JP2004357489A - 単方向着磁の永久磁石モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転子に永久磁石を埋込、直方体状の永久磁石を利用し、スリットを設け、磁束の流れる方向と強さを調整し、半径方向力を発生し、トルクを発生し、固定子歯には変位検出用のサーチコイルを設け、あるいは、コイルエンドの鉄心間に変位検出用のセンサを設け、フィードバックにより磁気浮上して主軸を支持し、さらに、たわみ軸に対してダンピング力を発生するベアリングレスモータ。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトルクと半径方向力を1つの電磁機械にて発生するベアリングレス回転機の構成方法に関する。ベアリングレス回転機については、既に、多数の文献があり、例えば、電気学会の解説
深尾正、千葉明「ベアリングレスモータ」電気学会誌解説vol.117 no.9pp.612−615 1997 8月
がある。一般化理論については、
Akira Chiba,Tazumi Deido,Tadashi Fukao and M.A.Rahman,”An Analysis of Bearingless ac Motors”,IEEE Transaction on Energy Conversion,vol.9,no.1,March,1994,pp.61−68
に多くの電動機、発電機に応用可能な基礎理論であることが提案されている。さらに、永久磁石機では、
大島正英、宮澤悟、泥堂多積、千葉明、中村福三、深尾正「永久磁石形ベアリングレスモータの解析と基礎特性」電気学会論文誌vol.115−D,no.9,pp.1131−1139,1995、
また、シンクロナスリラクタンス機では、
市川修、道岡力、千葉明、深尾正「ベアリングレスリラクタンスモータの半径方向力の解析と軸位置制御装置の構成」電気学会論文誌vol.117−D pp.1123−11311997 9月(電気学会論文賞受賞)
などがある。
本国の特許では「半径方向回転体位置制御巻線付き電磁回転機械及び半径方向回転体位置制御装置」特願平1−9375、特許番号2835522において基本的な構想が提示されている。
【0002】
【従来の技術】
ベアリングレスモータの中でも、ホモポーラ型、ハイブリッド型、コンシクエント型などは直流磁界により半径方向力を発生することが出来、回転子の回転角度位置に依存しない特長がある。これらは特願平8−51959、特願平8−292042 特願平8−307994などに基本的な発明が記載されている。特に、コンシクエントポール形ベアリングレスモータは、軸方向に発生する磁界が不要であるため磁気回路の設計が容易である。コンシクエントポール形モータの回転子の構造としては、回転子の突極間に永久磁石を貼り付けた形式、その永久磁石の端部に非磁性体、あるいはスリットを構成したもの、永久磁石のギャップ側に鉄のカバーをかぶせたものなどが提案されている。
【0003】
しかし、コンシクエントポール形永久磁石モータのコストダウンを実現し、また、トルク、半径方向力を向上する回転子構造についてはさらなる発明が必要である。また、多極化することによりトルク、半径方向力を向上する回転子、固定子形状、センサレス化するためのコイルの配置、あるいはセンサを省スペースで取り付ける構成などは報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
コンシクエントポール形永久磁石モータの回転子形状を工夫してトルクと半径方向力を向上し、コストダウンをはかる。また、固定子の形状、サーチコイルの配置、センサの配置を工夫して、半径方向力、トルクを向上し、コストダウンをはかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決する手段としては、(1)複数の巻線を巻回した固定子と、固定子の内側に複数の極を形成する回転子をもち、回転子は空隙を経て固定子と対峙し、回転子の極は永久磁石を主体とした極と、鉄心を主体とした極からなり、鉄心を主体とした極には永久磁石を保持するための突起が形成されていることを特長とするコンシクエントポール形モータである。永久磁石が遠心力により飛散するのを防止する必要があり、突起を形成して機械的に固定する。
【0006】
(2)前記(1)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、永久磁石が直方体の形状であることを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータである。直方体状の永久磁石は生産性がよく、コストを低減することが出来る。
【0007】
前記(1、2)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、永久磁石を保持するために、突起を形成するのではなく、回転子鉄心に穴を設け、その穴の中に永久磁石を挿入して保持することを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。磁石の形状に合わせた穴をあけ、そのなかに磁石を埋め込むことにより固定することが出来る。
【0008】
(4)前記(1)−(3)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、永久磁石を主体とする極の極幅が大きく、鉄心を主体とする極の極幅を小さく構成し、極ピッチを非対称にしたことを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。鉄心の飽和磁束密度は永久磁石の残留磁化よりも高い。そこで鉄心部分の幅を狭くしても磁気飽和はおきにくい。一方、永久磁石の幅を広げることにより磁束量を増加することが出来、トルク、半径方向力とも増加する高価がある。
【0009】
(5)前記(1−4)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、ひとつの永久磁石を主体とする極の永久磁石が複数個の永久磁石ブロックから構成されることを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。従来のコンシクエントポールでは磁石を主体とする極は一つの磁石により構成されていた。しかし、ハルバッハ状、三角状、U字などにいくつかの磁石を配置してトルク、半径方向力を向上することが出来る。
【0010】
(6)前記(1−5)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、複数個の永久磁石のブロックがV字、あるいはU字、あるいは逆円弧、あるいはW字、あるいはΩ字状に配置されていることを特長とするコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。
【0011】
(7)前記(5−6)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、一つの極を形成する複数個の磁石のブロック間に鉄のブリッジを構成すること特長とするコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。大きな永久磁石を一つだけ配置しようとすると永久磁石の飛散防止が困難になることがある。そこで、いくつかに分割して分割した磁石間にブリッジを構成して遠心力に対して機械的に強い構成にする。
【0012】
(8)前記(1−7)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、一つの極を形成する永久磁石の周辺、あるいはブロックに分割された永久磁石ブロックの周辺に半円状、台形状、三角上のスリットを1つあるいは複数個もしくは層状に構成し、磁束の漏れを低減する構造のコンシクエントポール形モータ。スリット内部は非磁性体あるいは空気、真空などにより充填される。磁束をブロックする役割があり、漏れ磁束を低減した結果、鉄損を低減し、さらに、主磁束を増加することにより、半径方向力とトルクを増加することが出来る。
【0013】
(9)前記(1−8)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、内側の回転子と、外側の回転子を形成し、二つの回転子間に円筒状の固定子を配置し、トルクを向上する構造を特長としたコンシクエントポール形モータ。メガトルクモータのように2重の回転子構造を形成することにより、低速大トルクのアクチュエータを構成することが出来る。特に、極数を増加することが容易なコンシクエント形は適した構成である。
【0014】
(10)前記(1−8)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、回転子を外側に配置し、内側に固定子を配置したアウターロータ型コンシクエントポール形モータ。回転する部分を外側に形成して、その内側に永久磁石を配置する。回転子形状が単純なコンシクエントポール構造で、軸方向の磁束の流れがないためにアウターロータかが容易である。情報機器のスピンドル駆動、フライホイール駆動などに適している。
【0015】
(11)前記(1−9)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、回転子の主軸を省略し、シャフトレス構成としたことを特長とする型コンシクエントポール形モータ。ホモポーラやハイブリッドタイプでは軸方向に磁束の流れが必要であるため、シャフト部分を磁束が通る構成になる。そこでシャフトレス化するのは難しい。これに対して、磁束の流れが二次元であるコンシクエントポール形ではシャフトレス化できる。シャフトレス化できれば、ベアリングレスモータ化した際に、能動軸2軸で、他の三軸を受動的に支えることが出来る。
【0016】
(12)前記(1−12)記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、固定子の歯部にサーチコイルを巻回し、巻回したサーチコイルの電圧、電流から回転子の半径方向の変位を検出することを特長としたコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。既に、発明者らは誘導電動機型ベアリングレスモータを対象として変位センサレス化を実現している。固定子の歯にサーチコイルを施し、このサーチコイルを高周波で励磁する。サーチコイルの接続を工夫して変位に比例したインピーダンスの変化を得て、半径方向の変位を検出している。コンシクエントでも同様に適用できるかと思われるが、固定子歯が永久磁石の突極と、鉄心の突極に対向することにより、インピーダンスが脈動してしまう。そこで、複数個の固定子の歯にサーチコイルを巻回し、鉄心極と永久磁石極のパーミアンス脈動をキャンセルする。
【0017】
(13)前記(1−12)コンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、固定子の歯部に変位センサのヘッドを装着し、コイルエンドがセンサの外周を巻回することを特長としたコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。変位センサのヘッド部分は主軸に構成された円筒状のセンサターゲットと対抗している。一般的には固定子のコイルエンドから軸方向に離れた位置にセンサとそのターゲットが構成される。この結果、軸長が長くなってしまう問題点がある。そこで、固定子の歯に沿って変位センサのヘッドを配置する。この際、固定子の歯とセンサのヘッドの直径はほぼ等しいか、歯がやや大きい必要がある。そうであれば固定子スロットを通る巻線の妨げにならない。固定子の磁束によりセンサの出力が干渉を生じる恐れもあるが、センサと固定子磁束の周波数帯域を離し、また、電磁的なシールドをセンサヘッドと固定子鉄心間で構成すればよい。コイルエンドの長さがヘッド分だけ長くなる恐れもあるが、一般に、コイルエンドは円上に構成されるため、隙間があるのが一般的である。なお、固定子巻線は歯ごとに短節集中巻にすればコイルエンドが短くできる。モータ巻線を短節集中巻にすればコイルエンドはちいさくなる。さらに、サスペンション巻線を短節集中巻にすればコイルエンドはさらに小さくできる。
【発明実施の形態】
【0018】
図23は従来の発明形態の一例を示している。コンシクエントポール形ベアリングレス回転機の回転子は円弧状の磁石を回転子表面に貼り付けた構造をしている。永久磁石の着磁方向はすべてN極が外側に構成されている。一般の永久磁石モータではN極、S極が交互に形成されているのとは大いに異なっている。この結果、磁石間のロータ鉄心部分はS極に着磁される。したがって、回転子を外側から観察すると、永久磁石部分がN極、鉄心部分がS極になる。図は円筒状の回転子の断面の半分を描いている。回転子断面は円上に構成される。中心にはシャフトが構成され、突極状に打ち抜いたケイ素鋼板などが被さり、ケイ素鋼板の凹部分に永久磁石が配置される。このケイ素鋼板は磁性体であれば良い。永久磁石は接着剤により固定される。あるいは、薄いケイ素鋼板の外側を形成し、ケイ素鋼板に穴状の永久磁石はめ込み穴を形成しても良い。この際、薄い外側は機械的な強度が問題になることが多い。
【0018】
図1は発明実施形態の一例を示している。回転子鉄心の両端をカギ状に形成し、永久磁石が遠心力により飛び出さないように構成を工夫している。このように構成することにより、接着剤の強度にたよらずに強固に永久磁石を保持できる。また、永久磁石の外側にケイ素鋼板の外周を形成しなくても良い。外周を形成した場合であっても、外周にかかる応力を低減することが出来る。
【0019】
図2は直方体状の永久磁石を用いた構成である。直方体状の永久磁石は低価格であるためコストダウンすることが出来る。この永久磁石を遠心力による飛散から防止するため鉄心端部にはカギ状の突起が形成されている。図3は直方体状の永久磁石を固定するために磁石を挿入する穴を回転子鉄心に形成したものである。この場合、漏れ磁束などが問題になるが、磁石が積層ケイ素鋼板で覆われるため鉄損が減少するメリットがある。
【0020】
図4は不等ピッチの極ピッチを持つ実施例を示している。永久磁石を主体とする極は幅が広く、鉄心を主体とする極は幅が小さい。鉄心の飽和磁束密度が永久磁石の残留磁化よりも高いので、永久磁石幅を広くとって主磁束を有効に発生できる。この例では8極の回転子を描いているが、極数を10.12,14などと増加することにより、半径方向力の回転子の回転角度による脈動は低減できる。このように不等ピッチとする手法は図1から20に記載の回転子に適用できる。
【0021】
図5は永久磁石を主体とする極の永久磁石が複数のブロックからなる場合の例を示している。この図では3つの永久磁石ブロックから一つの永久磁石極が構成されている。いわゆるハルバッハ配列に近い構成であり、真ん中の磁石は半径方向に着磁され、両側の磁石は真ん中とは直交方向に着磁されている。磁石間にブリッジを形成して鉄心強度を向上することも可能である。直方体状の磁石を利用することが出来る。
【0022】
図6はU字形に永久磁石を配置したものである。一つの極がU字型になるように配置された3つの永久磁石のブロックで構成されている。永久磁石の有効長が増加するためにより大きな起磁力を得ることが出来る。U字型を形成するには一つの永久磁石でも良い。しかし、コスト的には図に示すようにいくつかの直方体状の磁石を用いる方が安価に出来る。
【0023】
図7はV字型に永久磁石を配置した構成例である。永久磁石を主体とする極は2つの直方体状の永久磁石により構成されている。これらのU,V字型は主軸直径が相対的に小さいときには、図1などの構成に比較して永久磁石の利用量が増加し、より大きな起磁力を発生することが出来る。図8はW字形配置を示している。また、図9はΩ形配置である。図8,9ではスリットも同時に描かれているが、スリットを構成しなくても良い。図10は逆円弧状の永久磁石を埋め込んだ構造を示している。さらに、図11は逆円弧を深くして逆楕円形状の磁石構成を示している。いずれも、限られた極体積内にいかにして永久磁石を効果的に配置するか工夫したものである。これらの永久磁石形状は、応用で要求される磁束量、磁束密度、コストなどにより各種形状が利用される。
【0024】
図12は磁石ブロック間にブリッジを形成した実施形態を示している。従来の図23の永久磁石が2つの永久磁石ブロックで構成され、ブロック間にケイ素鋼板のブリッジが構成されている。このブリッジが構成されることにより、遠心力に対して鉄心の強度を向上する効果がある。
【0025】
図13は永久磁石周辺にスリットを構成した実施例である。スリット1は永久磁石と外周の間に半円状に構成されている。スリット2は永久磁石端部に三角状に形成され、スリット3は台形状に構成されている。これらの形状は以下に示すように永久磁石の配置に応じて工夫される。スリットは空気、あるいは真空、あるいはエポキシなどの非磁性体で充填されている。したがって、磁束を通しにくい特長がある。図では、スリット2を設けることにより、永久磁石の磁束がギャップを通過せずに隣接する鉄心極に漏れるのを防ぐ効果がある。また、スリット1、3も磁束を平滑化する効果があり、さらに、漏れ磁束を低減する効果がある。
【0026】
図14はU字状の永久磁石の磁石端部に三角状のスリットを形成した例である。このスリットを形成することにより、真ん中の磁石の漏れ磁束を低減でき、主磁束を増加する効果がある。さらに、図15はスリットを連続的に形成した場合を示しており、鉄心加工が容易になるメリットがあり、コストダウンできる。図16はV字型配置に三角状のスリットを配置した構成である。また、穴をやや大きめに構成することにより、漏れ磁束を低減している。図17は磁石の漏れ磁束をより低減するためにスリットを層状に複数構成した例である。磁石の着磁方向の磁束に対しては磁気抵抗が大きく、鉄心磁極間では磁気抵抗が小さい。この結果、半径方向力を発生する磁束に対して磁気抵抗が小さく、より小さい起磁力で半径方向力を大きくできる。さらに、永久磁石の磁極は磁気抵抗が大きいために、半径方向力を発生する起磁力が印加しても、磁束の変化はすくない。図ではスリット1から3までの三層構造であるが、総数が多いほど磁気的な特性は向上する。しかし、機械的には弱くなるおそれがある。
【0027】
図18は二重構造を持つ回転子の構成例である。内側に構成された回転子の外側に磁石が配置され、磁石間には鉄心極が構成されている。外側に構成された回転子の内側には鉄心極と永久磁石の極が構成されている。これらの回転子鉄心は機械的に接続されており、同期して回転する。回転子間には図示されていない固定子があり、固定子の内面、外周には固定子歯が配置される。固定子は間のスロットには巻線が巻回され、巻線に電流が流れることにより、トルク、半径方向力を発生する。極数を増加することによりトルクが増加し、また、半径方向力の脈動も低減する。図19は外側の回転子だけの構成を示している。この回転子の内側には図示されていない固定子が構成されている。アウターロータ構造になる。これらの図では図1に近い極構成が示されているが、図1から17に示された極構成としても良い。
【0028】
図20はシャフトレス形式の実施例を示している。平面上の形状のモータではシャフトが不要、あるいは中空シャフトを構成する場合がある。図1から20は円環状の回転子の半分の断面であり、図20ではシャフトを必要としない。この様な構成はホモポーラ型、あるいはハイブリッド型ベアリングレスモータでは実現がきわめて難しい。図では図1に近い極構成が示されているが、図1から18に示された極構成としても良い。厚みを薄くして、ディスク型とすれば能動2軸で安定化して磁気力により支持することができる。この場合、シャフトレスとしても良いし、シャフトを構成しても良い。
【0029】
図21はサーチコイルの配置を示している。回転子、あるいは主軸の半径方向位置を検出してフィードバック制御を行う必要がある。そこで、この図ではサーチコイルを配置することにより、変位センサを省略する構成を示している。サーチコイルを用いて半径方向の位置を検出するのは、既に磁気軸受、ベアリングレスモータで各種方式が提案されている。このコンシクエント形の問題点は回転子に突極性があり、サーチコイルのインピーダンスが回転子の回転角度位置に依存して変動する点である。この問題を解決するためにサーチコイルを複数の固定子歯に巻回している。この歯の個数は回転子の極数と固定子スロットピッチに応じて最適に決定する必要がある。回転子の突極性に起因する脈動分が低減するように、回転子の極2つ分以上の角度にわたり固定子歯にサーチコイルを施し、直列に接続する。
【0030】
図22は変位センサの取り付け方法を示している。ベアリングレスモータや磁気軸受ではフィードバック用のセンサが必要になる。もちろん、前節のセンサレス化の手法を用いればセンサを不要とすることが出来るが、主軸支持精度が要求される応用ではセンサは不可欠である。センサは回転主軸上にターゲットリングが構築され、このターゲットリングの半径方向のふれを検出する。一般にはコイルエンドの外側にターゲットリングとセンサを配置する。しかし、この様にすると軸長が長くなってしまう。そこで、図ではコイルエンドと固定子鉄心の間にセンサを挿入して固定する。一般に、巻線を急な角度で折り曲げると絶縁体が剥離するおそれがある。そこで、コイルエンドは可能な限り曲率半径が大きくなるように巻回する。そこで、鉄心とコイルエンド間には隙間が出来るのが通常である。この隙間に円筒状のセンサを挿入して固定する。センサの対向部分にはターゲットリングが配置される。このターゲットリングは回転子鉄心とともに主軸に装着される。ターゲットリングに非磁性体を用いればモータコイルに流れる電流による干渉磁界の発生を低減できる。さらに、モータ電流とセンサの電流を十分離すことにより電磁的な干渉を低減することが出来る。なお、固定子のモータ巻線、サスペンション巻線は歯ごとに短節集中巻とすればコイルエンドが小さくなり、小型化できる。
【0031】
センサとして電動機の固定子のように円環状のセンサ磁気回路を用いる場合であっても、ターゲットリングが磁気的一様であるために変位の検出は容易である。回転子のように永久磁石と鉄部分が交互に通過することがない。この場合、モータ巻線起磁力に起因して磁束が発生してしまうが、モータの磁束は比較的低い周波数であるので分離することが可能である。センサコイルは数kHzから数百kHzに設定することにより周波数的に分離することが出来る。
【発明の効果】
【0032】
以上に説明したように構成される本発明は、以下のような効果を奏する。本発明はモータと磁気軸受の一体化とベアリングレス回転機であって、コンシクエントポール形回転子を備え、さらに、ベアリングレスモータの固定子歯にサーチコイルを備え、あるいは、固定子鉄心とコイルエンド間にセンサを備え、電磁力を発生するため、次の効果を発揮する。
▲1▼高速回転が容易である。
▲2▼機械的なベアリングがないため、ベアリング不良による交換が必要なく寿命が長い。
▲3▼機械的な潤滑を行う必要が無く、オイルフリーである。
▲4▼小形軽量化、コストダウンできる。
▲5▼たわみ軸のダンピングを向上することができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石を固定子するカギをつけた鉄心を持つロータ断面。
【図2】直方体状の磁石を持つ回転子断面。
【図3】埋込型直方体磁石をもつ回転子断面。
【図4】鉄心磁極と永久磁石磁極を不平衡とした構成。
【図5】ハルバッハ状の磁石を配置した構成。
【図6】U字の磁石配置のロータ断面。
【図7】V字の磁石配置のロータ断面。
【図8】W字の磁石配置。
【図9】Ω字の磁石配置。
【図10】逆円弧の磁石配置
【図11】逆楕円の磁石配置
【図12】磁石間にあるブリッジ
【図13】磁石と鉄心間にスリットを構成する方法
【図14】U字磁石とスリット構成方法
【図15】U字磁石と大きなスリット。
【図16】V字磁石とスリット
【図17】多層スリット構成方法
【図18】二重構造の回転子
【図19】アウターロータ回転子
【図20】シャフトレス多極回転子
【図21】センサ用のサーチコイル巻回方法
【図22】変位センサの取り付け方法
Claims (14)
- 複数の巻線を巻回した固定子と、固定子の内側に複数の極を形成する回転子をもち、回転子は空隙を経て固定子と対峙し、回転子の極は永久磁石を主体とした極と、鉄心を主体とした極からなり、鉄心を主体とした極には永久磁石を保持するための突起が形成されていることを特長とするコンシクエントポール形モータ。
- 請求項1記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、永久磁石が直方体の形状であることを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。
- 請求項1、2記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、永久磁石を保持するために、突起を形成するのではなく、回転子鉄心に穴を設け、その穴の中に永久磁石を挿入して保持することを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。
- 請求項1、2、3記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、永久磁石を主体とする極の極幅が大きく、鉄心を主体とする極の極幅を小さく構成し、極ピッチを非対称にしたことを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。
- 請求項1−4記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、ひとつの永久磁石を主体とする極の永久磁石が複数個の永久磁石ブロックから構成されることを特長とするコンシクエントポール形永久磁石モータ。
- 請求項1−5記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、複数個の永久磁石のブロックがV字、あるいはU字、あるいは逆円弧、あるいはW字、あるいはΩ字状に配置されていることを特長とするコンシクエントポール形モータ。
- 請求項5−6記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、一つの極を形成する複数個の磁石のブロック間に鉄のブリッジを構成すること特長とするコンシクエントポール形モータ。
- 請求項1−7記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、一つの極を形成する永久磁石の周辺、あるいはブロックに分割された永久磁石ブロックの周辺に半円状、台形状、三角上のスリットを1つあるいは複数個もしくは層状に構成し、磁束の漏れを低減する構造のコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。
- 請求項1−8記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、内側の回転子と、外側の回転子を形成し、二つの回転子間に円筒状の固定子を配置し、トルクを向上する構造を特長としたコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。
- 請求項1−8記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、回転子を外側に配置し、内側に固定子を配置したアウターロータ型コンシクエントポール形モータ。
- 請求項1−9記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、回転子の主軸を省略し、シャフトレス構成としたことを、もしくはディスク型であることを特長とするコンシクエントポール形モータ。
- 請求項1−12記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、固定子の歯部にサーチコイルを巻回し、巻回したサーチコイルの電圧、電流から回転子の半径方向の変位を検出することを特長としたコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。
- 請求項1−12記載のコンシクエントポール形永久磁石モータにおいて、固定子の歯部に変位センサのヘッドを装着し、コイルエンドがセンサの外周を巻回することを特長としたコンシクエントポール形ベアリングレスモータ。
- 請求項1−13記載の永久磁石型モータにおいて、固定子巻線が歯ごとに短節集中巻であることを特長としたコンシクエントポールモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003189876A JP2004357489A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 単方向着磁の永久磁石モータ |
Applications Claiming Priority (1)
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