JP3364320B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

永久磁石式回転電機

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JP3364320B2
JP3364320B2 JP09220294A JP9220294A JP3364320B2 JP 3364320 B2 JP3364320 B2 JP 3364320B2 JP 09220294 A JP09220294 A JP 09220294A JP 9220294 A JP9220294 A JP 9220294A JP 3364320 B2 JP3364320 B2 JP 3364320B2
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和人 堺
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  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低速から高速回転まで
の広範囲において運転可能な永久磁石式回転電機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の永久磁石界磁方式の回転電機は、
例えば図15に示すように、ステータ鉄心2にスロット
5が形成され、該スロットにコイル3が配設されたステ
ータ1および界磁となる永久磁石6がヨーク7の外周表
面に配設されたロータ8を有する。また、永久磁石6は
隣接する磁極同志が異なるように配設されている。
【0003】永久磁石式回転電機は界磁に永久磁石を用
いているため界磁磁束は一定である。従って、電機子コ
イルと鎖交する磁束量は一定であり、ロータの回転数に
比例して誘起電圧は大となり、回転電機の端子電圧も大
となる。
【0004】一方、電気自動車等の電気推進システムや
コンプレッサ等に使用するモータにおいては、低速領域
は定トルク運転であるが、高速領域は定出力運転を行
う。従って、定トルク領域では端子電圧は回転数にほぼ
比例して大きくなるが、定出力領域ではトルクは小とな
るため電流も少なくてよいことから電圧は一定に近い値
となることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
なシステムに永久磁石式回転電機を適用すると、高速回
転領域では誘起電圧は回転数に比例して高くなり、つい
には誘起電圧がインバータの電圧に一致して回転が不可
能となる。高速回転を可能とするには単純にインバータ
の電圧を大きくすればよいが、インバータの皮相電力が
大きくなり、インバータは大型化し、また効率も悪くな
る。
【0006】そこで界磁磁束と逆方向に作用する電機子
反作用のd軸成分の電機子電流を流すことにより電機子
コイルと鎖交する界磁磁束を低下させる技術(弱め界
磁)が適用される。しかし、永久磁石の比透磁率は真空
の比透磁率(1.0)に近い値(1.1)であり、電機
子側からロータの界磁をみると磁気的空隙長は永久磁石
厚みと機械的空隙長の和となり、非常に大きくなる。従
って、弱め界磁の効果を得るにはd軸の電機子電流をか
なり大きくしなければならなく、効率的、温度的に問題
となり実用上問題がある。また、永久磁石自身にも電機
子反作用により反磁界が直接に加わり、特性が劣化する
(減磁)おそれがある。
【0007】また、耐高速回転を向上させるため、ロー
タの表面に固定された永久磁石が離散するのを防止する
ため、非磁性のリングで永久磁石を覆う技術がある。し
かし、永久磁石からみると、非磁性リングの厚みと機械
的空隙長の和が磁気的空隙長となるため、一般の回転電
機より磁気的空隙長は大となり、空隙磁束密度は低下し
て回転電機は大型化し、効率が悪くなる。
【0008】また、このようなシステムにおいて、高速
領域で界磁弱め制御が故障した場合、インバータのパワ
ー素子に回転電機の高い誘起電圧がかかり、パワー素子
を電気的に破壊するおそれがある。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、定出力となる高速領域で弱め
界磁により端子電圧を抑制することにより低速から高速
回転までの広範囲で運転可能とし、高力率および高効率
を達成し得る永久磁石式回転電機を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の永久磁石式回転電機は、磁性材のステータ
鉄心にコイルを巻回して電機子を構成したステータと、
磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の永久磁石を隣接
する永久磁石の磁極同志が異なるように配設し、該複数
の永久磁石の表面にケイ素鋼板で形成された磁性リング
を配設して前記永久磁石を覆うように構成されたロータ
とを有し、前記永久磁石の1つの円弧の長さをτとし、
前記磁性リングの半径方向の厚さをLrとすると、τ/
Lrは10<τ/Lr<40の範囲にあることを要旨と
する。
【0011】また、本発明の永久磁石式回転電機は、磁
性材のステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成し
たステータと、磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の
永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように
配設し、弱め界磁制御が動作不能の故障した状態または
無負荷、軽負荷の状態である電流が零近傍となるときの
鎖交磁束量が電流を流したときの負荷時の状態の鎖交磁
束量よりも小となるようなリング厚に設定された磁性リ
ングを前記永久磁石の円周表面に配設したロータとを有
することを要旨とする。
【0012】更に、本発明の永久磁石式回転電機は、磁
性材のステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成し
たステータと、磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の
永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように
配設し、該複数の永久磁石の表面にケイ素鋼板に比べて
飽和磁束密度の低い磁性材で形成された磁性リングを配
設して前記永久磁石を覆うように構成されたロータとを
有し、前記永久磁石の1つの円弧の長さをτとし、前記
磁性リングの半径方向の厚さをLrとすると、τ/Lr
は8<τ/Lr<30の範囲にあることを要旨とする。
【0013】本発明の永久磁石式回転電機は、磁性材の
ステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成したステ
ータと、磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の永久磁
石を隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように配設
し、該複数の永久磁石の表面に磁性材で形成された磁性
リングを配設して前記永久磁石を覆うように構成された
ロータとを有し、前記磁性リングは磁束密度が0.5〜
0.8(T)、比透磁率が100以上、磁束密度が1.
6(T)以上、比透磁率が100以下の磁気特性を有す
る磁性材で形成され、前記永久磁石の1つの円弧の長さ
をτとし、前記磁性リングの半径方向の厚さをLrとす
ると、τ/Lrは8<τ/Lr<30の範囲にあること
を要旨とする。
【0014】また、本発明の永久磁石式回転電機は、磁
性材のステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成し
たステータと、磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の
永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように
配設し、該複数の永久磁石の表面に磁性材で形成された
磁性リングを配設して前記永久磁石を覆うように構成さ
れたロータとを有し、前記磁性リングは金属磁性粉末と
その絶縁および結合を兼ねた樹脂コンパウントを成形し
て得られた圧粉磁心材で形成され、前記永久磁石の1つ
の円弧の長さをτとし、前記磁性リングの半径方向の厚
さをLrとすると、τ/Lrは8<τ/Lr<30の範
囲にあることを要旨とする。
【0015】更に、本発明の永久磁石式回転電機は、磁
性材のステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成し
たステータと、磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の
永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように
配設し、該複数の永久磁石の表面にフェライトの磁性材
で形成された磁性リングを配設して前記永久磁石を覆う
ように構成されたロータとを有し、前記永久磁石の1つ
の円弧の長さをτとし、前記磁性リングの半径方向の厚
さをLrとすると、τ/Lrは8<τ/Lr<30の範
囲にあることを要旨とする。
【0016】本発明の永久磁石式回転電機は、磁性材の
ステータ鉄心にコイルを巻回して電機子を構成したステ
ータと、磁性材のロータ鉄心の円周表面に複数の永久磁
石を隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように配設
し、該複数の永久磁石の表面にアモルファスの磁性材で
形成された磁性リングを配設して前記永久磁石を覆うよ
うに構成されたロータとを有し、前記永久磁石の1つの
円弧の長さをτとし、前記磁性リングの半径方向の厚さ
をLrとすると、τ/Lrは8<τ/Lr<30の範囲
にあることを要旨とする。
【0017】また、本発明の永久磁石式回転電機は、上
記において、前記磁性リングとして弱め界磁制御が動作
不能の故障した状態または無負荷、軽負荷の状態である
電流が零近傍となるときの鎖交磁束量が電流を流したと
きの負荷時の状態の鎖交磁束量よりも小となるようなリ
ング厚を有することを要旨とする。
【0018】更に、本発明の永久磁石式回転電機は、磁
性材のステータ鉄心にコイルを巻回し、前記ステータ鉄
心のロータと対向する内周面にロータからの界磁磁束を
周方向に漏らすための磁性材の磁性リングを配設して電
機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の円周
表面に界磁となる複数の永久磁石を隣接する永久磁石の
磁極同志が異なるように配設して構成されたロータとを
有するものであって、前記磁性リングがケイ素鋼板、ケ
イ素鋼板に比べて飽和磁束密度の低い磁性材、磁束密度
が0.5〜0.8(T)、比透磁率が100以上、磁束
密度が1.6(T)以上、比透磁率が100以下の磁気
特性を有する磁性材、金属磁性粉末とその絶縁および結
合を兼ねた樹脂コンパウントを成形して得られた圧粉磁
心材、フェライト、またはアモルファス磁性材で形成さ
れたものであることを要旨とする。
【0019】
【0020】本発明の永久磁石式回転電機は、磁性材の
ステータ鉄心にスロットと歯が設けられ、該スロット内
にはコイルを配設し、スロットの開口部に磁性材の磁性
くさびを配設して電機子を構成したステータと、磁性材
のロータ鉄心に界磁となる永久磁石を配設して構成され
たロータとを有し、前記磁性くさびはケイ素鋼板、ケイ
素鋼板に比べて飽和磁束密度の低い磁性材、磁束密度が
0.5〜0.8(T)、比透磁率が100以上、磁束密
度が1.6(T)以上、比透磁率が100以下の磁気特
性を有する磁性材、金属磁性粉末とその絶縁および結合
を兼ねた樹脂コンパウントを成形して得られた圧粉磁心
材、フェライト、またはアモルファス磁性材で形成され
たものであることを要旨とする。
【0021】更に、本発明の永久磁石式回転電機は、前
記磁性くさびがケイ素鋼板、ケイ素鋼板に比べて飽和磁
束密度の低い磁性材、磁束密度が0.5〜0.8
(T)、比透磁率が100以上、磁束密度が1.6
(T)以上、比透磁率が100以下の磁気特性を有する
磁性材、金属磁性粉末とその絶縁および結合を兼ねた樹
脂コンパウントを成形して得られた圧粉磁心材、フェラ
イト、またはアモルファス磁性材で形成されたものであ
ることを要旨とする。
【0022】
【0023】
【0024】本発明の永久磁石式回転電機は、前記ステ
ータまたはロータの空隙側面に磁性リングの代わりに磁
性材の円形板または磁性くさびを設けたアキシャルギャ
ップ形の永久磁石式回転電機を構成することを要旨とす
る。
【0025】
【作用】本発明の永久磁石式回転電機では、電機子から
見たロータの外周には磁性リングがあるため、磁気的空
隙長は機械的空隙長と等しくなり、電機子による電機子
反作用磁界は強くなる。また、電機子反作用磁界により
永久磁石が発生する磁束の一部は反発し、積極的に磁性
リングを磁路として隣極と磁気回路を形成し、電機子コ
イルと鎖交する界磁磁束は効果的に減少する。
【0026】また、本発明の永久磁石式回転電機では、
永久磁石の円弧の長さをτとし、磁性リングの半径方向
の厚みをLrとすると、τ/Lrは10<τ/Lr<4
0、好ましくは8<τ/Lr<30の範囲とし、弱め界
磁制御が動作不能となる故障が生じた(d軸電流が零に
なる)場合、無負荷、軽負荷の状態においてかなり厚い
磁性リングにより永久磁石が作る磁束は磁性リングの周
方向を磁路として隣極の磁石へ漏れる磁束が大であるた
め、この状態では電機子コイルと鎖交する磁束は減少す
る。
【0027】従って、弱め界磁を行う高速領域で弱め界
磁制御が不可能となったとき、回転電機の誘起電圧は比
較的小とすることができるため、インバータ駆動回路の
パワー素子を過大な誘起電圧で破壊することを避けるこ
とができる。更に、電機子電流が小である軽負荷時にお
いても電機子への磁束が減少するため電磁的損失が低減
する。
【0028】低速中速回転で負荷がある領域または定ト
ルク領域において、トルクを発生するため電機子電流
(q軸電流)を流す。このとき界磁磁束だけでなく、電
機子の作る磁束も磁性リングを通るため磁性リングの透
磁率が下がり、磁性リングに沿って周方向へ漏れる磁束
が少なくなり、コイルの鎖交磁束は増加する。これによ
り軽負荷のときと比較して等価的に強め界磁の効果と同
様な効果が得られる。
【0029】一方、高速回転領域では、任意のd軸電流
を流すこと(弱め界磁)により、電機子反作用により界
磁磁束は磁性リングを磁路として隣極へと積極的に流
れ、電機子コイルと鎖交する界磁磁束は有効に減少する
ことができる。これによりモータの端子電圧を低下させ
ることができ、高速回転領域を拡大することが可能とな
る。
【0030】また、前記磁性リングの厚みは比較的大で
あるので、永久磁石の強固な保持機構となり、限界回転
数が向上する。
【0031】永久磁石の円弧の長さをτとし、磁性リン
グの半径方向の厚みをLrとすると、τ/Lrを10<
τ/Lr<40、好ましくは12<τ/Lr<25の範
囲にした場合、低速中速回転の領域で電流を流したとき
強め界磁の効果はあまりないが、高速回転における弱め
界磁の効果が前記の場合と同様に大となり、界磁磁束が
電機子コイルと鎖交する磁束量は有効に減少し、モータ
の端子電圧を低下させることができ、高速回転領域を拡
大することが可能となる。
【0032】更に、磁性リングを飽和磁束密度の低い磁
性材で形成した場合には、低飽和磁束密度材のため低磁
界においても透磁率は低下し、飽和に近い状態となる。
界磁磁束を電機子反作用により磁性リングに沿った周方
向に有効に流すには、ケイ素鋼板の磁性リングの厚みと
比較して磁性リングの厚みを大とする必要がある。
【0033】強め界磁および弱め界磁共に必要とする場
合は、τ/Lrが6<τ/Lr<15、好ましくは7<
τ/Lr<10の範囲である。強め界磁を必要としない
場合は、τ/Lrが8<τ/Lr<30、好ましくは1
0<τ/Lr<20の範囲であるときに効果がある。こ
の磁性材はケイ素鋼板に比べて飽和磁束密度が低いた
め、界磁磁束を磁性リングを磁路として隣極へと磁気回
路を形成するには、磁性リングの厚みはケイ素鋼板の場
合より大となる。従って、ケイ素鋼板の磁性リングの場
合よりも、永久磁石の強固な保持機構となり、更に限界
回転数は向上する。
【0034】上述した磁性リングの厚みの条件にする
と、d軸電流による電機子反作用の大きさを調整するこ
とにより、電機子コイルと鎖交する界磁磁束量、すなわ
ち回転電機の端子電圧を効果的に調整することができ
る。
【0035】すなわち、低速から中速回転の範囲で弱め
界磁は行わないため、d軸電流は零とし、トルクを発生
するq軸電流のみを流してブラシレスDCモータを駆動
する。高速回転流域では、任意のd軸電流を流して界磁
磁束を減少させ、モータの端子電圧を低下させる。
【0036】また、ステータ側に磁性リングを設ける場
合は、磁性リングはステータ鉄心と磁気的に短絡されて
おり、かつ磁性リングとロータの永久磁石間には空隙が
あるため、界磁磁束の周方向に漏れる磁束はロータに磁
性リングがある場合よりも少なくなるが、効果は同じで
ある。
【0037】一方、永久磁石の電機子反作用による減磁
は次のように防ぐことができる。すなわち、d軸電流に
よる電機子反作用を受けると、磁石の一部の磁束は磁路
をステータ鉄心から磁性リングへ移すため、永久磁石の
パーミアンス係数の大きな低下を抑えて、磁石は磁気的
に安定する。従って、磁石は電機子反作用による減磁を
避けることができる。
【0038】更に、ロータが高速で回転する場合、多極
の回転電機の場合には、磁性リング、磁性くさびに渦電
流が発生して損失が生じるため、磁性リング、磁性くさ
びをロータの界磁磁束に対して平行に分割積層して構成
することにより渦電流を低減することができる。
【0039】なお、圧粉磁心材、フェライト材は高周波
特性が優れており、渦電流が流れにくい材料であるの
で、ブロック形状としても適用できる。
【0040】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0041】図1は、本発明の一実施例に係わる永久磁
石式回転電機の構造を示す図である。同図において、ス
テータ1はケイ素鋼板を積層したステータ鉄心2であ
り、スロット5と歯4が交互に形成されている。ステー
タ鉄心2の歯4にコイル3を巻回して電機子を構成して
いる。ロータ鉄心7はS45Cの磁性材からなり、ロー
タ鉄心7の円周表面に4個の永久磁石6が異極の関係
で、すなわち隣接する永久磁石の磁極が異なるように配
設されている。更に、永久磁石6の表面には例えば0.
5mm厚のケイ素鋼板を軸方向に積層した磁性リング9
が配設され、ロータ8を構成している。
【0042】このように構成される永久磁石式回転電機
において、前記磁性リングの寸法は、1極の永久磁石6
の円弧の長さをτとし、磁性リングの半径方向の厚みを
Lrとすると、τ/Lrは10<τ/Lr<40、好ま
しくは12<τ/Lr<25の範囲である。また、磁性
リング9は弱め界磁制御が動作不能の故障した状態また
は無負荷、軽負荷の状態である電流が零近傍となるとき
の鎖交磁束量が電流を流したときの負荷時の状態の鎖交
磁束量よりも小となるようなリング厚、すなわちτ/L
rが7<τ/Lr<20、好ましくは8<τ/Lr<1
2の範囲に設定される。
【0043】図2は、本発明の他の実施例に係わる永久
磁石式回転電機の構造を示す図である。同図において、
ステータ1はケイ素鋼板を積層したステータ鉄心2であ
り、スロット5と歯4が交互に形成されている。ステー
タ鉄心2の歯4にコイル3を巻回して電機子を構成して
いる。ロータ鉄心7はS45Cの磁性材からなり、ロー
タ鉄心7の円周表面に4個の永久磁石6が異極の関係
で、すなわち隣接する永久磁石の磁極が異なるように配
設されている。更に、永久磁石6の表面には磁性リング
9が配設され、ロータ8を構成している。
【0044】前記磁性リング9はケイ素鋼板に比べて飽
和磁束密度の低いSUS630、磁束密度が0.5〜
0.8(T)で比透磁率が100以上であり、かつ磁束
密度が0.6(T)以上で比透磁率が100以下の磁性
材、金属磁性粉末とその絶縁および結合を兼ねる樹脂コ
ンパウントを成形して得られる圧粉磁心材、フェライト
の磁性材、アモルファス磁性材で形成される。
【0045】1極の永久磁石6の円弧の長さをτとし、
磁性リング9の半径方向の厚みをLrとすると、τ/L
rは8<τ/Lr<30、好ましくは10<τ/Lr<
20の範囲とする。また、磁性リング9は弱め界磁制御
が動作不能の故障した状態または無負荷、軽負荷の状態
である電流が零近傍となるときの鎖交磁束量が電流を流
したときの負荷時の状態の鎖交磁束量よりも小となるよ
うなリング厚、すなわちτ/Lrが6<τ/Lr<1
5、好ましくは7<τ/Lr<10の範囲に設定され
る。
【0046】図3は、本発明の更に他の実施例に係わる
永久磁石式回転電機の構造を示す図である。同図におい
ては、ステータ1はケイ素鋼板を積層したステータ鉄心
2であり、スロット5と歯4が交互に形成されている。
ステータ鉄心2の歯4にコイル3を巻いて電機子を構成
している。更に、ステータ鉄心2の内周面に沿って磁性
リング9が配設されている。ロータ鉄心7はS45Cの
磁性材からなり、ロータ鉄心7の円周表面に4個の永久
磁石6が異極の関係で、すなわち隣接する永久磁石の磁
極が異なるように配設され、ロータ8を構成している。
【0047】前記磁性リング9は、ケイ素鋼板、ケイ素
鋼板に比べて飽和磁束密度の低い磁性材、すなわちSU
S630、磁束密度が0.5〜0.8(T)、比透磁率
が100以上、かつ磁束密度が1.6(T)以上、比透
磁率が100以下の磁気特性を有する磁性材、金属磁性
粉末とその絶縁および結合を兼ねた樹脂コンパウントを
成形して得られた圧粉磁心材、フェライト材、またはア
モルファス磁性材で形成されたものである。
【0048】図4は、本発明の別の実施例に係わる永久
磁石式回転電機の構造を示す図である。同図において
は、ステータ1はケイ素鋼板を積層したステータ鉄心2
であり、スロット5と歯4が交互に形成されている。ス
テータ鉄心2の歯4にコイル3を巻いて電機子を構成し
ている。更に、磁性くさび10がスロット5の開口部に
固定的に配設されている。ロータ鉄心7は磁性材からな
り、ロータ鉄心7の円周表面に4個の永久磁石6が異極
の関係で、すなわち隣接する永久磁石の磁極が異なるよ
うに配設され、ロータ8を構成している。
【0049】前記磁性くさび10はケイ素鋼板、磁束密
度が0.5〜0.8(T)、比透磁率が100以上、か
つ磁束密度が1.6(T)以上、比透磁率が100以下
の磁気特性を有する磁性材、金属磁性粉末とその絶縁お
よび結合を兼ねた樹脂コンパウントを成形して得られた
圧粉磁心材、フェライト材、またはアモルファス磁性材
で形成されたものである。
【0050】上述した実施例における磁性リング9、磁
性くさび10は回転電機の回転軸方向に長い小片を回転
周方向に積層して構成されたり、または回転電機の半径
方向断面で見た形状となる薄板を軸方向に積層して構成
され、積層方法としては、例えば電子ビーム溶接、レー
ザ溶接、接着剤、樹脂による一体モールド等がある。
【0051】図5は上記各実施例に使用されるSUS6
30とS45Cの磁気特性を示す図である。図6は前記
圧粉磁心材の磁気特性を示す図である。図7はケイ素鋼
板、圧粉磁心材、フェライト材の周波数に対する磁気特
性を示す図である。図8は磁性アモルファス材の磁気特
性を示す図である。
【0052】図9は有限要素法を用いた電磁界解析によ
り得られた弱め界磁なしで無負荷の状態および弱め界磁
であり負荷の状態の空隙磁束密度の基本波値と誘起電圧
と電流の位相差との関係をτ/Lr=12,19につい
て示す図であり、磁性リングはケイ素鋼板である。図1
0は有限要素法を用いた電磁界解析により得られた弱め
界磁なしで無負荷の状態および弱め界磁ありで負荷の状
態の空隙磁束密度の基本波値と誘起電圧と電流の位相差
との関係をτ/Lr=9,12,19について示す図で
あり、磁性リングはSUS630である。図11は有限
要素法を用いた電磁界解析により得られた弱め界磁なし
で無負荷の状態および弱め界磁ありで負荷の状態の空隙
磁束密度の基本波値と誘起電圧と電流の位相差との関係
を図1の実施例の磁性リングをケイ素鋼板(τ/Lr=
12)とした場合の解析結果と磁性リングを非磁性材
(τ/Lr=38)とした場合の従来の永久磁石式回転
電機の解析結果を比較して示す図である。
【0053】図12は図1の実施例の永久磁石式回転電
機において負荷時で誘起電圧と電流の位相差を0°、6
0°、90°とした状態において有限要素法を用いた電
磁界解析により得られた1つの永久磁石分の磁束線をτ
/Lr=19の場合について示す図である。図13は図
2の実施例の永久磁石式回転電機において負荷時で誘起
電圧と電流の位相差を0°、60°、90°とした状態
において有限要素法を用いた電磁界解析により得られた
1つの永久磁石分の磁束線をτ/Lr=19の場合につ
いて示す図である。
【0054】図14は本発明の更に別の実施例に係わる
永久磁石式回転電機を任意の角度で切断したカットモデ
ルで表したロータを示す図である。同図において、3は
コイル、6は永久磁石、7はロータ鉄心、11は磁性板
である。この実施例の永久磁石式回転電機は円盤形状の
ステータまたはロータの空隙側面に磁性材のリングの代
わりに磁性材の円形の板または磁性くさびを設けたアキ
シャルギャップ形の永久磁石式回転電機を構成している
ものである。
【0055】なお、永久磁石式回転電機は電機子からロ
ータを見たとき、永久磁石の比透磁率は約1であり、真
空と同等であるため磁気的空隙長は機械的空隙長と永久
磁石の厚みの和となり、一般回転電機と比較して磁気的
空隙長は非常に大(5〜10倍)となる。これにより、
電機子反作用によりロータの界磁を弱めるためにはかな
りの電機子電流を必要とする。このため、電機子反作用
による弱め界磁の効果は小さく、あまり高速回転領域を
拡大することが不可能である。無理に大電流を流すとコ
イルの損失(銅損)が増大し、力率も悪くなり、インバ
ータの容量も大となる。また、永久磁石に電機子反作用
により反磁界が直接加わり、減磁するおそれもある。こ
れに対して、本発明の永久磁石式回転電機においては、
電機子から見たロータの外周には磁性リングがあるた
め、磁気的空隙長は機械的空隙長と等しくなり、電機子
による電機子反作用磁界は強くなる。また、電機子反作
用磁界により永久磁石が発生する磁束の一部は反発し、
積極的に磁性リングを磁路として隣極と磁気回路を形成
し、電機子コイルと鎖交する界磁磁束は効果的に減少す
る。
【0056】また、本発明の永久磁石式回転電機では、
永久磁石の円弧の長さをτとし、磁性リングの半径方向
の厚みをLrとすると、τ/Lrは10<τ/Lr<4
0、好ましくは8<τ/Lr<30の範囲とし、弱め界
磁制御が動作不能となる故障が生じた(d軸電流が零に
なる)場合、無負荷、軽負荷の状態においてかなり厚い
磁性リングにより永久磁石が作る磁束は磁性リングの周
方向を磁路として隣極の磁石へ漏れる磁束が大であるた
め、この状態では電機子コイルと鎖交する磁束は減少す
る。
【0057】従って、弱め界磁を行う高速領域で弱め界
磁制御が不可能となったとき、回転電機の誘起電圧は比
較的小とすることができるため、インバータ駆動回路の
パワー素子を過大な誘起電圧で破壊することを避けるこ
とができる。更に、電機子電流が小である軽負荷時にお
いても電機子への磁束が減少するため電磁的損失が低減
する。
【0058】低速中速回転で負荷がある領域または定ト
ルク領域において、トルクを発生するため電機子電流
(q軸電流)を流す。このとき界磁磁束だけでなく、電
機子の作る磁束も磁性リングを通るため磁性リングの透
磁率が下がり、磁性リングに沿って周方向へ漏れる磁束
が少なくなり、コイルの鎖交磁束は増加する。これによ
り軽負荷のときと比較して等価的に強め界磁の効果と同
様な効果が得られる。すなわち、図9のτ/Lr=12
のときの解析結果をみると、無負荷時の空隙磁束密度の
基本波値は負荷時でq軸電流のみを流したときより17
%小さくなっており、強め界磁の効果が顕著に現れてい
る。
【0059】一方、高速回転領域では、任意のd軸電流
を流すこと(弱め界磁)により、電機子反作用により界
磁磁束は磁性リングを磁路として隣極へと積極的に流
れ、電機子コイルと鎖交する界磁磁束は有効に減少する
ことができる。また、図9のτ/Lr=12のとき、q
軸電流のみのときに比べて、誘起電圧と電流の位相差が
60°の状態で弱め界磁制御を行ったとき、空隙磁束密
度の基本波値は64%低くなり、弱め界磁の効果はかな
り大である。これによりモータの端子電圧を低下させる
ことができ、高速回転領域を拡大することが可能とな
る。
【0060】また、前記磁性リングの厚みは比較的大で
あるので、永久磁石の強固な保持機構となり、限界回転
数が向上する。
【0061】永久磁石の円弧の長さをτとし、磁性リン
グの半径方向の厚みをLrとすると、τ/Lrを10<
τ/Lr<40、好ましくは12<τ/Lr<25の範
囲にした場合、低速中速回転の領域で電流を流したとき
強め界磁の効果はあまりないが、高速回転における弱め
界磁の効果(図9のτ/Lr=19のとき)が前記の場
合と同様に大となり、界磁磁束が電機子コイルと鎖交す
る磁束量は有効に減少し、モータの端子電圧を低下させ
ることができ、高速回転領域を拡大することが可能とな
る。
【0062】また、図11の解析結果のように、磁性リ
ングが非磁性材のときとケイ素鋼板のときを比べると、
強め界磁と弱め界磁の効果が明らかに違うことがわか
る。誘起電圧と電流の位相差の変化に伴う磁束(電圧)
の変化範囲はケイ素鋼板を磁性リングに用いた場合の方
がかなり大きく、広範囲の可変速運転が可能であること
がわかる。また、小さな位相角で磁束(電圧)を変化さ
せることができるので、d軸電流を少なくできる。従っ
て、相電流は小となり、銅損は減少し、効率が良くな
る。
【0063】更に、磁性リングを飽和磁束密度の低い磁
性材で形成した場合には、低飽和磁束密度材のため低磁
界においても透磁率は低下し、飽和に近い状態となる。
界磁磁束を電機子反作用により磁性リングに沿った周方
向に有効に流すには、ケイ素鋼板の磁性リングの厚みと
比較して磁性リングの厚みを大とする必要がある。
【0064】強め界磁および弱め界磁共に必要とする場
合は、τ/Lrが6<τ/Lr<15、好ましくは7<
τ/Lr<10の範囲である。強め界磁を必要としない
場合は、τ/Lrが8<τ/Lr<30、好ましくは1
0<τ/Lr<20の範囲であるときに効果がある。こ
の磁性材はケイ素鋼板に比べて飽和磁束密度が低いた
め、界磁磁束を磁性リングを磁路として隣極へと磁気回
路を形成するには、磁性リングの厚みはケイ素鋼板の場
合より大となる。従って、ケイ素鋼板の磁性リングの場
合よりも、永久磁石の強固な保持機構となり、更に限界
回転数は向上する。
【0065】上述した磁性リングの厚みの条件にする
と、d軸電流による電機子反作用の大きさを調整するこ
とにより、電機子コイルと鎖交する界磁磁束量、すなわ
ち回転電機の端子電圧を効果的に調整することができ
る。
【0066】すなわち、低速から中速回転の範囲で弱め
界磁は行わないため、d軸電流は零とし、トルクを発生
するq軸電流のみを流してブラシレスDCモータを駆動
する。高速回転流域では、任意のd軸電流を流して界磁
磁束を減少させ、モータの端子電圧を低下させる。
【0067】また、ステータ側に磁性リングを設ける場
合は、磁性リングはステータ鉄心と磁気的に短絡されて
おり、かつ磁性リングとロータの永久磁石間には空隙が
あるため、界磁磁束の周方向に漏れる磁束はロータに磁
性リングがある場合よりも少なくなるが、効果は同じで
ある。
【0068】一方、永久磁石の電機子反作用による減磁
は次のように防ぐことができる。すなわち、d軸電流に
よる電機子反作用を受けると、磁石の磁束はステータ鉄
心から磁性リングへ磁路を替えることができ、磁気回路
がオープンにならず、パーミアンス係数の大きな低下を
抑えることができる。従って、磁石は電機子反作用によ
る減磁を避けることができる。磁性くさびの作用も磁性
リングと同様である。
【0069】更に、ロータが高速で回転する場合、多極
の回転電機の場合には、磁性リング、磁性くさびに渦電
流が発生して損失が生じるため、磁性リング、磁性くさ
びをロータの界磁磁束に対して平行に分割積層して構成
することにより渦電流を低減することができる。
【0070】なお、図7に示すように、圧粉磁心材、フ
ェライト材は高周波においても磁束密度の低下(透磁率
の低下)がわずかであり、積層せずに一体物でも渦電流
を低減することができることがわかる。従って、圧粉磁
心材、フェライト材を本発明に適用すると簡素な構成で
特性が良い回転電機が得られる。
【0071】以上のように本発明によれば、高速領域で
弱め界磁により端子電圧を抑制することにより低速から
高速回転までの広範囲で運転可能な永久磁石式回転電機
が可能である。
【0072】なお、上述した各実施例では、永久磁石式
回転界磁の回転電機について述べたが、直流モータに代
表されるステータ側を永久磁石界磁とし、ロータを回転
電機子としても同様な効果が得られる。また、本実施例
では永久磁石式回転電機について述べたが永久磁石式の
リニアモータでも同様に可能である。また、界磁極表面
と電機子表面間の磁束漏れによる出力低下よりも、トル
ク脈動の低減を優先する場合は、一般の巻線形界磁の同
期機にも適用可能である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ステータコイルと鎖交する界磁の半径方向磁束量を僅か
な低下に抑え、負荷時の低中速回転領域で等価的な強め
界磁の効果により電機子コイルと鎖交する磁束量を無負
荷の状態よりも増加させてトルクを大とし、また高速領
域で弱め界磁により端子電圧を抑制することにより低速
から高速回転までの広範囲で運転可能とし、かつ高力率
および高効率を実現することができる。
【0074】また、高速領域で弱め界磁制御が動作しな
い故障が発生した場合または無負荷に近い場合において
鎖交磁束は負荷時に比較して小さくすることができるた
め、回転電機の誘起電圧が小となり、インバータのパワ
ー素子を電気的に破壊するおそれがなくなり、電磁損失
も低減できる。
【0075】更に、ステータのスロットと歯の磁気抵抗
の差により発生するコギングトルクを低減できる効果が
ある。これはステータ鉄心にスロットと歯が交互に形成
されているため、空隙のパーミアンスが変化する。空隙
磁束は歯と対向する部分に集中し、磁束密度分布は歯と
スロット間で急激に変化する。本発明では、空隙部分の
磁性リングまたはスロットに磁性くさびがあるため、歯
を通る磁束は磁性リング、磁性くさびによりなめらかに
変化し、これにより磁気エネルギの変化率は小さくな
り、コギングトルクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる永久磁石式回転電機
の構造を示す半径方向の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係わる永久磁石式回転電
機の構造を示す半径方向の断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施例に係わる永久磁石式回
転電機の構造を示す半径方向の断面図である。
【図4】本発明の別の実施例に係わる永久磁石式回転電
機の構造を示す半径方向の断面図である。
【図5】上記各実施例に使用されるSUS630とS4
5Cの磁気特性を示す図である。
【図6】上記各実施例に使用される圧粉磁心材の磁気特
性を示す図である。
【図7】ケイ素鋼板、圧粉磁心材、フェライト材の周波
数に対する磁気特性を示す図である。
【図8】磁性アモルファス材の磁気特性を示す図であ
る。
【図9】有限要素法を用いた電磁界解析により得られた
弱め界磁なしで無負荷の状態および弱め界磁ありで負荷
の状態の空隙磁束密度の基本波値と誘起電圧と電流の位
相差との関係をτ/Lr=12,19について示す図で
あり、磁性リングはケイ素鋼板である。
【図10】有限要素法を用いた電磁界解析により得られ
た弱め界磁なしで無負荷の状態および弱め界磁ありで負
荷の状態の空隙磁束密度の基本波値と誘起電圧と電流の
位相差との関係をτ/Lr=9,12,19について示
す図であり、磁性リングはSUS630である。
【図11】有限要素法を用いた電磁界解析により得られ
た弱め界磁なしで無負荷の状態および弱め界磁ありで負
荷の状態の空隙磁束密度の基本波値と誘起電圧と電流の
位相差との関係を図1の実施例の磁性リングをケイ素鋼
板(τ/Lr=12)とした場合の解析結果と磁性リン
グを非磁性材(τ/Lr=38)とした場合の従来の永
久磁石式回転電機の解析結果を比較して示す図である。
【図12】図1の実施例の永久磁石式回転電機において
負荷時で誘起電圧と電流の位相差を0°、60°、90
°とした状態において有限要素法を用いた電磁界解析に
より得られた1つの永久磁石分の磁束線をτ/Lr=1
9の場合について示す図である。
【図13】図2の実施例に永久磁石式回転電機において
負荷時で誘起電圧と電流の位相差を0°、60°、90
°とした状態において有限要素法を用いた電磁界解析に
より得られた1つの永久磁石分の磁束線をτ/Lr=1
9の場合について示す図である。
【図14】本発明の更に別の実施例に係わる永久磁石式
回転電機を任意の角度で切断したカットモデルで表した
ロータを示す図である。
【図15】従来の永久磁石式回転電機の半径方向の断面
を示す図である。
【符号の説明】
1 ステータ 2 ステータ鉄心 3 コイル 4 歯 5 スロット 6 永久磁石 7 ロータ鉄心 8 ロータ 9 磁性リング 10 磁性くさび
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−56161(JP,A) 特開 昭62−77030(JP,A) 特開 昭56−46654(JP,A) 特開 平7−143714(JP,A) 特開 平2−119561(JP,A) 実開 昭63−36166(JP,U) 実開 昭61−81772(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02R 21/14 H02R 29/00 H02R 1/27 501

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、該複数の永久磁石の表面にケ
    イ素鋼板で形成された磁性リングを配設して前記永久磁
    石を覆うように構成されたロータとを有し、前記永久磁
    石の1つの円弧の長さをτとし、前記磁性リングの半径
    方向の厚さをLrとすると、τ/Lrは10<τ/Lr
    <40の範囲にあることを特徴とする永久磁石式回転電
    機。
  2. 【請求項2】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、弱め界磁制御が動作不能の故
    障した状態または無負荷、軽負荷の状態である電流が零
    近傍となるときの鎖交磁束量が電流を流したときの負荷
    時の状態の鎖交磁束量よりも小となるようなリング厚に
    設定された磁性リングを前記永久磁石の円周表面に配設
    したロータとを有することを特徴とする永久磁石式回転
    電機。
  3. 【請求項3】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、該複数の永久磁石の表面にケ
    イ素鋼板に比べて飽和磁束密度の低い磁性材で形成され
    た磁性リングを配設して前記永久磁石を覆うように構成
    されたロータとを有し、前記永久磁石の1つの円弧の長
    さをτとし、前記磁性リングの半径方向の厚さをLrと
    すると、τ/Lrは8<τ/Lr<30の範囲にあるこ
    とを特徴とする永久磁石式回転電機。
  4. 【請求項4】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、該複数の永久磁石の表面に磁
    性材で形成された磁性リングを配設して前記永久磁石を
    覆うように構成されたロータとを有し、前記磁性リング
    は磁束密度が0.5〜0.8(T)、比透磁率が100
    以上、磁束密度が1.6(T)以上、比透磁率が100
    以下の磁気特性を有する磁性材で形成され、前記永久磁
    石の1つの円弧の長さをτとし、前記磁性リングの半径
    方向の厚さをLrとすると、τ/Lrは8<τ/Lr<
    30の範囲にあることを特徴とする永久磁石式回転電
    機。
  5. 【請求項5】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、該複数の永久磁石の表面に磁
    性材で形成された磁性リングを配設して前記永久磁石を
    覆うように構成されたロータとを有し、前記磁性リング
    は金属磁性粉末とその絶縁および結合を兼ねた樹脂コン
    パウントを成形して得られた圧粉磁心材で形成され、前
    記永久磁石の1つの円弧の長さをτとし、前記磁性リン
    グの半径方向の厚さをLrとすると、τ/Lrは8<τ
    /Lr<30の範囲にあることを特徴とする永久磁石式
    回転電機。
  6. 【請求項6】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、該複数の永久磁石の表面にフ
    ェライトの磁性材で形成された磁性リングを配設して前
    記永久磁石を覆うように構成されたロータとを有し、前
    記永久磁石の1つの円弧の長さをτとし、前記磁性リン
    グの半径方向の厚さをLrとすると、τ/Lrは8<τ
    /Lr<30の範囲にあることを特徴とする永久磁石式
    回転電機。
  7. 【請求項7】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回し
    て電機子を構成したステータと、磁性材のロータ鉄心の
    円周表面に複数の永久磁石を隣接する永久磁石の磁極同
    志が異なるように配設し、該複数の永久磁石の表面にア
    モルファスの磁性材で形成された磁性リングを配設して
    前記永久磁石を覆うように構成されたロータとを有し、
    前記永久磁石の1つの円弧の長さをτとし、前記磁性リ
    ングの半径方向の厚さをLrとすると、τ/Lrは8<
    τ/Lr<30の範囲にあることを特徴とする永久磁石
    式回転電機。
  8. 【請求項8】 前記磁性リングは弱め界磁制御が動作不
    能の故障した状態または無負荷、軽負荷の状態である電
    流が零近傍となるときの鎖交磁束量が電流を流したとき
    の負荷時の状態の鎖交磁束量よりも小となるようなリン
    グ厚を有する請求項3,4,5,6または7記載の永久
    磁石式回転電機。
  9. 【請求項9】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻回
    し、前記ステータ鉄心のロータと対向する内周面にロー
    タからの界磁磁束を周方向に漏らすための磁性材の磁性
    リングを配設して電機子を構成したステータと、磁性材
    のロータ鉄心の円周表面に界磁となる複数の永久磁石を
    隣接する永久磁石の磁極同志が異なるように配設して構
    成されたロータとを有する永久磁石式回転電機であっ
    て、前記磁性リングはケイ素鋼板、ケイ素鋼板に比べて
    飽和磁束密度の低い磁性材、磁束密度が0.5〜0.8
    (T)、比透磁率が100以上、磁束密度が1.6
    (T)以上、比透磁率が100以下の磁気特性を有する
    磁性材、金属磁性粉末とその絶縁および結合を兼ねた樹
    脂コンパウントを成形して得られた圧粉磁心材、フェラ
    イト、またはアモルファス磁性材で形成されたものであ
    ることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  10. 【請求項10】 磁性材のステータ鉄心にスロットと歯
    が設けられ、該スロット内にはコイルを配設し、スロッ
    トの開口部に磁性材の磁性くさびを配設して電機子を構
    成したステータと、磁性材のロータ鉄心に界磁となる永
    久磁石を配設して構成されたロータとを有し、前記磁性
    くさびはケイ素鋼板、ケイ素鋼板に比べて飽和磁束密度
    の低い磁性材、磁束密度が0.5〜0.8(T)、比透
    磁率が100以上、磁束密度が1.6(T)以上、比透
    磁率が100以下の磁気特性を有する磁性材、金属磁性
    粉末とその絶縁および結合を兼ねた樹脂コンパウントを
    成形して得られた圧粉磁心材、フェライト、またはアモ
    ルファス磁性材で形成されたものであることを特徴とす
    る永久磁石式回転電機。
  11. 【請求項11】 前記ステータまたはロータの空隙側面
    に磁性リングの代わりに磁性材の円形板または磁性くさ
    びを設けたアキシャルギャップ形の永久磁石式回転電機
    を構成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    に記載の永久磁石式回転電機。
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