JP2006288043A - 永久磁石形モータ - Google Patents

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Takanobu Kushihira
孝信 串平
Mitsuyuki Yokoyama
光之 横山
Masato Nagata
正人 永田
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Abstract

【課題】 閉スロットタイプの固定子鉄心を備えた永久磁石形モータにおいて、トルクリップルを小さくする。
【解決手段】 固定子鉄心12は、各ティース14の回転子側の先端部に隣り合ったティース14間を連結する連結部16を有する閉スロットタイプであり、かつ、各ティース14の先端部付近に、軸方向に延びる穴21を2個ずつ設けた構成とする。ティース14の先端部付近に形成した穴21が、回転子の回転時において連結部16を流れる鎖交磁束の磁気抵抗となり、連結部16側へ磁束が流れ難くなり、連結部16を流れる鎖交磁束の量の急激な変化が抑えられるようになる。これにより、ティース14(固定子巻線部)に発生する誘起電圧波形にひずみが発生することが抑えられ、ひいてはトルクリップルが発生することを極力抑えることができるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、閉スロットタイプの固定子鉄心を備えた永久磁石形モータに関する。
この種のモータにおける固定子鉄心の従来構成の一例を図16及び図17に示す。固定子鉄心1は、円環状をなすヨーク部2の内側に複数のティース3が放射状に設けられていて、各ティース3間にスロット4が形成されている。各ティース3の先端部には、隣り合ったティース3間を連結する連結部5が一体に設けられていて、固定子鉄心1としては、各スロット4が閉塞された閉スロットタイプとされている。各ティース3には、図示しない固定子巻線が巻装される。固定子鉄心1の中央部には、軸方向から見て単純な円形をなす回転子収容孔6が形成されていて、この回転子収容孔6に、図示はしないが、永久磁石を有する回転子が回転可能に収容配置される。そして、上記各連結部5には、スロット4側が開口した溝7が形成されている。この溝7は、連結部5の径方向の幅を狭くして磁束の漏れを抑えるためのものである。
なお、閉スロットタイプの固定子鉄心を備えたモータとしては、例えば特許文献1及び特許文献2が知られている。
実開平5−4738号公報(図3参照) 特開2002−142391号公報(図1参照)
ところで、上記した図16及び図17に示す構成の固定子鉄心1を用いた永久磁石形モータにおいては、回転子の回転時におけるトルクリップルが大きいという問題があった。その原因は次のような理由であると考えられる。上記構成の永久磁石形モータにおいて、回転子の回転時におけるコイル部(固定子巻線を巻回するティース3部分)に発生する誘起電圧の変化をみると、図18に示すような波形となっている。この波形には電気角90度付近で大きなひずみが発生しており、このためにトルクリップルが大きくなるということである。このとき、連結部5付近の誘起電圧にも電気角90度付近でひずみが発生している。このひずみの発生原因は、連結部5を流れる漏れ磁束量(鎖交磁束量)が一定でなく、電気角90度付近で連結部5を流れる磁束量が急激に変化しているためであると考えられる(図19、図20参照)。図20の拡大図で示すように、連結部磁束の特性線は、特に90度〜100度付近で曲線となっていて、曲率が変化しており、連結部5での鎖交磁束量の変化が激しいということがわかる。
図21はコイル部(ティース3部分)に発生する誘起電圧を周波数分析したもので、誘起電圧と高調波の次数との関係が示されている。この場合、特に5次、7次、11次、19次の誘起電圧が高くなっており、誘起電圧の歪率は17.2%である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、閉スロットタイプの固定子鉄心を備えたものにおいて、トルクリップルを小さくすることができる永久磁石形モータを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、固定子巻線が巻装される複数のティース及び複数のスロットを有する固定子鉄心を備えた固定子と、永久磁石を有し前記固定子に対して回転可能に設けられた回転子とを具備した永久磁石形モータにおいて、前記固定子鉄心は、前記各ティースの前記回転子側の先端部に隣り合ったティース間を連結する連結部を有する閉スロットタイプであり、かつ、前記各ティースの先端部付近に、軸方向に延びる穴を設けたことを特徴とする。
上記した手段においては、各ティースの先端部付近に穴を形成しておくことにより、その穴が、回転子の回転時において固定子鉄心の各連結部を流れる鎖交磁束の磁気抵抗となり、連結部側へ磁束が流れ難くなり、連結部を流れる鎖交磁束の量の急激な変化が抑えられるようになる。これにより、ティース(固定子巻線部)に発生する誘起電圧波形にひずみが発生することが抑えられ、ひいてはトルクリップルが発生することを極力抑えることができるようになる。
同様な目的を達成するために、請求項3の発明は、固定子巻線が巻装される複数のティース及び複数のスロットを有する固定子鉄心を備えた固定子と、永久磁石を有し前記固定子に対して回転可能に設けられた回転子とを具備した永久磁石形モータにおいて、前記固定子鉄心は、前記各ティースの前記回転子側の先端部に隣り合ったティース間を連結する連結部を有する閉スロットタイプであり、かつ、前記各連結部付近に、軸方向に延びる穴及び溝を設けたことを特徴とする。
上記した手段においては、各ティースの連結部付近に穴及び溝を形成しておくことにより、回転子の回転時において固定子鉄心の各連結部を流れる鎖交磁束は、主には連結部において前記穴と回転子に臨む面との間の部分を流れるが、その穴とスロットの間の部分との間の部分にも流れ得るようになるので、結果的に、連結部を流れる鎖交磁束の量の急激な変化が抑えられるようになる。これにより、請求項1の発明と同様に、ティース部(固定子巻線部)に発生する誘起電圧波形にひずみが発生することが抑えられ、ひいてはトルクリップルが発生することを極力抑えることができるようになる。
請求項1及び3の発明によれば、閉スロットタイプの固定子鉄心を備えたものにおいて、トルクリップルを小さくすることができる。
以下、本発明のいくつかの実施例について図面を参照して説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例について図1ないし図7を参照して説明する。この第1実施例は、本発明を、6極18スロットの内転形の永久磁石形モータに適用した例である。
まず、図2及び図3において、固定子11の固定子鉄心12は、円環状をなすヨーク部13の内側に、複数、この場合18本のティース14が放射状に設けられていて、各ティース14間にスロット15が形成されている。スロット数は18個である。各ティース14の先端部には、隣り合ったティース14間を連結する連結部16(図1参照)が一体に設けられていて、固定子鉄心12としては、各スロット15が閉塞された閉スロットタイプとされている。
各ティース14には図示しない固定子巻線(コイル)が巻装されることにより、固定子11が構成される。固定子鉄心12の中央部には回転子収容孔17が形成されていて、この回転子収容孔17に、永久磁石18を有する回転子19が回転可能に収容配置される。永久磁石18は回転子19の外周部に6個配置されており、回転子19の磁極数は6極となっている。各永久磁石18は蒲鉾状をなしている。固定子鉄心12の連結部16部分には、スロット15側が開口した溝20が形成されている。この溝20は軸方向に延びていて、各連結部16は、その溝20の部分で径方向の幅が狭くなっている。
上記各ティース14の先端部付近には、軸方向に延びる穴21が周方向に2個ずつ形成されている。各穴21は、鍵穴状をなしている。ここで、図1に示すように、2個の穴21間の穴ピッチをd1、穴21の幅をd2、ティース14の幅をd3としたときに、穴ピッチd1は、d3>d1>d2の関係が成立するように設定している。なお、穴ピッチd1は、ティース14の幅d3と同じとなるように設定しても良い(d1=d3)。
また、上記固定子鉄心12において、回転子19に臨む面である回転子収容孔17の内面の軸方向から見た形状は、図1にも示すように、多数(複数)の直線部を連ねた多角形形状となっている。具体的には、各ティース14の先端部に対応する部分に位置した第1の直線部22と、隣り合ったティース14間の連結部16に対応する部分に位置した第2の直線部23とを交互に連ねた多角形形状となっている。この場合、第1の直線部22の長さをa1、第2の直線部23の長さをb1とした場合、第1の直線部22の長さa1は、第2の直線部23の長さb1よりも大となるように設定されている(a1>b1)。なお、第1の直線部22の長さa1と第2の直線部23の長さb1とを等しくなるように設定しても良い(a1=b1)。
第1の直線部22はティース14の数と同じ18本、各連結部16に位置する第2の直線部23も18本となっており、直線部の数(第1の直線部22と第2の直線部23の数の合計)は36本となっている。したがって、直線部の数は、ティース数(18)×m(mは正の整数)となっている。本実施例においては、m=2である。
上記した構成において、回転子19の回転時におけるコイル部(固定子巻線を巻回するティース14部分)に発生する誘起電圧をみると、図4に示すような波形となっていて、大きなひずみは発生していないことがわかる。よって、トルクリップルが抑えられるようになる。この場合、連結部16部分に発生する誘起電圧にも大きなひずみは発生していない。図5はコイル部と連結部16を流れる鎖交磁束の変化を示しており、図6は、連結部16を流れる鎖交磁束の変化を拡大して示している。図6から、連結部磁束の特性線は、電気角90度から120度までほぼ直線状に上昇しており、連結部16を流れる鎖交磁束の量の変化が少ないことがわかる。
ここで、この第1実施例においては、次のような理由でトルクリップルが抑えられるものであると考えられる。すなわち、各ティース14の先端部付近に2個の穴21を形成しておくことにより、その穴21が、回転子19の回転時において固定子鉄心12の各連結部16を流れる鎖交磁束の磁気抵抗となり、連結部16側へ磁束が流れ難くなり、連結部16を流れる鎖交磁束の量の急激な変化が抑えられるようになる。これにより、ティース14(固定子巻線部)に発生する誘起電圧波形にひずみが発生することが抑えられ、ひいてはトルクリップルが発生することを極力抑えることができるようになると考えられる。
図7はコイル部(ティース14部分)に発生する誘起電圧を周波数分析したもので、誘起電圧と高調波の次数との関係が示されている。この場合、従来例の場合(図21)に比べて5次、7次、11次、19次の誘起電圧が低くなっており、誘起電圧の歪率は6.0%で、従来例に比べて小さくなっていることがわかる。
また、上記した第1実施例においては、固定子鉄心12は閉スロットタイプであるから、開スロットタイプに比べてコギングトルクを低減化できる。
さらに、固定子鉄心12の回転子19に臨む面である回転子収容孔17の軸方向から見た形状が、従来のように単純な円形である場合、各ティース14に巻装された固定子巻線の回転子19側に鎖交する磁束が一点に集中するようなピークが発生し、このためにコギングトルクが発生しやすくなるという事情がある。この点、上記した実施例のように、固定子鉄心12の回転子19に臨む面である回転子収容孔17の軸方向から見た形状を、複数の直線部21,22を連ねた多角形形状とすることにより、各ティース14に巻装された固定子巻線の回転子19側に鎖交する磁束のピークとなる部分が抑えられ、コギングトルクの発生を一層抑えることが可能になる。この場合、磁束の漏れは抑えられるから、発生トルクの減少も抑えられる。
また、各連結部16の機械的強度も特に低下させることもないので、組立時に回転子収容孔17がひずむようなことも防止できる。
(第2実施例)
図8ないし図13は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は、上記した第1実施例とは次の点が異なっている。
すなわち、図8及び図9において、固定子鉄心12における各ティース14の先端部付近には第1実施例の穴21は形成されておらず、代わりに、各ティース14間の各連結部25付近に、軸方向に延びる1個の小判形の穴26と2個の溝27が形成されている。2個の溝27は、それぞれスロット15側が開口していて、周方向において穴26を挟むように配置されている。従って、各連結部25は、穴26と回転子収容孔17との間に挟まれた第1の連結部25aと、穴26とスロット15との間に挟まれた第2の連結部25bとに分岐された形態となっている。
この場合、溝27の径方向の深さeは、第2の連結部25bの径方向の幅fより大となるように設定している(d>f)。また、溝27の開口部の幅gは、連結部25の周方向の中心とティース14の周方向の側面との間の幅hより小となるように設定している(g<h)。
上記した構成において、回転子19の回転時におけるコイル部(固定子巻線を巻回するティース14部分)に発生する誘起電圧をみると、図10に示すような波形となっていて、大きなひずみは発生していないことがわかる。よって、この場合もトルクリップルが抑えられるようになる。この場合、連結部25部分に発生する誘起電圧にも大きなひずみは発生していない。図11はコイル部と連結部25を流れる鎖交磁束の変化を示しており、図12は、連結部25を流れる鎖交磁束の変化を拡大して示している。図12から、連結部磁束の特性線は、電気角90度から120度までほぼ直線状に上昇しており、連結部25を流れる鎖交磁束の量の変化が少ないことがわかる。
ここで、この第2実施例においては、次のような理由でトルクリップルが抑えられるものであると考えられる。すなわち、各ティース14の連結部25付近に穴26及び溝27を形成しておくことにより、回転子19の回転時において固定子鉄心12の各連結部25を流れる鎖交磁束は、主には連結部25において前記穴26と回転子19との間の第1の連結部25a部分を流れるが、その穴26とスロット15の間の第2の連結部25b部分にも流れ得るようになるので、結果的に、連結部25を流れる鎖交磁束の量の急激な変化が抑えられるようになる。これにより、第1実施例と同様に、ティース14(固定子巻線部)に発生する誘起電圧波形にひずみが発生することが抑えられ、ひいてはトルクリップルが発生することを極力抑えることができるようになると考えられる。
図13はコイル部(ティース14部分)に発生する誘起電圧を周波数分析したもので、誘起電圧と高調波の次数との関係が示されている。この場合も、従来例の場合(図21)に比べて5次、7次、11次、19次の誘起電圧が低くなっており、誘起電圧の歪率が従来例に比べて小さくなっていることがわかる。また、この場合、誘起電圧の歪率は3.9%であり、第1実施例よりも小さくなっている。
なお、回転子収容孔17の軸方向から見た形状を、多数の直線部22,23を連ねた多角形形状としたことによる効果は、第1実施例と同様である。また、各連結部25の機械的強度も特に低下させることもないので、組立時に回転子収容孔17がひずむようなことも防止できる。
(第3実施例)
図14は本発明の第3実施例を示したものであり、この第3実施例は上記した第1実施例とは次の点が異なっている。すなわち、この第3実施例は、本発明を10極12スロットの永久磁石形モータに適用したものである。
固定子31の固定子鉄心32は、円環状をなすヨーク部33の内側に、複数、この場合12本のティース34が放射状に設けられていて、各ティース34間にスロット35が形成されている。スロット数は12個である。各ティース34の先端部には、隣り合ったティース34間を連結する連結部36が一体に設けられていて、固定子鉄心32としては、各スロット35が閉塞された閉スロットタイプとされている。
各ティース34には図示しない固定子巻線が巻装されることにより、固定子31が構成される。固定子鉄心32の中央部には回転子収容孔37が形成されていて、この回転子収容孔37に、永久磁石38を有する回転子39が回転可能に収容配置される。永久磁石38は回転子39の外周部に10個配置されており、回転子39の磁極数は10極となっている。各永久磁石38は蒲鉾状をなしている。固定子鉄心32の連結部36部分には、スロット35側が開口した溝40が形成されている。この溝40は軸方向に延びていて、各連結部36は、その溝40の部分で径方向の幅が狭くなっている。
そして、上記各ティース34の先端部付近には、軸方向に延びる穴41が周方向に2個ずつ形成されている。各穴41は、鍵穴状をなしている。この場合も、第1実施例と同様に、2個の穴41間の穴ピッチは、穴41の幅より大きく、ティース34の幅より小さくなるように設定している。
また、上記固定子鉄心32において、回転子39に臨む面である回転子収容孔37の内面の軸方向から見た形状は、多数(複数)の直線部を連ねた多角形形状となっている。具体的には、各ティース34の先端部に対応する部分に位置した第1の直線部42と、隣り合ったティース34間の連結部36に対応する部分に位置した第2の直線部43とを交互に連ねた多角形形状となっている。この場合も、第1の直線部42の長さが、第2の直線部43の長さよりも大となるように設定されている。第1の直線部42はティース34の数と同じ12本、各連結部36に位置する第2の直線部43も12本となっており、直線部の数(第1の直線部42と第2の直線部43の数の合計)は24本となっている。したがって、直線部の数は、ティース数(12)×m(mは正の整数)となっている。本実施例においては、m=2である。
このような構成とした第3実施例においても、第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。
なお、この第3実施例が対象とする10極12スロットの永久磁石形モータにおいて、各ティース34に2個ずつの穴41を設けることに代えて、第2実施例と同様に、各連結部36に穴26と2個の溝27を設ける構成とすることもできる。このような構成とした場合には、第2実施例と同様な作用効果を得ることができる。
(第4実施例)
図15は本発明の第4実施例を示したものであり、この第4実施例は上記した第1及び第3実施例とは次の点が異なっている。すなわち、この第4実施例は、本発明を8極6スロットの永久磁石形モータに適用したものである。
固定子51の固定子鉄心52は、円環状をなすヨーク部53の内側に、複数、この場合6本のティース54が放射状に設けられていて、各ティース54間にスロット55が形成されている。スロット数は6個である。各ティース54の先端部には、隣り合ったティース54間を連結する連結部56が一体に設けられていて、固定子鉄心52としては、各スロット55が閉塞された閉スロットタイプとされている。
各ティース54には図示しない固定子巻線が巻装されることにより、固定子51が構成される。固定子鉄心52の中央部には回転子収容孔57が形成されていて、この回転子収容孔57に、永久磁石58を有する回転子59が回転可能に収容配置される。永久磁石58は回転子59の外周部に8個配置されており、回転子59の磁極数は8極となっている。各永久磁石58は蒲鉾状をなしている。固定子鉄心52の連結部56部分には、スロット55側が開口した溝60が形成されている。この溝60は軸方向に延びていて、各連結部56は、その溝60の部分で径方向の幅が狭くなっている。
そして、上記各ティース54の先端部付近の連結部56寄りの部位には、軸方向に延びる穴61が周方向に2個ずつ形成されている。各穴61は、鍵穴状をなしている。この場合も、第1実施例と同様に、2個の穴61間の穴ピッチは、穴61の幅より大きく、ティース54の幅より小さくなるように設定している。
また、上記固定子鉄心52において、回転子59に臨む面である回転子収容孔57の内面の軸方向から見た形状は、多数(複数)の直線部を連ねた多角形形状となっている。具体的には、各ティース54の先端部に対応する部分に位置した第1の直線部62と、隣り合ったティース54間の連結部56に対応する部分に位置した第2の直線部63とを交互に連ねた多角形形状となっている。この場合、第1の直線部62の長さが、第2の直線部63の長さよりも大となるように設定されている。第1の直線部62はティース54の数と同じ6本、各連結部56に位置する第2の直線部63も6本となっており、直線部の数(第1の直線部62と第2の直線部63の数の合計)は12本となっている。したがって、直線部の数は、ティース数(6)×m(mは正の整数)となっている。本実施例においては、m=2である。
このような構成とした第4実施例においても、上記した第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。
なお、この第4実施例が対象とする8極6スロットの永久磁石形モータにおいて、各ティース54に2個ずつの穴61を設けることに代えて、第2実施例と同様に、各連結部56に穴26と2個の溝27を設ける構成とすることもできる。このような構成とした場合には、第2実施例と同様な作用効果を得ることができる。
(その他の実施例)
本発明は、上記した各実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
回転子の極数が4極×n(nは正の整数)、固定子鉄心のスロット数が6×n(nは正の整数)のモータ、回転子の極数が6極×n(nは正の整数)、固定子鉄心のスロット数が9×n(nは正の整数)のモータ、或いは、回転子の極数が12極×n(nは正の整数)、固定子鉄心のスロット数が9×n(nは正の整数)のモータにも適用することができる。
外転形の永久磁石形モータにも適用できる。
本発明の第1実施例を示す固定子鉄心の拡大正面図 固定子巻線を省略した状態で示す全体の正面図 固定子鉄心全体の正面図 コイル部と連結部に発生する誘起電圧の変化を示す特性線図 コイル部と連結部に鎖交する鎖交磁束量の変化を示す特性線図 連結部に鎖交する鎖交磁束量の変化を拡大して示す特性線図 コイル部に発生する誘起電圧を周波数分析した結果を示す図 本発明の第2実施例を示す図1相当図 図3相当図 図4相当図 図5相当図 図6相当図 図7相当図 本発明の第3実施例を示す図2相当図 本発明の第4実施例を示す図2相当図 従来例を示す図3相当図 図1相当図 図4相当図 図5相当図 図6相当図 図7相当図
符号の説明
図面中、11,31,51は固定子、12,32,52は固定子鉄心、14,34,54はティース、15,35,55はスロット、16,36,56は連結部、17,37,57は回転子収容孔、18,38,58は永久磁石、19,39,59は回転子、20,40,60は溝、21,41,61は穴、22,42,62は第1の直線部、23,43,63は第2の直線部、25は連結部、26は穴、27は溝を示す。

Claims (10)

  1. 固定子巻線が巻装される複数のティース及び複数のスロットを有する固定子鉄心を備えた固定子と、永久磁石を有し前記固定子に対して回転可能に設けられた回転子とを具備した永久磁石形モータにおいて、
    前記固定子鉄心は、前記各ティースの前記回転子側の先端部に隣り合ったティース間を連結する連結部を有する閉スロットタイプであり、かつ、前記各ティースの先端部付近に、軸方向に延びる穴を設けたことを特徴とする永久磁石形モータ。
  2. 前記穴は各ティースに対して周方向に2個ずつ配置されていて、これら2個の穴間の穴ピッチをd1、前記穴の幅をd2、前記ティースの幅をd3としたときに、前記穴ピッチd1は、d3≧d1>d2の関係が成立するように設定したことを特徴とする請求項1記載の永久磁石形モータ。
  3. 固定子巻線が巻装される複数のティース及び複数のスロットを有する固定子鉄心を備えた固定子と、永久磁石を有し前記固定子に対して回転可能に設けられた回転子とを具備した永久磁石形モータにおいて、
    前記固定子鉄心は、前記各ティースの前記回転子側の先端部に隣り合ったティース間を連結する連結部を有する閉スロットタイプであり、かつ、前記各連結部付近に、軸方向に延びる穴及び溝を設けたことを特徴とする永久磁石形モータ。
  4. 前記穴は前記各連結部に1個ずつ配置されていると共に、前記溝は周方向において前記穴を挟むように2個ずつ配置されていることを特徴とする請求項3記載の永久磁石形モータ。
  5. 前記固定子鉄心の前記回転子に臨む面の軸方向から見た形状は、複数の直線部を連ねた多角形形状としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石形モータ。
  6. 前記多角形形状の直線部の数は、ティース数×m(mは正の整数)であることを特徴とする請求項5記載の永久磁石形モータ。
  7. 前記多角形形状の直線部は、各ティースの先端部に対応する部分に位置した第1の直線部と、隣り合ったティース間の前記連結部に対応する部分に位置した第2の直線部とを有していて、前記第1の直線部の長さをa、前記第2の直線部の長さをbとしたとき、a≧bの関係であることを特徴とする請求項5または6記載の永久磁石形モータ。
  8. 回転子の極数は6極×n(nは正の整数)、固定子鉄心のスロット数は18×n(nは正の整数)であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の永久磁石形モータ。
  9. 回転子の極数は10極×n(nは正の整数)、固定子鉄心のスロット数は12×n(nは正の整数)であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の永久磁石形モータ。
  10. 回転子の極数は8極×n(nは正の整数)、固定子鉄心のスロット数は6×n(nは正の整数)であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の永久磁石形モータ。

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