JP2014124092A - モータ - Google Patents

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Hirotsugu Yamada
洋次 山田
Seiya Yokoyama
誠也 横山
Yoshiaki Takemoto
佳朗 竹本
Shigemasa Kato
茂昌 加藤
nobuko Tateishi
暢子 立石
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    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/27Rotor cores with permanent magnets
    • H02K1/2706Inner rotors
    • H02K1/272Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis
    • H02K1/274Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets
    • H02K1/2746Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets the rotor consisting of magnets arranged with the same polarity, e.g. consequent pole type

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Abstract

【課題】突極及びマグネットの各形状の適正化を図り、回転性能の向上を図ることができるモータを提供する。
【解決手段】ロータ10Aの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が(2n):(3n)(nは自然数)となるように構成されたモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦230°の範囲内のいずれかに設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンシクエントポール型構造を採用したロータを備えるモータに関するものである。
モータに用いられるロータとしては、例えば特許文献1にて示されているように、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置され、該コアに一体形成された突極が各マグネット間に配置され、該突極を他方の磁極として機能させる所謂コンシクエントポール型構造のロータが知られている。
特開平9−327139号公報
本発明の目的は、コンシクエントポール型構造のロータの突極における磁束密度について磁極中央部付近での落ち込みを小さくすることができるモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、該ロータと対向するステータとからなるモータであって、前記マグネットと前記突極との間をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)をθ1,θ2とし、θ1+θ2=360°であり、前記突極における磁束密度は、磁極中央部付近が磁極端部付近よりも落ち込むように変化するものであって、前記マグネットの磁極占有角度θ1が前記突極の磁極占有角度θ2よりも大きいことをその要旨とする。
本発明によれば、コンシクエントポール型構造のロータの突極における磁束密度について磁極中央部付近での落ち込みを小さくすることができる。
第1実施形態におけるモータの平面図である。 同実施形態におけるモータの部分拡大図である。 同実施形態におけるマグネット磁極の占有角度とトルクリップル比との関係、及びマグネット磁極の占有角度とトルク比との関係を示す特性図である。 第2実施形態におけるモータの平面図である。 同実施形態におけるモータの部分拡大図である。 (a)は同実施形態のモータにおける磁束密度変化を示す特性図であり、(b)はその磁束密度変化の電気角180°付近の拡大図である。 同実施形態におけるマグネット磁極の占有角度とトルクリップル比との関係、及びマグネット磁極の占有角度とトルク比との関係を示す特性図である。 同実施形態におけるマグネット磁極の占有角度と磁極切り替わり位置との関係を説明するための説明図である。 第3実施形態におけるモータの平面図である。 同実施形態におけるモータの部分拡大図である。 同実施形態におけるマグネット磁極の占有角度とトルクリップル比との関係、及びマグネット磁極の占有角度とトルク比との関係を示す特性図である。 第4実施形態におけるモータの平面図である。 同実施形態におけるモータの部分拡大図である。 同実施形態における空隙距離比B/Aとラジアル力変化との関係を示す特性図である。 同実施形態における空隙距離比B/Aとトルク比との関係を示す特性図である。 同実施形態における空隙距離比B/Aとトルクリップル比との関係を示す特性図である。 第5実施形態におけるモータの部分拡大図である。 同実施形態における空隙距離比C/Bとラジアル力脈動比との関係を示す特性図である。 第6実施形態におけるロータの平面図である。 同実施形態におけるロータの部分拡大図である。 同実施形態におけるr1/R比と磁束密度変化との関係を示す特性図である。 同実施形態におけるr1/R比とトルク比との関係を示す特性図である。 同実施形態におけるr1/R比とトルクリップル比との関係を示す特性図である。 第7実施形態におけるロータの部分拡大図である。 同実施形態におけるr2/h比とトルク比との関係を示す特性図である。 同実施形態におけるr2/h比とトルクリップル比との関係を示す特性図である。 第8実施形態におけるロータの平面図である。 同実施形態におけるロータの部分拡大図である。 同実施形態におけるr3/R比と磁束密度変化との関係を示す波形図である。 同実施形態におけるr3/R比とトルク比との関係を示す特性図である。 同実施形態におけるr3/R比とトルクリップル比との関係を示す特性図である。 第9実施形態におけるモータの平面図である。 同実施形態におけるモータの部分拡大図である。 別例におけるモータの部分拡大図である。 別例におけるモータの部分拡大図である。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、インナロータ型のブラシレスモータMを示す。本実施形態のモータMに用いるロータ10Aは、回転軸11の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア12が固着されており、該コア12の周方向にN極のマグネット13が4個配置されるとともに、コア12に一体形成された突極12aが各マグネット13間に配置され、該突極12aをS極として機能させる8磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。また、ステータ20には、ステータコア21の12個のティース21aにコイル22が巻回された12磁極で構成されたものが用いられる。つまり、本実施形態のブラシレスモータMは、ロータ10Aの極数X1とステータ20のスロット数X2(ティースの数)との比X1:X2が8:12、即ち(2n):(3n)で「n」が4となっている。
ステータ20のコイル22は、U・V・W相の三相で構成され、時計回りにW相(正巻き)、バーW相(逆巻き)、バーV相、V相、U相、バーU相、バーW相、W相、V相、バーV相、バーU相、U相というように同相毎で正巻きと逆巻きとが隣同士で並ぶようにして三相が順に構成されている。マグネット13及び突極12aは、ロータ10Aの外周部に等角度間隔で交互に設けられている。
マグネット13は、突極12aよりも周方向長さが若干大きく、平坦な内側面13aと湾曲形状をなす外側面13bとを有する略四角柱状に形成されている。マグネット13は、その内側面13aがロータコア12の隣接する突極12a間に設けた平坦な固着面12bに固着され、隣接の突極12aとの間に空隙(周方向の隙間)S1が設けられている。
突極12aは、マグネット13よりも周方向長さが若干小さく、略扇状に径方向外側に突出する形状をなしており、マグネット13の外側面13bと同一円周上に位置する湾曲形状の外側面12cを有している。つまり、突極12a及びマグネット13の各外側面12c,13bとステータ20(ティース21aの先端面)との間の空隙S2は、同じ寸法に設定されている。
マグネット13及び突極12aの各周方向長さ、即ちマグネット13及び突極12a間の空隙S1の中間点をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)θ1,θ2を変化させたときのトルクリップル比及びトルク比を図3に示す。尚、図3において、トルクリップル比は実線で示し、トルク比は一点鎖線で示している。また、1個のマグネット13及び突極12aの各磁極占有角度θ1,θ2を合計すると電気角360°(θ1+θ2=360°)であるため、以下には、マグネット13の磁極占有角度θ1のみを用いて説明する。
図3では、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°としたとき(マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとしたとき)のトルクを100%とすると、その角度が小さいとトルクが100%よりも小さい。一方、磁極占有角度θ1が180°よりも大きい範囲で少なくとも230°までは、トルクは100%を超えるようになっている。
また、同図3では、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°としたときのトルクリップを100%とすると、その角度が小さいとトルクリップルが100%よりも大きい。θ1を180°よりも大きくしていくと、θ1が200°でトルクリップルが90%に減少する。そして、更にθ1を大きくしていくと、θ1が208°でトルクリップルが85%に減少し、θ1が213°付近でトルクリップルが最小値の約82%まで減少する。θ1が213°付近を過ぎてからは、θ1が大きくなるに連れてトルクリップルは大きくなっていき、θ1が216°で85%となり、θ1が220°で90%となり、そして、θ1が230°を超えたところで100%以上となる。つまり、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1≦230°の範囲内では、磁極占有角度θ1,θ2が互いに等しい構成(つまり、θ1が180°)に比べてトルクリップルを減少できる良好な範囲であり、200°≦θ1≦220°の範囲内ではトルクリップルを90%まで減少できるより良好な範囲であり、そして、208°≦θ1≦216°の範囲内ではトルクリップルを85%程度まで減少できる更に良好な範囲であることがいえる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Aでは、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1≦230°のうちで208°≦θ1≦216°の範囲内のいずれかに設定されている。これにより、磁極占有角度θ1,θ2が互いに等しい構成に比べて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減が図られ、その結果、ロータ10Aの回転性能の向上が図られている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、ロータ10Aの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が(2n):(3n)(nは自然数)となるように構成されたモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦230°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、θ1=180°、即ちマグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ(図3参照)、ロータ10Aの回転性能の向上に寄与できる。
(2)本実施形態では、ロータ10Aとステータ20とからなるモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、200°≦θ1≦220°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときと比較して、トルクリップルを90%程度まで低減でき(図3参照)、ロータ10Aの回転性能のより一層の向上に寄与できる。
(3)本実施形態では、ロータ10Aとステータ20とからなるモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、208°≦θ1≦216°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときと比較して、トルクリップルを85%程度まで低減でき(図3参照)、ロータ10Aの回転性能の更なる向上に寄与できる。
(4)本実施形態では、ロータ10Aの周方向においてマグネット13と突極12aとの間には空隙S1が設けられ、各磁極占有角度θ1,θ2は、マグネット13と突極12aとの間の空隙S1の中間点をその起点と終点として設定される。このため、マグネット13と突極12aの境界部分における磁束密度の急峻な変化を空隙S1により抑制することができる。また、このような構成のロータ10Aを備えたモータMにおいて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができる。
尚、上記第1実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、マグネット13の磁極占有角度θ1を208°≦θ1≦216°の範囲内に設定したが、これよりも広い200°≦θ1≦220°の範囲内においてもトルクリップルを90%まで低減できるため、この範囲内のいずれかに設定してもよい。更にこれよりも広い180°<θ1≦230°の範囲内においても、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりもトルクリップルの低減を図ることができるため、この範囲内のいずれかに設定してもよい。
・上記第1実施形態では、ロータ10Aの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が8:12、即ち(2n):(3n)で「n」が4と設定されたが、この「n」の値を他の自然数に適宜変更してもよい。
・上記第1実施形態についての数値範囲は、状況等に応じて適宜変更してもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態とはロータの極数が異なっている。従って、以下には、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図4及び図5に示すように、本実施形態のモータMに用いるロータ10Bは、回転軸11の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア12が固着されており、該コア12の周方向にN極のマグネット13が5個配置されるとともに、コア12に一体形成された突極12aが各マグネット13間に配置され、該突極12aをS極として機能させる10磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。また、ステータ20には、ステータコア21の12個のティース21aにコイル22が巻回された12磁極で構成されたものが用いられる。つまり、本実施形態のブラシレスモータMは、ロータ10Bの極数X1とステータ20のスロット数X2(ティースの数)との比X1:X2が10:12、即ち(3n−2):(3n)で「n」が4となっている。
ステータ20のコイル22は、U・V・W相の三相で構成され、時計回りにW相(正巻き)、バーW相(逆巻き)、バーV相、V相、U相、バーU相、バーW相、W相、V相、バーV相、バーU相、U相というように同相毎で正巻きと逆巻きとが隣同士で並ぶようにして三相が順に構成されている。マグネット13及び突極12aは、ロータ10Bの外周部に等角度間隔で交互に設けられている。
マグネット13は、突極12aよりも周方向長さが若干大きく、周方向に同一厚さ(径方向長さ)の湾曲形状、即ち内側面13aと外側面13bとが平行な湾曲形状をなすように形成されている。マグネット13は、その内側面13aがロータコア12の隣接する突極12a間に設けた同じく湾曲形状をなす固着面12bに固着され、隣接の突極12aとの間に空隙(周方向の隙間)S1が設けられている。この空隙S1は、ロータ10Bとステータ20との空隙S2の1〜2倍程度の寸法に設定されている。
突極12aは、マグネット13よりも周方向長さが若干小さく、マグネット13の厚さと同じ突出長さで径方向外側に突出する扇形状をなしており、マグネット13の外側面13bと同一円周上に位置する湾曲形状の外側面12cを有している。つまり、突極12a及びマグネット13の各外側面12c,13bとステータ20(ティース21aの先端面)との間の空隙S2は、同じ寸法に設定されている。
マグネット13及び突極12aの各周方向長さ、即ちマグネット13及び突極12a間の空隙S1の中間点をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)θ1,θ2を変化させたとき、ロータ10Bの表面磁束密度変化を図6(a)(b)に、トルクリップル比及びトルク比を図7にそれぞれ示す。尚、図7において、トルクリップル比は実線で示し、トルク比は一点鎖線で示している。また、1個のマグネット13及び突極12aの各磁極占有角度θ1,θ2を合計すると電気角360°(θ1+θ2=360°)であるため、以下には、マグネット13の磁極占有角度θ1のみを用いて説明する。
図6(a)(b)では、マグネット13の磁極占有角度θ1を171°、180°、198°、208°(θ2としては順に189°、180°、162°、152°)と変化させたときのロータ10Bの磁束密度変化が示され、各角度においても変化形状は近似するものであり、マグネット13側の磁極区間では滑らかな曲線で略台形状に変化し、突極12a側の磁極区間では磁極中央部付近が磁極端部付近よりも落ち込んだ凸形状に変化する。
マグネット13の磁極占有角度θ1を180°と突極12aと同等としたとき、磁気的にアンバランスな構造をなす本ロータ10Bでは、電気角0°、180°、360°(=0°)において磁束密度変化がゼロクロスとならない。詳しくは、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°としたときには、電気角が0°から若干大きい角度でゼロクロスとなって立ち上がり、電気角が180°より若干小さい角度でゼロクロスとなって立ち下がるように変化する。つまり、マグネット13側として現れる磁極は、周方向において突極12a側よりも小さい範囲となっている。
マグネット13の磁極占有角度θ1を前記180°よりも小さい171°とすると、前記180°よりもゼロクロス点が電気角0°、180°から離間し、マグネット13側として現れる磁極が、周方向において突極12a側よりもより小さい範囲となっている。また、突極12a側の磁極区間での磁極中央部付近の落ち込みも大きくなる。
マグネット13の磁極占有角度θ1を前記180°よりも大きい198°とすると、電気角0°、180°において磁束密度変化がゼロクロスとなる。つまり、マグネット13側として現れる磁極は、周方向において突極12a側と同等の範囲となっている。また、突極12a側の磁極区間での磁極中央部付近の落ち込みは小さくなる。
マグネット13の磁極占有角度θ1を更に大きい208°とすると、電気角が0°から若干小さい角度でゼロクロスとなって立ち上がり、電気角が180°より若干大きい角度でゼロクロスとなって立ち下がるように変化する。つまり、マグネット13側として現れる磁極は、周方向において突極12a側よりも大きい範囲となっている。尚、突極12a側の磁極区間での磁極中央部付近の落ち込みはより小さくなる。
図7では、マグネット13の磁極占有角度θ1を変化させたときのトルクリップル比及びトルク比が示され、θ1=180°としたとき(マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとしたとき)のトルクを100%とすると、その角度が小さいとトルクが100%よりも小さい。一方、磁極占有角度θ1が180°から220°までの範囲では、トルクは100%を超えるようになっている。
また、同図7では、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°としたときのトルクリップルを100%とすると、その角度が小さいとトルクリップルが100%よりも大きい。θ1を180°よりも大きくしていくと、θ1が184°でトルクリップルが85%に減少する。そして、更にθ1を大きくしていくと、θ1が188°でトルクリップルが75%に減少し、θ1が190°〜195°付近でトルクリップルが最小値の約73%まで減少する。θ1が195°付近を過ぎてからは、θ1が大きくなるに連れてトルクリップルは大きくなっていき、θ1が198°で75%となり、θ1が202°で85%となり、そして、θ1が210°を超えたところで100%以上となる。つまり、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1≦210°の範囲内では、磁極占有角度θ1,θ2が互いに等しい構成(つまり、θ1が180°)に比べてトルクリップルを減少できる良好な範囲であり、184°≦θ1≦202°の範囲内ではトルクリップルが85%まで減少できるより良好な範囲であり、そして、188°≦θ1≦198°の範囲内ではトルクリップルが75%程度まで減少できるより更に良好な範囲であることがいえる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Bでは、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1<210°のうちで188°≦θ1≦198°の範囲内のいずれかに設定されている。これにより、磁極占有角度θ1,θ2が互いに等しい構成に比べて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減が図られ、その結果、ロータ10Bの回転性能の向上が図られている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(5)本実施形態では、ロータ10Bの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が(3n−2):(3n)(nは4以上の偶数)となるように構成されたモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦210°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、θ1=180°、即ちマグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ(図7参照)、ロータ10Bの回転性能の向上に寄与できる。
(6)本実施形態では、ロータ10Bとステータ20とからなるモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、184°≦θ1≦202°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときと比較して、トルクリップルを85%程度まで低減でき(図7参照)、ロータ10Bの回転性能のより一層の向上に寄与できる。
(7)本実施形態では、ロータ10Bとステータ20とからなるモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、188°≦θ1≦198°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときと比較して、トルクリップルを75%程度まで低減でき(図7参照)、ロータ10Bの回転性能の更なる向上に寄与できる。
(8)本実施形態では、ロータ10Bの周方向においてマグネット13と突極12aとの間には空隙S1が設けられ、各磁極占有角度θ1,θ2は、マグネット13と突極12aとの間の空隙S1の中間点をその起点と終点として設定される。このため、マグネット13と突極12aの境界部分における磁束密度の急峻な変化を空隙S1により抑制することができる。また、このような構成のロータ10Bを備えたモータMにおいて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができる。
(9)本実施形態において、各磁極占有角度(電気角)θ1,θ2を変化させたときの磁極切り替わり位置とのずれを図8に示す。この図8では、マグネット13の磁極占有角度θ1を変化させたときの磁極切り替わり位置とのずれが示され、上記したようにロータ10Bの表面に現れるマグネット13側の磁極と突極12a側の磁極とが同等となるθ1=198°でそのずれが0°となる。マグネット13の磁極占有角度θ1が198°から小さくなると、磁極切り替わり位置とのずれがマイナス側に次第に大きくなり、ロータ10Bの表面に現れるマグネット13側の磁極が周方向に小さいことを意味する。マグネット13の磁極占有角度θ1が198°から大きくなると、磁極切り替わり位置とのずれがプラス側に次第に大きくなり、ロータ10Bの表面に現れるマグネット13側の磁極が周方向に大きいことを意味する。
また、θ1=180°、即ちマグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたとき、ロータ10Bの表面に現れるマグネット13側の磁極のそのずれが−7°である。そのため、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1<220°の範囲内ではそのずれが±7°未満になり、ロータ10Bの表面に現れるマグネット13側の磁極と突極12a側の磁極とが周方向に同等又は同等に近い良好な範囲といえる。
これを踏まえ、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°<θ1<220°の範囲内に設定すれば、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、ロータ10Bの表面に現れるマグネット13側の磁極と突極12a側の磁極とが周方向に同等又は同等に近く磁気バランス良く構成でき、ロータ10Bの回転性能の向上を図ることができる。
尚、上記第2実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態では、マグネット13の磁極占有角度θ1を188°≦θ1≦198°の範囲内に設定したが、これよりも広い184°≦θ1≦202°の範囲内においてもトルクリップルを85%まで低減できるため、この範囲内のいずれかに設定してもよい。更にこれよりも広い180°<θ1≦210°の範囲内においても、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりもトルクリップルの低減を図ることができるため、この範囲内のいずれかに設定してもよい。
・上記第2実施形態では、ロータ10Bの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が10:12、即ち(3n−2):(3n)で「n」が4と設定されたが、この「n」の値を4以上の他の偶数に適宜変更してもよい。また、ロータ10Bの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が、(3n−1):(3n)で「n」が3以上の奇数(例えば、比X1:X2が8:9、11:12等)となるように構成してもよい。
・上記第2実施形態についての数値範囲は、状況等に応じて適宜変更してもよい。
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態とはロータの極数が異なっている。従って、以下には、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9及び図10に示すように、本実施形態のモータMに用いるロータ10Cは、回転軸11の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア12が固着されており、該コア12の周方向にN極のマグネット13が7個配置されるとともに、コア12に一体形成された突極12aが各マグネット13間に配置され、該突極12aをS極として機能させる14磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。また、ステータ20には、ステータコア21の12個のティース21aにコイル22が巻回された12磁極で構成されたものが用いられる。つまり、本実施形態のブラシレスモータMは、ロータ10Cの極数X1とステータ20のスロット数X2(ティースの数)との比X1:X2が14:12、即ち(3n+2):(3n)で「n」が4となっている。
マグネット13及び突極12aの各周方向長さ、即ちマグネット13及び突極12a間の空隙S1の中間点をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)θ1,θ2を変化させたときのトルクリップル比及びトルク比を図11に示す。尚、図11において、トルクリップル比は実線で示し、トルク比は一点鎖線で示している。また、1個のマグネット13及び突極12aの各磁極占有角度θ1,θ2を合計すると電気角360°(θ1+θ2=360°)であるため、以下には、マグネット13の磁極占有角度θ1のみを用いて説明する。
図11では、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°としたとき(マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとしたとき)のトルクを100%とすると、その角度が小さいとトルクが100%よりも小さい。一方、磁極占有角度θ1が180°よりも大きい範囲で少なくとも210°までは、トルクは100%を超えるようになっている。
また、同図11では、マグネット13の磁極占有角度θ1を180°としたときのトルクリップを100%とすると、その角度が小さいとトルクリップルが100%よりも大きい。θ1を180°よりも大きくしていくと、θ1が182°でトルクリップルが98%に減少する。θ1が185°〜195°付近でトルクリップルが96%付近(最小値付近)まで減少する。θ1が195°を過ぎてからは、θ1が大きくなるに連れてトルクリップルは大きくなっていき、θ1が197°付近で98%となり、θ1が200°を超えたところで100%以上となる。つまり、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1≦200°の範囲内では、磁極占有角度θ1,θ2が互いに等しい構成(つまり、θ1が180°)に比べてトルクリップルを減少できる良好な範囲であり、182°≦θ1≦197°の範囲内ではトルクリップルを98%まで減少できるより良好な範囲であり、そして、185°≦θ1≦195°の範囲内ではトルクリップルを96%程度まで減少できる更に良好な範囲であることがいえる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Cでは、マグネット13の磁極占有角度θ1が180°<θ1≦200°のうちで185°≦θ1≦195°の範囲内のいずれかに設定されている。これにより、磁極占有角度θ1,θ2が互いに等しい構成に比べて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減が図られ、その結果、ロータ10Cの回転性能の向上が図られている。
(10)本実施形態では、ロータ10Cの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が(3n+2):(3n)(nは偶数)となるように構成されたモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦200°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、θ1=180°、即ちマグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ(図11参照)、ロータ10Cの回転性能の向上に寄与できる。
(11)本実施形態では、ロータ10Cとステータ20とからなるモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、182°≦θ1≦197°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときと比較して、トルクリップルを98%程度まで低減でき(図11参照)、ロータ10Cの回転性能のより一層の向上に寄与できる。
(12)本実施形態では、ロータ10Cとステータ20とからなるモータMにおいて、マグネット13の磁極占有角度θ1が、185°≦θ1≦195°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときと比較して、トルクリップルを96%程度まで低減でき(図11参照)、ロータ10Cの回転性能の更なる向上に寄与できる。
(13)本実施形態では、ロータ10Cの周方向においてマグネット13と突極12aとの間には空隙S1が設けられ、各磁極占有角度θ1,θ2は、マグネット13と突極12aとの間の空隙S1の中間点をその起点と終点として設定される。このため、マグネット13と突極12aの境界部分における磁束密度の急峻な変化を空隙S1により抑制することができる。また、このような構成のロータ10Cを備えたモータMにおいて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができる。
尚、上記第3実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第3実施形態では、マグネット13の磁極占有角度θ1を185°≦θ1≦195°の範囲内に設定したが、これよりも広い182°≦θ1≦197°の範囲内においてもトルクリップルを98%まで低減できるため、この範囲内のいずれかに設定してもよい。更にこれよりも広い180°<θ1≦200°の範囲内においても、マグネット13と突極12aとの各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりもトルクリップルの低減を図ることができるため、この範囲内のいずれかに設定してもよい。
・上記第3実施形態では、ロータ10Cの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が14:12、即ち14:12、即ち(3n+2):(3n)で「n」が4と設定されたが、この「n」の値を他の偶数に適宜変更してもよい。また、ロータ10Cの極数X1とステータ20のスロット数X2との比X1:X2が、(3n+1):(3n)で「n」が奇数(例えば、比X1:X2が4:3、7:6等)となるように構成してもよい。
・上記第3実施形態についての数値範囲は、状況等に応じて適宜変更してもよい。
また、本発明の上記第1〜3実施形態に、以下の第4〜第9実施形態に示すような構成を加えてもよい。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態を図面に従って説明する。
図12及び図13は、インナロータ型のブラシレスモータMを示す。本実施形態のモータMに用いるロータ10Dは、回転軸11の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア12が固着されており、該コア12の周方向にN極のマグネット13が7個配置されるとともに、コア12に一体形成された突極12aが各マグネット13間に配置され、該突極12aをS極として機能させる14磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。尚、ステータ20には、ステータコア21の12個のティース21aにコイル22が巻回された12磁極で構成されたものが用いられる。マグネット13及び突極12aは、ロータ10Dの外周部に等角度間隔で交互に設けられている。
マグネット13は、突極12aよりも周方向長さが若干大きく、平坦な内側面13aと湾曲形状をなす外側面13bとを有する略四角柱状に形成されている。マグネット13は、その内側面13aがロータコア12の隣接する突極12a間に設けた平坦な固着面12bに固着され、隣接の突極12aとの間に空隙(周方向の隙間)S1が設けられている。突極12aは、マグネット13との空隙S1分若干小さく、略扇状に径方向外側に突出する形状をなしており、湾曲形状をなす外側面12cを有している。
また本実施形態では、突極12a側の外側面12cがマグネット13側の外側面13bよりも相対的に径方向外側に位置するようにその突極12aが相対的に突出して構成されている。即ち、ステータ20(ティース21aの先端面)に対するロータ10Dの空隙S2において、突極12a側の空隙距離Bがマグネット13側の空隙距離Aよりも小さく設定されている。尚、突極12a及びマグネット13の各空隙距離B,Aは、周方向に一定とされている。つまり、周方向のいずれの空隙距離A,Bでも最短空隙距離である。
ここで、ステータ20に対する突極12a側とマグネット13側それぞれの空隙距離B,Aの比B/Aを変化させたとき、ティース21aに与えるラジアル力変化を図14に、トルク比を図15に、トルクリップル比を図16にそれぞれ示す。
図14では、B/A=1、B/A=0.65、B/A=0.3と変化させたときの1個のティース21aにかかるラジアル力変化が示され、B/A=1では、その最大値と最小値との差が大きく、変化も乱雑となっている。B/A=0.65になると、最大値と最小値の差が小さくなり、また変化も若干安定となる。B/A=0.3になると、最大値と最小値の差がより小さくなり、また変化も同程度に安定となる。
図15では、B/Aを変化させたときのモータMのトルク比が示され、B/A=1、即ち突極12a側とマグネット13側の各空隙距離B,Aを同じとしたときのモータトルクを100%とすると、そのB/Aが小さくなるに連れて(突極12aがマグネット13よりも相対的に突出するに連れて)、モータトルクは略一定に増大していく。因みに、B/A=0.3のとき、モータトルクは110%程度まで増大する。
図16では、B/Aを変化させたときのトルクリップル比が示され、B/A=1としたとき(突極12a側とマグネット13側の各空隙距離B,Aを同じとしたとき)のトルクリップルを100%とすると、そのB/Aが小さくなるに連れて(突極12aがマグネット13よりも相対的に突出するに連れて)、トルクリップルは大きくなっていく。この場合、B/A=1〜0.6まで変化させたときよりもB/A=0.6〜0.3まで変化させてときの方がトルクリップルの変化度合いは若干大きくなり、B/A=0.3以降ではトルクリップルの変化度合いは急激に大きくなる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Dでは、ステータ20に対する突極12a側とマグネット13側それぞれの空隙距離B,Aの比B/Aが0.3≦B/A<1の範囲内のいずれかに設定されている。つまり、本実施形態では、各空隙距離B,Aの適正化を図って突極12a側のギャップパーミアンスを適切に大きくし、ステータ20に与える磁界の強さを大きくして、モータトルクの増大とトルクリップル(トルク脈動)の増加の抑制との両立が図られ、ロータ10Dの回転性能の向上が図られている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(14)本実施形態では、ステータ20に対するロータ10Dの空隙S2のうち、マグネット13側の空隙距離(最短空隙距離)Aと突極12a側の空隙距離(最短空隙距離)Bとの比B/Aが、0.3≦B/A<1の範囲内のいずれかに設定されている。これにより、モータトルクの増大とトルクリップル(トルク脈動)の増加の抑制との両立を図ることができ(図15及び図16参照)、ロータ10Dの回転性能の向上を図ることができる。つまり、回転性能の向上したモータMとして提供することができる。
(15)本実施形態のように、マグネット13の外側面13bを突極12aの外側面12cよりも相対的に後退させていることから、その後退によりできたスペースにマグネット13の飛散防止用カバーの装着が可能となり、そのカバーの装着が不要な突極12aをカバーの厚みだけステータ20に近接させることができるため、モータトルクの増大に繋がる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態を図面に従って説明する。
図17に示すように、本実施形態のロータ10Dでは、突極12aの外側面12cの湾曲形状の曲率が大きくされ(曲率は外側面12c全体で一定)、突極12aの外側面12cの周方向中央部が周方向両端部よりも径方向外側に相対的に凸なるように構成されている。即ち、ステータ20のティース21aの先端面を繋ぐ円周と同曲率で突極12aの最外周部となる周方向中央部を通過する基準の円周C1に対し、周方向端部ほど曲線的に後退側に好適に離間する構成とされている。
ここで、突極12aの外側面12cの周方向中央部のステータ20(ティース21aの先端面)との空隙距離(最短空隙距離)B、周方向端部のステータ20との空隙距離Cとした場合、その比C/Bを変化させたときのティース21aに与えるラジアル力脈動を図18に示す。
図18では、C/Bを変化させたときのラジアル力脈動が比で示され、C/B=1、即ち突極12aの外側面12cの周方向中央部と周方向端部の各空隙距離B,Cを同じとしたとき(円周C1上にともに位置するとき)のラジアル力脈動を100%とすると、C/Bが大きくなるに連れて(突極12aの外側面12cの曲率が大きくなり、周方向端部が相対的にステータ20と離間するに連れて)、ラジアル力脈動は一端減少するが、再び増加するように変化する。C/B=1〜2まではラジアル力脈動が大きく減少するも、C/B=2においてラジアル力脈動が80%と依然として大きい。C/B=2〜5ではラジアル力脈動が80%〜75%内で比較的安定変化し、C/B=2〜3と変化するとラジアル力脈動が80%から75%まで緩やかに減少し、C/B=3〜5と変化するとラジアル力脈動が75%から80%まで緩やかに増加する。C/B=6以降でも同様の変化度合いでラジアル力脈動が80%から緩やかに増加していく。
これを踏まえ、本実施形態のロータ10Dでは、突極12aの外側面12cの周方向中央部と周方向端部の各空隙距離B,Cの比C/Bが2≦C/B≦5の範囲内のいずれかに設定されている。このようにすることで本実施形態では、ラジアル力脈動が約80%以下に抑制され、これによりステータ20にかかる径方向の拡縮力が小さくなるため、モータMの低振動化が図られる。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(16)本実施形態では、突極12aの外側面12cにおいて周方向中央部での空隙距離(最短空隙距離)Bと周方向端部での空隙距離Cとの比C/Bが、2≦C/B≦5の範囲内のいずれかに設定されている。これにより、ステータ20側が受けるラジアル力のその脈動を低減できるため(図18参照)、モータMの低振動化を図ることができる。
尚、第4及び第5実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第4及び第5実施形態についての数値範囲は、状況等に応じて適宜変更してもよい。
・上記第5実施形態について、突極12aの外側面12cを一定の曲率で曲線的に変化させて周方向中央部よりも周方向端部側が後退するような湾曲形状としたが、曲率を部分的に変更してもよく、また直線的に変化させてもよい。また、外側面12c全体でなく、突極12aの角部をR形状やテーパ形状として周方向端部が後退する形状としてもよい。
・上記第4及び第5実施形態では、7個の突極12aと7個のマグネット13とで構成した14磁極のロータ10Dに適用したが、磁極数を適宜変更してもよい。これに伴い、ステータ側の磁極数も適宜変更する。
(第6実施形態)
以下、第6実施形態を図面に従って説明する。
図19及び図20は、インナロータ型のブラシレスモータに用いられる本実施形態のロータ10Eを示す。ロータ10Eは、回転軸11の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア12が固着されており、該コア12の周方向にN極のマグネット13が7個配置されるとともに、コア12に一体形成された突極12aが各マグネット13間に配置され、該突極12aをS極として機能させる14磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。尚、図示しないステータには、例えば12個のティースにコイルが巻回された12磁極で構成されたものが用いられる。マグネット13及び突極12aは、ロータ10Eの外周部に等角度間隔で交互に設けられている。
マグネット13は、突極12aよりも周方向長さが若干大きく、その周方向に同一厚さの湾曲形状、即ち内側面13aと外側面13bとが平行な湾曲形状をなすように形成されている。マグネット13は、その内側面13aがロータコア12の隣接する突極12a間に同じく湾曲形状をなす固着面12bに固着され、隣接の突極12aとの間に空隙(周方向の隙間)Sが設けられている。この空隙Sは、ロータ10Eとステータとの間の空隙の1〜2倍程度に設定されている。
突極12aは、各マグネット13の内側面13aを繋いだ円周C1に対して、周方向中央部の突出長さが大きく、周方向両端部に向かうほどその突出長さが小さくなるように、周方向中央線を基準に線対称に形成されている。また、突極12aの外側面12cは、周方向中央部が各マグネット13の外側面13bを繋いだ円周C2上に位置し、外側面12cの周方向両端部が同円周C2上から径方向内側に次第に離間する。つまり、突極12aの外側面12cは、各マグネット13の外側面13bを繋いだ円周C2よりも曲率が大きく(曲率半径が小さく)形成され、外側面12cの周方向中央部から端部に向かうほど、ステータから次第に離間するように構成されている。
ここで、各マグネット13の外側面13bを繋いだ円周C2の半径をR、突極12aの外側面12cの半径をr1とした場合、その比r1/Rを変化させたときのロータ10Eの表面磁束密度変化を図21に、トルク比を図22に、トルクリップル比を図23にそれぞれ示す。
図21では、r1/R=1、r1/R=0.5、r1/R=0.3と変化させたときの磁束密度変化が示され、マグネット13の磁極部分における磁束密度変化は、r1/Rの比が変化しても大差なく、滑らかな曲線で略台形状に変化する。一方、突極12aの磁極部分における磁束密度変化は、r1/Rの比が変化すると、その比に応じて大きく異なる。r1/R=1、即ち突極12aの外側面12cがマグネット13の外側面13bを繋いだ円周C2と曲率が同じとき、突極12aの磁極端部付近の磁束密度が突出して大きく変化し、また磁極中央部付近では磁束密度の落ち込みが大きい。これに対し、r1/R=0.5、r1/R=0.3のようにその比が小さくなる、即ち突極12aの外側面12cの曲率が円周C2よりも大きくなると、突極12aの周方向両端部ほどステータとの空隙が次第に拡大するため、それに伴って突極12aの磁極端部付近での磁束密度の突出変化度合いが小さくなり、またその磁極中央部付近での磁束密度の落ち込み度合いも小さくなる。
図22では、r1/Rを変化させたときのモータのトルク比が示され、r1/R=1、即ち突極12aの外側面12cの曲率を変化させていないときのモータトルクを100%とすると、そのr1/Rが小さく(突極12aの外側面12cの曲率が円周C2よりも大きく)なるに連れて、モータトルクとしては僅かではあるが小さくなる。r1/R=0.2にてモータトルクが98.5%程度となるまで小さい減少幅で減少し、r1/R=0.2からはその減少幅が僅かながらも大きくなる。
図23では、r1/Rを変化させたときのトルクリップル比が示され、r1/R=1としたとき(突極12aの外側面12cの曲率を変化させていないとき)のトルクリップルを100%とすると、そのr1/Rが小さく(突極12aの外側面12cの曲率が円周C2よりも大きく)なるに連れて、トルクリップルとしては十分に小さくなる。r1/R=0.8まではトルクリップルが95%程度まで比較的小さい減少幅で減少するが、r1/R=0.8からはその減少幅も大きくなり、r1/R=0.3でトルクリップルが55%程度まで減少する。r1/R=0.3からはトルクリップルの減少幅が更に大きくなる。r1/R=0.8からは特にトルクリップルが大きく低減され、トルク脈動の一層の低減が図られる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Eでは、突極12aの外側面12cの曲率度合いが0.2≦r1/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定されている。つまり、本実施形態では、マグネット13と突極12aとの間に空隙Sを設けてロータ10Eの表面磁束密度の急峻な変化の抑制を図る態様に加え、モータトルクを極力低下させずに、その磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減が図られている。
尚、本実施形態のロータ10Eは、インナロータ型のモータに用いられる構成であることから、突極12a及びマグネット13の各外側面12c,13b、即ちステータとの対向面の面積が内側面よりも大きく、またマグネット13からロータコア12内を通過し突極12aへ抜ける磁気の経路が短くなって磁気損失も減るため、逆にその内側面がステータとの対向面となるアウタロータ型と比べて、スタータとの間の磁束密度を同体積としながら高くでき、高トルク化が可能である。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(17)本実施形態では、突極12aはその外側面(表面)12cの全体が一定の曲率を以て湾曲形状をなし、その外側面12cの曲率の半径r1と基準の円周C2の半径Rとの比r1/Rが、0.2≦r1/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定されている。つまり、この範囲内では、突極12aの外側面12cの周方向両端部が基準の円周C2から曲線的に後退側に次第に離間する構成となる。これにより、突極12aの周方向両端部ほどステータとの空隙が次第に拡大するため、それに伴って突極12aの磁極端部付近での磁束密度の突出変化度合いが小さくなり、また磁極中央部付近では磁束密度の落ち込み度合いも小さくなる。そのため、マグネット13と突極12aとの間に空隙Sを設けてロータ10Eの磁束密度の急峻な変化の抑制を図るのに加え、その磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減を図ることができる。また、突極12aの外側面12cの曲率の半径r1と基準の円周C2の半径Rとの比r1/Rが、0.2≦r1/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定されることから、モータトルクの低下が抑制されつつ、トルクリップルの一層の低減がなされ、トルク脈動の一層の低減が図られる(図22及び図23参照)。このことは、モータの高出力・低振動化に寄与できる。
(第7実施形態)
以下、第7実施形態を図面に従って説明する。
上記第6実施形態では、突極12aの外側面12c全体の曲率度合いを適正化する態様であったが、本実施形態では図24に示すように、突極12aの周方向両端の角部12dのR形状の曲率度合いが適正化され、突極12aの外側面12cが周方向中央部から端部に向かうほど、ステータに対して好適に離間するように構成されている。
ここで、突極12aの角部12dの半径をr2、突極12aの突出長さをhとした場合、その比r2/hを変化させたときのロータ10Eのトルク比を図25に、トルクリップル比を図26にそれぞれ示す。
図25では、r2/hを変化させたときのモータのトルク比が示され、r2/h=0、即ち突極12aの角部12dをR形状としていないときのモータトルクを100%とすると、そのr2/hが大きくなるに連れて次第に増加し、r2/h=0.6付近で最大となりそこから次第に低下する。r2/h=0.9付近でモータトルクが100%未満となってからは、r2/h=1となるまで更に低下する。
図26では、r2/hを変化させたときのトルクリップル比が示され、r2/h=0のとき(突極12aの角部12dをR形状としていないとき)のトルクリップルを100%とすると、そのr2/hが大きくなるに連れてr2/h=0.2までは若干ではあるが増加し、r2/h=0.2からは100%よりも小さくなっていく。r2/h=0.8付近で50%程度となってその減少は緩やかとなり、r2/h=0.9からは変化が殆どなくなる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Eでは、突極12aの突出長さhとその角部12dの半径r2との兼ね合いが0.2≦r2/h≦0.9の範囲内のいずれかに設定されている。このようにすることで、本実施形態においても、モータトルクを極力低下させずに、その磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減が図られている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(18)本実施形態では、突極12aはその周方向両端の角部12dがR形状をなし、その角部12dの曲率の半径r2と突極12aの突出長さhとの比r2/hが、0.2≦r2/h≦0.9の範囲内のいずれかに設定されている。つまり、この範囲内で突極12aを構成することで、突極12aの外側面12cの周方向両端部が基準の円周C2から曲線的に後退側に次第に離間するため、上記した第6実施形態の効果と同様に、ロータ10Eの磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減を図ることができる。また、突極12aの角部12dの曲率の半径r2と突極12aの突出長さhとの比r2/hが、0.2≦r2/h≦0.9の範囲内のいずれかに設定されることから、モータトルクの低下が抑制されつつ、トルクリップルの一層の低減がなされ、トルク脈動の一層の低減が図られる(図25及び図26参照)。このことは、モータの高出力・低振動化に寄与できる。
(第8実施形態)
以下、第8実施形態を図面に従って説明する。
上記第6及び第7実施形態では、突極12aの外側面12cや角部12dの曲率度合いを適正化する態様であったが、本実施形態では図27及び図28に示すように、マグネット13の外側面13bの曲率度合いが適正化され、マグネット13の外側面13bが周方向中央部から端部に向かうほど、ステータに対して好適に離間するように構成されている。
ここで、曲率を変化させる各マグネット13の外側面13bの半径をr3とした場合、曲率を変えていないときの外側面13bを繋いだ前記円周C2の半径Rに対するその比r3/Rを変化させたときのロータ10Eの表面磁束密度変化を図29に、トルク比を図30に、トルクリップル比を図31にそれぞれ示す。尚、突極12aの外側面12cは、円周C2上に位置している(r1/R=1)。
図29では、r3/R=1、r3/R=0.6と変化させたときの磁束密度変化が示され、マグネット13の磁極部分における磁束密度変化は、r3/R=1のときに略台形状に変化していたものが、r3/R=0.6になると略正弦波状に変化するようになる。また、突極12aの磁極部分における磁束密度変化は、r3/R=1のとき(マグネット13の外側面13bが円周C2と曲率が同じとき)よりもr3/R=0.6のとき(マグネット13の外側面13bの曲率が円周C2よりも大きくなるとき)では、磁束密度の急峻な変化の改善がみられる。
図30では、r3/Rを変化させたときのモータのトルク比が示され、r3/R=1のとき(マグネット13の外側面13bの曲率を変化させていないとき)のモータトルクを100%とすると、そのr3/Rが小さく(マグネット13の外側面13bの曲率が円周C2よりも大きく)なるに連れてモータトルクが小さくなるが、r3/R=0.4までは比較的小さい減少幅で減少し、r3/R=0.4からはその減少幅が大きくなる。
図31では、r3/Rを変化させたときのトルクリップル比が示され、r3/R=1としたとき(マグネット13の外側面13bの曲率を変化させていないとき)のトルクリップルを100%とすると、そのr3/Rが小さく(マグネット13の外側面13bの曲率が円周C2よりも大きく)なるに連れてトルクリップルが小さくなるが、r3/R=0.8まではトルクリップルが80%程度まで比較的小さい減少幅で減少するが、r3/R=0.8からはその減少幅も大きくなり、r3/R=0.6ではトルクリップルが50%程度まで減少する。r3/R=0.6からもトルクリップルが十分に小さくなる。r3/R=0.8からは特にトルクリップルが大きく低減され、トルク脈動の一層の低減が図られる。
これらを踏まえ、本実施形態のロータ10Eでは、マグネット13の外側面13bの曲率度合いが0.4≦r3/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定されている。このようにすることで、本実施形態においても、モータトルクを極力低下させずに、その磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減が図られている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(19)本実施形態では、マグネット13はその外側面(表面)13bの全体が一定の曲率を以て湾曲形状をなし、その外側面13bの曲率の半径r3と基準の円周C2の半径Rとの比r3/Rが、0.4≦r3/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定されている。つまり、この範囲内でマグネット13を構成することで、マグネット13の外側面13bの周方向両端部が基準の円周C2から曲線的に後退側に次第に離間するため、上記した第6実施形態の効果と同様に、ロータ10Eの磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減を図ることができる。また、マグネット13の外側面13bの曲率の半径r3と基準の円周C2の半径Rとの比r3/Rが、0.4≦r3/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定されることから、モータトルクの低下が抑制されつつ、トルクリップルの一層の低減がなされ、トルク脈動の一層の低減が図られる(図30及び図31参照)。このことは、モータの高出力・低振動化に寄与できる。
尚、上記第6〜第8実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第6〜第8実施形態についての数値範囲は、状況等に応じて適宜変更してもよい。
・上記第6実施形態では突極12aの外側面12c全体の曲率、第7実施形態では突極12aの角部12dの曲率、第8実施形態ではマグネット13の外側面13b全体の曲率のそれぞれの適正化を図ったが、これら各形態を組み合わせてもよく、例えば突極12aとマグネット13との両者をその対象としてもよい。
・上記第6〜第8実施形態では、7個の突極12aと7個のマグネット13とで構成した14磁極のロータ10Eに適用したが、磁極数を適宜変更してもよい。これに伴い、ステータ側の磁極数も適宜変更する。
また、上記第1〜第8実施形態では、インナロータ型のモータに用いられるロータ10A〜10Eに適用したが、アウタロータ型のモータのロータに適用してもよい。この場合、ロータとステータとの径方向の対向関係が逆になる。
(第9実施形態)
以下、第9実施形態を図面に従って説明する。
図32及び図33は、インナロータ型のブラシレスモータMを示す。本実施形態のモータMに用いるロータ10Fは、回転軸11の外周面に磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア12が固着されており、該コア12の周方向にN極のマグネット13が7個配置されるとともに、コア12に一体形成された突極12aが各マグネット13間に配置され、該突極12aをS極として機能させる14磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。尚、ステータ20には、ステータコア21の12個のティース21aにコイル22が巻回された12磁極で構成されたものが用いられる。マグネット13及び突極12aは、ロータ10Fの外周部に等角度間隔で交互に設けられている。
マグネット13は、突極12aよりも周方向長さが若干大きく、周方向に同一厚さの湾曲形状、即ち内側面13aと外側面13bとが平行な湾曲形状をなすように形成されている。マグネット13は、その内側面13aがロータコア12の隣接する突極12a間に設けた同じく湾曲形状をなす固着面12bに固着され、隣接の突極12aとの間に空隙(周方向の隙間)S1が設けられている。マグネット13の外側面13bは、同一円周上となるような曲率の湾曲形状をなしている。
突極12aは、マグネット13よりも周方向長さが若干小さく、略扇状に径方向外側に突出し、更にマグネット13の外側面13bよりも径方向外側に突出する形状をなしている。突極12aは、マグネット13の外側面13bよりも曲率の大きい湾曲形状にて周方向中央部が両端部より盛り上がる形状の外側面12cを有し、その外側面12cの端部でもマグネット13の外側面13bより径方向外側に位置している。つまり、ロータ10Fとステータ20との間の空隙S2において、マグネット13部分の空隙S2よりも突極12a部分の空隙S2の方が小さく、また突極12aの外側面12cでの空隙S2は周方向中央部から両端部に向かうほど次第に大きくなるように変化する構成となっている。
突極12aの両側面における先端部分(突極12aの先端角部の若干手前部分)には、それぞれ係止溝12fが形成されている。係止溝12fは、隣接する突極12aの対向する側面に設けられたもので対をなし、各係止溝12fを用いてカバー部材14が装着される。カバー部材14は、マグネット13の外側面13bに倣った湾曲形状をなしてその外側面13bと当接し、また隣接する突極12a間の周方向長さよりも長く形成され、周方向両端部14aが各係止溝12f内に例えば軸方向から嵌挿されて隣接の突極12a間に跨るようにして固定される。このようなカバー部材14は、マグネット13の磁界を妨げないステンレス(SUS)や銅合金といった非磁性金属板材にて形成され、マグネット13の固着面12bからの剥がれを未然に防止し、またマグネット13の欠けた一部の飛散等を防止すべく、各マグネット13のそれぞれに対して設けられている。
また本実施形態では、突極12aがマグネット13よりも相対的に突出、即ちマグネット13が突極12aよりも相対的に後退させているため、その後退分のスペースにカバー部材14を配置し、突極12aの先端部よりもマグネット13を覆うカバー部材14が径方向外側に突出しない構成としている。つまり、突極12aには当然ながらカバー部材14が必要ないため、突極12aをカバー部材14にて覆わない構成とするのに加え、カバー部材14の配置位置の工夫から突極12aとステータ20との空隙S2、即ち磁気的な離間距離が極めて小さいまま維持される。これにより、突極12aとステータ20との間の磁気抵抗を小さいまま維持でき、モータ出力の低下の抑制が図られる。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(20)本実施形態のロータ10Fは、マグネット13よりも突極12aが径方向外側に相対的に突出するように構成されており、隣接の突極12a間においてマグネット13を覆うためのカバー部材14が突極12aよりも突出しないように突極12aの側面先端側に係止されて設けられている。つまり、突極12aには当然ながらカバー部材14が必要ないため突極12aをカバー部材14にて覆わない構成とするのに加え、マグネット13が突極12aよりも相対的に後退させているその後退分のスペースにカバー部材14を配置して突極12aよりもカバー部材14が径方向外側に突出しない構成とすることで、突極12a部分とステータ20との空隙S2、即ち磁気的な離間距離を極めて小さいまま維持することができる。これにより、突極12aとステータ20との間の磁気抵抗を小さいまま維持することができ、モータMの出力低下の抑制を図ることができる。
(21)本実施形態では、カバー部材14は、非磁性金属板材よりなり、突極12aの先端側に設けた係止溝12fと係止させてマグネット13を覆うように装着されている。つまり、カバー部材14にて覆われるマグネット13の外側面13bと突極12aの先端部との高さ(径方向位置)が近いため、カバー部材14を係止する係止溝12fをその突極12aの先端部に設けることで、本実施形態のように単なる湾曲形状というようにカバー部材14の形状の簡素化、ひいては加工の容易化に寄与することができる。
尚、上記第9実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第9実施形態では、マグネット13の飛散防止のためのカバー部材14を突極12aの先端部に設けた係止溝12fに嵌挿して固定したが、固定態様はこれに限定されるものではない。
例えば図34に示すように、突極12aの両側面における基端部分(突極12aの基端角部)に例えば半円状の係止孔12eが設けられ、非磁性金属板材よりなるカバー部材14には、マグネット13の周方向両端部を覆いながら突極12aの基端側に延びる側壁部14bがそれぞれ設けられ、各側壁部14bの先端部(径方向内側端部)を鋭角に折り返した係止片14cが設けられている。係止片14cの先端部が係止孔12eに挿入されて係止することで、カバー部材14がロータコア12に対して装着される。因みに、このカバー部材14は、マグネット13の径方向外側から装着、具体的には係止片14cを弾性変形により突極12aとマグネット13との間の空隙S1を径方向内側に向かって通過させ、係止片14cが係止孔12e内で形状復帰して係止状態となることで装着される。尚、このカバー部材14は、予め係止片14cを係止孔12e内に挿入させながらの軸方向からの装着も可能である。
このようなカバー部材14の取付態様とすることで設けた係止孔12eの位置する突極12aの基端角部は、磁束の曲がりがきつく磁束量の比較的少ない部分であるため、孔を設けたことによる磁気的な影響は小さい。また突極12aの基端部とマグネット13の径方向内側部分との間の空隙S1が拡大するため、この部分での磁束漏れが低減される。
また上記のように、カバー部材14を係止するために突極12aに係止溝12fや係止孔12eを形成したが、凸部であってもよい。また、カバー部材14を突極12aのみならず、突極12a以外で例えば固着面12bに係止する態様としてもよい。
また、例えば図35に示すように、マグネット13を覆うように非磁性の樹脂材料を一体成形(ロータコア12に固着)し、マグネット13の飛散防止のための樹脂カバー15を構成してもよい。この場合、樹脂カバー15が突極12aの先端部よりも径方向外側に突出しないように構成される。このようにすれば、ロータ10Fの部品数の低減を図ることができる。また、樹脂カバー15を予め作製しておき、上記のカバー部材14と同様に装着させる態様としてもよい。
・上記第9実施形態のカバー部材14について特に言及していないが、マグネット13毎に独立した部品としてもよいが、例えばロータ10Fの軸方向一側で各マグネット13に対応するカバー部材14を連結して一体とした構成であってもよい。
・上記第9実施形態では、7個の突極12aと7個のマグネット13とで構成した14磁極のロータ10Fに適用したが、磁極数を適宜変更してもよい。これに伴い、ステータ側の磁極数も適宜変更する。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想をその効果とともに記載する。
(付記1)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータであって、ステータに対するロータの空隙のうち、前記マグネット側の最短空隙距離Aと前記突極側の最短空隙距離Bとの比B/Aが、0.3≦B/A<1の範囲内に設定されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、ステータに対するロータの空隙のうち、マグネット側の最短空隙距離Aと突極側の最短空隙距離Bとの比B/Aが、0.3≦B/A<1の範囲内のいずれかに設定される。これにより、モータトルクの増大とトルクリップル(トルク脈動)の増加の抑制との両立が可能となり(図15及び図16参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記2)付記1に記載のロータにおいて、前記突極及び前記マグネットの各表面は、それぞれ前記ステータに対する空隙距離が周方向で一定となる湾曲形状をなしていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、突極及びマグネットの各表面は、それぞれステータに対する空隙距離が周方向で一定となる湾曲形状にて形成される。このような湾曲形状をなす突極及びマグネットの各表面にかかる空隙距離比B/Aが適正に設定され、ロータの回転性能の向上が図られる。
(付記3)付記1に記載のロータにおいて、
前記突極の表面にて周方向中央部よりも周方向端部側が後退する形状をなすものであり、周方向中央部での最短空隙距離Bと周方向端部での空隙距離Cとの比C/Bが、2≦C/B≦5の範囲内に設定されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、突極の表面において周方向中央部での最短空隙距離Bと周方向端部での空隙距離Cとの比C/Bが、2≦C/B≦5の範囲内のいずれかに設定される。これにより、ステータ側が受けるラジアル力のその脈動が低減されるため(図18参照)、モータの低振動化に寄与できる。
(付記4)付記3に記載のロータにおいて、前記突極の表面は、一定の曲率の湾曲形状をなしていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、突極の表面は、一定の曲率の湾曲形状にて形成される。このような湾曲形状をなす突極の表面にかかる空隙距離比C/Bが適正に設定され、モータの低振動化が図られる。
(付記5)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータであって、前記突極及び前記マグネットの各表面が位置する基準の円周に対し、その少なくとも一方における前記表面の周方向両端部が前記基準の円周から曲線的に後退側に次第に離間するように構成されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、突極及びマグネットの各表面が位置する基準の円周に対し、その少なくとも一方の表面の周方向両端部が基準の円周から曲線的に後退側に次第に離間する構成とされる。これにより、周方向両端部ほどステータとの空隙が次第に拡大するため、それに伴って突極又はマグネットの磁極端部付近での磁束密度の突出変化度合いが小さくなり、また磁極中央部付近では磁束密度の落ち込み度合いも小さくなる。そのため、マグネットと突極との間に空隙を設けてロータの磁束密度の急峻な変化の抑制を図るのに加え、その磁束密度の急峻な変化が一層抑制され、トルク脈動の一層の低減が図られる。
(付記6)付記5に記載のロータにおいて、前記突極はその表面全体が一定の曲率を以て湾曲形状をなすものであり、その表面の曲率の半径r1と前記基準の円周の半径Rとの比r1/Rが、0.2≦r1/R≦0.8の範囲内に設定されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、突極はその表面全体が一定の曲率を以て湾曲形状をなし、その表面の曲率の半径r1と基準の円周の半径Rとの比r1/Rが、0.2≦r1/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定される。これにより、モータトルクの低下が抑制されつつ、トルクリップルの一層の低減がなされ、トルク脈動の一層の低減が図られる(図22及び図23参照)。
(付記7)付記5に記載のロータにおいて、前記突極はその周方向両端の角部がR形状をなすものであり、その角部の曲率の半径r2と突極の突出長さhとの比r2/hが、0.2≦r2/h≦0.9の範囲内に設定されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、突極はその周方向両端の角部がR形状をなし、その角部の曲率の半径r2と突極の突出長さhとの比r2/hが、0.2≦r2/h≦0.9の範囲内のいずれかに設定される。これにより、モータトルクの低下が抑制されつつ、トルクリップルの一層の低減がなされ、トルク脈動の一層の低減が図られる(図25及び図26参照)。
(付記8)付記5に記載のロータにおいて、前記マグネットはその表面全体が一定の曲率を以て湾曲形状をなすものであり、その表面の曲率の半径r3と前記基準の円周の半径Rとの比r3/Rが、0.4≦r3/R≦0.8の範囲内に設定されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、マグネットはその表面全体が一定の曲率を以て湾曲形状をなし、その表面の曲率の半径r3と基準の円周の半径Rとの比r3/Rが、0.4≦r3/R≦0.8の範囲内のいずれかに設定される。これにより、モータトルクの低下が抑制されつつ、トルクリップルの一層の低減がなされ、トルク脈動の一層の低減が図られる(図30及び図31参照)。
(付記9)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータであって、前記マグネットよりも前記突極が径方向外側に相対的に突出するように構成し、隣接の前記突極間において前記マグネットを覆うためのカバー手段が前記突極よりも突出しないように前記ロータコアに係止されて設けられていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、ロータはマグネットよりも突極が径方向外側に相対的に突出するように構成され、隣接の突極間においてマグネットを覆うためのカバー手段が突極よりも突出しないようにロータコアに係止されて設けられる。つまり、突極には当然ながらカバー手段が必要ないため突極をカバー手段にて覆わない構成とするのに加え、マグネットが突極よりも相対的に後退させているその後退分のスペースにカバー手段を配置して突極よりもカバー手段が径方向外側に突出しない構成とすることで、突極部分とステータとの空隙、即ち磁気的な離間距離を極めて小さいまま維持できる。これにより、突極とステータとの間の磁気抵抗を小さいまま維持でき、モータ出力の低下の抑制が図られる。
(付記10)付記9に記載のロータにおいて、前記カバー手段は、非磁性金属板材にて構成され、前記突極の先端側に設けた係止部と係止させて前記マグネットを覆うように装着されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、カバー手段は、非磁性金属板材よりなり、突極の先端側に設けた係止部と係止させてマグネットを覆うように装着される。つまり、カバー手段にて覆われるマグネットの外側面と突極の先端部との高さ(径方向位置)が近いため、カバー手段を係止する係止部をその突極の先端部に設けることで、カバー手段の形状の簡素化、ひいては加工の容易化に寄与できる。
(付記11)付記9に記載のロータにおいて、前記カバー手段は、非磁性金属板材にて構成され、前記突極の基端側に設けた係止孔と係止させて前記マグネットを覆うように装着されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、カバー手段は、非磁性金属板材よりなり、突極の基端側に設けた係止孔と係止させてマグネットを覆うように装着される。つまり、係止孔の位置する突極の基端側部分は、磁束の曲がりがきつく磁束量の比較的少ない部分であるため、カバー手段の装着にかかる孔の形成による磁気的影響を小さくすることが可能である。また、この孔の形成により突極の基端側部分とマグネットの径方向内側部分との間の空隙が拡大するため、この部分での磁束漏れの低減も可能となる。
(付記12)付記9に記載のロータにおいて、前記カバー手段は、前記マグネットを覆うように樹脂材料が前記ロータコアに一体成形されて構成されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、カバー手段は、マグネットを覆うように樹脂材料がロータコアに一体成形されて構成されるため、ロータの部品数の低減が可能となる。
(付記13)付記1〜12のいずれか1つに記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
この構成によれば、上記のロータを用いることで、回転性能が向上したモータ(付記1〜4)、又は高出力・低振動化が図られたモータ(付記5〜8)、又は出力低下の抑制が図られた十分なマグネットの飛散防止構造が構成されたモータ(付記9〜12)を提供できる。
(付記14)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、該ロータと対向するステータとからなるモータであって、前記ロータの極数X1と前記ステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n−1):(3n)(nは3以上の奇数)、又は(3n−2):(3n)(nは4以上の偶数)となるように構成され、前記マグネットと前記突極との間をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)をθ1,θ2とし、θ1+θ2=360°であり、前記マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1<220°の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
この構成によれば、マグネットと突極との各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、ロータの表面に現れるマグネット側の磁極と突極側の磁極とが周方向に同等又は同等に近く磁気バランス良く構成でき(図8参照)、ロータの回転性能の向上を図ることができる。
(付記15)付記14に記載のロータにおいて、前記マグネット及び前記突極の各表面が同一円周上に位置し、各表面とステータとの空隙が同じ寸法に設定されていることを特徴とするロータ。
この構成によれば、マグネット及び突極の各表面が同一円周上に位置し、各表面とステータとの空隙が同じ寸法に設定されるロータに対し、マグネット及び突極の各磁極占有角度の適正化がなされ、回転性能の向上が図られる。
・ところで、特許文献1のようなコンシクエントポール型構造のロータは、磁束の強制力(誘導)のあるマグネットと、磁束の強制力のない突極とが混在する磁極にて構成されているため、磁気的にアンバランスが生じ易く、このことがトルクリップルの増大等の回転性能の悪化に繋がっている。
これに対して、突極及びマグネットの各形状の適正化を図り、回転性能の向上を図ることができる以下のモータを提供する。
(付記16)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、該ロータと対向するステータとからなるモータであって、
前記ロータの極数X1と前記ステータのスロット数X2との比X1:X2が(2n):(3n)(nは自然数)となるように構成され、
前記マグネットと前記突極との間をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)をθ1,θ2とし、θ1+θ2=360°であり、
前記突極における磁束密度は、磁極中央部付近が磁極端部付近よりも落ち込むように変化するものであって、
前記マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦230°の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(2n):(3n)(nは自然数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1<230°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、θ1=180°、即ちマグネットと突極との各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ(図3参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記17)前記マグネットの磁極占有角度θ1が、200°≦θ1≦220°の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(2n):(3n)(nは自然数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、200°≦θ1≦220°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、トルクリップルをより低減でき(図3参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記18)前記マグネットの磁極占有角度θ1が、208°≦θ1≦216°の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(2n):(3n)(nは自然数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、208°≦θ1≦216°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、トルクリップルを更に低減でき(図3参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記19)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、該ロータと対向するステータとからなるモータであって、
前記ロータの極数X1と前記ステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n−1):(3n)(nは3以上の奇数)、又は(3n−2):(3n)(nは4以上の偶数)となるように構成され、
前記マグネットと前記突極との間をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)をθ1,θ2とし、θ1+θ2=360°であり、
前記突極における磁束密度は、磁極中央部付近が磁極端部付近よりも落ち込むように変化するものであって、
前記マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦210°の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n−1):(3n)(nは3以上の奇数)、又は(3n−2):(3n)(nは4以上の偶数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦210°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、θ1=180°、即ちマグネットと突極との各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ(図7参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記20)前記マグネットの磁極占有角度θ1が、184°≦θ1≦202°の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n−1):(3n)(nは3以上の奇数)、又は(3n−2):(3n)(nは4以上の偶数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、184°≦θ1≦202°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、トルクリップルをより低減でき(図7参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記21)前記マグネットの磁極占有角度θ1が、188°≦θ1≦198°の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n−1):(3n)(nは3以上の奇数)、又は(3n−2):(3n)(nは4以上の偶数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、188°≦θ1≦198°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、トルクリップルを更に低減でき(図7参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記22)ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、該ロータと対向するステータとからなるモータであって、
前記ロータの極数X1と前記ステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n+1):(3n)(nは奇数)、又は(3n+2):(3n)(nは偶数)となるように構成され、
前記マグネットと前記突極との間をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)をθ1,θ2とし、θ1+θ2=360°であり、
前記突極における磁束密度は、磁極中央部付近が磁極端部付近よりも落ち込むように変化するものであって、
前記マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦200°の範囲内に設定されていることを特徴とするモータ。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n+1):(3n)(nは奇数)、又は(3n+2):(3n)(nは偶数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、180°<θ1≦200°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、θ1=180°、即ちマグネットと突極との各磁極占有角度θ1,θ2を構造的に同じとする一般的な構造としたときよりも、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ(図11参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記23)前記マグネットの磁極占有角度θ1が、182°≦θ1≦197°の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n+1):(3n)(nは奇数)、又は(3n+2):(3n)(nは偶数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、182°≦θ1≦197°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、トルクリップルをより低減でき(図11参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記24)前記マグネットの磁極占有角度θ1が、185°≦θ1≦195°の範囲内に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの極数X1とステータのスロット数X2との比X1:X2が(3n+1):(3n)(nは奇数)、又は(3n+2):(3n)(nは偶数)となるように構成されたモータにおいて、マグネットの磁極占有角度θ1が、185°≦θ1≦195°の範囲内のいずれかに設定される。これにより、トルクリップルを更に低減でき(図11参照)、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
(付記25)前記ロータの周方向において前記マグネットと前記突極との間には空隙が設けられ、前記各磁極占有角度は、前記マグネットと前記突極との間の前記空隙の中間点をその起点と終点として設定されたことを特徴とする。
この構成によれば、周方向においてマグネットと突極との間に空隙が設けられるため、マグネットと突極の境界部分における磁束密度の急峻な変化を抑制することができる。また、このような構成のロータを備えたモータにおいて、トルクの低下を抑えつつトルクリップルの低減を図ることができ、ロータの回転性能の向上に寄与できる。
M…ブラシレスモータ、10A〜10F…ロータ、12…ロータコア、12a…突極、12c…外側面(表面)、13…マグネット、13b…外側面(表面)、20…ステータ、S1,S2…空隙、θ1,θ2…磁極占有角度。

Claims (1)

  1. ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと、該ロータと対向するステータとからなるモータであって、
    前記マグネットと前記突極との間をその起点と終点とした各磁極占有角度(電気角)をθ1,θ2とし、θ1+θ2=360°であり、
    前記突極における磁束密度は、磁極中央部付近が磁極端部付近よりも落ち込むように変化するものであって、
    前記マグネットの磁極占有角度θ1が前記突極の磁極占有角度θ2よりも大きいことを特徴とするモータ。
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