JP6326614B2 - 永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 - Google Patents
永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6326614B2 JP6326614B2 JP2013231672A JP2013231672A JP6326614B2 JP 6326614 B2 JP6326614 B2 JP 6326614B2 JP 2013231672 A JP2013231672 A JP 2013231672A JP 2013231672 A JP2013231672 A JP 2013231672A JP 6326614 B2 JP6326614 B2 JP 6326614B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnet
- length
- point
- groove
- stator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K1/00—Details of the magnetic circuit
- H02K1/06—Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
- H02K1/22—Rotating parts of the magnetic circuit
- H02K1/27—Rotor cores with permanent magnets
- H02K1/2706—Inner rotors
- H02K1/272—Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis
- H02K1/274—Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets
- H02K1/2753—Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets the rotor consisting of magnets or groups of magnets arranged with alternating polarity
- H02K1/278—Surface mounted magnets; Inset magnets
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K21/00—Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets
- H02K21/12—Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets with stationary armatures and rotating magnets
- H02K21/14—Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets with stationary armatures and rotating magnets with magnets rotating within the armatures
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K2201/00—Specific aspects not provided for in the other groups of this subclass relating to the magnetic circuits
- H02K2201/03—Machines characterised by aspects of the air-gap between rotor and stator
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K2213/00—Specific aspects, not otherwise provided for and not covered by codes H02K2201/00 - H02K2211/00
- H02K2213/03—Machines characterised by numerical values, ranges, mathematical expressions or similar information
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Description
このようなSPMモータは、エレベータや、遊戯施設や、各種の機械装置の駆動源(モータ)として使用されている。
万が一、磁石が回転子鉄心から剥がれてしまうと、剥がれた磁石が、回転子と固定子の間に挟まったり噛み込まれたりすること等を原因として、モータが突然ロックして、回転ができなくなってしまうことがあるからである(詳細は後述する)。
つまり、蟻溝構造と接着剤により、磁石3は磁石挿入溝2(回転子鉄心1)に固定される。
磁石13の外周には、バインドテープ15が、回転子鉄心11の周面を一周する状態で配置されている。このバインドテープ15により、各磁石13を磁石挿入溝12側に押えている。
このため、接着剤とバインドテープ15により、磁石13は磁石挿入溝12(回転子鉄心11)に固定される。なお、バインドテープ15としては、熱硬化タイプのテープ等が使用される。
さらに、バインドテープ15として熱硬化タイプのテープ等を使用した場合には、熱硬化温度が磁石13の減磁温度よりも高いと、磁石13が減磁してモータ特性が低下する問題があった。
(1)蟻溝形の磁石挿入溝やバインドテープを用いないことにより、加工や製造が容易でコストダウンを図ることができ、
(2)しかも、固定手段として接着剤のみを用いて磁石を回転子鉄心の磁石挿入溝に固定した構造であっても、モータの突然のロックという事態に至る心配がなく、
(3)更に、構造が簡単である、
という特性を持ったモータを開発したいと念願し、各種の検討と研究を行った。
一方、多数の磁石のうち一部の磁石が仮に剥離したとしても、一部の磁石が剥離した状態のままでモータの回転を維持できれば、モータにより駆動されている設備・機器の停止位置・状態を、本来の停止位置・状態にまでもってくることができ、問題になることはない。
このような観点から、本願の発明者は検討・研究をした。
図10に示すように、回転子鉄心21の表面(周面)に形成した断面形状が矩形(長方形)の磁石挿入溝22に、断面形状が矩形(長方形)の磁石(永久磁石)23を、接着剤のみにより接着・固定したモータについて検討した。なお、図10において、24は固定子である。
回転子鉄心の表面に形成された軸方向に伸びた磁石挿入溝に、永久磁石を挿入し接着剤により接着して構成された永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造であって、
前記磁石挿入溝は、断面形状が矩形になっていると共に、周方向の両側に位置する溝側面と、内周側に位置する溝底面を有しており、
前記永久磁石は、周方向の両側に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面と、内周側に位置する平面である磁石下面と、外周側に位置する磁石上面を有しており、
前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がって前記磁石上面が固定子の内周面に接触した状態において、各点及び長さを下記のように定義したときに、
長さLa<長さLb
となるように前記磁石側面の長さに対して、前記溝側面の長さを規定し、
前記接着剤が経年劣化してその接着力が低下し前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がる際には、前記磁石下面と前記溝底面とが平行になった状態を保持しつつ前記永久磁石が浮き上がるように、前記磁石側面が前記溝側面に密着している構造になっていることを特徴とする。
点C:前記磁石上面と前記固定子の内周面との接触点。
点D:前記磁石側面のうち前記溝側面に接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:前記溝側面のうち前記磁石側面に接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
回転子鉄心の表面に形成された軸方向に伸びた磁石挿入溝に、永久磁石を挿入し接着剤により接着して構成された永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造であって、
前記磁石挿入溝は、断面形状が矩形になっていると共に、周方向の両側に位置する溝側面と、内周側に位置する溝底面を有しており、
前記永久磁石は、周方向の両側に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面と、内周側に位置する平面である磁石下面と、外周側に位置する磁石上面を有しており、
前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がって前記磁石上面が固定子の内周面に接触した状態において、各点及び長さを下記のように定義したときに、
長さLa<長さLb
となるように前記磁石側面の長さに対して、前記溝側面の長さを規定し、
前記接着剤が経年劣化してその接着力が低下し前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がる際には、前記磁石下面が前記溝底面に対して斜めになって前記永久磁石が斜めに浮き上がるように、前記磁石側面と前記溝側面との間に隙間がある構造になっており、
前記点D及び点Eは、磁石が浮き上がった側において定義することを特徴とする。
点C:前記磁石上面と前記固定子の内周面との接触点。
点D:前記磁石側面のうち前記溝側面に接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:前記溝側面のうち前記磁石側面に接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
前記の永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造を設計する設計手法であって、
先ず、電気的な設計により、前記永久磁石の半径方向の長さと、前記磁石上面と前記固定子の内周面との半径方向の長さを決定し、
次に、長さLa<長さLbという式を満たすように、前記磁石側面の長さを考慮して、前記溝側面の長さを決定することを特徴とする。
図1A,図1Bは実施例1に係るSPMモータの磁石固定構造を示す。図1A,図1Bは、SPMモータの回転軸に直交する方向に破断した断面図であり、回転子鉄心、固定子、磁石の一部のみを示すものである。
図1Aは磁石が回転子鉄心から剥がれていない正常状態を示し、図1Bは磁石が回転子鉄心から剥がれた剥離状態を示している。
磁石挿入溝102は、周方向の両側(図では左右の両側)に位置する溝側面102a,102bと、内周側に位置する溝底面102cを有している。溝側面102a,102bは互いに平行な平面である。溝底面102cは平面であり、溝側面102a,102bと直交している。
磁石103は、周方向の両側(図では左右の両側)に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面103a,103bと、内周側に位置する平面である磁石下面103cと、外周側に位置する湾曲面である磁石上面103dを有している。磁石下面103cは磁石側面103a,103bと直交している。磁石上面103dは、径方向外側に向かって凸となった湾曲面(円弧面)になっている。
図1Aに示すように、正常状態では、磁石103の磁石上面103dと固定子104の内周面との間にはギャップがある。
なお、SPMモータの回転子鉄心101には多数の磁石103が接着・固定されているので、そのうちの一部(1つ)の磁石103が剥離して図1Bに示す剥離状態になったとしても、残りの多数の磁石103は回転子鉄心101に接着・固定されたままになっている。
点C:磁石上面103dと固定子104の内周面との接触点。この例では、点Cは磁石上面103dの頂部になる。
点D:磁石側面103a,103bのうち、溝側面102a,102bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面102a,102bのうち、磁石側面103a,103bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝102の溝側面102a,102bの半径方向の長さと、磁石103の磁石側面103a,103bの半径方向の長さを規定している。
この式(1)の技術的な意味は次の通りである。即ち、磁石103の磁石側面103a,103bの高さ(長さ)が、仮に、従来のもの(磁石剥離に伴いモータの突然のロックが生じるもの)と一緒だとした場合に、溝側面102a,102bの高さ(長さ)を、従来のものに対して高く(長く)したことを意味する。
ちなみに、磁石103の半径方向の長さや、磁石上面103dと固定子104の内周面との間の長さは、SPMモータに求められる電気的特性から(つまり電気設計により)決定される。
つまり、図1Bに示す剥離状態になったときには、磁石側面103a,103bと溝側面102a,102bとが部分的に接触しているので、磁石103は磁石挿入溝102内に保持される。そして、磁石103は回転子鉄心101の回転に伴い回転し、磁石上面103dは固定子104の内周面に接触しつつ移動していく。なお、磁石上面103dが固定子104の内周面に接触して生ずる抵抗は、モータの発生トルクに比べて極めて小さいので、モータの回転が阻止されることはない。
このため、モータが突然ロックして回転ができなくなるという事態に至ることがなくなる。
例えば、エレベータ設備・機器の場合には、「かご」を途中階で止めることなく、所定の階の位置にまで昇降移動させることができる。
図2A,図2Bは実施例2に係るSPMモータの磁石固定構造を示す。図2A,図2Bは、SPMモータの回転軸に直交する方向に破断した断面図であり、回転子鉄心、固定子、磁石の一部のみを示すものである。
図2Aは磁石が回転子鉄心から剥がれていない正常状態を示し、図2Bは磁石が回転子鉄心から剥がれた剥離状態を示している。
磁石113は、周方向の両側(図では左右の両側)に位置する平面である磁石側面113a,113bと、内周側に位置する平面である磁石下面113cと、外周側に位置する平面である磁石上面113dを有している。磁石下面113c及び磁石上面103dは磁石側面113a,113bと直交している。
点C:磁石上面113dと固定子104の内周面との接触点。この例では、点Cは磁石上面113dのうち周方向の端部になる。
点D:磁石側面113a,113bのうち、溝側面102a,102bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面102a,102bのうち、磁石側面113a,113bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝102の溝側面102a,102bの半径方向の長さと、磁石113の磁石側面113a,113bの半径方向の長さを規定している。
この式(1)の技術的な意味は次の通りである。即ち、磁石113の磁石側面113a,113bの高さ(長さ)が、仮に、従来のもの(磁石剥離に伴いモータの突然のロックが生じるもの)と一緒だとした場合に、溝側面102a,102bの高さ(長さ)を、従来のものに対して高く(長く)したことを意味する。
つまり、図2Bに示す剥離状態になったときには、磁石側面113a,113bと溝側面102a,102bとが部分的に接触しているので、磁石113は磁石挿入溝102内に保持される。そして、磁石113は回転子鉄心101の回転に伴い回転し、磁石上面113dは固定子104の内周面に接触しつつ移動していく。なお、磁石上面113dが固定子104の内周面に接触して生ずる抵抗は、モータの発生トルクに比べて極めて小さいので、モータの回転が阻止されることはない。
このため、モータが突然ロックして回転ができなくなるという事態に至ることがなくなる。
図3A,図3Bは実施例3に係るSPMモータの磁石固定構造を示す。図3A,図3Bは、SPMモータの回転軸に直交する方向に破断した断面図であり、回転子鉄心、固定子、磁石の一部のみを示すものである。
図3Aは磁石が回転子鉄心から剥がれていない正常状態を示し、図3Bは磁石が回転子鉄心から剥がれた剥離状態を示している。
ちなみに、図1A,図1B,図2A,図2Bに示す固定子104では、スロット開口が固定子内周面に臨まないように、スロット開口面を塞ぎ、固定子104の内周面を滑らかな周面にしている。
点C:磁石上面103dと固定子104の内周面との接触点。この例では、点Cは磁石上面103dの頂部からやや下がった位置(頂部から周方向にずれた位置)になる。
点D:磁石側面103a,103bのうち、溝側面102a,102bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面102a,102bのうち、磁石側面103a,103bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝102の溝側面102a,102bの半径方向の長さと、磁石103の磁石側面103a,103bの半径方向の長さを規定している。
したがって実施例3においても、実施例1と同様に、接着剤が経年劣化してその接着力が低下し磁石103が磁石挿入溝102から浮き上がったとしても、磁石103が浮き上がった状態のままでモータの回転を維持することができ、モータにより駆動されている設備・機器の停止位置・状態を本来の停止位置・状態にまでもってくることができる。これにより安全性が高まる。
図4A,図4Bは実施例4に係るSPMモータの磁石固定構造を示す。図4A,図4Bは、SPMモータの回転軸に直交する方向に破断した断面図であり、回転子鉄心、固定子、磁石の一部のみを示すものである。
図4Aは磁石が回転子鉄心から剥がれていない正常状態を示し、図4Bは磁石が回転子鉄心から剥がれた剥離状態を示している。
点C:磁石上面113dと固定子104の内周面との接触点。この例では、点Cは磁石上面113dの周方向の端部から周方向の中央側にシフトした位置になる。
点D:磁石側面113a,113bのうち、溝側面102a,102bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面102a,102bのうち、磁石側面113a,113bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝102の溝側面102a,102bの半径方向の長さと、磁石113の磁石側面113a,113bの半径方向の長さを規定している。
したがって実施例4においても、実施例2と同様に、接着剤が経年劣化してその接着力が低下し磁石113が磁石挿入溝102から浮き上がったとしても、磁石113が浮き上がった状態のままでモータの回転を維持することができ、モータにより駆動されている設備・機器の停止位置・状態を本来の停止位置・状態にまでもってくることができる。これにより安全性が高まる。
図5は実施例5の要部を示す断面図であり、固定子は図示省略している。実施例5では、磁石103の内周側の角部(磁石側面103a,103bと磁石底面103cとが交わる部分)や、磁石挿入溝102の溝側面102a,102bの外周側の角部(溝側面102a,102bと回転子鉄心101の周面とが交わる部分)に、面取りを施したものである。面取りの代わりに、アールを付けてもよい。
点D:磁石側面103a,103bのうち、溝側面102a,102bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面102a,102bのうち、磁石側面113a,113bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝102の溝側面102a,102bの半径方向の長さと、磁石103の磁石側面103a,103bの半径方向の長さを規定する。
これにより、実施例1〜4と同様に、実施例5においても、接着剤が経年劣化してその接着力が低下し磁石103が磁石挿入溝102から浮き上がったとしても、磁石103が浮き上がった状態のままでモータの回転を維持することができる。
図6A,図6Bは実施例6に係るSPMモータの磁石固定構造を示す。図6A,図6Bは、SPMモータの回転軸に直交する方向に破断した断面図であり、回転子鉄心、固定子、磁石の一部のみを示すものである。
図6Aは磁石が回転子鉄心から剥がれていない正常状態を示し、図6Bは磁石が回転子鉄心から剥がれた剥離状態を示している。
磁石挿入溝202は、周方向の両側(図では左右の両側)に位置する溝側面202a,202bと、内周側に位置する溝底面202cを有している。溝側面202a,202bは互いに平行な平面である。溝底面202cは平面であり、溝側面202a,202bと直交している。
磁石203は、周方向の両側(図では左右の両側)に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面203a,203bと、内周側に位置する平面である磁石下面203cと、外周側に位置する平面である磁石上面203dを有している。磁石下面203c及び磁石上面203dは磁石側面203a,203bと直交している。
この例では、磁石側面203a,203bと溝側面202a,202bとの間に若干の隙間がある。
図6Aに示すように、正常状態では、磁石203の磁石上面203dと固定子204の内周面との間にはギャップがある。
この例では、磁石側面203a,203bと溝側面202a,202bとの間に若干の隙間があるため、磁石203が斜めになって浮き上がるのである。
点C:磁石上面203dと固定子204の内周面との接触点。この例では、点Cは磁石上面203dのうち周方向の端部になる。
点D:磁石側面203a,203bのうち、溝側面202a,202bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面202a,202bのうち、磁石側面203a,203bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝202の溝側面202a,202bの半径方向の長さと、磁石203の磁石側面203a,203bの半径方向の長さを規定している。
このため、モータが突然ロックして回転ができなくなるという事態に至ることがなくなる。
図7A,図7Bは実施例7に係るSPMモータの磁石固定構造を示す。図7A,図7Bは、SPMモータの回転軸に直交する方向に破断した断面図であり、回転子鉄心、固定子、磁石の一部のみを示すものである。
図7Aは磁石が回転子鉄心から剥がれていない正常状態を示し、図7Bは磁石が回転子鉄心から剥がれた剥離状態を示している。
磁石213は、周方向の両側(図では左右の両側)に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面213a,213bと、内周側に位置する平面である磁石下面213cと、外周側に位置する湾曲面である磁石上面213dを有している。磁石下面213cは磁石側面213a,213bと直交している。磁石上面213dは、径方向外側に向かって大きく凸となった湾曲面(円弧面)になっている。
この例では、磁石側面213a,213bと溝側面202a,202bとの間に若干の隙間があるため、磁石213が斜めになって浮き上がるのである。
点C:磁石上面213dと固定子204の内周面との接触点。この例では、点Cは磁石上面213dのうち頂部付近になる。
点D:磁石側面213a,213bのうち、溝側面202a,202bに接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:溝側面202a,202bのうち、磁石側面213a,213bに接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLa<長さLb・・・(1)
となるように、磁石挿入溝202の溝側面202a,202bの半径方向の長さと、磁石213の磁石側面213a,213bの半径方向の長さを規定している。
このため、モータが突然ロックして回転ができなくなるという事態に至ることがなくなる。
上述した実施例1〜7における「永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造」の設計手法を、実施例8として、次に説明する。
長さLa<長さLb・・・(1)
という式を満たすように、磁石103,113,203,213の磁石側面103a,103b,113a,113b,203a,203b,213a,213bの高さ(長さ)を考慮して、溝側面102a,102b,202a,202bの高さ(長さ)を決定する。このようにして、溝側面102a,102b,202a,202bの高さ(長さ)を決定することにより、回転子鉄心101,201の径が確定する。
102,202 磁石挿入溝
102a,102b,202a,202b 溝側面
102c,202c 溝底面
103,113,203,213 磁石
103a,103b,113a,113b,203a,203b,231a,213b 磁石側面
103c,113c,203c,213c 磁石下面
103d,113d,203d,213d 磁石上面
104,204 固定子
105 固定子巻線
106 絶縁紙
Claims (3)
- 回転子鉄心の表面に形成された軸方向に伸びた磁石挿入溝に、永久磁石を挿入し接着剤により接着して構成された永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造であって、
前記磁石挿入溝は、断面形状が矩形になっていると共に、周方向の両側に位置する溝側面と、内周側に位置する溝底面を有しており、
前記永久磁石は、周方向の両側に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面と、内周側に位置する平面である磁石下面と、外周側に位置する磁石上面を有しており、
前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がって前記磁石上面が固定子の内周面に接触した状態において、各点及び長さを下記のように定義したときに、
長さLa<長さLb
となるように前記磁石側面の長さに対して、前記溝側面の長さを規定し、
前記接着剤が経年劣化してその接着力が低下し前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がる際には、前記磁石下面と前記溝底面とが平行になった状態を保持しつつ前記永久磁石が浮き上がるように、前記磁石側面が前記溝側面に密着している構造になっていることを特徴とする永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造。
点C:前記磁石上面と前記固定子の内周面との接触点。
点D:前記磁石側面のうち前記溝側面に接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:前記溝側面のうち前記磁石側面に接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。 - 回転子鉄心の表面に形成された軸方向に伸びた磁石挿入溝に、永久磁石を挿入し接着剤により接着して構成された永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造であって、
前記磁石挿入溝は、断面形状が矩形になっていると共に、周方向の両側に位置する溝側面と、内周側に位置する溝底面を有しており、
前記永久磁石は、周方向の両側に位置する互いに平行になっている平面である磁石側面と、内周側に位置する平面である磁石下面と、外周側に位置する磁石上面を有しており、
前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がって前記磁石上面が固定子の内周面に接触した状態において、各点及び長さを下記のように定義したときに、
長さLa<長さLb
となるように前記磁石側面の長さに対して、前記溝側面の長さを規定し、
前記接着剤が経年劣化してその接着力が低下し前記永久磁石が前記磁石挿入溝から浮き上がる際には、前記磁石下面が前記溝底面に対して斜めになって前記永久磁石が斜めに浮き上がるように、前記磁石側面と前記溝側面との間に隙間がある構造になっており、
前記点D及び点Eは、磁石が浮き上がった側において定義することを特徴とする永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造。
点C:前記磁石上面と前記固定子の内周面との接触点。
点D:前記磁石側面のうち前記溝側面に接触している面であって、最も外周側に位置している点。
点E:前記溝側面のうち前記磁石側面に接触している面であって、最も内周側に位置している点。
長さLa:点Cが位置する半径方向位置と点Dが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。
長さLb:点Cが位置する半径方向位置と点Eが位置する半径方向位置との間の半径方向の長さ。 - 請求項1又は請求項2に記載の永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造を設計する設計手法であって、
先ず、電気的な設計により、前記永久磁石の半径方向の長さと、前記磁石上面と前記固定子の内周面との半径方向の長さを決定し、
次に、長さLa<長さLbという式を満たすように、前記磁石側面の長さを考慮して、前記溝側面の長さを決定することを特徴とする永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造の設計手法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013231672A JP6326614B2 (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | 永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 |
CN201480060794.9A CN105723593B (zh) | 2013-11-08 | 2014-11-06 | 永磁铁贴面式马达的磁铁固定构造及其设计方法 |
PCT/JP2014/079396 WO2015068749A1 (ja) | 2013-11-08 | 2014-11-06 | 永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013231672A JP6326614B2 (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | 永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015092792A JP2015092792A (ja) | 2015-05-14 |
JP6326614B2 true JP6326614B2 (ja) | 2018-05-23 |
Family
ID=53041526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013231672A Active JP6326614B2 (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | 永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6326614B2 (ja) |
CN (1) | CN105723593B (ja) |
WO (1) | WO2015068749A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110476322B (zh) * | 2017-03-31 | 2021-10-29 | 日本电产株式会社 | 马达以及电动助力转向装置 |
JP2018183011A (ja) * | 2017-04-21 | 2018-11-15 | 株式会社ミツバ | 電動モータ及びブラシレスモータ |
FR3067880B1 (fr) * | 2017-06-15 | 2020-07-17 | Moteurs Leroy-Somer | Machine electrique tournante |
JP6939543B2 (ja) | 2017-07-21 | 2021-09-22 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
US11843334B2 (en) | 2017-07-13 | 2023-12-12 | Denso Corporation | Rotating electrical machine |
WO2019017495A1 (ja) | 2017-07-21 | 2019-01-24 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
DE112018006699T5 (de) | 2017-12-28 | 2020-09-10 | Denso Corporation | Rotierende elektrische Maschine |
CN111565965B (zh) | 2017-12-28 | 2023-07-14 | 株式会社电装 | 车轮驱动装置 |
DE112018006694T5 (de) | 2017-12-28 | 2020-09-10 | Denso Corporation | Rotierende elektrische Maschine |
CN111566904B (zh) | 2017-12-28 | 2023-04-28 | 株式会社电装 | 旋转电机 |
JP7056443B2 (ja) * | 2017-12-28 | 2022-04-19 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
JP6927186B2 (ja) | 2017-12-28 | 2021-08-25 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
JP7006541B2 (ja) | 2017-12-28 | 2022-01-24 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
WO2019131905A1 (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-04 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
CN113692690A (zh) | 2020-03-05 | 2021-11-23 | 株式会社电装 | 旋转电机 |
JPWO2023027127A1 (ja) | 2021-08-26 | 2023-03-02 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1521919A (zh) * | 2003-01-16 | 2004-08-18 | 株式会社萌力克 | 旋转电气设备 |
JP5210150B2 (ja) * | 2008-12-29 | 2013-06-12 | 株式会社日立産機システム | 永久磁石式回転電機、エレベータ装置、及び永久磁石式回転電機の製造方法 |
US20100301695A1 (en) * | 2009-04-03 | 2010-12-02 | Asmo Co., Ltd. | Rotor and Motor |
JP5524674B2 (ja) * | 2009-04-10 | 2014-06-18 | アスモ株式会社 | ロータ及びモータ |
JP2011045156A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Jtekt Corp | 電動モータおよびロータ |
JP5378345B2 (ja) * | 2010-12-09 | 2013-12-25 | 株式会社日立産機システム | 永久磁石モータ及びその製造方法 |
-
2013
- 2013-11-08 JP JP2013231672A patent/JP6326614B2/ja active Active
-
2014
- 2014-11-06 WO PCT/JP2014/079396 patent/WO2015068749A1/ja active Application Filing
- 2014-11-06 CN CN201480060794.9A patent/CN105723593B/zh active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015092792A (ja) | 2015-05-14 |
CN105723593A (zh) | 2016-06-29 |
CN105723593B (zh) | 2019-03-26 |
WO2015068749A1 (ja) | 2015-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6326614B2 (ja) | 永久磁石表面貼付形モータの磁石固定構造及びその設計手法 | |
JP6288266B2 (ja) | ステータの組立方法およびステータの組立装置 | |
US8492949B2 (en) | Electric motor | |
JP5337548B2 (ja) | 永久磁石モータ | |
WO2012090792A1 (ja) | 回転電機 | |
US10291092B2 (en) | Rotor and motor including the same | |
US20170237324A1 (en) | Alternating-current motor | |
KR102497011B1 (ko) | 헤어핀 권선 모터의 고정자구조 | |
US8704421B2 (en) | Spool carrier having a special contour | |
JP2017112749A (ja) | ステータの組立方法およびステータ | |
US9171692B2 (en) | Drive for rotary anode with stator with yoke winding | |
JP6610418B2 (ja) | ロータ,回転電機およびロータの製造方法 | |
JP2011103751A (ja) | 集中巻きモータの絶縁構造 | |
JP2006254561A (ja) | 回転電機 | |
JP2009044829A (ja) | アキシャルギャップ型モータ用のステータコア | |
JP2020137383A (ja) | 回転電機および車両 | |
JP5466117B2 (ja) | 電動機のステータの製造方法および固定子用コイルの位置決め方法 | |
KR102460109B1 (ko) | 헤어핀 권선 모터의 고정자구조 | |
TWI646758B (zh) | 軸向間隙型旋轉電機 | |
JP7095649B2 (ja) | 車両駆動装置用回転機の端子接続構造 | |
JP2007181259A (ja) | ブラシレスモータ | |
WO2015005050A1 (ja) | 回転電機のインシュレータ構造 | |
JP2014050274A (ja) | 表面磁石貼付型回転電機の回転子 | |
KR20170095699A (ko) | 계자권선형 전동기의 로터 | |
JP4626030B2 (ja) | 回転電機及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170808 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171006 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180306 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20180306 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180319 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6326614 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |