JPH0851751A - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

永久磁石式回転電機

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JPH0851751A
JPH0851751A JP6188429A JP18842994A JPH0851751A JP H0851751 A JPH0851751 A JP H0851751A JP 6188429 A JP6188429 A JP 6188429A JP 18842994 A JP18842994 A JP 18842994A JP H0851751 A JPH0851751 A JP H0851751A
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JP
Japan
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magnetic
rotor
magnetic material
stator
permanent magnet
Prior art date
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Pending
Application number
JP6188429A
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English (en)
Inventor
Kazuto Sakai
和人 堺
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Priority to US08/429,755 priority patent/US5808392A/en
Priority to DE69531022T priority patent/DE69531022T2/de
Priority to EP95106466A priority patent/EP0680131B1/en
Publication of JPH0851751A publication Critical patent/JPH0851751A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

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  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、低速から高速回転までの運転が可
能で、且つ高力率・高効率・高安定性を得ることを目的
とする。 【構成】 ステータ鉄心2にコイル3を巻回して電機子
を構成するステータ1と、ロータ鉄心7の周面に主界磁
用の複数の永久磁石6が周方向に等間隔をおいて配置さ
れ永久磁石6の表面上には磁性部材9がそれぞれ配置さ
れるとともにロータ鉄心7の軸方向両端部に当該ロータ
鉄心7と磁気的に結合し且つ磁性部材9の端部と空隙を
おいて磁性材製のエンドリング10が設けられたロータ
8とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石による電機子
コイルの鎖交磁束量を効果的に調整することにより低速
から高速回転までの広範囲の運転を可能とし、且つ高力
率・高効率を実現することができる永久磁石式回転電機
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に永久磁石界磁方式の回転電機は
図16に示すような構成となっている。即ち、ステータ
41は、ステータ鉄心42にスロット45があり、スロ
ット45に電機子コイル43が配置されている。またロ
ータ48は、界磁となる永久磁石46がロータ鉄心47
の外周表面に配置、固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石式回転電機は
界磁に永久磁石を用いているため界磁磁束は一定であ
る。したがって、電機子コイルと鎖交する磁束量は一定
であり、ロータの回転数に比例して誘起電圧は大とな
り、回転電機の端子電圧も大となる。
【0004】一方、電気自動車等の電気推進システムや
コンプレッサ等に使用するモータは低速領域は定トルク
運転であるが、高速領域は定出力運転を行う。したがっ
て、定トルク領域では端子電圧は回転数にほぼ比例して
大きくなるが、定出力領域ではトルクは小となるため電
流も少なくてよいことから電圧は一定に近い値となるこ
とが望ましい。
【0005】しかし、上記のシステム等に永久磁石式回
転電機を適用すると高速回転領域では誘起電圧は回転数
に比例して高くなり、ついには誘起電圧がインバータの
電圧に一致して回転が不可能となる。高速回転を可能と
するには単純にインバータの電圧を大きくすればよい
が、インバータの皮相電力が大きくなり、インバータは
大型化し、また、効率も悪くなる。そこで界磁磁束と逆
方向に作用する電機子反作用のd軸成分の電機子電流を
流すことにより電機子コイルと鎖交する界磁磁束を低下
させる技術(弱め界磁)が適用される。しかし、永久磁
石の比透磁率は真空の比透磁率(1.0)に近い値
(1.1)であり、電機子側からロータの界磁をみると
磁気的空隙長は永久磁石厚みと機械的空隙長の和とな
り、非常に大きくなる。したがって、弱め界磁の効果を
得るにはd軸の電機子電流をかなり大きくしなければな
らず、効率上及び温度的に問題がある。また、永久磁石
自身にも電機子反作用により反磁界が直接に加わり、特
性が劣化する(減磁)おそれがある。また、耐高速回転
を向上させるため、ロータの表面に固定された永久磁石
が離散するのを防止するために非磁性のリングで永久磁
石を覆う技術がある。しかし、永久磁石からみると、非
磁性リングの厚みと機械的空隙長の和が磁気的空隙長と
なるため、一般の回転電機より磁気的空隙長は大とな
り、空隙磁束密度は低下して回転電機は大型化し、効率
は悪くなる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、低速から高速回転までの広範囲の運転を可能とし、
且つ高力率・高効率で高い安定性を有する永久磁石式回
転電機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等
間隔をおいて配置され該永久磁石の表面上には磁性部材
がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ鉄心の軸方向
両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ前記磁性
部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材製のエンドリン
グが設けられたロータとを有することを要旨とする。
【0008】第2に、磁性材のステータ鉄心にコイルを
巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ
鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間
隔をおいて配置され該永久磁石の表面上にはケイ素鋼板
製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ
鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し
且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材製
のエンドリングが設けられたロータとを有することを要
旨とする。
【0009】第3に、磁性材のステータ鉄心にコイルを
巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ
鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間
隔をおいて配置され該永久磁石の表面上にはFeCoV
合金製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロ
ータ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結
合し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性
材製のエンドリングが設けられたロータとを有すること
を要旨とする。
【0010】第4に、磁性材のステータ鉄心にコイルを
巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ
鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間
隔をおいて配置され該永久磁石の表面上には磁性のステ
ンレス材製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前
記ロータ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的
に結合し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて
磁性材製のエンドリングが設けられたロータとを有する
ことを要旨とする。
【0011】第5に、磁性材のステータ鉄心にコイルを
巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ
鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間
隔をおいて配置され該永久磁石の表面上には金属磁性粉
末とその絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウンドを成形
して得た圧粉磁心材製の磁性部材がそれぞれ配置される
とともに前記ロータ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄
心と磁気的に結合し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空
隙をおいて磁性材製のエンドリングが設けられたロータ
とを有することを要旨とする。
【0012】第6に、磁性材のステータ鉄心にコイルを
巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ
鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間
隔をおいて配置され該永久磁石の表面上にはフェライト
製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ
鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し
且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材製
のエンドリングが設けられたロータとを有することを要
旨とする。
【0013】第7に、磁性材のステータ鉄心にコイルを
巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ
鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間
隔をおいて配置され該永久磁石の表面上にはアモルファ
ス磁性材製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前
記ロータ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的
に結合し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて
磁性材製のエンドリングが設けられたロータとを有する
ことを要旨とする。
【0014】第8に、前記磁性部材は磁性薄板を積層し
て構成してなることを要旨とする。
【0015】第9に、円盤形状のステータとロータが適
宜の空隙をおいて対向配置されたアキシャルギャップ型
の永久磁石式回転電機であって、磁性材のステータ鉄心
にコイルを巻回して電機子を構成するステータと、磁性
材のロータ鉄心に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に
等間隔おいて配置され前記空隙側の少なくとも前記永久
磁石の表面には磁性部材が配置されるとともに前記ロー
タ鉄心の内、外両周面部に当該ロータ鉄心と磁気的に結
合し且つ前記磁性部材とは適宜の間隙をおいて磁性材製
のエンドリングが設けられたロータとを有することを要
旨とする。
【0016】第10に、前記エンドリングはFeCoV
合金製であることを要旨とする。
【0017】第11に、前記エンドリングは磁性薄板を
積層して構成してなることを要旨とする。
【0018】第12に、前記磁性部材の端部と前記エン
ドリング間の空隙部を非磁性材としてなることを要旨と
する。
【0019】第13に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等
間隔をおいて配置され該永久磁石の表面上には磁性部材
がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ鉄心の軸方向
両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ前記磁性
部材の端部に接して磁性材製のエンドリングが設けられ
たロータとを有することを要旨とする。
【0020】第14に、前記エンドリングは前記ロータ
鉄心と非磁性材を介して磁気的に結合するように構成し
てなることを要旨とする。
【0021】第15に、前記磁性部材を軸方向に貫通す
るダンパーバーを設け、該ダンパーバーの両端部を前記
ロータ鉄心に取り付けた導電性の短絡リングにそれぞれ
接続してなることを要旨とする。
【0022】第16に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列され該複数の永久磁石の表面には前記ロータ鉄心の磁
性材よりも飽和磁束密度の低い磁性材製の磁性リングが
設けられたロータとを有することを要旨とする。
【0023】第17に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列され該複数の永久磁石の表面には磁束密度が0.5〜
0.8(T)で比透磁率が100以上であり、且つ磁束
密度が1.6(T)以上で比透磁率が100以下の磁気
特性を持つ磁性材製の磁性リングが設けられたロータと
を有することを要旨とする。
【0024】第18に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列され該複数の永久磁石の表面には金属磁性粉末とその
絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウンドを成形して得た
圧粉磁心材製の磁性リングが設けられたロータとを有す
ることを要旨とする。
【0025】第19に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列され該複数の永久磁石の表面にはフェライト製の磁性
リングが設けられたロータとを有することを要旨とす
る。
【0026】第20に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列され該複数の永久磁石の表面にはアモルファス磁性材
製の磁性リングが設けられたロータとを有することを要
旨とする。
【0027】第21に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面
にはケイ素鋼板製の磁性リングが設けられたステータ
と、磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久
磁石が周方向に配列されたロータとを有することを要旨
とする。
【0028】第22に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面
には磁性リングが設けられたステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列されたロータとを有し、前記磁性リングは前記ロータ
鉄心の磁性材よりも飽和磁束密度の低い磁性材で作製し
てなることを要旨とする。
【0029】第23に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面
には磁束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が10
0以上であり、且つ磁束密度が1.6(T)以上で比透
磁率が100以下の磁気特性を持つ磁性材製の磁性リン
グが設けられたステータと、磁性材のロータ鉄心の周面
に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列されたロー
タとを有することを要旨とする。
【0030】第24に、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻回して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面
には金属磁性粉末とその絶縁及び結合を兼ねる樹脂コン
パウンドを成形して得た圧粉磁心材、フェライト又はア
モルファス磁性材の何れかで作製された磁性リングが設
けられたステータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界
磁用の複数の永久磁石が周方向に配列されたロータとを
有することを要旨とする。
【0031】第25に、前記磁性リングは、前記ロータ
の回転軸の方向に長い小片を当該ロータの回転方向に積
層した積層体又は前記ロータの回転軸を中心としたリン
グ形状の薄板を前記回転軸の方向に積層した積層体の何
れかで構成してなることを要旨とする。
【0032】第26に、磁性材のステータ鉄心にはスロ
ットと歯が交互に形成され前記スロット内に収容される
ように前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記
スロットの開口部にはケイ素鋼板製の磁性楔が設けられ
たステータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の
複数の永久磁石が周方向に配列されたロータとを有する
ことを要旨とする。
【0033】第27に、磁性材のステータ鉄心にはスロ
ットと歯が交互に形成され前記スロット内に収容される
ように前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記
スロットの開口部には磁性楔が設けられたステータと、
磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石
が周方向に配列されたロータとを有し、前記磁性楔は前
記ロータ鉄心の磁性材よりも飽和磁束密度の低い磁性材
で作製してなることを要旨とする。
【0034】第28に、磁性材のステータ鉄心にはスロ
ットと歯が交互に形成され前記スロット内に収容される
ように前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記
スロットの開口部には磁束密度が0.5〜0.8(T)
で比透磁率が100以上であり、且つ磁束密度が1.6
(T)以上で比透磁率が100以下の磁気特性を持つ磁
性材製の磁性楔が設けられたステータと、磁性材のロー
タ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配
列されたロータとを有することを要旨とする。
【0035】第29に、磁性材のステータ鉄心にはスロ
ットと歯が交互に形成され前記スロット内に収容される
ように前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記
スロットの開口部には金属磁性粉末とその絶縁及び結合
を兼ねる樹脂コンパウンドを成形して得た圧粉磁心材、
フェライト又はアモルファス磁性材の何れかで作製され
た磁性楔が設けられたステータと、磁性材のロータ鉄心
の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
たロータとを有することを要旨とする。
【0036】第30に、前記磁性楔は、前記ロータの回
転軸の方向に長い小片を当該ロータの回転方向に積層し
た積層体又は前記ロータの回転方向に長い矩形形状の薄
板を前記回転軸の方向に積層した積層体の何れかで構成
してなることを要旨とする。
【0037】
【作用】上記構成において、第1に、電機子からロータ
を見たとき、ロータの主界磁用永久磁石の表面には磁性
部材があるので磁気的空隙長は機械的空隙長と等しくな
り、電機子による電機子反作用磁界は強くなる。このた
め、電機子反作用による弱め界磁の効果が大きくなる。
また、高速領域において弱め界磁制御を行ったとき、界
磁の磁気回路は、ロータ鉄心−永久磁石−ステータ鉄心
−永久磁石−ロータ鉄心の通常の磁気回路の他に、ロー
タ鉄心−永久磁石−磁性部材−エンドリング−ロータ鉄
心からなる新たな磁気回路が形成される。このため、電
機子コイルと鎖交する磁束が減少して、この点において
も弱め界磁が効果的に作用する。したがって、高速領域
において弱め界磁制御を行うことにより、回転電機の端
子電圧が低くなって力率・効率の良い運転が可能とな
る。
【0038】第2に、永久磁石の表面に配置する磁性部
材は、ケイ素鋼板で容易に実現することが可能である。
【0039】第3に、永久磁石の表面に配置する磁性部
材をFeCoV合金製とすることにより、FeCoV合
金は2.3[T]の高飽和磁束密度の磁気特性を持つの
で、ケイ素鋼板の場合よりも弱め界磁用の電機子電流を
大きくすることができる。したがって、弱め界磁を大き
くしたい場合や磁性部材の厚みを小にしたい場合に効果
的となる。
【0040】第4に、永久磁石の表面に配置する磁性部
材は、磁性のステンレス材を用いても容易に実現可能で
ある。
【0041】第5、第6に、永久磁石の表面に配置する
磁性部材として圧粉磁心材又はフェライト材を用いた場
合、これらの磁性部材は高周波においても磁束密度の低
下(透磁率の低下)が僅かであり、積層化することなく
一体物でも渦電流を低減することが可能となる。したが
って、圧粉磁心材、フェライト材を用いた場合は簡素な
構成で特性の良い回転電機を実現することが可能とな
る。
【0042】第7に、永久磁石の表面に配置する磁性部
材は、アモルファス磁性材を用いても容易に実現可能で
ある。
【0043】第8に、一層の高効率が要求される場合、
ロータが高速で回転する場合、多極の回転電機の場合、
又は電機子スロットが開口スロットの場合は、主界磁の
永久磁石表面に配置する磁性部材は薄板を積層した構成
とすることにより渦電流を低減することが可能となる。
【0044】第9に、円盤形状のステータとロータが適
宜の空隙をおいて対向配置されたアキシャルギャップ型
の永久磁石式回転電機においても、前記空隙側における
少なくとも永久磁石の表面に磁性部材を配置し、ロータ
鉄心の内、外両周面部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合
し且つ磁性部材とは適宜の間隙をおいて磁性材製のエン
ドリングを設けることにより、前記第1の発明と同様
に、低速から高速回転までの広範囲の運転が可能とな
り、且つ高力率・高効率が実現される。
【0045】第10に、エンドリングは、永久磁石表面
上の磁性部材と同様に、FeCoV合金製とすることに
より、弱め界磁を大きくすることが可能となる。
【0046】第11に、エンドリングにおいても磁性薄
板を積層した構成とすることにより、渦電流を低減する
ことが可能となる。
【0047】第12に、磁性部材の端部とエンドリング
間の空隙部に非磁性材を設けて構造強化を図っても、弱
め界磁を効果的に作用させることが可能である。
【0048】第13に、エンドリングを磁性部材の端部
に磁気的な空隙なしに接する構造とすることにより、ロ
ータ周面上の部材が一体化されて強度を強めることが可
能となる。
【0049】第14に、ロータ鉄心と磁気的に結合する
エンドリングは、アキシャルギャップ型の回転電機等、
そのロータ構造によっては、ロータ鉄心と非磁性材を介
して磁気的に結合する構造としても、弱め界磁を効果的
に作用させることが可能である。
【0050】第15に、永久磁石表面上の磁性部材を軸
方向に貫通するダンパーバーを設け、そのダンパーバー
の両端部をロータ鉄心に取り付けた導電性の短絡リング
にそれぞれ接続することにより、急激な負荷変動が生じ
た場合、ダンパーバーによりロータに制動作用が生じて
回転電機の安定化が可能となる。
【0051】第16に、電機子からロータを見たとき、
ロータの主界磁用永久磁石の表面には磁性リングがある
ので磁気的な空隙長は機械的空隙長と等しくなり、電機
子による電機子反作用磁界は強くなる。このため、電機
子反作用による弱め界磁の効果が大きくなる。磁性リン
グは低飽和磁束密度材のため、低速から中速回転の範囲
で弱め界磁制御を行わないときは界磁磁束の殆んどは径
方向に流れて空隙を横切り、電機子コイルと鎖交して有
効利用される。一方、高速領域で弱め界磁制御を行った
ときは、電機子反作用磁界により界磁磁束は反発し、積
極的に磁性リングを磁路として隣極と磁気回路を形成
し、電機子コイルと鎖交する界磁磁束は効果的に減少す
る。したがって高速領域において弱め界磁制御を行うこ
とにより、回転電機の端子電圧が低くなって力率・効率
の良い運転が可能となる。
【0052】第17に、低飽和磁束密度の磁性リング
は、磁気特性において、磁束密度が0.5〜0.8
(T)で比透磁率が100以上であり、且つ磁束密度が
1.6(T)以上で比透磁率が100以下のSUS63
0等の磁性材で容易に実現することが可能である。
【0053】第18、第19、第20に、低飽和磁束密
度の磁性リングは、圧粉磁心材、フェライト又はアモル
ファス磁性材を用いても容易に実現することが可能であ
る。
【0054】第21に、磁性リングは、ステータ鉄心の
内周面に設けても、前記第16の発明とほぼ同様の作用
を得ることができる。そして磁性リングをステータ鉄心
側に設ける場合は、磁性リングはステータ鉄心と磁気的
に短絡されており、且つ磁性リングとロータの永久磁石
間には空隙があるため、界磁磁束の周方向に漏れる磁束
はロータに磁性リングがある場合より少なくなる。この
ため、磁性リングは透磁率の高いケイ素鋼板製とするこ
とが可能となる。
【0055】第22、第23、第24に、ステータ鉄心
の内周面に設ける磁性リングは、ロータ側に設ける磁性
リングと同様に、低飽和磁束密度磁性材、具体的には、
磁気特性において、磁束密度が0.5〜0.8(T)で
比透磁率が100以上であり、且つ磁束密度が1.6
(T)以上で比透磁率が100以下の磁性材、圧粉磁心
材、フェライト又はアモルファス磁性材の何れかを用い
ても実現することが可能である。
【0056】第25に、ロータ側又はステータ側に設け
る磁性リングは、磁性薄板の積層体とすることにより、
渦電流を低減することが可能となる。
【0057】第26に、ステータ鉄心におけるスロット
の開口部に磁性楔を設けた構成とすることにより、第2
1の発明と同様の作用を得ることが可能であり、また、
この磁性楔は、透磁率の高いケイ素鋼板製とすることが
可能となる。
【0058】第27、第28、第29に、磁性楔は、ス
テータ鉄心の内周面に設ける磁性リングと同様に、低飽
和磁束密度磁性材、具体的には、磁気特性において、磁
束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が100以上
であり、且つ磁束密度が1.6(T)以上で比透磁率が
100以下の磁性材、圧粉磁心材、フェライト又はアモ
ルファス磁性材の何れかを用いても実現することが可能
である。
【0059】第30に、磁性楔においても、磁性薄板の
積層体とすることにより、渦電流を低減することが可能
となる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1乃至図7は、本発明の第1実施例を示す図で
ある。まず、図1乃至図3を用いて、永久磁石式回転電
機の構成を説明する。ステータ1にはケイ素鋼板を積層
したステータ鉄心2があり、スロット5と歯4が交互に
形成されている。ステータ鉄心2の歯4に電機子コイル
3が巻回されて電機子が構成されている。また、ロータ
8におけるロータ鉄心7はS45Cの磁性材製で円筒形
状となっており、その円周表面に異極の関係である4個
のNdFeBの希土類永久磁石6が等間隔をおいて配置
されている。永久磁石6は回転電機の主界磁となる。そ
して永久磁石6の空隙側表面に磁性部材9が配置されて
いる。またロータ鉄心7の軸方向両端部に当該ロータ鉄
心7と磁気的に結合し且つ磁性部材9の端部と適宜の空
隙をおいて磁性材製のエンドリング10が設けられてい
る。磁性部材9の材質としては、ケイ素鋼板、FeCo
V合金、磁性のステンレス材、アモルファス磁性材、金
属磁性粉末とその絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウン
ドを成形して得られた圧粉磁心材又はフェライトの何れ
かが用いられる。ケイ素鋼板、FeCoV合金、磁性の
ステンレス材、アモルファス磁性材等は0.5mm厚程度
の薄い板を積層して構成したものが用いられ、その他は
ソリッドのものが用いられている。また、エンドリング
10は軟鋼、構造用炭素鋼(S45C等)、前記の磁性
部材9と同等の材料(ケイ素鋼板、FeCoV合金、磁
性のステンレス材、アモルファス材)が使用され、薄い
板の積層又はソリッドの何れでも適用できる。永久磁石
6は接着剤、ボルト等でロータ鉄心7に固定され、磁性
部材9も接着剤、ボルト、軸方向棒等でロータ8に固定
されている。
【0061】次に、上述のように構成された永久磁石式
回転電機の作用を説明する。本実施例では、電機子から
ロータ8を見たときロータ8の界磁の外周には磁性部材
9があるため磁気的空隙長は機械的空隙長と等しくな
り、電機子による電機子反作用磁界は強くなる。このた
め、電機子反作用による弱め界磁の効果が大きく、高速
回転領域を拡大することが可能となる。以下、この弱め
界磁等の各作用を順に説明する。
【0062】高速領域で定出力運転を行うには、回転電
機の誘起電圧は高くなるため界磁磁束を減少させる弱め
界磁制御を行うことにより力率・効率の良い運転が可能
となる。本実施例では電機子のd軸電流による弱め界磁
を行ったとき、界磁の永久磁石6の磁束はd軸電流の電
機子反作用により反発され、界磁磁束は電機子反作用の
磁界が弱い磁性のエンドリング10側へ磁路を変える。
これによりロータ鉄心7−永久磁石6−ステータ鉄心2
−永久磁石6−ロータ鉄心7からなる通常の磁気回路の
他に、図1に示すようにロータ鉄心7−永久磁石6−磁
性部材9−磁性のエンドリング10−ロータ鉄心7から
なる新しい磁気回路が形成される。つまり、永久磁石6
の磁束の一部が上記の新しい磁気回路を通ることによ
り、電機子コイル3と鎖交する磁束は減少して弱め界磁
が効果的に作用し、力率・効率が向上する。
【0063】磁気飽和による弱め界磁への影響の低減を
説明する。磁路となる磁性のリングをステータ鉄心とロ
ータ間に設けるとd軸とq軸の磁束が通り、電流が大き
いとき磁気飽和が生じ、弱め界磁の効果が弱くなること
もある。一方、本実施例の回転電機においては、エンド
リング10がステータ鉄心2の外にあるため、トルクを
発生する電流となるq軸電流によるq軸磁束の殆んどは
エンドリング10を通らず、d軸電機子反作用によりス
テータ1と鎖交しないように磁路を変えた永久磁石6の
磁束がエンドリング10を通る。以上より、さらに大き
なd軸電流を流すことができる。また、q軸電流による
影響(磁性材の磁気飽和等)が小であり、制御性も向上
する。また図3に示すようにロータ鉄心7の極間が突起
構造でないとき、d軸リアクタンスと比較してq軸は極
間部に空隙があり、q軸リアクタンスを小とすることが
できるため、q軸磁束は小であり磁気飽和への影響もさ
らに小となる。
【0064】永久磁石6の減磁について説明する。本実
施例では、同時に電機子反作用による永久磁石6の減磁
は以下の作用により防ぐことになる。d軸電流による電
機子反作用を受けると、永久磁石6の一部の磁束の磁路
がステータ鉄心2からロータの磁性のエンドリング10
に移るため、永久磁石6の動作特性を決めるパーミアン
ス係数の大きな低下が抑えられて永久磁石6は磁気的に
安定する。したがって、永久磁石6は電機子反作用によ
る減磁を避けることができる。
【0065】駆動電源について説明する。図3に示すよ
うにロータ鉄心7の極間が突起構造でないとき、d軸リ
アクタンスと比較してq軸は極間部に空隙があり、q軸
リアクタンスを小とすることができる。このため、駆動
電源からの回転電機を見たときのインピーダンスは小と
なり、駆動電源の容量も小となる。
【0066】上記のような諸作用において、主界磁の永
久磁石6表面に設ける磁性部材9にFeCoV合金を適
用した場合、FeCoV合金は2.3[T]の高飽和磁
束密度の磁気特性を有するため、ケイ素鋼板の磁性部材
より大きなd軸電流を流すことができる。したがって、
弱め界磁を大きくしたい場合、磁性部材9の厚みを小に
したい場合に効果が大である。
【0067】高効率が要求される場合、ロータが高速で
回転する場合、多極の回転電機の場合、又は電機子スロ
ットが開口スロットの場合は、主界磁の永久磁石6表面
に設ける磁性部材9は、例えば0.5mm厚のケイ素鋼板
を積層した構成とすることにより渦電流を低減すること
ができる。また、主界磁の永久磁石6表面に設ける磁性
部材9に圧粉磁心材、フェライト材を適用した場合、こ
れらの磁性部材は高周波においても磁束密度の低下(透
磁率の低下)が僅かであり、積層せずに一体物でも渦電
流を低減することができる。したがって、圧粉磁心材、
フェライト材を適用すると簡素な構成で特性の良い回転
電機が得られる。
【0068】図4には、磁性部材9等に用いた磁性のス
テンレス(SUS630)とロータ鉄心7、エンドリン
グ10等に用いた構造用炭素鋼(S45C)の磁気特性
を示し、図5には、磁性部材9に用いた圧粉磁心材の磁
気特性を示し、図6には、ケイ素鋼板、圧粉磁心材及び
フェライト材の高周波における磁気特性を示し、図7に
は、磁性のアモルファス材の磁気特性を示す。
【0069】図8には、上記第1実施例の変形例を示
す。この変形例では、主界磁の永久磁石6がロータ鉄心
7aの表面部に埋め込まれるように設けられている。作
用は、上記第1実施例とほぼ同様であるが、この変形例
によればロータ8を小型に構成することができる。
【0070】上述したように、本実施例によれば、永久
磁石6による電機子コイルの鎖交磁束量を効果的に調整
することができるため、低速から高速回転までの広範囲
の運転を可能とし、且つ高力率・高効率を実現すること
ができる。
【0071】図9には、本発明の第2実施例を示す。本
実施例ではエンドリング10が磁性部材9の端部に磁気
的な空隙無しに接している。この構造では、磁束の漏れ
は大きくなるがロータ8周面上の部材が一体化されて強
度的に強くなる。
【0072】図10及び図11には、本発明の第3実施
例を示す。永久磁石回転電機は急な負荷変動が生じた場
合、駆動電源の制御による安定化を図るしかない。しか
し、良質な電源を必要とする発電機システムにおいては
通常の永久磁石回転電機システムでは電気系統を含めて
安定化を行うのは極めて困難である。本実施例は、これ
を解決するようにしたものであり、磁性部材9に軸方向
に複数の孔を穿設し、これらの孔にダンパーバー11を
通し、これらダンパーバー11の両端部をロータ鉄心7
に取り付けた導電性の短絡リング12にそれぞれ接続し
たものである。ダンパーバー11によりロータ8に制動
作用が生じ、急激な負荷変動等に対し、永久磁石式回転
電機及び系統の安定化が可能となる。
【0073】図12には、本発明の第4実施例を示す。
本実施例は、円盤形状のステータとロータが所要の空隙
をおいて対向配置されたアキシャルギャップ型の回転電
機に適用したものである。円盤形状のステータにおける
ステータ鉄心に電機子コイル13が巻回されて電機子が
構成されている。同様に円盤形状のロータ18における
ロータ鉄心17には主界磁用の複数の永久磁石16が周
方向に等間隔をおいて配置され、その永久磁石16の空
隙側表面には磁性部材19が取り付けられている。また
ロータ鉄心17の内、外両周面部に当該ロータ鉄心17
と非磁性材14を介して磁気的に結合し、且つ磁性部材
19の端部とはその非磁性材14により所要の間隙に保
持された磁性材製のエンドリング20が設けられてい
る。作用、効果は、第1実施例である前述のラジアルギ
ャップタイプの永久磁石式回転電機とほぼ同様である。
【0074】図13には、本発明の第5実施例を示す。
ロータ28におけるロータ鉄心27はS45Cの磁性材
からなり、ロータ鉄心27の円周表面に異極の関係であ
る4個の永久磁石26が周方向に配置されている。そし
て永久磁石26の表面に磁性材製の磁性リング29が、
これらの永久磁石26を覆うように設けられている。磁
性リング29の材質としては、磁気特性において、磁束
密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が100以上で
あり、且つ、磁束密度が1.6(T)以上で比透磁率が
10近くであるSUS630(図4参照)、Ti系カッ
プリング材で表面処理された69μm粒子径のFe−S
iの合金粉とその絶縁および結合を兼ねる樹脂コンパウ
ンドを成形して得られた圧粉磁心材(図6参照)、フェ
ライトの磁性材又は10〜30μmのCo基アモルファ
スをスパイラル状に100層程度巻いて積層したもの
(図7参照)等、飽和磁束密度の低い磁性材が用いられ
る。
【0075】次に、作用を説明する。本実施例の回転電
機においては、電機子からロータ28を見たときロータ
28の外周には磁性リング29があるため磁気的空隙長
は機械的空隙長と等しくなり、電機子による電機子反作
用磁界は強くなる。また、電機子反作用磁界により永久
磁石26からの磁束は反発し、積極的に磁性リング29
を磁路として隣極と磁気回路を形成し、電機子コイル3
と鎖交する界磁磁束は効果的に減少する。図4、図5、
図7に示すように磁性リング29は低飽和磁束密度材の
ため磁束が増加すると比透磁率は小となり、磁性リング
29の周方向から径方向に漏れようとするが、電機子反
作用の影響で積極的に磁束は周方向に流れる。したがっ
て、d軸電流による電機子反作用の大きさを調整するこ
とにより、電機子コイル3と鎖交する界磁磁束量を効果
的に調整することができる。
【0076】例として次のように調整される。低速から
中速回転の範囲では弱め界磁は行われないため、d軸電
流は零とし、トルクを発生するq軸電流のみを流してブ
ラシレスDCモータを駆動する。高速回転領域では任意
のd軸電流を流して界磁磁束を減少させ、モータの端子
電圧を低下させる。
【0077】磁性リング29の低飽和磁束密度材として
の作用はd軸電流による電機子反作用が無いとき、界磁
磁束を有効に利用するため磁束がコイル3と鎖交するよ
うにする。磁性リング29を周方向に通る磁束はN極と
S極の極間に近くなる程磁束が増えて透磁率は低下し、
低飽和磁束密度材のため磁束による透磁率の変化は大き
く、透磁率の絶対値も鉄と比較してかなり小となる。こ
のため、殆んどの界磁磁束は径方向に流れ、空隙を横切
り、電機子コイル3と鎖交する。
【0078】一方、永久磁石26の電機子反作用による
減磁は以下の作用により防ぐことができる。d軸電流に
よる電機子反作用を受けると、永久磁石26の磁束はス
テータ鉄心2から磁性リング29の磁路を変えることが
でき、磁気回路がオープンにならず、パーミアンス係数
の大きな低下を抑えることができる。したがって、永久
磁石26は電機子反作用による減磁を避けることができ
る。
【0079】ロータ28が高速で回転する場合、多極の
回転電機の場合は、磁性リング29に渦電流が発生して
損失が生じる。これに対し、磁性リング29を、ロータ
28の回転軸の方向に長い小片を当該ロータ28の回転
方向に積層した積層体又はロータ28の回転軸を中心と
したリング形状の薄板を回転軸の方向に積層した積層体
の何れかで構成することにより渦電流を低減することが
できる。積層方法としては、電子ビーム溶接、レーザ溶
接、接着剤、樹脂による一体モールド法がある。なお、
図6に示すように、圧粉磁心材、フェライト材は高周波
においても磁束密度の低下(透磁率の低下)が僅かであ
り、積層せずに一体物でも渦電流を低減することができ
る。したがって、前記第1実施例と同様に、圧粉磁心
材、フェライト材を本実施例に適用すると簡素な構成で
特性の良い回転電機が得られる。
【0080】図14には、本発明の第6実施例を示す。
本実施例では、ステータ鉄心2の内周面に磁性リング3
0が設けられている。磁性リング30の材質としては、
前記第5実施例における磁性リング29と同様の材質に
加え極薄ケイ素鋼板も用いられている。また、磁性リン
グ30は、第5実施例の磁性リング29と同様に積層体
とすることもできる。
【0081】作用は、前記第5実施例とほぼ同様である
が、本実施例のように、ステータ1側に磁性リング30
を設ける場合は、磁性リング30はステータ鉄心2と磁
気的に短絡されており、且つ、磁性リング30とロータ
28の永久磁石26間には空隙があるため、界磁磁束の
周方向に漏れる磁束はロータ28に磁性リングがある場
合より少なくなる。したがって、上記したように、透磁
率の高い磁性材(ケイ素鋼板)等も適用できる。ただ
し、断面積は小さくする必要がある。
【0082】図15には、本発明の第7実施例を示す。
本実施例では、ステータ1におけるスロット5の開口部
に、それぞれ磁性楔31が設けられている。磁性楔31
の材質としては、第6実施例の磁性リング30と同様の
ものが用いられる。ケイ素鋼板は1〜2mm厚程度のもの
が用いられる。磁性楔31を積層体とするときは、ロー
タ28の回転軸の方向に長い小片を当該ロータ28の回
転方向に積層するか又はロータ28の回転方向に長い矩
形形状の薄板を回転軸の方向に積層する。
【0083】磁性楔31の作用は、第6実施例の磁性リ
ング30とほぼ同様である。
【0084】第5〜第7実施例の磁性リング29,3
0、磁性楔31を設けた場合の付属的な作用、効果とし
て、ステータのスロット5と歯4の磁気抵抗の差により
発生するコギングトルクを低減できる。これは、ステー
タ鉄心2にはスロット5と歯4が交互に形成されている
ため、空隙のパーミアンスが変化する。空隙磁束は歯4
と対向する部分に集中し、磁束密度分布は歯4とスロッ
ト5間で急激に変化する。上記各実施例では空隙部分の
磁性リング29,30又はスロット5に磁性楔31があ
るため、歯4を通る磁束は磁性リング29,30、磁性
楔31により滑らかに分布する。これにより、磁気エネ
ルギの変化率は小となり、コギングトルクは小となる。
【0085】なお、上述の各実施例では永久磁石式回転
界磁の回転電機について述べたが、直流モータに代表さ
れるステータ側を永久磁石界磁とし、ロータを回転電機
子としても上記とほぼ同様の作用、効果が得られる。ま
た、実施例では永久磁石式回転電機について述べたが永
久磁石式のリニアモータでも同様に可能である。さら
に、界磁極表面と電機子表面間の磁束漏れによる出力低
下よりも、トルク脈動の低減を優先する場合は、一般の
巻線形界磁の同期機にも適用可能である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項記載の発
明によれば、それぞれ次のような効果を奏する。
【0087】請求項1記載の発明によれば、磁性材のス
テータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成するステー
タと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の永
久磁石が周方向に等間隔をおいて配置され該永久磁石の
表面上には磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記
ロータ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に
結合し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁
性材製のエンドリングが設けられたロータとを具備させ
たため、電機子からロータを見たときの磁気的空隙長が
機械的空隙長と等しくなり電機子による電機子反作用磁
界が強くなって電機子反作用により弱め界磁の効果を大
きくすることができる。また高速領域において弱め界磁
制御を行ったとき、電機子コイルと鎖交する磁束を減少
させて、この点においても弱め界磁を効果的に作用させ
ることができる。したがって、高速領域において弱め界
磁制御を行うことにより、回転電機の端子電圧が低くな
って高力率・高効率を実現することができる。
【0088】請求項2記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材を具体的にケイ素鋼板製とした
ため、上記請求項1記載の発明の効果を容易、確実に実
現することができる。
【0089】請求項3記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材を具体的にFeCoV合金製と
したため、FeCoV合金は高飽和磁束密度の磁気特性
を持つことから、ケイ素鋼板等の場合よりも弱め界磁用
の電機子電流を大きくすることができて弱め界磁を大き
くしたい場合や磁性部材の厚みを小さくしたい場合に一
層優れた効果を奏する。
【0090】請求項4記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材を具体的に磁性のステンレス材
製としたため、前記請求項1記載の発明の効果を容易、
確実に実現することができる。
【0091】請求項5記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材を具体的に圧粉磁心材製とした
ため、圧粉磁心材は高周波においても磁束密度の低下
(透磁率の低下)が僅かであり、積層化することなく一
体物でも渦電流を低減することができるので、簡素な構
成で特性の良い永久磁石式回転電機を実現することがで
きる。
【0092】請求項6記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材を具体的にフェライト製とした
ため、上記請求項5記載の発明の効果と同様の効果が得
られる。
【0093】請求項7記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材を具体的にアモルファス磁性材
製としたため、前記請求項1記載の発明の効果を容易、
確実に実現することができる。
【0094】請求項8記載の発明によれば、永久磁石の
表面に配置する磁性部材は薄板を積層した構成としたた
め、渦電流を低減することができて一層の高効率が要求
される場合、ロータが高速で回転する場合、多極の回転
電機の場合、又は電機子スロットが開口スロット等の場
合において良好な特性の永久磁石式回転電機を実現する
ことができる。
【0095】請求項9記載の発明によれば、円盤形状の
ステータとロータが適宜の空隙をおいて対向配置された
アキシャルギャップ型の永久磁石式回転電機であって、
磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成
するステータと、磁性材のロータ鉄心に主界磁用の複数
の永久磁石が周方向に等間隔おいて配置され前記空隙側
の少なくとも前記永久磁石の表面には磁性部材が配置さ
れるとともに前記ロータ鉄心の内、外両周面部に当該ロ
ータ鉄心と磁気的に結合し且つ前記磁性部材とは適宜の
間隙をおいて磁性材製のエンドリングが設けられたロー
タとを具備させたため、アキシャルギャップ型の永久磁
石式回転電機においても、前記請求項1記載の発明の効
果とほぼ同様の効果が得られる。
【0096】請求項10記載の発明によれば、エンドリ
ングを具体的にFeCoV合金製としたため、弱め界磁
を確実に大きくすることができる。
【0097】請求項11記載の発明によれば、エンドリ
ングは磁性薄板を積層して構成したため、前記請求項8
記載の発明の効果とほぼ同様の効果が得られる。
【0098】請求項12記載の発明によれば、磁性部材
の端部とエンドリング間の空隙部を非磁性材としたた
め、弱め界磁を効果的に作用させることができるととも
にロータ周面上の構造強化を図ることができる。
【0099】請求項13記載の発明によれば、エンドリ
ングを磁性部材の端部と磁気的な空隙なしに接する構造
としたため、弱め界磁を効果的に作用させることができ
るとともにロータ周面上の部材の一体化により構造強化
を図ることができる。
【0100】請求項14記載の発明によれば、ロータ鉄
心と磁気的に結合するエンドリングは、アキシャルギャ
ップ型の回転電機等、そのロータ構造によっては、ロー
タ鉄心と非磁性材を介して磁気的に結合する構成として
も、弱め界磁を効果的に作用させることができる。
【0101】請求項15記載の発明によれば、永久磁石
表面上の磁性部材を軸方向に貫通するダンパーバーを設
け、該ダンパーバーの両端部をロータ鉄心に取り付けた
導電性の短絡リングにそれぞれ接続したため、急激な負
荷変動が生じたとき、ロータに制動作用が生じて高い安
定性を得ることができる。
【0102】請求項16記載の発明によれば、磁性材の
ステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成するステ
ータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の
永久磁石が周方向に配列され該複数の永久磁石の表面に
は前記ロータ鉄心の磁性材よりも飽和磁束密度の低い磁
性材製の磁性リングが設けられたロータとを具備させた
ため、電機子からロータを見たときの磁気的空隙長が機
械的空隙長と等しくなり電機子による電機子反作用磁界
が強くなって電機子反作用による弱め界磁の効果を大き
くすることができる。磁性リングは低飽和磁束密度のた
め、低速から中速回転の範囲で弱め界磁制御を行わない
ときは界磁磁束の殆んどは径方向に流れて電機子コイル
と鎖交し効率が高められる。これに対し、高速領域で弱
め界磁制御を行ったときは、電機子反作用磁界により界
磁磁束は反発し、積極的に磁性リングを磁路として隣極
と磁気回路を形成し、電機子コイルと鎖交する界磁磁束
は減少する。したがって高速領域で弱め界磁制御を行う
ことにより、回転電機の端子電圧が低くなって高力率・
高効率を実現することができる。
【0103】請求項17記載の発明によれば、低飽和磁
束密度の磁性リングは、磁気特性において、磁束密度が
0.5〜0.8(T)で比透磁率が100以上であり、
且つ磁束密度が1.6(T)以上で比透磁率が100以
下の磁気特性を持つ磁性材としたため、上記請求項16
記載の発明の効果を容易、確実に実現することができ
る。
【0104】請求項18,19又は20記載の発明によ
れば、低飽和磁束密度の磁性リングは、圧粉磁心材、フ
ェライト又はアモルファス磁性材としたため、上記請求
項16記載の発明の効果を容易、確実に実現することが
できる。
【0105】請求項21記載の発明によれば、磁性材の
ステータ鉄心にコイルを巻回して電機子が構成され前記
ステータ鉄心の内周面にはケイ素鋼板製の磁性リングが
設けられたステータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主
界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列されたロータと
を具備させたため、磁性リングをステータ鉄心側に設け
る場合は、磁性リングはステータ鉄心と磁気的に短絡さ
れ、且つ磁性リングとロータの永久磁石間には空隙があ
ることから、界磁磁束の周方向に漏れる磁束分はロータ
の永久磁石上に磁性リングがある場合よりも少なくな
る。このため、磁性リングは透磁率の高いケイ素鋼板製
としても、前記請求項16記載の発明の効果とほぼ同様
の効果が得られる。
【0106】請求項22,23又は24記載の発明によ
れば、ステータ鉄心の内周面に設ける磁性リングは、ロ
ータの永久磁石上の磁性リングと同様に、低飽和磁束密
度磁性材、磁気特性において磁束密度が0.5〜0.8
(T)で比透磁率が100以上であり、且つ磁束密度が
1.6(T)以上で比透磁率が100以下の磁性材、圧
粉磁心材、フェライト又はアモルファス磁性材の何れか
を用いても、前記請求項16記載の発明の効果とほぼ同
様の効果を得ることができる。
【0107】請求項25記載の発明によれば、前記磁性
リングは、前記ロータの回転軸の方向に長い小片を当該
ロータの回転方向に積層した積層体又は前記ロータの回
転軸を中心としたリング形状の薄板を前記回転軸の方向
に積層した積層体の何れかで構成したため、前記請求項
8記載の発明の効果とほぼ同様の効果を得ることができ
る。
【0108】請求項26記載の発明によれば、磁性材の
ステータ鉄心にはスロットと歯が交互に形成され前記ス
ロット内に収容されるように前記歯にコイルを巻回して
電機子が構成され前記スロットの開口部にはケイ素鋼板
製の磁性楔が設けられたステータと、磁性材のロータ鉄
心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列さ
れたロータとを具備させたため、前記請求項21記載の
発明の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0109】請求項27,28又は29記載の発明によ
れば、磁性楔は、ステータ鉄心の内周面に設ける磁性リ
ングと同様に、低飽和磁束密度磁性材、磁気特性におい
て磁束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が100
以上であり、且つ磁束密度が1.6(T)以上で比透磁
率が100以下の磁性材、圧粉磁心材、フェライト又は
アモルファス磁性材の何れかを用いても、前記請求項2
1記載の発明の効果とほぼ同様の効果を得ることができ
る。
【0110】請求項30記載の発明によれば、前記磁性
楔は、前記ロータの回転軸の方向に長い小片を当該ロー
タの回転方向に積層した積層体又は前記ロータの回転方
向に長い矩形形状の薄板を前記回転軸の方向に積層した
積層体の何れかで構成したため、前記請求項8記載の発
明の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る永久磁石式回転電機の第1実施例
を示す縦断面図である。
【図2】図1のA方向から見たロータ部分の図である。
【図3】上記第1実施例の要部横断面図である。
【図4】上記第1実施例における磁性のステンレスと構
造用炭素鋼の磁気特性を示す図である。
【図5】上記第1実施例における圧粉磁心材の磁気特性
を示す図である。
【図6】上記第1実施例におけるケイ素鋼板、圧粉磁心
材、フェライトの周波数に対する磁気特性を示す図であ
る。
【図7】上記第1実施例における磁性アモルファス材の
磁気特性を示す図である。
【図8】上記第1実施例の変形例を示す要部横断面図で
ある。
【図9】本発明の第2実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図10】本発明の第3実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図11】上記第3実施例の要部斜視図である。
【図12】本発明の第4実施例を一部切欠いて示す要部
斜視図である。
【図13】本発明の第5実施例を示す部分横断面図であ
る。
【図14】本発明の第6実施例を示す部分横断面図であ
る。
【図15】本発明の第7実施例を示す部分横断面図であ
る。
【図16】従来の永久磁石式回転電機の部分横断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ステータ 2 ステータ鉄心 3 電機子コイル 4 歯 5 スロット 6,16,26 主界磁の永久磁石 7,7a,17,27 ロータ鉄心 8,18,28 ロータ 9,19 磁性部材 10,20 エンドリング 11 ダンパーバー 12 短絡リング 14 非磁性材 29,30 磁性リング 31 磁性楔

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上には磁性部材がそれぞ
    れ配置されるとともに前記ロータ鉄心の軸方向両端部に
    当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ前記磁性部材の端
    部と適宜の空隙をおいて磁性材製のエンドリングが設け
    られたロータとを有することを特徴とする永久磁石式回
    転電機。
  2. 【請求項2】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上にはケイ素鋼板製の磁
    性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ鉄心の
    軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ前
    記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材製のエン
    ドリングが設けられたロータとを有することを特徴とす
    る永久磁石式回転電機。
  3. 【請求項3】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上にはFeCoV合金製
    の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ鉄
    心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且
    つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材製の
    エンドリングが設けられたロータとを有することを特徴
    とする永久磁石式回転電機。
  4. 【請求項4】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上には磁性のステンレス
    材製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロー
    タ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合
    し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材
    製のエンドリングが設けられたロータとを有することを
    特徴とする永久磁石式回転電機。
  5. 【請求項5】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上には金属磁性粉末とそ
    の絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウンドを成形して得
    た圧粉磁心材製の磁性部材がそれぞれ配置されるととも
    に前記ロータ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁
    気的に結合し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をお
    いて磁性材製のエンドリングが設けられたロータとを有
    することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  6. 【請求項6】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上にはフェライト製の磁
    性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロータ鉄心の
    軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ前
    記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材製のエン
    ドリングが設けられたロータとを有することを特徴とす
    る永久磁石式回転電機。
  7. 【請求項7】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心の
    周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔をお
    いて配置され該永久磁石の表面上にはアモルファス磁性
    材製の磁性部材がそれぞれ配置されるとともに前記ロー
    タ鉄心の軸方向両端部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合
    し且つ前記磁性部材の端部と適宜の空隙をおいて磁性材
    製のエンドリングが設けられたロータとを有することを
    特徴とする永久磁石式回転電機。
  8. 【請求項8】 前記磁性部材は磁性薄板を積層して構成
    してなることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記
    載の永久磁石式回転電機。
  9. 【請求項9】 円盤形状のステータとロータが適宜の空
    隙をおいて対向配置されたアキシャルギャップ型の永久
    磁石式回転電機であって、磁性材のステータ鉄心にコイ
    ルを巻回して電機子を構成するステータと、磁性材のロ
    ータ鉄心に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔
    おいて配置され前記空隙側の少なくとも前記永久磁石の
    表面には磁性部材が配置されるとともに前記ロータ鉄心
    の内、外両周面部に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且
    つ前記磁性部材とは適宜の間隙をおいて磁性材製のエン
    ドリングが設けられたロータとを有することを特徴とす
    る永久磁石式回転電機。
  10. 【請求項10】 前記エンドリングはFeCoV合金製
    であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載
    の永久磁石式回転電機。
  11. 【請求項11】 前記エンドリングは磁性薄板を積層し
    て構成してなることを特徴とする請求項1乃至10の何
    れかに記載の永久磁石式回転電機。
  12. 【請求項12】 前記磁性部材の端部と前記エンドリン
    グ間の空隙部を非磁性材としてなることを特徴とする請
    求項1乃至11の何れかに記載の永久磁石式回転電機。
  13. 【請求項13】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に等間隔を
    おいて配置され該永久磁石の表面上には磁性部材がそれ
    ぞれ配置されるとともに前記ロータ鉄心の軸方向両端部
    に当該ロータ鉄心と磁気的に結合し且つ前記磁性部材の
    端部に接して磁性材製のエンドリングが設けられたロー
    タとを有することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  14. 【請求項14】 前記エンドリングは前記ロータ鉄心と
    非磁性材を介して磁気的に結合するように構成してなる
    ことを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の永
    久磁石式回転電機。
  15. 【請求項15】 前記磁性部材を軸方向に貫通するダン
    パーバーを設け、該ダンパーバーの両端部を前記ロータ
    鉄心に取り付けた導電性の短絡リングにそれぞれ接続し
    てなることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8,10,11,12,13又は14記載の永
    久磁石式回転電機。
  16. 【請求項16】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    該複数の永久磁石の表面には前記ロータ鉄心の磁性材よ
    りも飽和磁束密度の低い磁性材製の磁性リングが設けら
    れたロータとを有することを特徴とする永久磁石式回転
    電機。
  17. 【請求項17】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    該複数の永久磁石の表面には磁束密度が0.5〜0.8
    (T)で比透磁率が100以上であり、且つ磁束密度が
    1.6(T)以上で比透磁率が100以下の磁気特性を
    持つ磁性材製の磁性リングが設けられたロータとを有す
    ることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  18. 【請求項18】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    該複数の永久磁石の表面には金属磁性粉末とその絶縁及
    び結合を兼ねる樹脂コンパウンドを成形して得た圧粉磁
    心材製の磁性リングが設けられたロータとを有すること
    を特徴とする永久磁石式回転電機。
  19. 【請求項19】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    該複数の永久磁石の表面にはフェライト製の磁性リング
    が設けられたロータとを有することを特徴とする永久磁
    石式回転電機。
  20. 【請求項20】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子を構成するステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    該複数の永久磁石の表面にはアモルファス磁性材製の磁
    性リングが設けられたロータとを有することを特徴とす
    る永久磁石式回転電機。
  21. 【請求項21】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面にはケ
    イ素鋼板製の磁性リングが設けられたステータと、磁性
    材のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周
    方向に配列されたロータとを有することを特徴とする永
    久磁石式回転電機。
  22. 【請求項22】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面には磁
    性リングが設けられたステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    たロータとを有し、前記磁性リングは前記ロータ鉄心の
    磁性材よりも飽和磁束密度の低い磁性材で作製してなる
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  23. 【請求項23】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面には磁
    束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が100以上
    であり、且つ磁束密度が1.6(T)以上で比透磁率が
    100以下の磁気特性を持つ磁性材製の磁性リングが設
    けられたステータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界
    磁用の複数の永久磁石が周方向に配列されたロータとを
    有することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  24. 【請求項24】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    して電機子が構成され前記ステータ鉄心の内周面には金
    属磁性粉末とその絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウン
    ドを成形して得た圧粉磁心材、フェライト又はアモルフ
    ァス磁性材の何れかで作製された磁性リングが設けられ
    たステータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の
    複数の永久磁石が周方向に配列されたロータとを有する
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  25. 【請求項25】 前記磁性リングは、前記ロータの回転
    軸の方向に長い小片を当該ロータの回転方向に積層した
    積層体又は前記ロータの回転軸を中心としたリング形状
    の薄板を前記回転軸の方向に積層した積層体の何れかで
    構成してなることを特徴とする請求項16乃至24の何
    れかに記載の永久磁石式回転電機。
  26. 【請求項26】 磁性材のステータ鉄心にはスロットと
    歯が交互に形成され前記スロット内に収容されるように
    前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記スロッ
    トの開口部にはケイ素鋼板製の磁性楔が設けられたステ
    ータと、磁性材のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の
    永久磁石が周方向に配列されたロータとを有することを
    特徴とする永久磁石式回転電機。
  27. 【請求項27】 磁性材のステータ鉄心にはスロットと
    歯が交互に形成され前記スロット内に収容されるように
    前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記スロッ
    トの開口部には磁性楔が設けられたステータと、磁性材
    のロータ鉄心の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方
    向に配列されたロータとを有し、前記磁性楔は前記ロー
    タ鉄心の磁性材よりも飽和磁束密度の低い磁性材で作製
    してなることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  28. 【請求項28】 磁性材のステータ鉄心にはスロットと
    歯が交互に形成され前記スロット内に収容されるように
    前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記スロッ
    トの開口部には磁束密度が0.5〜0.8(T)で比透
    磁率が100以上であり、且つ磁束密度が1.6(T)
    以上で比透磁率が100以下の磁気特性を持つ磁性材製
    の磁性楔が設けられたステータと、磁性材のロータ鉄心
    の周面に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列され
    たロータとを有することを特徴とする永久磁石式回転電
    機。
  29. 【請求項29】 磁性材のステータ鉄心にはスロットと
    歯が交互に形成され前記スロット内に収容されるように
    前記歯にコイルを巻回して電機子が構成され前記スロッ
    トの開口部には金属磁性粉末とその絶縁及び結合を兼ね
    る樹脂コンパウンドを成形して得た圧粉磁心材、フェラ
    イト又はアモルファス磁性材の何れかで作製された磁性
    楔が設けられたステータと、磁性材のロータ鉄心の周面
    に主界磁用の複数の永久磁石が周方向に配列されたロー
    タとを有することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  30. 【請求項30】 前記磁性楔は、前記ロータの回転軸の
    方向に長い小片を当該ロータの回転方向に積層した積層
    体又は前記ロータの回転方向に長い矩形形状の薄板を前
    記回転軸の方向に積層した積層体の何れかで構成してな
    ることを特徴とする請求項26乃至29の何れかに記載
    の永久磁石式回転電機。
JP6188429A 1994-04-28 1994-08-10 永久磁石式回転電機 Pending JPH0851751A (ja)

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DE69531022T DE69531022T2 (de) 1994-04-28 1995-04-28 Rotierende Maschine der permanentmagnetischen Bauart
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