JP5210150B2 - 永久磁石式回転電機、エレベータ装置、及び永久磁石式回転電機の製造方法 - Google Patents

永久磁石式回転電機、エレベータ装置、及び永久磁石式回転電機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転子をスキューした永久磁石式回転電機エレベータ装置、及び永久磁石式回転電機の製造方法に関する。
永久磁石式回転電機は、コギングトルクによるトルク脈動が問題となる。特に、エレベータの巻上機に適用される永久磁石式回転電機は、定格トルク時から最大トルク時までの幅広い領域における低トルク脈動(p−pで1%以下)が要求されるため、問題は深刻である。加えて、矩形状の永久磁石は、磁束分布が正弦波に近似せず、高調波成分を有した矩形状の磁束分布になりやすい。トルク脈動に対する対策として、一般によく用いられるのが、かまぼこ状の永久磁石を用いたり、固定子又は回転子のスキューを行ったりする。スキューを行うことで、コギングトルクによるトルク脈動を低減することができる。
永久磁石式回転電機は、トルク脈動、電磁騒音を防止するために、段スキューを行うことができ、例えば、特許文献1,2には、永久磁石を段スキューする方法が開示されている。特許文献1,2に開示された永久磁石式回転電機は、磁束分布の高調波を低減させるため、複数の永久磁石を、各回転子鉄心の磁石貼付け面上に互いに回転子の軸方向及び周方向にずらされて配設した構成をなしている。
特に、特許文献2には、コギングトルクは正弦波状に発生するので、波形を1/2周期分だけずらして足しあわせれば2つのコギングトルクが打ち消しあって合成コギングトルクを小さくできる旨が記載されている。
特開2006−304407号公報 特開2008−48481号公報(段落0023)
ここで、回転子鉄心の磁石貼付け面の製造方法としてフライス加工が利用される。すなわち、回転子鉄心は、回転子の軸方向及び周方向に段スキューされた磁石配置に沿って、磁石貼付け面が切削され、磁石貼付け面の回転子の周方向の溝の幅は永久磁石が嵌り込む大きさで形成されている。
この、段スキューを行うことで問題となるのが回転子鉄心の磁石貼付け面の加工によるコストの上昇である。その例として特許文献1の永久磁石回転電機は、回転子鉄心の磁石貼付け面のフライス加工において、回転子の軸方向及び周方向に段スキューされた溝形状で切削される。すなわち、矩形状の永久磁石を用いる場合、周方向及び軸方向に複数の矩形状の複数の底面を溝に形成しなければならない。また、コギングトルクを正弦波状に発生させるために、この溝の各々の底面は径方向に垂直の接平面に平行にした方がコギングトルクを低減できるとされている。
このため、複数の永久磁石を周方向及び径方向ににずらして配置する場合には、この溝は、磁極数によって定まる角度で交わる複数の底面が形成されるのが通常であった。
すなわち、1つの溝を形成するため、各々の底面をフライス加工する必要が有り、切削加工に手間がかかりコスト上昇につながる。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、コストを抑えつつ、永久磁石の配置を周方向にずらすことができる永久磁石式回転電機、エレベータ装置、及び永久磁石式回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の永久磁石式回転電機は、複数の固定子突極(42)が径方向に突出した固定子鉄心(4)と、互いに隣接する前記固定子突極の間に形成されたスロット(44)に収納された固定子巻線(5)とを備える固定子(2)と、回転子鉄心(7)と、この回転子鉄心の周方向に等間隔で配置された複数の永久磁石(6)とを備える回転子と、を有する永久磁石式回転電機において、前記回転子鉄心は、前記永久磁石より幅が長く、外周側面に開口した溝(31)が周方向に複数形成され、前記永久磁石は、回転子鉄心側の面が平面状に形成され、周方向にずれて複数個が各々の前記溝に配設され、前記溝側面及び底面は、平面状であって、前記回転子の軸方向に沿った一方向のフライス研削により形成されていることを特徴とする。また、前記溝に配設された複数個の複数個の永久磁石が互いに周方向にずれている。なお、括弧内の数字は例示である。
これによれば、回転子鉄心の溝に配置された複数の永久磁石は、軸方向、及び周方向にずれて配設される。これにより、段スキューが実現されて、コギングトルクによるトルク脈動が低減する。
また、永久磁石の回転子鉄心側の面が平面状に形成され、溝の側面、及び底面が平面状であるので、回転子の軸方向に沿ってストレートに切削加工することができ、コストが抑えられる。
本発明によれば、コストを抑えつつ、永久磁石の配置を周方向にずらすことができる。これにより、段スキューが実現され、コギングトルクによるトルク脈動が低減する。
(第1実施形態)
図1の横断面図を用いて、本発明の一実施形態である永久磁石式回転電機について説明する。
図1において、永久磁石式回転電機1は、円柱状の固定子2と、この固定子2の外周側に空隙33を介して対向配置されている円筒状の回転子3とを同軸状に備えた外転型の回転電機である。永久磁石式回転電機1は、固定子2が回転磁界を発生し、回転子3と固定子2との磁気的相互作用により回転子3が回転するように構成されている。
本実施形態は外転型の永久磁石式回転電機1を示しているが、本発明は内転型の永久磁石式回転電機も同様に実施することができる。なお、内転型の永久磁石式回転電機(図11(b)(d)参照)は、外転型と同様に固定子と回転子を備えているが、固定子と回転子との対向配置が逆になっており、回転子が固定子の内周側に空隙33を介して回転可能なように、固定子に対向配置されている。
固定子2は、径方向に設けられた複数の固定子突極(ティース)42を備えた固定子鉄心4と、隣接する固定子突起物43の間に形成された固定子スロット44を用いて巻回された固定子巻線5と、を備えている。なお、固定子突極42はヨーク部41の外周面に沿って周方向に等間隔で配置されている。
固定子鉄心4は、円筒状のヨーク部41(「コアバック部」という。)と、このヨーク部41の外周表面から径方向外側に突出し、ヨーク部41の外周面に沿って軸方向に延在する複数の固定子突極42(「ティース部」という)と、固定子突極42の先端の周方向両側に形成された固定子突起物43とを備え、互いに隣接する固定子突極42の間に固定子スロット44が形成されている。
なお、固定子突極42は、周方向両側に形成された固定子突起物43を備えず、固定子スロット44を全開スロットとすることができる。なお、固定子突極42の数は、相数3の倍数である12である。
固定子鉄心4は、板状の磁性部材(電磁鋼板)を打ち抜いて形成した複数の板状の成型部材を軸方向に積層することにより形成される。この積層構造により、渦電流損が低減し、発熱が減少する。
固定子突極42は、絶縁部材(図示省略した巻線ボビン)を介して固定子巻線5の対応する相巻線34が集中的に巻回されている。この集中巻は、固定子突極42の4つの側面に対して巻線導体を複数巻回する巻線方式である。相巻線34のコイルエンド部は、固定子鉄心4の軸方向両端から軸方向外側に突出している。固定子巻線5の各相巻線をY字状に結線するスター結線方式と、Δ状に結線するデルタ結線方式との何れを採用してもよい。固定子鉄心4は、固定子側の磁路を構成し、固定子巻線5は、通電により固定子突極42に磁束を発生させる。回転子鉄心7は、回転側の磁路として機能し、永久磁石6は、回転磁極として機能する。
回転子3は、内周部に周方向に沿って、等間隔の複数の溝31が軸方向に形成された円筒状の回転子鉄心7と、溝31に貼設されている、かまぼこ状の複数の永久磁石6と、回転子鉄心7の側板(図11)に設けられたシャフト8とを備えている。この永久磁石6は、周方向にN極とS極とが交互に貼設されており、その数は偶数個である10個である。
回転子鉄心7は、鋳鉄などの鋳物で形成され、シャフト8とは固定子2の側板(図12参照)を介して結合される。永久磁石6は、永久磁石式回転電機の小型化,高効率化に寄与する希土類系磁石を用いて、N極とS極との磁極が径方向になるように配置されている。また、永久磁石6は、かまぼこ状に形成されており、回転子鉄心7の内周面の回転子鉄心7の溝31に接着剤を用いて貼設されている。なお、永久磁石6は、かまぼこ状の円弧部が回転子鉄心7の内周面よりも径方向内側に若干突出している。
本実施形態の回転子3について、図2から図8までを用いて詳細に説明する。
図2は、永久磁石式回転電機1の回転子3の構成を示す部分斜視図である。図3,4は、回転子3を固定子2側から径方向外側に視た部分展開図である。図5は永久磁石6を取り付ける溝31を凹設するためフライス加工で切削する方法を示す回転子3を固定子2側から視た部分図である。図6は、回転子鉄心7から永久磁石6を取り外したときの回転子鉄心7の斜視図である。図7は、回転子鉄心7から永久磁石6を取り外したときの回転子鉄心7を固定子2側から径方向外側に視た部分展開図である。
回転子3は、回転子鉄心7の溝31の各々に、複数の永久磁石6が同一極性となるように軸方向に貼設されている(図2,3)。また、複数の永久磁石6は、溝31の幅よりも短く形成されており、周方向にずらして配置されている。すなわち、複数の永久磁石6は、一の側面及び底面が溝31に当接しており、他の側面は溝31の側面と離間し、離間部32を形成している。すなわち、溝31は、幅が永久磁石6の幅よりも長く形成されている。なお、永久磁石6の他の側面と溝31の側面との間の離間部32は、非磁性体を装填することができる。
図4において、永久磁石6は、幅がXpmであり、ピッチ幅がXppであり、溝31は、幅がXであるとすると、Xpm、Xpp、及びXの関係は、
Xpm<X<Xpp ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)式
となっている。
このとき、永久磁石6をずらす角度は、コギングトルク一周期の角度の1/2であることが好ましい。
また、図2,3は、永久磁石6a,6bの双方を径方向に垂直な接平面から傾斜させているが、永久磁石6a,6bの何れか一方を接平面に平行にして、他方を傾斜させてもよい。
また、図5に示すように、永久磁石6を取り付ける溝31は、フライス加工により回転子鉄心7の軸方向に沿ってストレートに切削加工することができる。すなわち、従来技術のように、周方向及び軸方向に複数の矩形状の底面を有した溝を形成する必要がない。
なお、外転型であっても回転子3がお椀状のものについては、このような加工法は困難となるため、回転子3の側面部と回転子3の径方向外周部とを分離するなどの工夫が必要である。
図6,7において、回転子鉄心7の溝31の側面、及び底面が平面状に形成され、溝31の両側面が平行に形成されている。これにより、永久磁石6の直方体形状の台部の取付けが容易となる。また、第2実施形態に示すように(図9、10参照)、回転子3は、直方体状(矩形状)の永久磁石16を使用することが可能となり、コスト低減につながる。
図8(a)において、回転子鉄心7の溝31には、永久磁石6aと、永久磁石6aに対して回転子3の軸方向及び周方向にずらして配置された永久磁石6bとが配設されている。永久磁石6aと永久磁石6bとの間の周方向のずれ幅Xsは、永久磁石6a,6bの幅をXpm、溝31の幅をXとすると、
0<Xs≦X−Xpm ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)式
である。ただし、(X−Xpm)の値がスキュー角より小さい場合は本発明は適用できない。
また、本実施形態では、永久磁石6を軸方向に2分割しているが、これだけに限定されるものではなく、3分割以上も可能である。図8(b)に示されるように、3分割の場合、前段部、及び後段部に配置される永久磁石6a,6cは、何れかの端面が溝31の側面に当接するが、中間部に配置される永久磁石6bは端面が溝31の側面に当接しない。
これらは、回転子鉄心7の磁石貼付け面の加工において、回転子3の軸方向に沿ってストレートに切削するため、簡単な加工で段スキューを行うことができ、生産性向上、及びコスト低減となる。本実施形態によれば、回転子鉄心の磁石貼付け面の加工において、回転子の軸方向に沿ってストレートに切削するため、簡単な加工で段スキューを行うことができ、コギングトルクが低減する。また、溝の側面、底面が平面状であることから、取付け部が矩形状の永久磁石を使用でき、生産性向上およびコスト低減を可能とした永久磁石式回転電機を提供できる。
なお、永久磁石式回転電機1は、無通電状態で外部から回転トルクを与えて回転子3を低速回転させようとした場合、回転に必要なトルクに回転むらが生じる。コギングトルクとは、この回転むらのことをいい、回転子と固定子との間に働く性的な磁気吸引力が回転位置により異なることにより生じる。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態の永久磁石式回転電機1aの回転子3aの構成を示す斜視図であり、図10は、永久磁石式回転電機1aの構成を示す横断面図である。
第2実施形態の永久磁石式回転電機1は、永久磁石6がかまぼこ形状でなく、直方体形状であることが特徴である。また、第1実施形態の永久磁石式回転電機1は、外転型を原則とし、内転型も適用可能であったが、この第2実施形態の永久磁石式回転電機1aは、外転型に限定される。
これは、外転型であるため、固定子2と回転子3aとの間の空隙33中の磁束密度が正弦波により近づくためトルク脈動を低減する効果を有する(特願2008−161801明細書参照)。
また、直方体形状の永久磁石は、加工数が少ないので、コスト低減につながる。逆に、内転型に直方体形状の永久磁石を適用すると、逆にトルク脈動は上昇するため本実施形態は外転型に限られる。
また、図10に示すように固定子突極42は、先端部に周方向の突起物43がない全開スロットであることを特徴とする。これは、最大トルク領域では図1に示す固定子鉄心4の固定子突極42の先端の周方向の固定子突起物43は磁気飽和を起こし、トルク脈動の上昇の要因となるため、固定子突起物43を備えない全開スロットにすることで、最大トルク領域においてトルク脈動の上昇を防ぐ効果を有する。また、永久磁石6の数と固定子2の固定子スロット44の数との組み合わせは、永久磁石6の数10とスロット数12とを基本単位とする。
(比較例1)
図11は、外転型の回転子鉄心7の溝に直方体状の永久磁石16a,16bを貼設した場合と、内転型の回転子鉄心15に直方体状の永久磁石16c,16dを貼設した場合とを比較するための説明図である。
図11(a)に示される外転型の場合、回転子鉄心7の内周に沿って、同極の永久磁石16a,16bが周方向にずらされて、回転子鉄心7に貼設されるので、永久磁石16a,16bの磁極の方向Pa,Pbと、合成磁極の方向Peとは中心軸方向を向いて、固定子磁極と対向している。このため、永久磁石16a,16bの磁極の方向Pa,Pbは、互いに内向きとなっている。回転子鉄心7と固定子磁極との間の空隙の幅は磁石中央下では小さく、端下は大きくなる。磁気回路で考えると、磁石中央下は磁気抵抗が小さく、端下は磁気抵抗が大きい。従って、空隙中の台形状の磁束分布が正弦波分布に近づく。
一方、図11(b)に示される内転型の場合、同極の永久磁石16c,16dが周方向にずらされて、回転子鉄心15の外周に沿って貼設されているが、永久磁石16c,16dの磁極の方向Pc,Pdと、合成磁極の方向Pfは径方向外側を向いて、固定子磁極と対向している。このため、永久磁石16c,16dの磁極の方向Pc,Pdは、互いに外向きとなっている。なお、回転子鉄心15の外周に固定子鉄心14が同心円状に配置されている。回転子鉄心7と固定子磁極との間の空隙の幅は磁石中央下では大きく、端下は小さくなる。磁気回路で考えると、磁石中央下は磁気抵抗が大きく、端下は磁気抵抗が小さい。従って、空隙中の台形状の磁束分布が磁石中央下が凹んだ台形状の分布に近づく。
したがって、磁極の方向が内向きの外転型の方が、内転型よりも磁束分布が正弦波に近づく。また、磁極の方向が内向きの外転型の方が、合成磁極Peの大きさが、内転型の合成磁極Pfの大きさよりも大きい。
次に、第2実施形態のように、永久磁石16a,16bを貼設する溝31の底面が平面状である場合について考える。
図11(c)に示される外転型の場合、永久磁石16a,16bの磁極の方向は何れもPeであり、磁束分布は正弦波状に近づかないが、溝31の周方向中心の深さを永久磁石6a,6bの厚さに一致させて、回転子鉄心7の内周面と永久磁石16a,16bの周方向中心の表面とが一致したとき、永久磁石16a,16bの周方向端部の表面と回転子鉄心7の内周面との間で段差d1が生じる。
一方、図11(d)に示される内転型の場合には、永久磁石16c、16dの端部の表面が回転子鉄心15の外周面に一致するようにすれば、永久磁石16c、16dの周方向中心の表面と、外周面との間で段差d2が生じる。
したがって、外転型の場合は周方向にずらされて貼設された永久磁石の周方向中心の表面が回転子鉄心7の内周表面に一致するが、内転型の場合は、永久磁石の端部の表面が外周表面に一致し、永久磁石の周方向中心に段差d2ができる。
このため、外転型の方が、回転子鉄心の内周表面に磁極中心が存在するので内転型よりも好ましい。
また、図11(a)及び図11(b)のように、溝の底面が永久磁石16a、16b,16c,16dの底面にあわせて研削する場合、1つの溝に、周方向及び軸方向に複数の矩形状の底面を形成する必要があるが、図11(c)及び図11(d)のように前記各実施形態の場合には、1つの溝に1つの底面を軸方向に沿ってストレートに形成すればよい。
(比較例2)
次に、図12を用いて、2極3スロットモータのトルク脈動について説明すると共に、このトルク脈動が段スキューにより打ち消されることを説明する。
図12(a)は、2極3スロットモータの概念図であり、回転子の周方向にN極とS極との永久磁石が配設され、径方向に対向して、T字状の固定子突極が3極形成されている。
一般にコギングトルクの周期数は、突極数と磁極数との最小公倍数になることが知られている。突極数3、磁極数2の最小公倍数は6であり、図12(b)に示すように、電気角360度だけ回転子が回転すると大きなコギングトルクの変動が6回生じる。すなわち、1つの変動は、電気角にすると360度/6=60度である。
図13(a)は、第1、2実施形態のように周方向にずらして永久磁石を配設された状態を示す図であり、図13(b)はトルク脈動の様子を示した図である。
図13(a)において、永久磁石6a,6bが軸方向に2段に配設されており、周方向に1/2周期分ずらしたスキュー角は、電気角で30度である。図13(b)において、永久磁石6aのトルク脈動(実線)と、永久磁石6bのトルク脈動(破線)とは正弦波状を呈しており、互いに位相が反転している。したがって、永久磁石6a,6bを周方向に1/2周期だけずらすことにより、トルク脈動は打ち消される。
言い換えれば、永久磁石を貼設する溝は、各々の底面が径方向に垂直の接平面に平行に形成されている方が、コギングトルクを正弦波状に発生することができるので、コギングトルクを低減できる。すなわち、永久磁石を貼設する溝は、各々の底面が径方向に垂直の接平面に平行に形成する方が好ましいされている一方、本願実施形態は、永久磁石6a,6bの何れか一方又は双方を接平面から傾斜させることにより、回転子鉄心7の軸方向に沿ってストレートに溝31を切削加工することができるようにしたものである。
(第3実施形態)
前記各実施形態の永久磁石式回転電機1,1aをエレベータ装置に適用した場合の巻上機の構成について、図12を用いて説明する。
図14において、巻上機9は、永久磁石式回転電機1と、永久磁石式回転電機1が生み出す動力をロープに伝達するシーブ10と、回転子3に制動力を与えるブレーキ11と、シャフト8を支えるベアリング13と、これらを支えるハウジング12を備え、永久磁石式回転電機1とシーブ10とが一体となって構成されている。なお、前記したように、永久磁石式回転電機1は、固定子2と回転子3とシャフト8とを備えている。また、ブレーキ11は、径の大きな回転子3を制動することができるので、シャフト8を制動する内転型よりも強い制動力を与えることができる。
本実施形態の永久磁石式回転電機1をエレベータ装置の巻上機に適用することで、定格トルク時から最大トルクまでの幅広い領域における低トルク脈動(p−pで1%程度)が可能となり、かごに伝わる振動、及びエレベータ機構の騒音の低減に寄与する。さらに、回転子3を段スキューするための回転子鉄心7の磁石貼付け面の加工を簡単に行い、また矩形型の永久磁石を使用することにより磁石の加工数が少なく、コスト低減に寄与する。
本発明の第1実施形態の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第1実施形態の永久磁石式回転電機の回転子の構成を示す斜視図である。 回転子の一部を固定子側から視た展開図である。 各種記号を記した回転子の一部を固定子側から視た展開図である。 永久磁石を取り付ける溝を設けるためフライス加工で切削する方法を示す回転子の一部を固定子側から視た展開図である。 図2において回転子鉄心から永久磁石を取り外したときの回転子鉄心の斜視図である。 図2において回転子鉄心から永久磁石を取り外したときの回転子鉄心の一部を固定子側から視た展開図である。 図3において磁石をずらす際の各種記号を記した回転子の一部を固定子側から視た展開図である。 本発明の第2実施形態の永久磁石式回転電機の回転子の構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 外転型と内転型とを比較するための説明図である。 比較例として2極3スロットモータのトルク脈動について説明するための図である。 トルク脈動が段スキューにより打ち消されることを説明するための図である。 本発明の第3実施形態のエレベータの巻上機の構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1 永久磁石式回転電機
2 固定子
3 回転子
4 固定子鉄心
5 固定子巻線
6,6a,6b,6c 永久磁石
7 回転子鉄心
8 シャフト
9 巻上機
10 シーブ
11 ブレーキ
12 ハウジング
13 ベアリング
14 固定子鉄心(内転型)
15 回転子鉄心(内転型)
16 永久磁石
31 溝
32 離間部
33 空隙
34 相巻線
41 ヨーク部(コアバック)
42 固定子突極(ティース)
43 固定子突起物
44 固定子スロット(スロット)

Claims (11)

  1. 複数の固定子突極が径方向に突出した固定子鉄心と、互いに隣接する前記固定子突極の間に形成されたスロットに収納された固定子巻線とを備える固定子と、
    回転子鉄心と、この回転子鉄心の周方向に等間隔で配置された複数の永久磁石とを備える回転子と、
    を有する永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心は、前記永久磁石より幅が長く、外周側面に開口した溝が周方向に複数形成され、
    前記永久磁石は、回転子鉄心側の面が平面状に形成され、周方向にずれて複数個が各々の前記溝に配設され、
    前記溝側面及び底面は、平面状であって、前記回転子の軸方向に沿った一方向のフライス研削により形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 前記永久磁石は、直方体形状であることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  3. 前記永久磁石は、かまぼこ形状であることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 前記永久磁石は、一の端面が前記溝の側面に当接していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の永久磁石式回転電機。
  5. 前記回転子が前記固定子の外周部に配置された外転型として構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  6. 前記固定子突極の先端部は、周方向の突起物がない全開スロットとして構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  7. 前記永久磁石の数と前記固定子鉄心のスロット数との組み合わせは、前記永久磁石の数10と前記スロット数12とを基本単位とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  8. 前記回転子鉄心は、前記永久磁石との間で磁路として機能することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機。
  9. 複数の固定子突極が径方向に突出した固定子鉄心と、前記固定子突極の間に形成されたスロットに収納された固定子巻線とを備える固定子と、
    回転子鉄心の周方向に等間隔で配置された複数の永久磁石を備える回転子と、
    を有する永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心は、前記永久磁石より幅が長く、外周側面に開口した溝が周方向に複数形成され、
    前記永久磁石は、直方体形状であり、
    前記回転子が前記固定子の外周部に配置された外転型であり、
    前記固定子突極の先端部は、周方向の突起物がない全開スロットとして構成され、
    前記永久磁石の数と前記固定子鉄心のスロット数との組み合わせは、前記永久磁石の数10と前記スロット数12とを基本単位とし、
    前記永久磁石は、回転子鉄心側の面が平面状に形成され、周方向にずれて複数個が各々の前記溝に配設され、
    前記溝側面及び底面は、平面状であって、前記回転子の軸方向に沿った一方向のフライス研削により形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の永久磁石式回転電機を用いることを特徴とするエレベータ装置。
  11. 複数の固定子突極が径方向に突出した固定子鉄心と、互いに隣接する前記固定子突極の間に形成されたスロットに収納された固定子巻線とを備える固定子と、回転子鉄心と、この回転子鉄心の周方向に等間隔で配置された複数の永久磁石とを備える回転子と、を有する永久磁石式回転電機の製造方法において、
    前記永久磁石は、回転子鉄心側の面が平面状に形成され、
    前記回転子鉄心が前記永久磁石より幅が長く、外周側面に開口した溝が周方向に複数形成される溝形成工程と、
    前記永久磁石が周方向にずれて複数個が各々の前記溝に配設される磁石配設工程とを備え、
    前記溝形成工程は、前記溝の側面及び底面が平面状であって、前記回転子の軸方向に沿った一方向のフライス研削により形成されることを特徴とする永久磁石式回転電機の製造方法。
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