JPH08172742A - 永久磁石界磁方式回転電機 - Google Patents

永久磁石界磁方式回転電機

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JPH08172742A
JPH08172742A JP6314602A JP31460294A JPH08172742A JP H08172742 A JPH08172742 A JP H08172742A JP 6314602 A JP6314602 A JP 6314602A JP 31460294 A JP31460294 A JP 31460294A JP H08172742 A JPH08172742 A JP H08172742A
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JP
Japan
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permanent magnet
magnetic
magnetic flux
electric machine
rotor
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JP6314602A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yagisawa
猛 八木澤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 永久磁石界磁方式の回転電機で、低速から高
速回転まで広範囲に、高効率の運転ができるようにす
る。 【構成】 永久磁石界磁方式回転電機において、ステー
タ1のスロット3に取り付ける磁性楔11を金属磁性粉
を樹脂で接着固化した圧粉磁心によって形成して高抵
抗、高透磁率とし、また高飽和磁束密度特性を持たせる
ために、その飽和磁束密度と断面積との積がステータ鉄
心歯部10の飽和磁束密度と断面積との積に比較して1
/3以上となるような形状にする。これによって、磁性
楔の部分で低速回転においては漏れ磁束が少なく、高速
回転においては漏れ磁束が多くなるようにして、高速回
転時のステータコイルの電圧上昇を抑制し、低速から高
速回転まで広範囲に、高効率の運転ができるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石界磁方式回転
電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来広く知られている永久磁石界磁方式
回転電機は、図13に示すような構成である。すなわ
ち、ステータ1がステータ鉄心2の内周部に形成された
多数のスロット3にコイル4を配置した構成であり、ロ
ータ5が界磁となる永久磁石6をロータ鉄心7の外周表
面に配置、固定した構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の永久磁石界磁方式回転電機では、次のような問題
点があった。永久磁石界磁方式回転電機では、界磁に永
久磁石を用いているために界磁磁束が一定である。した
がって電機子コイルと鎖交する磁束量は一定であり、ロ
ータの回転数に比例して誘起電圧は大きくなり、回転電
機の端子電圧も大となる。
【0004】一方、電気自動車などの電気推進システム
やコンプレッサなどに使用される電動機は低速領域は定
トルク運転であるが、高速領域は定出力運転を行なう。
したがって、定トルク領域では端子電圧は回転数にほぼ
比例して大きくなるが、定出力領域ではトルクが小とな
るために、電流も少なくてよいことから端子電圧は一定
値になることが望ましい。
【0005】しかしながら、このようなシステムに永久
磁石界磁方式回転電機を適用するならば、高速回転領域
では誘起電圧は回転数に比例して高くなり、ついには誘
起電圧がインバータの電圧に一致して回転が不可能にな
ってしまう。
【0006】そこで高速回転を可能とするためには単純
にインバータの電圧を大きくすればよいが、それによっ
てインバータの皮相電力が大きくなり、インバータが大
型化し、効率も悪くなる問題点が生じる。
【0007】このような問題点を回避するために、従来
から、界磁磁束と逆方向に作用する電機子反作用のd軸
成分の電機子電流を流すことによって電機子コイルと鎖
交する界磁磁束を低下させる技術、つまり弱め界磁が適
用されている。
【0008】しかしながら、この弱め界磁の技術でも、
永久磁石の比透磁率が真空の比透磁率(1.0)と近い
値(約1.1)であり、ステータ側からロータの界磁を
見ると磁気的空隙長は永久磁石厚みと機械的空隙長との
和となり、非常に大きな値となってしまう。したがっ
て、弱め界磁の効果を得るためにはd軸の電機子電流を
かなり大きくしなければならず、効率的、温度的に問題
となり、実用上問題があった。
【0009】これに加えて、弱め界磁を適用すると、永
久磁石自身にも電機子反作用によって反磁界が直接加わ
り、減磁するという特性劣化の問題点もあった。
【0010】また高速回転に対する耐性を向上させるた
め、ロータの表面に固定された永久磁石が高速回転で離
散するのを防止するために非磁性材のリングで永久磁石
を覆う技術もあるが、この非磁性材のリングを永久磁石
側から見ると、その厚みと機械的空隙長との和が磁気的
空隙長となるために一般の回転電機よりも磁気的空隙長
が大となり、空隙磁束密度が低下して回転電機が大型化
し、効率が悪化する問題点があった。
【0011】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、永久磁石による電機子コイルの鎖交磁
束量を効果的に調整し、低速回転から高速回転までの広
範囲の運転を可能とし、かつ高効率の永久磁石界磁方式
回転電機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の永久磁
石界磁方式回転電機は、界磁を形成するための永久磁石
を備えたロータと、ロータの永久磁石に磁気空隙を介し
て対向するように配置されたステータ鉄心と、ステータ
鉄心の空隙対向部に形成されたスロットに巻込まれたコ
イルと、空隙に開口するスロットの開口部にコイルを閉
塞するように取り付けられた高抵抗、高透磁率、高飽和
磁束密度の磁性楔とを備えたものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の永久磁石界
磁方式回転電機において、磁性楔が、その飽和磁束密度
と断面積の積がステータ鉄心の歯部における飽和磁束密
度と断面積の積の1/3以上である特性を有するもので
ある。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は2の永久
磁石界磁方式回転電機において、磁性楔が、金属磁性粉
を樹脂で接着固化した圧粉磁心を素材とするものであ
る。
【0015】請求項4の発明は、請求項1又は2の永久
磁石界磁方式回転電機において、磁性楔が、アモルファ
ス磁性薄帯、磁性ステンレス鋼帯もしくは極薄ケイ素鋼
帯を積層接着して形成されたものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項3又は4の永久
磁石界磁方式回転電機において、磁性楔の一部又は全体
を薄い絶縁材料で被覆したものである。
【0017】請求項6の発明の永久磁石界磁方式回転電
機は、界磁を形成するための永久磁石を備えたロータ
と、ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
に配置され、少なくともその歯部に低電気抵抗の電磁鋼
板が用いられたステータ鉄心と、ステータ鉄心のスロッ
トに巻込まれたコイルとで備えたものである。
【0018】請求項7の発明は、請求項6の永久磁石界
磁方式の回転電機において、電磁鋼板としてその板厚が
0.8〜1.0mmのものを用いたものである。
【0019】請求項8の永久磁石界磁方式回転電機は、
界磁を形成するための永久磁石を備えたロータと、ロー
タの永久磁石に磁気空隙を介して対向するように配置さ
れたステータ鉄心と、ステータ鉄心のスロットに巻込ま
れたコイルと、ステータ鉄心における、ロータの回転速
度上昇時に短絡電流を増加させることによってコイルと
鎖交する磁束量を低減させることができる位置に巻かれ
た短絡コイルとを備えたものである。
【0020】請求項9の発明は、請求項8の永久磁石界
磁方式回転電機において、短絡コイルをステータ鉄心の
コアバック部に巻いたものである。
【0021】請求項10の発明は、請求項8の永久磁石
界磁方式回転電機において、短絡コイルをステータ鉄心
のスロット間に存在する歯部の周囲に巻いたものであ
る。
【0022】請求項11の発明は、請求項8〜10いず
れかの永久磁石界磁方式回転電機において、さらに、短
絡コイルそれぞれの所定の箇所に短絡電流の導通、遮断
を制御するために挿入されたスイッチと、ロータの回転
速度を検出する速度検出器と、速度検出器の検出する速
度に応じてスイッチのうち投入するスイッチの数を増減
する制御回路とを備えたものである。
【0023】請求項12の発明は、請求項8〜10いず
れかの永久磁石界磁方式回転電機において、さらに、ロ
ータの回転速度を検出する速度検出器と、短絡コイルそ
れぞれの所定の箇所に挿入され、速度検出器が検出する
速度に応じて当該短絡コイルの流れる短絡電流の増減制
御を行なう短絡電流制御回路とを備えたものである。
【0024】請求項13の発明の永久磁石界磁方式回転
電機は、界磁を形成するための永久磁石を備えたロータ
と、ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
に配置されたステータ鉄心と、ステータ鉄心の空隙対向
部に形成され、開口部側の幅が底部側の幅よりも狭くな
る形状を有するスロットと、スロットに巻込まれたコイ
ルとを備えたものである。
【0025】請求項14の発明の永久磁石界磁方式回転
電機は、界磁を形成するための永久磁石を備えたロータ
と、ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
に配置されたステータ鉄心と、ステータ鉄心のスロット
に巻込まれ、当該スロットの底部側の巻数が開口部側の
巻数よりも多くなるように巻かれたコイルとを備えたも
のである。
【0026】請求項15の発明の永久磁石界磁方式回転
電機は、界磁を形成するための永久磁石を備えたロータ
と、ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
に配置され、少なくとも歯部が常温付近のキュリー点を
有する整磁鋼で形成されたステータ鉄心と、ステータ鉄
心のスロットに巻込まれたコイルとを備えたものであ
る。
【0027】請求項16の発明の永久磁石界磁方式回転
電機は、界磁を形成するための永久磁石を備えたロータ
と、永久磁石を覆うように取り付けられ、常温付近のキ
ュリー点を有する整磁鋼で形成された保持リングと、ロ
ータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するように配置
されたステータ鉄心と、ステータ鉄心のスロットに巻込
まれたコイルとを備えたものである。
【0028】請求項17の発明の永久磁石界磁方式回転
電機は、周方向に磁化した永久磁石の間に常温付近のキ
ュリー点を有する整磁鋼で形成された磁極部が配置され
たロータと、ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向
するように配置されたステータ鉄心と、ステータ鉄心の
スロットに巻込まれたコイルとを備えたものである。
【0029】
【作用】ステータ鉄心のスロットの開口部に取り付けら
れた高抵抗、高透磁率、高飽和磁束密度の磁性楔によっ
てロータからステータ鉄心に入った主磁束の一部が磁性
楔を通る漏れ磁束となる。この漏れ磁束が大きいときに
は、ステータコイルと鎖交する主磁束がそれだけ減少す
ることになる。
【0030】通常の定速度回転の回転電機の場合には、
このような漏れ磁束は極力小さくすることが望まれる。
なぜならば漏れ磁束による主磁束の減少はトルク特性な
どの低下をもたらすことになるからである。そのため、
磁性楔に流れる漏れ磁束量を低くするために磁性楔の厚
さは小さくし、あるいは飽和磁束密度の低い材料が使用
される。一般的に、磁性楔の飽和磁束密度と断面積との
積は、ステータ鉄心の歯部の飽和磁束密度と断面積との
積に比較して1/10程度に過ぎない。
【0031】しかしながら、低速回転から高速回転まで
広い速度範囲で使用される回転電機の場合、低速回転に
おいては漏れ磁束は少なくなければならないが、高速回
転においては漏れ磁束は多くなければならない。
【0032】そのため、請求項1の発明の永久磁石界磁
方式回転電機では、磁性楔の素材として高抵抗、高透磁
率、高飽和磁束密度のものを選択することによって、磁
性楔の部分で低速回転においては漏れ磁束が少なく、高
速回転においては漏れ磁束が多くなるようにして低速回
転から高速回転まで広い速度範囲で、高効率で運転でき
るようにする。
【0033】また請求項2の発明の永久磁石界磁方式回
転電機では、磁性楔に高抵抗、高透磁率の素材で、かつ
高飽和磁束密度特性を持たせるために、その飽和磁束密
度と断面積との積がステータ鉄心歯部の飽和磁束密度と
断面積との積に比較して1/3以上となるような形状に
して、磁性楔の部分で低速回転においては漏れ磁束が少
なく、高速回転においては漏れ磁束が多くなるようにし
て低速回転から高速回転まで広い速度範囲で、高効率で
運転できるようにする。
【0034】請求項3の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、磁性楔を金属磁性粉を樹脂で接着固化した圧粉
磁心によって形成することによって磁性楔に高抵抗、高
透磁率特性を持たせ、磁性楔の部分で低速回転において
は漏れ磁束が少なく、高速回転においては漏れ磁束が多
くなるようにして低速回転から高速回転まで広い速度範
囲で、高効率で運転できるようにする。
【0035】請求項4の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、磁性楔としてアモルファス磁性薄帯、磁性ステ
ンレス鋼帯もしくは極薄ケイ素鋼帯を積層接着して形成
したものを使用することにより、磁性楔に高抵抗、高透
磁率特性を持たせ、磁性楔の部分で低速回転においては
漏れ磁束が少なく、高速回転においては漏れ磁束が多く
なるようにして低速回転から高速回転まで広い速度範囲
で、高効率で運転できるようにする。
【0036】請求項5の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、磁性楔の一部又は全体を薄い絶縁材料で被覆す
ることによってさらに高抵抗特性とし、磁性楔の部分で
低速回転においては漏れ磁束が少なく、高速回転におい
ては漏れ磁束が多くなるようにして低速回転から高速回
転まで広い速度範囲で、高効率で運転できるようにす
る。
【0037】請求項6の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向する
ように配置されたステータ鉄心として、少なくともその
歯部が低電気抵抗の電磁鋼板で形成されたものを用いる
ことにより、周波数上昇時の透磁率を渦電流効果で減少
させ、ステータコイルと鎖交する磁束量を低減させて高
速回転時のコイル電圧の上昇が少なくなるようにし、低
速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転で
きるようにする。
【0038】請求項7の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、ステータ鉄心の電磁鋼板としてその板厚が従来
よりも厚い0.8〜1.0mmのものを用いることによ
り、周波数上昇時に磁気抵抗が増大するようにしてステ
ータコイルと鎖交する磁束量を低減させ、高速回転時の
コイル電圧の上昇を抑制して、低速回転から高速回転ま
で広い速度範囲で高効率で運転できるようにする。
【0039】請求項8の永久磁石界磁方式回転電機で
は、ステータ鉄心における、ロータの回転速度上昇時に
短絡電流を増加させることによってコイルと鎖交する磁
束量を低減させることができる位置に短絡コイルを巻く
ことによって、ステータ鉄心が短絡されているときに短
絡コイルに電流が流れ、このためステータ鉄心の磁気抵
抗が高くなって漏れ磁束が増加し、相対的に主磁束量が
減少する。しかも、短絡コイルに流れる短絡電流は周波
数が高いほど大きくなるため、周波数上昇時には短絡電
流が増加し、ステータ鉄心の磁気抵抗が高くなって漏れ
磁束が増加し、相対的に主磁束量が低減する。したがっ
て、高速回転時のステータコイル電圧の上昇が抑制さ
れ、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で
運転できるようになる。
【0040】請求項9の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、短絡コイルをステータ鉄心のコアバック部に巻
くことにより、周波数上昇時には短絡電流が増加し、こ
のためにステータ鉄心の磁気抵抗が高くなって漏れ磁束
が増加し、相対的に主磁束量が低減して高速回転時のス
テータコイル電圧の上昇が抑制され、低速回転から高速
回転まで広い速度範囲で高効率で運転できるようにな
る。
【0041】請求項10の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、短絡コイルをステータ鉄心のスロット間に存
在する歯部の周囲に巻くことにより、周波数上昇時には
短絡電流が増加し、このためにステータ鉄心の磁気抵抗
が高くなって漏れ磁束が増加し、相対的に主磁束量が低
減して高速回転時のステータコイル電圧の上昇が抑制さ
れ、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で
運転できるようになる。
【0042】請求項11の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、ロータの回転速度を速度検出器で検出し、そ
の検出速度に応じて複数の短絡回路それぞれを成立させ
るためのスイッチの投入数を増加することにより、周波
数上昇時の短絡電流を増加させ、高速回転時のステータ
鉄心の磁気抵抗を高くして漏れ磁束を増加させ、相対的
に主磁束量を低減させて高速回転時のステータコイル電
圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転まで広い速度
範囲で高効率で運転できるようにする。
【0043】請求項12の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、速度検出器が検出する速度に応じて短絡コイ
ルに流れる短絡電流の増減制御を行なうことにより、周
波数上昇時の短絡電流を増加させ、高速回転時のステー
タ鉄心の磁気抵抗を高くして漏れ磁束を増加させ、相対
的に主磁束量を低減させて高速回転時のステータコイル
電圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転まで広い速
度範囲で高効率で運転できるようにする。
【0044】請求項13の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、ステータ鉄心のスロットを開口部側の幅が底
部側の幅よりも狭くなる形状にすることにより、ステー
タ歯部の先端部分でスロットを横切って流れる漏れ磁束
を周波数上昇時に増加させることによって逆にステータ
コイルと鎖交する磁束量を低減させ、高速回転時のコイ
ル電圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転まで広い
速度範囲で高効率で運転できるようにする。
【0045】請求項14の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、ステータコイルをステータ鉄心のスロットの
底部側の巻数が開口部側の巻数よりも多くなるように設
定することにより、ステータ歯部の先端部分でスロット
を横切って流れる漏れ磁束を周波数上昇時に増加させる
ことによって逆にステータコイルと鎖交する磁束量を低
減させ、高速回転時のコイル電圧の上昇を抑制し、低速
回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転でき
るようにする。
【0046】請求項15の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、少なくとも歯部が常温付近のキュリー点を有
する整磁鋼で形成されたステータ鉄心を用いることによ
り、高速回転時の損失増加によって温度上昇を生じさ
せ、これによって飽和磁束密度を低下させ、ステータコ
イルと鎖交する磁束量を低減させて高速回転時のステー
タコイル電圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転ま
で広い速度範囲で高効率で運転できるようにする。
【0047】この理由は次による。すなわち、磁性体に
交流磁束が流れれば損失が発生する。この損失は周波数
が高いほど大きい。永久磁石界磁方式回転電機のステー
タ鉄心にはロータの永久磁石で発生した磁束が流れ、ま
たロータ表面には高調波磁束が流れる。発生する損失は
いずれの位置においても高速回転ほど大きく、損失に基
づく温度上昇も大きい。
【0048】整磁鋼の場合、キュリー点が常温付近にあ
って、温度上昇と共に飽和磁束密度が低下する。そこ
で、このような整磁鋼でステータ鉄心を形成すると、高
速回転になれば損失による温度上昇によって整磁鋼のス
テータ鉄心に磁束が流れにくくなり、したがってステー
タコイルと鎖交する主磁束量が減少することになり、高
速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑制し、低速回
転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転できる
ようになるのである。
【0049】請求項16の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、ロータの周囲の永久磁石を覆うように、常温
付近のキュリー点を有する整磁鋼で形成された保持リン
グを取り付けることにより、高速回転時にリプル磁束に
よる損失増加によって温度上昇を生じさせ、これによっ
て飽和磁束密度を低下させて実効空隙長を増加させ、ス
テータ鉄心に入る磁束量を低減させて高速回転時のステ
ータコイル電圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転
まで広い速度範囲で高効率で運転できるようにする。
【0050】請求項17の発明の永久磁石界磁方式回転
電機では、ロータの周囲にその周方向に磁化した永久磁
石を配置し、各永久磁石間に常温付近のキュリー点を有
する整磁鋼で形成される磁極部を配置することにより、
高速回転時にリプル磁束による損失増加によって温度上
昇を生じさせ、これによって飽和磁束密度を低下させて
実効空隙長を増加させ、ステータ鉄心に入る磁束量を低
減させて高速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑制
し、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で
運転できるようにする。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説す
る。請求項1〜3及び請求項5の発明の共通する実施例
について、図1〜図4に基づいて説明する。図1は永久
磁石界磁方式回転電機の横断面を1極分について示し、
図2はII部分を拡大したものである。ステータ1は、
その周部に等角度間隔にスロット3を有するステータ鉄
心2と、スロット3に巻込まれたステータコイル4と、
この発明の特徴として各スロット3の開口部を閉塞する
ように取り付けられた磁性楔11から構成されている。
他方、ロータ5は、図13に示した従来例と同じく、界
磁を構成する永久磁石6をロータ鉄心7の周囲に取り付
けて構成されている。そしてステータ1とロータ5とは
空隙8を介して対向している。
【0052】上記のステータ1のスロット3の開口部に
取り付けられる磁性楔11は、純鉄粉を樹脂で固めたも
のであり、その密度は約7.4と高く、比透磁率は約1
00である。またその厚さはスロット3,3間の歯部1
0の幅の約1/2とし、従来の磁性楔9よりも厚く設定
されている。そしてこの磁性楔11の両側と底部には絶
縁紙12が接着されている。
【0053】次に、上記の構成の永久磁石界磁方式回転
電機の動作について説明する。界磁を構成するロータ5
の永久磁石6から出た磁束13は空隙8を通ってステー
タ鉄心2の歯部10に入る。そして歯部10を図におい
て上から下へと流れてステータコイル3と鎖交して主磁
束14となり、また磁束の一部は磁性楔11を横方向に
流れてコイル3と鎖交しない漏れ磁束15となる。
【0054】図3はステータ鉄心2と上記組成の磁性楔
11の磁化曲線A,Bを比較して示したものであるが、
回転電機の回転数が低いときには磁束の周波数は低く、
ステータ鉄心2は磁性楔11に比較してはるかに磁化し
やすい。したがって、漏れ磁束15は少なく、ステータ
コイル4と鎖交する主磁束14の磁束量が大きい。
【0055】しかしながら高速回転になり、磁束の周波
数が高くなれば、ステータ鉄心2の透磁率は低下し、そ
の一方で上記組成の磁性楔11は純鉄粉が周囲の樹脂で
絶縁されていて高抵抗磁性材料となっていることから、
その透磁率はほぼ一定であり、磁束が流れやすくなり、
漏れ磁束15の磁束量が増加することになる。この結
果、高速回転域では、永久磁石6から出る磁束の磁束量
は一定であるから、ステータコイル4と鎖交する主磁束
14の磁束量が減少してステータコイル4の電圧の上昇
が抑制されることになる。
【0056】従来の磁性楔では図13に示したように比
透磁率が約10であり、厚さも小さいものであったため
に、磁性楔を通過する漏れ磁束量が少なく、そのためス
テータコイルと鎖交する主磁束量は回転数が高くなって
もほとんど変化しなかった。
【0057】そこで、ステータコイル4と鎖交する磁束
量が回転数におおむね反比例して減少するためには磁性
楔が飽和しないことが必要であり、そのためには磁性楔
の飽和磁束密度と断面積との積がステータ鉄心歯部10
における飽和磁束密度と断面積との積の少なくとも1/
3以上であることが必要である。そこで図1及び図2に
示す実施例では、その比を約1/2としてステータコイ
ル4と鎖交する磁束量が回転数におおむね反比例して減
少するようにしている。
【0058】こうして、この実施例の永久磁石界磁方式
回転電機では、高抵抗、高透磁率、高磁束飽和密度の磁
性楔11をステータ鉄心2に備え、ロータ5の永久磁石
6から出る磁束13の一部を磁性楔11に漏れ磁束15
として流すことにより、ステータコイル4と鎖交する主
磁束14の磁束量を低減させて、高速回転時のコイル電
圧の上昇を少なくすることができ、一定の磁束量を出す
永久磁石界磁方式回転電機であるにもかかわらず、低速
回転から高速回転までの広範囲の運転を可能とし、かつ
高効率にすることができる。
【0059】なお、図2に示したように磁性楔11の絶
縁紙12は楔の保護と共に磁性楔11とステータ鉄心2
の歯部10との間に磁気空隙を作る効果があり、この磁
気空隙の大きさを絶縁紙12の厚みによって調節するこ
とによって漏れ磁束15の量を適当な大きさに加減する
ことができる。
【0060】また、請求項1〜3及び請求項5の発明の
共通する実施例においては磁性楔11の素材として高密
度の圧粉磁心を使用したが、これに代えて、請求項4及
び請求項5の発明の共通する実施例として、図4に示す
ように、アモルファス磁性薄帯、磁性ステンレス鋼帯、
極薄電磁鋼帯あるいは極薄ケイ素鋼帯等の磁性薄帯16
を所定の大きさに切断して多数枚積層、接着した構造の
ものを使用することができる。そしてその場合にも、周
囲を絶縁紙12で覆う構造とすることができる。
【0061】次に、請求項6の発明の一実施例について
説明する。上記図3の磁化特性曲線はステータ鉄心2の
磁化曲線が周波数によって変化することを示しており、
高周波になれば磁束密度の立上りが図中右側にずれる。
そこで、ステータ鉄心2の素材として従来から一般的に
用いられているケイ素鋼板の代わりに、電気抵抗の低い
純鉄系鋼板を選択すれば、磁束密度の立上りは曲線Cに
示すようにさらに右側にずらすことができる。
【0062】したがって、磁性楔の透磁率が通常程度で
あったとしても、また極端な場合、非磁性材料の楔を用
いた場合でも、漏れ磁束量を高周波時に相対的に大きく
することができ、主磁束量をその分だけ減らすことがで
きるようになり、高速回転時のコイル電圧の上昇を少な
くすることができ、一定の磁束量を出す永久磁石界磁方
式回転電機であるにもかかわらず、低速回転から高速回
転までの広範囲の運転を可能とし、かつ高効率にするこ
とができる。
【0063】なお、この場合、磁性楔として図1及び図
2に示した形状、素材のもの、つまり圧粉磁心のもの、
あるいは図4に示したようなアモルファス磁性薄帯、磁
性ステンレス鋼帯、極薄電磁鋼帯あるいは極薄ケイ素鋼
帯等の磁性薄帯16を所定の大きさに切断して多数枚積
層、接着した構造のものを使用することができ、さらに
それらの磁性楔11の周囲を絶縁紙12で覆う構造とす
ることもでき、それらの組合せによっていっそう確実に
高速回転時に主磁束を減少させ、高効率化を図ることが
できる。
【0064】次に、請求項7の発明の一実施例について
説明する。この実施例の永久磁石界磁方式回転電機で
は、ステータ鉄心2の素材として従来から一般的に用い
られている標準的な厚さ0.5mmのケイ素鋼板の代わ
りに、それよりも厚い0.8〜1.0mmの厚さのケイ
素鋼板を使用する。
【0065】これによって、図3に示した磁化曲線にお
ける磁束密度の立上りを曲線Dに示すように高周波で曲
線Aよりもさらに右側にずらすことができる。したがっ
て、磁性楔の透磁率が通常程度であったとしても、また
極端な場合、非磁性材料の楔を用いた場合でも、漏れ磁
束量を高周波時に相対的に大きくすることができ、主磁
束量をその分だけ減らすことができるようになり、高速
回転時のコイル電圧の上昇を少なくすることができ、一
定の磁束量を出す永久磁石界磁方式回転電機であるにも
かかわらず、低速回転から高速回転までの広範囲の運転
を可能とし、かつ高効率にすることができる。
【0066】なお、この場合、磁性楔として図1及び図
2に示した形状、素材のもの、つまり圧粉磁心のもの、
あるいは図4に示したようなアモルファス磁性薄帯、磁
性ステンレス鋼帯、極薄電磁鋼帯あるいは極薄ケイ素鋼
帯等の磁性薄帯16を所定の大きさに切断して多数枚積
層、接着した構造のものを使用することができ、さらに
それらの磁性楔11の周囲を絶縁紙12で覆う構造とす
ることもでき、それらの組合せによって高速回転時に主
磁束をいっそう効果的に減少させ、高効率化を図ること
ができる。
【0067】次に、請求項8及び請求項9の発明の共通
する実施例について、図5に基づいて説明する。この実
施例の永久磁石界磁方式回転電機は、ステータ1が多数
のスロット3を有するステータ鉄心2と、ステータコイ
ル4と、従来と同様の磁性楔17を有し、さらに短絡コ
イル18を備えている。
【0068】この短絡コイル18は、スロット3の底部
を貫通し、コアバック部を一周してステータ鉄心2の外
周部を戻るように巻かれており、その巻初めと巻終わり
とはステータ鉄心2の外部で抵抗(図示せず)を介して
短絡された構成である。
【0069】この実施例の永久磁石界磁方式回転電機で
は、永久磁石6から出た磁束13が空隙8を通り、ステ
ータ鉄心2の歯部10に入り、歯部10を図中上から下
へ流れてステータコイル4と鎖交する主磁束14とな
り、一部のはスロット3を横切って流れ、コイル4と鎖
交しない漏れ磁束15となる。
【0070】そこで、回転電機が低速で回転していると
きにはステータ鉄心2に流れる磁束は低周波数であり、
このため、短絡コイル18に誘起される電圧は低く、短
絡回路に流れる電流はわずかである。したがって、この
ときにはステータ鉄心2に流れる主磁束14は短絡電流
の影響をあまり受けず、磁束量は大きい。しかしなが
ら、高速回転になると短絡電流が大きくなり、これによ
って主磁束14の流れが妨げられるようになり、相対的
に漏れ磁束15の磁束量が大きくなり、この結果、主磁
束量が減少することになる。
【0071】そして高速回転時に主磁束量が減少すれ
ば、ステータコイル4の電圧の上昇が抑制され、一定の
磁束量を出す永久磁石界磁方式回転電機であるにもかか
わらず、低速回転から高速回転までの広範囲の運転を可
能とし、かつ高効率にすることができる。
【0072】なお、図5に示した請求項8及び請求項9
の発明の共通する実施例では短絡コイル18をステータ
鉄心2のスロット底部からコアバック部、ステータ鉄心
2の外周部を回るように巻く構成としたが、これに限定
されず、請求項8及び請求項10の共通する実施例とし
て、図6に示すように短絡コイル18を各ステータ鉄心
歯部10を取り囲むように巻付けた構造とすることがで
きる。
【0073】この実施例にあっても、回転電機が低速で
回転しているときにはステータ鉄心2に流れる磁束は低
周波数であり、このため、短絡コイル18に誘起される
電圧は低く、短絡回路に流れる電流はわずかである。し
たがって、このときにはステータ鉄心2に流れる主磁束
14は短絡電流の影響をあまり受けず、磁束量は大き
い。しかしながら、高速回転になると短絡電流が大きく
なり、これによって主磁束14の流れが妨げられるよう
になり、相対的に漏れ磁束15の磁束量が大きくなり、
この結果、主磁束量が減少することになる。
【0074】そして高速回転時に主磁束量が減少すれ
ば、ステータコイル4の電圧の上昇が抑制され、一定の
磁束量を出す永久磁石界磁方式回転電機であるにもかか
わらず、低速回転から高速回転までの広範囲の運転を可
能とし、かつ高効率にすることができる。
【0075】次に、請求項11の発明の一実施例につい
て図7に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界磁
方式回転電機は、図5及び図6それぞれに示した短絡コ
イル18による短絡回路において、回転電機の回転数に
応じて短絡回路のいくつかを短絡する制御回路を設け、
高速回転時の高効率化を図るものである。すなわち、短
絡コイル18に流れる電流は回転数にしたがって変化さ
せることが望ましい。そこで、低速回転時には短絡させ
ず、高速回転時に短絡電流を大きくするために、各短絡
回路を構成する短絡コイル18に短絡抵抗19と共にス
イッチ20を挿入し、周波数の高低に応じてオン/オフ
するスイッチ20の数を変更する。そして、回転電機の
回転速度に応じてオン/オフさせるスイッチ20の数を
制御するために、短絡コイル18に生起される周波数を
検出する周波数検出器21と、検出される周波数21の
高低に応じて投入するスイッチ20の数を増加、減少さ
せ、そのオン/オフ制御を行なうスイッチ制御部22と
が備えられている。
【0076】上記の回路構成の短絡回路を有する永久磁
石界磁方式回転電機では、ロータが低速回転していると
き、短絡コイル20に生起される周波数も低いが、周波
数検出器21がその周波数を検出してスイッチ制御部2
2に与えることにより、予め定められている少ない数の
スイッチ20をオンさせ、あるいは全部のスイッチ20
をオフのままとする。低周波数の場合、投入された短絡
コイル18に誘起される電圧は低く、短絡回路に流れる
電流はわずかである。したがって、このときにはステー
タ鉄心2に流れる主磁束14は短絡電流の影響をあまり
受けず、磁束量は大きい。
【0077】高速回転になり、短絡コイル18に生起さ
れる周波数が高くなると、周波数検出器21がその周波
数を検出して周波数の高さに応じた多くの数のスイッチ
20を投入し、周波数が高くなって投入されている短絡
回路の短絡電流が大きくなると共に、投入される短絡回
路の数も増加するので、主磁束14の流れが大きく妨げ
られるようになり、相対的に漏れ磁束15の磁束量が大
きくなり、この結果、主磁束量が大幅に減少することに
なる。そして高速回転時に主磁束量が減少すれば、ステ
ータコイル4の電圧の上昇が抑制され、一定の磁束量を
出す永久磁石界磁方式回転電機であるにもかかわらず、
低速回転から高速回転までの広範囲の運転を可能とし、
かついっそう高効率にすることができる。
【0078】なお、上記の請求項11の発明の実施例で
は複数の短絡回路それぞれにスイッチ20を挿入し、そ
のオン/オフの切替えを短絡コイル18に生起される周
波数の高低に応じて増減制御するようにしたが、請求項
12の発明の実施例として、図8に示す構成にすること
もできる。すなわち、図7に示した回路のスイッチ20
に代えて、各短絡回路に抵抗19と共に電流制御用の半
導体素子23を挿入し、周波数検出器21の検出する周
波数の高低に応じてこれらの半導体素子23の電流制御
特性を電流制御部24によって可変制御する構成とす
る。
【0079】この実施例の場合、短絡コイル18に生起
される周波数が低いときには各短絡回路に流れる電流を
制限し、周波数が高くなるにしたがって各短絡回路に流
れる電流を半導体素子23に増加させるように制御す
る。これによって、低速回転時には短絡コイル18に誘
起される電圧が低く、短絡回路に流れる電流はわずかで
あり、ステータ鉄心2に流れる磁束は短絡電流の影響を
受けず、主磁束量は大きいが、高速回転時には短絡電流
が大きくなり、主磁束14の流れが大きく妨げられるよ
うになって漏れ磁束量が多くなり、その結果として主磁
束量を減少させることができる。
【0080】そして高速回転時に主磁束量が大きく減少
すれば、ステータコイル4の電圧の上昇が抑制され、一
定の磁束量を出す永久磁石界磁方式回転電機であるにも
かかわらず、低速回転から高速回転までの広範囲の運転
を可能とし、かついっそう高効率にすることができる。
【0081】なお、図7に示した実施例、図8に示した
実施例それぞれにおいて、磁性楔として図1及び図2に
示した形状、素材のもの、つまり圧粉磁心のもの、ある
いは図4に示したようなアモルファス磁性薄帯、磁性ス
テンレス鋼帯、極薄電磁鋼帯あるいは極薄ケイ素鋼帯等
の磁性薄帯16を所定の大きさに切断して多数枚積層、
接着した構造のものを使用することができ、さらにそれ
らの磁性楔11の周囲を絶縁紙12で覆う構造とするこ
ともでき、それらの組合せによっていっそう確実に高速
回転時に主磁束14を減少させ、高効率化を図ることが
できる。
【0082】次に、請求項13の発明の一実施例を図9
に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界磁方式回
転電機はステータ1の構造に特徴を有し、ステータ鉄心
2のスロット25を底部に行くほど幅が広がる形状に
し、これによってこのスロット25に巻込むステータコ
イル26の巻回数の密度分布がスロット25の底部に行
くほど高くなるようにしている。
【0083】この実施例の場合、ロータ5の永久磁石6
から出る磁束13が空隙8を通り、ステータ1のステー
タ鉄心2の歯部27に入る。そして歯部27を図中上か
ら下へ主磁束14として流れてステータコイル26と鎖
交し、一部はスロット25を横切って流れ、コイル26
と鎖交しない漏れ磁束15となる。
【0084】そして、ステータ歯部27の先端部分でス
ロット25を横切って流れる漏れ磁束15が周波数上昇
時に増加することによって逆にステータコイル26と鎖
交する主磁束14の磁束量が低減し、高速回転時のコイ
ル電圧の上昇が抑制され、低速回転から高速回転まで広
い速度範囲で高効率で運転できるようになる。
【0085】なお、この請求項13の発明の実施例では
ステータ鉄心2のスロット25の形状を特定のものとし
たが、請求項14の発明の一実施例とし、スロットの形
状は従来と同様のものにして、そこに巻込むステータコ
イルの巻数をスロットの底部に行くほど大きくし、スロ
ット歯部の先端側ほど少なくする構成とすることもでき
る。
【0086】そしてこの場合にも、図9の実施例と同じ
ように、ステータ歯部の先端部分でスロットを横切って
流れる漏れ磁束が周波数上昇時に増加することによって
逆にステータコイルと鎖交する主磁束の磁束量が低減
し、高速回転時のコイル電圧の上昇が抑制され、低速回
転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転できる
ようになる。
【0087】またこれらの請求項13の発明の実施例、
請求項14の発明の実施例それぞれにおいて、ステータ
コイルの部分に図5に示したように短絡コイルを巻付
け、また図6に示すようにステータ歯部に短絡コイルを
巻付けた構成とすることができ、さらには図7、図8の
回路を備えることもできる。
【0088】次に、請求項15の発明の一実施例を図1
0に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界磁方式
回転電機は、ステータ1の構造として、ステータ鉄心2
をステータ歯部2aとステータコア部2bとに2つの別
の素材で形成したものを用い、それらを嵌め合いによっ
て一体化した構造としている。
【0089】そしてステータ歯部2aには常温付近のキ
ュリー点を有する整磁鋼の板材を打ち抜き、積層したも
のを用い、コアバック部2bには通常の電磁鋼板を打ち
抜き、積層したものを用いている。なお、ステータ1の
ステータコイル4、磁性楔9は図13に示した従来例と
同じである。
【0090】次に、上記構成の永久磁石界磁方式回転電
機の動作について説明する。磁性体に交流磁束が流れれ
ば損失が発生し、この損失は周波数が高いほど大きい。
すなわち、永久磁石界磁方式回転電機の回転数が高くな
ればステータ鉄心2に発生する損失も大きくなり、その
温度が上昇することになる。
【0091】そこで、常温付近のキュリー点を有する整
磁鋼で成るステータ歯部2aでは、温度上昇が発生すれ
ば飽和磁束密度が速やかに低下し、そこを流れるロータ
の永久磁石からの磁束の一部がスロット3を横切って流
れる漏れ磁束となり、結果として、ステータコイル4と
鎖交する主磁束の量が減少することになり、高速回転時
のコイル電圧の上昇が抑制され、低速回転から高速回転
まで広い速度範囲で高効率で運転できるようになる。
【0092】なお、この実施例においてステータ鉄心2
の全体を常温付近のキュリー点を有する整磁鋼によって
形成することもできる。
【0093】次に、請求項16の発明の一実施例を図1
1に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界磁方式
回転電機は、ロータ5側の構造に特徴を有し、ロータ鉄
心7の周囲に永久磁石6が取り付けられ、さらにこの永
久磁石6の外周部に常温付近のキュリー点を有する整磁
鋼の保持リング28が取り付けられている。ステータ1
の構造は図13に示した従来例と同様である。
【0094】この実施例の場合、ロータ5をこのような
構造とすることにより、回転時にロータ5の表面に高調
波磁束が流れて損失が発生するが、その損失は高速回転
時ほど大きくなり、また温度上昇も著しい。したがっ
て、整磁鋼の飽和磁束密度が高速回転時に大きく低下
し、あたかもステータ、ロータ間の磁気空隙長が大きく
なったのと同様の状態になり、永久磁石6から出てステ
ータ歯部10を流れる主磁束の量が減少し、この結果と
して高速回転時のコイル電圧の上昇が抑制され、低速回
転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転できる
ようになる。
【0095】次に、請求項17の発明の一実施例につい
て図12に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界
磁方式回転電機はロータ5の構造に特徴を有し、ロータ
鉄心7の外周部に周方向に磁化した多数の永久磁石29
をその磁化の向きが交互になるように配列し、隣り合う
永久磁石29,29間に常温付近のキュリー点を有する
整磁鋼の磁極鉄心30、内側に通常の高キュリー点材料
の磁極鉄心31を配置して組み立てた構成となってい
る。なお、内側の通常の高キュリー点材料の磁極鉄心3
1はロータ鉄心7と一体のものとすることもできる。
【0096】ステータ1の構造としては図13に示した
従来例と同じもの、あるいは上記の請求項1〜請求項1
6のいずれの実施例の構造のものであってもよい。
【0097】この実施例の場合、ロータ5の回転時にロ
ータ表面に配置された整磁鋼の磁極鉄心30に高調波磁
束が流れて損失が発生するが、この損失は、回転電機が
高速回転になるほど大きく、多温度上昇も著しい。した
がって、整磁鋼の飽和磁束密度が低下してあたかもステ
ータ、ロータ間の空隙長が大きくなったのと同様の状態
になり、永久磁石29から出てステータ歯部を流れる主
磁束の量が減少し、この結果として高速回転時のコイル
電圧の上昇が抑制され、低速回転から高速回転まで広い
速度範囲で高効率で運転できるようになる。
【0098】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
ステータのスロットに取り付ける磁性楔の素材として高
抵抗、高透磁率、高飽和磁束密度のものを用いているの
で、磁性楔の部分で低速回転においては漏れ磁束が少な
く、高速回転においては漏れ磁束が多くなり、ステータ
コイルと鎖交する磁束量を低減させて高速回転時のコイ
ル電圧の上昇を抑制することができ、回転電機を低速回
転から高速回転まで広い速度範囲で、高効率で運転する
ことができる。
【0099】また請求項2の発明によれば、磁性楔に高
抵抗、高透磁率の素材で、かつ高飽和磁束密度特性を持
たせるために、その飽和磁束密度と断面積との積がステ
ータ鉄心歯部の飽和磁束密度と断面積との積に比較して
1/3以上となるような形状にしているので、磁性楔の
部分で低速回転においては漏れ磁束が少なく、高速回転
においては漏れ磁束が多くなり、ステータコイルと鎖交
する磁束量を低減させて高速回転時のコイル電圧の上昇
を抑制することができ、回転電機を低速回転から高速回
転まで広い速度範囲で、高効率で運転することができ
る。
【0100】請求項3の発明によれば、磁性楔を金属磁
性粉を樹脂で接着固化した圧粉磁心によって形成するこ
とによって磁性楔に高抵抗、高透磁率特性を持たせてい
るので、磁性楔の部分で低速回転においては漏れ磁束が
少なく、高速回転においては漏れ磁束が多くなり、ステ
ータコイルと鎖交する磁束量を低減させて高速回転時の
コイル電圧の上昇を抑制することができ、回転電機を低
速回転から高速回転まで広い速度範囲で、高効率で運転
することができる。
【0101】請求項4の発明によれば、磁性楔としてア
モルファス磁性薄帯、磁性ステンレス鋼帯もしくは極薄
ケイ素鋼帯を積層接着して形成したものを使用すること
によって磁性楔に高抵抗、高透磁率特性を持たせている
ので、磁性楔の部分で低速回転においては漏れ磁束が少
なく、高速回転においては漏れ磁束が多くなり、ステー
タコイルと鎖交する磁束量を低減させて高速回転時のコ
イル電圧の上昇を抑制することができ、回転電機を低速
回転から高速回転まで広い速度範囲で、高効率で運転す
ることができる。
【0102】請求項5の発明によれば、磁性楔の一部又
は全体を薄い絶縁材料で被覆することによってさらに高
抵抗特性としているので、磁性楔の部分で低速回転にお
いては漏れ磁束が少なく、高速回転においては漏れ磁束
が多くなり、ステータコイルと鎖交する磁束量を低減さ
せて高速回転時のコイル電圧の上昇を抑制することがで
き、回転電機を低速回転から高速回転まで広い速度範囲
で、高効率で運転することができる。
【0103】請求項6の発明によれば、ロータの永久磁
石に磁気空隙を介して対向するように配置されたステー
タ鉄心として、少なくともその歯部が低電気抵抗の電磁
鋼板で形成されたものを用いているので、周波数上昇時
の透磁率を渦電流効果で減少させ、ステータコイルと鎖
交する磁束量を低減させて高速回転時のコイル電圧の上
昇を抑制し、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で
高効率で運転することができる。
【0104】請求項7の発明によれば、ステータ鉄心の
電磁鋼板としてその板厚が従来よりも厚い0.8〜1.
0mmのものを用いているので、周波数上昇時に磁気抵
抗が増大してステータコイルと鎖交する磁束量を低減
し、高速回転時のコイル電圧の上昇を抑制し、低速回転
から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転すること
ができる。
【0105】請求項8によれば、ステータ鉄心におけ
る、ロータの回転速度上昇時に短絡電流を増加させるこ
とによってコイルと鎖交する磁束量を低減させることが
できる位置に短絡コイルを巻いてるので、ステータ鉄心
が短絡されているときに短絡コイルに電流が流れ、ステ
ータ鉄心の磁気抵抗が高くなって漏れ磁束が増加し、相
対的に主磁束量が減少し、しかも、短絡コイルに流れる
短絡電流は周波数が高いほど大きくなるために周波数上
昇時に短絡電流が増加し、ステータ鉄心の磁気抵抗が高
くなって漏れ磁束が増加し、相対的に主磁束量を低減
し、高速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑制し、
低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転
することができる。
【0106】請求項9の発明によれば、短絡コイルをス
テータ鉄心のコアバック部に巻いているので、周波数上
昇時に短絡電流が増加し、ステータ鉄心の磁気抵抗が高
くなって漏れ磁束が増加し、相対的に主磁束量が低減し
て高速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑制し、低
速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転す
ることができる。
【0107】請求項10の発明によれば、短絡コイルを
ステータ鉄心のスロット間に存在する歯部の周囲に巻い
ているので、周波数上昇時に短絡電流が増加し、ステー
タ鉄心の磁気抵抗が高くなって漏れ磁束が増加し、相対
的に主磁束量が低減して高速回転時のステータコイル電
圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転まで広い速度
範囲で高効率で運転することができる。
【0108】請求項11の発明によれば、ロータの回転
速度を速度検出器で検出し、その検出速度に応じて複数
の短絡回路それぞれを成立させるためのスイッチの投入
数を増加するようにしているので、周波数上昇時の短絡
電流を増加させ、高速回転時のステータ鉄心の磁気抵抗
を高くして漏れ磁束を増加させ、相対的に主磁束量を低
減させて高速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑制
し、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で
運転することができる。
【0109】請求項12の発明によれば、速度検出器が
検出する速度に応じて短絡コイルに流れる短絡電流の増
減制御を行なうようにしているので、周波数上昇時の短
絡電流を増加させ、高速回転時のステータ鉄心の磁気抵
抗を高くして漏れ磁束を増加させ、相対的に主磁束量を
低減させて高速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑
制し、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率
で運転することができる。
【0110】請求項13の発明によれば、ステータ鉄心
のスロットを開口部側の幅が底部側の幅よりも狭くなる
形状にしているので、ステータ歯部の先端部分でスロッ
トを横切って流れる漏れ磁束が周波数上昇時に増加し、
逆にステータコイルと鎖交する磁束量が低減し、これに
よって高速回転時のコイル電圧の上昇を抑制し、低速回
転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で運転するこ
とができる。
【0111】請求項14の発明によれば、ステータコイ
ルをステータ鉄心のスロットの底部側の巻数が開口部側
の巻数よりも多くなるように設定しているので、ステー
タ歯部の先端部分でスロットを横切って流れる漏れ磁束
が周波数上昇時に増加し、逆にステータコイルと鎖交す
る磁束量が低減し、これによって高速回転時のコイル電
圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転まで広い速度
範囲で高効率で運転することができる。
【0112】請求項15の発明によれば、少なくとも歯
部が常温付近のキュリー点を有する整磁鋼で形成された
ステータ鉄心を用いているので、高速回転時の損失増加
によって温度上昇を生じさせ、これによって飽和磁束密
度を低下させ、ステータコイルと鎖交する磁束量を低減
させて高速回転時のステータコイル電圧の上昇を抑制
し、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効率で
運転することができる。
【0113】請求項16の発明によれば、ロータの周囲
の永久磁石を覆うように、常温付近のキュリー点を有す
る整磁鋼で形成された保持リングを取り付けているの
で、高速回転時にリプル磁束による損失増加によって温
度上昇を生じさせ、これによって飽和磁束密度を低下さ
せて実効空隙長を増加させ、ステータ鉄心に入る磁束量
を低減させて高速回転時のステータコイル電圧の上昇を
抑制し、低速回転から高速回転まで広い速度範囲で高効
率で運転することができる。
【0114】請求項17の発明によれば、ロータの周囲
にその周方向に磁化した永久磁石を配置し、各永久磁石
間にキュリー点が常温付近にある整磁鋼で形成された磁
極部を配置しているので、高速回転時にリプル磁束によ
る損失増加によって温度上昇を生じさせ、これによって
飽和磁束密度を低下させて実効空隙長を増加させ、ステ
ータ鉄心に入る磁束量を低減させて高速回転時のステー
タコイル電圧の上昇を抑制し、低速回転から高速回転ま
で広い速度範囲で高効率で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜請求項3及び請求項5の発明の共通
する実施例の断面図。
【図2】図1におけるII部分の拡大図。
【図3】上記実施例のステータ鉄心と磁性楔との磁気特
性を示すグラフ。
【図4】請求項4及び請求項5の発明の共通する実施例
の磁性楔部分を示す断面図。
【図5】請求項8及び請求項9の発明の共通する実施例
の断面図。
【図6】請求項8及び請求項10の発明の共通する実施
例の断面図。
【図7】請求項11の発明の一実施例の回路図。
【図8】請求項12の発明の一実施例の回路図。
【図9】請求項13の発明の一実施例の断面図。
【図10】請求項15の発明の一実施例のステータ部分
の断面図。
【図11】請求項16の発明の一実施例の断面図。
【図12】請求項17の発明の一実施例のロータ部分の
断面図。
【図13】従来例の断面図。
【符号の説明】
1 ステータ 2 ステータ鉄心 2a ステータ歯部 2b ステータコア部 3 スロット 4 ステータコイル 5 ロータ 6 永久磁石 7 ロータ鉄心 8 空隙 10 ステータ歯部 11 磁性楔 12 絶縁紙 13 磁束 14 主磁束 15 漏れ磁束 16 磁性薄帯 17 磁性楔 18 短絡コイル 19 短絡抵抗 20 スイッチ 21 周波数検出器 22 スイッチ制御部 23 半導体素子 24 電流制御部 25 スロット 26 ステータコイル 27 ステータ歯部 28 保持リング 29 永久磁石 30 磁極鉄心 31 磁極鉄心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 21/14 M // B60L 15/22 X 9131−3H H02P 7/00 Q 7/06 H

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界磁を形成するための永久磁石を備えた
    ロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれたコイルと、 前記空隙に開口するスロットの開口部に前記コイルを閉
    塞するように取り付けられた高抵抗、高透磁率、高飽和
    磁束密度の磁性楔とを備えて成る永久磁石界磁方式回転
    電機。
  2. 【請求項2】 前記磁性楔が、その飽和磁束密度と断面
    積の積がステータ鉄心の歯部における飽和磁束密度と断
    面積の積の1/3以上である特性を有することを特徴と
    する請求項1記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  3. 【請求項3】 前記磁性楔が、金属磁性粉を樹脂で接着
    固化した圧粉磁心を素材とすることを特徴とする請求項
    1又は2記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  4. 【請求項4】 前記磁性楔が、アモルファス磁性薄帯、
    磁性ステンレス鋼帯もしくは極薄ケイ素鋼帯を積層接着
    して形成されたものであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  5. 【請求項5】 前記磁性楔の一部又は全体を薄い絶縁材
    料で被覆したことを特徴とする請求項3又は4記載の永
    久磁石界磁方式回転電機。
  6. 【請求項6】 界磁を形成するための永久磁石を備えた
    ロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置され、少なくともその歯部に低電気抵抗の電磁鋼
    板が用いられたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれたコイルとで成
    る永久磁石界磁方式回転電機。
  7. 【請求項7】 前記電磁鋼板としてその板厚が0.8〜
    1.0mmのものを用いたことを特徴とする請求項6記
    載の永久磁石界磁方式回転電機。
  8. 【請求項8】 界磁を形成するための永久磁石を備えた
    ロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれたコイルと、 前記ステータ鉄心における、前記ロータの回転速度上昇
    時に短絡電流を増加させることによって前記コイルと鎖
    交する磁束量を低減させることができる位置に巻かれた
    短絡コイルとを備えて成る永久磁石界磁方式回転電機。
  9. 【請求項9】 前記短絡コイルを前記ステータ鉄心のコ
    アバック部に巻いたことを特徴とする請求項8記載の永
    久磁石界磁方式回転電機。
  10. 【請求項10】 前記短絡コイルを前記ステータ鉄心の
    前記スロット間に存在する歯部の周囲に巻いたことを特
    徴とする請求項8記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  11. 【請求項11】 前記短絡コイルそれぞれの所定の箇所
    に短絡電流の導通、遮断を制御するために挿入されたス
    イッチと、 前記ロータの回転速度を検出する速度検出器と、 前記速度検出器の検出する速度に応じて前記スイッチの
    うち投入するスイッチの数を増減する制御回路とを備え
    て成る請求項8〜10いずれかに記載の永久磁石界磁方
    式回転電機。
  12. 【請求項12】 前記ロータの回転速度を検出する速度
    検出器と、 前記短絡コイルそれぞれの所定の箇所に挿入され、前記
    速度検出器が検出する速度に応じて当該短絡コイルの流
    れる短絡電流の増減制御を行なう短絡電流制御回路とを
    備えて成る請求項8〜10いずれかに記載の永久磁石界
    磁方式回転電機。
  13. 【請求項13】 界磁を形成するための永久磁石を備え
    たロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心の空隙対向部に形成され、開口部側の
    幅が底部側の幅よりも狭くなる形状を有するスロット
    と、 前記スロットに巻込まれたコイルとを備えて成る永久磁
    石界磁方式回転電機。
  14. 【請求項14】 界磁を形成するための永久磁石を備え
    たロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれ、当該スロット
    の底部側の巻数が開口部側の巻数よりも多くなるように
    巻かれたコイルとを備えて成る永久磁石界磁方式回転電
    機。
  15. 【請求項15】 界磁を形成するための永久磁石を備え
    たロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置され、少なくとも歯部が常温付近のキュリー点を
    有する整磁鋼で形成されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれたコイルとを備
    えて成る永久磁石界磁方式回転電機。
  16. 【請求項16】 界磁を形成するための永久磁石を備え
    たロータと、 前記永久磁石を覆うように取り付けられ、常温付近のキ
    ュリー点を有する整磁鋼で形成された保持リングと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれたコイルとを備
    えて成る永久磁石界磁方式回転電機。
  17. 【請求項17】 周方向に磁化した永久磁石の間に常温
    付近のキュリー点を有する整磁鋼で形成された磁極部が
    配置されたロータと、 前記ロータの永久磁石に磁気空隙を介して対向するよう
    に配置されたステータ鉄心と、 前記ステータ鉄心のスロットに巻込まれたコイルとを備
    えて成る永久磁石界磁方式回転電機。
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