JP2011015458A - 永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置 - Google Patents

永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011015458A
JP2011015458A JP2009154523A JP2009154523A JP2011015458A JP 2011015458 A JP2011015458 A JP 2011015458A JP 2009154523 A JP2009154523 A JP 2009154523A JP 2009154523 A JP2009154523 A JP 2009154523A JP 2011015458 A JP2011015458 A JP 2011015458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
permanent magnet
magnet type
rotating electrical
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009154523A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kitamura
英樹 北村
Masaji Kitamura
正司 北村
Shigeru Kadokawa
滋 角川
Hideki Nihei
秀樹 二瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2009154523A priority Critical patent/JP2011015458A/ja
Priority to CN201010118008XA priority patent/CN101938204A/zh
Publication of JP2011015458A publication Critical patent/JP2011015458A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

【課題】本発明は回転子鉄心の加工によるコスト上昇を抑え、トルク脈動を低減できる永久磁石式回転電機を提供することを目的とする。
【解決手段】前記課題を達成するため、本発明の永久磁石式回転電機は、複数の固定子突極が径方向に突出した固定子鉄心と、互いに隣接する前記固定子突極の間に形成されたスロットに収納された固定子巻線とを備える固定子と、回転子鉄心と、この回転子鉄心の周方向に等間隔で回転子表面に配置された複数の永久磁石とを備える回転子を有する永久磁石式回転電機において、回転子の軸方向と平行に永久磁石が配置され、回転子と固定子の間の空隙(ギャップ)中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化させたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置に関する。
永久磁石式回転電機においては、コギングトルクによるトルク脈動や通電時に発生するトルク脈動が問題となる。特に、エレベータの巻上機に適用される永久磁石式回転電機は、定格トルク時から最大トルク時までの幅広い領域における低トルク脈動(p−pで1%程度)が要求されるため、問題は深刻である。トルク脈動に対する対策として、一般によく用いられるのが、かまぼこ状の永久磁石を用いたり、固定子又は回転子のスキューを行っている。
特に、回転子鉄心の表面に永久磁石を貼付ける表面磁石式構造の回転子にスキューを行う技術が特許文献1,2に開示されている。特許文献1,2に開示された永久磁石式回転電機は、磁束分布の高調波を低減させるため、複数の永久磁石を、各回転子鉄心の磁石貼付け面上に互いに回転子の軸方向及び周方向にずらされて配置した構成になっている。
特開2006−304407号公報 特開2008−48481号公報 特願2008−161801号公報
回転子のスキューを行う場合、複数の永久磁石を各回転子鉄心の磁石貼付け面上に互いに回転子の軸方向及び周方向にずらすため、磁石貼付け面も回転子の軸方向及び周方向にずらした形状となる。そのため、回転子鉄心が鋳鉄の場合、フライス加工による磁石貼付け面の切削が困難となる。また、回転子鉄心が電磁鋼板の場合、磁石のずれに合わせて電磁鋼板を回転させて積層、または複数のパターンの電磁鋼板を製作して、それを積層する。そのため、作業工程が増え、コスト上昇につながる。その例として特許文献1の永久磁石式回転電機は、フライス加工で鋳鉄の回転子鉄心の磁石貼付け面を、磁石のスキューに沿って、回転子の軸方向及び周方向に切削する。特に永久磁石の回転子鉄心側の面が平面状の場合、周方向及び軸方向に複数の矩形状の、複数の底面の溝を形成しなければならない。1つの溝を形成するために各々の底面をフライス加工するのは、切削加工に手間がかかりコスト上昇につながる。永久磁石式回転電機の開発において、トルク脈動は低減したいが、この課題が原因でスキューを実施できない場合が多々ある。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、回転子鉄心の加工によるコスト上昇を抑え、トルク脈動を低減できる永久磁石式回転電機を提供することを目的とし、エレベータの巻上機に適用される永久磁石式回転電機のような、極めて厳しい低トルク脈動が要求されるものに適用されることにある。
前記課題を達成するため、本発明の永久磁石式回転電機は、複数の固定子突極が径方向に突出した固定子鉄心と、互いに隣接する前記固定子突極の間に形成されたスロットに収納された固定子巻線とを備える固定子と、回転子鉄心と、この回転子鉄心の周方向に等間隔で回転子表面に配置された複数の永久磁石とを備える回転子を有する永久磁石式回転電機において、
回転子の軸方向と平行に永久磁石が配置され、回転子と固定子の間の空隙(ギャップ)中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、回転子鉄心の永久磁石の貼付け面に、回転子鉄心を切削することによりできる溝を回転子の径方向に形成し、回転子と固定子の間の空隙(ギャップ)中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、回転子の周方向の隣接する永久磁石の間の回転子鉄心に、磁性体の突起を回転子の径方向に形成することにより、回転子と固定子の間の空隙中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、回転子の周方向の隣接する永久磁石の間の回転子鉄心に、回転子鉄心を切削することによりできる溝を回転子の径方向に形成することにより、回転子と固定子の間の空隙中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、溝は、回転子の軸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、溝として、回転子の軸方向に対して平行に、回転子の軸長より短く形成された2つの溝を有し、それぞれの溝の周方向位置が異なることを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、突起は、回転子の軸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、突起は、回転子の軸方向に対して平行に回転子の軸長より短く形成された2つの突起よりなり、それぞれの突起の周方向位置が異なることを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、永久磁石の形状は、かまぼこ形状であることを特徴とするものである。
更に、本発明は永久磁石式回転電機において、永久磁石は、直方体形状であり、回転子が固定子の外周部に配置された外転型であり、固定子の突極の先端部,固定子の周方向の突起物がない全開スロットであり、永久磁石の数と固定子のスロット数との組み合わせは、永久磁石の数10とスロット数12を基本単位とすることを特徴とするものである。
また、本発明はエレベータ装置において、前述の永久磁石式回転電機を用いることを特徴とするものである。
そして、本発明によれば、回転子と固定子の間の空隙(ギャップ)中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することにより(スキューと同じ原理)、トルク脈動を低減できる。
また、回転子鉄心の磁石貼付け面に配置された複数の永久磁石は、軸方向、及び周方向にずらさないため、磁石貼付け面の切削加工は回転子の軸方向に沿ってストレートであり、加工によるコスト上昇を抑えることができる。
本発明によれば、回転子鉄心の加工によるコスト上昇を抑えながら、永久磁石式回転電機及びそれを用いたエレベータ装置において、トルク脈動の低減を実現したものである。
本発明の第1実施形態の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第1実施形態の永久磁石式回転電機の回転子の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第1実施形態において回転子鉄心と溝の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第1実施形態において回転子鉄心の一部を固定子側から視た展開図である。 本発明の第1実施形態において図3とは別の形状の溝の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第1実施形態において図5の回転子鉄心の一部を固定子側から視た展開図である。 本発明の第1実施形態において各溝の位置を回転子の周方向において各磁石中心に対し反対側に設けた場合の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第2実施形態の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第2実施形態の永久磁石式回転電機の回転子の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第2実施形態において回転子鉄心と突起の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第2実施形態において回転子鉄心の一部を固定子側から視た展開図である。 本発明の第2実施形態において図8の各突起の位置を回転子の周方向において各磁石中心に対し反対側に設けた場合の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第3実施形態の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第3実施形態の永久磁石式回転電機の回転子の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第3実施形態において回転子鉄心と溝と突起の構成を示す部分斜視図である。 本発明の第3実施形態において回転子鉄心の一部を固定子側から視た展開図である。 本発明の第3実施形態において回転子鉄心が電磁鋼板で形成された場合の回転子鉄心の一部を固定子側から視た展開図である。 本発明の第3実施形態において回転子鉄心を形成している電磁鋼板の横断面図((a)を表面とすると(b)は裏面を表す)。 本発明の第4実施形態の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第4実施形態において回転子鉄心に突起を形成した場合の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第4実施形態において回転子鉄心に溝と突起を形成した場合の永久磁石式回転電機の構成を示す横断面図である。 本発明の第4実施形態において回転子鉄心を形成している電磁鋼板の横断面図((a)を表面とすると(b)は裏面を表す)。 本発明の第5実施形態のエレベータの巻上機の構成を示す縦断面図である。
(第1実施形態)
図1の横断面図を用いて、本発明の第1実施形態である永久磁石式回転電機について説明する。
図1において、永久磁石式回転電機101は、円筒状の固定子102と、この固定子102の内周側に空隙109を介して対向配置されている円柱状の回転子103とを同軸状に備えた内転型の回転電機である。永久磁石式回転電機101は、固定子102が回転磁界を発生し、固定子102と回転子103との磁気的相互作用により回転子103が回転するように構成されている。
本実施形態は内転型の永久磁石式回転電機101を示しているが、本発明は外転型の永久磁石式回転電機も同様に実施することができる。なお、外転型の永久磁石式回転電機(図19参照)は、内転型と同様に固定子と回転子を備えているが、固定子と回転子との対向配置が逆になっており、回転子が固定子の外周側に空隙を介して回転可能なように、固定子に対向配置されている。
固定子102は、径方向に設けられた複数の固定子突極112(「ティース部」という)を備えた固定子鉄心104と、隣接する固定子突極112の間に形成された固定子スロット113を用いて巻回された固定子巻線105と、を備えている。なお、固定子突極112はヨーク部(「コアバック部」という)111の内周面に沿って周方向に等間隔で配置されている。
固定子鉄心104は、円筒状のヨーク部111と、このヨーク部111の内周表面から径方向内側に突出し、ヨーク部111の内周面に沿って軸方向に延在する複数の固定子突極112と、固定子突極112の先端の周方向両側に形成された固定子突起物114とを備え、互いに隣接する固定子突極112の間に固定子スロット113が形成されている。
なお、固定子突極112は、周方向両側に形成された固定子突起物114を備えず、固定子スロット113を全開スロットとすることができる。なお、固定子突極の数は、相数3の倍数である12に設定している。
固定子鉄心104は、板状の磁性部材(電磁鋼板)を打ち抜いて形成した複数の板状の成型部材を軸方向に積層することにより形成される。この積層構造により、渦電流損が低減し、発熱が減少する。
固定子突極112は、絶縁部材(図示省略した巻線ボビン)を介して固定子巻線105の対応する相巻線が集中的に巻回されている。この集中巻は、固定子突極112の4つの側面に対して巻線導体を複数巻回する巻線方式である。相巻線のコイルエンド部は、固定子鉄心104の軸方向両端から軸方向外側に突出している。固定子巻線105は各相巻線をY字状に結線するスター結線方式と、Δ状に結線するデルタ結線方式との何れを採用してもよい。固定子鉄心104は、固定子側の磁路を構成し、固定子巻線105は、通電により固定子突極112に磁束を発生させる。回転子鉄心107は、回転側の磁路として機能し、永久磁石106は、回転磁極として機能する。
回転子103は、外周部に周方向に沿って、等間隔の複数の磁石貼付け面121が軸方向に形成された円柱状の回転子鉄心107と、磁石貼付け面121に貼設されている、かまぼこ状の複数の永久磁石106と、回転子鉄心107の内周部にシャフト108とを備えている。この永久磁石は、周方向にN極とS極とが交互に貼設されており、その数は偶数個である8個である。
回転子鉄心107は、鋳鉄などの鋳物や電磁鋼板を軸方向に積層した積層鉄心(図17,図18)で形成され、シャフト108とは回転子鉄心107の内周側で結合される。永久磁石106は、永久磁石式回転電機の小型化,高効率化に寄与する希土類系磁石を用いて、N極とS極との磁極が径方向になるように配置されている。また、永久磁石106は、かまぼこ状に形成されており、回転子鉄心107の外周面に回転子鉄心107の磁石貼付け面121に接着剤を用いて貼設されている。なお、永久磁石106は、かまぼこ状の円弧部が回転子鉄心107の外周面よりも径方向外側に若干突出している。
本実施形態の回転子103について、図2から図7までを用いて詳細に説明する。
図2は、永久磁石式回転電機101の回転子103の構成を示す部分斜視図である。図3は図2の回転子鉄心107と溝122の構成を示す部分斜視図である。図4は、回転子103を固定子102側から径方向内側に視た部分展開図である。図5は、図3とは別の形状の溝122aを形成した回転子鉄心107aの構成を示す部分斜視図である。図6は、図5の回転子103を固定子102側から径方向内側を視た部分展開図である。図7は、図1の溝の位置を回転子の周方向において、各磁石の中心に対し反対側に設けた場合の永久磁石式回転電機101の構成を示す横断面図である。
回転子103は、回転子鉄心107の磁石貼付け面121上に、一枚の永久磁石106が軸方向に貼設され、磁石貼付け面121には溝122が形成されている(図2)。溝122は、回転子103の軸方向手前から奥に沿って連続に切削されている。その溝122は回転子103の軸方向の奥へ進むにつれ、回転子103の周方向へずれて形成されている(図3)。図4において、溝122の回転子周方向の幅Wd、磁石貼付け面121の周方向の幅をWPMとすると、Wd,WPM、の関係は、
d PM/2 ・・・・・・・・・・・・・・・(1)式
となっている(図4)。
このとき、空隙109中の磁気抵抗は溝122上で大きくなるため、磁気抵抗の周方向分布が軸方向に沿って変化し、トルク脈動を低減することができる。
溝122は、回転子軸方向にストレートに切削する方法もある(図5)。この場合、溝122は2つの溝よりなり、それぞれの周方向位置が異なる。溝122aの軸方向の長さLd、回転子鉄心17aの軸方向の長さをLRTとすると、Ld,LRT、の関係は、
d RT/2 ・・・・・・・・・・・・・・・(2)式
となっている(図6)。
図5は図3に比べ、回転子軸方向の磁気抵抗の変化が滑らかでないため、図3の構造ほどの効果は得られない。しかし、溝の切削が容易となるため、製造において有利となる。
図7に示すように、各溝122の位置を回転子の周方向において、各磁石の中心に対し反対側に設けた場合においても同等な効果が得られる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態である永久磁石式回転電機101bは、回転子103を除いて第1実施形態の永久磁石式回転電機101と同じ構成である(図8)。
本実施形態の回転子103について、図9から図12までを用いて詳細に説明する。
図9は、永久磁石式回転電機101bの回転子103の構成を示す部分斜視図である。図10は図9の回転子鉄心107と突起123の構成を示す部分斜視図である。図11は、回転子103を固定子102側から径方向内側に視た部分展開図である。図12は、図8の突起の位置を回転子の周方向において、各磁石の中心に対し反対側に設けた場合の永久磁石式回転電機101bの構成を示す横断面図である。
回転子103は、回転子鉄心107の磁石貼付け面121上に、一枚の永久磁石106が軸方向に貼設され、永久磁石106の回転子の周方向片側に磁性体の突起123を隣接させている(図9)。突起123は、回転子軸方向にストレートに延在する(図10)。この場合、突起123の軸方向の長さLp、回転子鉄心107の軸方向の長さをLRTとすると、Lp,LRT、の関係は、
p RT/2 ・・・・・・・・・・・・・・・(3)式
となっている(図11)。
このとき、永久磁石106の端部では固定子に向かわずに突起123を通じて回転子に戻ってくる磁束が発生する。従って、磁気抵抗の周方向分布が軸方向に沿って変化し、トルク脈動を低減することができる。(さらに、突起123は、磁石の位置決めとなり、周方向へのずれを防止する。)
図12に示すように、各突起123の位置を回転子の周方向において、各磁石の中心に対し反対側に設けた場合においても同等な効果が得られる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態である永久磁石式回転電機101cは、回転子103を除いて第1,2実施形態の永久磁石式回転電機101,101bと同じ構成である(図13)。
本実施形態の回転子3について、図14から図16までを用いて詳細に説明する。
図14は、永久磁石式回転電機101cの回転子103の構成を示す部分斜視図である。図15は図14の回転子鉄心107と溝122と突起123の構成を示す部分斜視図である。図16は、回転子103を固定子102側から径方向内側に視た部分展開図である。
回転子103は、回転子鉄心107の磁石貼付け面121上に、一枚の永久磁石106が軸方向に貼設され、磁石貼付け面121には溝122が、永久磁石106の回転子の周方向片側に突起123を隣接させている(図14)。溝122と突起123は、回転子軸方向にストレートに延在する(図15)。この場合、溝122と突起123の軸方向の長さLd,Lp、回転子鉄心107の軸方向の長さをLRTとすると、Ld,Lp,LRT、の関係は(2),(3)式となっている(図16)。
このとき、回転子の周方向において各磁石の中心に対し、溝122と同じ側に突起123を設けることで、空隙109中の磁気抵抗は溝122上で大きくなり、突起123は磁石端部の磁束を吸い寄せるため、従って、第1,2実施形態に比べ、磁気抵抗の周方向分布は軸方向に沿って大きく変化し、トルク脈動を低減する。
第1〜第3実施形態の永久磁石式回転電機101,101b,101cにおいて、回転子鉄心107は鋳鉄などの鋳物や積層鉄心で形成するとした。ここでは第3実施形態の永久磁石式回転電機101cの回転子鉄心107が積層鋼板の場合について、図17と図18までを用いて詳細に説明する。
図17は回転子鉄心107が電磁鋼板124で形成された場合の回転子鉄心107の一部を固定子102側から視た展開図である。図18は図17の回転子鉄心107を形成している電磁鋼板124の横断面図である。(a)図を表面とすると、(b)図は裏面となる。
溝122と突起123の軸方向の長さLd,Lp、回転子鉄心107の軸方向の長さLRTの関係は次式を満たすものとする。
d=Lp RT/2 ・・・・・・・・・・・・・・・(4)式
上式より、図17のIの領域では図18(a)の電磁鋼板を、IIの領域では図18(b)の電磁鋼板を回転子軸方向に積層していく。(a)と(b)は表と裏の関係にあるため、一つのパターンの形状で回転子鉄心を製造することができ、コスト低減となる。
第1〜3実施形態では、永久磁石をかまぼこ形状とした。かまぼこ形状の永久磁石は、空隙中の磁束分布をより正弦波状に近づける効果があるため、トルク脈動をある程度低減することができる。本アイディアは、前記永久磁石で落とすことができなかったトルク脈動の次数を低減するために使用し、さらにトルク脈動を低減化する。
(第4実施形態)
図19は、本発明の第4実施形態の回転子鉄心107に溝122を形成した場合の永久磁石式回転電機101dの構成を示す横断面図である。図20は、回転子鉄心107に突起123を形成した場合の永久磁石式回転電機101eの構成を示す横断面図である。図21は、回転子鉄心107に溝122と突起123を形成した場合の永久磁石式回転電機101fの構成を示す横断面図である。図22は、回転子鉄心が電磁鋼板で形成された場合の電磁鋼板124の横断面図である。(a)図を表面とすると、(b)図は裏面となる。
第4実施形態の永久磁石式回転電機101d,101e,101fは、永久磁石106がかまぼこ形状ではなく、直方体形状であることが特徴である。また、第1,2,3実施形態の永久磁石式回転電機101,101b,101cは、内転型,外転型のどちらも適用可能であったが、この第4実施形態の永久磁石式回転電機101d,101e,101fは、外転型に限定される。
これは、外転型にすることで、固定子102と回転子103との間の空隙109中の磁束密度が正弦波により近づき、トルク脈動を低減する効果を有するからである。尚、〔特許文献3〕にその原理が記載されている。
また、直方体形状の永久磁石は、かまぼこ形状の永久磁石に比べて、加工数が少ないので、コスト低減につながる。逆に、内転型に直方体形状の永久磁石を適用すると、トルク脈動は上昇するため本実施形態は外転型に限られる。
また、図19に示すように固定子突極112は、先端部に周方向の固定子突起物114がない全開スロットであることを特徴とする。これは、最大トルク領域では図1に示す固定子鉄心104の固定子突極112の先端の周方向の固定子突起物114は磁気飽和を起こし、トルク脈動の上昇の要因となるため、固定子突起物114を備えない全開スロットにすることで、最大トルク領域においてトルク脈動の上昇を防ぐ効果を有する。また、永久磁石106の数と固定子102の固定子スロット113の数との組み合わせは、永久磁石の数10と固定子突極の数12とを基本単位とする。
図19の永久磁石式回転電機101dの回転子103は、回転子鉄心107の磁石貼付け面121上に、一枚の永久磁石106が軸方向に貼設され、磁石貼付け面121には第1実施形態の溝122が形成されている。
図20の永久磁石式回転電機101eの回転子103は、回転子鉄心107の磁石貼付け面121上に、一枚の永久磁石106が軸方向に貼設され、永久磁石106の回転子の周方向片側には第2実施形態の突起123が形成されている。
図21の永久磁石式回転電機101fの回転子103は、回転子鉄心107の磁石貼付け面121上に、一枚の永久磁石106が軸方向に貼設され、磁石貼付け面121と永久磁石106の回転子の周方向片側には第3実施形態の溝122と突起123が形成されている。
永久磁石式回転電機101fの回転子鉄心107が積層鋼板の場合、第3実施形態と同様に図17のIの領域では図22(a)の電磁鋼板を、IIの領域では図22(b)の電磁鋼板を回転子軸方向に積層していく。(a)と(b)は表と裏の関係にあるため、一つのパターンの形状で回転子鉄心を製造することができ、コスト低減となる。
第1から第4実施形態までの永久磁石式回転電機は、1枚ものの永久磁石を取り扱ってきたが、渦電流損低減のために回転子軸方向に複数分割した永久磁石についても同様に取り扱える。
(第5実施形態)
前記第4実施形態の永久磁石式回転電機101d,101e,101fをエレベータ装置に適用した場合の巻上機の構成について、図23を用いて説明する。
図23において、巻上機131は、永久磁石式回転電機と、永久磁石式回転電機が生み出す動力をロープに伝達するシーブ132と、回転子103に制動力を与えるブレーキ133と、シャフト108を支えるベアリング135と、これらを支えるハウジング134を備え、永久磁石式回転電機とシーブ132とが一体となって構成されている。なお、前記したように、永久磁石式回転電機は、固定子102と回転子103とシャフト108とエンコーダ136を備えている。また、ブレーキ133は、径の大きな回転子103を制動することができるので、シャフト108を制動する内転型よりも強い制動力を与えることができる。
本実施形態の永久磁石式回転電機をエレベータ装置の巻上機に適用することで、トルク時から最大トルク時までの幅広い領域における低トルク脈動(p−pで1%程度)が可能となり、かごに伝わる振動、及びエレベータ機構の騒音の低減に寄与する。さらに、回転子鉄心107の磁石貼付け面121に配置された複数の永久磁石106は、軸方向、及び周方向にずれて配置しないため、磁石貼付け面121の切削加工は回転子103の軸方向に沿ってストレートにすることができ、コスト低減に寄与する。
産業上の利用分野
本発明は低トルク脈動が要求される永久磁石式回転電機に適用することが可能であり、更にはこれを用いたエレベータ装置等の応用機器に用いることができる。
101 永久磁石式回転電機
102 固定子
103 回転子
104 固定子鉄心
105 固定子巻線
106 永久磁石
107 回転子鉄心
108 シャフト
109 空隙
111 ヨーク部(コアバック)
112 固定子突極(ティース)
113 固定子スロット(スロット)
114 固定子突起物
121 磁石貼付け面
122 溝
123 突起
124 電磁鋼板
131 巻上機
132 シーブ
133 ブレーキ
134 ハウジング
135 ベアリング
136 エンコーダ

Claims (13)

  1. 複数の固定子突極が径方向に突出した固定子鉄心と、
    互いに隣接する前記固定子突極の間に形成されたスロットに収納された固定子巻線とを備える固定子と、
    回転子鉄心と、
    該回転子鉄心の周方向に等間隔で回転子表面に配置された複数の永久磁石とを有する回転子を備えた永久磁石式回転電機において、
    前記回転子の軸方向と平行に前記永久磁石が配置され、前記回転子と前記固定子の間の空隙中の磁気抵抗の周方向分布が前記回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 請求項1の永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心の前記永久磁石の貼付け面に、回転子鉄心を切削することによりできる溝を前記回転子の径方向に形成し、前記回転子と前記固定子の間の空隙(ギャップ)中の磁気抵抗の周方向分布が前記回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 請求項1の永久磁石式回転電機において、
    前記回転子の周方向の隣接する前記永久磁石の間の前記回転子鉄心に、磁性体の突起を前記回転子の径方向に形成することにより、前記回転子と前記固定子の間の空隙中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  4. 請求項1の永久磁石式回転電機において、
    前記回転子の周方向の隣接する前記永久磁石の間の前記回転子鉄心に、該回転子鉄心を切削することによりできる溝を前記回転子の径方向に形成することにより、前記回転子と前記固定子の間の空隙中の磁気抵抗の周方向分布が回転子の軸方向に沿って変化することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  5. 請求項2、又は請求項4の永久磁石式回転電機において、
    前記溝は、前記回転子の軸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とした永久磁石式回転電機。
  6. 請求項2、又は請求項4の永久磁石式回転電機において、
    前記溝は、前記回転子の軸方向に対して平行に、前記回転子の軸長より短く形成された2つの溝を有し、それぞれの溝の周方向位置が異なることを特徴とした永久磁石式回転電機。
  7. 請求項3の永久磁石式回転電機において、
    前記突起は、前記回転子の軸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  8. 請求項3の永久磁石式回転電機において、
    前記突起は、前記回転子の軸方向に対して平行に前記回転子の軸長より短く形成された2つの突起よりなり、それぞれの突起の周方向位置が異なることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  9. 請求項1の永久磁石式回転電機において、
    請求項2〜4を組み合わせたことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  10. 請求項1の永久磁石式回転電機において、
    請求項5〜8を組み合わせたことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  11. 請求項1〜10のうちの1つの永久磁石式回転電機において、
    前記永久磁石は、かまぼこ形状であることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  12. 請求項1〜10のうちの1つの永久磁石式回転電機において、
    前記永久磁石は、直方体形状であり、前記回転子が前記固定子の外周部に配置された外転型であり、前記固定子の突極の先端部,固定子の周方向の突起物がない全開スロットであり、前記永久磁石の数と前記固定子のスロット数との組み合わせは、前記永久磁石の数10と前記スロット数12を基本単位とすることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  13. 請求項1〜12のうちの1つの永久磁石式回転電機を用いることを特徴とするエレベータ装置。
JP2009154523A 2009-06-30 2009-06-30 永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置 Withdrawn JP2011015458A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009154523A JP2011015458A (ja) 2009-06-30 2009-06-30 永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置
CN201010118008XA CN101938204A (zh) 2009-06-30 2010-02-10 永磁铁式旋转电机及使用其的升降机装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009154523A JP2011015458A (ja) 2009-06-30 2009-06-30 永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011015458A true JP2011015458A (ja) 2011-01-20

Family

ID=43391379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009154523A Withdrawn JP2011015458A (ja) 2009-06-30 2009-06-30 永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2011015458A (ja)
CN (1) CN101938204A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104011972A (zh) * 2012-02-29 2014-08-27 爱信艾达株式会社 混合动力励磁式旋转电机
JP2015039272A (ja) * 2013-08-19 2015-02-26 ファナック株式会社 コギングトルクを低減する電動機
WO2019159631A1 (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 日本電産株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
CN110266165A (zh) * 2019-07-11 2019-09-20 上海吉亿电机有限公司 永磁曳引电机
WO2019189313A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 日本電産株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
WO2019202790A1 (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 株式会社日立製作所 回転電機、および、エレベーター巻上げシステム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020129890A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 株式会社日立インダストリアルプロダクツ 回転電機、及びエレベーター用巻上げ機システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11308795A (ja) * 1998-04-20 1999-11-05 Mitsubishi Electric Corp 永久磁石式同期電動機
JP2004208341A (ja) * 2002-11-05 2004-07-22 Hitachi Ltd 永久磁石式回転電機
JP2006311738A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Mitsubishi Electric Corp 永久磁石式同期モータおよびその製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104011972A (zh) * 2012-02-29 2014-08-27 爱信艾达株式会社 混合动力励磁式旋转电机
JP2015039272A (ja) * 2013-08-19 2015-02-26 ファナック株式会社 コギングトルクを低減する電動機
US9397526B2 (en) 2013-08-19 2016-07-19 Fanuc Corporation Electric motor having structure for reducing cogging torque
CN111742467A (zh) * 2018-02-15 2020-10-02 日本电产株式会社 转子、马达以及电动助力转向装置
WO2019159631A1 (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 日本電産株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
CN111742467B (zh) * 2018-02-15 2023-02-28 日本电产株式会社 转子、马达以及电动助力转向装置
JPWO2019159631A1 (ja) * 2018-02-15 2021-01-28 日本電産株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
JPWO2019189313A1 (ja) * 2018-03-30 2021-03-25 日本電産株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
WO2019189313A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 日本電産株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
JP7275436B2 (ja) 2018-03-30 2023-05-18 ニデック株式会社 ロータ、モータおよび電動パワーステアリング装置
WO2019202790A1 (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 株式会社日立製作所 回転電機、および、エレベーター巻上げシステム
CN110266165A (zh) * 2019-07-11 2019-09-20 上海吉亿电机有限公司 永磁曳引电机
CN110266165B (zh) * 2019-07-11 2024-03-19 上海吉亿电机有限公司 永磁曳引电机

Also Published As

Publication number Publication date
CN101938204A (zh) 2011-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5210150B2 (ja) 永久磁石式回転電機、エレベータ装置、及び永久磁石式回転電機の製造方法
JP5774081B2 (ja) 回転電機
JP5868513B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機
WO2011007694A1 (ja) 永久磁石式同期モータ
JP2009136040A (ja) 回転電機の回転子
JP2008271640A (ja) アキシャルギャップ型モータ
JP2011015458A (ja) 永久磁石式回転電機、及びこれを用いたエレベータ装置
JP5656719B2 (ja) 永久磁石型回転電機及び永久磁石型回転電機の製造方法
JP6048191B2 (ja) マルチギャップ型回転電機
JP2014050211A (ja) 永久磁石回転電機
JP2011139617A (ja) 回転電機
JP2015047051A (ja) 回転子、および、これを用いた回転電機
JP2018137924A (ja) 回転電機のロータ
JP5954279B2 (ja) 回転電機
JP7259798B2 (ja) アキシャルギャップモータ
WO2011121982A1 (ja) 回転電気機械
WO2017212575A1 (ja) 永久磁石モータ
WO2011089797A1 (ja) ロータ、これを用いた回転電機および発電機
JP2006340507A (ja) 回転電機の固定子
JP2013085323A (ja) アキシャルギャップ型の回転電機
JP2011167023A (ja) アキシャルギャップ型モータのロータ及びその製造方法
JP2014180096A (ja) 永久磁石回転電機およびエレベーター駆動巻上機
JP2005094959A (ja) 永久磁石式回転電機
JP2011217454A (ja) 回転電気機械
JP2010004690A (ja) 永久磁石回転電機及びそれを用いたエレベータ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110606

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20120112