JP4080273B2 - 永久磁石埋め込み型電動機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、永久磁石埋め込み型の回転子に係り、特に、回転子鉄心の内部にリング状永久磁石を備えた永久磁石埋め込み型電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の永久磁石埋め込み型回転子は、回転軸とその周りに配置された積層鉄心及び板状永久磁石とによって構成されている。
【0003】
ところで、このような永久磁石を埋め込んだ電動機の場合、コギングトルクが発生し、このため振動や騒音が大きくなるという傾向があり、回転速度の安定性が悪化するなどの問題が発生するため、コギングトルクを低減する必要がある。
【0004】
また、小形の電動機の場合や極数が多い電動機の場合は、板状永久磁石が小さく、また、磁石個数が多くなるので、回転子の製造にあたって永久磁石の埋め込み作業が煩雑となり、組立工数が増加するという問題がある。
【0005】
このため、先行技術の内実開平7−11858号公報に記載の技術では、リング状永久磁石を用いた、コギングトルク低減方法が開示されている。すなわち、図9(a)には、その永久磁石埋め込み型回転子と固定子の部分正面図を、図9(b)には、その永久磁石埋め込み型回転子の部分斜視図を示す。ここでは、積層された鉄心に所定のピッチPで設けたスロット101に巻き線102を施した固定子103の内側に、空隙を介して円柱状磁性体よりなる回転子105を備えている。この回転子105は、積層鉄心からなる外ヨーク106の内径に嵌合した、リング状永久磁石107と、このリング状永久磁石107の内径に嵌合した、積層鉄心からなる内ヨーク108と、この内ヨーク108の内径に嵌合したシャフト109から構成される。そして、外ヨーク106には、前記リング状永久磁石107の着磁境界111の位置にあって隣極への漏洩磁束防止のために所定幅の溝110が設けられている。この所定幅の溝110は、回転子外径における極ピッチの1/3から1/6となる幅でU字形の溝であり、半径方向に等ピッチで極数個分設けてある。ここでは、図9(b)に示すように前記溝110を、リング状永久磁石107の着磁境界111を基準に、軸方向の両端部間を固定子スロットピッチPの1/2となるように捻って外ヨーク106を積層することによりスキューを設け、コギングトルクを低減している。また、リング状永久磁石を採用することにより、磁石個数を少なく出来、組立工数を削減している。
【0006】
また、特開平7−212995号公報に記載された先行技術では、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、この回転子鉄心の内径に嵌合したリング状永久磁石とした永久磁石埋め込み型回転子が開示されている。図10には、その永久磁石埋め込み型回転子及び固定子の部分正面図を示す。積層された鉄心に所定のピッチPで設けたスロット101を設けた固定子103の内側に、空隙を介して円柱状磁性体よりなる回転子105を備えている。この回転子105は、積層鉄心からなる外ヨーク106の内径に嵌合した、リング状永久磁石107と、このリング状永久磁石107の内径に嵌合したシャフト109から構成される。前記外ヨーク106には、前記リング状永久磁石107の着磁境界111の位置にあって隣極への漏洩磁束防止用の複数の溝(切り込み)110を備えることにより、漏洩磁束防止のために逆突極性を得ているが、コギングトルクを低減することは、考慮されていない。もっとも、リング状永久磁石を採用することにより、磁石個数を少なく出来、組立工数を削減している。
【0007】
また、特開2000−197292号公報に記載された先行技術は、外周形状を花丸形状とした、コギングトルク低減方法が開示されている。図11には、その永久磁石埋め込み型回転子の正面図を示す。積層された回転子鉄心112の円周方向に回転子の極数分周方向等間隔に矩形の磁石装着孔113を設け、磁石装着孔113の各々に磁極面を鉄心径方向として互いに隣接する磁極が異なるように板状永久磁石114を装着し、板状永久磁石114の各々の外周側磁極面に形成される回転子鉄心112の鉄心磁極部115の外周形状を、周方向中央部Paにて鉄心中心よりの距離が最も大きくなり、極間部Pbにて鉄心中心よりの距離が最も小さくなるような各鉄心磁極部115ごとに 円弧状とすることで、電動機空隙部の磁束の変化をなだらかにし、コギングトルクを低減している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図9のような永久磁石埋め込み型回転子では、集中巻のように、固定子のスロット101の数と、回転子の極の数が近い場合、例えば固定子のスロット101の数が12で回転子の極の数が8の場合、固定子のスロットピッチPの1/2捻ることにより、例えば本来N極である部分に、S極の磁石が存在することとなり、スキューの効果は得られず、また、トルクに寄与する有効磁束が低下し、効率の低下となる。また、表面磁束波形が乱れるため、表面磁束波形により決定する、誘起電圧波形に高調波が含まれ、ひいては、トルク変動の原因となる。
【0009】
また、漏洩磁束防止用の所定幅の溝110の幅が回転子外径における極ピッチの1/3から1/6である必要があるため、有効磁束の減少、ひいては、電動機効率の低下の原因となる。これは、リング状永久磁石の1/3〜1/6が、磁気抵抗の大きな、漏洩磁束防止用の所定幅の溝110と対向する為、リング状永久磁石が発生する磁束が無効となるためである。
【0010】
また、図10のような永久磁石埋め込み型回転子では、コギングトルクを低減するためには、固定子でのスキューが必要となる。固定子のスキューは、巻き線作業性の悪化、巻き線抵抗の増加に伴う、電動機効率の低下となる。また、固定子側でスキューを行わない場合には表面磁束波形が台形形状となるため、表面磁束波形により決定する、誘起電圧波形に高調波が含まれ、ひいては、トルク変動の原因となる。
【0011】
また、図11のような永久磁石埋め込み型回転子では、極数分の板状永久磁石114を挿入することが必要となるため、組立に時間がかかる。特に、小形の電動機の場合や、極数が多い場合に、板状永久磁石114が小さくなるため、さらに作業性が悪く組立工数の増加の原因となる。
【0012】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、コギングトルクの低減、組立工数の削減、電動機の高効率化を得る永久磁石埋め込み型電動機の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる永久磁石埋め込み型電動機は、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、外周形状を磁極の中心位置で回転子半径を最大としかつ隣接する極と極の間の境界位置で回転子半径を最小とした円管状の形状とし、前記リング状永久磁石は、ラジアル方向に異方性を有する磁性材料に隣り合う磁極の極性を周方向に交互に入れ替えて着磁して形成し、前記円管状の回転子鉄心を捻ってスキューを設ける一方、前記リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、リング状永久磁石を用いることにより、組立工数を削減でき、製造コストの低減が実現できる。また、回転子鉄心の外形形状、回転子鉄心によるスキューおよび、磁石のスキュー着磁により、コギングトルクを低減でき、騒音、振動が少ない、回転の安定性が高い回転機を得ることができる。
【0017】
つぎの発明にかかる永久磁石埋め込み型電動機は、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、外周形状を磁極の中心位置で回転子半径を最大としかつ隣接する極と極の間の境界位置で回転子半径を最小とした円管状の形状とし、前記リング状永久磁石は、極方向に異方性を有する磁性材料に着磁して形成し、前記円管状の回転子鉄心を捻ってスキューを設ける一方、前記リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、極方向に異方性を持ったリング状永久磁石を用いることにより、電動機の効率向上が可能となる。しかも、異方性を有する磁性材料を着磁することで磁束の方向が決まり、漏洩磁束を更に減少することができ、電動機の効率向上となる。また、回転子鉄心によるスキューおよび、磁石のスキュー着磁により、コギングトルクの低減が可能となる。
【0021】
つぎの発明にかかる永久磁石埋め込み型電動機は、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、積層された磁性体の外周形状を円形とし、境界位置に漏洩磁束防止用の溝を設け、この溝を基準として積層された磁性体を捻ってスキューを設け、リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、漏洩磁束防止用溝の幅に制限がない為、漏洩磁束防止用溝の幅を小さくする事ができ、無効磁束を少なくすることが可能となり、電動機の高効率化が実現できる。
【0023】
つぎの発明にかかる永久磁石埋め込み型電動機は、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、積層された磁性体の外周形状を円形とし、境界位置に漏洩磁束防止用の溝を設け、この溝を基準として積層された磁性体を捻ってスキューを設け、リング状永久磁石は極方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、漏洩磁束防止用溝の幅に制限がない為、漏洩磁束防止用溝の幅を小さくする事ができ、無効磁束を少なくすることが可能となり、電動機の高効率化が実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に添付図1〜8を参照して、この発明にかかる好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である永久磁石埋め込み型電動機の構成を示す断面図である。ここでは、永久磁石埋め込み型電動機は、固定子10と、永久磁石埋め込み型回転子20と、軸受部材41と、外側構造体42とで構成されている。
【0027】
固定子10は、珪素鋼板を所定の形状、たとえば図2に示されているように、内周面に12個のスロット11を備えた形状に打ち抜いて積層した固定子鉄心12に三相巻線13が施されており、この三相巻線13は、電源ユニット(図示省略)に接続されるように構成されている。
【0028】
永久磁石埋め込み型回転子20は、円形に打ち抜かれた内側形状と周方向に等しく盛り上がり部分が形成された外側形状とを有する磁性体が積層された回転子鉄心21と、この回転子鉄心21の内側に嵌合したラジアル方向(放射方向)に異方性を有したリング状永久磁石22と、このラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石22の内側に嵌合したシャフト23とで構成される。
【0029】
図3は、8極の場合の永久磁石埋め込み型回転子20を示している。回転子鉄心21は、その円周方向に外周に回転子の極数である8つ分前述の盛り上がり部分が設けられ、この盛り上がり部分は周方向に等間隔に設けた極の中心位置Aで回転子半径が最大となり、隣接する極と極の境界位置B、Cの回転子半径が最小となる湾曲した形状となっている。また、回転子鉄心21の境界位置B、Cである漏洩磁束防止部の厚さLは、回転力(回転によって回転子鉄心21に作用する遠心力)に対する強度に耐え得る厚さとしている。
【0030】
積相された回転子鉄心21の円筒形内側には、リング状永久磁石22の外周が嵌め合わされる。この場合、回転子鉄心21の外径をRとし極数をNとした場合、これらの値R、Nは、適宜に決定されて良いが、特にπR/N<15の場合すなわち1極分の長さ(幅)が15mm以下の場合、リング状永久磁石22の組立工数の多さや作業性の煩雑さに対して改善効果が大きい。例えば、図11のような極数分の板状永久磁石114を挿入する必要がある永久磁石埋め込み型回転子では、極数分の板状永久磁石114を挿入する作業が必要となるため、特に、小形の電動機の場合や、極数が多い場合(例えば、R=30、N=8、πR/N<15の場合、1個の磁石幅が10mm程度の場合)に、板状永久磁石114が小さくなるため、作業性が悪く組立工数の増加の原因となる。このような場合でも、本実施の形態に記載の図3に示す永久磁石埋め込み型回転子を用いることで、大幅な作業性改善、組立工数の削減を実現可能である。
【0031】
更に、リング状永久磁石22にあって、図4は、着磁されていないラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石22の、磁性材料の配向方向25を示している。この場合、ラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石22とは、リング状永久磁石の製造に当たって、リング状の磁性材料に磁場を加えることにより、磁性材料の配向方向25を、ラジアル方向としたものである。具体的には、磁石金型を用いた磁場中での成形においてラジアル方向の磁場の形成に基づき異方性を持たせたものである。
【0032】
上述のような構成によれば、固定子10と回転子20との間の電動機ギャップ部のリラクタンスの変化言い換えれば磁束の変化がなだらかとなり、これにより、コギングトルクが抑制される。
【0033】
また、上述のような構成によれば、前述の境界位置である隣接する極と極の間のギャップではリラクタンスが最大となり、この極と極の間を通過する漏洩磁束を最小限とすることができる。さらに、前述の境界位置である回転子鉄心21の漏洩磁束防止部で磁束の飽和が発生することにより、突極性が生じ、センサレス運転が可能となる。また、リラクタンストルクも発生するため、高効率となる。
【0034】
また、上述のような構成によれば、回転子20の極数によらず、1個のラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石22をシャフト23の外形に嵌合し、さらに、このラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石22の外径に回転子鉄心21を嵌合することで、回転子20を構成できるため、板状永久磁石を回転子の極数枚用いていた従来のものと比べ、組立作業時間を大幅に短縮できる。
【0035】
一方、上記のように構成された回転子鉄心21において、極の中心で回転子半径が最大となる点Aと、隣接する極と極の間の回転子半径が最小となる点B、点Cを結ぶ形状は、3点を通過する、円弧である必要はなく、例えば、図5(a)、図5(b)のような、円弧をつないでなる、形状でもかまわない。ちなみに、図3では境界部分B、Cの形状は円弧が切れた形状であるが、図5(a)での境界部分B、Cの形状は円弧の端をなだらかに繋ぐ形状となっている。また、上述の実施の形態では、回転子20の極数が8極、固定子のスロット数が12個の場合であるが、極数、スロット数は特に問わない。
【0036】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図6は、この実施の形態2による永久磁石埋め込み型回転子を示している。この実施の形態2では、図1〜図5までの構成を前提にして説明する。すなわち、図6において、上述の実施の形態1の積層された磁性体よりなる回転子鉄心21を捻って積層しスキューを設け、ラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石32は、そのスキュー角に合わせスキュー着磁を行っている。この場合、ラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石32の着磁、極数およびスキュー角とも着磁ヨークによって自在に着磁が可能である。
【0037】
実施の形態1に加え、ラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石32と、積層された磁性体よりなる回転子鉄心21にスキューを設けることで、更にコギングトルクを低減することが可能となる。
【0038】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。図7は、この実施の形態3による永久磁石埋め込み型回転子を示している。この実施の形態3では、図1〜図5までの構成を前提にして説明する。図7においては、上述の実施の形態1のリング状永久磁石22について、極方向に異方性を有したリング状永久磁石33としている。この場合、極方向に異方性を有したリング状永久磁石33とは、リング状永久磁石の製造工程において、磁性材料に磁場を加える成形をすることにより、磁性材料の配向方向26を、極方向としたものである。この極方向に異方性を有したリング状永久磁石33を着磁すると、磁性材料の配向方向26に沿って、磁化される。この場合、磁石金型を用いた磁場中での成形において極方向の磁場の形成に基づき異方性を持たせている。また、極方向に異方性を有したリング状永久磁石33の着磁は、磁石製造工程の磁場成形を行う磁石金型においてスキュー角を持たせて作られた後、所定の極数とスキュー角を持った着磁ヨークにて行われる。
【0039】
この極方向に異方性を有したリング状永久磁石33を採用することにより、図7に示すように、磁束の流れが、極の中心に集中するため、最小肉厚部からの漏洩磁束が更に減少し、効率が向上する。
【0040】
実施の形態4.
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。図8は、この実施の形態4による永久磁石埋め込み型回転子を示している。この実施の形態4では、前記積層した磁性体(例えば積層電磁鋼板)よりなる円管状の鉄心21の外周形状を円形とし、境界位置35に漏洩磁束防止用の溝36を設け、この溝36を基準として磁性体を捻って積層しスキューを設け、ラジアル方向に異方性を有したリング状永久磁石32は、そのスキュー角に合わせてスキュー着磁を行っている。
【0041】
極性の境界位置35に漏洩磁束防止用の溝36を設け、この溝36を基準とし、積層した磁性体を捻って積層しスキューを設け、リング状永久磁石32は、そのスキューに合わせてスキュー着磁を行うことにより、境界位置が明確となり、良好なスキューが実現でき、コギングトルクが大幅に減少する。
【0042】
また、この実施の形態4は、従来の実開平7−11858にあるような、漏洩磁束防止用溝の幅の制限がなく、回転力に耐えうる強度を確保していれば如何なる形状でもよいため、漏洩磁束防止用溝の幅を小さくする事ができ、無効磁束を少なくすることが可能である為、電動機の高効率化が実現できる。また着磁は実施の形態3の極方向であっても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、外周形状を磁極の中心位置で回転子半径を最大としかつ隣接する極と極の間の境界位置で回転子半径を最小とした円管状の形状とし、前記リング状永久磁石は、ラジアル方向に異方性を有する磁性材料に隣り合う磁極の極性を周方向に交互に入れ替えて着磁して形成したことで、リング状永久磁石を用いることにより、組立工数を削減でき、製造コストの低減が実現できる。また、回転子鉄心の外形形状により、コギングトルクを低減でき、騒音、振動が少ない、回転の安定性が高い回転機を得ることができる。さらに、円管状の鉄心を捻ってスキューを設ける一方、リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことにより、回転子鉄心によるスキューおよび、磁石のスキュー着磁により、さらなるコギングトルクの低減が可能となる。
【0045】
つぎの発明によれば、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、外周形状を磁極の中心位置で回転子半径を最大としかつ隣接する極と極の間の境界位置で回転子半径を最小とした円管状の形状とし、前記リング状永久磁石は、極方向に異方性を有する磁性材料に着磁して形成したことにより、極方向に異方性を持ったリング状永久磁石を用いることにより、電動機の効率向上が可能となる。しかも、異方性を有する磁性材料を着磁することで磁束の方向が決まり、漏洩磁束を更に減少することができ、突極性を確保することができる。さらに、円管状の鉄心を捻ってスキューを設ける一方、リング状永久磁石は極方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことにより、回転子鉄心によるスキューおよび、磁石のスキュー着磁により、さらなるコギングトルクの低減が可能となる。
【0047】
つぎの発明によれば、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、積層された磁性体の外周形状を円形とし、境界位置に漏洩磁束防止用の溝を設け、この溝を基準として積層された磁性体を捻ってスキューを設け、リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことにより、漏洩磁束防止用溝の幅に制限がないため、漏洩磁束防止用溝の幅を小さくする事ができ、無効磁束を少なくすることが可能となり、電動機の高効率化が実現できる。
【0048】
つぎの発明によれば、積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、積層された磁性体の外周形状を円形とし、境界位置に漏洩磁束防止用の溝を設け、この溝を基準として積層された磁性体を捻ってスキューを設け、リング状永久磁石は極方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことにより、漏洩磁束防止用溝の幅に制限がない為、漏洩磁束防止用溝の幅を小さくする事ができ、無効磁束を少なくすることが可能となり、電動機の高効率化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である永久磁石埋め込み型電動機の軸方向に沿う断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による永久磁石埋め込み型電動機を示す軸に対して垂直に切断した断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による永久磁石埋め込み型電動機の回転子を示す軸に対して垂直に切断した断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1によるリング状磁石の異方性を示す正面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による永久磁石埋め込み型電動機の回転子の変形例を示す軸に対して垂直に切断した断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による永久磁石埋め込み型電動機の回転子を示す軸に対して垂直に切断した断面図と側面図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による永久磁石埋め込み型電動機の回転子を示す軸に対して垂直に切断した断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による永久磁石埋め込み型電動機の回転子を示す軸に対して垂直に切断した断面図と側面図である。
【図9】 従来の1例を示す電動機の部分断面及び部分斜視図である。
【図10】 従来の他の例を示す電動機の部分断面図である。
【図11】 従来のその他の例を示す電動機の断面図である。
【符号の説明】
10 固定子、20 回転子、21 回転子鉄心、22、32、33 リング状永久磁石、23 シャフト、25、26 配向方向、35 境界位置、36 溝。

Claims (4)

  1. 積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、外周形状を磁極の中心位置で回転子半径を最大としかつ隣接する極と極の間の境界位置で回転子半径を最小とした円管状の形状とし、前記リング状永久磁石は、ラジアル方向に異方性を有する磁性材料に隣り合う磁極の極性を周方向に交互に入れ替えて着磁して形成し、前記円管状の回転子鉄心を捻ってスキューを設ける一方、前記リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする永久磁石埋め込み型電動機。
  2. 積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、外周形状を磁極の中心位置で回転子半径を最大としかつ隣接する極と極の間の境界位置で回転子半径を最小とした円管状の形状とし、前記リング状永久磁石は、極方向に異方性を有する磁性材料に着磁して形成し、前記円管状の回転子鉄心を捻ってスキューを設ける一方、前記リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする永久磁石埋め込み型電動機。
  3. 積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、積層された磁性体の外周形状を円形とし、境界位置に漏洩磁束防止用の溝を設け、この溝を基準として積層された磁性体を捻ってスキューを設け、リング状永久磁石はラジアル方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする永久磁石埋め込み型電動機。
  4. 積層された磁性体よりなる回転子鉄心と、前記回転子鉄心の内側に嵌合したリング状永久磁石と、前記リング状永久磁石の内側に嵌合したシャフトよりなる回転子を有する永久磁石埋め込み型電動機において、前記回転子鉄心は、積層された磁性体の外周形状を円形とし、境界位置に漏洩磁束防止用の溝を設け、この溝を基準として積層された磁性体を捻ってスキューを設け、リング状永久磁石は極方向に異方性を有する磁性材料をスキュー角に合わせてスキュー着磁をして形成したことを特徴とする永久磁石埋め込み型電動機。
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