JP5733583B2 - 永久磁石同期電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転子に永久磁石が取り付けられた永久磁石同期電動機に関する。
従来、交流電動機として広く普及している電動機の1つに、かご形三相誘導電動機がある。かご形三相誘導電動機は、固定子側の巻線に三相交流を印加することで回転磁界を生じさせ、この回転磁界の中にかご形巻線を備えた回転子を配置することで、かご形巻線の導体に電流を誘導し、この電流と回転磁界との間でトルクを発生して、回転子を回転させるものである。
この種の誘導電動機は、固定子側の巻線に交流を印加するだけで自己始動し、同期速度近くまで加速する。この誘導電動機で回転速度の制御を行うためには、インバータによる周波数制御が一般的であるが、周波数に対応した速度、すなわち同期速度よりも少し遅い速度で回転し、さらに負荷トルクに応じて回転速度が変動する。したがって、正確な速度制御を行うためには、回転子の回転速度を検出し、速度指令と、検出した回転速度とを使ったベクトル制御演算等を行って、印加する交流の周波数と電圧や位相を常に制御する必要がある。
一方、誘導電動機とは異なる構造の電動機として、誘導電動機よりも小型で5〜10%程度効率の高い電動機である、永久磁石同期電動機が近年注目され、普及しつつある。永久磁石同期電動機は、回転子に永久磁石を取り付け、固定子側の巻線に三相交流を印加することによる回転磁界と永久磁石による磁界との作用で、トルクを発生させて、回転子を回転させるものである。回転速度は前記同期速度であるため、速度制御が容易である。
しかしながら、永久磁石同期電動機は、同期速度でしかトルクを発生しないので、商用周波数では静止時に自己始動できない欠点がある。また、同期はずれを起こさずに回転速度を制御するためには、一般には回転子の回転位置の情報を取得した上で、ベクトル制御演算等を行って、印加する交流の周波数と電圧や位相を制御する必要がある。このように自己始動できる誘導電動機の特徴と同期速度で回転する永久磁石同期電動機の特徴を併せ持ち、複雑なベクトル制御を行わなくても簡単な汎用の可変電圧可変周波数インバータで速度制御できる電動機への期待があった。
永久磁石同期電動機が自己始動できない問題点を解決するために、従来から、誘導電動機として起動させるための巻線を永久磁石とは別に回転子に設けて、誘導電動機として起動させて、起動した後は、同期電動機として定速運転ができる構造の永久磁石同期電動機が、各種提案されている。例えば、文献1(日本国特許庁発行の特開2009−153356号公報)には、回転子の外周側にかご形巻線を配置し、回転子の内周側に複数の永久磁石を配置する構造についての記載が、図1などにある。回転子外周側のかご形巻線により、誘導電動機としての起動を可能としている。また、起動して同期速度に近づいたときには、永久磁石による作用で、同期速度で回転し、同期電動機として定速運転を行うようにしてある。
文献1以外にも、回転子に誘導電動機として作用させる巻線と同期電動機として作用させる永久磁石を組み込む構造は、各種提案されている。しかしながら従来から提案されている構造は、いずれも、永久磁石とかご形巻線の双方の回転子への配置が適正ではなかった。このため、特に固定子で発生させた回転磁界の流れがスムーズではなく誘導電動機としての特性が十分でなかったり、永久磁石による磁界の流れがスムーズではなく永久磁石同期電動機としての特性が十分に発揮できない問題があった。
本発明は、永久磁石同期電動機として高効率な駆動ができると共に、自己始動が可能な電動機を提案することを目的とする。
本発明は、円筒形の鉄心に同極の永久磁石が取り付けられた回転子と、回転子の周囲に配置された多相巻線を備えた固定子とで構成され、固定子の多相巻線に多相交流が印加される永久磁石同期電動機に適用される。
その構成としては、少なくともこれら2個の同極の永久磁石が、固定子と対向する回転子の円筒面の所定位置に露出させて均等に配置され、少なくとも2個の同極の永久磁石の配置位置とは別の位置の円筒面の円周方向に沿って、制動巻線としてのかご形巻線を分割した分割かご形巻線が配置され永久磁石の一方の斜め端部が、その一方の斜め端部と隣接した分割かご形巻線を構成する導体の斜め端部で上から押えられ、永久磁石の他方の斜め端部が、その他方の斜め端部と隣接した分割かご形巻線を構成する導体の斜め端部で上から押えられることで、永久磁石を回転子に固定するようにしたものである。
このように構成したことで、回転子の円筒面に永久磁石を簡単、確実、かつ良好に固定(組み立て)できるようになる。しかも、漏れ磁界を軽減する役割も担っている。すなわち、分割かご形巻線を構成する導体を使って永久磁石を固定させることができ、回転子の円筒面に永久磁石を固定することが確実かつ良好に行える効果を有する。この磁石抑えの役割をする導体は、永久磁石による磁界が固定子に行かずに回転子鉄心を通って回転子中の永久磁石の他極に戻る漏れ磁界を軽減する役割を担っている。もちろん、始動時には、制動巻線を使った誘導電動機として始動し、同期速度になると、永久磁石による同期電動機として動作する。
本発明によると、始動時には、制動巻線を使った誘導電動機として自己始動が可能であると共に、同期速度になると、永久磁石による同期電動機として動作するようなる。この場合、少なくとも2個の永久磁石を、回転子の円筒面に露出して配置して、固定子の鉄心に近接させた構成とし、制動巻線の部分も固定子の鉄心に対して近接させた構成としたため、永久磁石による磁界がスムーズに分布し、高効率の同期電動機が得られる。
この場合、回転子に配置した制動巻線は、かご形巻線を円筒面の円周方向に沿って分割した分割かご形巻線で構成されているので、回転子の円筒面に永久磁石と制動巻線とを交互に効率よく配置できるようになる。
また、永久磁石の一方及び他方の端部に隣接して、それぞれ個別の分割かご形巻線を配置し、永久磁石と同数の分割かご形巻線を配置したことで、分割かご形巻線の部分はギャップを小さく保つことができるため、固定子巻線による回転磁界をスムーズに分布させることができる。従って、制動巻線を使った誘導電動機としての始動状態から、固定子を加速し,永久磁石による同期運転状態への切り替わりをスムーズに行えるようになる。
なお、前記かご形巻線は、前記分割かご形巻線のように構成しなくても、通常の誘導電動機のかご形巻線のようにかご形巻線の全ての導体を回転子両端に配置した端絡環で短絡して支える構成とすることもできる
本発明の一実施の形態による電動機の断面構成の例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態による電動機の回転子の構成例を示す斜視図である。 図2の回転子を分解して示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態による電動機の駆動回路構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態によるすべり特性とトルクの関係の例を示す特性図である。 本発明の一実施の形態によるすべり特性とトルクの関係の例を示す特性図である。 本発明の一実施の形態による固定子巻線による磁界の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態による永久磁石による磁界の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の変形例による永久磁石を3個配置した6極構造の回転子を示す断面図である。 本発明の一実施の形態の変形例による永久磁石を4個配置した8極構造の回転子を示す断面図である。 本発明の一実施の形態の変形例による電動機の端絡環を用いた回転子の構成例を示す斜視図である。
本発明の一実施の形態を、以下の順序で説明する。
1.電動機の構成の説明(図1〜図3)
2.駆動回路の説明(図4)
3.回転動作の説明(図5〜図8)
4.変形例の説明(図9,図10,図11)
[1.電動機の構成の説明]
まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の電動機の構成について説明する。
本実施の形態の電動機は、図1に断面で示すように、鉄心102に同極の永久磁石110a,110bが取り付けられた回転子100と、回転子100の周囲に配置された多相巻線(3相交流巻線202)を備えた固定子200とで構成された永久磁石同期電動機としたものである。多相巻線である3相交流巻線202には、3相交流が印加されて、回転磁界が生成される。
固定子200側の構成について説明すると、図1に示すように、固定子200は、環状にスロット201を複数配置してあり、それぞれのスロット201内に3相交流巻線202を配置してある。この例では、図1にU相、V相、W相として各相の巻線の範囲を示すように、3相交流巻線202として、30°ごとに別の相の交流を印加させるようにしてある。但し、二層分布短節巻を施す時のように、相の境界となる位置付近のスロット201については、1つのスロット201内に、隣接する2つの相の巻線が配置される場合もある。
次に、回転子100の構成について説明する。
図2は、回転子100を固定子200から外した状態で示してあり、図3はさらにその回転子100を構成する各部材を分解して示した図である。
図2に示すように、回転子100は、回転軸101を、円筒形の鉄心102の中心に取り付けてある。円筒形の鉄心102の外周面である円筒面には、2つの永久磁石110a,110bを、等間隔に配置してある。2つの永久磁石110a,110bは、同極で同一形状であり、回転軸101に取り付けられた鉄心102の長さとほぼ等しい長さの細長い短冊状としてあり、鉄心102の円筒面に沿って湾曲した形状としてある。そして、湾曲した永久磁石110a,110bの外周面が外側に露出し、図1に示した固定子200側のスロット201と対向する。この例では、図1に示したように、各永久磁石110a,110bの外側をN極とし、内側(鉄心102と接する側)をS極としてある。
鉄心102の円筒面に配置される短冊状の永久磁石110a,110bの脇には、かご形巻線部120a,120bが配置してある。本実施の形態のかご形巻線部120a,120bは、2つに分割された分割かご形巻線としてある。
かご形巻線部120a,120bの形状としては、例えばかご形巻線部120aは、図3に示すように、8本の導体棒121aの一端及び他端を、導体枠122aの2つの導体棒支持部123aで支持する形状としてある。但し、図3ではかご形巻線部を鉄心102から離して示してあるが、実際には8本の導体棒121aは、鉄心102の外周面から若干内側に入った位置の鉄心102に設けた透孔103内に配置してあり、導体棒121aと導体枠122aとが接合した状態で鉄心102から離すことはできない。
かご形巻線部120aの導体枠122aは、鉄心102の外周面に沿って湾曲した形状としてあり、永久磁石外周面111aと連続して、鉄心102の外周面に配置される。なお、図3に示すように、鉄心102の外周面には段差部102aを設けてあり、その段差部102aに導体枠122aが嵌る形状としてある。
かご形巻線部120aの導体枠122aの端面124aは、永久磁石110aの端面112aと接合する形状としてある。この場合、導体粋122aが上から永久磁石110aを押えるように、端面124a及び112aを斜めに傾斜させてある。導体枠122aの反対側の端面124a(2つの導体棒支持部123aの先端)は、永久磁石110bの端面112bと接合する形状としてある。
他のかご形巻線部120bについても、かご形巻線部120aと同様の形状である。即ち、かご形巻線部120bは、8本の導体棒121bの一端及び他端を、導体枠122bの2つの導体棒支持部123bで支持する構成としてある。導体棒121bについても、鉄心102に設けた透孔103内に配置される。各導体棒121a,121bは、図1の断面で示されるように、等間隔で均等に配置してある。
このように構成したことで、回転子100として組み立てられた状態では、図2に示すように、鉄心102の外周面の永久磁石110a配置位置の一方の脇に、かご形巻線部120aが配置され、他方の脇に、かご形巻線部120bが配置される。また、もう1つの永久磁石110b配置位置の一方の脇に、かご形巻線部120aが配置され、他方の脇に、かご形巻線部120bが配置される。
従って、回転子100は、円筒面の配置状態が、永久磁石110a,かご形巻線部120a,永久磁石110b,かご形巻線部120bの順序で配置され、永久磁石とかご形巻線とが円筒面に交互に配置された状態となる。
図1に示すように、かご形巻線部120a,120bの導体棒121a,121bが配置される角度範囲θ1,θ3と、各永久磁石110a,110bとその脇の導体枠122a,122bが配置される角度範囲θ2,θ4とは、ほぼ等しくしてある。即ち、図1に示すように、8本の導体棒121aが配置された角度範囲を角度θ1とし、永久磁石110bとその左右の脇の導体枠122a,122bとが配置された角度範囲を角度θ2とし、8本の導体棒121bが配置された角度範囲を角度θ3とし、永久磁石110aとその左右の脇の導体枠122a,122bとが配置された角度範囲を角度θ4とする。このとき、この4つの角度θ1〜θ4は、約90°でほぼ等しくする。
そして、永久磁石110aの一方及び他方の端面112aが、かご形巻線部120aの端面124a及びかご形巻線部120bの端面124bで押えられて、永久磁石110aが、表面側(N極)を外側に露出させた状態で鉄心102に固定される。永久磁石110bについても、一方及び他方の端面112bが、かご形巻線部120aの端面124a及びかご形巻線部120bの端面124bで押えられて、永久磁石110bが、表面側(N極)を外側に露出させた状態で鉄心102に固定される。各かご形巻線部120a,120bについては、各導体棒121a,121bを鉄心102の透孔103に挿通させてあることで、鉄心102側に固定される。
このように構成した回転子100で生成される磁界については後述する。
[2.駆動回路の説明]
図4は、本実施の形態の電動機の駆動回路構成例を示した図である。
電源入力部1から供給された電源に基づいて、電圧と周波数を変化できるインバータ回路2で3相交流を生成させる。インバータ回路2で生成される3相交流の周波数は、周波数指令生成部5からの指令で設定される。周波数指令生成部5での周波数指令は、速度指令入力端子4に得られる速度指令に基づいて生成される。
インバータ回路2で生成されたU相、V相、W相の3相交流は、電動機3に供給される。電動機3が図1に断面で示した電動機であり、固定子200の3相交流巻線202にインバータ回路2から3相交流が供給されて、その3相交流の周波数に対応した回転磁界が生成される。
速度指令入力端子4からの起動指令として、比較的低い周波数の3相交流を与えたり、回転子の位置を検出しながら駆動する必要がなく、望みの速度に応じた電圧と周波数の3相交流を生成すれば良い。
[3.回転動作の説明]
次に、本実施の形態の電動機を回転させる際の動作例について、図5〜図9を参照して説明する。
電動機を回転駆動させる起動時には、一定の周波数の3相交流を3相交流巻線202に印加する。この3相交流巻線202への3相交流の印加で、回転磁界H21,22,23,24が発生する。
図7は、この4つの回転磁界の生成状態の概要を示した図である。回転子100が静止した状態で、固定子200側で3相交流巻線202に3相交流電流を流すことで回転磁界H21,22,23,24を生成させることができ、かご形巻線部120a,120bに電流I11〜I18が誘導される。図7の状態では,電流I11,I13,I15,I17と電流I12,I14,I16,I18の流れる方向は逆方向となる。
この4つの固定子巻線による回転磁界H21,22,23,24と電流I11〜I18との間で電磁力が発生して回転子100が回転をするようになり、誘導電動機として始動して加速する。
そして、回転速度が同期速度に近づくと、回転磁界H21,22,23,24と永久磁石110a,110bによる磁界との間に引き入れトルクが発生して、常に同期速度で回転するようになる。
図8は、永久磁石110a,110bによる磁界を示したものであり、永久磁石110aを中心として、2つの磁界H11,H12が生成され、もう1つの永久磁石110bを中心として、2つの磁界H13,H14が生成される。
同期運転状態では、この永久磁石110a,110bによる磁界が回転磁界と作用して、同期電動機として機能するようになる。
なお、負荷変動により速度が変化しても、制動巻線であるかご形巻線の効果で、同期はずれを起こすことなく直ぐに同期運転状態に復帰できる。また、高速回転で定電圧運転領域に入るとしばらくは進み電流で動作するが、トルクが不足すると誘導電動機として動作するようになり、周波数が増加すると弱め界磁運転が自動的に行われる。
図5は、本実施の形態の電動機のすべり特性とトルクを示したものである。すべりsが0のときが同期運転している状態の特性であり、すべりsが1から0までの間の曲線は、誘導電動機として運転しているときの特性である。
起動時の誘導電動機としては、回転速度が同期速度に近づくことで、すべりsが0に近づき、ある程度0に近づいた値Taになったとき、同期運転での値Tbに引き込まれ、同期運転状態では、すべりsが0で所定のトルクが発生した効率のよい運転状態となる。この特性曲線は、磁石の幅や厚さ、かご形巻線などの設計により自由に設定することができる。
図6は、磁石幅(角度)と磁石厚さを変化させた場合のすべり特性とトルクを示したものである。図6において、特性T1は、一般的な誘導電動機のトルク[N-m]とすべりsを示したものである。特性T1として示す誘導電動機は、定格トルクが23.6N-mの例である。
特性T2,T3,T4は、本実施の形態の例の電動機のトルク[N-m]とすべりsを示したものであり、いずれも特性T1の誘導機と同じ定格トルクである、23.6N-mとなるように構成した例である。
特性T2は、磁石の配置角度30度で磁石厚さ5mmの場合の特性例である。特性T3は、磁石の配置角度40度で磁石厚さ2.3mmの場合の特性例である。特性T4は、磁石の配置角度50度で磁石厚さ1.9mmの場合の特性例である。
本実施の形態の各例の場合、いずれも誘導機として始動し同期電動機として運転することができることがわかる。
同期速度での回転時の回転速度は、(120×周波数/極数)[rpm]で示される。周波数は、3相交流巻線202に印加する3相交流の周波数である。極数は固定子巻線202と回転子100の円周面の磁極の数であり、本例の場合には4極である。上述した式から判るように、3相交流巻線202に印加する3相交流の周波数に比例した回転速度が同期速度となる。
このため、インバータ回路2で生成させる3相交流の周波数を制御するだけで、回転速度を自由にかつ正確に制御できる。従来、同期電動機で回転速度制御をするためには回転位置を検出してベクトル制御演算等をして周波数と電圧や位相を制御する必要があったが、そのような複雑な構成は全く必要なく、3相交流の電圧と周波数だけを可変させれば対処でき、廉価な汎用インバータを使用したオープンループ運転が可能になる。
そして本実施の形態の同期電動機によると、永久磁石と制動巻線であるかご形巻線とを、回転子の円筒面に交互に配置したことで、磁石による磁界及び回転磁界を良好かつスムーズに分布させることが可能になる。従って、従来提案されている永久磁石と制動巻線を組み合わせた電動機に比べて、出力や効率を向上させることが可能になり、自己始動が可能で高効率の同期電動機が得られる。
しかも本実施の形態の場合には、鉄心の円筒面表面に露出状態で配置した磁石を、その両脇に配置したかご形巻線の導体で挟むことで、鉄心側に保持・固定させるようにしたので、永久磁石を鉄心の円筒面表面に配置した状態で保持させることが、簡単かつ良好に行える。従来提案されている永久磁石と制動巻線を組み合わせた回転子は、いずれも永久磁石を鉄心内部に埋め込んで固定させる構造であり、構成が複雑であると共に埋め込む作業に手間がかかる問題があったが、本実施の形態の場合には、そのような複雑な構造を必要としないで、良好な位置に永久磁石を配置できる効果を有する。なお、この永久磁石抑えの役割をする導体は、永久磁石110a,110bのN極から発生する磁界が固定子200に行かずに回転子鉄心102を通って永久磁石のS極に戻る漏れ磁界を軽減する効果を併せ持つ。
[4.変形例の説明]
なお、図1〜図3に示した構成の回転子100は、4極構造の回転子としたが、他の極数の構造の回転子として構成させてもよい。
図9は、3個の同極の永久磁石を均等に配置した6極構成の回転子の例である。
図9に断面で示した回転子300は、円周面に永久磁石310a,310b,310cを均等に配置してあり、永久磁石310aと永久磁石310bとの間に、かご形巻線部320aを配置し、永久磁石310bと永久磁石310cとの間に、かご形巻線部320bを配置し、永久磁石310cと永久磁石310aとの間に、かご形巻線部320cを配置して、合計で3個のかご形巻線部320a〜320cを配置した例である。
各かご形巻線部320a〜320cは、それぞれ導体棒321a,321b,321cと、導体枠322a,322b,322cとを備えて、図3に示したかご形巻線部と同様の形状としてある。各永久磁石310a,310b,310cの保持固定についても、隣接したかご形巻線部320a〜320cで挟むことで行われるようにしてある。
この場合、図9に示すように、各永久磁石310a,310b,310cとその脇の導体枠322a,322b,322cが配置される角度範囲θ11,θ13,θ15と、各かご形巻線部320a,320b,320cの導体棒321a,321b,321cが配置される角度範囲θ12,θ14,θ16とは、ほぼ等しくしてある。
図10は、4個の同極の永久磁石を均等に配置した8極構成の回転子の例である。
図10に断面で示した回転子400は、円周面に永久磁石410a,410b,410c,410dを均等に配置してあり、永久磁石410aと永久磁石410bとの間に、かご形巻線部420aを配置し、永久磁石410bと永久磁石410cとの間に、かご形巻線部420bを配置し、永久磁石410cと永久磁石410dとの間に、かご形巻線部420cを配置し、永久磁石410dと永久磁石410aとの間に、かご形巻線部420dを配置して、合計で4個のかご形巻線部420a〜420dを配置した例である。
各かご形巻線部420a〜420dは、それぞれ導体棒421a,421b,421c,421dと、導体枠422a,422b,422c,422dとを備えて、図3に示したかご形巻線部と同様の形状としてある。各永久磁石410a,410b,410c,410dの保持固定についても、隣接したかご形巻線部420a〜420dで挟むことで行われるようにしてある。
この場合、図10に示すように、各永久磁石410a,410b,410c,410dとその脇の導体枠422a,422b,422c,422dが配置される角度範囲θ21,θ23,θ25,θ27と、各かご形巻線部420a,420b,420c,420dの導体棒421a,421b,421c,421dが配置される角度範囲θ22,θ24,θ26,θ28とは、ほぼ等しくしてある。
このように、種々の極数の回転子の構成が可能である。
なお、制動巻線であるかご形巻線は、図3に示したように複数本の導体棒と、その導体棒を支える導体枠で分割して分割かご形巻線として構成させたが、そのように分割せずに、図11に示すように永久磁石141の長さを導体棒121a,121bと同じにし、各導体棒(例えば図2の場合の121a,121b,122a,122b)を、一端及び他端の端絡環134,135で短絡して支える形状としてもよい。この場合、永久磁石141と接するかご形巻線部の板状部分131,132についても、永久磁石141の長さと同じとして、端絡環134,135と接するように配置して分割し、分割かご形巻線を構成る。あるいは、その他の形状の制動巻線でもよい。トルクリップルを抑えるためにスキューを施すこともできる。また、回転子のかご形巻線と永久磁石の円周方向に占める割合について、例えば図1のθ1、θ3とθ2、θ4がほぼ等しい場合を示しているが、用途に応じてこの割合を変えることにより誘導電動機の特性を強くしたり、永久磁石電動機の特性を強くすることができる。
固定子側で回転磁界を生成させる巻線についても、図1に示したスロット201に配置した3相巻線202は一例であり、集中巻線など,その他の巻線構造でもよい。モータ構造も回転形モータを例示したがリニアモータ構造でも良い。供給する交流信号についても、原理的には3相以外の多相交流を固定子の巻線に供給することでも可能であるが、現実的には汎用のインバータ回路で生成が可能な3相交流を使うのが一般的である。
なお、本実施の形態では、導体の数や寸法,形,永久磁石の数や寸法,形などの特定の実施形態が例証によって示されているものであり、この例示したものに本発明が制限される意味で示されたものではない。
1…電源入力部、2…インバータ回路、3…電動機、4…速度指令入力端子、5…周波数指令生成部、100…回転子、101…回転軸、102…鉄心、102a,102b…段差部、103…透孔、110a,110b…永久磁石、111a,111b…外周面、112a,112b…端面、120a,120b…かご形巻線部、121a,121b…導体棒、122a,122b…導体枠、123a,123b…導体棒支持部、124a,124b…端面、131,132…板状部分、134,135…端絡環、141…永久磁石、200…固定子、201…スロット、202…3相交流巻線、300…回転子、301…回転軸、310a,310b,310c…永久磁石、320a,320b,320c…かご形巻線部、321a,321b,321c…導体棒、322a,322b,322c…導体枠、400…回転子、401…回転軸、410a,410b,410c,410d…永久磁石、420a,420b,420c,420d…かご形巻線部、421a,421b,421c,421d…導体棒、422a,422b,422c,422d…導体枠

Claims (3)

  1. 円筒形の鉄心を有する回転子と、
    前記回転子の周囲に配置され、多相交流が印加される多相巻線を有した固定子と
    記固定子と対向する前記回転子の鉄心の円筒面の所定位置に露出さて均等に配置された、少なくとも2個の同極の永久磁石と、
    前記永久磁石の配置位置とは別の位置の前記円筒面の円周方向に沿って配置された、制動巻線としてのかご形巻線を分割した分割かご形巻線とを備え、
    前記永久磁石の一方の斜め端部が、その一方の斜め端部と隣接した前記分割かご形巻線を構成する導体の斜め端部で上から押えられ、前記永久磁石の他方の斜め端部が、その他方の斜め端部と隣接した前記分割かご形巻線を構成する導体の斜め端部で上から押えられることで、前記永久磁石が前記回転子に固定されることを特徴とする永久磁石同期電動機。
  2. 請求項記載の永久磁石同期電動機において、
    前記分割かご形巻線は、一端及び他端の端絡環で全てのかご形巻線導体を短絡する構成となされていることを特徴とする永久磁石同期電動機。
  3. 請求項記載の永久磁石同期電動機において、
    前記永久磁石の一方及び他方の端部に隣接して、それぞれ独立もしくは並列に接続された個別の分割かご形巻線配置され、前記永久磁石と同数の前記分割かご形巻線配置されることを特徴とする永久磁石同期電動機。
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