JP3172506B2 - 永久磁石式リラクタンス型回転電機 - Google Patents

永久磁石式リラクタンス型回転電機

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JP3172506B2 JP07413999A JP7413999A JP3172506B2 JP 3172506 B2 JP3172506 B2 JP 3172506B2 JP 07413999 A JP07413999 A JP 07413999A JP 7413999 A JP7413999 A JP 7413999A JP 3172506 B2 JP3172506 B2 JP 3172506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型かつ高出力で
回転速度を広範囲に可変できる永久磁石式リラクタンス
型回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリラクタンス型回転電機は、図8
に示すように、電機子コイル11を持つ固定子1の内側
に空隙(エアギャップ)2を介して回転子3が配置さ
れ、その回転子3は外周面に凹凸の歯を形成した鉄心3
1で構成され、界磁を形成するコイルを不要とした簡単
な構造をなしている。
【0003】従って、リラクタンス型回転電機は、回転
子3の凸部3aでは磁気抵抗が小で、凹部3bでは磁気
抵抗が大となるので、凸部3aと凹部3bに面した前記
空隙2では、電機子コイル11の電流により蓄えられる
磁気エネルギーが異なり、この磁気エネルギーの回転子
3位置による変化によって出力が発生する。
【0004】もっとも、回転子3における凸部3aと凹
部3bは、上記のように幾何的構造によるもののみでな
く、磁気的に凹凸を形成できる形状、すなわち磁気抵
抗、あるいは磁束密度分布が回転子3の位置により異な
るような構成であれば良く、本願明細書では凸部3a及
び凹部3bは磁気的凹凸を示すものとして以下説明す
る。
【0005】また従来、より小形かつ高出力を得るため
に、上記リラクタンス型と同様な構成からなる回転電機
等に、回転子3の鉄心31の外周面のほぼ全周にわたっ
て、高磁気エネルギー積の希土類永久磁石を配置し、空
隙2に磁石の界磁により高磁界を形成するように構成し
たいわゆる永久磁石式回転電機もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
リラクタンス型回転電機は、回転子外周面の磁気的凹凸
により、回転子の回転位置により磁気抵抗値等が異なる
ものであるが、電機子電流の増加に従い、磁極となる回
転子鉄心の凸部において局部的に磁気飽和が拡大し、そ
の結果、磁極の磁気抵抗は高くなって、磁極間の凹部へ
の漏れ磁束が増加し、有効な磁束が減少して出力が低下
するという欠点があった。
【0007】この現象を磁気エネルギーの面からとらえ
ると、鉄心歯(凸部)の磁気飽和により生じる漏れ磁束
により、空隙(エアギャップ)での磁束密度の変化が緩
やかになり、磁気エネルギー変化が小さくなると考える
ことができる。
【0008】一方、希土類永久磁石を採用した従来の永
久磁石式回転電機は、回転子鉄心に配置された永久磁石
の磁束数は常に一定であり、電機子コイルに誘導される
電圧値は回転子鉄心の回転速度に比例して大きくなっ
た。
【0009】従って、永久磁石の磁束数を減らしたり変
化させたりすることができないため、低速から高速まで
の広範囲な可変速運転を行なおうとした場合、電源電圧
を一定とすると基底速度の2倍以上の定出力運転は困難
であった。
【0010】そこで、本発明は小型かつ高出力で広範囲
にわたり可変速運転が可能な永久磁石式リラクタンス型
回転電機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発
明は、電機子コイルを持つ固定子と、この固定子の内側
にあって磁束の通り易い部分(d軸)と磁束の通り難い
部分(q軸)とが交互に形成されるように空洞による複
数の磁気障壁が設けられ、前記空洞内に永久磁石を配置
した回転子とを有する永久磁石式リラクタンス型回転電
機であって、複数の前記永久磁石は、いずれも発生する
磁束数がほぼ同一であり、前記q軸方向成分における前
記電機子コイルの磁束を打ち消すように配置されたこと
を特徴とする。
【0012】このように請求項1記載の回転電機は、発
生する磁束数がほぼ同一の複数の永久磁石は、磁気障壁
の法線方向(q軸方向)から侵入する電機子電流のq軸
方向成分の磁束を打ち消すように配置されたので、q軸
方向の合成磁束は小さくなるか、あるいは電機子電流が
小さい場合には、合成磁束の向きは電機子電流の磁束方
向とは逆方向になる。
【0013】このように、q軸方向の鎖交磁束は小とな
るので、大きな磁気的凹凸の変化で大出力が得られると
ともに、q軸方向成分の鎖交磁束数は減少し端子電圧は
低下し、力率が向上する。
【0014】一方、d軸方向では、複数の永久磁石の磁
束は磁気障壁間の回転子鉄心部の磁束密度を高めるの
で、鉄心部は磁気飽和し易く、透磁率は著しく低下す
る。この鉄心部の透磁率の低下によりd軸方向の空隙2
における磁束を低下させるので、出力の増加は僅かとな
る。
【0015】また、磁極において隣り合う複数の永久磁
石間で生成される磁束のd軸方向成分(すなわち磁気障
壁の接線方向成分)は、互いに逆になり相殺されるの
で、回転子鉄心を通る永久磁石の磁束はq軸方向成分が
主となる。
【0016】従って、鉄心のd軸方向成分の透磁率の低
下はわずかになるように抑えられ、電機子電流のd軸方
向成分の空隙における磁束数は、永久磁石により大きく
減少することは避けられる。
【0017】このように、請求項1の発明によれば、永
久磁石のq軸方向磁束で電機子電流のq軸磁束を相殺す
るので、q軸方向の空隙磁束は小となり、磁極における
永久磁石間のd軸方向磁束は相殺により極めて小となる
ので、電機子電流のd軸方向の空隙磁束は大となること
から、空隙での磁束密度の凹凸の変化、すなわち磁気エ
ネルギー変化は大となり、高トルク及び高力率を達成す
ることができる。
【0018】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の永久磁石式リラクタンス型回転電機において、磁気障
壁は、一極当たり複数個設けるように構成されたことを
特徴とする。
【0019】このように請求項2に記載の回転電機は、
磁気障壁を複数個設けたので、電機子電流による磁束が
複数の磁気障壁間に分散し、回転子の鉄心の局部的な磁
気飽和が緩和されるので、請求項1に記載の発明の作用
に加え、より大きな出力を得ることができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機に
おいて、永久磁石は、空洞内の一部分に配置されたこと
を特徴とする。
【0021】このように請求項3に記載の回転電機によ
れば、永久磁石を空洞内の一部に配置することで、永久
磁石の磁束数を電機子電流のq軸磁束をほぼ相殺するよ
うに設定でき、q軸における合成の鎖交磁束をほぼ零と
することができると同時に、永久磁石の存在しない空洞
部分に対応する鉄心部は、永久磁石の磁束による透磁率
低下はなくなるので、電機子電流によるd軸方向磁束は
増加する。
【0022】この結果、空隙における磁束変化は大とな
り、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加
え、大きなリラクタンストルクを発生させることができ
る。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
請求項3のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機において、回転子の空洞は、固定子
鉄心との間の空隙に最も近い位置に永久磁石を配置した
ことを特徴とする。
【0024】このように請求項4に記載の回転電機によ
れば、各空洞において、固定子鉄心との間の空隙に最も
近い位置に永久磁石を配置したので、電機子電流のq軸
成分磁束が、固定子鉄心から回転子の空隙側外周部分を
磁路とした漏れを軽減することができ、請求項1ないし
請求項3の各発明における作用に加え、リラクタンスト
ルクが増加させることができる。
【0025】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
請求項4のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機において、回転子は、磁束の通り難
い部分(q軸)の、固定子側近くに空洞部を形成したこ
とを特徴とする。
【0026】このように請求項5に記載の回転電機によ
れば、固定子側から見て回転子の磁束の通り難い部分
(q軸方向の部分)で、空隙(エアギャップ)に近い鉄
心部分に比透磁率1の空洞を設けたので、q軸方向の磁
気抵抗は大となり、電機子電流のq軸磁束数は少なくな
る。
【0027】従って、d軸方向とq軸方向における空隙
磁束の変化が大となり、請求項1ないし請求項4に記載
の各発明の作用に加え、リラクタンストルクをより増大
させることができる。
【0028】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
請求項5のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機において、永久磁石は、電機子コイ
ルの無励磁時において、発生する磁束数の30%以上が
回転子の鉄心内に分布し、負荷時においては、発生する
磁束数が鎖交磁束の10%以上を占めるように構成され
たことを特徴とする。
【0029】このように、請求項6に記載の回転電機に
よれば、まず無励磁時において、永久磁石の発生する磁
束の30%以上が回転子内に分布するように構成したの
で、請求項1ないし請求項5に記載の各発明の作用に加
え、回転子回転中に発生する誘起電圧を定格電圧の0〜
70%の範囲に設定することができる。すなわち、一例
として、永久磁石の誘起電圧を33%とした場合、基底
速度の3倍の高速回転まで回転子を回転させても電源回
路に過電圧を与えることはない。
【0030】また、永久磁石による誘導電圧は極めて小
さいので、固定子側等において電気的な短絡が発生して
も、焼損や過大なブレーキ力の発生を防ぐことができる
ほか、永久磁石による磁束で固定子鉄心内に生じる鉄損
は少ないので、無負荷、軽負荷時の効率向上が図れる。
【0031】一方、負荷時においては、固定子鉄心と対
向する永久磁石周囲の磁性部材、すなわち永久磁石と空
隙との間の回転子鉄心部分は、磁気的に短絡されてお
り、負荷電流により強く磁気飽和する。その結果、永久
磁石の磁束は短絡する鉄心部分を通り難くなり、電機子
コイルと鎖交する永久磁石の磁束数が増加する。
【0032】また、永久磁石の周囲は磁性部材(回転子
鉄心)で覆われており、永久磁石の磁束の一部が少なく
とも上記磁気的に短絡された部分を通って漏れるため、
永久磁石内部の反磁界を小さくすることができる。従っ
て、永久磁石のB(磁束密度)−H(磁界の強さ)特性
である減磁曲線上の動作点が高く、パーミアンスは大と
なり、請求項1ないし請求項6に記載の各発明の作用に
加え、温度変化や、電機子反作用に対する耐減磁特性が
向上する。
【0033】特に、永久磁石の磁束はq軸方向の電機子
電流による磁束を相殺するように作用するので、q軸方
向では永久磁石に減磁界が作用するが、上記短絡された
磁性部により永久磁石の減磁を防ぐことができる。
【0034】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
請求項6のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機において、回転子は、磁気障壁の外
周部分を鉄部材で構成し、電機子コイルが無励磁時のと
きに前記永久磁石の発生する磁束数の30%以上が鉄部
材を磁路として分布するように構成されたことを特徴と
する。
【0035】このように請求項7に記載の回転電機によ
れば、回転子の磁気障壁間の磁性材は外周の鉄部材によ
る磁性部が結合され、30%以上の磁束の漏れが生じる
程度に鉄部材の厚みを形成するので、請求項1ないし請
求項6に記載の各発明の作用に加え、回転子は機械的強
度的が大となり、大容量・高速回転の回転子を実現する
ことができる。
【0036】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
請求項7のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機において、永久磁石は、定格出力時
に磁束の通り難い方向(q軸)に対し発生する磁束が電
機子コイルによる磁束成分と打ち消し合い、鎖交磁束が
ほぼ零となるように構成されたことを特徴とする。
【0037】このように請求項8に記載の回転電機は、
定格出力時に、磁束の通り難い方向(q軸)の電機子電
流が作る磁束成分が永久磁石の磁束と打ち消し合って鎖
交磁束がほぼ零となるように磁気障壁の磁石量を設定す
る。
【0038】従って、負荷電流を与えたときに、磁極間
(q軸)方向の鎖交磁束が零となるので、磁極軸(p
軸)方向の磁束で誘導される電圧はほぼ零となる。従っ
て、端子電圧は磁極軸方向の磁束で誘起されることか
ら、請求項1ないし請求項6に記載の各発明の作用に加
え、低電圧と高力率が得られる。
【0039】また、この請求項8に記載の発明は、永久
磁石が厚みを持つ鉄心(磁性部材)で覆われているの
で、鎖交空隙を零にしても永久磁石による磁束は回転子
(鉄心)内に分布する。すなわち、永久磁石を不可逆減
磁することなく鎖交磁束をほぼ零にすることができる。
【0040】さらに、リラクタンストルクは、電機子コ
イルを流れる励磁電流とトルク電流成分の積となるの
で、出力は励磁電流とトルク電流成分と回転速度の積と
なる。従って、q軸方向の磁束を形成する電機子電流成
分(すなわちトルク電流)は前述のq軸方向の合成磁束
をほぼ零の一定値とし、d軸方向の磁束を形成する電機
子電流成分(すなわち励磁電流)が回転子の回転速度に
反比例するように調整することにより、請求項1ないし
請求項7記載の各発明の作用に加え、定出力(トルク×
回転速度の値が一定)特性が得られる。
【0041】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
請求項8のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機において、永久磁石は、電機子コイ
ルが電気的に短絡されたときに、永久磁石からの誘導磁
束により電機子電流が流れ、その電機子電流に基づくジ
ュール損による発熱量が熱的許容値以下、または電機子
電流により生じるブレーキ力が実装された装置の許容値
以下となるように構成されたことを特徴とする。
【0042】このように、請求項9に記載の回転電機
は、電機子コイルを電気的に短絡したときに、永久磁石
の磁束により誘導される電機子電流に関し、その電流で
生じるジュール損による発熱が回転電機の熱的許容値以
下、またはその電機子電流で生じるブレーキ力が装置の
許容値以下となるように磁石の鎖交磁束数を決定する。
【0043】従って、この請求項9に記載の発明によれ
ば、請求項1ないし請求項8記載の各発明の作用に加
え、固定子側に接続されるインバータや入力端子側で電
気的な短絡事故が発生したときに、回転子の回転によ
り、電機子コイルに短絡電流が流れて焼損したり、過大
なブレーキトルクの発生で装置がロック状態となるよう
な不具合発生を防ぐことができる。
【0044】請求項10に記載の発明は、請求項1ない
し請求項9のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機において、磁気障壁は、空洞内に
永久磁石とともに導電部材を充填して構成されたことを
特徴とする。
【0045】このように、請求項10に記載の回転電機
は、回転磁界に対し非同期のときに、導電部材に誘導電
流による渦電流が発生するので回転子は同期に入ること
が可能となり、請求項1ないし請求項9記載の各発明の
作用に加え、自己起動と安定した回転を得ることができ
る。
【0046】請求項11に記載の発明は、請求項1ない
し請求項10のうちのいずれか1項に記載の永久磁石式
リラクタンス型回転電機において、回転子は、複数個の
導電部材を鉄心内の外周縁部に嵌め込んだことを特徴と
する。
【0047】このように、請求項11に記載の回転電機
はおいても、非同期時に導電部材に誘導電流が流れるの
で、請求項1ないし請求項10記載の各発明の作用に加
え、自己起動と安定した回転を得ることができ、また、
インバータ駆動時の高調波電流による渦電流を吸収でき
る効果も得られる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明による永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機の一実施の形態を図1ないし図7
を参照して詳細に説明する。なお、図8に示した従来の
回転電機と同一構成には同一符号を付して、詳細な説明
は省略する。
【0049】図1は本発明による永久磁石式リラクタン
ス型回転電機の第1の実施の形態を示した径方向の要部
断面図である。
【0050】すなわち、固定子1の鉄心は4極を形成す
る電機子コイル11を有し、一方回転子3となる鉄心3
1には、複数の空洞31aによる磁気障壁が設けられ、
いわゆる凸極同期機と同様に、磁束の通り易い部分(d
軸すなわち矢印Dの直軸方向)と磁束の通り難い部分
(q軸すなわち矢印Qの横軸方向)を周方向に交互に配
列した磁気的凹凸が形成されている。
【0051】鉄心31は電磁鋼板の積層構成からなり、
各電磁鋼板は内側に永久磁石32を挿入する空洞31を
型の打ち抜きにより製作される。すなわち鉄心31に
は、固定子1側の4極の磁束分布に対応し、図1に示す
ように、d軸方向において外側に向けて広がる略U字状
に各極当たり大小2個、計8個の空洞5が十字状をなす
ように配置されて4極の磁気的な凸部3aが形成されて
いる。
【0052】そして各空洞5内には、NdFeB系の永
久磁石32が、図2に矢印Aで示すように、q軸方向成
分の電機子電流の磁束を打ち消すように、d軸に垂直な
方向にそれぞれ磁化されて埋め込まれ、また、各永久磁
石32は発生する磁束数がほぼ同一となるように構成し
た。
【0053】従って、上記空洞31aよる磁気障壁にお
いて、その接線方向に分布する電機子コイル11による
磁束成分は、磁束が磁気障壁に沿って回転子3の鉄心
(磁性)31部分を流れて、空隙(エアギャップ)2中
に高い磁束密度分布を形成のd軸(凸部3aの磁極)を
形成し、他方、法線方向に分布する電機子コイル11の
磁束成分は、その磁気障壁が磁気低抗となるので、空隙
2中には低い磁束密度分布のq軸(凹部3bの磁極間)
が形成される。
【0054】このように回転子3鉄心31内の空洞31
aによる磁気障壁により、空隙2中において周方向に磁
束密度の高低(すなわち凹凸)が形成され、これにより
回転子3の回転位置で磁気エネルギーが変化しトルクが
得られる。
【0055】また、図2に示すように、各永久磁石32
による磁束(矢印A)は、回転の電機定格出力時にq軸
方向(矢印Q方向)から侵入する電機子コイル11の磁
束成分を打ち消すので、鎖交(合成)磁束はほぼ零とな
り、磁極間(q軸)方向成分で誘導される電圧はほぼ零
となるように設定されると同時に、NdFeB系の永久
磁石32の比透磁率は空洞31aと同等で約1の値から
なるので、磁気抵抗が高く、電機子コイル11のq軸方
向成分の磁束は小さく抑制される。
【0056】このように、永久磁石32によりq軸側の
鎖交磁束がほぼ零になると、d軸側の鎖交磁束との間の
変化が拡大されるから、d軸方向成分の磁束で誘起され
る端子電圧の磁気エネルギー変化は大となり、大きな磁
気的凹凸が得られて出力が大となると同時に、q軸方向
成分の鎖交磁束の減少で端子電圧は低下し高力率が得ら
れる。
【0057】このように、永久磁石32の磁束と、これ
とは逆方向の電機子コイル11によるq軸方向成分の磁
束とが打ち消し合うので、特に電機子電流が小さい場合
は合成磁束の方向は電機子電流による磁束の方向と逆に
なる。
【0058】一方、d軸方向を考えると、永久磁石32
の磁束は、空洞31a間の鉄心31部の磁束密度を高め
るのでその部分の鉄心31が磁気飽和し易く、透磁率は
低下し、その結果、d軸方向における空隙(エアギャッ
プ)2における磁束数も低下して出力の増加は僅かとな
ることが考えられる。
【0059】そこで、この第1の実施の形態では、各永
久磁石32は発生する磁束数がそれぞれほぼ同一となる
ように構成した。すなわち図3に示したように、磁束数
がほぼ同一で隣り合う永久磁石32のd軸方向成分(す
なわち磁気障壁の接線方向成分であって、図3では点線
と一点鎖線とで示した磁束)は、空洞31a(永久磁石
32)間の鉄心31部分では互いに逆方向となり相殺さ
れる。従って、回転子鉄心31を通る永久磁石32の磁
束は、図3で矢印Aqで示すq軸方向成分が主となり、
回転子鉄心4の磁石間にある鉄心31のd軸方向の透磁
率は僅かな低下に抑えられるので、電機子電流のd軸方
向成分における空隙2の磁束数の大幅な減少は抑制され
る。
【0060】以上説明のように、永久磁石32によるq
軸方向の磁束で、電機子電流のq軸磁束を相殺してq軸
方向の空隙2の磁束は小さくなる一方、回転子3の各永
久磁石32間の鉄心31における永久磁石32のd軸方
向成分は極めて小さく、鉄心31の透磁率は高く維持で
き、電機子電流によるd軸方向の空隙2磁束数を多くす
ることができる。
【0061】この結果、負荷時において、電機子電流の
磁束が合成された状態においても、永久磁石32の作用
により、空隙2の磁束密度の凹凸の変化が大となり、大
きな磁気エネルギー変化により、高トルク及び高力率を
達成することができる。
【0062】また、この実施の形態では、永久磁石32
は厚みのある鉄心31で覆われていてその磁束は回転子
3の鉄心31内に分布するので、永久磁石21を不可逆
減磁することなく鎖交磁束をほぼ零にできる。
【0063】この実施の形態によれば、図示のように、
空洞31aを1極毎にそれぞれ左右に複数個設けたの
で、電機子電流の磁束はその複数の空洞31a間の鉄心
31に分散され、鉄心31の局部的な磁気飽和は緩和さ
れ出力が増加する。
【0064】また、図2に示すように、空隙31aの外
周部、すなわち空洞31aと空隙2との間は、鉄心31
に一体となるよう鉄部材によりブリッジ部31bを構成
し、電機子コイル11に電流を流さない無励磁時におい
て、永久磁石32の発生する磁束の30%以上が、この
ブリッジ部31b及び他の鉄心31部分を磁路として回
転子3内に分布するようにした。
【0065】またこれと同時に、負荷時において、永久
磁石32における鎖交磁束数が、電機子コイル11と永
久磁石32との合成による鎖交磁束数の10%以上とな
るように構成した。なお、前記鎖交磁束数は、電機子電
流による磁束ベクトルと永久磁石32の磁束ベクトルと
の位相差により変化するので、ここでは両者間の位相差
が90度の交差状態にあって互いに影響を与えないよう
なときの値とする。
【0066】回転子3の永久磁石32を上記のように構
成したことにより、回転子3の回転中に発生する誘起電
圧を定格電圧の0〜70%の範囲に設定することができ
る。
【0067】一例として、永久磁石32の誘起電圧を3
3%とした場合、基底速度の3倍の高速まで回転させて
も電源回路に過電圧を与えることなく稼働させることが
できる。
【0068】また、固定子1側に接続されるインバータ
や入力端子側で電気的な短絡事故が発生したときに、電
機子コイル11と鎖交する永久磁石32の磁束があれ
ば、回転子3が回転すると誘導電圧が生じる。この誘導
電圧で電機子コイル11に短絡電流が流れて、焼損した
り、過大なブレーキトルクで装置がロック状態となるこ
とも考えられる。
【0069】しかしながら、永久磁石32による誘導電
圧自体は極めて小さい。従って、固定子1側の電源回路
等において電気的な短絡が発生し、誘導電機子電流によ
りジュール損が生じるが、この実施の形態の回転電機に
よれば、そのジュール損による発熱が回転電機の熱的許
容値以下、あるいはその誘導電機子電流で生じるブレー
キ力が許容値以下となるように永久磁石32の鎖交磁束
数を決定し、焼損や過大なブレーキ力が生じるのを防ぐ
ことができる。また、固定子1鉄心内に生じる鉄損も小
さいので、無負荷、軽負荷時の効率向上を図ることがで
きる。
【0070】次に、この実施の形態の上述構成によれ
ば、負荷時においては、回転子3のブリッジ部31bは
磁気的に短絡され、負荷電流により強く磁気飽和する。
従って、永久磁石32の磁束は磁気飽和したブリッジ部
31bを通り難くなり、電機子コイル11の磁束と鎖交
する永久磁石32の磁束数が増加する。
【0071】もっとも、永久磁石32の周囲は、磁性部
材の鉄心31で覆われており、永久磁石32の磁束の一
部はその短絡した鉄心31を通って漏れるため、永久磁
石32内部の反磁界は小さくなる。すなわち、永久磁石
32のB(磁束密度)−H(磁界の強さ)特性である減
磁曲線上の動作点が高く、パーミアンスは大となり、温
度変化や電機子反作用に対する耐減磁特性が向上する。
【0072】その結果、温度特件の必ずしも良くない永
久磁石32でも150〜200℃の温度で使用すること
が可能となる。例えば、温度特性は良くないが、高磁気
エネルギー積(40MG0e)を有するMdFeBの永
久磁石32を採用し、高温雰囲気で定格電流の2〜3倍
の大電流を流しても、q軸の電機子電流によって磁束で
永久磁石32の減磁を防ぐことができる。
【0073】また、回転子3の各空洞31a間は外周の
鉄のブリッジ部31bで磁性結合されるとともに、ブリ
ッジ部31bを上述のように30%以上の磁束の漏れが
生じる程度の構造としたので、機械的強度は大となると
同時に、外周表面の全周にわたる滑らかさから風損は低
減され、固定子1の磁気抵抗変化も小となるので、大容
量かつ高速回転の回転電機を実現できる。
【0074】さらに、回転電機のリラクタンストルクは
電機子コイル11を流れる励磁電流とトルク電流成分の
積となり、出力は励磁電流とトルク電流成分と回転速度
の積となる。そこで、q軸方向の磁束を形成する電機子
電流成分(トルク電流)は前述のq軸方向の合成磁束が
ほぼ零となる一定値とし、d軸方向の磁束を形成する電
機子電流成分(励磁電流)を回転子3の回転速度に反比
例するよう調整し、定出力(トルク×回転速度が一定)
特性を得ることができる。
【0075】次に、図4はこの発明による永久磁石リラ
クタンス型回転電機の第2の実施の形態を示すための電
機子の径方向の断面図で、上記第1の実施の形態と相違
し、回転子3の空洞5において、空洞5内の一部、すな
わち固定子1との間の空隙2に最も近い部分にのみ永久
磁石32を配置した。
【0076】このように永久磁石32は空洞31a内で
空隙2に最も近い部分に埋め込み配置し、永久磁石32
が電機子電流のq軸方向の磁束をほぼ相殺するように構
成し、q軸方向で合成される鎖交磁束をほぼ零とした。
【0077】これと同時に、永久磁石32が挿入されな
い部分に対応する鉄心31部分は永久磁石32の磁束に
よる透磁率の低下はなくなり、電機子電流のd軸方向磁
束は増加する。この結果、空隙2での磁束変化は大とな
り、大きなリラクタンストルクを発生させることができ
る。
【0078】さらに、上述のように、永久磁石32を、
固定子1との間の空隙2に最も近い部分の空洞31aに
埋め込んだので、電機子電流のq軸成分磁束が、固定子
1の鉄心から、回転子3における空隙2側の外周部分3
1bを磁路とした漏れを防ぐことができ、これにより、
リラクタンストルクを増加させることができる。
【0079】次に、図5はこの発明による永久磁石リラ
クタンス型回転電機の第3の実施の形態を示す回転子の
径方向断面図である。
【0080】図5は、図1に示した第1の実施の形態に
対応した回転子3を示したもので、図1とは、固定子1
から見て回転子3の磁束の通り難いq軸方向の部分で、
固定子1との間の空隙(エアギャップ)2に近い回転子
3の鉄心31に、例えば扇形の空洞部31cを形成した
点で相違点する。
【0081】このように、固定子1から見て回転子3の
磁束の通り難い部分(q軸方向の部分)で、固定子1の
鉄心との間の空隙2側に近い回転子3の鉄心31に比透
磁率1の空洞部31cを形成したので、q軸方向から見
た磁気抵抗は大となり、電機子電流のq軸方向の磁束は
僅かとなる。
【0082】従って、d軸方向とq軸方向における空隙
2における磁束数の変化が大となり、リラクタンストル
クは増大する。また、同時に永久磁石32の鎖交磁束数
も減少するので、高トルクを維持しながら、永久磁石3
2の鎖交磁束を減少させることができる。
【0083】また、この第3の実施の形態では、強制的
な制御で界磁制御を行って電圧を抑制する構造を有して
いないので、高速回転時に過電圧が発生することはな
い。
【0084】なお、この第3の実施の形態は、図1に示
した第1の実施の形態において、空洞部31cを設けた
構造であることを説明したが、図4に示した第2の実施
の形態においても、同様に空洞部31cを設け、同様な
効果を得ることができる。
【0085】次に、図6はこの発明による永久磁石リラ
クタンス型回転電機の第4の実施の形態を示す回転子の
径方向断面図で、上記第1ないし第3の各実施の形態に
おいて、磁気障壁の空洞31a内で永久磁石32が充填
されてない部分、あるいは空洞部31c内にアルミニウ
ム等の導電部材31eを充填して回転子3を構成した。
【0086】このように、空洞31aないしは空洞部3
1cに導電部材31dを充填したことにより、非同期時
に誘導磁界による渦電流が導電部材31dに生じ、回転
子3は同期に入ることかできる。即ち、自己起動と安定
した回転が得られる。
【0087】図7はこの発明による永久磁石リラクタン
ス型回転電機の第5の実施の形態を示す回転子の径方向
要部断面図で、回転子3の鉄心31の外周部に穴を設け
て、導電部材である銅製バー31eを挿入して回転子3
を構成した。すなわち、この銅製バー31eに、非同期
時に誘導電流が流れて、自己起動と安定した回転が得ら
れる。また、インバータ駆動時の高調波電流による渦電
流を吸収することもできる。
【0088】以上詳述したように、本発明の永久磁石リ
ラクタンス型回転電機によれば、電機子電流による磁束
の通り易いd軸方向において回転子鉄心の永久磁石によ
る磁気飽和を緩和し、かつ、電機子電流による磁束の通
り難いq軸方向成分の磁束を永久磁石で相殺させるの
で、回転子と固定子との間の空隙における磁気的凹凸が
大となり、回転子位置における磁気エネルギーの大きな
変化で大出力が得られ、力率の改善も図られる。
【0089】また、永久磁石は回転子鉄心の空洞内に配
置されるが、周囲の鉄心(磁性材)により永久磁石内の
反磁界は小さくなり、さらに電機子反作用の影響も緩和
され、q軸の鎖交磁束をほぼ零とすることができるとと
もに、永久磁石の減磁を抑制できる。
【0090】また、永久磁石は、q軸の鎖交磁束がほぼ
零の状態で、励磁電流でd軸磁束を変化できるので、出
力電圧を大幅に調整可能となる。従って、基底速度時の
電圧を維持して低速から高速までの広範囲な可変速運転
が可能となり、小形・高出力の回転電機を実現でき、実
用上の効果大である。
【0091】
【発明の効果】請求項1記載の回転電機によれば、永久
磁石のq軸方向磁束で電機子電流のq軸磁束を相殺する
ので、電機子電流のd軸磁束は大となり、空隙での磁束
密度の凹凸の変化、すなわち大きな磁気エネルギー変化
を得ることができ、高トルク及び高力率を達成すること
ができる。
【0092】請求項2に記載の発明によれば、磁気障壁
を複数個設けたので、電機子電流による磁束が複数の磁
気障壁間に分散し、回転子の鉄心の局部的な磁気飽和が
緩和されるので、請求項1に記載の発明の作用に加え、
出力をより大とすることができる。
【0093】請求項3に記載の発明によれば、永久磁石
を空洞内の一部に配置したので、空隙における磁束変化
は大となり、請求項1または請求項2に記載の発明の作
用に加え、大きなリラクタンストルクを発生させること
ができる。
【0094】請求項4に記載の発明によれば、各空洞に
おいて、固定子鉄心との間の空隙に最も近い位置に永久
磁石を配置したので、電機子電流のq軸成分磁束が、固
定子鉄心から回転子の空隙側外周部分を磁路とした漏れ
を軽減することができ、請求項1ないし請求項3の各発
明における作用に加え、リラクタンストルクが増加させ
ることができる。
【0095】請求項5に記載の発明によれば、空隙側近
くに空洞部を設けたので、q軸磁束数は少なくなり、空
隙磁束に大きな変化を得ることができ、請求項1ないし
請求項4に記載の各発明の作用に加え、リラクタンスト
ルクがより増大させることができる。
【0096】請求項6に記載の発明によれば、無励磁時
において、永久磁石の発生する磁束の30%以上が回転
子内に分布するように構成したので、請求項1ないし請
求項5に記載の各発明の作用に加え、回転子回転中に発
生する誘起電圧を定格電圧の0〜70%の範囲に設定す
ることができる。
【0097】また、永久磁石による固定子側への誘導電
圧は極めて小さいので、電源側等において電気的な短絡
が発生しても、焼損や過大なブレーキ力の発生を防ぐこ
とができる。
【0098】請求項7に記載の発明によれば、回転子の
磁気障壁間の磁性材は外周の鉄部材による磁性部が結合
され、30%以上の磁束の漏れが生じる程度に鉄部材の
厚みを形成するので、請求項1ないし請求項6に記載の
各発明の作用に加え、回転子は機械的強度的が大とな
り、大容量・高速回転の回転子を実現できる。
【0099】請求項8に記載の発明によれば、定格出力
時に、磁極間(q軸)方向の鎖交磁束が零となるので、
磁極軸(p軸)方向の磁束で誘導される電圧は零とな
る。従って、端子電圧は磁極軸方向の磁束で誘起され、
請求項1ないし請求項6に記載の各発明の作用に加え、
低電圧と高力率が得られる。
【0100】また、リラクタンストルクは、トルク電流
はq軸方向の合成磁束をほぼ零の一定値とし、励磁電流
を回転子の回転速度に応じてほぼ反比例するように調整
することにより、請求項1ないし請求項7記載の各発明
の作用に加え、定出力特性を得ることができる。
【0101】請求項9に記載の発明によれば、請求項1
ないし請求項8記載の各発明の効果に加え、固定子側に
接続されるインバータや入力端子側で電気的な短絡事故
が発生したときに、回転子の回転により、電機子コイル
に短絡電流が流れて焼損したり、過大なブレーキトルク
の発生で装置がロック状態となるような不具合発生を防
ぐことができる。
【0102】請求項10及び請求項11に記載の発明に
よれば、回転子が回転磁界に対して非同期時に、導電部
材に渦電流が発生するので、回転子は同期に入ることが
可能となり、請求項1ないし請求項9記載の各発明の作
用に加え、自己起動と安定した回転を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石式リラクタンス型回転電
機の第1の実施の形態を示す要部径方向断面図である。
【図2】図1に示す永久磁石式リラクタンス型回転電機
の電機子電流による磁束と永久磁石との鎖交磁束の説明
図である。
【図3】図1に示す永久磁石式リラクタンス型回転電機
の無負荷時の永久磁石の磁束分布図である。
【図4】本発明による永久磁石式リラクタンス型回転電
機の第2の実施の形態を説明する回転子の径方向断面図
である。
【図5】本発明による永久磁石式リラクタンス型回転電
機の第3の実施の形態を説明する回転子の径方向断面図
である。
【図6】本発明による永久磁石式リラクタンス型回転電
機の第4の実施の形態を説明する回転子の径方向断面図
である。
【図7】本発明による永久磁石式リラクタンス型回転電
機の第5の実施の形態を説明する回転子の要部径方向断
面図である。
【図8】従来のリラクタンス型回転電機の径方向断面図
である。
【符号の説明】
1 固定子 11 電機子コイル 2 空隙(エアギャップ) 3 回転子 31 鉄心 31a 空洞 31b ブリッジ部 31c 空洞部 31d 導電材 31e 導体バー 32 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−27913(JP,A) 特開 平10−257702(JP,A) 米国特許4924130(US,A) 米国特許4139790(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 19/10 H02K 1/27 501 H02K 21/00,29/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電機子コイルを持つ固定子と、 この固定子の内側にあって磁束の通り易い部分(d軸)
    と磁束の通り難い部分(q軸)とが交互に形成されるよ
    うに空洞による複数の磁気障壁が設けられ、前記空洞内
    に永久磁石を配置した回転子とを有する永久磁石式リラ
    クタンス型回転電機であって、 複数の前記永久磁石は、いずれも発生する磁束数がほぼ
    同一であり、前記q軸方向成分における前記電機子コイ
    ルの磁束を打ち消すように配置されたことを特徴とする
    永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  2. 【請求項2】 前記磁気障壁は、一極当たり複数個設け
    るように構成されたことを特徴とする請求項1記載の永
    久磁石式リラクタンス型回転電機。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石は、前記空洞内の一部分に
    配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  4. 【請求項4】 前記回転子の前記空洞は、固定子鉄心と
    の間の空隙に最も近い位置に前記永久磁石を配置したこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  5. 【請求項5】 前記回転子は、前記磁束の通り難い部分
    (q軸)の、前記固定子側近くに空洞部を形成したこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のうちのいずれか
    1項に記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石は、前記電機子コイルの無
    励磁時において、発生する磁束数の30%以上が前記回
    転子の鉄心内に分布し、負荷時においては、発生する磁
    束数が鎖交磁束の10%以上を占めるように構成された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちのいず
    れか1項に記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  7. 【請求項7】 前記回転子は、前記磁気障壁の外周部分
    を鉄部材で構成し、前記電機子コイルが無励磁時のとき
    に前記永久磁石の発生する磁束数の30%以上が前記鉄
    部材を磁路として分布するように構成されたことを特徴
    とする請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に
    記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  8. 【請求項8】 前記永久磁石は、定格出力時に前記磁束
    の通り難い方向(q軸)に対し発生する磁束が前記電機
    子コイルによる磁束成分と打ち消し合い、鎖交磁束がほ
    ぼ零となるように構成されたことを特徴とする請求項1
    ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の永久磁石
    式リラクタンス型回転電機。
  9. 【請求項9】 前記永久磁石は、前記電機子コイルが電
    気的に短絡されたときに、前記永久磁石からの誘導磁束
    により電機子電流が流れ、その電機子電流に基づくジュ
    ール損による発熱量が熱的許容値以下、または前記電機
    子電流により生じるブレーキ力が実装された装置の許容
    値以下となるように構成されたことを特徴とする請求項
    1ないし請求項8のうちのいずれか1項に記載の永久磁
    石式リラクタンス型回転電機。
  10. 【請求項10】 前記磁気障壁は、前記空洞内に前記永
    久磁石とともに導電部材を充填して構成されたことを特
    徴とする請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1項
    に記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  11. 【請求項11】 前記回転子は、複数個の導電部材を鉄
    心内の外周縁部に嵌め込んだことを特徴とする請求項1
    ないし請求項10のうちのいずれか1項に記載の永久磁
    石式リラクタンス型回転電機。
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