JP2012130219A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】最大磁束で回転電機を動作させる際には強い磁束を提供可能であり、弱め界磁状態では良好に磁束を抑制可能な回転電機を提供する。
【解決手段】複数の永久磁石24により構成される各磁極Fの周方向両端に配置される永久磁石24の磁極端部FTは、連結端部FAよりもサブロータ10側に配置される。メインロータ20におけるサブロータ10との対向面側において各磁極Fの磁極端部FT間の周方向距離を磁極幅M1とし、周方向に隣接する磁極Fの磁極端部FT間の周方向距離を磁極間隔M2とする。サブロータ10におけるメインロータ20との対向面側において磁気抵抗部7が設けられる周方向の範囲をロータ側磁気抵抗部幅S1とする。複数の永久磁石24は、磁極間隔M2が磁極幅M1未満となる状態で配置され、磁気抵抗部7は、ロータ側磁気抵抗部幅S1が磁極間隔M2以上磁極幅M1未満になるように形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、可変界磁型の回転電機に関する。
今日、永久磁石型の回転電機(PMSM:permanent magnet synchronous motor)が広く用いられている。PMSMでは、通常、永久磁石はロータコアに固定されているため、ロータから発生する磁束は一定である。PMSMでは、ロータの回転速度が上昇するに従ってステータコイルに発生する誘起電圧が高くなり、誘起電圧が駆動電圧を超えると制御不能となる場合がある。これを回避するため、ある回転速度以上では、ロータからの磁界を実質的に弱める弱め界磁制御が行われる。但し、弱め界磁制御を行うと回転電機から出力されるトルクに対してステータコイルに流れる電流が大きくなるため、銅損が大きくなり効率が低下する。また、永久磁石からステータに到達する磁束が一定のままでは、ロータの回転速度が高い領域において、ステータコアに生じる鉄損も大きくなり効率が低下する。
そこで、ロータに備えられる永久磁石からステータに提供される磁束をロータの回転速度に応じて変化させる技術が提案されている。米国特許第4,885,493号明細書(特許文献1)には、ロータ(rotor 32)とステータ(stator assembly 30)との間に磁束路変更部材(flux diversion member 34)を備えた回転電機が開示されている(Fig.1, Fig.2a, Fig.2b, 第2欄等。)。この磁束路変更部材は、シャフト(shaft 18)に沿った方向の両端に非磁性体のエンドリング(end ring 36,38)を備え、これらエンドリングが回転可能にシャフトに保持される。ロータと磁束路変更部材との相対位置を変更することにより、ロータの永久磁石からステータへの磁束の経路が変わり、ステータに到達する磁束が変化する。
特許文献1において、永久磁石はロータの表面に配置されており、磁石の表面積に応じて大きくなる磁束をそれ以上増加させることはできない。強い磁力を有する磁石を用いることで磁束を増加させることはできるが、その場合にはコストが上昇し、また、弱め界磁状態に磁束の経路を変化させた際の磁束抑制効果も限定的となる。従って、最大磁束で回転電機を動作させる際には、低コストで強い磁束を提供可能であり、弱め界磁状態では良好に磁束を抑制可能な回転電機の提供が求められる。
また、特許文献1では、永久磁石がロータの表面に所定の間隔で複数個備えられている。そして、磁束抑制を行わない状態では、特許文献1のFig.2aに示されるように、磁束路変更部材の鉄心は、ロータの周方向における各永久磁石の両端部と、各鉄心の両端部とが、周方向の同じ位置に配置される。即ち、永久磁石及び磁束路変更部材の鉄心は、ロータと磁束路変更部材により構成される回転体の周方向において角度を揃えて配置されることとなる。このため、当該回転体とステータとの間のエアギャップの周方向における磁束密度の分布が方形波状となる。その結果、磁束密度に高次高調波成分が多く含まれるようになり、トルクリップルや鉄損を増大させる可能性がある。
米国特許第4,885,493号明細書
上記背景に鑑み、最大磁束で回転電機を動作させる際には強い磁束を提供可能であり、弱め界磁状態では良好に磁束を抑制可能な回転電機の提供が望まれる。さらに、周方向における磁束密度の分布において高次高調波成分が抑制された界磁束を提供可能な可変磁束型の回転電機の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る回転電機の特徴構成は、
周方向の相対位置を調整可能なメインロータ及びサブロータを有したロータと、ステータコイルを有するステータとを備えた回転電機であって、
前記メインロータは、ロータコアの内部に埋め込まれて前記ステータコイルと鎖交する界磁束を提供する永久磁石を備え、
前記メインロータと前記ステータとの間に配置される前記サブロータは、前記界磁束に対して磁気抵抗となる磁気抵抗部をロータコアに備え、
前記メインロータの各磁極は、同極の磁極面を前記サブロータ側に向けて少なくとも磁極面に沿った方向の一端が連結端部として隣り合う状態で配置された複数の前記永久磁石により構成され、
各磁極の周方向両端に配置される前記永久磁石の磁極端部は、前記連結端部よりも前記サブロータ側に配置され、
前記メインロータにおける前記サブロータとの対向面側において各磁極の前記磁極端部間の周方向距離が磁極幅であり、当該対向面側において周方向に隣接する前記磁極の前記磁極端部間の周方向距離が磁極間隔であり、前記サブロータにおける前記メインロータとの対向面側において前記磁気抵抗部が設けられる周方向の範囲がロータ側磁気抵抗部幅であり、
複数の前記永久磁石は、前記磁極間隔が前記磁極幅未満となる状態で配置され、
前記磁気抵抗部は、前記ロータ側磁気抵抗部幅が前記磁極間隔以上前記磁極幅未満になるように形成されている点にある。
この構成によれば、1つの磁極が複数の永久磁石で構成され、この際、各永久磁石は同極の磁極面をサブロータ側に向け、各磁極の周方向両端の磁極端部は、隣り合う永久磁石の連結端部よりもサブロータ側に配置される。つまり、各磁極は例えばサブロータ側に開いたV字型やU字型などに配置されるので、サブロータ側即ちステータ側に向いた磁極の表面積を大きく確保することができる。また、複数の永久磁石は、磁極間隔が磁極幅未満となる状態で配置されるので、ステータ側と対向するメインロータの表面積の内、相対的に広くなる方が有効な磁極となる。その結果、多くの磁束をステータコイルへ提供することができる。また、メインロータとステータとの間に配置されるサブロータには、ロータ側磁気抵抗部幅が磁極間隔以上磁極幅未満になるように磁気抵抗部が形成される。つまり、少なくとも磁極間隔と同じ長さに設定されたロータ側磁気抵抗部幅を有する磁気抵抗部が形成されるので、隣り合う磁極間においてサブロータを介した漏れ磁束を効果的に抑制することができる。その結果、永久磁石から出る磁束を効果的にステータコイル側へ導くことが可能となり、強い磁束が提供可能となる。一方、弱め界磁状態の際には、当該磁気抵抗部が磁極幅のほぼ中央に位置するように、サブロータとメインロータとの相対位置を設定すればよい。サブロータを経由して磁束が短絡し、界磁が弱められる。尚、この際、ロータ側磁気抵抗部幅が磁極幅未満に設定されているので、サブロータにおいて周方向に磁気抵抗部が形成されていない非磁気抵抗部(磁性体部)によって、隣り合う磁極同士を結ぶ磁路が確保される。このため、磁極から出る磁束の全てが磁気抵抗部によって遮断されることにはならない。磁極から出る磁束のほとんどが磁気抵抗部によって遮断されると、永久磁石が不可逆減磁し易くなる可能性があるが、そのような可能性が抑制される。従って、永久磁石の不可逆減磁などを生じさせることなく、良好に弱め界磁を実現することができる。
ところで、磁気抵抗部の形状は、ロータ側磁気抵抗部幅のみではなく、サブロータにおけるステータとの対向面側において磁気抵抗部が設けられる周方向の範囲であるステータ側磁気抵抗部幅も規定されると好適である。上述したように、各磁極において永久磁石は、サブロータ側に開いたV字型やU字型に配置されている。各磁極においてV字やU字を構成する永久磁石の内、周方向両端に配置される永久磁石の磁極面をサブロータ側に延長した延長線よりも磁極の周方向中心側に磁気抵抗部が無い場合には、当該延長線に沿って広がる領域内において磁束がステータ側へ供給される。その結果、ステータ側では、異なる磁極から提供される磁束の方向がある地点で急激に切り替わることになり、周方向における磁束密度の分布がいわゆる方形波状となる。方形波はフーリエ級数展開を用いて数学的に導かれる波形の特徴上、高次高調波成分を多く含む。磁束密度の高次高調波成分は、回転電機のトルクの低下やトルクリップルの発生、鉄損の増加などの要因となる。従って、周方向における磁束密度の分布が方形波状となることを抑制し、高次高調波成分を低減することが好ましい。このためには、異なる磁極から提供される磁束密度の分布が急激に切り替わることがないように、つまり、中立点(振幅中心)がある程度続くように磁束密度の分布波形が調整されていることが好ましい。
具体的には、各磁極において周方向両端に配置される永久磁石の磁極面をサブロータ側に延長した延長線よりも磁極の周方向中心側にも磁気抵抗部が存在するとよい。好適な一形態として、前記サブロータにおける前記ステータとの対向面側において前記磁気抵抗部が設けられる周方向の範囲がステータ側磁気抵抗部幅であり、前記磁気抵抗部は、前記ステータ側磁気抵抗部幅が前記ロータ側磁気抵抗部幅よりも大きく形成されているとよい。各磁極において周方向両端に配置される永久磁石の磁極面のサブロータ側の端部は、磁極端部である。そして、ロータ側磁気抵抗部幅は、周方向に隣接する磁極の磁極端部間の周方向距離以上に設定されている。従って、ステータ側磁気抵抗部幅がロータ側磁気抵抗部幅よりも大きく形成されていると、各磁極において周方向両端に配置される永久磁石の磁極面をサブロータ側に延長した延長線を超えて各磁極の周方向中心側までステータ側磁気抵抗部幅が延伸されることが確実になる。これにより、磁気抵抗部は、当該延長線を越えて各磁極の周方向中心側まで形成されることになるので、磁極の極性が変わる際に、磁束が遮断される領域が広く設けられ、磁束密度の分布の急激な切り替わりが緩和されて中立点がある程度続くようになる。その結果、高次高調波成分が抑制され、回転電機のトルクの低下やトルクリップルの発生、鉄損の増加なども抑制される。
メインロータとサブロータとの相対位置を変更する相対位置変換機構のスケルトン図 メインロータとサブロータとの相対位置が基準位置であり、磁束最大の時の磁束分布の一例を示す図 メインロータとサブロータとの相対位置が基準位置に対して90度であり、最大の弱め界磁状態の磁束分布の一例を示す図 メインロータへの永久磁石の配置形態の一例(a)及びサブロータへの空隙(磁気抵抗部)の形成形態の一例(b)を示す図 磁極面の延長線に応じてステータ側磁気抵抗部幅を設定した場合の空隙(磁気抵抗部)の形成例を示す図 周方向の磁束密度の分布の一例を示す図 サブロータの鉄部の幅と高調波成分の抑制効果との関係のシミュレーション結果の一例を示すグラフ サブロータの非空隙部(非磁気抵抗部、磁性体部)の幅とサブロータへの漏れ磁束を生じる幅との一例を示す図 永久磁石の配置形態の他の例を示す図
以下、本発明に係る回転電機の実施形態を図面を利用して説明する。本実施形態では、メインロータとサブロータとの周方向の相対位置に応じてステータコイルに鎖交する界磁束が変化する可変磁束型の回転電機を例として説明する。図1に示すように、回転電機2は、相対位置が可変する2つのロータ4(10,20)を有するインナロータ型の回転電機である。ロータ4は、メインロータ20とサブロータ10とを有して構成される。本実施形態において、メインロータ20は、相対的に内側に配置される内ロータである。また、サブロータ10は、ステータ3と対向して相対的に外側に配置される外ロータである。メインロータ20及びサブロータ10の少なくとも一方には永久磁石が備えられる。本実施形態では、メインロータ20のみに永久磁石が備えられる。図2〜図4に示すように、メインロータ20は、ロータコア(メインロータコア)21の内部に埋め込まれて、ステータコイルと鎖交する界磁束を提供する永久磁石24を備えて構成される。一方、サブロータ10は、界磁束に対して磁気抵抗となる磁気抵抗部としての空隙7をロータコア(サブロータコア)11に備えて構成される。これら2つのロータ10,20の周方向の相対位置に応じてステータコイル3bに鎖交する界磁束が変化し、可変磁束型の回転電機2が実現される。
以下の説明では、特に断らない限り、「軸方向L」、「径方向R」、「周方向C」は、同軸配置されたメインロータコア21及びサブロータコア11の軸心(すなわち回転軸)を基準とする。また、以下の説明では、「軸第1方向L1」は図1における軸方向Lに沿った左方を表し、「軸第2方向L2」は図1における軸方向Lに沿った右方を表すものとする。また、「径内方向R1」は、径方向Rの内側(軸心側)へ向かう方向を表し、「径外方向R2」は、径方向Rの外側(ステータ側)へ向かう方向を表す。
図1に示すように、ケース80の内部に収容されている回転電機2は、ステータ3及びロータ4を備えている。そして、回転電機2は、メインロータ20とサブロータ10との周方向の相対位置を調整する相対位置調整機構50と共に駆動装置1を構成し、回転電機2の駆動力(トルクと同義)を出力軸6に伝達可能に構成されている。
ステータ3は、ケース80の周壁部の内面に固定されている。ステータ3は、ステータコア3aとステータコア3aに巻装されたコイル(ステータコイル)3bとを備え、回転電機2の電機子を構成する。ステータコア3aは、本例では、複数枚の電磁鋼板を積層して構成されており、円筒状に形成されている。ステータ3の径内方向R1側には、永久磁石を備えた界磁としてのロータ4が配置されている。ロータ4は、回転軸周りに回転可能にケース80に支持され、ステータ3に対して相対回転する。ロータ4は、メインロータ20及びサブロータ10が周方向の相対位置を調整可能に構成されている。
メインロータ20のメインロータコア21は、サブロータ10に対してステータ3とは反対側である径内方向R1側にあって、サブロータコア11と同軸配置されている。サブロータ10のサブロータコア11は、ステータ3に対して径内方向R1側において、ステータ3に対して径方向Rに対向するように配置される。ステータ3とメインロータ20との間に配置されるサブロータコア11は、一定の径方向厚さを有する円筒状に形成され、メインロータコア21と同軸に配置される。本例では、ステータコア3aと同様に、メインロータコア21及びサブロータコア11は、複数枚の電磁鋼板を積層して構成されている。メインロータコア21及びサブロータコア11は、径方向R視において重複するように配置されている。本例では、メインロータコア21及びサブロータコア11は、軸方向Lに同じ長さ(軸方向長さ)を有し、径方向R視において完全に重複するように配置されている。メインロータ20は、メインロータコア21を支持すると共にメインロータコア21と一体回転するメインロータコア支持部材22を備えている。サブロータ10は、サブロータコア11を支持すると共にサブロータコア11と一体回転するサブロータコア支持部材12を備えている。
図2〜図4に示すように、サブロータコア11には、磁束に対して磁気抵抗となるフラックスバリアとしての空隙7が形成されている。具体的には、本実施形態では、図4に示すように、サブロータコア11は、両ロータ10,20の相対位置が所定の基準位置にある状態で、周方向に隣接する磁極Fの磁極端部FTの間(即ち、磁極間)に配置され、界磁束に対して磁気抵抗となる空隙(磁極間空隙、磁気抵抗部)7を備えている。この空隙7により、メインロータ20とサブロータ10との間の周方向の相対位置に応じてステータ3のコイル3bに到達する鎖交磁束が変化する。詳細は後述するが、永久磁石24及び空隙7は、メインロータ20とサブロータ10との間の周方向の相対位置に応じて、永久磁石24からサブロータコア11内を通る漏れ磁束が抑制されてステータ3に到達する磁束(界磁束)が多くなる状態と、サブロータコア11内を通る漏れ磁束が多くなってステータ3に到達する磁束が少なくなる状態との間で遷移可能に配置されている。つまり、メインロータ20とサブロータ10との間の周方向の相対位置を調整して、ステータ3のコイル3bに到達する鎖交磁束を調整可能である。
再び、図1を参照すると、相対位置調整機構50は、メインロータコア支持部材22とサブロータコア支持部材12との間の周方向の相対位置を調整する機構である。上述したように、メインロータコア支持部材22はメインロータコア21と一体回転し、サブロータコア支持部材12はサブロータコア11と一体回転する。従って、相対位置調整機構50により、メインロータコア21とサブロータコア11との間の周方向の相対位置が調整される。本実施形態では、図1に示すように、相対位置調整機構50は、2つの差動歯車装置(第1差動歯車装置51及び第2差動歯車装置52)を備えて構成され、回転電機2に対して軸第1方向L1側に配置されている。2つの差動歯車装置51,52は、第1差動歯車装置51が第2差動歯車装置52に対して軸第1方向L1側に位置するように、軸方向Lに並べて配置されている。
第1差動歯車装置51及び第2差動歯車装置52は、本実施形態では、3つの回転要素を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。第1差動歯車装置51は、複数のピニオンギヤを支持する第1キャリヤ51bと、これらピニオンギヤにそれぞれ噛み合う第1サンギヤ51a及び第1リングギヤ51cとを回転要素として有している。また、第2差動歯車装置52は、複数のピニオンギヤを支持する第2キャリヤ52bと、これらピニオンギヤにそれぞれ噛み合う第2サンギヤ52a及び第2リングギヤ52cとを回転要素として有している。第1サンギヤ51aは、メインロータコア支持部材22と一体回転するように駆動連結され、第2サンギヤ52aは、サブロータコア支持部材12と一体回転するように駆動連結されている。第1キャリヤ51b及び第2キャリヤ52bは、出力軸6と一体回転するように駆動連結されている。これにより、メインロータコア支持部材22及びサブロータコア支持部材12は、相対位置調整機構50を介して出力軸6に駆動連結される。即ち、本例では、メインロータコア支持部材22とサブロータコア支持部材12との双方が、相対位置調整機構50を介して共通の出力軸6に駆動連結されている。また、第2リングギヤ52cは、リング状部材を介してケース80に固定されている。
第1リングギヤ51cの外周面(径外方向R2を向く面、以下同様)にはウォームホイール54bが設けられている。このウォームホイール54bは、第1リングギヤ51cの回転位置(周方向位置)を調整するためのウォームギヤ54aと噛み合っている。ウォームギヤ54aは、不図示のモータなどの駆動力源と接続されている。この駆動力源によりウォームギヤ54aを回転させることで、ウォームホイール54bを介して第1リングギヤ51cの回転位置(周方向位置)を変えることができる。第1リングギヤ51cの回転位置の調整時には駆動力源によりウォームギヤ54aが回転駆動され、調整時以外では停止した駆動力源を介してウォームギヤ54aが固定される。つまり、第1リングギヤ51cは、回転位置の調整時を除いて固定された状態となる。
本実施形態では、第1キャリヤ51bと第2キャリヤ52bとは一体的に一体キャリヤ53を構成しており、一体キャリヤ53が出力軸6と一体回転するように駆動連結されている。また、本実施形態では、第1差動歯車装置51と第2差動歯車装置52とは互いに同径に構成され、第1差動歯車装置51の歯数比(=第1サンギヤ51aの歯数/第1リングギヤ51cの歯数)と第2差動歯車装置52の歯数比(=第2サンギヤ52aの歯数/第2リングギヤ52cの歯数)とは互いに等しく設定されている。そして、第1リングギヤ51cの回転位置の調整時を除いて、第1リングギヤ51c及び第2リングギヤ52cの双方は固定された状態となる。よって、第1サンギヤ51aに駆動連結されたメインロータコア支持部材22と、第2サンギヤ52aに駆動連結されたサブロータコア支持部材12とは、互いに同じ回転速度(ロータ回転速度)で回転する。そして、出力軸6の回転速度は、ロータ回転速度に対して減速されたものとなる。すなわち、本例では、出力軸6には、回転電機2のトルクが増幅されて伝達される。
上述したように、本実施形態では、第2リングギヤ52cがケース80に固定されているのに対し、第1リングギヤ51cは回転位置が調整可能となっている。すなわち、キャリヤが一体的に形成された2つの遊星歯車機構において、一方のリングギヤを他方のリングギヤに対して周方向に相対移動(すなわち相対回転)させることが可能となっている。この相対回転に伴い、一方のサンギヤが他方のサンギヤに対して相対回転する。よって、第1リングリヤ51cの回転位置を調整することで、第1サンギヤ51aと第2サンギヤ52aとの間の周方向の相対位置を調整することができる。その結果、メインロータコア支持部材22とサブロータコア支持部材12との間の周方向の相対位置を調整することができる。
上述したように、本実施形態の回転電機2は、メインロータ20とサブロータ10との間の周方向の相対位置を調整して、ステータ3のコイル3bに到達する鎖交磁束を調整することが可能である。回転電機2を制御する一般的な方法として、永久磁石の磁束(界磁束)の方向であるd軸と、このd軸に対して電気角で直交する方向であるq軸とのdqベクトル空間を用いたベクトル制御が知られている。永久磁石の磁束はdqベクトル空間におけるd軸磁束に相当する。図2及び図3は、メインロータ20とサブロータ10との相対位置に応じたd軸磁束を例示している。図2及び図3は、ロータ4の軸直交断面を示しており、おおよそ電気角の1周期に相当する部分断面図である。図中の破線は、磁力線(磁束)を示している。図2は、メインロータ20とサブロータ10との相対位置が基準位置(0度)である状態を示しており、図3は、相対位置が基準位置に対して電気角で90度ずれた状態を示している。図2に示す基準位置は、ステータ3のコイル3bと鎖交するd軸磁束(界磁束)が最大となる相対位置であり、図3に示す位置は、コイル3bと鎖交するd軸磁束が最小となる相対位置を例示している。図2に比べて図3では、サブロータ10を通る漏れ磁束が増加し、ステータコイル3bと鎖交する磁束が減少しており、いわゆる弱め界磁状態となっている。
図4は、磁極Fと空隙7との関係を示している。メインロータ20とサブロータ10との相対位置は、図2と同様に基準位置である。図4(a)に実線で示すように、メインロータ20は、メインロータコア21と、このメインロータコア21の内部に埋め込まれてコイル3bと鎖交する界磁束を提供する永久磁石24とを備えている。永久磁石24は、複数個で1つの磁極Fを構成している。具体的には、各磁極Fは、同極の磁極面FP(N極面NP及びS極面SP)をサブロータ10の側に向けて、少なくとも磁極面FPに沿った方向の一端が連結端部FAとして隣り合う状態で配置された複数の永久磁石24により構成されている。この際、各磁極Fの周方向両端に配置される永久磁石24の磁極端部FTは、連結端部FAよりもサブロータ10の側に配置されている。本実施形態では、2つの永久磁石24により1つの磁極が構成される。図4(a)に例示した配置では、永久磁石24は、軸方向Lに見てサブロータ10側に開いたV字型に配置されている。ロータ4からステータ3への磁束は、ステータ3側から見た永久磁石24の表面積が大きいほど多くなる。永久磁石24をV字型に配置することによって表面積を拡大し、磁束を増やすことができる。
また、図4(b)に実線で示すように、サブロータコア11には、両ロータ10,20の相対位置が基準位置の状態で、周方向に隣接する磁極Fの間に、界磁束に対して磁気抵抗となる空隙7が形成されている。これに対して、周方向に隣り合う空隙7の間のサブロータコア11の部分は、磁束を積極的に通す磁路としての非空隙部(非磁気抵抗部)9となる。上述したように、永久磁石24は、各磁極Fにおいて同極の磁極面FPをサブロータ10の側に向けて配置されている。従って、周方向に隣接する磁極Fの間とは、メインロータ20のN極を構成する永久磁石24NのN極面NPと、S極を構成する永久磁石24SのS極面SPとの周方向における間の領域である。より詳しくは、磁極Fの間とは、N極面NPの径外側方向R2の径方向端部(径方向外端)である磁極端部FTと、S極面SPの径方向外端である磁極端部FTとの間の領域である。本実施形態では、磁極Fの間とは、メインロータ20におけるサブロータ10との対向面側において周方向Cに隣接する磁極Fの磁極端部FTの間の周方向距離(磁極間隔M2)を有する領域をいう。尚、磁極Fの領域とは、1つの磁極Fにおける当該対向面側での磁極端部FTの間の周方向距離(磁極幅M1)を有する領域をいう。
空隙7は、サブロータコア11を周方向に通る漏れ磁束に対して大きな磁気抵抗となるフラックスバリアとして機能する。その結果、基準位置においてはロータ4における漏れ磁束を大幅に抑制し、コイル3bの鎖交磁束を最大限に確保することができる。図2に示すように、永久磁石24が発生する界磁束(d軸磁束)は良好にコイル3bの鎖交磁束となる。
一方、図3を参照すると、図2とは異なり、周方向に隣接する磁極Fの間には空隙7が存在しない。このため、図3に示すように、永久磁石24の界磁束は、ステータ3の方向に比べて磁気抵抗の低いサブロータコア11の周方向に導かれる。つまり、界磁束の多くがロータ4において漏れ磁束となり、ステータ3のコイル3bの鎖交磁束が減少する。このように、メインロータ20とサブロータ10との相対位置によって界磁束を調整し、いわゆる弱め界磁が実現される。これにより、コイル3bに流す電流の内のいわゆるd軸電流を増加させることなく、回転電機2の弱め界磁制御が可能となる。
本実施形態においては、メインロータ20に設けられる磁極Fと、サブロータ10に形成される空隙7とを適切に配置することによって、界磁束を最大限に利用する最大トルク制御と、界磁束を制限する弱め界磁制御とが実現される。ここで、図4(a)に示すように、メインロータ20におけるサブロータ10との対向面側において各磁極Fの磁極端部FTの間の周方向距離を磁極幅M1とする。また、当該対向面側において周方向Cに隣接する磁極Fの磁極端部FTの間の周方向距離を磁極間隔M2とする。さらに、図4(b)に示すように、サブロータ10におけるメインロータ20との対向面側において空隙7が設けられる周方向Cの範囲をロータ側磁気抵抗部幅(ロータ側空隙幅)S1とする。また、サブロータ10におけるステータ3との対向面側において空隙7が設けられる周方向Cの範囲をステータ側磁気抵抗部幅(ステータ側空隙幅)S2とする。図4に示すように、本実施形態では、磁極幅M1、磁極間隔M2、ロータ側磁気抵抗部幅S1、ステータ側磁気抵抗部幅S2の各幅を回転電機2の回転軸を中心とした角度で表すこととする。
図2〜図4に示すように、本実施形態においては、複数の永久磁石24は、磁極間隔M2が磁極幅M1未満となる状態(M2<M1)で配置され、強い界磁束を提供可能に構成される。複数の永久磁石24が、磁極間隔M2が磁極幅M1未満となる状態で配置されるので、ステータ3側と対向するメインロータ20の表面積の内、相対的に広くなる方が有効な磁極となる。その結果、多くの磁束をステータコイル3bへ提供することができる。
一方、空隙7は、ロータ側空隙幅S1が磁極間隔M2以上磁極幅M1未満になるように形成されている(M2≦S1<M1)。空隙7のロータ側磁気抵抗部幅S1が、磁極間隔M2未満の場合には、図2に示したような基準位置においてサブロータコア11を通る漏れ磁束が多く発生する可能性がある。基準位置は、ステータコイル3bとの鎖交磁束が最も多くなるように制御された相対位置であるから、漏れ磁束は可能な限り少ない方が好ましい。本実施形態では、少なくとも磁極間隔M2と同じ長さに設定されたロータ側磁気抵抗部幅S1を有する空隙7が形成されることにより、隣り合う磁極F間においてサブロータ10を介した漏れ磁束を効果的に抑制することができる。
本実施形態では、径方向において強度的に必要最低限のブリッジ幅を残して、空隙7の径方向厚さがサブロータコア11の径方向厚さのほぼ全てとなるように設定されている。従って、サブロータコア11を介した漏れ磁束のほぼ全てが抑制される。更に、永久磁石24の磁極端部FTは、メインロータ20の外周面に対して強度的に必要最低限のブリッジ幅を残して限界まで径方向外側に配置されている。これにより、メインロータコア21を介した漏れ磁束も効果的に抑制される。その結果、永久磁石24から出る磁束のほぼ全てをステータ3側へ導くことが可能となり、強い磁束が提供可能となる。この様に、最大に磁束を利用する際には、ロータ側磁気抵抗部幅S1は、磁極間隔M2の全体を覆うことができるように設定されることが好ましい。
一方、図3に示したように最大に弱め界磁を実施する際には、サブロータコア11を短絡磁路として、漏れ磁束を増加させることが好ましい。ここで、空隙7のロータ側磁気抵抗部幅S1が、磁極幅M1以上の場合には磁極Fと対向するサブロータコア11の全域に空隙7が形成されることになる。つまり、磁極Fからサブロータコア11及びステータ3への磁路は、空隙7によってほぼ全て遮断されることになる。ステータ3の鎖交磁束を減少させて弱め界磁を実現する目的を達成する上では、磁路がほぼ全て遮断されてもよい。しかし、磁路の遮断によって、永久磁石24の磁束密度が低下すると、不可逆減磁が生じる可能性が高くなる。弱め界磁は界磁を一時的に弱める調整であるから、界磁が弱くなって元に戻らない不可逆減磁は当然ながら好ましくない。
弱め界磁は、磁極Fの磁路の遮断のみでなく、サブロータコア11に短絡磁路を設けて漏れ磁束を増加させることによっても充分に達成可能である。従って、空隙7のロータ側磁気抵抗部幅S1は、不可逆減磁を起こしにくい、磁極幅M1未満に設定されることが好ましい。上記説明より、ロータ側磁気抵抗部幅S1は、最低限、磁極間隔M2をカバーすることができ、最大弱め界磁状態の時に磁極幅M1を全て塞ぐことなく、サブロータコア11に短絡磁路を設けることができればよいから、「M2≦S1<M1」の関係を満たせばよい。界磁を弱める際にサブロータコア11を介して磁束を短絡させる上では、可能な限り短絡磁路を広く設けることが好ましい。従って、ロータ側磁気抵抗部幅S1は可能な限り短く設定されるとよく、最も好適には、図示のように「ロータ側磁気抵抗部幅S1=磁極間隔M2」に設定されるとよい。
また、空隙7は、ステータ側磁気抵抗部幅S2がロータ側磁気抵抗部幅S1よりも大きく形成されている(S2>S1)。図5に示すように、1つの態様として、各磁極Fの磁極面FPを径外側方向R2に延長し、隣り合う磁極Fの当該延長した線の間にステータ側磁気抵抗部幅S2’を設定することも考えられる。この場合には上述した「S2>S1」の関係は満たされず、「S2<S1」となる。この場合、ステータコイル3bに鎖交する磁束の波形は、図6(a)に示すように、N極とS極とが急速に入れ替わる方形波状に近くなる。
各磁極FにおいてV字やU字を構成する永久磁石24の内、周方向両端に配置される永久磁石24の磁極面FPをサブロータ10側に延長して延長線よりも磁極Fの周方向中心側の空隙7が少ない場合には、当該延長線に沿って広がる領域内において磁束がステータ3の側へ供給される。その結果、ステータ3の側では、異なる磁極Fから提供される磁束の方向が急激に切り替わることになり、周方向における磁束密度の分布がいわゆる方形波状となる。「S2<S1」となると、後述する中間的な極性(ゼロ極性)を有する期間が短くなり、周方向における磁束密度の分布が方形波状に近づく。方形波は、フーリエ級数展開を用いて数学的に導かれる波形の特徴上、高次高調波成分を多く含む。この高次高調波成分により、回転電機2のトルクリップルや鉄損が増加する可能性がある。
そこで、ステータ側磁気抵抗部幅を、隣り合う磁極Fの磁極面FPの延長線間の周方向長さ(S2’)よりも長くする。ステータ側磁気抵抗部幅をS2’よりも長くすることによって空隙7が周方向に拡大され、磁極Fからステータ3に提供される磁束が遮断される。これにより、ステータコイル3bに鎖交する磁束の波形は、図6(b)に示すように、N極とS極との入れ替わりの際に中間的な極性(ゼロ極性)を有するようになる。つまり、磁束密度の分布波形は、方形波状から基本波成分の正弦波に近づく。フーリエ級数展開を用いた公知の数学的な波形解析から明らかなように、この分布波形が正弦波に近づくことによって、極性の切り替わり時に生じる高調波成分が低減される。尚、サブロータコア11における周方向のコア延在範囲は狭くなるが、永久磁石24が発生する磁束は変化しないので、狭くなったコアに磁束が集まり、磁束密度の振幅は方形波の時の振幅a1よりも大きい振幅a2となる。従って、空隙7を広げ、コア延在範囲を狭くしてもトルクにはほとんど影響しない。
図7は、サブロータコア11における周方向のコア延在範囲である非空隙部9の幅(非空隙部幅、非磁気抵抗部幅)H1と、高次高調波成分の磁束密度の振幅との関係をシミュレーションした結果を示している。尚、本実施形態では、磁極幅M1等と同様に、コア延在範囲である非空隙部幅H1及び後述する漏れ磁束幅H2についても回転電機2の回転軸を中心とした角度で表す。ところで、本実施形態においては、3次高調波成分が最も鉄損に対して影響する。図7を参照すれば、この3次高調波成分は、図8に示すステータ3側の非空隙部幅H1を電気角で120度とした際に最も小さくなる。従って、理論上は、非空隙部幅H1を電気角で120度とすると好適である。但し、実際には上述したようにサブロータコア11及びメインロータコア21のブリッジ部などを経由する漏れ磁束が存在するので、この漏れ磁束の分を120度から差し引いて非空隙部幅H1が設定される。
本実施形態では、空隙7のそれぞれステータ3側及びメインロータ20側に、サブロータコア11を周方向に延在させるブリッジ部が形成されている。例えば、図8に破線で示すようにメインロータ20側のブリッジ部Bを経由する漏れ磁束が生じる。図示は省略するが、メインロータコア21の外周部のブリッジ部においても漏れ磁束が生じる。このような漏れ磁束の磁力線に対応する周方向幅(漏れ磁束幅)H2が120度から差し引かれる。漏れ磁束幅H2は、磁極Fの両端の磁極端部FTにおいて生じるから、図7及び図8に示すように、120度から漏れ磁束幅H2の2倍の幅が差し引かれる。本実施形態では、非空隙部幅H1は概ね100度となる。ステータ側磁気抵抗部幅S2は、電気角の半周期(180度)から非空隙幅H1及び漏れ磁束幅H2を除いた幅とすることができる。
〔他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、各磁極の周方向両端に配置される永久磁石24の磁極端部FTが、連結端部FAよりもサブロータ10側に配置される例として、2つの永久磁石24がサブロータ10側に開いたV字型の配置を示した(図2〜図5等)。しかし、永久磁石24の配置は、この例に限定されるものではない。図9に示すように、3つの永久磁石24がサブロータ10側に開いたU字型の配置であってもよい。当然ながら、4つ以上の永久磁石24によって1つの磁極Fが構成されてもよい。
(2)上記実施形態においては、ステータ側磁気抵抗部幅S2とロータ側磁気抵抗部幅S1との関係を「S2>S1」とすることによって、高次高調波成分を効果的に抑制する形態を説明した。しかし、例えば、「S2=0」のように極端にステータ側磁気抵抗部幅S2が短くならなければ、周方向における磁束密度の分布波形において極性の切り替わり時に幾分かの中間極性が現れる。従って、図7に示したように、最も効果的に3次高調波を減衰させるような状態にはできなくとも、磁束密度の分布波形における高調波成分を幾分かは減衰させることができる。つまり、ロータ側磁極幅S1が、「M2≦S1<M1」の関係を満たすという点だけによっても、限定的ではあるが高調波の抑制効果を得ることができる。
(3)上記実施形態においては、磁気抵抗部として空隙7を好適な例として説明した。しかし、磁気抵抗部は、空隙7のような穴(孔)や、空間に限定されることなく、アルミニウムやステンレスなどの非磁性体によって構成されていてもよい。当然ながら、空隙の内部に、そのような非磁性体が埋め込まれて、磁気抵抗部が構成されていてもよい。
本発明は、最大磁束で回転電機を動作させる際には強い磁束を提供可能であり、弱め界磁状態では良好に磁束を抑制可能な回転電機に適用することができる。また、周方向における磁束密度の分布において高次高調波成分が抑制された界磁束を提供可能な可変磁束型の回転電機に適用することができる。
3:ステータ
3b:ステータコイル
4:ロータ
7:空隙(磁気抵抗部)
10:サブロータ
11:サブロータコア(ロータコア)
20:メインロータ
21:メインロータコア(ロータコア)
24:永久磁石
C:周方向
F:磁極
FA:連結端部
FP:磁極面
FT:磁極端部
M1:磁極幅
M2:磁極間隔
S1:ロータ側磁気抵抗部幅
S2:ステータ側磁気抵抗部幅

Claims (2)

  1. 周方向の相対位置を調整可能なメインロータ及びサブロータを有したロータと、ステータコイルを有するステータとを備えた回転電機であって、
    前記メインロータは、ロータコアの内部に埋め込まれて前記ステータコイルと鎖交する界磁束を提供する永久磁石を備え、
    前記メインロータと前記ステータとの間に配置される前記サブロータは、前記界磁束に対して磁気抵抗となる磁気抵抗部をロータコアに備え、
    前記メインロータの各磁極は、同極の磁極面を前記サブロータ側に向けて少なくとも磁極面に沿った方向の一端が連結端部として隣り合う状態で配置された複数の前記永久磁石により構成され、
    各磁極の周方向両端に配置される前記永久磁石の磁極端部は、前記連結端部よりも前記サブロータ側に配置され、
    前記メインロータにおける前記サブロータとの対向面側において各磁極の前記磁極端部間の周方向距離が磁極幅であり、当該対向面側において周方向に隣接する前記磁極の前記磁極端部間の周方向距離が磁極間隔であり、前記サブロータにおける前記メインロータとの対向面側において前記磁気抵抗部が設けられる周方向の範囲がロータ側磁気抵抗部幅であり、
    複数の前記永久磁石は、前記磁極間隔が前記磁極幅未満となる状態で配置され、
    前記磁気抵抗部は、前記ロータ側磁気抵抗部幅が前記磁極間隔以上前記磁極幅未満になるように形成されている回転電機。
  2. 前記サブロータにおける前記ステータとの対向面側において前記磁気抵抗部が設けられる周方向の範囲がステータ側磁気抵抗部幅であり、前記磁気抵抗部は、前記ステータ側磁気抵抗部幅が前記ロータ側磁気抵抗部幅よりも大きく形成されている請求項1に記載の回転電機。
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