg]においては、N磁極のコギングトルクの位相とS磁極のコギングトルクの位相とが逆転する。
電気角22[deg]においては、電気角8[deg]の場合と磁気吸引力の作用する方向が逆となる。したがって、電気角22[deg]においても、N磁極で発生する磁気吸引力(+)とS磁極で発生する磁気吸引力(−)とが互いに逆向きの力となり相殺される。この結果、図5(a)及び図5(b)に示すように、電気角22[deg]においても、N磁極のコギングトルクの位相とS磁極のコギングトルクの位相とが逆転する。
このように、N磁極のコギングトルクとS磁極のコギングトルクとが相殺され、図5(c)に示すように、回転電機1で発生するコギングトルクが全体として低減される。図5(c)に示すコギングトルクは、図5(a)に示したN磁極におけるコギングトルクと図5(b)に示したS磁極におけるコギングトルクとを合計したものである。
本実施例に係る回転電機1においては、N磁極に一対の溝部30が形成されているため、図5(a)及び図5(b)に示すように、S磁極のコギングトルクの位相に対してN磁極のコギングトルクの位相が逆転する(本実施例では位相が電気角15[deg]ずれる)。これにより、N磁極のコギングトルクがS磁極のコギングトルクを打ち消すように作用することで、N磁極のコギングトルクとS磁極のコギングトルクとが相殺される。この結果、図5(c)に示すように、回転電機1で発生するコギングトルクが低減される。
図6に示すように、本実施例に係る回転電機1で発生するコギングトルクは、比較例に係る回転電機と比較しても十分に低減されている。また、本実施例に係る回転電機1で発生するコギングトルクの次数成分について、図7に示す。
図7に示すように、本実施例に係る回転電機1で発生する12次成分のコギングトルクは、比較例に係る回転電機で発生する12次成分のコギングトルクと比較して大幅に減少している。また、24次成分のコギングトルクについても、比較例に係る回転電機に比べて減少している。
さらに、本実施例に係る回転電機1では、N磁極に一対の溝部30を形成することにより、図8に示すように、通電状態で発生するトルクリプルについても比較例に係る回転電機で発生するトルクリプルと比べて低減される。また、本実施例に係る回転電機1で発生するトルクリプルの次数成分について、図9に示す。
図9に示すように、本実施例に係る回転電機1において通電状態で発生する12次成分のトルクは、比較例に係る通電状態の回転電機で発生する12次成分のトルクと比較して大幅に減少している。
以上のように、本実施例に係る回転電機1は、N磁極の磁極部24が形成されたロータ20の外周面20aにのみ一対の溝部30が形成されている。また、一対の溝部30は、N磁極の磁極部24におけるd軸を挟んで周方向の両側に形成されている。
このため、本実施例に係る回転電機1は、N磁極における12次高調波の位相とS磁極における12次高調波の位相とが逆転することができ、N磁極におけるコギングトルクとS磁極におけるコギングトルクとを相殺することができる。この結果、本実施例に係る回転電機1は、コギングトルク及びトルクリプルを抑制することができる。
また、本実施例に係る回転電機1は、励磁軸となるq軸上においてロータ20とステータ10との間の空隙を広くしてq軸磁路の磁気抵抗を増加させることもないので、突極比が低下することを防止できる。したがって、回転電機1の出力トルク及び効率が低下することを防止できる。
また、本実施例に係る回転電機1は、一対の溝部30がd軸を挟んで線対称の形状を有するので、S磁極で発生する12次高調波の位相に対してN磁極で発生する12次高調波の位相が逆転するような、磁束の流れを実現することができる。
また、本実施例に係る回転電機1は、一対の溝部30がテーパ形状に形成されているので、空気抵抗による損失すなわち風損を低減することができる。
また、本実施例に係る回転電機1におけるコギングトルク及びトルクリプルを低減する構造は、軸方向に並ぶ複数の永久磁石を周方向にずらして配置する、いわゆる永久磁石のスキュー構造とは異なる。このため、本実施例に係る回転電機1は、永久磁石のスキュー構造と比べて、着磁率が下がったり、永久磁石の漏れ磁束が増えたりすることを防止できる。また、本実施例に係る回転電機1は、永久磁石のスキュー構造と比べてロータ20の組立が容易である。
なお、本実施例に係る回転電機1においては、ロータ20を軸方向に分割し、分割したロータを回転方向にずらして配置したスキューロータとしてもよい。この場合、コギングトルク及びトルクリプルをさらに抑制することができる。
また、回転電機1は、車載用に限定されるものではなく、例えば風力発電や工作機械などの駆動源としても好適に用いることができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 回転電機
10 ステータ
11 ステータコア
12 ステータティース
13 スロット
13a 側面
14 電機子巻線
20 ロータ
20a 外周面
21 ロータコア
22 スリット対
22A,22B スリット
23 永久磁石対
23A,23B 永久磁石
24 磁極部
30 溝部
30a,30b 角部
31 傾斜面
32 底面
Ls 仮想線

Claims (4)

  1. 電機子巻線が配置されるスロットが複数形成されたステータと、複数の永久磁石がロータコアに埋め込まれたロータとを備えた回転電機であって、
    前記ロータは、前記ステータ側に向かって広がるV字型に配置された前記永久磁石によって形成された磁極部を有し、
    前記永久磁石は、前記ロータの周方向に隣り合う前記磁極部の極性が逆極性となるよう配置され、
    N磁極又はS磁極のいずれか一方の前記磁極部が形成された前記ロータの外周面には、d軸を挟んで前記周方向の両側に溝部が形成されていることを特徴とする回転電機。
  2. 一対の前記溝部は、前記d軸に対して線対称の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記溝部は、前記周方向の溝幅が前記ロータの外周面から前記ロータの径方向の内方側に向かって狭くなるテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記溝部は、前記周方向の両側に形成された傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、前記スロットの周方向の両側の側面を通り前記ロータの径方向の内方側に向かう仮想線と交差するよう配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
JP2016228603A 2016-11-25 2016-11-25 回転電機 Active JP6760014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016228603A JP6760014B2 (ja) 2016-11-25 2016-11-25 回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016228603A JP6760014B2 (ja) 2016-11-25 2016-11-25 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018085877A JP2018085877A (ja) 2018-05-31
JP6760014B2 true JP6760014B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=62238674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016228603A Active JP6760014B2 (ja) 2016-11-25 2016-11-25 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6760014B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109639006B (zh) * 2019-01-30 2021-09-07 河海大学 永磁风力发电机永磁转子磁极结构
JP2022011943A (ja) 2020-06-30 2022-01-17 日本電産株式会社 回転電機
WO2022050016A1 (ja) * 2020-09-07 2022-03-10 日立Astemo株式会社 回転電機の回転子および回転電機の駆動装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4449035B2 (ja) * 2004-03-10 2010-04-14 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動車両用の永久磁石回転電機
JP2008206308A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Toyota Industries Corp 永久磁石式回転電機
JP2013099193A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Suzuki Motor Corp 電動回転機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018085877A (ja) 2018-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112838693B (zh) 旋转电机
JP5659031B2 (ja) 永久磁石式回転電機
KR102118152B1 (ko) 전동기
JP4900132B2 (ja) 回転子及び回転電機
US20130106227A1 (en) Electric rotating machine
JP7076188B2 (ja) 可変磁力モータ
JP6789451B1 (ja) ハイブリッド界磁式ダブルギャップ同期機および駆動システム
JP6524818B2 (ja) 可変磁束型回転電機
JP2010098891A (ja) モータ
JP2009050148A (ja) 広範囲定出力永久磁石式モータ
JP6760014B2 (ja) 回転電機
JP2010178471A (ja) 回転電機
WO2017171037A1 (ja) ロータ及びロータの設計方法
JP2008283806A (ja) 埋め込み磁石モータ
JP4080273B2 (ja) 永久磁石埋め込み型電動機
KR200462692Y1 (ko) 자속 집중형 전동기
JP6766575B2 (ja) 回転電機
JP2017225277A (ja) 可変磁束型回転電機及び永久磁石の製造方法
JP5500287B2 (ja) 埋込磁石同期回転電機
JP6437706B2 (ja) Ipm型電動回転機
US10361614B2 (en) AC excitation synchronous rotating electric machine
JP6357870B2 (ja) 永久磁石式電動機
JP5460807B1 (ja) 同期電動機
JP6766574B2 (ja) 回転電機
JP6877944B2 (ja) 同期リラクタンス型回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200817

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6760014

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151