JP4260799B2 - 電動機および電動機の駆動方法 - Google Patents

電動機および電動機の駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4260799B2
JP4260799B2 JP2005348981A JP2005348981A JP4260799B2 JP 4260799 B2 JP4260799 B2 JP 4260799B2 JP 2005348981 A JP2005348981 A JP 2005348981A JP 2005348981 A JP2005348981 A JP 2005348981A JP 4260799 B2 JP4260799 B2 JP 4260799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric motor
rotor
permanent magnet
planetary
planetary gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005348981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007159219A (ja
Inventor
博文 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2005348981A priority Critical patent/JP4260799B2/ja
Priority to US11/604,329 priority patent/US7626298B2/en
Priority to DE602006000650T priority patent/DE602006000650T2/de
Priority to EP06024660A priority patent/EP1806827B1/en
Priority to CNB200610163707XA priority patent/CN100539358C/zh
Publication of JP2007159219A publication Critical patent/JP2007159219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4260799B2 publication Critical patent/JP4260799B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K16/00Machines with more than one rotor or stator
    • H02K16/02Machines with one stator and two or more rotors
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K21/00Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets
    • H02K21/02Details
    • H02K21/021Means for mechanical adjustment of the excitation flux
    • H02K21/028Means for mechanical adjustment of the excitation flux by modifying the magnetic circuit within the field or the armature, e.g. by using shunts, by adjusting the magnets position, by vectorial combination of field or armature sections
    • H02K21/029Vectorial combination of the fluxes generated by a plurality of field sections or of the voltages induced in a plurality of armature sections
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K7/00Arrangements for handling mechanical energy structurally associated with dynamo-electric machines, e.g. structural association with mechanical driving motors or auxiliary dynamo-electric machines
    • H02K7/10Structural association with clutches, brakes, gears, pulleys or mechanical starters
    • H02K7/116Structural association with clutches, brakes, gears, pulleys or mechanical starters with gears

Description

本発明は、電動機および電動機の駆動方法に関する。
従来、例えば電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けた第1および第2回転子を備え、電動機の回転速度に応じて、あるいは、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の周方向の相対位置つまり位相差を制御する電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動機では、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材を介して第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更するようになっている。また、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、各回転子が慣性により回転速度を維持する状態で固定子巻線に制御電流を通電して回転磁界速度を変更することによって、第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更するようになっている。
特開2002−204541号公報
ところで、上記従来技術の一例に係る電動機において、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、電動機の作動状態つまり回転速度に応じた遠心力が作用する状態でのみ第1および第2回転子の位相差を制御可能であり、電動機の停止状態を含む適宜のタイミングで位相差を制御することができないという問題が生じる。また、この電動機を駆動源として車両に搭載した場合等のように、この電動機に外部からの振動が作用し易い状態においては、遠心力の作用のみによって第1および第2回転子の位相差を適切に制御することが困難であるという問題が生じる。しかも、この場合には、モータに対する電源での電源電圧の変動に拘わらずに位相差が制御されることから、例えば電源電圧と電動機の逆起電圧との大小関係が逆転してしまうという不具合が生じる虞がある。
また、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、回転磁界速度が変更されることから、電動機の制御処理が複雑化してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電動機が複雑化することを抑制しつつ、容易かつ適切に誘起電圧定数を可変とすることで、運転可能な回転数範囲およびトルク範囲を拡大し、運転効率を向上させると共に高効率での運転可能範囲を拡大することが可能な電動機および電動機の駆動方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の電動機は、周方向に沿って配置された永久磁石(例えば、実施の形態での永久磁石11a,12a)を具備する略円環状の内周側回転子(例えば、実施の形態での内周側回転子11)および外周側回転子(例えば、実施の形態での外周側回転子12)の互いの回転軸(例えば、実施の形態での回転軸O)が同軸に配置された電動機であって、前記外周側回転子と同軸かつ一体に形成された第1リングギア(例えば、実施の形態での第1リングギア(R1)31)と、前記内周側回転子と同軸かつ一体に形成された第2リングギア(例えば、実施の形態での第2リングギア(R2)32)と、前記第1リングギアに噛み合う第1プラネタリギア(例えば、実施の形態での第1プラネタリギア列33または第1プラネタリギア列51,52)と、前記第2リングギアに噛み合う第2プラネタリギア(例えば、実施の形態での第2プラネタリギア列34または第2プラネタリギア列53,54)と、前記第1プラネタリギアおよび前記第2プラネタリギアに噛み合う中空のサンギア(例えば、実施の形態でのサンギア(S)35)と、前記第1プラネタリギア回転可能に支持すると共に前記回転軸周りに回動可能とされたプラネタリキャリア(例えば、実施の形態での第1プラネタリキャリア(C1)36)とを具備する遊星歯車機構(例えば、実施の形態での遊星歯車機構14)を、前記内周側回転子よりも内周側の中空部に備え、前記第1リングギアは、前記電動機の軸方向一方側へ延出される出力回転軸と一体に構成され、前記プラネタリキャリアから前記電動機の軸方向他方側へ延出されるプラネタリキャリア回転軸に接続され、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに所定回動量(例えば、実施の形態での回動量γ)だけ回動させることにより、前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更する回動手段(例えば、実施の形態でのアクチュエータ15)を備えることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、先ず、内周側回転子および外周側回転子には周方向に沿って永久磁石が配置されることにより、例えば外周側回転子の永久磁石による界磁磁束が固定子巻線を鎖交する鎖交磁束量を、内周側回転子の永久磁石による界磁磁束によって効率よく増大あるいは低減させることができる。そして、界磁強め状態では、電動機のトルク定数(つまり、トルク/相電流)を相対的に高い値に設定することができ、電動機運転時の電流損失を増大すること無しに、または、固定子巻線への通電を制御するインバータの出力電流の最大値を変更すること無しに、電動機が出力する最大トルク値を増大させることができる。
しかも、第1プラネタリギアおよび第2プラネタリギアは、各プラネタリ回転軸周りに回転可能とされつつ、アイドルギアであるサンギアに噛み合うことにより、内周側回転子および外周側回転子の同期運転の実行状態あるいは電動機の停止状態であっても内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を容易に変更することができる。
また、サンギアでの摩擦を低減することができるため、プラネタリキャリアの回転軸周りの回動に対する規制(つまり、所定回動位置での保持)あるいは回動駆動に必要とされる力は、電動機の回転数やトルクの大きさに拘わらずに、永久磁石同士の吸引力あるいは反発力よりも大きいだけでよく、例えばブレーキアクチュエータのように電動機が出力するトルクよりも大きな力を必要とせずに、効率よく位相を制御することができる。
さらに、請求項2に記載の発明の電動機は、前記第2プラネタリギアを回転可能に支持する第2プラネタリキャリア(例えば、実施の形態での第2プラネタリキャリア(C2)37)を備え、該第2プラネタリキャリアは固定子に固定されてなることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、第2プラネタリキャリアは固定子に固定されていることから、第1プラネタリギア支持するプラネタリキャリアが回転軸周りに回動する際に、第2プラネタリギアはプラネタリ回転軸周りに回転することになる。これにより、外周側回転子が、内周側回転子に対して相対的に回転軸周りに回動し、内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を容易かつ適切に変更することができる。
さらに、請求項3に記載の発明の電動機では、各前記第1プラネタリギアおよび前記第2プラネタリギアは、各単列の歯車(例えば、実施の形態での第1プラネタリギア列33、第2プラネタリギア列34)からなり、前記遊星歯車機構はシングルピニオン式の遊星歯車機構であることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、遊星歯車機構の構成が複雑化することを抑制しつつ、容易かつ適切に内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を変更することができる。
さらに、請求項4に記載の発明の電動機では、各前記第1プラネタリギアおよび前記第2プラネタリギアは、互いに噛み合う各2列の歯車(例えば、実施の形態での第1プラネタリギア列51,52、第2プラネタリギア列53,54)からなり、前記遊星歯車機構はダブルピニオン式の遊星歯車機構であることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、内周側回転子および外周側回転子とサンギアとの回転方向を同一方向に設定することができ、例えば電動機を駆動源として車両に搭載した場合等において、内周側回転子または外周側回転子に加えてサンギアに電動機の出力軸を接続した場合であっても、変速機等の動力伝達機構が複雑化してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項5に記載の発明の電動機では、前記回動手段は、油圧あるいは電動により前記プラネタリキャリアを回動させる又は回動を規制するアクチュエータであることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、回動手段は、例えば油圧ポンプあるいは電動モータ等を具備するアクチュエータであって、油圧あるいは電動によりプラネタリキャリアを回転軸周りに所定回動量だけ回動させたり、内周側回転子と外周側回転子との永久磁石同士の吸引力あるいは反発力に抗してプラネタリキャリアを回転軸周りの所定回動位置で保持する。
さらに、請求項6に記載の発明の電動機では、前記所定回動量は、電動機の極対数Pと、前記第1リングギアまたは前記第2リングギアの何れか一方に対する前記サンギアのギア比gとに基づく機械角θ(°)=(180/)×g/(1+g)であることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、第1プラネタリギアまたは第2プラネタリギアの何れか一方を支持するプラネタリキャリアが回転軸周りに回動する際の所定回動量が機械角θ(°)=(180/)×g/(1+g)に設定されることで、電動機の状態を、例えば内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置(つまり内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置)される強め界磁状態と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置(つまり内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが対極配置)される弱め界磁状態との間で適切に移行させることができる。
さらに、請求項7に記載の発明の電動機は、前記回動手段による前記プラネタリキャリアの回動により、電動機の状態は前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態から前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に亘る適宜の状態に設定されることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、固定子巻線を鎖交する界磁磁束の大きさを連続的に変化させることができ、電動機の誘起電圧定数を適宜の値に連続的に変化させることができる。これにより、電動機の運転可能な回転数およびトルクの値を連続的に変更することができると共に、運転可能な回転数およびトルクの範囲を拡大させることができる。さらに、電動機の運転効率の最大値を増大させ、運転効率が所定効率以上となる高効率領域を拡大させることができる。
さらに、請求項8に記載の発明の電動機は、前記回転軸周りの前記プラネタリキャリアの回動に対する前記回動手段による規制を解除し、電動機の状態が前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に到るまで、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに回動可能とする解除手段(例えば、実施の形態でのアクチュエータ15が兼ねる)を備えることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、プラネタリキャリアは回動手段による規制が解除手段によって解除されて回転軸周りに自由に回動可能となる。これにより、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士の反発力、あるいは、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士の吸引力によって、内周側回転子と外周側回転子との周方向での相対位置が変化し、電動機の状態が内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態へと向かい変化するようになる。
また、請求項9に記載の発明の電動機の駆動方法は、請求項1に記載の電動機の駆動方法であって、前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な電気角での位相(例えば、実施の形態での電気角α)を検知し、前記電気角での位相を機械角での位相(例えば、実施の形態での機械角β)に変換し、前記機械角での位相から前記所定回動量を算出し、前記回動手段により前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに前記所定回動量だけ回動させることを特徴としている。
上記の電動機の駆動方法によれば、内周側回転子および外周側回転子の同期運転での運転状態あるいは電動機の停止状態に拘わらずに、電動機の状態を内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態から内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に亘る適宜の状態に容易に設定することができる。
さらに、請求項10に記載の発明の電動機の駆動方法は、電動機の異常を検知した場合に前記回転軸周りの前記プラネタリキャリアの回動に対する前記回動手段による規制を解除し、電動機の状態が前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に到達するまで、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに回動可能とすることを特徴としている。
上記の電動機の駆動方法によれば、回動手段による規制が解除されると、プラネタリキャリアは回転軸周りに自由に回動可能となる。つまり、電動機の異常を検知した場合には、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士の反発力、あるいは、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士の吸引力によって、内周側回転子と外周側回転子との周方向での相対位置が変化し、電動機の状態が内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態へと向かい変化するようになる。
これにより、例えば電動機を駆動源として車両に搭載した場合において車両の発進あるいは走行を可能とする所望の出力を確保することができる。
さらに、請求項11に記載の発明の電動機の駆動方法は、弱め界磁制御の実行指示を検知した場合に、電動機の状態が前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態に向かい変化するようにして、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに回動させることを特徴としている。
上記の電動機の駆動方法によれば、例えば電動機の回転数および電源電圧等の状態量に応じて弱め界磁制御の実行指示が外部の制御装置等から出力された場合に、電動機の状態が内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態に向かい変化するようにして、プラネタリキャリアを回転軸周りに回動させることから、例えば固定子巻線への通電を制御するインバータ等の高電圧デバイスが過電圧状態となることを防止することができる。
請求項1に記載の発明の電動機によれば、内周側回転子および外周側回転子の周方向に沿って永久磁石が配置されることで、永久磁石による界磁磁束が固定子巻線を鎖交する鎖交磁束量を効率よく増大あるいは低減させることができる。しかも、第1プラネタリギアおよび第2プラネタリギアが、アイドルギアであるサンギアに噛み合うことにより、内周側回転子および外周側回転子の同期運転の実行状態あるいは電動機の停止状態であっても内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を容易に変更することができる。
また、サンギアでの摩擦を低減することができるため、プラネタリキャリアの回転軸周りの回動に対する規制(つまり、所定回動位置での保持)あるいは回動駆動に必要とされる力は、電動機の回転数やトルクの大きさに拘わらずに、永久磁石同士の吸引力あるいは反発力よりも大きいだけでよく、例えばブレーキアクチュエータのように電動機が出力するトルクよりも大きな力を必要とせずに、効率よく位相を制御することができる。
さらに、請求項2に記載の発明の電動機によれば、内周側回転子または外周側回転子の何れか一方が、何れか他方に対して相対的に回転軸周りに回動し、内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を容易かつ適切に変更することができる。
さらに、請求項3に記載の発明の電動機によれば、遊星歯車機構の構成が複雑化することを抑制しつつ、容易かつ適切に内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を変更することができる。
さらに、請求項4に記載の発明の電動機によれば、内周側回転子および外周側回転子とサンギアとの回転方向を同一方向に設定することができ、例えば電動機を駆動源として車両に搭載した場合等において、内周側回転子または外周側回転子に加えてサンギアに電動機の出力軸を接続した場合であっても、変速機等の動力伝達機構が複雑化してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項6に記載の発明の電動機によれば、電動機の状態を、例えば内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態との間で適切に移行させることができる。
さらに、請求項7に記載の発明の電動機によれば、固定子巻線を鎖交する界磁磁束の大きさを連続的に変化させることができ、電動機の誘起電圧定数を適宜の値に連続的に変化させることができる。これにより、電動機の運転可能な回転数およびトルクの値を連続的に変更することができると共に、運転可能な回転数およびトルクの範囲を拡大させることができる。さらに、電動機の運転効率の最大値を増大させ、運転効率が所定効率以上となる高効率領域を拡大させることができる。
さらに、請求項8に記載の発明の電動機によれば、回動手段による規制が解除されると、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士の反発力、あるいは、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士の吸引力によって、内周側回転子と外周側回転子との周方向での相対位置が変化し、電動機の状態が内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態へと向かい変化するようになる。
また、請求項9に記載の発明の電動機の駆動方法によれば、内周側回転子および外周側回転子の同期運転での運転状態あるいは電動機の停止状態に拘わらずに、電動機の状態を内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態から内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に亘る適宜の状態に容易に設定することができる。
さらに、請求項10に記載の発明の電動機の駆動方法によれば、電動機の異常を検知した場合には、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士の反発力、あるいは、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士の吸引力によって、内周側回転子と外周側回転子との周方向での相対位置が変化し、電動機の状態が強め界磁状態へと向かい変化するようになる。これにより、例えば電動機を駆動源として車両に搭載した場合において車両の発進あるいは走行を可能とする所望の出力を確保することができる。
さらに、請求項11に記載の発明の電動機の駆動方法によれば、例えば固定子巻線への通電を制御するインバータ等の高電圧デバイスが過電圧状態となることを防止することができる。
以下、本発明の電動機および電動機の駆動方法の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による電動機10は、例えば図1に示すように、周方向に沿って配置された各永久磁石11a,12aを具備する略円環状の各内周側回転子11および外周側回転子12と、内周側回転子11および外周側回転子12を回転させる回転磁界を発生する複数相の固定子巻線13aを有する固定子13と、内周側回転子11および外周側回転子12に接続された遊星歯車機構14と、遊星歯車機構14により内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を設定するアクチュエータ15とを備えたブラシレスDCモータであって、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、この電動機10の出力軸Pはトランスミッション(図示略)の入力軸に接続され、電動機10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
なお、車両の減速時に駆動輪側から電動機10に駆動力が伝達されると、電動機10は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両においては、この電動機10の回転軸Oが内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されており、内燃機関の出力が電動機10に伝達された場合にも電動機10は発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
内周側回転子11および外周側回転子12は、例えば図1に示すように、互いの回転軸が電動機10の回転軸Oと同軸となるように配置され、略円筒状の各ロータ鉄心21,22と、内周側ロータ鉄心21の外周部で周方向に所定間隔をおいて設けられた複数の内周側磁石装着部23,…,23および外周側ロータ鉄心22の内部で周方向に所定間隔をおいて設けられた複数の外周側磁石装着部24,…,24とを備えている。
そして、周方向で隣り合う内周側磁石装着部23,23間において内周側ロータ鉄心21の外周面21A上には回転軸Oに平行に伸びる凹溝21aが形成されている。
また、周方向で隣り合う外周側磁石装着部24,24間において外周側ロータ鉄心22の外周面22A上には回転軸Oに平行に伸びる凹溝22aが形成されている。
各磁石装着部23および24は、例えば回転軸Oに平行に貫通する各1対の磁石装着孔23a,23aおよび24a,24aを備え、1対の磁石装着孔23a,23aはセンターリブ23bを介して、かつ、1対の磁石装着孔24a,24aはセンターリブ24bを介して、周方向で隣り合うように配置されている。
そして、各磁石装着孔23a,24aは回転軸Oに平行な方向に対する断面が略長方形状に形成され、各磁石装着孔23a,24aには回転軸Oに平行に伸びる略板状の各永久磁石11a,12aが装着されている。
1対の磁石装着孔23a,23aに装着される1対の永久磁石11a,11aは、厚さ方向(つまり各回転子11,12の径方向)に磁化され、互いに磁化方向が同方向となるように設定される。そして、周方向で隣り合う内周側磁石装着部23,23に対して、各1対の磁石装着孔23a,23aおよび23a,23aに装着される各1対の永久磁石11a,11aおよび永久磁石11a,11aは互いに磁化方向が異方向となるように設定される。すなわち外周側がN極とされた1対の永久磁石11a,11aが装着された内周側磁石装着部23には、外周側がS極とされた1対の永久磁石11a,11aが装着された内周側磁石装着部23が、凹溝21aを介して周方向で隣接するようになっている。
同様にして、1対の磁石装着孔24a,24aに装着される1対の永久磁石12a,12aは、厚さ方向(つまり各回転子11,12の径方向)に磁化され、互いに磁化方向が同方向となるように設定される。そして、周方向で隣り合う外周側磁石装着部24,24に対して、各1対の磁石装着孔24a,24aおよび24a,24aに装着される各1対の永久磁石12a,12aおよび永久磁石12a,12aは互いに磁化方向が異方向となるように設定される。すなわち外周側がN極とされた1対の永久磁石12a,12aが装着された外周側磁石装着部24には、外周側がS極とされた1対の永久磁石12a,12aが装着された外周側磁石装着部24が、凹溝22aを介して周方向で隣接するようになっている。
そして、内周側回転子11の各磁石装着部23,…,23と外周側回転子12の各磁石装着部24,…,24とは、さらに、内周側回転子11の各凹溝21a,…,21aと外周側回転子12の各凹溝22a,…,22aとは、各回転子11,12の径方向で互いに対向配置可能となるように配置されている。
これにより、内周側回転子11と外周側回転子12との回転軸O周りの相対位置に応じて、電動機10の状態を、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり、永久磁石11aと永久磁石12aとが対極配置)される弱め界磁状態から、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり、永久磁石11aと永久磁石12aとが同極配置)される強め界磁状態に亘る適宜の状態に設定可能とされている。
また、固定子13は、外周側回転子12の外周部に対向配置される略円筒状に形成され、例えば車両のトランスミッションのハウジング(図示略)等に固定されている。
遊星歯車機構14は、例えば図2に示すように、内周側回転子11よりも内周側の中空部に配置され、外周側回転子12と同軸かつ一体に形成された第1リングギア(R1)31と、内周側回転子11と同軸かつ一体に形成された第2リングギア(R2)32と、第1リングギア(R1)31に噛み合う単列の第1プラネタリギア列33と、第2リングギア(R2)32に噛み合う単列の第2プラネタリギア列34と、第1プラネタリギア列33および第2プラネタリギア列34に噛み合うアイドルギアであるサンギア(S)35と、第1プラネタリギア列33または第2プラネタリギア列34の何れか一方、例えば第1プラネタリギア列33を構成する複数の第1プラネタリギア33a,…,33aを各第1プラネタリ回転軸P1,…,P1周りに回転可能に支持すると共に、回転軸O周りに回動可能とされた第1プラネタリキャリア(C1)36と、第1プラネタリギア列33または第2プラネタリギア列34の何れか他方、例えば第2プラネタリギア列34を構成する複数の第2プラネタリギア34a,…,34aを各第2プラネタリ回転軸P2,…,P2周りに回転可能に支持すると共に、固定子13に固定された第2プラネタリキャリア(C2)37とを備えて構成されている。
すなわち、この遊星歯車機構14は、各単列の第1プラネタリギア列33および第2プラネタリギア列34を備えるシングルピニオン式の遊星歯車機構である。
この遊星歯車機構14では、内周側回転子11の外径は、外周側回転子12の内径よりも小さく形成され、内周側回転子11は外周側回転子12よりも内周側の中空部に配置されている。そして、第1リングギア(R1)31および第2リングギア(R2)32の各外径は、内周側回転子11の内径よりも小さく形成され、回転軸Oに平行な方向に沿って隣り合うようにして同軸に配置された第1リングギア(R1)31および第2リングギア(R2)32は内周側回転子11よりも内周側の中空部に配置されている。
そして、第2リングギア(R2)32の配置位置に対して、回転軸Oに平行な方向での一方側にずれた位置に配置された第1リングギア(R1)31は、軸受けにより回転可能に支持されると共に一方側に向かい延びる回転軸Oに接続されている。
そして、第1プラネタリキャリア(C1)36は、第1リングギア(R1)31に噛み合う第1プラネタリギア列33の配置位置に対して、回転軸Oに平行な方向での一方側にずれた位置に配置され、中空に形成されたサンギア(S)35の回転軸PSの中空部に回転可能に挿通されると共に他方側に向かい延びる回転軸PCに接続されている。
また、第2プラネタリキャリア(C2)37は、第2リングギア(R2)32に噛み合う第2プラネタリギア列34の配置位置に対して、回転軸Oに平行な方向での他方側にずれた位置に配置されている。
この遊星歯車機構14では、第1リングギア(R1)31と第2リングギア(R2)32とは略同等のギア形状とされ、かつ、第1プラネタリギア列33を構成する各複数の第1プラネタリギア33a,…,33aと、第2プラネタリギア列34を構成する各複数の第2プラネタリギア34a,…,34aとは略同等のギア形状とされており、サンギア(S)35の回転軸PSは電動機10の回転軸Oと同軸に配置されると共に軸受けにより回転可能に支持されている。これにより、第1プラネタリギア列33と第2プラネタリギア列34とは、アイドルギアであるサンギア(S)35に噛み合うことにより、内周側回転子11と外周側回転子12とを同期回転させるようになっている。
さらに、第1プラネタリキャリア(C1)36の回転軸PCは電動機10の回転軸Oと同軸に配置されると共にアクチュエータ15に接続されており、第2プラネタリキャリア(C2)37は固定子13に固定されている。
そして、アクチュエータ15は、例えば外部の制御装置等から入力される制御指令に応じて制御され、流体エネルギーを回転運動に変換する油圧ポンプ15a等を備え、回転軸O周りの第1プラネタリキャリア(C1)36の回動を規制(つまり、所定回動位置で第1プラネタリキャリア(C1)36を保持)したり、あるいは、進角動作または遅角動作によって第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りの正転方向または逆転方向に所定回動量だけ回動させる。これにより、アクチュエータ15によって第1プラネタリキャリア(C1)36が回転軸O周りに回動させられると、電動機10の運転状態あるいは停止状態に拘わらずに、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相が変化するようになっている。
例えば図3に示すサンギア(S)35の回転状態のように、回転軸O周りの回転に対する第2プラネタリキャリア(C2)37の速度は、アクチュエータ15の作動状態に拘わらずにゼロである。このため、第2リングギア(R2)32および内周側回転子11は、例えば逆転方向に適宜の速度で回転するサンギア(S)35に対して、第2リングギア(R2)32に対するサンギア(S)35のギア比(つまり、増速比)g2に応じた速度で正転方向に回転することになる。
そして、アクチュエータ15の非作動状態においては、回転軸O周りの回転に対する第1プラネタリキャリア(C1)36の速度はゼロである。このため、第1リングギア(R1)31および外周側回転子12は、例えば逆転方向に適宜の速度で回転するサンギア(S)35に対して、第1リングギア(R1)31に対するサンギア(S)35のギア比(つまり、増速比)g1に応じた速度で正転方向に回転することになる。ここで、ギア比g1とギア比g2とは略同等(g1≒g2)であることから、内周側回転子11と外周側回転子12とは同期回転となり、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相は変化せずに維持されることになる。
一方、アクチュエータ15の作動状態(つまり進角動作または遅角動作の実行状態)においては、回転軸O周りの回転に対する第1プラネタリキャリア(C1)36の速度はゼロ以外の値であって、正転方向または逆転方向に対する適宜の正値または負値となる。このため、第1リングギア(R1)31および外周側回転子12は、例えば逆転方向に適宜の速度で回転するサンギア(S)35に対して、第1リングギア(R1)31に対するサンギア(S)35のギア比(つまり、増速比)g1に応じた速度よりも速い速度または遅い速度で正転方向に回転することになる。ここで、ギア比g1とギア比g2とは略同等(g1≒g2)であることから、外周側回転子12は内周側回転子11に比べて増速または減速され、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相が変化することになる。
そして、アクチュエータ15は、第1リングギア(R1)31に対するサンギア(S)35のギア比(つまり、増速比)g1と、電動機10の極対数Pとに対し、少なくとも、機械角θ(°)=(180/)×g1/(1+g1)だけ第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りの正転方向または逆転方向に回動可能とされている。
これにより、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相は、少なくとも電気角の180°だけ進角側または遅角側に変化可能となり、電動機10の状態は、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり、永久磁石11aと永久磁石12aとが対極配置)される弱め界磁状態と、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり、永久磁石11aと永久磁石12aとが同極配置)される強め界磁状態との間の適宜の状態に設定可能となる。
なお、例えば図4(a)に示すように内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとが同極配置とされる強め界磁状態と、例えば図4(b)に示すように内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとが対極配置とされる弱め界磁状態とにおいては、例えば図5に示すように、誘起電圧の大きさが変化することから、電動機10の状態を強め界磁状態と弱め界磁状態との間で変化させることにより誘起電圧定数Keが変更されることになる。
この誘起電圧定数Keは、例えば各回転子11,12の回転により固定子巻線13aの巻線端に誘起される誘起電圧の回転数比であって、さらに、極対数と、モータ外径Rと、モータ積厚Lと、磁束密度Bと、ターン数Tとの積により、
Ke=8××R×L×B×T×π
として記述可能である。これにより、電動機10の状態を強め界磁状態と弱め界磁状態との間で変化させることにより、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとによる界磁磁束の磁束密度Bの大きさが変化し、誘起電圧定数Keが変更されることになる。
ここで、例えば図6(a)に示すように、電動機10のトルクは誘起電圧定数Keと固定子巻線13aに通電される電流との積に比例(トルク∝(Ke×電流))する。
また、例えば図6(b)に示すように、電動機10の界磁弱め損失は誘起電圧定数Keと回転数との積に比例(界磁弱め損失∝(Ke×回転数))することから、電動機10の許容回転数は誘起電圧定数Keと回転数との積の逆数に比例(許容回転数∝(1/(Ke×回転数)))する。
つまり、例えば図7に示すように、誘起電圧定数Keが相対的に大きい電動機10では、運転可能な回転数は相対的に低下するものの、相対的に大きなトルクを出力可能となり、一方、誘起電圧定数Keが相対的に小さい電動機10では、出力可能なトルクは相対的に低下するものの、相対的に高い回転数まで運転可能となり、誘起電圧定数Keに応じてトルクおよび回転数に対する運転可能領域が変化する。
このため、例えば図8(a)に示す実施例のように、電動機10の回転数が増大することに伴い誘起電圧定数Keが低下傾向に変化(例えば、順次、A、B(<A)、C(<B)へと変化)するように設定することにより、誘起電圧定数Keを変化させない場合(例えば、第1〜第3比較例)に比べて、トルクおよび回転数に対する運転可能領域が拡大する。
また、電動機10の出力は、誘起電圧定数Keと固定子巻線13aに通電される電流と回転数との積から界磁弱め損失および他の損失を減算して得た値に比例(出力∝(Ke×電流×回転数−界磁弱め損失−他の損失))する。つまり、例えば図8(b)に示すように、誘起電圧定数Keが相対的に大きい電動機10では、運転可能な回転数は相対的に低下するものの、相対的に低い回転数領域での出力が増大し、一方、誘起電圧定数Keが相対的に小さい電動機10では、相対的に低い回転数領域での出力が低下するものの、相対的に高い回転数まで運転可能になると共に相対的に高い回転数での出力が増大し、誘起電圧定数Keに応じて出力および回転数に対する運転可能領域が変化する。このため、電動機10の回転数が増大することに伴い誘起電圧定数Keが低下傾向に変化(例えば、順次、A、B(<A)、C(<B)へと変化)するように設定することにより、誘起電圧定数Keを変化させない場合(例えば、第1〜第3比較例)に比べて、出力および回転数に対する運転可能領域が拡大する。
また、電動機10の効率は、固定子巻線13aに対する入力電力から銅損および界磁弱め損失および他の損失を減算して得た値を入力電力で除算して得た値に比例(効率∝((入力電力−銅損−界磁弱め損失−他の損失)/入力電力))する。
このため、相対的に低い回転数領域から中回転数領域においては、相対的に大きな誘起電圧定数Keを選択することにより、所望のトルクを出力させるために必要とされる電流が低減し、銅損が低減する。
そして、中回転数領域から相対的に高い回転数領域においては、相対的に小さな誘起電圧定数Keを選択することにより、界磁弱め電流が低減し、界磁弱め損失が低減する。
これにより、例えば図9(a)に示す実施例のように、電動機10の回転数が増大することに伴い誘起電圧定数Keが低下傾向に変化するように設定することにより、誘起電圧定数Keを変化させない場合(例えば、図9(b)に示す第2比較例)に比べて、回転数および回転数に対する運転可能領域が拡大すると共に、電動機10の効率が所定効率以上となる高効率領域Eが拡大し、さらに、到達可能な最高効率の値が増大する。
なお、アクチュエータ15は、回転軸O周りの第1プラネタリキャリア(C1)36の回動に対する規制を解除可能であって、例えば電動機10の異常が検知された場合等において、第1プラネタリキャリア(C1)36の回動に対する規制を解除し、第1プラネタリキャリア(C1)36の回転軸O周りの回転を許容する。
つまり、アクチュエータ15による第1プラネタリキャリア(C1)36の回動に対する規制が解除されると、第1プラネタリキャリア(C1)36は回転軸O周りに自由に回動可能となる。そして、この状態では、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士の反発力、あるいは、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士の吸引力によって、内周側回転子11と外周側回転子12との周方向での相対位置が変化し、電動機10の状態は、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり、永久磁石11aと永久磁石12aとが同極配置)される強め界磁状態へと向かい変化する。
また、アクチュエータ15は、例えば外部の制御装置等から出力される弱め界磁制御の実行指示を検知した場合に、電動機10の状態が、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり、永久磁石11aと永久磁石12aとが対極配置)される弱め界磁状態に向かい変化するようにして、第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りに回動させる。
本実施の形態による電動機10は上記構成を備えており、次に、電動機10の駆動方法について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、例えば図10に示すステップS01においては、電動機10の異常が検知されたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS03に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
そして、ステップS02においては、アクチュエータ15による第1プラネタリキャリア(C1)36の回動に対する規制を解除し、第1プラネタリキャリア(C1)36の回転軸O周りの自由な回転を許容し、一連の処理を終了する。
また、ステップS03においては、例えば回転センサ等により検出される内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相(電気角α:edeg)を取得する。
次に、ステップS04においては、取得した電気角αを、電動機10の極対数に応じて機械角β(=α/)に変換する。
次に、ステップS05においては、機械角βと、第1リングギア(R1)31に対するサンギア(S)35のギア比g1とに応じて、第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りに回動させる際の回動量γ(=β×g1/(1+g1))を算出する。
そして、ステップS06においては、アクチュエータ15により第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りに回動量γだけ回動させ、一連の処理を終了する。
上述したように、本実施の形態による電動機10によれば、先ず、内周側回転子11および外周側回転子12には周方向に沿って各永久磁石11a,12aが配置され、各永久磁石11a,12aは各回転子11,12の径方向で互いに対向配置可能となるように設定されていることにより、各永久磁石11a,12aの磁束が周辺の磁気回路(例えば、各ロータ鉄心21,22等)に放射されてしまうことを防止することができる。これにより、鉄損の発生を抑制し、例えば外周側回転子12の永久磁石12aによる界磁磁束が固定子巻線13aを鎖交する鎖交磁束量を、内周側回転子11の永久磁石11aによる界磁磁束によって効率よく増大あるいは低減させることができる。そして、界磁強め状態では、電動機10のトルク定数(つまり、トルク/相電流)を相対的に高い値に設定することができ、電動機10の運転時の電流損失を増大すること無しに、または、固定子巻線13aへの通電を制御するインバータ(図示略)の出力電流の最大値を変更すること無しに、電動機10が出力する最大トルク値を増大させることができる。
しかも、第1プラネタリギア列33を構成する複数の第1プラネタリギア33a,…,33aおよび第2プラネタリギア列34を構成する複数の第2プラネタリギア34a,…,34aは、各プラネタリ回転軸P1,P2周りに回転可能とされつつ、アイドルギアであるサンギア(S)35に噛み合うことにより、内周側回転子11および外周側回転子12の同期運転の実行状態あるいは電動機10の停止状態であっても内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を容易に変更することができる。
また、サンギア(S)35での摩擦を低減することができるため、第1プラネタリキャリア(C1)36の回転軸O周りの回動に対する規制(つまり、所定回動位置での保持)あるいは回動駆動に必要とされる力は、電動機10の回転数やトルクの大きさに拘わらずに、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12a同士の吸引力あるいは反発力よりも大きいだけでよく、例えばブレーキアクチュエータのように電動機10が出力するトルクよりも大きな力を必要とせずに、効率よく位相を制御することができる。
しかも、アクチュエータ15は外部からの電力供給を必要とせずに第1プラネタリキャリア(C1)36を回動させることができ、電動機10の運転効率が低下してしまうことを防止することができる。
また、第1プラネタリギア列33を支持する第1プラネタリキャリア(C1)36が回転軸O周りに回動する際の所定回動量が、少なくとも機械角θ(°)=(180/)×g/(1+g1)に設定されることで、電動機10の状態を、例えば内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとが同極配置)される強め界磁状態と、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとが対極配置)される弱め界磁状態との間で適切に移行させることができる。
しかも、固定子巻線13aを鎖交する界磁磁束の大きさを連続的に変化させることができ、電動機10の誘起電圧定数Keを適宜の値に連続的に変化させることができる。これにより、電動機10の運転可能な回転数およびトルクの値を連続的に変更することができると共に、運転可能な回転数およびトルクの範囲を拡大させることができる。さらに、電動機10の運転効率の最大値を増大させ、運転効率が所定効率以上となる高効率領域を拡大させることができる。
また、例えば電動機10の回転数および電源電圧等の状態量に応じて弱め界磁制御の実行指示が外部の制御装置等から出力された場合に、電動機10の状態が内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態に向かい変化するようにして、第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りに回動させることから、例えば固定子巻線13aへの通電を制御するインバータ等の高電圧デバイスが過電圧状態となることを防止することができる。
また、外周側回転子12において、周方向で隣り合う外周側磁石装着部24,24間の外周側ロータ鉄心22の外周面22A上に回転軸Oに平行に伸びる凹溝22aを設けたことにより、互いに対向配置の関係に無い内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの磁極同士間で磁路短絡が発生することを抑制することができる。
また、本実施の形態による電動機10の駆動方法によれば、内周側回転子11および外周側回転子12の同期運転での運転状態あるいは電動機10の停止状態に拘わらずに、電動機10の状態を内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態から内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に亘る適宜の状態に容易に設定することができる。
しかも、電動機10の異常が検知された場合等において、第1プラネタリキャリア(C1)36はアクチュエータ15による回転軸O周りの回動に対する規制が解除されて回転軸O周りに自由に回動可能となる。これにより、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの同極の磁極同士の反発力、あるいは、内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士の吸引力によって、内周側回転子11と外周側回転子12との周方向での相対位置が変化し、電動機10の状態が内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態へと向かい変化するようになる。
これにより、例えば電動機10を駆動源として車両に搭載した場合においては、電動機10の異常状態に拘わらずに、車両の発進あるいは走行を可能とする所望の出力を確保することができる。
なお、上述した実施の形態においては、遊星歯車機構14はシングルピニオン式の遊星歯車機構であるとしたが、これに限定されず、例えば図11に示す上述した実施の形態の変形例に係る電動機50のように、遊星歯車機構14はダブルピニオン式の遊星歯車機構であってもよい。
この変形例に係る電動機50において、上述した実施の形態に係る電動機10と異なる点は、第1リングギア(R1)31とサンギア(S)35との間に互いに噛み合う2列の第1プラネタリギア列51,52が配置され、第2リングギア(R2)32とサンギア(S)35との間に互いに噛み合う2列の第2プラネタリギア列53,54が配置されている点である。
すなわち、互いに噛み合う2列の第1プラネタリギア列51,52のうち、一方の第1プラネタリギア列51は第1リングギア(R1)31に噛み合い、他方の第1プラネタリギア列52はサンギア(S)35に噛み合っている。
また、互いに噛み合う2列の第2プラネタリギア列53,54のうち、一方の第2プラネタリギア列53は第2リングギア(R2)32に噛み合い、他方の第2プラネタリギア列54はサンギア(S)35に噛み合っている。
そして、第1プラネタリキャリア(C1)36は、一方の第1プラネタリギア列51を構成する複数の第1プラネタリギア51a,…,51aを各第1プラネタリ回転軸P1a,…,P1a周りに回転可能に支持すると共に、他方の第1プラネタリギア列52を構成する複数の第1プラネタリギア52a,…,52aを各第1プラネタリ回転軸P1b,…,P1b周りに回転可能に支持し、さらに、回転軸O周りに回動可能とされている。
また、第2プラネタリキャリア(C2)37は、一方の第2プラネタリギア列53を構成する複数の第2プラネタリギア53a,…,53aを各第2プラネタリ回転軸P2a,…,P2a周りに回転可能に支持すると共に、他方の第2プラネタリギア列54を構成する複数の第2プラネタリギア54a,…,54aを各第2プラネタリ回転軸P2b,…,P2b周りに回転可能に支持し、さらに、固定子13に固定されている。
そして、各プラネタリギア51a,52a,53a,54aは略同等のギア形状とされている。
そして、この変形例に係る電動機50では、各2列の第1プラネタリギア列51,52および第2プラネタリギア列53,54を備えることにより、例えば図12に示すサンギア(S)35の回転状態のように、サンギア(S)35と、内周側回転子11および外周側回転子12とは、互いに同じ方向に回転することになる。
この変形例に係る電動機50によれば、内周側回転子11および外周側回転子12とサンギア(S)35との回転方向を同一方向に設定することができ、例えば電動機10を駆動源として車両に搭載した場合等において、内周側回転子11または外周側回転子12に加えてサンギア(S)35に電動機10の出力軸を接続した場合であっても、変速機等の動力伝達機構が複雑化してしまうことを防止することができる。
しかも、第1プラネタリキャリア(C1)36の回動量に比べて外周側回転子12の回動量が小さくなることから、外周側回転子12の回動量を制御する際の分解能を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、第1プラネタリキャリア(C1)36を回転軸O周りに回動可能とし、第2プラネタリキャリア(C2)37を固定子13に固定したが、これに限定されず、例えば第2プラネタリキャリア(C2)37を回転軸O周りに回動可能とし、第1プラネタリキャリア(C1)36を固定子13に固定してもよい。
なお、上述した実施の形態においては、周方向で隣り合う外周側磁石装着部24,24間において外周側ロータ鉄心22の外周面22A上に回転軸Oに平行に伸びる凹溝22aを設けるとしたが、これに限定されず、例えば周方向で隣り合う外周側磁石装着部24,24間において外周側ロータ鉄心22の内周面22B上に回転軸Oに平行に伸びる凹溝22bを形成してもよい。これにより、互いに対向配置の関係に無い内周側回転子11の永久磁石11aと外周側回転子12の永久磁石12aとの磁極同士間で磁路短絡が発生することを、より一層、抑制することができる。
なお、上述した実施の形態においては、アクチュエータ15は油圧ポンプ15aを備えるとしたが、これに限定されず、例えば電動モータ等を備えてもよい。
本発明の一実施形態に係る電動機の内周側回転子および外周側回転子と固定子とを示す要部断面図である。 本発明の一実施形態に係る電動機の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る遊星歯車機構の速度線図である。 図4(a)は内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図であり、図4(b)は内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが対極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図である。 図4に示す強め界磁状態と弱め界磁状態とにおける誘起電圧を示すグラフ図である。 図6(a)は誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の電流とトルクとの関係を示すグラフ図であり、図6(b)は誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数と界磁弱め損失との関係を示すグラフ図である。 誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数とトルクとに対する運転可能領域を示す図である。 図8(a)は誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数とトルクとの関係を示すグラフ図であり、図8(b)は誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数と出力との関係を示すグラフ図である。 図9(a)は実施例において誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数とトルクとに対する運転可能領域および効率の分布を示す図であり、図9(b)は第2比較例において誘起電圧定数Keに応じて変化する電動機の回転数とトルクとに対する運転可能領域および効率の分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電動機の駆動方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例に係る電動機の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態の変形例に係る遊星歯車機構の速度線図である。
符号の説明
10 電動機
11 内周側回転子
11a 永久磁石
12 外周側回転子
12a 永久磁石
15 アクチュエータ(回動手段、解除手段)
31 第1リングギア(R1)
32 第2リングギア(R2)
33,51,52 第1プラネタリギア列(第1プラネタリギア)
34,53,54 第2プラネタリギア列(第2プラネタリギア)
36 第1プラネタリキャリア(C1)(プラネタリキャリア)
37 第2プラネタリキャリア(C2)

Claims (11)

  1. 周方向に沿って配置された永久磁石を具備する略円環状の内周側回転子および外周側回転子の互いの回転軸が同軸に配置された電動機であって、
    前記外周側回転子と同軸かつ一体に形成された第1リングギアと、前記内周側回転子と同軸かつ一体に形成された第2リングギアと、前記第1リングギアに噛み合う第1プラネタリギアと、前記第2リングギアに噛み合う第2プラネタリギアと、前記第1プラネタリギアおよび前記第2プラネタリギアに噛み合う中空のサンギアと、前記第1プラネタリギア回転可能に支持すると共に前記回転軸周りに回動可能とされたプラネタリキャリアとを具備する遊星歯車機構を、前記内周側回転子よりも内周側の中空部に備え、
    前記第1リングギアは、前記電動機の軸方向一方側へ延出される出力回転軸と一体に構成され、
    前記プラネタリキャリアから前記電動機の軸方向他方側へ延出されるプラネタリキャリア回転軸に接続され、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに所定回動量だけ回動させることにより、前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更する回動手段を備えることを特徴とする電動機。
  2. 前記第2プラネタリギアを回転可能に支持する第2プラネタリキャリアを備え、
    該第2プラネタリキャリアは固定子に固定されてなることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 各前記第1プラネタリギアおよび前記第2プラネタリギアは、各単列の歯車からなり、前記遊星歯車機構はシングルピニオン式の遊星歯車機構であることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  4. 各前記第1プラネタリギアおよび前記第2プラネタリギアは、互いに噛み合う各2列の歯車からなり、前記遊星歯車機構はダブルピニオン式の遊星歯車機構であることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  5. 前記回動手段は、油圧あるいは電動により前記プラネタリキャリアを回動させる又は回動を規制するアクチュエータであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかひとつに記載の電動機。
  6. 前記所定回動量は、電動機の極対数Pと、前記第1リングギアまたは前記第2リングギアの何れか一方に対する前記サンギアのギア比gとに基づく機械角θ(°)=(180/)×g/(1+g)であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかひとつに記載の電動機。
  7. 前記回動手段による前記プラネタリキャリアの回動により、電動機の状態は前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態から前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に亘る適宜の状態に設定されることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかひとつに記載の電動機。
  8. 前記回転軸周りの前記プラネタリキャリアの回動に対する前記回動手段による規制を解除し、電動機の状態が前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に到るまで、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに回動可能とする解除手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかひとつに記載の電動機。
  9. 請求項1に記載の電動機の駆動方法であって、
    前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な電気角での位相を検知し、
    前記電気角での位相を機械角での位相に変換し、
    前記機械角での位相から前記所定回動量を算出し、
    前記回動手段により前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに前記所定回動量だけ回動させることを特徴とする電動機の駆動方法。
  10. 電動機の異常を検知した場合に前記回転軸周りの前記プラネタリキャリアの回動に対する前記回動手段による規制を解除し、電動機の状態が前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態に到達するまで、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに回動可能とすることを特徴とする請求項9に記載の電動機の駆動方法。
  11. 弱め界磁制御の実行指示を検知した場合に、電動機の状態が前記内周側回転子の永久磁石と前記外周側回転子の永久磁石との同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態に向かい変化するようにして、前記プラネタリキャリアを前記回転軸周りに回動させることを特徴とする請求項10に記載の電動機の駆動方法。

JP2005348981A 2005-12-02 2005-12-02 電動機および電動機の駆動方法 Expired - Fee Related JP4260799B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005348981A JP4260799B2 (ja) 2005-12-02 2005-12-02 電動機および電動機の駆動方法
US11/604,329 US7626298B2 (en) 2005-12-02 2006-11-27 Electric motor and method of driving the same
DE602006000650T DE602006000650T2 (de) 2005-12-02 2006-11-28 Elektromotor und Verfahren zu ihrer Ansteuerung
EP06024660A EP1806827B1 (en) 2005-12-02 2006-11-28 Electric motor and method of driving the same
CNB200610163707XA CN100539358C (zh) 2005-12-02 2006-11-30 电动机及其驱动方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005348981A JP4260799B2 (ja) 2005-12-02 2005-12-02 電動機および電動機の駆動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007159219A JP2007159219A (ja) 2007-06-21
JP4260799B2 true JP4260799B2 (ja) 2009-04-30

Family

ID=37698170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005348981A Expired - Fee Related JP4260799B2 (ja) 2005-12-02 2005-12-02 電動機および電動機の駆動方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7626298B2 (ja)
EP (1) EP1806827B1 (ja)
JP (1) JP4260799B2 (ja)
CN (1) CN100539358C (ja)
DE (1) DE602006000650T2 (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101121271B1 (ko) * 2007-02-06 2012-03-26 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 전동기, 로터 구조 및 자기 기계
WO2009013934A1 (ja) * 2007-07-26 2009-01-29 Kura Laboratory Corporation 磁束分流制御回転電機システム
WO2009025110A1 (ja) * 2007-08-17 2009-02-26 Kura Laboratory Corporation 磁束分流制御回転電機システム
JP5124867B2 (ja) * 2007-09-04 2013-01-23 本田技研工業株式会社 電動機のロータ間位相差変更システムおよび車両
CN101451596B (zh) * 2007-12-04 2012-01-11 艾晓林 双模式机电无级变速器
US10077823B2 (en) 2007-12-04 2018-09-18 Xiaolin Ai Multimode electromechanical variable speed transmission apparatus and method of control
EP2072320A1 (en) * 2007-12-18 2009-06-24 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO A method of operating an electromechnical converter, a controller and a computer program product
JP4556076B2 (ja) 2008-04-22 2010-10-06 本田技研工業株式会社 電動機の制御装置
JP4759589B2 (ja) * 2008-04-24 2011-08-31 本田技研工業株式会社 動力装置
US8264177B2 (en) * 2008-05-06 2012-09-11 Millennial Research Corporation Apparatus and system for efficiently controlling a hub motor
DE102008040495A1 (de) * 2008-07-17 2010-01-21 Zf Friedrichshafen Ag Rotorträger einer elektrischen Maschine eines Hybridantriebsstrangs eines Kraftfahrzeugs
US8142318B2 (en) * 2008-08-13 2012-03-27 Palmer Denis L Apparatus, system, and method for a variable ratio transmission
JP4649625B1 (ja) 2009-10-13 2011-03-16 有限会社クラ技術研究所 磁束量可変回転電機システム
JP2014502489A (ja) 2010-11-09 2014-01-30 ノヴィコフ,アラム マルチコア電動機
US8944951B2 (en) * 2011-02-24 2015-02-03 Tai-Her Yang Dual-drive electric machine having controllable planetary gear set (1)
US8900082B2 (en) * 2011-02-24 2014-12-02 Tai-Her Yang Dual-drive electric machine having controllable planetary gear set (3)
JP5621794B2 (ja) * 2012-01-30 2014-11-12 株式会社デンソー 磁気変調式複軸モータ
CA2822275C (en) * 2012-07-30 2020-07-14 Mcmaster University Electro-mechanical double-rotor compound hybrid transmission
US8834311B1 (en) * 2013-03-07 2014-09-16 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Concentric electric servomotor/gearbox drive
WO2015159334A1 (ja) * 2014-04-14 2015-10-22 株式会社安川電機 回転電機
WO2015186442A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 市山義和 磁石励磁回転電機システム
US9482330B1 (en) * 2015-05-12 2016-11-01 GM Global Technology Operations LLC Hybrid transmission
CN105024509B (zh) * 2015-07-29 2018-02-27 江苏大学 四轮驱动电动汽车的双转子轮毂电机及其动力传递方法
TWI636208B (zh) * 2016-12-05 2018-09-21 行安機電股份有限公司 馬達減速機
JP6587674B2 (ja) * 2017-12-27 2019-10-09 本田技研工業株式会社 電動機用減速装置
EP3700068A1 (de) * 2019-02-22 2020-08-26 Siemens Aktiengesellschaft Elektrische maschine
GB2597719A (en) * 2020-07-30 2022-02-09 Safran Electrical & Power Motor for Aircraft
CN112366910B (zh) * 2020-11-18 2021-11-09 江西力玛机电科技有限公司 一种可机械调速的稀土永磁电机
US11673463B2 (en) * 2021-01-07 2023-06-13 Dana Heavy Vehicle Systems Group, Llc Electric motor system
US11851196B2 (en) 2021-04-06 2023-12-26 Hamilton Sundstrand Corporation Aircraft electric motor
US11646633B2 (en) 2021-04-06 2023-05-09 Hamilton Sundstrand Corporation Aircraft electric motor
US11811268B2 (en) 2021-04-06 2023-11-07 Hamilton Sundstrand Corporation Aircraft electric motor

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2051496B (en) 1979-05-15 1983-08-24 Lucas Industries Ltd Rotary electrical machine
US5382854A (en) * 1992-07-29 1995-01-17 Kabushikikaisha Equos Research Electrical motor drive apparatus with planetary gearing
JPH0648192A (ja) 1992-07-29 1994-02-22 Aqueous Res:Kk モータ駆動装置
JP3538958B2 (ja) 1995-04-19 2004-06-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電気自動車用駆動装置
JP3456159B2 (ja) * 1999-01-29 2003-10-14 三菱自動車工業株式会社 ハイブリッド車
JP4013448B2 (ja) 2000-05-01 2007-11-28 株式会社デンソー 2ロータ型同期機
US6563246B1 (en) * 1999-10-14 2003-05-13 Denso Corporation Rotary electric machine for electric vehicle
JP4666806B2 (ja) 2000-11-01 2011-04-06 信越化学工業株式会社 永久磁石型回転電動機
FR2831345A1 (fr) 2001-10-24 2003-04-25 Renault Machine electrique a defluxage mecanique
JP4225001B2 (ja) 2002-08-09 2009-02-18 株式会社エクォス・リサーチ 電動機
DE10250382A1 (de) 2002-10-29 2004-05-19 Siemens Ag Drehstrom-Asynchrongenerator
JP2004312845A (ja) * 2003-04-04 2004-11-04 Nissan Motor Co Ltd モータ用ステータ
JP4039997B2 (ja) 2003-08-29 2008-01-30 日本サーボ株式会社 回転子支持軸と一体の出力軸を有する減速機付永久磁石ステッピングモータ
JP2005186667A (ja) 2003-12-24 2005-07-14 Ntn Corp 電動式車輪駆動装置
DE102004019463A1 (de) 2004-04-15 2005-11-10 Keiper Gmbh & Co.Kg Antriebseinheit für einen Fahrzeugsitz

Also Published As

Publication number Publication date
US20070129198A1 (en) 2007-06-07
US7626298B2 (en) 2009-12-01
CN100539358C (zh) 2009-09-09
DE602006000650D1 (de) 2008-04-17
DE602006000650T2 (de) 2009-04-02
JP2007159219A (ja) 2007-06-21
EP1806827A1 (en) 2007-07-11
CN1976172A (zh) 2007-06-06
EP1806827B1 (en) 2008-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4260799B2 (ja) 電動機および電動機の駆動方法
US8339010B2 (en) Dual rotor electric machine having a field-controlling rotor
JP5460566B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機
WO2013018394A1 (ja) ハブベアリング、減速機構およびインホイールモータ
JP2007244027A (ja) 回転電機
US9077227B2 (en) Electric motor assembly with electric phasing of rotor segments to reduce back electromotive force
US20120264554A1 (en) Electric motor assembly with movable rotor segments to reduce back electromotive force
JP4762866B2 (ja) アキシャルギャップ型モータ
JP4890056B2 (ja) 電動機
EP1835600A2 (en) Motor/generator
WO2015100630A1 (zh) 具有行星电机的轮毂驱动装置及采用该轮毂驱动装置的车轮动力系统
WO2015186442A1 (ja) 磁石励磁回転電機システム
JP2007267453A (ja) 電動機
WO2013056458A1 (zh) 电动机
JP4896546B2 (ja) 電動機を具備する車両
JP5638923B2 (ja) 永久磁石を用いた回転装置
JP4213171B2 (ja) 電動機
JP5085875B2 (ja) 電動機
JP4007375B2 (ja) 回転電機
JP5114135B2 (ja) アキシャルギャップ型モータ
JP2007244063A (ja) 電動機
JP2019173772A (ja) 回転電機装置及びこれを備えた車両
JP2008125195A (ja) 電動モータおよびハイブリット車両
JP2007259636A (ja) 電動機
JP6888523B2 (ja) 車両用動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees