JP5871469B2 - 電動モータおよびそれを用いた電動圧縮機 - Google Patents

電動モータおよびそれを用いた電動圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、出力特性の異なるモータを簡易に製造することができる電動モータおよびそれを用いた電動圧縮機に関するものである。
空調機や冷凍機においては、冷媒を圧縮するため、電動モータを内蔵した電動圧縮機が用いられている。この電動圧縮機用の電動モータには、回転子鉄芯にその回転中心を囲むように周方向に所定の間隔で複数の永久磁石が配設されている回転子を備えたブラシレスモータが使用されている。このようなモータにおいて、回転子鉄芯の外周部に所定の間隔で複数個の永久磁石を埋設し、その磁石間に空間部分を形成して固定子との間のギャップに到達する磁束量を低減するようにしたもの、あるいはその磁石の磁極端部間に磁気回路の短絡を防止する空気領域を穿設したものが、特許文献1,2に示されている。
また、特許文献3には、周方向に所定の間隔で複数個の永久磁石が埋設されている回転子鉄芯の隣接する磁石間の鉄芯部と、磁石外側の外周鉄芯部とにそれぞれスリット穴を設けたものが示されている。更に、特許文献4には、ロータコアの外周に磁極と同数に分割配置した主永久磁石を設け、ロータコアの内部に磁束を補う方向に磁化された補永久磁石を配置することによって、同じ体格でトルク発生に起因する磁束量を大きくし、高トルクで高効率のモータを得るようにしたものが示されている。
特開平5−304737号公報 特開2001−69701号公報 特開2002−84690号公報 特開2008−99413号公報
特許文献1−3に示されたものは、各磁極に対応して設けられている磁石間に、種々の空隙やスリットを設けることにより、磁束密度、リラクタンストルク等を調整できるようにしているが、磁石については、様々な形状をなす磁石が各磁極に対して1個ずつ配設された構成とされている。従って、その磁石の形状、大きさ、磁力等により一義的にそのモータの出力特性が決まってしまうため、出力特性の異なるモータを得るには、磁石自体を変更する等、別の設計とする必要があり、同一構成のまま出力特性の異なる複数のモータを簡易に製造することは困難であった。
一方、特許文献4には、同じ体格のロータコア(回転子鉄芯)の内部に補永久磁石を配置することにより、高トルクを得るようにしたものが示されているが、これも同一構成のまま磁石の配設パターンを任意に変更して出力特性の異なる複数種類の電動モータを得ようとするものではない。従って、磁石の配設パターンを任意に変更することにより、回転子の軸方向寸法を変えてモータを薄型化し、簡易に電動モータを小型化できるというものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、出力特性の異なるモータを簡易に製造することができるとともに、その小型化にも容易に対応することができる電動モータおよびそれを用いた電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の電動モータおよびそれを用いた電動圧縮機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる電動モータは、回転子鉄芯に、その回転中心を囲むように周方向に所定の間隔を隔てて複数の磁石が配設されている回転子を備えた電動モータにおいて、前記磁石を埋め込むための磁石挿入用穴が、前記回転子鉄芯の各極に対応してそれぞれ複数列に複数個設けられ、前記各極の複数列の複数個の前記磁石挿入用穴に埋め込まれる一定の大きさ、形状を有する一種の前記磁石の数、配設パターンを、前記複数列のいずれかの列の前記磁石挿入用穴に前記磁石が埋め込まれない場合を含め前記磁石挿入用穴に埋め込まれる前記磁石の有無により変更することによって、出力特性の異なる複数の電動モータが構成可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、周方向に所定の間隔を隔てて複数の磁石が配設されている回転子を備えた電動モータにおいて、磁石を埋め込むための磁石挿入用穴が、回転子鉄芯の各極に対応してそれぞれ複数列に複数個設けられ、各極の複数列の複数個の磁石挿入用穴に埋め込まれる一定の大きさ、形状を有する一種の磁石の数、配設パターンを、複数列のいずれかの列の磁石挿入用穴に磁石が埋め込まれない場合を含め磁石挿入用穴に埋め込まれる磁石の有無により変更することによって、出力特性の異なる複数の電動モータが構成可能とされているため、各極の複数列の複数個の磁石挿入用穴に埋め込む一定の大きさ、形状を有する一種の磁石の数、配設パターンを、磁石挿入用穴に埋め込まれる磁石の有無によって変更することにより、それぞれの配設パターンに応じて磁束密度分布が異なる、ひいては出力トルクおよびモータ特性の異なる複数の電動モータを構成することができる。従って、共通の回転子鉄芯を用い、磁石の数、埋め込みパターンを変更するだけで、出力特性が異なる複数の電動モータを簡易に製造することができる。また、同一径の回転子鉄芯を用いたモータの場合、磁石の数、配設パターンを変えることによって軸方向寸法を変え、出力特性を変更できることから、モータを薄型化してその小型化を実現することができる。
さらに、本発明の電動モータは、上記の電動モータにおいて、前記磁石挿入用穴は、複数列の列毎に複数個ずつ設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、磁石挿入用穴が、複数列の列毎に複数個ずつ設けられているため、磁石の配設パターンのパターン数を、列数と列毎の穴数とに応じて適宜増加させることができる。従って、同一の構成でありながら、磁石の数を変えるだけで、特性の異なるより多種の電動モータを低コストで製造することが可能となる。
さらに、本発明の電動モータは、上述のいずれかの電動モータにおいて、前記磁石挿入用穴は、前記回転子鉄芯の中心に配置されている回転軸の周りに接線方向に前後複数列に配置された接線方向磁石挿入用穴と、該接線方向磁石挿入用穴の両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、磁石挿入用穴が、回転子鉄芯の中心に配置されている回転軸の周りに接線方向に前後複数列に配置された接線方向磁石挿入用穴と、該接線方向磁石挿入用穴の両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴とを備えているため、例えば4極モータで、穴の列数が前後2列の場合、磁石挿入用穴の数は合計で24(=4×2×3)となり、磁石の配設パターン数を一層増加することができる。従って、磁石の配設パターンの変更範囲を拡大し、より多種の同一構成の電動モータが製造可能となり、その選択肢を拡げることができる。
さらに、本発明の電動モータは、上述のいずれかの電動モータにおいて、前記磁石挿入用穴は、スリット状の穴とされていることを特徴とする。
本発明によれば、磁石挿入用穴が、スリット状の穴とされているため、各極の狭い領域内に複数列に複数個の磁石挿入用穴を設けるに当たり、磁石挿入用穴をスリット状とすることによって効率的に磁石挿入用穴を配設することができる。従って、それぞれの極に対して、所要数の磁石の配設パターンが得られるようにするための必要な数の磁石挿入用穴を設けることが可能となる。
さらに、本発明の電動モータは、上述のいずれかの電動モータにおいて、前記各極の隣接する極間には、それぞれ磁気遮蔽空間が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、各極の隣接する極の間に、それぞれ磁気遮蔽空間が設けられているため、各磁石からの磁束の流れを隣接する極間に設けられている磁気遮蔽空間によってブロックし、鉄芯のインダクタンス量を制御することができる。従って、回転子からの磁束密度増加による効率の向上、回転子の鉄損減少による効率の向上を図り、電動モータを高性能化することができる。
さらに、本発明の電動モータは、上記の電動モータにおいて、前記磁気遮蔽空間は、前記各極の前記磁石挿入用穴に沿って延在しているスリット状の穴とされていることを特徴とする。
本発明によれば、磁気遮蔽空間が、各極の磁石挿入用穴に沿って延在しているスリット状の穴とされているため、この磁石挿入用穴に沿って延在するスリット状穴により、各磁石からの磁束の流れを効果的にブロックし、磁束密度の増加や回転子の鉄損減少を図ることができる。従って、電動モータを一層高効率化することができる。
さらに、本発明にかかる電動圧縮機は、圧縮機構と、該圧縮機構と連結された電動モータとを備え、前記圧縮機構が前記電動モータを介して駆動可能とされている電動圧縮機において、前記電動モータが上述のいずれかの電動モータとされていることを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機構が電動モータを介して駆動可能とされている電動圧縮機において、電動モータが上述のいずれかの電動モータとされているため、様々なタイプの圧縮機構に対して、それに見合った特性、大きさ、コスト等を持つ電動モータを選定し、それを結合して電動圧縮機を製造することができる。従って、電動モータの磁石の配設パターンを変更するだけで簡単に多様な電動圧縮機を製造することができる。
本発明の電動モータによると、各極の複数列の複数個の磁石挿入用穴に埋め込む一定の大きさ、形状を有する一種の磁石の数、配設パターンを、磁石挿入用穴に埋め込まれる磁石の有無によって変更することにより、それぞれの配設パターンに応じて磁束密度分布が異なる、ひいては出力トルクおよびモータ特性の異なる複数の電動モータを構成することができるため、共通の回転子鉄芯を用い、磁石の数、埋め込みパターンを変更するだけで、出力特性が異なる複数の電動モータを簡易に製造することができる。また、同一径の回転子鉄芯を用いたモータの場合、磁石の数、配設パターンを変えることによって軸方向寸法を変え、出力特性を変更できることから、モータを薄型化してその小型化を実現することができる。
本発明の電動圧縮機によると、様々なタイプの圧縮機構に対して、それに見合ったモータ特性、大きさ、コスト等を持つ電動モータを選定し、それを結合して電動圧縮機を製造することができるため、電動モータの磁石の数、配設パターンを変更するだけで簡単に多様な電動圧縮機を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る電動圧縮機の縦断面図である。 図1に示す電動圧縮機に用いる電動モータの回転子の磁石の配設パターンの一例を示す横断面図である。 図2に示す磁石の配設パターンと異なるパターンの横断面図である。 図2および図3に示す磁石の配設パターンと異なるパターンの横断面図である。 図2ないし図4に示す磁石の配設パターンと異なるパターンの横断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電動モータの回転子における磁石の配設パターン例1ないし例4の横断面図である。 図6に示す磁石の配設パターン例1ないし例4の回転子を用いたモータの電気角degと磁束密度Tとの関係線図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る電動圧縮機の縦断面図が示されている。
本実施形態においては、スクロール型の電動圧縮機1が例示されているが、圧縮機自体は、スクロール型に限定されるものではなく、種々の型式の圧縮機に適用できることはもちろんである。電動圧縮機1は、外殻を構成する筒状のハウジング2を備えている。ハウジング2は、有底の筒状をなすアルミダイカスト製の圧縮機ハウジング3と、モータハウジング4とから構成され、各々に一体成形されているフランジ部3A,4A同士を、Oリング6を介してボルト5で締結することにより、一体化された構成とされている。
モータハウジング4の外周には、インバータ収容部7が一体に設けられている。このインバータ収容部7には、図示省略の電源ユニットから供給される直流電力を三相交流電力に変換し、モータハウジング4内に設置されている電動モータ(以下、単にモータと称する場合もある。)10に対して、ハーメチック端子8を介して印加するインバータ(図示省略)が組み込まれるようになっている。なお、インバータは、公知のものでよく、ここでの詳細説明は省略する。
モータハウジング4内に内蔵されている電動モータ10は、固定子11と回転子12とを備えており、固定子11は、モータハウジング4の内周面に圧入される等により固定されている。固定子11とモータハウジング4との間には、円周方向の複数箇所に軸方向に貫通する図示省略のガス通路が設けられている。このガス通路を介して、モータハウジング4の後端側に設けられている吸入口(図示省略)から、モータハウジング4の底面と電動モータ10の端面との間の空間13に吸入された低圧の冷媒ガスを、前方側に流通させることができるようになっている。
回転子12には、回転軸(クランク軸)14が一体に結合されている。この回転軸14の後端部は、モータハウジング4の底面部に設けられている軸受15により回転自在に支持され、その前端部は、軸受部材16に設けられている主軸受17によって回転自在に支持されている。回転軸14の前端部には、回転軸中心から所定寸法だけ偏心されたクランクピン14Aが設けられている。なお、軸受部材16は、モータハウジング4の開口端側にボルト18を介して固定支持されている。
一方、圧縮機ハウジング3内には、スクロール圧縮機構(圧縮機構)20が設けられている。このスクロール圧縮機構20は、一対の固定スクロール21と旋回スクロール22とを噛み合わせて構成される公知の圧縮機構であり、両スクロール21,22間に形成される一対の圧縮室23が、旋回スクロール22の公転旋回運動により外周位置から中心側へと容積を減少しながら移動されることにより低圧の冷媒ガスを圧縮するものである。
固定スクロール21は、圧縮機ハウジング3の底面側にボルト24により固定設置されており、その端板背面と圧縮機ハウジング3の底面との間に吐出チャンバ25が形成されている。この吐出チャンバ25には、一対の圧縮室23が中央部で合流されて形成される中央圧縮室から吐出ポート26および吐出弁27を介して高圧ガスが吐出され、該高圧ガスは、吐出チャンバ25から吐出口28に接続されている吐出配管を経て外部へと吐出されるように構成されている。
旋回スクロール22は、その端板背面が上記軸受部材16のスラスト面により支持されている。また、旋回スクロール22は、端板背面に設けられているボス部29にニードルベアリング30、ドライブブッシュ31を介して回転軸14のクランクピン14Aが連結され、回転軸14の回転により固定スクロール21に対して公転旋回駆動されるように構成されている。この旋回スクロール22は、端板背面と軸受部材16との間に介装されているオルダムリング32を介して自転が阻止されるようになっている。なお、ドライブブッシュ31には、旋回スクロール22の公転旋回駆動に伴うアンバランス荷重を調整するためのバランスウェイト33が一体に設けられている。
上記電動圧縮機1において、電動モータ10の回転子12は、図2ないし図5に示されるように、薄板状の磁性鋼板を多数積層して構成された筒状をなす回転子鉄芯40を有しており、その中心部に軸方向に貫通固定された回転軸14が設けられている。回転子鉄芯40には、その回転中心を囲むように、モータ極数(本実施形態の場合、4極)に対応して周方向に所定の間隔を隔てて複数の永久磁石(磁石)41が配設されている。この永久磁石41は、回転子鉄芯40に設けられた磁石挿入用穴42に埋設されている。
永久磁石41を埋設するための磁石挿入用穴42は、スリット状の穴とされ、各磁極に対応してそれぞれ複数列に複数個設けられた構成とされている。つまり、本実施形態においては、隣接する磁極相互の間のq軸間において、磁極中心位置に当たるd軸に対して左右対称に、回転軸14の周りに接線方向に前後複数列(本実施形態の場合、2列)に配置された接線方向磁石挿入用穴42a,42bと、この接線方向磁石挿入用穴42a,42bの両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴42c,42dおよび42e,42fと、を備え、各々の極に対応して6個、合計24個の磁石挿入用穴42が設けられた構成とされている。
磁石挿入用穴42a,42b,42c,42d,42e,42fには、モータ側に要求される出力特性、大きさ、コスト等に応じて、平板状とされた永久磁石41が、例えば図2ないし図5に示されるように、様々なパターンで配設されるようになっている。図2には、各極の磁石挿入用穴42a,42d,42fのみに永久磁石41a,41d,41fが配設されたパターン例、図3には、各極の磁石挿入用穴42b,42c,42eのみに永久磁石41b,41c,41eが配設されたパターン例、図4には、各極の磁石挿入用穴42c,42eのみに永久磁石41c,41eが配設されたパターン例、図5には、各極の磁石挿入用穴42bのみに永久磁石41bが配設されたパターン例が示されている。
なお、上記した永久磁石(磁石)41の配設パターン例は、一部の例であり、これ以外にも様々な配設パターンが考えられる。また、磁石挿入用穴42a,42b,42c,42d,42e,42fに埋め込まれた永久磁石41は、カシメ等の適宜手段により、磁石挿入用穴42内に固定されるようになっている。
さらに、隣接する磁極相互の間の磁石挿入用穴42間には、q軸に沿うように、各磁極の磁石挿入用穴42に沿って半径方向に延在するスリット状穴により構成されている磁気遮蔽空間43が設けられている。この磁気遮蔽空間43は、隣接する磁極間において各永久磁石41からの磁束の流れをブロックし、回転子鉄芯40のインダクタンス量を制御するためのものである。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
インバータ収容部7に設置されているインバータを介して電動モータ10に電力が印加され、該電動モータ10が回転駆動されると、モータハウジング4に設けられている吸入口を介して空間13内に低圧の冷媒ガスが吸入される。この低圧ガスは、固定子11とモータハウジング4間のガス通路を通り、モータハウジング4の壁面を介してインバータ収容部7内のインバータを冷却した後、軸受部材16側の空間に流通され、そこから圧縮機ハウジング3側に設けられているスクロール圧縮機構20の一対の圧縮室23内に吸入される。
一対の圧縮室23に吸入された低圧ガスは、旋回スクロール22の公転旋回運動に伴って両圧縮室23が容積を減少しながら中心側へと移動されることにより圧縮される。そして、両圧縮室23が中心部において合流され、該中央圧縮室が固定スクロール21の中心部に設けられている吐出ポート26と連通されることにより、圧縮された高圧のガスが吐出弁27を押し開いて吐出チャンバ25内に吐き出される。この高圧ガスは、吐出口28を経て冷凍サイクル側へと送出され、冷凍サイクル内を循環した後、再び吸入口から電動圧縮機1内に吸い込まれることになる。
この間、外部電源からインバータ収容部7内に組み込まれているインバータに供給された直流電力は、インバータで上位の制御装置からインバータに指令された周波数の三相交流電力に変換され、インバータ側のUVW端子からハーメチック端子8、ハーメチック端子8が接続されているクラスタブロック39およびモータリード線40を介して電動モータ10の固定子11に印加される。これによって、回転子12が所要の回転数で回転駆動され、回転軸14を介してスクロール圧縮機構20が駆動される。
上記電動モータ10の回転子12は、永久磁石41を埋め込む磁石挿入用穴42(42a,42b,42c,42d,42e,42f)が、回転子鉄芯40の各極に対応してそれぞれ複数列に複数個設けられ、この複数列の複数個の磁石挿入用穴42(42a,42b,42c,42d,42e,42f)に埋め込まれる永久磁石41の配設パターンに応じて、出力特性の異なる複数の電動モータ10が構成可能とされている。このため、各極の磁石挿入用穴42(42a,42b,42c,42d,42e,42f)に埋め込む永久磁石41の配設パターンを変更することにより、それぞれの配設パターンに応じて磁束密度分布が異なる、ひいては出力トルクおよびモータ特性の異なる複数の電動モータ10を構成することが可能となる。
従って、本実施形態によると、永久磁石41の配設パターンのみを変えた同一構成の回転子鉄芯40を用いて、出力特性が異なる複数種類の電動モータ10を簡易に製造することができる。また、同一径の回転子鉄芯40を用いたモータ10の場合、永久磁石41の配設パターンを変えることによって軸方向寸法を変え、出力特性を変更できるため、モータ自体を薄型化してその小型化を実現することができる。つまり、永久磁石41の配設枚数を増やすことで磁力等を高めることができるため、その分軸方向寸法を短縮し、モータを薄型化して電動圧縮機の小型化を図り、車両等に対する搭載性を高めることができる。
また、磁石挿入用穴42a,42b,42c,42d,42e,42fは、複数列の列毎に複数個ずつ設けられているため、永久磁石41の配設パターンのパターン数を、列数と列毎の穴数とに応じて適宜増加させることが可能となる。従って、同一の構成でありながら、永久磁石41の数を変えるだけで、出力特性等の異なるより多種の電動モータ10を低コストで製造することが可能となる。また、これらの電動モータ10の中から、圧縮機構20のタイプに見合った特性、大きさ、コスト等を持つモータ10を選定し、それを結合して電動圧縮機を製造することができるため、多様な電動圧縮機1を製造することが可能となる。
さらに、磁石挿入用穴42は、回転子鉄芯40の中心に配置されている回転軸14の周りに接線方向に前後複数列に配置された接線方向磁石挿入用穴42a,42bと、該接線方向磁石挿入用穴42a,42bの両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴42c,42d,42e,42fと、を備えている。これによって、例えば4極モータで、穴の列数が前後2列の場合には、磁石挿入用穴42の数は合計で24(=4×2×3)となり、永久磁石41の配設パターン数を相当数まで増加することができ、その結果、磁石41の配設パターンの変更範囲を拡げ、より多種の同一構成の電動モータ10が製造可能となり、その選択肢を拡げることができる。
また、磁石挿入用穴42a,42b,42c,42d,42e,42fが、スリット状の穴とされているため、各極の狭い領域内に複数列に複数個の磁石挿入用穴42を設けるに当たり、効率的に磁石挿入用穴42a,42b,42c,42d,42e,42fを配設することができる。従って、それぞれの極に対して、所要数の磁石41の配設パターンが得られるようにするための必要な数の磁石挿入用穴42を設けることが可能となる。
さらに、本実施形態では、各磁極の隣接する極の間に、それぞれ各極の磁石挿入用穴42に沿って延在するスリット状穴からなる磁気遮蔽空間43が設けられているため、各永久磁石41からの磁束の流れを隣接する極間に設けられている磁気遮蔽空間43によって効果的にブロックし、回転子鉄芯40のインダクタンス量を制御することができる。従って、回転子12からの磁束密度増加による効率の向上、回転子12の鉄損減少による効率の向上を図り、電動モータ10を高性能化することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6および図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、6極モータに適用した場合の例である点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、回転子12の回転子鉄芯50も、モータ極数に対応して周方向に所定の間隔を隔てて複数の永久磁石51が配設されている。この永久磁石51は、回転子鉄芯50に設けられた磁石挿入用穴52に埋め込み設置されている。
磁石挿入用穴42は、スリット状の穴とされ、第1実施形態と同様、回転軸14の周りに接線方向に前後複数列(本実施形態の場合、2列)に配置された接線方向磁石挿入用穴52a,52bと、接線方向磁石挿入用穴52a,52bの両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴52c,52dおよび52e,52fと、を備え、それぞれの極に対応して6個、合計36個設けられた構成とされている。また、隣接する磁極相互の間の磁石挿入用穴52間には、各極の磁石挿入用穴52に沿って半径方向に延在するスリット状の穴により構成されている磁気遮蔽空間53が設けられている。
さらに、磁石挿入用穴52a,52b,52c,52d,52e,52fには、モータ側に要求される出力特性、大きさ、コスト等に応じて、永久磁石51が、例1ないし例4に示されるように、様々なパターンで配設されるようになっている。例1には、各極の磁石挿入用穴52a,52d,52fのみに永久磁石51a,51d,51fが配設されたパターン例、例2には、各極の磁石挿入用穴52b,52c,52eのみに永久磁石51b,51c,51eが配設されたパターン例、例3には、各極の磁石挿入用穴52c,52eのみに永久磁石51c,51eが配設されたパターン例、例4には、各極の磁石挿入用穴52bのみに永久磁石51bが配設されたパターン例が示されている。
本実施形態のように、本発明は、極数の異なる電動モータ10に対しても同様に適用することが可能であり、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
因みに、図7には、本実施形態に係る6極モータにおける電気角[deg]とギャップ磁束密度[T]との関係を解析した線図が示されている。図6に示された永久磁石51の配設パターン例1ないし例4に対応して、磁束密度の大きさが、例1>例2>例3>例4の順になっており、これによって、磁力が異なる、ひいては出力特性の異なる複数のモータが得られることが理解できると考える。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、磁石挿入用穴42,52が、回転子鉄芯40,50の各極に対応して前後に2列に設けられている例が示されているが、3列以上に設けてもよい。また、磁石挿入用穴42,52を、接線方向磁石挿入用穴42a,42b,52a,52bと、この接線方向磁石挿入用穴の両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴42c,42d,42e,42fおよび52c,52d,52e,52fとから構成した例について説明したが、これに限らず、湾曲状の穴を中心側に凸状に前後複数列に配列した構成、外周側に凸状に前後複数列に配列した構成、複数個の穴をV字状に前後複数列に配列した構成等、様々な配列パターンを採用することができる。
さらに、永久磁石41,51の形状も、平板状に制限されず、磁石挿入用穴42,52の形状に合わせて様々な形状に変形することができる。また、永久磁石41,51の材料として、ネオジウム鉄ボロン、サマリウムコバルト等を用いることができるが、これに制限されるものでないことはもちろんである。
1 電動圧縮機
10 電動モータ
12 回転子
14 回転軸
20 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
40,50 回転子鉄芯
41,51 永久磁石(磁石)
42,52 磁石挿入用穴
42a,42b,52a,52b 接線方向磁石挿入用穴
42c,42d,42e,42f 半径方向磁石挿入用穴
52c,52d,52e,52f 半径方向磁石挿入用穴
43,53 磁気遮蔽空間

Claims (7)

  1. 回転子鉄芯に、その回転中心を囲むように周方向に所定の間隔を隔てて複数の磁石が配設されている回転子を備えた電動モータにおいて、
    前記磁石を埋め込むための磁石挿入用穴が、前記回転子鉄芯の各極に対応してそれぞれ複数列に複数個設けられ、
    前記各極の複数列の複数個の前記磁石挿入用穴に埋め込まれる一定の大きさ、形状を有する一種の前記磁石の数、配設パターンを、前記複数列のいずれかの列の前記磁石挿入用穴に前記磁石が埋め込まれない場合を含め前記磁石挿入用穴に埋め込まれる前記磁石の有無により変更することによって、出力特性の異なる複数の電動モータが構成可能とされていることを特徴とする電動モータ。
  2. 前記磁石挿入用穴は、複数列の列毎に複数個ずつ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  3. 前記磁石挿入用穴は、前記回転子鉄芯の中心に配置されている回転軸の周りに接線方向に前後複数列に配置された接線方向磁石挿入用穴と、該接線方向磁石挿入用穴の両端部位から各々半径方向に延在された半径方向磁石挿入用穴とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動モータ。
  4. 前記磁石挿入用穴は、スリット状の穴とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電動モータ。
  5. 前記各極の隣接する極間には、それぞれ磁気遮蔽空間が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電動モータ。
  6. 前記磁気遮蔽空間は、前記各極の前記磁石挿入用穴に沿って延在しているスリット状の穴とされていることを特徴とする請求項5に記載の電動モータ。
  7. 圧縮機構と、該圧縮機構と連結された電動モータとを備え、前記圧縮機構が前記電動モータを介して駆動可能とされている電動圧縮機において、
    前記電動モータが請求項1ないし6のいずれかの電動モータとされていることを特徴とする電動圧縮機。
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